JP4828516B2 - 血糖値を上げない低塩分に適した佃煮 - Google Patents
血糖値を上げない低塩分に適した佃煮 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4828516B2 JP4828516B2 JP2007340701A JP2007340701A JP4828516B2 JP 4828516 B2 JP4828516 B2 JP 4828516B2 JP 2007340701 A JP2007340701 A JP 2007340701A JP 2007340701 A JP2007340701 A JP 2007340701A JP 4828516 B2 JP4828516 B2 JP 4828516B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- boiled
- water activity
- digestive system
- sweetener
- produce glucose
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
上記の目的を達成するため、本発明者等は、血糖値を上げずに常温での長期保管性を考慮し、自然の美味しさを保ちながら水分活性とpHを一定の範囲で維持できる成分の組み合わせ、具体的には塩分を適宜低下させながら、水分活性を低下させしかも血糖値を上げない甘味料、味に影響せずに水分活性を低下させしかも血糖値を上げない水分活性低下物質、血糖値を増加させない増粘剤等について様々な条件で検討を行った結果、従来の砂糖等の甘味料を、消化系でブドウ糖を生ぜずかつ水分活性を下げる天然甘味料に置き換え、デンプン等の従来の増粘剤を消化系でブドウ糖を生じない増粘多糖類で置き換えることにより、あるいはさらに低分子の水溶性難消化性食物繊維を水分活性低下剤として加えることにより、上記の目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
(1)佃煮調味料の甘味料として消化系でブドウ糖を生ぜずかつ水分活性を下げる天然甘味料を使用し、増粘剤として消化系でブドウ糖を生じない増粘多糖類を使用して製造されたことを特徴とする、血糖値を上げない低塩分に適した佃煮。
(2)上記天然甘味料が、還元水飴、糖アルコール、消化系でブドウ糖を生じないオリゴ糖および果糖からなる群から選択される、上記(1)に記載の佃煮。
(3)低分子の水溶性難消化性食物繊維が水分活性低下剤としてさらに添加されていることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の佃煮。
(4)佃煮の甘味料として消化系でブドウ糖を生ぜずかつ水分活性を下げる天然甘味料を配合し、増粘剤として消化系でブドウ糖を生じない増粘多糖類を配合した調味料を調製し、上記調味料で佃煮素材を煮込むことを特徴とする、血糖値を上げない低塩分に適した佃煮の製造方法。
(5)上記天然甘味料が、還元水飴、糖アルコール、消化系でブドウ糖を生じないオリゴ糖および果糖からなる群から選択される、上記(4)に記載の方法。
(6)低分子の水溶性難消化性食物繊維を水分活性低下剤として調味料中にさらに添加することを特徴とする、上記(4)または(5)に記載の方法。
・血糖値を上げずになおかつ自然な風味を有する美味しい佃煮であって、しかも常温で長期保管が可能な低塩分に適した佃煮を提供することができる。
・本発明における天然甘味料を使用することによって、一定の水分活性の保持および常温長期保管の効果を奏する。本来甘味の付与を目的として使用される天然甘味料が、水分活性を下げる作用をも有することを見出すことができたことは思いがけないことであった。
・低分子の水溶性難消化性食物繊維を水分活性低下剤としてさらに加えることによって、一定の水分活性の保持および常温長期保管の効果が一層大きくなる。本来整腸作用を目的として使用される食物繊維が、味に影響を与えずに水分活性を下げる効果を見出すことができたことは思いがけないことであった。
・本発明による佃煮は、生活習慣病に対するカロリー(糖分)制限および塩分制限をした食品として有用である。
・上記のような本発明の構成により、砂糖等の従来の甘味料を使用せずに塩分の使用を低減し、かつ常温での長期保管を可能とする。
・従来の甘味料を使用せずに、常温での長期保管のために水分活性とpHを一定の範囲で(pHを通常より下げる必要なく)維持できる。
・従来の甘味料を使用せずに、佃煮の自然な甘み、美味しさを保ちながら適度な塩味を有する。
・本発明で使用される天然甘味料および増粘多糖類、あるいはさらに食物繊維が共同で佃煮の酸味や塩味をマスキングしてまろやかな味にする効果を見出すことができたことは思いがけないことであった。
・特許文献1、3に開示されたような食品が血糖値の上昇を抑制するものであるのに対して、本発明の食品である佃煮は、血糖値を上昇させない(血糖値に影響を与えない)ことを特徴とする。
・本発明における特定成分の組み合わせ、すなわち、消化系でブドウ糖を生ぜず水分活性を下げる天然甘味料と消化系でブドウ糖を生じない増粘多糖類の組み合わせ、あるいは、さらに低分子の水溶性難消化性食物繊維の添加による組み合わせは、血糖値、水分活性、塩分、pH、粘性、常温での長期間保管性を維持しつつ、増粘多糖類を使用しない場合と比較して、佃煮に適度な粘りを与えるのみならず、塩味をまろやかにする効果を有する。また、合成甘味料を使用した場合には、人工的な甘さになるだけでなく水分活性を下げにくいのに対して、本発明においては、塩味、酸味および自然な甘味のバランスのとれた風味を付与するとともに、実際に水分活性を下げるのに有効であるという格別有利な効果を奏する。
