JP4828934B2 - マイクロ波焼成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波加熱によりセラミックス等の被焼成物を焼成するためのマイクロ波焼成方法に関する。
近年、LSI、半導体チップ等は小型化、軽量化が進んでおり、これらを実装する配線基板も小型化、軽量化が望まれている。このような要求に対して、基板内に内部電極等を配したセラミック多層配線基板は、要求される高密度配線が可能となり、かつ薄型化が可能なことから、今日のエレクトロニクス業界において重要視されている。
最近では、このようなセラミック多層配線基板が焼成される際に、マイクロ波加熱が利用されることが提案されている。マイクロ波加熱による焼成方法とは、従来の電気炉などの外部加熱による伝熱で焼成される方法に対し、マイクロ波によって被焼成物が自己発熱し焼成される方法である。
そして、このようなセラミック多層配線基板の焼成工程は、雰囲気ガスを焼成炉内に導入しながら行なわれる。炉内に導入される雰囲気ガスが加熱される方法としては、焼成炉内にマイクロ波によって加熱される多孔質体が配置され、その中に雰囲気ガスを通すという方法や、ヒーターによって予め加熱される方法等が挙げられる。
特開2003−302166号公報 特開2003−75077号公報
しかしながら、従来のマイクロ波焼成炉における焼成において、供給する雰囲気ガスが予めヒーター等で加熱された後に炉内に供給される場合、加熱された雰囲気ガスが炉内に導入される際雰囲気ガスの温度が低下するという問題があった。
このように焼成炉内の温度と導入した雰囲気ガスとの温度差が大きくなると、セラミック多層配線基板の収縮率のばらつきが大きくなり、寸法精度に劣るという問題があった。
また、マイクロ波により加熱される多孔質体が炉内に配置されて供給される雰囲気ガスが加熱される場合、一般的に多層セラミック配線基板の焼成は棚板を複数段積み重ね、それぞれの棚板に複数の被焼成物が載置され多数の多層セラミック配線基板が同時に焼成されることにより行なわれているため、多孔質体から炉内に導入された雰囲気ガスが多孔質体から四方に拡散し、棚板間の被焼成物に対して直接雰囲気ガスを当てることが困難となるという問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、収縮ばらつきが小さく、高寸法精度のセラミック多層配線基板を焼成することが可能なマイクロ波焼成方法を提供することである。
本発明のマイクロ波焼成方法は、マイクロ波の導入管が設けられた焼成炉本体と、該焼成炉本体の内側に設けられており、雰囲気ガスの供給口を有する雰囲気加熱部分および前記雰囲気ガスの排出口を有する焼成部分からなり、前記雰囲気加熱部分と前記焼成部分との間に前記供給口より開口面積の小さい前記雰囲気ガスの導入口が設けられたセラミックスから成る筐体と、前記焼成炉本体の内側であって前記筐体の周囲に設けられており、マイクロ波を透過する断熱体とを備えたマイクロ波焼成炉を用い、前記供給口から前記雰囲気加熱部分に前記雰囲気ガスを供給して前記雰囲気ガスを予め加熱しておき、前記導入口から前記焼成部分に前記雰囲気ガスを導入してグリーンシート積層体の焼成処理を行い、前記排出口から前記雰囲気ガスを排出させることを特徴とする。
本発明のマイクロ波焼成方法は好ましくは、前記雰囲気加熱部分の内部に障壁を備えたマイクロ波焼成炉を用い、前記供給口から供給された前記雰囲気ガスを前記障壁により前記雰囲気加熱部分に滞留させてから前記焼成部分に前記雰囲気ガスを導入させることを特徴とする。
