JP4829422B2 - 滑剤落下防止手段を備えた容器蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円形天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁とを有し、天面壁の周縁部には環状シール手段が配設されている容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス或いはポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂から形成された飲料用容器のための容器蓋として、円形天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁とを有する容器蓋が広く実用に供されている。天面壁の内面における周縁部には環状シール手段が配設されている。かような容器蓋は、アルミニウム基合金、クロム酸処理鋼板及びブリキの如き金属薄板、或いはポリプロピレン及び硬質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成された本体を備えている。通常、本体の天面壁には主層に加えて、軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から形成されたライナー層も配設されており、かかるライナー層の周縁部には環状シール手段が形成されている。主層が合成樹脂から形成されている場合には、別個にライナー層を配設することに変えて、主層自体に環状シール手段を一体に形成することもある。
【0003】
天面壁の内面における周縁部に形成されている環状シール手段は、容器の口頸部に容器蓋を装着した時に、容器の口頸部の頂面乃至内外周面上端部に密接せしめられる。従って、容器の口頸部に容器蓋を装着する際及び容器の口頸部から容器蓋を離脱する際には、環状シール手段を容器の口頸部に密接せしめた状態で環状シール手段を容器の口頸部に対して相対的に回動せしめることが必要である。従って、容器の口頸部と環状シール手段との摩擦係数が過剰に大きくなると、容器の口頸部に対して環状シール手段を相対的に移動せしめることが不可能乃至著しく困難になる。そこで、通常、環状シール手段を有するライナー層(ライナー層が存在しない場合には主層)を形成するための合成樹脂素材には、脂肪酸アミドの如き適宜の滑剤を混入している。天面壁における環状シール手段よりも内側の内側領域は環状シール手段と一体に形成されており、従って内側領域も滑剤が混入された合成樹脂から形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
而して、本発明者等の経験によれば、従来の容器蓋には、特に、容器の口頸部と環状シール手段との摩擦係数を相当小さくするために環状シール手段を形成するための合成樹脂素材に相当多量の滑剤を混入し、そして高温環境に長時間放置される或いは内容物が高温で充填される等の過酷な条件に晒された場合、混入されている滑剤が内側表面にブリードし、内容物内に落下する虞が僅かではあるが存在する。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、天面壁の内面における内側領域から滑剤が内容物内に落下することが防止乃至抑制された、新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記技術的課題を達成する容器蓋として、円形天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁とを有し、該天面壁の内面における周縁部には環状シール手段が配設されており、該天面壁の内面における該環状シール手段と共に該環状シール手段よりも内側に存在する内側領域は滑剤を含有した合成樹脂から形成されている容器蓋において、
該天面壁の内面における該内側領域には板状部材から構成された滑剤落下防止手段が接合されている、ことを特徴とする容器蓋が提供される。
【0007】
好適実施形態においては、該天面壁は金属製又は合成樹脂製主層と、該主層の内面に配設された合成樹脂製ライナー層とから構成されており、該ライナー層の周縁部が該環状シール手段を構成している。該板状部材は予め成形したシート又はフィルムから構成することができる。該主層の内面に該ライナー層を配設した後に該板状部材を該内側領域に接合することができ、或いは該主層の内面に該ライナー層を形成するための合成樹脂素材を供給し、該板状部材を介して該合成樹脂素材を型押成形することによって、該ライナー層を成形する共に、該板状部材を該ライナー層に接合することができる。該ライナー層の内面に滑剤を含まない合成樹脂素材を供給し、該合成樹脂素材を型押成形することによって、該板状部材を形成することもできる。好適実施形態においては、該ライナー層の該環状シール手段は下方に垂下する筒状内周面を有し、該滑剤落下防止手段は該内側領域の内面と共に該環状シール手段の該筒状内周面の少なくとも上端部を覆っている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0009】
