JP4830228B2 - タッチセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば弾球遊技機のハンドル部やその他の産業機器またはアミューズメント機器に用いられて、被検知物としての人体の接触を検出するようなタッチセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のタッチセンサとしては、例えば、特開平5−14164号公報に記載のものがある。
【0003】
すなわち、図11に示すように、トランジスタTr11と、発振コイル91と、発振コンデンサ92,93にてLC発振を行なうコルピッツ型の発振回路94と、タッチ電極95と、保護用のコンデンサ96および抵抗97にて人体のタッチを検出するセンサ部と、検波用ダイオード98と、積分用の抵抗99およびコンデンサ100にて発振出力を検波積分する検波積分回路101と、検知信号を出力するトランジスタTr12とを備えて構成したタッチセンサであって、前述のタッチ電極95に人体が接触することで、発振回路94の等価インピーダンスが低下し、発振振幅の変化、もしくは発振周波数の変化を処理することにより、人体がタッチ電極95に接触したことを検知するものである。
【0004】
換言すれば、上記タッチセンサはコルピッツ型発振回路を基本構成としており、タッチ電極95と大地間の容量を、発振回路94の発振定数の一部(静電容量)として、人体接触の有無が検知容量の変化となり、発振振幅を変化させるもので、人体が接触する際、検知容量に応じて発振振幅が単調変化する。このような発振振幅を検波し、一定の判定レベルで比較して、人体の接触有無を判定するものである。
【0005】
しかし、この従来構造においては、実際の弾球遊技機などの機器に取付けて使用する際、検出すべき人体容量のばらつき(個人差および床面の状態等)、遊技機が独自に持つ浮遊容量、機器の接地方法、温度・湿度の変化などの環境変化を受けやすく、その結果、検知容量が大きくばらつく問題点がある。
【0006】
また、上述の発振振幅波高は、電波、ノイズなどの誘導ノイズの影響を受けて変動するので、発振回路に上述のような振幅値判定の方式を採用した場合、その後段の回路は、信号振幅の変化とノイズの重畳を見分けることが困難で、外乱安定性に問題がある。
【0007】
また、上述の外乱安定性を上げるために、発振回路内の要所にコンデンサを挿入して、ノイズを除去する従来技術もある。しかし、アミューズメント業界の弾球遊技機において、該機のハンドル部に人体検知として上述のような発振回路で構成されたタッチセンサを使用する場合、遊技者が故意に高出力トランシーバなどで不正な電波を照射し、遊技機の各所を誤動作させようとするケースも想定されるので、ノイズ対策だけでは不十分であり、また、前述した検知容量のばらつきや検出動作の安定性の問題点は依然として未解決である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、物体容量のばらつきや環境の変化に対して強く、さらに、誘導ノイズの影響も受け難く、不正な電波の照射にも強く、検出安定性の向上および外乱安定性の向上を図ることができるタッチセンサの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、人体の接触が入力される入力部と、前記入力部に保護用素子を介して接続された発振回路を有し、前記入力部への人体接触状態の有無により、前記発振回路が前記入力部と大地間の人体等価インピーダンスの変化で、発振振幅もしくは発振周波数が変化することにより生じる電気的な変化量にて人体の接触有無を判別するタッチセンサであって、前記入力部と前記発振回路との間に配置されたコイルとコンデンサの並列接続による並列共振回路のコンダクタンスgLと、前記発振回路のコンダクタンスgiと、前記人体等価インピーダンスのコンダクタンス成分gxとの関係を、gL+gx>gi>gLとなるように構成することにより、前記発振回路は、人体が接触しない場合に定常発振し、人体が接触した場合に前記定常発振を停止するタッチセンサであることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、人体が入力部に触れることにより、発振回路の定常発振が停止し、また、人体が入力部から離反すると、再び定常発振が発生する。
【0011】
