JP3963830B2 - 静電センサを有する入力手段 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電センサを有する入力手段に係り、手や指等の人体の一部が近接または接触したことにより電気信号を出力する静電センサを有する入力手段に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、静電センサは各種の用途において入力手段として広く利用されている。例えば、近年広く普及している携帯電話機においては、番号や文字等の情報入力手段として採用されている。
【０００３】
この静電センサは、携帯電話機のケースとなる筐体の入力部分とされる所定位置の内側に電極を設け、その電極と対面する筐体の外面を人体が接触した時に、電極と人体との間に介在する筐体の静電容量の変化を検出して、出力を発生するようにされている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来の静電センサにおいては電極のサイズも大きく、筐体も厚さが薄いものであったために、指を接触させた場合における静電センサの容量変化が大きく、応答性の高いものであった。
【０００５】
しかしながら、携帯電話機の小型化、多機能化の要請に伴い、静電センサに電極の小型化および筐体の厚さの増加の要請があるが、従来においては小型化した静電センサにおける人体の接触等による入力の検出が困難になってきている。
【０００６】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、小型になった静電センサの入力を確実に検出して出力することができ、応答性および信頼性優れた静電センサを有する入力手段を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明の静電センサを有する入力手段は、クロック信号を発生するクロック信号生成手段と、静電センサに人体が接近または接触した時に検知される静電容量に応じて前記クロック信号に立ち上がりの遅延を付与して遅延信号を発生する遅延手段と、前記クロック信号および遅延信号を入力信号として出力信号を出力するＡＮＤ手段と、ＡＮＤ手段の出力を前記クロック信号によってスイッチングして出力するアナログスイッチと、アナログスイッチの出力を平滑して出力する平滑手段とを有することを特徴とする。
【０００８】
このように形成することにより小型になった静電センサの入力を確実に検出して出力することができ、応答性および信頼性に優れたものとなる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【００１０】
図１は本発明の静電センサを有する入力手段を携帯電話機に適応した一実施形態を示している。
【００１１】
図１に示すように、携帯電話機に内蔵されたマイコン１のクロック信号生成手段２からドライブ波となるクロック信号をＡＮＤ手段となるＡＮＤ回路３の１つの入力信号として出力するようにされている。ＡＮＤ回路３の入力側には、クロック信号生成手段２側より直列接続された抵抗４と静電センサ５とからなる遅延手段６が接続されている。この遅延手段６においては、静電センサ４に人体が接近または接触した時に検知される静電容量に応じてクロック信号に立ち上がりの遅延を付与した遅延信号をＡＮＤ回路３の他の入力信号として出力する。この静電センサ４は、図２に例示するように、携帯電話機の筐体７の内面側に電極８を取り付けて形成されている。ＡＮＤ回路３の出力側には、ＡＮＤ回路３の出力をクロック信号によってスイッチングして出力するアナログスイッチ９が接続されている。アナログスイッチ９としては、公知のいずれの形式のものであってもよい。このアナログスイッチ９の出力側には、その出力を平滑して出力する平滑手段１０としての抵抗１１およびコンデンサ１２が接続されている。平滑手段１０の出力は、マイコン１に設けられているＡＤコンバータ１３に出力するように接続されている。
【００１２】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【００１３】
マイコン１のクロック信号生成手段２からは、図３の（ａ）に示すような所定の周波数の規則的なパルス信号（１周期長がＴ１、半周期長がＴ２）からなるクロック信号ＣＫがＡＮＤ回路３に出力される。
【００１４】
静電センサ５に人体が触れていない時には、クロック信号ＣＫが遅延手段６を経る間に、抵抗４の抵抗値Ｒと静電センサ５の静電容量Ｃとによって決定される時定数ＣＲに基づいて図３の（ｂ）に示すようなアナログ出力がＡＮＤ回路３に入力される。