図1には、本発明に従って構成された全体を番号2で示す容器蓋が図示されている。かかる容器蓋2は本体4及び滑剤落下防止手段6から構成されている。図示の実施形態においては、本体4はポリエチレン及びポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から形成されており、圧縮成形或いは射出成形によって所要形状に型押することができる。
【0010】
本体4は、円形天面壁8及びこの天面壁8の周縁から垂下するスカート壁10を有している。スカート壁10には周方向に延びる破断可能ライン12が形成されており、スカート壁10は破断可能ライン12よりも上方の主部14と破断可能ライン12よりも下方のタンパーエビデント裾部16とに区画されている。スカート壁10の内周面には下方を向いた環状肩面18が形成されており、かかる肩面18から下方に延びる突条20が周方向に適宜の間隔を置いて複数個形成されており、上記破断可能ライン12は、突条20の軸線方向中間部において、スカート壁10の外周面から切断刀(図示していない)を作用せしめ、突条20の少なくとも一部を残留せしめてスカート壁10を切断することによって形成される。突条20の各々の切断されることなく残留せしめられた部分が所謂橋絡部を構成し、タンパーエビデント裾部16は橋絡部を介してスカート壁10の主部14に接続されている。スカート壁10の主部14の外周面には、その下端部近傍に、下方に向かって外径が漸次増大する円錐台形状部22が形成されている。タンパーエビデント裾部16の外周面も、下方に向かって外径が漸次増大する円錐台形状にせしめられている。主部14の外周面における円錐台形状部22の上方に位置する部分には、そこに掛けられる指の滑りを防止するための凹凸形状24が形成されている。スカート壁10の主部14の内周面には雌螺条26が形成されている。かかる雌螺条26には、周方向に適宜の間隔をおいて軸線方向に延びる切欠28が形成されている。かかる切欠28は容器の口頸部が開封される際の所謂通気路を構成する。
【0011】
タンパーエビデント裾部16の内周面には、周方向に等間隔をおいて複数個のフラップ片30が形成されている。フラップ片30の各々は、タンパーエビデント裾部16の内周面に接続された基縁から、容器の口頸部に容器蓋2を装着する際の容器蓋2の回転方向、即ち図1において上方から見て時計方向、に対して反対方向に向かって傾斜して半径方向内方に突出せしめられている。フラップ片30の各々の基縁自体も、容器蓋2の上記閉回転方向に対して反対方向に傾斜して下方に延びている。タンパーエビデント裾部16の下端には、半径方向内側に向かって弧状に延出せしめられている薄肉カール32が付設されている。かかる薄肉カール32は、圧縮成形又は射出成形においては図1に二点鎖線で示す如く実質上鉛直に下方に延出する形態に形成し、しかる後に適宜の形態の加熱カール工具(図示していない)を作用せしめて図1に実線で示す如き形態にカールすることによって形成することができる。
【0012】
天面壁8は容器蓋2の本体4自体即ち主層34とライナー部材即ちライナー層36とから構成されている。かかる主層34の内面の外周縁には下方に垂下する環状突条38が形成されている。環状突条38の先端部は周方向全周に渡って半径方向内側に向かって傾斜せしめられており、かかる先端部によってライナー層36は、環状突条38と主層34の内面とによって規定される空間に保持されている。ライナー層36は別個に形成された本体4の主層34の内面に、脂肪酸アミドでよい滑剤を含有した軟質ポリエチレンの如き比較的軟質の合成樹脂素材を供給し、かかる合成樹脂素材を型押成形又は射出成形によって所要形状に型押することによって形成することができる。ライナー層36は当事者には周知の形態のものでよい。図示のライナー層36は、円形薄肉内側領域40及びこの内側領域40の周縁を延在する環状シール手段42から構成されており、シール手段42は内側環状シール突条44及びこれと同心状に位置せしめられている外側環状シール突条46を含んでいる。内側環状シール突条44は、下方に垂下する筒状内周面48及び断面図において半径方向内方に向かって円弧状に延びる外周面を有する。外側環状シール突条46は、断面図において半径方向外方に向かって円弧状に延びる先端部内周面及び突状38の内周面に密接せしめられている外周面を有する。
【0013】
天面壁8の内面における内側領域40は、滑剤落下防止手段6によって覆われているのが重要である。図示の実施形態においては、滑剤落下防止手段6はライナー層36の内側領域40に接合された円形の板状部材50から構成されている。かかる板状部材50は予め成形したシート又はフィルムから構成されているのが好適である。
【0014】