上記したような本発明による佃煮は、基本的には、甘味料として消化系でブドウ糖を生ぜずかつ水分活性を下げる天然甘味料を配合し、増粘剤として消化系でブドウ糖を生じない増粘多糖類を配合した調味料を調製し、上記調味料で佃煮素材を煮込むことによって製造することができる。佃煮の素材としては、前記のように、魚介類や海藻類、キノコ類、山菜等を使用することができる。調味料は、基本的には醤油、魚介エキス、旨味調味料と上記のような天然甘味料および増粘剤を水に溶解させたものであり、好ましい態様において、低分子の水溶性難消化性食物繊維をさらに配合することができる。調味料中の各配合成分の配合割合は、本発明の佃煮について前記したような割合、すなわち、通常、佃煮中における天然甘味料の含有量は、甘味料の種類、甘味度の違いにもよるが、5〜50重量%程度、好ましくは10〜30重量%程度であり、増粘剤の含有量は、0.1〜5重量%程度、好ましくは0.2〜3重量%程度であり、また、好ましい態様において配合される低分子の水溶性食物繊維の含有量は、1〜30重量%程度、好ましくは5〜10重量%程度、となるように適宜調整すればよい。また本発明の佃煮は、前記のように低塩分に適したものであり、佃煮中の塩分は通常6重量%以下、好ましくは2.5〜5重量%程度に設定する。佃煮の製造は、通常、調味料中で佃煮素材を80〜100℃の温度で10〜60分間程度煮込むことにより行うことができる。
以下は、海苔佃煮の製造に関するものである。表1に示すような配合割合に従って調味料等の材料とヒトエグサを合わせ、調整水を加えて100℃で30分間煮込んだ。調味料配合(2)で調製した本発明の佃煮は、水分活性とpHとも表1に示したように常温で長期保存可能な状態に仕上がり、8名のパネラーで行った官能評価でも配合(1)で調製した佃煮と比較して塩味、甘味、酸味ともに好評価であった。また、配合(3)〜(5)で調製した本発明の佃煮も、表1に特記した以外は配合(2)の場合と同様の良好な官能評価であった。(なお、表中における各配合の合計量(表記)は、記載された各成分と煮込み工程後の残余の調整水の総量である。)
実施例1の(2)の調味料で作った海苔佃煮について、ボランティア8名で同一条件で摂取後の血糖値の測定を行った。その結果を図1に血糖値カーブとして示した。(2)の調味液で炊いた海苔佃煮は、ご飯のみを摂取した時とほぼ同様の血糖値カーブを示し、佃煮による血糖値の上昇はみられないことがわかった。対照として、ショ糖やブドウ糖が配合されている(1)の調味液で製造された自社従来品についても測定した血糖値カーブを図1に示したが、明らかに血糖値は上昇している。なお、図1において、配合(1)と(2)による佃煮では明らかに統計的な有意差があったが、配合(2)とご飯のみの場合には測定時間内において統計的有意差はみられなかった。また、甘味料として糖アルコール(マルチトール)を使用した場合も、還元水飴の場合と同様に佃煮による血糖値の上昇はみられなかった。
表2に示すような配合割合に従って調味料等の材料と山椒−ちりめんを合わせ、実施例1と同様にして山椒ちりめん佃煮を調製した。得られた佃煮は、実施例1と同様の良好な官能評価であった。
表3に示すような配合割合に従って調味料等の材料と昆布−椎茸を合わせ、実施例1と同様にして椎茸昆布佃煮を調製した。得られた佃煮は、実施例1と同様の良好な官能評価であった。
Claims (4)
- 佃煮調味料の甘味料として消化系でブドウ糖を生ぜずかつ水分活性を下げる天然甘味料を使用し、増粘剤として消化系でブドウ糖を生じない増粘多糖類を使用して製造される、血糖値を上げない低塩分に適した海苔または椎茸昆布の佃煮であって、水分活性を下げる天然甘味料が還元水飴、糖アルコールであるソルビトール、キシリトールまたはマルチトール、消化系でブドウ糖を生じないオリゴ糖および果糖からなる群から選択され、佃煮の水分活性が0.88〜0.96およびpHが4.0〜5.5であることを特徴とする、海苔または椎茸昆布の佃煮。
- 低分子の水溶性難消化性食物繊維が水分活性低下剤としてさらに添加されていることを特徴とする、請求項1に記載の佃煮。
- 佃煮の甘味料として消化系でブドウ糖を生ぜずかつ水分活性を下げる天然甘味料を配合し、増粘剤として消化系でブドウ糖を生じない増粘多糖類を配合した調味料を調製し、上記調味料で佃煮素材を煮込むことを含む、血糖値を上げない低塩分に適した海苔または椎茸昆布の佃煮の製造方法であって、水分活性を下げる天然甘味料として還元水飴、糖アルコールであるソルビトール、キシリトールまたはマルチトール、消化系でブドウ糖を生じないオリゴ糖および果糖からなる群から選択されるものを使用し、佃煮の水分活性を0.88〜0.96およびpHを4.0〜5.5に調整することを特徴とする、海苔または椎茸昆布の佃煮の製造方法。
- 低分子の水溶性難消化性食物繊維を水分活性低下剤として調味料中にさらに添加することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007340701A JP4828516B2 (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 血糖値を上げない低塩分に適した佃煮 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007340701A JP4828516B2 (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 血糖値を上げない低塩分に適した佃煮 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009159859A JP2009159859A (ja) | 2009-07-23 |
JP4828516B2 true JP4828516B2 (ja) | 2011-11-30 |
Family