したがって、人体の接触および離反の発振動作は、発振回路の発振停止、または発振開始の動作で現れるので、換言すれば、発振飽和時の最高値と発振振幅零の最低値の両端で現れるので、人体の接触および離反を示すレベル差が大きくなり、人体の接触有無を判定する判定レベルを、例えば、これらの中間に設定したとき、人体の接触および離反と、判定レベルとのレベル差が大きく取れ、その結果、発振回路に環境変化の影響や、誘導ノイズが振幅に作用して、多少振幅が変動しても、判定レベルまで至らない限り、これらが検知動作に影響を与えることがなくなり、安定した動作となる。同時に、チャタリングに対してもその発生を回避することもできる。
【0012】
実施の形態として、人体が前記入力部に接触している状態と離反している状態とのそれぞれに対応する前記発振回路の出力の切り換わりにおいて、前記離反状態から接触状態に切り換わる動作点が高く、接触状態から離反状態に切り換わる動作点が低くなるように、前記発振回路の出力にヒステリシス特性を持たせるヒステリシス付与回路を備えることができる。
【0013】
この構成によれば、入力部に対する人体の完全な接触、完全な離反により動作し、状態変化に瞬時に発生しやすいチャタリングを防止し、また、動作も確実となって安定した検知動作が得られる。
【0014】
【発明の効果】
この発明によれば、人体の接触および離反の発振動作は、発振回路の発振停止、または発振開始の動作で現れるので、換言すれば、発振飽和時の最高値と発振振幅零の最低値の両端で現れるので、人体の接触および離反を示すレベル差が大きくなり、人体の接触有無を判定する判定レベルを、例えば、これらの中間に設定したとき、人体の接触および離反と、判定レベルとのレベル差が大きく取れ、その結果、発振回路に環境変化の影響や、誘導ノイズが振幅に作用して、多少振幅が変動しても、判定レベルまで至らない限り、これらが検知動作に影響を与えることがなくなり、安定した動作となる。同時に、チャタリングに対してもその発生を回避することもできる。
【0015】
さらに、発振回路の定常発振または発振停止の動作は、回路固有の基準値を超えることにより、回路固有の基準値自体が切り換わる構成であるため、例えば、人体が徐々に接触したり、徐々に離反する条件下でも、動作点の付近でのチャタリングや出力が反転する誤動作がなく、検出動作が非常に安定する。
【0016】
人体の接触および離反の切り換わりにおいて、上記離反状態から接触状態に切り換わる動作点が高く、接触状態から離反状態に切り換わる動作点が低くなるように、発振開始点と発振停止点とに差を設けて、発振振幅特性にヒステリシスを持たせることにより、人体の完全な接触、完全な離反により動作し、これによってチャタリングを防止し、また、動作も確実となって安定した検知動作が得られる。
【0017】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
【0018】
なお、以下の実施例においては説明の便宜上、タッチセンサをパチンコ台のような弾球遊技機のハンドルに採用した例をあげて説明する。
【0019】
図1は上記ハンドル10の断面図であって、ハンドル取付け部11にはハンドル基部12が係合され、このハンドル基部12には弾球力調整レバー13が回転自在に設けられており、この弾球力調整レバー13を遊技者が操作することで、パチンコ球の弾球力がコントロールされる。
【0020】
上述の弾球力調整レバー13の前面にはハンドルタッチ部14が設けられ、遊技者は該ハンドルタッチ部14に掌を接触させた状態で上記弾球力調整レバー13を操作するものである。
【0021】
上述のハンドルタッチ部14は合成樹脂主体の表裏両面に金属メッキ層(図示せず)が形成され、この金属メッキ層が後述する接触電極20(図2参照)を構成する。
【0022】
また上述のハンドルタッチ部14の内空部にはタッチセンサ15が設けられ、このタッチセンサ15の内部回路と電気的に接続されたリード片16は導電性の固定ネジ17を用いてハンドル部14の裏面側のメッキ層に電気接続されると共に、該部に固定されている。なお、図1において、18は弾球力調整レバー13に取付けられた軸、19はタッチセンサ15のリード線である。
【0023】
図2は図1で示したタッチセンサ15と、外部に露呈された接触電極20の回路図であって、上記タッチセンサ15は、人体(ことに手指)が接触する接触電極20と結合用(保護用)コンデンサC1とを備えたセンサ部21と、コイルL1とコンデンサC2を並列に接続した並列共振回路22と、トランジスタTr1,Tr2,Tr3,Tr4と抵抗R1とを備えた電流帰還型の発振回路本体23と、トランジスタTr5と抵抗R2とを備えた出力回路24とを図示のように接続して構成している。
【0024】
人体の接触有無を示す等価回路は、人体の容量Cx(概ね150pF),人体の抵抗Rx、人体の接触・離反を現すスイッチSWによって仮想的に示している。
【0025】
前述の発振回路本体23は発振点を設定している。
【0026】