本発明のマイクロ波焼成方法によれば、マイクロ波の導入管が設けられた焼成炉本体と、この焼成炉本体の内側に設けられており、雰囲気ガスの供給口を有する雰囲気加熱部分および雰囲気ガスの排出口を有する焼成部分からなり、雰囲気加熱部分と焼成部分との間に供給口より開口面積の小さい雰囲気ガスの導入口が設けられたセラミックスから成る筐体と、焼成炉本体の内側であって筐体の周囲に設けられており、マイクロ波を透過する断熱体とを備えたマイクロ波焼成炉を用い、供給口から雰囲気加熱部分に雰囲気ガスを供給して雰囲気ガスを予め加熱しておき、導入口から焼成部分に雰囲気ガスを導入してグリーンシート積層体の焼成処理を行い、排出口から雰囲気ガスを排出させることから、供給口から供給された雰囲気ガスが雰囲気加熱部分において均一に加熱され、筐体内に導入された雰囲気ガスの温度勾配が小さくなるとともに、グリーンシート積層体から発生した分解ガスが効率良く炉外へ排出される。よって、収縮率のばらつきが小さい、高寸法精度のセラミック多層配線基板を焼成することができる。
さらに、複数段の棚板を利用して多数の多層セラミック配線基板が同時に焼成される場合にも、棚板間の被焼成物に対して雰囲気ガスを直接当てることが可能となる。
また、本発明のマイクロ波焼成方法によれば、雰囲気加熱部分の内部に障壁を備えたマイクロ波焼成炉を用い、供給口から供給された雰囲気ガスを障壁により雰囲気加熱部分に滞留させてから焼成部分に雰囲気ガスを導入させるため、グリーンシート積層体の焼成容量が増え、分解ガスが多量に発生する場合など、供給口から供給される雰囲気ガスの流量が増加した場合にも、障壁によって雰囲気ガスの流れが遮られるので、雰囲気ガスが雰囲気加熱部分でより一層長い時間滞留することができ、雰囲気ガスを確実に加熱することが可能となる。その結果、筐体内の温度勾配をより一層小さくすることができ、さらに収縮ばらつきが小さく、高寸法精度のセラミック多層配線基板を焼成することができる。
以上より、本発明のマイクロ波焼成方法によれば、筐体内の温度勾配を小さくすることが可能になり、収縮ばらつきが小さく、高寸法精度のセラミック多層配線基板を焼成することができる。
本発明のマイクロ波焼成方法を添付図面に基づき以下に詳細に説明する。
図1(a)は本発明のマイクロ波焼成方法に用いるマイクロ波焼成炉の実施の形態の一例を示す平面透視図である。図1(b)は(a)のA−A’線における断面図である。
図1におけるマイクロ波焼成炉1は、マイクロ波発信器17と接続されたマイクロ波の導入管3が設けられた焼成炉本体2と、焼成炉本体2の内側に設けられており、雰囲気ガス4の供給口5を有する雰囲気加熱部分6および雰囲気ガス4の排出口7を有する焼成部分8からなり、雰囲気加熱部分6と焼成部分8との間に供給口5より開口面積の小さい雰囲気ガス4の導入口9が設けられた筐体10と、焼成炉本体2の内側に設けられたマイクロ波拡散ファンと、筐体10の周囲に設けられており、マイクロ波を透過する断熱体11とを備えている。また、図1において支柱14を有する棚板13の上にグリーンシート積層体12が配置されている。
そして、本発明のマイクロ波焼成方法によるとグリーンシート積層体12は、供給口5から雰囲気加熱部分6に雰囲気ガス4を供給して雰囲気ガス4を予め加熱し、導入口9から焼成部分8に雰囲気ガス4を導入することにより焼成される。雰囲気ガス4は排出口7から排出ガス(分解ガス)15として排出される。このような雰囲気ガス4の流れを図1において矢印gで示している。
本発明のマイクロ波焼成方法によると供給口5から供給された雰囲気ガス4が雰囲気加熱部分6において均一に加熱され、筐体10内に導入された雰囲気ガス4の温度勾配が小さくなるとともに、グリーンシート積層体12から発生した分解ガス15が効率良く炉外へ排出される。よって、収縮率のばらつきが小さい、高寸法精度のセラミック多層配線基板を焼成することができる。
さらに、このようなマイクロ波焼成方法によると複数段の棚板13を利用して多数の多層セラミック配線基板が同時に焼成される場合にも、棚板13間の被焼成物に対して雰囲気ガスを直接当てることが可能となる。
また、炉内にマイクロ波により加熱される多孔質体を配置して雰囲気ガスを加熱する場合、多孔質体の雰囲気ガス4に対する抵抗が小さくなり、炉内雰囲気を形成するために必要な量の雰囲気ガス4を供給することができる。
