JP4829841B2 - 遊技機島設備 - Google Patents
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Description
したがって、遊技機および球貸機は、補給樋の左岸(下り方向に対する左側方)においてはその上流側から順に遊技機、球貸機、遊技機、球貸機・・・と繰り返し交互に配置される。一方、補給樋の右岸(下り方向に対する右側方)においてはその上流側から順に球貸機、遊技機、球貸機、遊技機・・・と左岸とは逆順にて繰り返し交互に配置されることとなる。
したがって従来の島設備にあっては、転動面上で滞留している遊技球を強制的に補給樋からアウト球回収樋に向けて排出するための排出機構を補給樋の下流端側に設け、当該下流端に滞留した遊技球を定期的に強制排出している(下記特許文献1,2を参照)。
特許文献2には、補給樋の幅方向にスライド可能なシャッター手段で仕切られた下流側に、透孔およびこれと連通した玉戻し経路が設けられた島設備が記載されている。かかる島設備において、透孔は幅方向の中央に設けられ、また透孔に至る遊技球の流路には転動面がそのまま用いられている。また同文献には、転動面の左岸手前側にあたる側方に玉抜きチューブが設けられた島設備の従来例も記載されている。
すなわち球貸機は、その幅寸法を極力小さくして、島設備に対する遊技機の設置台数を多く確保することが求められるため、凡そ遊技機の最大奥行寸法と同程度に所要の奥行寸法を有するものである。そして、その背面には種々の配線が接続され、島設備に設けられた電子機器類や遊技機と球貸機との間で情報交換が可能なように構成されている。
したがって補給樋が幅狭となることにより、島設備の左岸においては、島設備の側方から嵌め込まれる球貸機の背面またはそこに接続された種々の配線が球抜き通路と干渉するおそれを生じることになる。仮にこれらが直接干渉しなかったとしても、球貸機背面における配線接続作業をおこなう場合には、球抜き通路が近接した位置に存することとなり、その作業性を低下させるおそれを生じることになる。
なお、球貸機や遊技機との干渉を避けるべく球抜き通路をこれらの更に下流側にずらして設けた場合には、球貸機や遊技機を設置することのできないデッドスペースが島設備の下流端に生じることとなり、遊技機の設置効率の面で問題がある。
これに対し従来の島設備においては、球抜き通路の始端が転動面の中央や左岸手前側に単純に開口形成されるにとどまることから、補給樋の下流端近傍での遊技球の転動性が十分でなく、上部タンクより転動面に間断なく供給される遊技球が効率的に強制排出されないという問題があった。
(1)長手方向に下り傾斜した転動面上を流下する遊技球を、前記転動面の側方に交互に横並びに設置される(a)前記遊技球を用いて遊技がおこなわれる複数台の遊技機、または(b)前記長手方向の上流側に隣接する遊技機に遊技球を供給する前記複数台の球貸機、に対して分配供給する補給樋を有する遊技機島設備において、
(i)転動面の下流端から遊技球を取り込むための、幅方向に開口した取込口と、(ii)補給樋の左岸側から右岸側に向かって短手方向に下り傾斜した、前記取り込まれた遊技球を転動させる排出面と、(iii)補給樋の右岸側であって、補給樋のもっとも下流側に設置された前記球貸機の背面位置に、始端が開口形成された、前記取り込まれた遊技球を排出するための球抜き通路と、(iv)前記取り込まれる遊技球の流路を開放または閉止可能な球止金具と、を備え、前記遊技機または球貸機に分配供給されずに補給樋の下流端に至った遊技球を排出する遊技球排出装置を、さらに有し、
補給樋は、転動面を有する底板と、該底板を載置する設置枠とを備えて、底板と設置枠とをボルトで固定しており、
底板は、上面を転動面とするとともに下面側に設置枠に載置される搭載面を有し且つ、該搭載面に、補給樋と設置枠とを固定するボルトの頭を挿通するボルト挿通溝を形成しており、
遊技球排出装置は、取込口と排出面を形成され且つ球止金具を開閉自在に取り付けられて取込口を開閉自在とされる本体と、該本体から補給樋に向かって突出形成されるとともに補給樋にボルトで固定される差込片を備えており、
差込片を固定するボルトは、該ボルトの頭を前記ボルト挿通溝に挿通される、ことを特徴とする遊技機島設備;
(2)排出面は、転動面の下り勾配よりも大きく下り傾斜して形成されており、
球止金具は、該球止金具の開閉に応じて上げ下ろしされて取込口を開口閉止する開閉面を備えるとともに、該開閉面の下縁に鋸歯状の球止歯を設けており、
球抜き通路は、該球抜き通路の下端に、所定の方向に撓ませた可撓性の樹脂チューブを装着している、上記(1)に記載の遊技機島設備;
(3)底板は、搭載面の下方に、底板の幅方向外側に向かって横溝を形成しており、
差込片は、該差込片の幅方向の端部を横溝に挿通されており、且つ、差込片の幅方向の両端部を斜め下方に曲げられて板バネ部を形成している、上記(1)または(2)に記載の遊技機島設備;