図1には容器蓋2を装着する容器の口頸部52も二点鎖線で図示されている。ガラス又はポリエチレンテレフタテートの如き適宜の合成樹脂から成形することができる容器の口頸部52は、全体として円筒形状であり、その外周面には、雄螺条54とこの雄螺条54の下方に位置する環状係止あご部56とが形成されている。清涼飲料の如き適宜の内容物を容器に充填後に口頸部52に容器蓋2が装着される。この際には、口頸部52に容器蓋2が被嵌され、容器蓋2が閉回転方向、即ち図1において上方から見て時計方向に回転され、かくして容器蓋2における雌螺条26が口頸部52の雄螺条54に螺合せしめられ、容器蓋2は回転に応じて下降せしめられる。容器蓋2のタンパーエビデント裾部16に形成されているフラップ片30は、弾性的に変形せしめられて口頸部52の係止あご部56を通過し、しかる後に弾性的に復元して係止あご部56に係止される。ライナー層36の内面の、内側環状シール突条44と外側環状シール突条46との間に位置する部分が口頸部52の頂面部に密接せしめられると共に、外側環状シール突条46の内周面が口頸部52の外周面上部に密接せしめられ、これによって口頸部52が密封される。
【0015】
容器蓋2で密封された、内容物を収容した容器を高温環境に長時間放置或いは内容物が高温で充填される等の過酷な条件に晒し、ライナー層36に混入されている滑剤がライナー層36の内側表面にブリードしても、滑剤落下防止手段6がライナー層36の内側領域40を覆っているが故に、滑剤は内容物内に落下する虞はない。
【0016】
図2は、上述した容器蓋2を製造するための製造工程の一部を簡略に図示している。ライナー層36の内側領域40の内面に滑剤落下防止手段6を形成するための型押部材58は、その先端面がライナー層36の内側領域40の内面に対向せしめられており、図示しない上昇位置から図2−Aに図示する位置を経て図2−Bに図示する下降位置(型押部材58によって内側領域40の内面に滑剤落下防止手段6が形成される位置)に位置せしめられる。かかる型押部材58は、ライナー層36の内側領域40の周縁と実質上同一の径を有する円柱形状であり、その内部には一端がその先端面に開口し且つ他端が真空ポンプ(図示しない)に連結された複数の吸引路60が形成されている。図示の実施形態においては、主層34の内面にライナー層36を配設した後に板状部材50がライナー層36の内側領域40に接合されている。まず、片面に熱接着性樹脂コーティングを施した板状部材を、内側領域40の周縁と実質上同一の径を有する円形に打ち抜き、かかる円形の板状部材50の他の片面を、真空ポンプ(図示しない)で吸引路60を吸引することによって図2−Aに図示する如く、型押部材58の先端面に同心状に吸着せしめる。そして、図2−Bに図示する如く、円形の板状部材50を吸着した型押部材58を上下が逆にせしめられた反転状態の、ライナー層36を形成した本体4に下降せしめ、熱接着性樹脂コーティングを施した円形の板状部材50の片面とライナー層36の内側領域40の内面とを密着せしめる。その後、高周波加熱でよい加熱手段によって円形の板状部材50とライナー層36とが接着せしめられ、ライナー層36の内側領域40の内面に滑剤落下防止手段6が形成される。
【0017】
図3は、上述した容器蓋2を製造するための製造工程の変形例の一部を簡略に図示している。ライナー層36の内側領域40の内面に落下防止手段6を形成するための型押部材62の構成は、図2に図示する型押部材58と実質上同一(型押部材58の内部には吸引路60が形成されていないことを除いて)であるので、詳細な説明は除く。図示の実施形態においては、滑剤落下防止手段6である円形の板状部材50はライナー層36の内面に滑剤を含まない合成樹脂素材64を供給し、かかる合成樹脂素材64を型押成形することによって形成されている。まず、図3−Aに図示する如く、ライナー層36を形成した本体4を上下が逆にせしめられた反転状態にせしめると共に、ライナー層36の内側領域40の内面中央部に滑剤を含まない軟化溶融状態の合成樹脂素材64を供給する。そして、型押部材62をライナー層36の内側領域40に下降せしめると、図3−Bに図示する如く、合成樹脂素材64は、円形の板状部材50に型押され、かかる板状部材50はライナー層36の内側領域40に接着される。これによって、ライナー層36の内側領域40の内面に滑剤落下防止手段6が形成される。
【0018】