本発明におけるグリーンシートは、ガラス粉末、フィラー粉末(セラミック粉末)、さらに有機バインダ、可塑剤、有機溶剤等を混合したものが用いられる。
ガラス成分としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同一または異なってCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである)、SiO−B−M O系(但し、MはLi、NaまたはKを示す)、SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。
また、フィラーとしては、例えばAl、SiO、ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル、ムライト、コージェライト)等が挙げられる。
上記ガラスとフィラーの混合割合は重量比で40:60〜99:1であるのが好ましい。
グリーンシートに配合される有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)、ポリビニルブチラ−ル系、ポリビニルアルコール系、アクリル−スチレン系、ポリプロピレンカーボネート系、セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
グリーンシートは、上記ガラス粉末、フィラー粉末、有機バインダに必要に応じて所定量の可塑剤、溶剤(有機溶剤、水等)を加えてスラリーを得て、これをドクターブレード、圧延、カレンダーロール、金型プレス等により厚さ約50〜500μmに成形することによって得られる。
グリーンシート表面に導体パターンを形成するには、例えば導体材料粉末をペースト化したものをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷するか、あるいは所定パターン形状の金属箔を転写する等の方法が挙げられる。導体材料としては、例えば銀や銅等が挙げられる。
なお、グリーンシート表面の導体パターンには、上下の層間の導体パターン同士を接続するためのビア導体やスルーホール導体等の貫通導体が表面に露出した部分も含まれる。これら貫通導体は、パンチング加工等によりグリーンシートに形成した貫通孔に、導体材料粉末をペースト化したもの(導体ペースト)を印刷により埋め込む等の手段によって形成される。
グリーンシートの積層には、積み重ねたグリーンシートに熱と圧力を加えて熱圧着する方法、有機バインダ、可塑剤、溶剤等からなる接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。
ガラスセラミックスは、例えばアルミナセラミックスに比べ、焼成後の寸法精度の制御が困難とされる材料である。これは、ガラス成分の添加量が多いガラスセラミックスは、従来の焼成方法では焼成の際の熱が均一に伝わらないことから部分的にガラスの生成が起こってしまうからである。そのため、焼成の際に熱を均一に伝えることが可能なマイクロ波照射による本発明の製造方法は、ガラスセラミックスの焼成に適している。つまり、マイクロ波焼成の場合、マイクロ波の導入管3を通して焼成炉本体2内に導入されたマイクロ波により、グリーンシート積層体12自体が自己発熱するとともに、マイクロ波焼成炉1内に設けられた筐体10や棚板13も同時に自己発熱することにより、表面からの熱放散によって内部に比べて温度が低くなりがちなグリーンシート積層体12の表面と、グリーンシート積層体12の内部との温度勾配が極めて小さくなるためである。
筐体10および棚板13はマイクロ波吸収性を有している。その材質としては、誘電損失(tanδ)が大きくマイクロ波の吸収性が高いセラミック材料が好適である。従って、筐体10および棚板13を構成するセラミックス材料としては、例えば炭化ケイ素系材料、アルミナ系材料等が挙げられる。
雰囲気ガス4は円柱状の供給口5から雰囲気加熱部分6に隣接する焼成部分8内に供給され、排出口7から排出される。雰囲気ガス4は焼成部分8内で対流することにより、筐体10の壁面からの輻射熱によって加熱される。