ID=40963233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007340701A Active JP4828516B2 (ja) | 2007-12-28 | 2007-12-28 | 血糖値を上げない低塩分に適した佃煮 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4828516B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120034368A1 (en) * | 2010-08-06 | 2012-02-09 | Matsutani Chemical Industry Co., Ltd. | Method for improving salty taste of food or beverage and salty taste improving agent |
WO2012017710A1 (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-09 | 松谷化学工業株式会社 | 飲食物の塩味改善方法及び塩味改善剤 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0284153A (ja) * | 1988-06-08 | 1990-03-26 | Takeda Chem Ind Ltd | 佃煮類 |
JP2799298B2 (ja) * | 1994-12-26 | 1998-09-17 | 株式会社カネヨ | 佃煮の製造方法 |
JP3817125B2 (ja) * | 2000-03-17 | 2006-08-30 | プリマハム株式会社 | 食肉の懸濁分散液の製造方法 |
-
2007
- 2007-12-28 JP JP2007340701A patent/JP4828516B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009159859A (ja) | 2009-07-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101852555B1 (ko) | 알룰로스 함유 시럽 조성물 및 이를 포함하는 식품 | |
US10869494B2 (en) | Sweetener containing D-psicose and foods and drinks obtained by using the same | |
JP4248653B2 (ja) | 易嚥下補助組成物並びにこれを用いた食品用組成物及び医薬品用組成物 | |
KR101466260B1 (ko) | 당 분해 억제성 성분을 함유하는 비만 예방 및 개선용 감미 소재 조성물 | |
JP2006314240A (ja) | 血糖値上昇抑制低カロリー甘味料 | |
JP6084373B2 (ja) | 高甘味度甘味料の味質改善剤 | |
JP2011030483A (ja) | 甘味料組成物 | |
CN105639258A (zh) | 一种新型食糖替代糖的制备 | |
CN106136218A (zh) | 一种富硒复合糖粉的制备方法 | |
JP4828516B2 (ja) | 血糖値を上げない低塩分に適した佃煮 | |
JP2013169204A (ja) | 砂糖代替甘味料 | |
WO2011048616A2 (en) | Healthy sugar and process for preparation of the same | |
JP2000189109A (ja) | 液状食品 | |
KR20140081176A (ko) | 히비스커스 및 l-카르니틴을 포함하는 관능성 및 안정성이 개선된 다이어트 음료 조성물 | |
KR100456131B1 (ko) | 인삼곤약젤리의 제조방법 | |
JP4131770B2 (ja) | 健康食品 | |
JP2019176865A (ja) | 低カロリー飲料組成物 | |
Sachdev | Sugar substitutes and dental health | |
JP4990245B2 (ja) | 鍋料理用付けダレ | |
JP2008072997A (ja) | 栄養組成物 | |
KR20200032482A (ko) | 쓴맛의 맛 개선 조성물 | |
WO2017047706A1 (ja) | 血糖値上昇抑制剤及びこれを含んでなる経口組成物 | |
JP6513332B2 (ja) | 甘味料の呈味改善方法、甘味料の呈味改善剤、及び呈味改善組成物 | |
JP7120550B2 (ja) | 具材入り調味料およびその製造方法 | |
JP2008043326A (ja) | 麺類用食感改良剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100709 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110527 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110726 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110816 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110914 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140922 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4828516 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |