JP4827517B2 - 内視鏡のノズル掃除用ブラシ具 - Google Patents

Description

この発明は、内視鏡の挿入部の先端に設けられた流体噴出用ノズル内をブラッシング清掃するための内視鏡のノズル掃除用ブラシ具に関する。

内視鏡の挿入部の先端には、観察窓の表面に向かって空気や水を噴出させるための送気送水ノズル口が配置されており、内視鏡使用後に行われる洗浄消毒の際には、送気送水ノズル口に詰まった微細な汚物等をブラッシング清掃する必要がある。

そこで従来は、内視鏡の先端部本体に対して着脱自在な先端カバーに流体噴出用ノズルを一体に形成して、先端カバーを先端部本体から外すことにより、流体噴出用ノズルが先端部本体から外れた状態になるようにしたものが、広く一般に用いられている（例えば、特許文献１）。

しかし、そのように構成すると、流体噴出用ノズルに連なる管路内のブラッシングは容易になるが、流体噴出用ノズルは極めて小さな開口（例えば０．３ｍｍ×１．２ｍｍ程度）なので、流体噴出用ノズル内に詰まった汚物を狙ってブラッシングするのは容易な作業ではない。

そこで、例えば図９に示されるように、内視鏡の挿入部先端を構成する先端部本体９１から先端カバー９２を取り外すと、図１０に示されるように掃除用ブラシ９０で流体噴出用ノズル９３を掃除できるようにしたものがある（例えば、特許文献２）。９４は観察窓である。

また、例えば図１１に示されるように、流体噴出用ノズル９３を先端部本体９１に対して回転可能に配置して、洗浄時には流体噴出用ノズル９３を二点鎖線で示されるように観察窓９４側とは反対向きにしてブラッシングし易いようにしたものがある（例えば、特許文献３）。
特開平６−１４８６５ 特開平１０−１２７５６７ 実開平３−２７２０２

特許文献２や特許文献３に記載された発明においては、洗浄時に流体噴出用ノズルの開口面積が少し（例えば、２倍程度に）大きくなる。しかしその程度のことでは、極めて小さなノズル開口内にブラシを差し込んでその内側に詰まった汚物を狙ってブラッシングしなければならないことに変わりがなく、内視鏡使用の度に行う必要のある作業として容易な作業ではない。

そこで本発明は、内視鏡の挿入部の先端に設けられた流体噴出用ノズル内を極めて簡単な作業で容易にブラッシングして、その内側に詰まった汚物等を排除することができる内視鏡のノズル掃除用ブラシ具を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具は、内視鏡の挿入部の最先端部分の外周に沿って被さる状態に着脱自在な筒状本体と、筒状本体の内周面から内方に向かって突設された複数のブラシ毛とを有していて、筒状本体を内視鏡の挿入部の最先端部分に被せて軸線回りに回転させることにより、内視鏡の挿入部の先端面に配置された流体噴出用ノズル内がブラシ毛の先端で掃除されるようにしたものである。

なお、複数のブラシ毛の少なくとも先端付近が各々、流体噴出用ノズル内に差し込まれる太さに形成されているとよく、複数のブラシ毛の先端付近が各々、流体噴出用ノズル内で曲がることができる可撓性を有しているとよい。

また、筒状本体が内視鏡の挿入部の最先端部分の外周に緩く嵌合する円筒状に形成されていてもよく、筒状本体の内周面に、内視鏡の挿入部の先端面に当接するストッパ面が突出形成されていてもよい。

また、複数のブラシ毛が各々、筒状本体に取り付けられた基部側から先端側へ向かうにしたがって内視鏡の挿入部の前方側から後方側に向かう向きに斜めに設けられていてもよく、複数のブラシ毛が各々、筒状本体の内周面から中心軸方向に向かって配置されていてもよい。

また、複数のブラシ毛の中に長さの相違するものが含まれていてもよく、そのような複数のブラシ毛の長さがランダムに相違していてもよい。そして、複数のブラシ毛の中に、筒状本体の中心軸に達しない長さのものが含まれていてもよく、複数のブラシ毛が、筒状本体の軸線方向から見たとき互いに平行に配置されていてもよい。

また、複数のブラシ毛の中に先端付近で互いに交差しているものが含まれていてもよく、各ブラシ毛の先端がそのブラシ毛の直径より大きな球状に成形されていてもよい。

本発明によれば、筒状本体を内視鏡の挿入部の最先端部分に被せて軸線回りに回転させるだけで、内視鏡の挿入部の先端面に配置された流体噴出用ノズル内がブラシ毛の先端で掃除されるので、内視鏡の流体噴出用ノズル内を極めて簡単な作業で容易にブラッシングして、その内側に詰まった汚物等を確実に排除することができる。