【００１５】
この静電センサ５の静電容量Ｃは一般的に式１によって示すことができる。
【００１６】
Ｃ＝ε（Ｓ／ｄ）・・・（式１）
ただし、εは筐体の誘電率、 Ｓは対向電極と人体間の対向面積、 ｄは電極間の対向距離である。なお、ここでは前記誘電率εはー定である。
【００１７】
ＡＮＤ回路３のＨレベルとＬレベルとのしきい値ＳＬを図３の（ｂ）に示す通りに設定すると、ＡＮＤ回路３の論理積は、図３の（ｃ）のようにＴ３時間のパルスとなる。
【００１８】
一方、静電センサ５に人体１４が接触している時には、クロック信号ＣＫが遅延手段６を経る間に、抵抗４の抵抗値Ｒと静電センサ５の静電容量Ｃとによって決定される時定数ＣＲに基づいて図３の（ｄ）に示すようなアナログ出力がＡＮＤ回路３に入力される。
【００１９】
ＡＮＤ回路３のＨレベルとＬレベルとのしきい値ＳＬを図３の（ｄ）に示す通り同図（２）と同一に設定すると、ＡＮＤ回路３の論理積は、図３の（ｅ）のようにＴ４時間のパルスとなる。
【００２０】
図３の（ｃ）および（ｅ）に示すＡＮＤ回路３の各出力は、アナログスイッチ９においてクロック信号ＣＫによってスイッチングして平滑手段１０に出力される。その後、平滑手段１０において抵抗１１の抵抗値Ｒ１とコンデンサ１２の静電容量Ｃ１とによって決定される時定数Ｃ１・Ｒ１に基づいて平滑化されて、ＡＤコンバータ１３に出力され、その後ＡＤコンバータ１３によって、例えばd0〜d7のデジタル値に変換される。
【００２１】
本実施の形態においては、アナログスイッチ９を用いているために、静電センサ５に人体が接触している場合と非接触の場合とにおける平滑手段１０の出力電圧の電圧変化量が式２の通りとなる。
【００２２】
Ｖ＝｛（Ｔ３−Ｔ４）／Ｔ２｝ＶＤＤ・・・（式２）
これに対して図１におけるアナログスイッチ９を設けていない従来例においては、静電センサ５に人体が接触している場合と非接触の場合とにおける平滑手段１０の出力電圧の電圧変化量が式３の通りとなる。
【００２３】
Ｖ＝｛（Ｔ３−Ｔ４）／Ｔ１｝ＶＤＤ・・・（式３）
これらの式２と式３とを比較すると、本実施形態の方が、（Ｔ１／Ｔ２）だけ従来例の場合より電圧変化が大きくなっている。
【００２４】
従って、本実施の形態によれば、静電センサ５の静電容量が小さく限定されるようになっても、人体の接触・非接触の状態を確実に、精度よく検出することができ、応答性および信頼性に優れたものとなる。
【００２５】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【００２６】
【発明の効果】
このように本発明の静電センサを有する入力手段は構成され作用するものであるから、小型になった静電センサの入力を確実に検出して出力することができ、応答性および信頼性に優れたものとなる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の静電センサを有する入力手段の１実施の形態を示す回路図
【図２】 静電センサの１実施例を示す側面図
【図３】 図１の回路の各部における信号を示すタイムチャート
【符号の説明】
２ クロック信号生成手段
３ ＡＮＤ手段（ＡＮＤ回路）
５ 静電センサ
６ 遅延手段
９ アナログスイッチ
１０ 平滑手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電センサを有する入力手段に係り、手や指等の人体の一部が近接または接触したことにより電気信号を出力する静電センサを有する入力手段に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、静電センサは各種の用途において入力手段として広く利用されている。例えば、近年広く普及している携帯電話機においては、番号や文字等の情報入力手段として採用されている。
【０００３】
この静電センサは、携帯電話機のケースとなる筐体の入力部分とされる所定位置の内側に電極を設け、その電極と対面する筐体の外面を人体が接触した時に、電極と人体との間に介在する筐体の静電容量の変化を検出して、出力を発生するようにされている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来の静電センサにおいては電極のサイズも大きく、筐体も厚さが薄いものであったために、指を接触させた場合における静電センサの容量変化が大きく、応答性の高いものであった。
【０００５】
しかしながら、携帯電話機の小型化、多機能化の要請に伴い、静電センサに電極の小型化および筐体の厚さの増加の要請があるが、従来においては小型化した静電センサにおける人体の接触等による入力の検出が困難になってきている。
