JP4827169B2 - プラスチゾル組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、流動性及び貯蔵安定性、特に高温での貯蔵安定性に優れ、加熱処理によって強靭な被膜を与える重合体微粒子及びこれを用いたプラスチゾルに関する。
塩化ビニル系重合体を可塑剤に分散してなる塩化ビニル系プラスチゾル(以下塩ビゾルと略する)は低粘度で加工しやすく、常温では長期の貯蔵が可能でかつ加熱により強靭なゲル化物を与えるため、様々な産業分野で広く使用されている。しかし近年になり地球環境保護の点から塩素に由来する重合体を使用する問題点がクローズアップされている。
そこで、塩ビゾルに変わる他の樹脂を使用したプラスチゾルが強く要望されており、塩ビゾルの代替物としてハロゲンを含まない重合体を用いたプラスチゾルが提案されている。
その一例として、アルキル(メタ)アクリレート系単量体を重合することにより得られるアクリル系重合体微粒子を用いたアクリルプラスチゾルが提案されている。またこれの改良樹脂として、カルボン酸との共重合体やカルボン酸塩で被覆された重合体微粒子なども提案されている。
しかしながら、従来の提案されている重合体微粒子は、可塑剤に対する相溶性の程度によって種々の課題を有する。例えば、重合体微粒子を可塑剤に分散させた際に、常温で直ちに相溶固化してしまい貯蔵安定性に劣ること、常温では液状であるが経時的に粘度が上昇し流動性が低下すること、加熱処理後に常温に戻すと固体表面から可塑剤が滲出すること、などである。また、加熱処理された被膜は、重合体と可塑剤との相溶性によって物性が異なり、相溶性が良い場合は引張強度が低く、一方相溶性が悪い場合には伸びがなく、脆い被膜となる。
そこで、(メタ)アクリロニトリルを共重合させた重合体を用いた微粒子を用いることによって、貯蔵安定性が良く且つ加熱処理後の被膜が強靭なプラスチゾルを与える方法が提案されている。(例えば特許文献1)
また、アクリロニトリルを共重合させたコアシェル構造を有する重合体微粒子を用いたプラスチゾルが提案されている。(例えば特許文献2)
特開平7−268154号公報 特許第3186422号公報
しかしながら特許文献1に示されるアクリル系重合体微粒子においては、重合体微粒子の形態が均一粒子であり、可塑剤と相溶性の良いスチレンが多く用いられているために、高温での貯蔵安定性が顕著に劣るものとなる。
また、特許文献2記載のアクリル系重合体微粒子においても、高温時の貯蔵安定性においては粘度が上昇し、顕著に流動性が劣るものとなる。また、被膜の強靭性も十分には発揮されない。
本発明は、流動性及び高温での貯蔵安定性に優れ、加熱処理によって強靭な被膜を与える重合体微粒子及びこれを用いたプラスチゾルを提供することをその目的とする。
本発明のプラスチゾル組成物は、芳香族モノビニル単量体の含有量が50質量%未満である単量体又は単量体混合物(a)を重合して形成されたコア層(A)と、(b1)(メタ)アクリロニトリル単量体15〜70質量%、(b2)芳香族モノビニル単量体またはアルキル(メタ)アクリレート単量体30〜85質量%、(b3)その他の共重合可能な単量体0〜30質量%(但しb1、b2、b3の合計量が100質量%)からなる単量体混合物(b)を重合して形成されたシェル層(B)とを有し、コア層(A)とシェル層(B)の質量比が10/90〜90/10であり、その一次粒子の体積平均粒子径が0.2〜2.0μmである重合体微粒子と可塑剤とを含有することを要旨とする。
本発明の重合体微粒子によれば、これをプラスチゾルに用いた際の流動性及び高温での貯蔵安定性に優れるとともに、加熱処理によって強靭な被膜を与えることができる
本発明のアクリル系重合体は、組成が異なる複数の重合体層からなるコアシェル構造または多段構造、あるいは重合体組成が連続的に変化するグラディエント型構造が挙げられる。これらの粒子構造を用いることにより、必要に応じて低温伸度や貯蔵安定性を大幅に向上させることができる。
本発明の重合体微粒子においては、まず単量体又は単量体混合物(a)を重合してコア層(A)を形成させるが、単量体又は単量体混合物(a)100質量部中、芳香族モノビニル単量体の含有量は50質量%未満とする。可塑剤に可塑化されやすい芳香族モノビニル単量体の含有量をこの範囲内とすることで、プラスチゾルとして使用する際の貯蔵安定性を向上させることができるとともに、プラスチゾルを硬化させて被膜とした際の強靭性を向上させることができる。
本発明の単量体又は単量体混合物(a)に使用する単量体は特に限定されず、例えば直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類、環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類などのアルキル(メタ)アクリレート類、スチレン等の芳香族モノビニル単量体等が挙げられる。但し、芳香族モノビニル単量体を使用する際には、その使用量を前述した範囲内とする必要がある。