内視鏡の挿入部の最先端部分の外周に沿って被さる状態に着脱自在な筒状本体と、筒状本体の内周面から内方に向かって突設された複数のブラシ毛とを有していて、筒状本体を内視鏡の挿入部の最先端部分に被せて軸線回りに回転させることにより、内視鏡の挿入部の先端面に配置された流体噴出用ノズル内がブラシ毛の先端で掃除されるようにする。

図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図２は内視鏡のノズル掃除用ブラシ具１０の正面図、図１は、その中心断面における断面形状のみを図示する側面端面図（即ち、断面の向こう側に見えるものは図示されていない）であり、図３は、内視鏡２０の先端部本体２２に設けられている流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内がブラッシングされている状態を示している。流体噴出用ノズル２３の開口２３ａは、図示されていない観察窓の表面に向けて設けられている。２４は、流体噴出用ノズル２３に接続された送気送水管である。

図中、１１は、プラスチック材等によって形成されたブラシ具１０の筒状本体であり、内視鏡２０の挿入部２１の最先端部分を構成する略円柱状の先端部本体２２の外周面に緩く被嵌される円筒状に形成されている。

そして、筒状本体１１の中間位置の内周面からは、図２に示されるように、多数の（例えば、１０〜１００本程度の）ブラシ毛１２が内方に向けて突設されている。各ブラシ毛１２は、少なくとも先端１２ａ付近が流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内に差し込める太さに形成されている。ただし、この実施例では各ブラシ毛１２が全長にわたってそのような径に形成されている。

各ブラシ毛１２はいずれも、図２に示されるように筒状本体１１の中心軸位置に向けていわば逆放射状に設けられ、且つ、図１に示されるように、筒状本体１１に取り付けられた基部１２ｂ側から先端１２ａ側に向かうにしたがって、内視鏡２０の挿入部２１の前方側から後方側（図１において左方側から右方側）に向かう向きに斜めに設けられている。

そして、各ブラシ毛１２は先端１２ａがいずれも筒状本体１１の中心軸位置を少し越える長さに形成されて、１８０°反対方向から中心軸位置に達しているブラシ毛１２の先端１２ａ付近どうしが筒状本体１１の中心軸位置付近で互いに交差している。

このように構成された実施例のブラシ具１０は、図３に示されるように、内視鏡２０の挿入部２１の先端に設けられた先端部本体２２の先端側の部分に被嵌して先端部本体２２に対して軸線回りに回転させることにより、一本又は複数本のブラシ毛１２の先端１２ａが流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内に入り込む。

すると、ブラシ毛１２の先端１２ａは流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内で小さく屈曲することができる可撓性を有しているので、ブラシ具１０が回転操作されることにより、図４に示されるように、流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内に入り込んだブラシ毛１２の先端１２ａが折れ曲がりながら汚物３０を開口２３ａ外に掻き出して、開口２３ａ内がブラッシング清掃される。

ブラシ具１０を先端部本体２２に対して適宜回転操作すれば、そのようなブラッシング清掃が何本かのブラシ毛１２によって不規則に何回も行われる。したがって、細かな作業をすることなく、流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内を極めて簡単な作業で容易にブラッシングして、その内側に詰まった汚物３０等を確実に排除することができる。

図５は、本発明の第２の実施例のブラシ具１０の正面図であり、円筒状の筒状本体１１の中心軸位置に向かうブラシ毛１２として長さが各種相違するものを配したものである。この実施例では各ブラシ毛１２の長さがランダムに相違しており、一部のブラシ毛１２は筒状本体１１の中心軸位置を少し越える長さに形成されているが、一部のブラシ毛１２は筒状本体１１の中心軸位置に達しない長さに形成されている。

このように構成することにより、流体噴出用ノズル２３が先端部本体２２の中心付近に配置されていなくても、多数のブラシ毛１２の中のどれかが流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内に差し込まれてブラッシング清掃することができる。

図６は、本発明の第３の実施例のブラシ具１０が内視鏡２０の挿入部２１の先端部本体２２に取り付けられた状態を示しており、筒状本体１１の内周面に、内視鏡２０の流体噴出用ノズル２３の先端面に当接するストッパ１３を内方に向けて突出形成したものである。

このように構成することにより、ブラシ毛１２の先端１２ａの位置が安定して、流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内に確実に入り込み易くなる。なお、ストッパ１３の形状はどのようなものであっても差し支えなく、要は流体噴出用ノズル２３の先端面に当接するストッパ面が形成されていればよい。