【０００６】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、小型になった静電センサの入力を確実に検出して出力することができ、応答性および信頼性優れた静電センサを有する入力手段を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明の静電センサを有する入力手段は、クロック信号を発生するクロック信号生成手段と、静電センサに人体が接近または接触した時に検知される静電容量に応じて前記クロック信号に立ち上がりの遅延を付与して遅延信号を発生する遅延手段と、前記クロック信号および遅延信号を入力信号として出力信号を出力するＡＮＤ手段と、ＡＮＤ手段の出力を前記クロック信号によってスイッチングして出力するアナログスイッチと、アナログスイッチの出力を平滑して出力する平滑手段とを有することを特徴とする。
【０００８】
このように形成することにより小型になった静電センサの入力を確実に検出して出力することができ、応答性および信頼性に優れたものとなる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【００１０】
図１は本発明の静電センサを有する入力手段を携帯電話機に適応した一実施形態を示している。
【００１１】
図１に示すように、携帯電話機に内蔵されたマイコン１のクロック信号生成手段２からドライブ波となるクロック信号をＡＮＤ手段となるＡＮＤ回路３の１つの入力信号として出力するようにされている。ＡＮＤ回路３の入力側には、クロック信号生成手段２側より直列接続された抵抗４と静電センサ５とからなる遅延手段６が接続されている。この遅延手段６においては、静電センサ４に人体が接近または接触した時に検知される静電容量に応じてクロック信号に立ち上がりの遅延を付与した遅延信号をＡＮＤ回路３の他の入力信号として出力する。この静電センサ４は、図２に例示するように、携帯電話機の筐体７の内面側に電極８を取り付けて形成されている。ＡＮＤ回路３の出力側には、ＡＮＤ回路３の出力をクロック信号によってスイッチングして出力するアナログスイッチ９が接続されている。アナログスイッチ９としては、公知のいずれの形式のものであってもよい。このアナログスイッチ９の出力側には、その出力を平滑して出力する平滑手段１０としての抵抗１１およびコンデンサ１２が接続されている。平滑手段１０の出力は、マイコン１に設けられているＡＤコンバータ１３に出力するように接続されている。
【００１２】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【００１３】
マイコン１のクロック信号生成手段２からは、図３の（ａ）に示すような所定の周波数の規則的なパルス信号（１周期長がＴ１、半周期長がＴ２）からなるクロック信号ＣＫがＡＮＤ回路３に出力される。
【００１４】
静電センサ５に人体が触れていない時には、クロック信号ＣＫが遅延手段６を経る間に、抵抗４の抵抗値Ｒと静電センサ５の静電容量Ｃとによって決定される時定数ＣＲに基づいて図３の（ｂ）に示すようなアナログ出力がＡＮＤ回路３に入力される。
【００１５】
この静電センサ５の静電容量Ｃは一般的に式１によって示すことができる。
【００１６】
Ｃ＝ε（Ｓ／ｄ）・・・（式１）
ただし、εは筐体の誘電率、 Ｓは対向電極と人体間の対向面積、 ｄは電極間の対向距離である。なお、ここでは前記誘電率εはー定である。
【００１７】
ＡＮＤ回路３のＨレベルとＬレベルとのしきい値ＳＬを図３の（ｂ）に示す通りに設定すると、ＡＮＤ回路３の論理積は、図３の（ｃ）のようにＴ３時間のパルスとなる。
【００１８】
一方、静電センサ５に人体１４が接触している時には、クロック信号ＣＫが遅延手段６を経る間に、抵抗４の抵抗値Ｒと静電センサ５の静電容量Ｃとによって決定される時定数ＣＲに基づいて図３の（ｄ）に示すようなアナログ出力がＡＮＤ回路３に入力される。
【００１９】
ＡＮＤ回路３のＨレベルとＬレベルとのしきい値ＳＬを図３の（ｄ）に示す通り同図（２）と同一に設定すると、ＡＮＤ回路３の論理積は、図３の（ｅ）のようにＴ４時間のパルスとなる。
【００２０】
図３の（ｃ）および（ｅ）に示すＡＮＤ回路３の各出力は、アナログスイッチ９においてクロック信号ＣＫによってスイッチングして平滑手段１０に出力される。その後、平滑手段１０において抵抗１１の抵抗値Ｒ１とコンデンサ１２の静電容量Ｃ１とによって決定される時定数Ｃ１・Ｒ１に基づいて平滑化されて、ＡＤコンバータ１３に出力され、その後ＡＤコンバータ１３によって、例えばd0〜d7のデジタル値に変換される。