を要旨とする。
したがって球抜き通路を、最下流位置に設置された遊技機器の幅内に少なくとも一部が重なるようにして設けることができるため、遊技機器のさらに下流側にこれを完全に突出して設ける必要がなく、島設備に対する遊技機器の設置効率を低下させることがない。
これに対し従来の島設備においては、球抜き通路の始端が転動面の幅中心または左岸手前側に開口形成されていたため、遊技球が補給樋の短手方向に転動する加速度が与えられず、補給樋の幅中央近傍や左岸側を転動流下してきた遊技球のみが遅滞なく球抜き通路に導入されるにとどまり、補給樋の下流端では遊技球が滞留して迅速な強制排出ができないという相違がある。
図2は、遊技球排出装置10近傍に関する図1の拡大図である。
図3(a)は、本実施形態の遊技球排出装置10の球止金具20を開放した状態を示す上方斜視図、同図(b)は同じく下方斜視図である。図4(a)は、本実施形態の遊技球排出装置10の球止金具20を閉止した状態を示す上方斜視図、同図(b)は同じく下方斜視図である。
図5(a)は、本実施形態の遊技球排出装置10を島設備50の上流側から見た正面図、同図(b)は補給樋60を長手方向に垂直に切った垂直断面図(横断面図)、同図(c)は遊技球排出装置10を補給樋60に対して装着した状態を示す正面図である。ただし同図(a)および(c)において球止金具20は図示を省略している。
側面板63には、遊技機100の台間ピッチごとに開口が設けられ、当該開口から遊技球を取り込むシュート67が取り付けられる。
なお、図1に示される島設備50の裏側にあたる右岸(図示せず)の最下流位置には遊技機100が設置され、その遊技盤面に向かって左隣に隣接して、これと対になる球貸機110が設置されることとなる。
一般的なパチンコ機200は、機体の外郭をなす外枠201と、各種の遊技用構成部材210を取り付ける中枠202とが開閉および着脱自在に組み付けられて構成される。遊技用構成部材210としては、機体背面側に設けられる制御基板類211やその保護カバー、図柄変動ゲームなどを可変表示するセンター役物の背面を保護する裏カバー部材212、配線類を接続する外部接続端子板213、賞球を貯留する貯留球排出経路部214、遊技球の入賞に応じて賞球を払い出す賞球払出装置215、賞球の払い出し数やタイミングを制御する払出制御装置216、パチンコ機に電源を供給する電源コード217などが挙げられる。したがって中枠202の背面に突出する最大奥行寸法は、これらの遊技用構成部材210がセットされる関係から外枠201に比してより大きなものとなる。
上部タンク70から補給樋60に供給された遊技球のうち、最下流位置のシュート67を空過したものは、遊技機器に分配供給されることなく補給樋60の下流端近傍に滞留する。上述のようにかかる滞留した遊技球に塵や埃が付着することを防ぐため、本発明の遊技球排出装置10を用いてこれを補給樋60から強制排出する。強制排出された遊技球は揚送研磨装置73に送られて清掃研磨され、再度上部タンク70を経由して補給樋60に供給される。
遊技球排出装置10からの遊技球の強制排出先は、一般にはアウト球回収樋71であるが、図示しない他の回収経路に遊技球を排出してこれを揚送研磨装置73に送ってもよく、または遊技球を貯留タンク等に一旦排出した上でこれをアウト球回収樋71や上記他の回収経路に送ってもよい。
箱形の本体12は、側面の少なくとも一方向が遊技球の取り込みのために開閉可能に構成されている。本実施形態においては、図3(a)に示すように、下向きコ字状に曲げ形成された球止金具20の立面である開閉面28を引き上げることによって、差込片19が突出形成された本体12の右手前側の側面(開口面)が上面とともに開いて取込口23が開口する。球止金具20は、開口面と対向する背面16に対してヒンジ17によって開閉自在に取り付けられている。
かかる構成とすることにより、補給樋60の両岸に遊技機器が横並びに設置された島設備50に対して本発明の遊技球排出装置10を取り付けた場合に、球抜き通路14が、補給樋60の短手方向の中央よりも右岸側に寄ることとなる。したがって球抜き通路14は、左岸の最下流位置に設置された比較的奥行寸法の大きな球貸機110aの背面と、右岸の最下流位置に設置された比較的奥行寸法の小さな遊技機(パチンコ機)の外枠背面とに対して、ともに干渉しない。すなわち、補給樋60の下流端近傍で背中合わせに設置された左岸側の球貸機110aの背面と、右岸側のパチンコ機の外枠背面との間に挟まれる位置、すなわち補給樋60のもっとも下流側に設置された球貸機110aの背面位置に球抜き通路14を設けることにより、島設備50にデッドスペースを設けることなく遊技球の強制排出が可能となる。
したがってかかる場合、より具体的な球抜き通路14の位置としては、右岸側最下流位置に設置されるパチンコ機200の下流側における外枠背面幅W1(図6(a),(c)を参照)内か、または中枠202の背面に重なる場合については、外枠201の最大奥行寸法を越えて背面側に突出する遊技用構成部材210のうちもっとも下流側にあるもの(本実施形態では貯留球排出経路部214がこれに相当する)が設けられていない中枠側縁幅W2内(同図を参照)とするとよい。