すなわち、並列共振回路22のコンダクタンスgLと、発振回路本体23側のコンダクタンスgiとの関係を、予め、
gL<gi………1式
の関係となるように設定すれば、接触電極20に人体の接触がない場合は、並列共振回路22の共振周波数で発振状態となるように設定できる。
【0027】
この状態に対して、接触電極20に人体が接触すると、人体等価インピーダンスが接続されることになり、この人体等価インピーダンスのコンダクタンス成分をgxとしたとき、発振回路本体23側のコンダクタンスgiとの関係を
gL+gx>gi………式2
にすれば、接触電極20に人体が接触した場合、発振回路本体23の発振が停止する。
【0028】
したがって、前述の式1および上述の式2により、
gL+gx>gi>gL………式3
となるように、発振回路本体23側のコンダクタンスgiを設定する。このgiは発振回路本体23側の回路固有の基準値となるコンダクタンスであり、該回路中の抵抗R1の定数値により自由に設定可能である。
【0029】
なお、回路中の結合用(保護用)コンデンサC1は、直流的に接触電極20と発振回路本体23とを切り離す役割があり、人体容量Cxより十分大きな値(C1>>Cx)に設定しておけば、発振回路の動作点には影響を与えることはない。
【0030】
図3は、上述のように回路構成した並列共振回路22側の合成インピーダンスのコンダクタンス成分と、発振回路本体23側の回路固有の基準値のコンダクタンスgiとの関係を示し、縦軸はコンダクタンス、横軸は共振周波数である。
【0031】
接触電極20に対して人体が離反しているとき(スイッチSWがoff)、並列共振回路22側の合成インピーダンスは、並列共振回路22のインピーダンスそのもののコンダクタンス成分gLになるが、接触電極20に人体が接触すると(スイッチSWがon)、等価的に人体等価インピーダンスが並列に接続される構成となるため、共振周波数が変化し、インピーダンス自体も変化して、合成コンダクタンスgL+gxとなる。
【0032】
一方、発振回路本体23側のコンダクタンスgiは、並列共振回路22側のインピーダンスの変化に関係なく一定であるため、抵抗R1の定数値の選択調整により、並列共振回路22のコンダクタンスgLと該回路22側の合成コンダクタンスgL+gxの中間位置(ことに中央位置)に回路固有の基準値としてコンダクタンスgiを設定すると、人体が接触電極20に離反しているときは式1が成立して、定常的に回路は発振状態となり、人体が接触電極20に接触すると、式2が成立し、発振回路の発振は停止する。
【0033】
図4は、上述した図3の関係に設定した図2におけるVoutの波形を示し、横軸は時間、縦軸は出力電圧を示す。
【0034】
時間軸に沿って、接触電極20から離反している人体がタイミングt0にて接触すると、タイミングt0以前では定常発振しているが、タイミングt0以降では発振が停止して、一定の直流値となる。
【0035】
図5は、前述の発振回路本体23の発振動作を出力回路24が出力する波形を示し、横軸は時間、縦軸は出力電圧を示すが、図4と比べ時間軸を広げている。
【0036】
出力電圧Voutは、人体接触の有無を想定したスイッチSWのon/offにより、発振停止/定常発振となり、人体と接触電極20の接触/離反をあたかもデジタル変換する機能を持つことを示す。
【0037】
また、上述の出力回路24の出力は、演算処理して接触/離反の検知信号を得ることができ、他の手段としては、出力回路24の出力を検波積分して設定された判定レベルで比較して、接触/離反の検知信号を得ることもできる。
【0038】
図6は、参考例を示し、この実施例では人体が接触することにより発振を開始する発振開始型の発振回路を示している。
【0039】
この発振回路30は、トランジスタTr6,Tr7と、抵抗R3,R4,R5,R6と、コンデンサC3,C4と、接触電極20および結合用(保護用)コンデンサC1とを図示のように接続して、CR発振回路を構成している。すなわち、能動動作中のトランジスタTr6の動作に追従するトランジスタTr7からコンデンサC3でトランジスタTr6に帰還される構成と、能動動作中のトランジスタTr6のベースに結合用コンデンサC1を介して接続された接触電極20の構成とで、発振開始型のCR発振回路を構成している。
【0040】
これは接触電極20と大地間の容量値が、接触電極20に対する人体の接触有無により変化することを発振回路30の動作にて検出するように構成した回路であり、接触電極20に対する人体の接触によって回路固有の容量値Ciを基準値として、この基準値Ciよりも接触電極20と大地間との容量値が大きくなった場合に、発振回路内のほとんどの箇所に定常発振が発生する方式である。
【0041】