また、雰囲気加熱部分6と焼成部分8の間の導入口9の断面積の総和が、供給口5よりも小さいため、雰囲気加熱部分6内に供給された雰囲気ガス4は雰囲気加熱部分6内で効率良く対流することができる。このため、雰囲気ガス4が雰囲気加熱部分6の壁面に直接当たることがなく、雰囲気加熱部分6の壁面の温度が低下することや、雰囲気ガス4が直接焼成部分8内に入ることを防止できる。このとき、導入口9を複数配置すると焼成部分8内の流れを均一にすることが容易になり、ガラスセラミックグリーンシート積層体12から発生した分解ガスを排出口7から効率良く連続的に排出することができる。
次に、図2(a)〜(c)は本発明のマイクロ波焼成方法に用いるマイクロ波焼成炉の雰囲気加熱部分の内部に配置する障壁の一例を示す要部拡大図である。図2(a)、(c)は雰囲気加熱部分を示す平面透視図、図2(b)は(a)の断面図、(c)は(b)の断面図であり、図2(a)〜(c)において、図1と同じ構成要素には同じ番号を付してある。
図2におけるマイクロ波焼成炉1は、雰囲気加熱部分6の内部に障壁18を備えており、供給口5から供給された雰囲気ガス4を障壁18により雰囲気加熱部分6に滞留させてから焼成部分8に雰囲気ガス4を導入させることができる。
特に、筐体10内に供給する雰囲気ガス4の流量が多い場合には、雰囲気加熱部分6内に雰囲気ガス4の流れを遮るように障壁18を配置すると、雰囲気加熱部分6内での雰囲気ガス4の対流をより確実なものとすることが可能である。このため、雰囲気ガス4が雰囲気加熱部分6の壁面に直接当たることがなく、雰囲気加熱部分6の壁面の温度が低下することや、雰囲気ガス4が焼成部分8内に入ることを防止できる。
障壁18の形状は円形であっても矩形であっても良く、貫通穴19があっても良い。また、このような障壁18を複数枚配置しても良い。さらに、障壁18の材質は、誘電損失(tanδ)が大きくマイクロ波の吸収性が高いセラミック材料が好適である。従って、障壁18を構成するセラミックス材料としては、例えば炭化ケイ素系材料、アルミナ系材料等が挙げられる。
雰囲気ガス4としては、有機バインダを分解する空気や酸素等のガス、または不活性ガスである窒素やアルゴン等のガスを用いることができる。また、銅を導体として使用する場合、低酸素分圧下で脱バインダが行われる際、有機バインダの熱分解生成物である不飽和炭化水素を二酸化炭素ガスに変化させる目的で露点が40℃以上の雰囲気ガスを用いるのがよい。
グリーンシート積層体12にマイクロ波吸収性の筐体10やマイクロ波吸収性の棚板13を通してマイクロ波を照射することにより、有機バインダの熱分解によって生成した不飽和炭化水素(分解ガス)の水蒸気との反応による二酸化炭素ガス化およびセラミックスの焼結を行なう。この際、有機バインダの熱分解によって生成した不飽和炭化水素の水蒸気との反応による二酸化炭素ガス化は、100〜800℃の温度範囲でグリーンシート積層体12を加熱することによって行なう。
また、焼結温度はガラスセラミック組成により異なるが、通常は約800〜1000℃の範囲内である。
また、本発明の製造方法において用いるマイクロ波の周波数は1〜20GHzが好ましく、特に2.45GHzが好ましい。この周波数が1GHz未満では、波長が長くなりすぎるとともにグリーンシート積層体12および筐体10および棚板13のマイクロ波による発熱性が低下する。20GHzを超える場合、マイクロ波発振器17のコストが高くなり工業的な利用には不適である。特に、マイクロ波の周波数を2.45GHzとした場合、発振器が工業的に安定して利用できるものとなり、コスト的にも比較的安価である。
また、マイクロ波焼成炉1としては、マイクロ波発振器17およびマイクロ波の導入口9を備えたバッチ炉であってもよく、あるいは大型の連続炉であっても何ら差し支えない。