【００２１】
本実施の形態においては、アナログスイッチ９を用いているために、静電センサ５に人体が接触している場合と非接触の場合とにおける平滑手段１０の出力電圧の電圧変化量が式２の通りとなる。
【００２２】
Ｖ＝｛（Ｔ３−Ｔ４）／Ｔ２｝ＶＤＤ・・・（式２）
これに対して図１におけるアナログスイッチ９を設けていない従来例においては、静電センサ５に人体が接触している場合と非接触の場合とにおける平滑手段１０の出力電圧の電圧変化量が式３の通りとなる。
【００２３】
Ｖ＝｛（Ｔ３−Ｔ４）／Ｔ１｝ＶＤＤ・・・（式３）
これらの式２と式３とを比較すると、本実施形態の方が、（Ｔ１／Ｔ２）だけ従来例の場合より電圧変化が大きくなっている。
【００２４】
従って、本実施の形態によれば、静電センサ５の静電容量が小さく限定されるようになっても、人体の接触・非接触の状態を確実に、精度よく検出することができ、応答性および信頼性に優れたものとなる。
【００２５】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【００２６】
【発明の効果】
このように本発明の静電センサを有する入力手段は構成され作用するものであるから、小型になった静電センサの入力を確実に検出して出力することができ、応答性および信頼性に優れたものとなる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の静電センサを有する入力手段の１実施の形態を示す回路図
【図２】 静電センサの１実施例を示す側面図
【図３】 図１の回路の各部における信号を示すタイムチャート
【符号の説明】
２ クロック信号生成手段
３ ＡＮＤ手段（ＡＮＤ回路）
５ 静電センサ
６ 遅延手段
９ アナログスイッチ
１０ 平滑手段
Claims (1)
- クロック信号を発生するクロック信号生成手段と、静電センサに人体が接近または接触した時に検知される静電容量に応じて前記クロック信号に立ち上がりの遅延を付与して遅延信号を発生する遅延手段と、前記クロック信号および遅延信号を入力信号として出力信号を出力するＡＮＤ手段と、ＡＮＤ手段の出力を前記クロック信号によってスイッチングして出力するアナログスイッチと、アナログスイッチの出力を平滑して出力する平滑手段とを有することを特徴とする静電センサを有する入力手段。
Priority Applications (5)
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| EP03258021A EP1435563A3 (en) | 2002-12-20 | 2003-12-18 | Input apparatus having electrostatic sensor |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
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|---|---|
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| KR101015785B1 (ko) * | 2008-07-31 | 2011-02-21 | (주)코아리버 | 접촉 감지 센서 및 감지 방법 |
| JP5559017B2 (ja) * | 2010-11-30 | 2014-07-23 | 株式会社ユーシン | タッチセンサ |
| JP6034176B2 (ja) * | 2012-12-20 | 2016-11-30 | 東京パーツ工業株式会社 | 近接センサ及びドア装置 |
| TWI507839B (zh) * | 2013-05-24 | 2015-11-11 | Raydium Semiconductor Corp | 靜電偵測電路及靜電偵測方法 |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369539A patent/JP3963830B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2004201175A (ja) | 2004-07-15 |
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| JP4150662B2 (ja) | 静電センサを有する入力手段の駆動方法 |
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