そのため、人体が離反しているときの接触電極20と大地間の容量値C0と回路固有の容量値Ciとの関係を、予め、
C0<Ci………式4
の関係となるように設定し、接触電極20に人体が接触していない場合は、発振停止状態になるように設定する。
【0042】
この状態に対して、接触電極20に人体が接触すると、人体等価インピーダンスが接続されたことになるので、人体等価インピーダンスの容量値をCxとしたとき、回路固有の基準値の容量値Ciとの関係を、
C0+Cx>Ci…………式5
にすれば、発振回路30の発振が開始する。
【0043】
したがって、前述の式4および上述の式5により、
C0+Cx>Ci>C0………式6
となるように、回路固有の基準値の容量値Ciを設定する。この設定はコンデンサC3、抵抗R5,R6などの定数により自由に設定することができる。
【0044】
図7は、前述の発振回路30が出力する波形を示し、横軸は時間、縦軸は出力電圧を示す。
【0045】
発振回路本体30の出力電圧Voutは、人体接触の有無を想定したスイッチSWのon/offにより、定常発振/発振停止となり、この出力は、演算処理して接触/離反の検知信号を得ることができ、他の手段としては、その出力を検波積分して設定された判定レベルで比較して、接触/離反の検知信号を得ることもできる。
【0046】
図8は、さらに他の実施例を示し、この実施例では、発振回路の出力にヒステリシス特性を持たせるための構成を示す。発振回路は図1で示した回路構成を有し、この回路構成に対して、検波積分回路25、および比較回路26を接続している。
【0047】
上述の検波積分回路25は、検波を行うダイオードDと、積分処理を行うコンデンサC3および抵抗R7とを図示のように接続して構成し、比較回路26はコンパレータCOMと抵抗R9〜R13を図示のように接続して構成している。
【0048】
さらに、発振出力にヒステリシス特性を持たすために、発振回路本体23の抵抗R1に抵抗Rzを直列に接続し、トランジスタTrzにより、抵抗R1と抵抗R1+Rzとに動作点を切り換えるように接続し、さらに、トランジスタTrzをコンパレータCOMの出力でoff/on操作するように接続している。
【0049】
すなわち、発振回路本体23の出力は、接触電極20に対して人体が離反しているとき定常発振しており、接触電極20に人体が接触すると発振が停止するように設定しているので、接触電極20に対して人体が離反しているとき、発振回路本体23の出力点Vout1の出力は定常発振を出力して、“H”(high)の状態であり、さらに、この定常発振を検波積分した検波積分回路25の出力点Vout2も“H”の状態であり、設定した判別レベルで定常発振状態(人体離反状態)を検知するコンパレータCOMの出力点Vout3も“H”を出力している。なお、この出力はタッチセンサとしての最終出力にもなり得る。
【0050】
上述のように、コンパレータCOMの出力点Vout3が“H”を出力することにより、前述のトランジスタTrzがonになり、抵抗R1のみが動作し、抵抗Rzは短絡される。
【0051】
また、人体が接触電極20に接触すると、発振回路本体23の発振が停止するので、その出力点Vout1の出力は発振停止で、“L”(LOW)の状態であり、さらに、検波積分回路25の出力点Vout2も“L”の状態であり、コンパレータCOMの出力点Vout3も“L”を出力して、人体検知状態を出力している。
【0052】
したがって、コンパレータCOMの出力が“L”であるため、トランジスタTrzはoffになり、抵抗R1とR2とが動作することになる。
【0053】
その結果、人体が接触電極20から離反しているときは、トランジスタTrzはonで、回路コンダクタンスgi1は抵抗R1のみで決定され、人体が接触電極20に接触しているときは、トランジスタTrzはoffで、回路コンダクタンスgi2は抵抗R1+R2で決定されて、発振点は2つ存在することになり、また、その発振状態は、接触電極20に対する人体の離反状態から接触状態に切り換わる動作点が高く、接触状態から離反状態に切り換わる動作点が低くなるようなヒステリシス特性を持つことになる。
【0054】
すなわち、回路コンダクタンスgi1とgi2との関係が
gi1>gi2………式7
となり、上述したヒステリシス特性を持たせることができる。
【0055】
図9は、上述のように回路構成した並列共振回路22側の合成インピーダンスのコンダクタンス成分と、発振回路本体23側の回路固有の基準値のコンダクタンスgiとの関係を示し、縦軸はコンダクタンス、横軸は共振周波数である。
【0056】