マイクロ波焼成炉1内の焼成炉本体2はマイクロ波を透過させない金属性の材質でできており、マイクロ波の導入管3を通してマイクロ波焼成炉1内に導入されたマイクロ波は焼成炉本体2によって反射を繰り返す。また、マイクロ波低吸収の断熱体11はマイクロ波の透過性のあるアルミナファイバーや発泡アルミナ材料等から成る。さらに、筐体10や棚板13は、マイクロ波吸収性の高い材料から適宜選択されるが、グリーンシート積層体12のマイクロ波吸収率と同じ程度かそれ以上のマイクロ波吸収率を有するものを用いることが良い。これにより、マイクロ波照射の際に、グリーンシート積層体12の表面と内部との温度勾配が極めて小さくなる。
グリーンシート積層体12の上下面にさらに拘束グリーンシートを積層して焼成し、焼成後に拘束シートを除去するようにすれば、より高寸法精度のセラミック多層配線基板を得ることが可能となる。拘束グリーンシートは、Al等の難焼結性無機材料を主成分とするグリーンシートであり、焼成時に収縮しないものである。この拘束グリーンシートが積層された積層体は、収縮しない拘束グリーンシートにより積層平面方向(xy平面方向)の収縮が抑制され、積層方向(z方向)にのみ収縮するので、焼成収縮に伴う寸法ばらつきが抑制される。
また、拘束グリーンシートには難焼結性無機成分に加えて、焼成温度以下の軟化点を有するガラス成分、例えばガラスセラミックグリーンシート中のガラスと同じガラスを含有させるとよい。焼成中にこのガラスが軟化してガラスセラミックグリーンシートと結合することにより、ガラスセラミックグリーンシートと拘束グリーンシートとの結合が全面にわたり強固となり焼成前後で一貫して結合されるので、より確実な拘束力が得られるからである。このときのガラス量は難焼結性無機成分とガラス成分を合わせた無機成分に対して0.5〜15質量%とすると良く、拘束力が向上し、かつ拘束グリーンシートの焼成収縮が0.5%以下に抑えられる。
焼成後に拘束シートを除去する。除去方法としては、例えば研磨、ウォータージェット、ケミカルブラスト、サンドブラスト、ウェットブラスト(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)等が挙げられ、ウェットブラストが表面の導体パターンに対する衝撃等が小さいので良い。
本発明の実施例について以下に説明する。
(実施例1)
ガラスセラミック成分として、SiO−Al−MgO−B−ZnO系ガラス粉末60質量%、CaZrO粉末20質量%、SrTiO粉末17質量%およびAl粉末3質量%を使用した。このガラスセラミック成分100重量部に、有機バインダとしてアクリル樹脂12重量部、フタル酸系可塑剤6重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により、厚さ300μmのグリーンシートを成形した。
次に、このグリーンシート上に銅ペーストを用いて導体パターンをスクリーン印刷にて形成した。このとき、銅ペーストとして、銅粉末(平均粒径1.0μm)100重量部に対して、Al粉末2重量部および上記ガラスと同組成のガラス粉末2重量部、さらにビヒクル成分として所定量のエチルセルロース系樹脂、テルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合したものを用いた。
表面に導体パターンとガラスセラミック被覆層とを形成した表層用グリーンシートと、内層用グリーンシートの所定枚数を積み重ねてグリーンシート積層体を得た。
得られたグリーンシート積層体をマイクロ波によって自己発熱する炭化珪素製の筐体内に載置し、この筐体内に露点60℃の窒素ガスをグリーンシート積層体の単位質量1gあたり100cm/分の流量で供給するとともに、2.45GHzのマイクロ波を連続照射し700℃で1時間加熱して有機成分を除去した後、900℃で10分間焼成した。この時、棚板は炭化珪素製のものを使用した。また、雰囲気ガスの供給口の断面積が導入口の断面積の総和の2倍になるように配管径を設定した。
焼成後、得られたセラミック多層配線基板の積層面内での収縮ばらつきは±0.10%であり、反りは20μmであった。