球抜き通路14には、下端をアウト球回収樋71に沿って撓ませた可撓性の樹脂チューブ40(図1,2を参照)を装着して、始端14aからアウト球回収樋71に落下した遊技球の衝撃を低減するとよい。樹脂チューブ40の上端はクランプ41によって着脱可能に球抜き通路14に装着されている。樹脂チューブ40の内壁面には螺旋状の凸条を形成し、遊技球を当該螺旋に沿って緩やかに落下させている。
図5各図を用いて、本実施形態の遊技球排出装置10を補給樋60の下流端に取り付ける態様を説明する。図5(a)は球止金具20を図示省略した遊技球排出装置10の正面図であり、本体12より紙面手前側に向かって差込片19が突出形成されている。
図5(b)に横断面図を示す補給樋60は上方開口したコ字状断面をなし、転動面61を上面とする底板62と、その両幅に沿って立設される側面板63とが分離構成されている。底板62はアルミニウム合金などの金属材料からなり、側面板63はABSなどの樹脂材料からなる。
転動面61は幅中央が膨出し、両端に向かって下る上に凸形状をなし、側面板63に装着されるシュート67(図1,2を参照)への遊技球の導入を効率化している。底板62の両側には側面板63を嵌合装着するための取付溝80が設けられている。
ボルト挿通溝84には、底板62を設置枠64に固定するためのボルトの頭と、遊技球排出装置10の差込片19を底板62に固定するためのボルトの頭がともに挿入される。換言すると、底板62を設置枠64に固定するためのボルト挿通溝84を利用して差込片19を底板62にボルト固定しており、補給樋60の下流端には遊技球排出装置10を装着するための特別な加工は不要である。したがって、補給樋60を長手方向に複数本に分割構成としてその連結本数を任意で変更する場合にも、いずれの補給樋60に対しても遊技球排出装置10を装着することができる。
12 本体
14 球抜き通路
14a 始端
19 差込片
20 球止金具
23 取込口
24 球止歯
28 開閉面
30 排出面
32 底面
40 樹脂チューブ
50 遊技機島設備
60 補給樋
61 転動面
71 アウト球回収樋
100 遊技機
110 球貸機
200 パチンコ機
201 外枠
202 中枠
210 遊技用構成部材
W1 外枠背面幅
W2 中枠側縁幅
Claims (3)
- 長手方向に下り傾斜した転動面上を流下する遊技球を、前記転動面の側方に交互に横並びに設置される(a)前記遊技球を用いて遊技がおこなわれる複数台の遊技機、または(b)前記長手方向の上流側に隣接する遊技機に遊技球を供給する前記複数台の球貸機、に対して分配供給する補給樋を有する遊技機島設備において、
(i)転動面の下流端から遊技球を取り込むための、幅方向に開口した取込口と、(ii)補給樋の左岸側から右岸側に向かって短手方向に下り傾斜した、前記取り込まれた遊技球を転動させる排出面と、(iii)補給樋の右岸側であって、補給樋のもっとも下流側に設置された前記球貸機の背面位置に、始端が開口形成された、前記取り込まれた遊技球を排出するための球抜き通路と、(iv)前記取り込まれる遊技球の流路を開放または閉止可能な球止金具と、を備え、前記遊技機または球貸機に分配供給されずに補給樋の下流端に至った遊技球を排出する遊技球排出装置を、さらに有し、
補給樋は、転動面を有する底板と、該底板を載置する設置枠とを備えて、底板と設置枠とをボルトで固定しており、
底板は、上面を転動面とするとともに下面側に設置枠に載置される搭載面を有し且つ、該搭載面に、補給樋と設置枠とを固定するボルトの頭を挿通するボルト挿通溝を形成しており、
遊技球排出装置は、取込口と排出面を形成され且つ球止金具を開閉自在に取り付けられて取込口を開閉自在とされる本体と、該本体から補給樋に向かって突出形成されるとともに補給樋にボルトで固定される差込片を備えており、
差込片を固定するボルトは、該ボルトの頭を前記ボルト挿通溝に挿通される、ことを特徴とする遊技機島設備。 - 排出面は、転動面の下り勾配よりも大きく下り傾斜して形成されており、
球止金具は、該球止金具の開閉に応じて上げ下ろしされて取込口を開口閉止する開閉面を備えるとともに、該開閉面の下縁に鋸歯状の球止歯を設けており、
球抜き通路は、該球抜き通路の下端に、所定の方向に撓ませた可撓性の樹脂チューブを装着している、請求項1に記載の遊技機島設備。 - 底板は、搭載面の下方に、底板の幅方向外側に向かって横溝を形成しており、
差込片は、該差込片の幅方向の端部を横溝に挿通されており、且つ、差込片の幅方向の両端部を斜め下方に曲げられて板バネ部を形成している、請求項1または2に記載の遊技機島設備。
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