図9の(a)は、接触電極20に対して人体が離反している状態を示し、該状態では、前述したように、発振回路本体23の回路コンダクタンスgi1は抵抗R1のみで決定されるために、コンダクタンスが高くなり、そのため動作点も高くなって接触電極20に対し完全な接触によって定常発振が停止し、人体接触が検知される。
【0057】
図9の(b)は、接触電極20に対して人体が接触している状態を示し、前述のように接触電極20に対する人体の離反状態から接触状態に切り換えられると、トランジスタTrzにより抵抗R1+R2の回路コンダクタンスgi2に切り換えられるので、コンダクタンスが低くなり、そのため動作点も低くなって接触電極20に対して完全に人体が離反しなければ、定常発振が復帰(始動)しない。
【0058】
したがって、発振状態は、接触電極20に対する人体の離反状態から接触状態に切り換わる動作点が高く、接触状態から離反状態に切り換わる動作点が低くなるようなヒステリシス特性を持つことになる。
【0059】
図10は、コンパレータCOMと発振振幅との関係によるヒステリシス特性を示し、図中の特性Aは人体の離反状態から接触電極20へ徐々に接触状態になる場合の発振振幅を示し、また、特性Bは反対に接触状態から徐々に離反状態に移行する場合の発振振幅を示している。
【0060】
特性Aのときはコンダクタンスgi1の“H”からコンダクタンスgi2の“L”に切り換わり、特性Bはその逆であるため、図示のようなヒステリシス特性を持つことになる。
【0061】
また、上述のようにヒステリシス特性を持つと、人体の検知動作が安定する利点が生じる。すなわち、発振が停止する場合は、人体と接触電極20とが完全に接触しなければならず、また、逆に、定常発振に復帰するには、第1の発振点を通過しても発振が立ち上がらず、第2の発振点に至って初めて定常発振の復帰動作となるため、具体的に人体が接触電極20から完全に離反しない限り動作しないことを示す。そのため、完全な接触と完全な離反で動作を行うので、接触/離反の動作によるによるチャタリングも防止できて、人体の検知動作が安定する。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の入力部は、実施例の接触電極20に対応し、同様に、この発明のヒステリシス付与回路は、実施例の抵抗R1,Rz、コンパレータCOM、トランジスタTrzに対応するも、この発明は、その他の構成をも含めて、実施例に限定されるものではなく、多くの実施の形態を備える。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタッチセンサの使用例を示す遊技機ハンドルの断面図。
【図2】 タッチセンサの電気回路図。
【図3】 発振回路の発振周波数とコンダクタンスとの関係を示す特性図。
【図4】 発振回路の出力波形を示す説明図。
【図5】 発振回路の出力波形を示す説明図。
【図6】 参考例を示す発振開始型の発振回路図。
【図7】 発振回路の出力波形を示す説明図。
【図8】 他の実施例を示す発振回路図。
【図9】 発振回路の発振周波数とコンダクタンスとの関係を示す特性図。
【図10】 ヒステリシス特性を示す図。
【図11】 従来のタッチセンサを示す電気回路図。
【符号の説明】
15…タッチセンサ
20…接触電極
21…センサ部
22…並列共振回路
23…発振回路本体
24…出力回路
30…発振回路
COM…コンバータ
R1,Rz…抵抗
Trz…トランジスタ
Claims (2)
- 人体の接触が入力される入力部と、前記入力部に保護用素子を介して接続された発振回路を有し、前記入力部への人体接触状態の有無により、前記発振回路が前記入力部と大地間の人体等価インピーダンスの変化で、発振振幅もしくは発振周波数が変化することにより生じる電気的な変化量にて人体の接触有無を判別するタッチセンサであって、
前記入力部と前記発振回路との間に配置されたコイルとコンデンサの並列接続による並列共振回路のコンダクタンスgLと、前記発振回路のコンダクタンスgiと、前記人体等価インピーダンスのコンダクタンス成分gxとの関係を、
gL+gx>gi>gLとなるように構成することにより、
前記発振回路は、人体が接触しない場合に定常発振し、人体が接触した場合に前記定常発振を停止することを特徴とする
タッチセンサ。 - 人体が前記入力部に接触している状態と離反している状態とのそれぞれに対応する前記発振回路の出力の切り換わりにおいて、
前記離反状態から接触状態に切り換わる動作点が高く、接触状態から離反状態に切り換わる動作点が低くなるように、前記発振回路の出力にヒステリシス特性を持たせるヒステリシス付与回路を備えた
請求項1に記載のタッチセンサ。
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