(実施例2)
筐体内に供給する窒素ガス供給量をグリーンシート積層体の単位質量1gあたり300cm/分とした以外は実施例1と同様の方法で焼成しセラミック多層配線基板を得た。このセラミック多層配線基板の積層面内での収縮ばらつきは±0.18%であり、反りは30μmであった。
(実施例3)
筐体内に供給する窒素ガス供給量をグリーンシート積層体の単位質量1gあたり300cm/分とし、雰囲気加熱部分内に障壁を設置した以外は実施例1と同様の方法で焼成しセラミック多層配線基板を得た。このセラミック多層配線基板の積層面内での収縮ばらつきは±0.11%であり、反りは22μmであった。
また、下記表1に示すように、実施例1〜3の絶縁抵抗、強度、ボイド率には問題はなかった。
Figure 0004828934
(比較例1)
雰囲気ガスの供給口の断面積が導入口の断面積の総和の1/2倍になるように配管径を設定した以外は実施例1と同様の方法で焼成しセラミック多層配線基板を得た。このセラミック多層配線基板の積層面内での収縮ばらつきは±0.90%と大きく、反りは100μmと大きかった。また、表1に示すように絶縁抵抗と強度に問題はないが、ボイド率が高かった。
(比較例2)筐体の材質をマイクロ波低吸収性の石英に変更した以外は実施例1と同様の方法で焼成しセラミック多層配線基板を得た。このセラミック多層配線基板の積層面内での収縮ばらつきは±1.00%と大きく、反りは120μmと大きかった。また、表1に示すように絶縁抵抗と強度が低く、ボイド率が高かった。
なお、本発明は上述の実施の形態および実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態では、半導体素子、半導体チップ等を搭載し、それらを相互配線するための配線導体を有するセラミック多層配線基板の製造方法に関するものであるが、本発明を他の用途に適用しても良い。
(a)は本発明のマイクロ波焼成方法に用いるマイクロ波焼成炉の実施の形態の一例を示す平面透視図、(b)は(a)のA−A’線における断面図である。 (a)〜(c)は本発明のマイクロ波焼成方法に用いるマイクロ波焼成炉の雰囲気加熱部分の内部に配置する障壁の一例を示す要部拡大図である。図2(a)、(c)は雰囲気加熱部分を示す平面透視図、図2(b)は(a)の断面図、(c)は(b)の断面図である。
符号の説明
1・・・マイクロ波焼成炉
2・・・焼成炉本体
3・・・マイクロ波の導入管
4・・・雰囲気ガス
5・・・供給口
6・・・雰囲気加熱部分
7・・・排出口
8・・・焼成部分
9・・・導入口
10・・・筐体
11・・・断熱体
12・・・グリーンシート積層体
18・・・障壁

Claims (2)

  1. マイクロ波の導入管が設けられた焼成炉本体と、
    該焼成炉本体の内側に設けられており、雰囲気ガスの供給口を有する雰囲気加熱部分および前記雰囲気ガスの排出口を有する焼成部分からなり、前記雰囲気加熱部分と前記焼成部分との間に前記供給口より開口面積の小さい前記雰囲気ガスの導入口が設けられたセラミックスから成る筐体と、
    前記焼成炉本体の内側であって前記筐体の周囲に設けられており、マイクロ波を透過する断熱体とを備えたマイクロ波焼成炉を用い、
    前記供給口から前記雰囲気加熱部分に前記雰囲気ガスを供給して前記雰囲気ガスを予め加熱しておき、前記導入口から前記焼成部分に前記雰囲気ガスを導入してグリーンシート積層体の焼成処理を行い、前記排出口から前記雰囲気ガスを排出させることを特徴とするマイクロ波焼成方法。
  2. 前記雰囲気加熱部分の内部に障壁を備えたマイクロ波焼成炉を用い、
    前記供給口から供給された前記雰囲気ガスを前記障壁により前記雰囲気加熱部分に滞留させてから前記焼成部分に前記雰囲気ガスを導入させることを特徴とする請求項1記載のマイクロ波焼成方法。
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