図７は、本発明の第４の実施例のブラシ具１０の正面図であり、各ブラシ毛１２を筒状本体１１の中心軸方向に向けるのでなく、正面から見て全て平行の向きに配置したものである。なお、側面から見た場合は図１に示される第１の実施例と同様に斜めに配置されている。このように構成することにより、内視鏡２０の流体噴出用ノズル２３の向き等によっては開口２３ａ内を効果的にブラッシングすることができる場合がある。

図８は、本発明の第５の実施例のブラシ具１０の側面端面図であり、各ブラシ毛１２の先端１２ａをブラシ毛１２の直径よりやや大きな球状に成形したものである。熱可塑性のプラスチック材により形成されたブラシ毛１２の先端１２ａは、加熱して溶融するだけで表面張力により球状になり、そのまま硬化する。

このように、各ブラシ毛１２の先端１２ａを球状に成形することにより、流体噴出用ノズル２３の開口２３ａ内から汚物３０を掻き出し易くなり、同様の構成を前記の各実施例に適用することができる。

本発明の第１の実施例の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具の側面端面図である。 本発明の第１の実施例の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具の正面図である。 本発明の第１の実施例の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具で内視鏡の流体噴出用ノズル内をブラッシングしている状態の側面断面図である。 流体噴出用ノズル内がブラッシングされている状態の部分拡大図である。 本発明の第２の実施例の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具の正面図である。 本発明の第３の実施例の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具で内視鏡の流体噴出用ノズル内をブラッシングしている状態の側面断面図である。 本発明の第４の実施例の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具の正面図である。 本発明の第５の実施例の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具の側面端面図である。 従来の内視鏡の挿入部先端の側面断面図である。 従来の内視鏡の流体噴出用ノズル内をブラッシングしている状態の側面断面図である。 従来の内視鏡の挿入部先端の他の例の側面断面図である。

符号の説明

１０ ブラシ具
１１ 筒状本体
１２ ブラシ毛
１２ａ 先端
１３ ストッパ
２０ 内視鏡
２１ 挿入部
２２ 先端部本体（最先端部分）
２３ 流体噴出用ノズル
２３ａ 開口
３０ 汚物

Claims (13)

1. 内視鏡の挿入部の最先端部分の外周に沿って被さる状態に着脱自在な筒状本体と、上記筒状本体の内周面から内方に向かって突設された複数のブラシ毛とを有していて、上記筒状本体を上記内視鏡の挿入部の最先端部分に被せて軸線回りに回転させることにより、上記内視鏡の挿入部の先端面に配置された流体噴出用ノズル内が上記ブラシ毛の先端で掃除されるようにしたことを特徴とする内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
2. 上記複数のブラシ毛の少なくとも先端付近が各々、上記流体噴出用ノズル内に差し込まれる太さに形成されている請求項１記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
3. 上記複数のブラシ毛の先端付近が各々、上記流体噴出用ノズル内で曲がることができる可撓性を有している請求項２記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
4. 上記筒状本体が上記内視鏡の挿入部の最先端部分の外周に緩く嵌合する円筒状に形成されている請求項１、２又は３記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
5. 上記筒状本体の内周面に、上記内視鏡の挿入部の先端面に当接するストッパ面が突出形成されている請求項１ないし４のいずれかの項に記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
6. 上記複数のブラシ毛が各々、上記筒状本体に取り付けられた基部側から先端側へ向かうにしたがって上記内視鏡の挿入部の前方側から後方側に向かう向きに斜めに設けられている請求項１ないし５のいずれかの項に記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
7. 上記複数のブラシ毛が各々、上記筒状本体の内周面から中心軸方向に向かって配置されている請求項１ないし６のいずれかの項に記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
8. 上記複数のブラシ毛の中に長さの相違するものが含まれている請求項１ないし７のいずれかの項に記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
9. 上記複数のブラシ毛の長さがランダムに相違している請求項８記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
10. 上記複数のブラシ毛の中に、上記筒状本体の中心軸に達しない長さのものが含まれている請求項１ないし９の何れかの項に記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
11. 上記複数のブラシ毛が、上記筒状本体の軸線方向から見たとき互いに平行に配置されている請求項１ないし６のいずれかの項に記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
12. 上記複数のブラシ毛の中に先端付近で互いに交差しているものが含まれている請求項１ないし１１のいずれかの項に記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
13. 上記各ブラシ毛の先端がそのブラシ毛の直径より大きな球状に成形されている請求項１ないし１２のいずれかの項に記載の内視鏡のノズル掃除用ブラシ具。
    

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