図4は、上述した容器蓋2を製造するための製造工程の他の変形例の一部を簡略に図示している。主層34の内面に滑剤落下防止手段6及びライナー層36を形成するための型押部材66は、その先端面が主層34の内面に対向せしめられており、図示しない上昇位置から図4−Aに図示する位置を経て図4−Bに図示する下降位置(型押部材66によって主層34の内面に滑剤落下防止手段6及びライナー層36が形成される位置)に位置せしめられる。かかる型押部材66は、円柱状の内側型押部材68と、この内側型押部材68の外周面に対し相対的に摺動可能に嵌合された略円筒状の中間型押部材70と、この中間型押部材70の外周面に対し相対的に摺動可能に嵌合された円筒状の外側型押部材72とからなる。内側型押部材68は内側領域40の周縁と実質上同一の径を有する円柱形状であり、内側型押部材68の内部には、一端がその先端面に開口し且つ他端が図示しない真空ポンプ(図示しない)に連結された複数の吸引路74が形成されている。中間型押部材70の内周面先端部からその先端面に渡る部位には、内側環状シール突条44の外周面に対応する、内側環状凹部76が周方向に形成されている。また、中間型押部材70の外周面先端部から先端面に渡る部位には、外側環状シール突条46の内周面に対応する、外側環状凹部78が周方向に形成されている。外側型押部材72の外周面の径は、スカート壁10の内周面に周方向に形成されている雌螺条26によって規定される仮想円の径よりは小さくせしめられていると共に、外側型押部材72の内周面の径は、主層34の内面に形成されている突条38の最小内径と実質上同一にせしめられている。
【0019】
図示の実施形態においては、主層34の内面にライナー層36を形成するための合成樹脂素材80を供給し、板状部材50を介して合成樹脂素材80を型押成形することによってライナー層36が成形されると共に、板状部材50がライナー層36に接合されている。まず、本体4を上下が逆にせしめられた反転状態にせしめると共に、主層34の内面中央部に滑剤を含む合成樹脂素材80を供給する。これと並行して、板状部材50をライナー層36の内側領域40の周縁と実質上同一の径を有する円形に打ち抜き、かかる円形の板状部材50の片面を、真空ポンプ(図示しない)で吸引路74を吸引することによって、図4−Aに図示する如く内側型押部材68の先端面に同心状に吸着せしめる。そして、型押部材66を図4―Bに図示する下降位置に下降せしめると、最初に、中間型押部材70及び外側型押部材72が下降位置に位置せしめられ、その後、内側型押部材68が下降位置に位置せしめられる。これによって、主層34の内周面に供給された合成樹脂素材80は、内側型押部材68の先端面に吸着されている円形の板状部材50を介して型押成形せしめられる。円形の板状部材50の他の片面と主層34の内面との間には、内側領域40が形成される。内側型押部材68の外周面先端部と中間型押部材70の内側環状凹部76との間には、内側環状シール突条44が形成される。中間型押部材70の外側環状凹部78と突条38の内周面との間には、外側環状シール突条46が形成される。而して、主層34の内面にライナー層36が形成される。かかるライナー層36の内側領域40には、内側型押部材68の先端面に吸着されていた円形の板状部材50が接合されることによって、滑剤落下防止手段6が形成される。天面壁8の中央領域は主層34及びライナー層36に加えて板状部材50から成る滑剤落下防止手段6をも有し、板状部材50の存在によって天面壁8の中央領域の強度が増大せしめられていることも留意されるべきである。
【0020】
図5は滑剤落下防止手段の変形例を図示している。図示する実施形態においては、滑剤落下防止手段82は板状部材から構成されており、円形板状主部84及び板状主部84の周縁から垂下する筒状部86を有する。板状主部84によってライナー層36の内側領域40が覆われており、筒状部86によってライナー層36の筒状内周面48が覆われている。筒状内周面48は少なくともその上端部即ち内側領域40との境界領域が覆われていることが望ましく、図示の場合は筒状内周面48の全体が覆われている。その他の滑剤落下防止手段82の構成は図1に図示する実施形態と実質上同一である。
【0021】
図6は、本発明に従って構成された容器蓋の他の実施形態を図示している。全体を番号102で示す図示の容器蓋は、本体104及び滑剤落下防止手段106から構成されている。図示の実施形態においては、本体104はアルミニウム基合金薄板、クロム酸処理鋼薄板或いはブリキ薄板の如き適宜の金属薄板から形成されている。かかる本体104は円形天面壁108と、この天面壁108の周縁から垂下する円筒形スカート壁110とを有する。スカート壁110の下部には半径方向外方に幾分膨出せしめられた環状膨出部112が配設されている。環状膨出部112には周方向に延出する破断ライン114が形成されており、スカート壁110は破断ライン114よりも上方の主部116と破断ライン114よりも下方のタンパーエビデント裾部118とに区画されている。破断ライン114は、周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリット120とかかるスリット120間に位置する複数個の橋絡部122とから構成されている。複数個の橋絡部122の内の1個は、他の橋絡部122に比べて周方向幅が大きい広幅橋絡部122Aにせしめられている。スカート壁110の主部116の外周面の上部には、周方向に延びる環状溝部124が形成されている。また、スカート壁110の主部116の外周面の上部には、環状溝部124より上方に周方向に延びる環状凹凸形状部126も形成されている。スカート壁110のタンパーエビデント裾部118には、上記広幅橋絡部122Aの片端からタンパーエビデント裾部118の下端まで下方に延びる軸線方向破断ライン128が形成されている。かかる軸線方向破断ライン128は、材料厚さを低減せしめることによって形成される所謂スコアでよい。
【0022】
天面壁108は容器蓋102の本体104自体即ち主層130とライナー部材即ちライナー層132から構成されている。かかるライナー層132は主層130の内面に型押成形されていて、主層130の内面に接合されている。脂肪酸アミドでよい滑剤を含有した軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂素材から形成することができるライナー層132は、全体として円板形状であり、円形薄肉内側領域134と、この内側領域134の周縁を延在する環状シール手段136から構成されている。かかるシール手段136は内側環状シール突条138及びこれと同心状に位置せしめられている外側環状シール突条140を含んでいる。外側環状シール突条140は内側環状シール突条138よりも半径方向外方に位置せしめられている。外側環状シール突条140の内周面は、断面図において半径方向外方に向かって円弧状に延びており、外側環状シール突条140の外周面は主層130より垂下している。また、内側環状シール突条138の内周面は内側領域134の周縁から垂下しており、内側環状シール突条138外周面は下方に向かって外径が漸次減少する円錐形状にせしめられている。そして、ライナー層132の内側領域134の内面に円板の板状部材を接合することによって、内側領域134を覆う滑剤落下防止手段106が形成されている。
【0023】
上述した容器蓋102において、本体104の内面にライナー層132及び滑剤落下防止手段106或いは滑剤落下防止手段106を形成するための製造工程は、図2乃至図4で図示した製造方法と実質上同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0024】
【発明の効果】
本発明の容器蓋においては、天面壁の内面における内側領域から滑剤が内容物内に落下することが防止乃至抑制されるようにせしめることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、一部を断面で一部を側面図で示す図。
【図2】図1の容器蓋の製造工程の一部を示す簡略図。
【図3】図1の容器蓋の製造工程の変形例の一部を示す簡略図。
【図4】図1の容器蓋の製造工程の他の変形例の一部を示す簡略図
【図5】滑剤落下防止手段の変形例を示す図。
【図6】本発明に従って構成された容器蓋の他の好適実施形態を、一部を断面で一部を側面図で示す図。
【符号の説明】
2:容器蓋
6:滑剤落下防止手段
8:天面壁
10:スカート壁
34:主層
36:ライナー層
40:内側領域
42:シール手段
48:筒状内周面
50:板状部材
82:滑剤落下防止手段
84:板状部材
102:容器蓋
106:滑剤落下防止手段
108:天面壁
110:スカート壁
130:主層
132:ライナー層
134:内側領域
136:シール手段
Claims (7)
- 円形天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁とを有し、該天面壁の内面における周縁部には環状シール手段が配設されており、該天面壁の内面における該環状シール手段と共に該環状シール手段よりも内側に存在する内側領域は滑剤を含有した合成樹脂から形成されている容器蓋において、
該天面壁の内面における該内側領域には板状部材から構成された滑剤落下防止手段が接合されている、ことを特徴とする容器蓋。 - 該天面壁は金属製又は合成樹脂製主層と、該主層の内面に配設された合成樹脂製ライナー層とから構成されており、該ライナー層の周縁部が該環状シール手段を構成している、請求項1記載の容器蓋。
- 該板状部材は予め成形したシート又はフィルムから構成されている、請求項1又は2記載の容器蓋。
- 該主層の内面に該ライナー層を配設した後に該板状部材が該内側領域に接合されている、請求項3記載の容器蓋。
- 該主層の内面に該ライナー層を形成するための合成樹脂素材を供給し、該板状部材を介して該合成樹脂素材を型押成形することによって該ライナー層が成形されると共に、該板状部材が該ライナー層に接合されている、請求項3記載の容器蓋。
- 該板状部材は該ライナー層の内面に滑剤を含まない合成樹脂素材を供給し、該合成樹脂素材を型押成形することによって形成されている、請求項2記載の容器蓋。
- 該ライナー層の該環状シール手段は下方に垂下する筒状内周面を有し、該滑剤落下防止手段は該内側領域の内面と共に該環状シール手段の該筒状内周面の少なくとも上端部を覆っている請求項1から6までのいずれかに記載の容器蓋。
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