また、必要に応じて各種の官能基を有する単量体を共重合して、機能化を行うこともできる。このような単量体の例としては、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、リン酸基含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体などが挙げられる。
本発明の重合体微粒子においては、コア層(A)を形成させる重合を行った後、この粒子の存在下で、(b1)(メタ)アクリロニトリル単量体15〜70質量%、(b2)芳香族モノビニル単量体またはアルキル(メタ)アクリレート単量体30〜85質量%、(b3)その他の共重合可能な単量体0〜30質量%(但しb1、b2、b3の合計量が100質量%)からなる単量体混合物(b)を重合することによりシェル層(B)を形成させる。
(b1)(メタ)アクリロニトリル単量体の含有量を15質量%以上とすることで、プラスチゾルは流動性及び貯蔵安定性が向上するとともに、プラスチゾルを硬化させて被膜とした際の強靭性が向上する。また、この含有量を70質量%以下とすることで、可塑剤によって可塑化されにくく、得られる被膜からの可塑剤のブリードアウトを低減させることができる。また、通常重合体微粒子は乳化重合により製造されるため、前記含有量を70質量%以下とすることで、安定して重合を行うことができる。
使用する(メタ)アクリロニトリル単量体の含有量は、好ましくは55質量%以下である。
なお、(メタ)アクリロニトリル単量体は、コア層(A)を形成させるための単量体若しくは単量体混合物中に含有させることもできるが、この場合には、シェル層(B)を形成する単量体混合物(b)中の(メタ)アクリロニトリル含有量を、コア層(A)に使用する(メタ)アクリロニトリルの含有量よりも多くすることが好ましい。シェル層により多くの(メタ)アクリロニトリル単量体単位を含有させることで、プラスチゾルの流動性及び高温での貯蔵安定性が顕著に改善されるためである。
ここでいう高温でのプラスチゾルの貯蔵安定性とは、特に50℃での貯蔵安定性をいう。東南アジアなど熱帯地域へプラスチゾルを輸出する際には、高温での貯蔵安定性が必要とされる。従来までに提案されてきたプラスチゾルは、常温または35℃、高くても40℃での貯蔵安定性を改良したものであった。プラスチゾルの貯蔵安定性は、温度が高くなるほど劇的に悪化し、常温で1ヶ月貯蔵可能であっても温度が高くなると数日で直ちにゲル化してしまうものがほとんどである。本発明で提案するプラスチゾルは50℃での長期貯蔵をも可能にするものである。
本発明の重合体微粒子においては、シェル層(B)に使用する単量体混合物(b)中、(b2)芳香族モノビニル単量体またはアルキル(メタ)アクリレート単量体を30〜85質量%の範囲内で含有する。
芳香族ビニル単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロルスチレン、α−ブロモスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等のアルキルビニルベンゼン、ビニルナフタレン等の多感芳香族ビニル化合物が挙げられる。
また、アルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類、あるいはシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類、が挙げられる。
本発明の重合体微粒子のシェル層(B)に使用する(b3)その他の共重合可能な単量体の例としては、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基含有単量体、リン酸基含有単量体、ヒドロキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体などが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体の例としては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、メタクリル酸 2−サクシノロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、メタクリル酸 2−マレイノロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、メタクリル酸 2−フタロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリル酸 2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。また、スルホン酸基含有単量体としては、アリルスルホン酸等が挙げられ、リン酸基含有単量体としては、2−(メタ)アクリロイキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。
また、(b3)その他の共重合可能な単量体には、その他の官能基を含有する単量体を使用することができ、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート類、アセトアセトキエチル(メタ)アクリレート等のカルボニル基含有(メタ)アクリレート類、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類が例示される。
その他にも、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類などの多官能単量体や、アクリルアミド及びその誘導体としてジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等、さらには酢酸ビニル、ウレタン変性アクリレート類、エポキシ変性アクリレート類、シリコーン変性アクリレート類などが例示される。
また必要に応じて架橋性単量体を使用することも可能であり、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類などの多官能モノマーを使用することができる。ただしこの場合には架橋の程度を、加熱時に重合体が可塑剤によって十分に溶融されてゲル化成膜できる範囲にとどめる必要がある。
また、さらに補助的に、アクリルアミドおよびその誘導体として例えばジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等、さらにはスチレンおよびその誘導体、酢酸ビニル、ウレタン変性アクリレート類、エポキシ変性アクリレート類、シリコーン変性アクリレート類等の特殊な単量体を使用することもできる。
本発明の重合体微粒子は、その一次粒子径の体積平均粒子径が0.2〜2.0μmの範囲内にある。体積平均粒子径はレーザー光散乱法により測定することができる。
重合体微粒子の一次粒子の粒子径が0.2μm未満になると、重合体微粒子を可塑剤に混ぜた時に可塑剤の中で一次粒子が微細且つ均一に分散することができず、プラスチゾルを加熱した際に均一できれいな塗膜が得らにくくなる。また、各層の厚みが薄くなり、プラスチゾルの貯蔵安定性も低下する傾向にある。
また、重合体微粒子の一次粒子径が2.0μmを超えると、各層の厚みが厚くなり過ぎ、且つ粒子の総表面積が小さくなるために、可塑剤中で可塑化されにくくなり、可塑化に時間を要する傾向にある。また、乳化重合によって重合体微粒子を製造する場合に、一次粒子径が2.0μmを超えると重合が不安定になり重合体が凝集しやすくなる傾向にある。
本発明の重合体微粒子は、乾燥粉体としての性状や構造は問わない。例えば、重合で得られた一次粒子が多数集合して凝集粒子(二次粒子)を形成していてもかまわないし、またそれ以上の高次構造も可能である。ただしこのような凝集構造の場合、一次粒子同士が強固に結合せず、緩く凝集している状態が好ましい。これにより可塑剤中で一次粒子が微細且つ均一に分散されるためである。
本発明のアクリル系重合体微粒子の製造方法においては、まず芳香族モノビニル単量体の含有量が50質量%未満である単量体又は単量体混合物(a)を重合することによりコア層(A)を形成し、その後(b1)(メタ)アクリロニトリル単量体15〜70質量%、(b2)芳香族モノビニル単量体またはアルキル(メタ)アクリレート単量体30〜85質量%、(b3)その他の共重合可能な単量体0〜30質量%(但しb1、b2、b3の合計量が100質量%)からなる単量体混合物を重合してシェル層(B)を形成することでコアシェル型粒子を調製した後、スプレードライ法(噴霧乾燥法)又は凝固法により重合体微粒子を回収する。
0.2μm以上のコアシェル粒子を得るためには、シード重合を何回も繰り返すことにより粒子を成長させる方法、ソープフリー重合によって得る方法、乳化剤の量を制限する方法、乳化力の弱い乳化剤又は保護コロイド等を用いる方法などが広く利用可能である。このうち、コア層(A)を形成する単量体又は単量体混合物(a)の一部を用いてソープフリー重合を行うことによって比較的大きな粒子径を有するシード粒子を調製しておき、更にコア層(A)形成の単量体又は単量体混合物(a)の残部を添加し、これを重合することでコア層(A)となる微粒子を形成させ、その微粒子の存在下に、シェル層(B)を形成する単量体又は単量体混合物(b)を添加、重合することでコアシェル型の重合体微粒子を得る方法が好ましく用いられる。
本発明のプラスチゾル組成物は、前記重合体微粒子と可塑剤とを含有してなる。使用する可塑剤は特に限定されず、公知の可塑剤から適宜選択して使用すれば良い。具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジヘキシルアジペート、ジー2−エチルヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバチン酸エステル系可塑剤;ポリ−1,3−ブタンジオールアジペート等の脂肪族系ポリエステル可塑剤;エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル系可塑剤;アルキルスルホン酸フェニルエステル等のアルキルスルホン酸フェニルエステル系可塑剤;脂環式二塩基酸エステル系可塑剤;ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル系可塑剤;クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
可塑剤は、必要に応じて1種で又は2種以上を混合して用いることができ、その配合量も所望に応じて適宜変更することができる。
可塑剤の配合量は、アクリル系重合体微粒子100質量部に対して35〜250質量部が好ましく、40〜200質量部がより好ましく、45〜150質量部が最も好ましい。
本発明のプラスチゾル組成物は、従来塩ビゾルが用いられていた用途分野をはじめひろく利用することができる。具体的には、自動車アンダーコート、自動車ボディーシーラ、自動車マスチック接着剤、タイルカーペットバッキング材、クッションフロア、壁紙、鋼板塗料、玩具、手袋、食品サンプル、靴、建材用など各種接着材、各種シーラ、ガスケット、防水シート、自動車内層表皮材、帆布、テーブルクロス、合成皮革、消しゴム、スクリーン印刷用塗料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の重合体微粒子はさらに軟質材料分野でも広く利用可能である。具体的には、玩具、レザー、農業用フィルム、化粧シート等に使用することができる。
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例において「部」の記載は質量部を示す。
[重合体(P1)の調製]
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗、冷却管を装備した2000mlの4つ口フラスコに純水100部を入れ、30分間十分に窒素ガスを通気し、純水中の溶存酸素を置換した。窒素ガス通気を停止した後、メチルメタクリレート4.5部、n−ブチルアクリレート3.5部を入れ、200rpmで攪拌しながら80℃に昇温した。内温が80℃に達した時点で、5部の純水に溶解した過硫酸カリウム0.1部を一度に添加し、ソープフリー重合を開始した。そのまま80℃にて攪拌を60分継続した。
第1滴下として、モノマー混合物(メチルメタクリレート23.5部、n−ブチルメタクリレート18.5部)と乳化剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムをモノマー混合物100部あたり1.0部)及び純水30部を混合し、予め均一に乳化した液を20部/hrの速度で滴下し、引き続き80℃にて1時間攪拌を継続して、コア層を形成する重合体粒子を含むラテックスを得た。
続いて、内温を70℃に調整し、第2滴下としてモノマー混合物(スチレン28部、アクリロニトリル22部)と乳化剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムをモノマー100部あたり1.0部)及び純水30部を混合し、予め均一に乳化した液を40部/hrの速度で滴下し、その後1時間攪拌を継続して体積平均粒子径0.77μm、数平均粒子径0.61μmのコアシェル重合体を含むラテックスを得た。
なお、ラテックスの粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910((株)堀場製作所製)を用いて測定した。
得られた重合体ラテックスを室温まで冷却した後、スプレードライヤー(大河原化工機(株)製 L8型)を用いて、入口温度170℃、出口温度75℃、アトマイザ回転数25000rpmにて噴霧乾燥し、重合体微粒子(P1)を得た。
[重合体(P2)〜(P6)の調製]
重合体(P1)と同様にして重合体(P2)〜(P6)を表1に記載のモノマーを用いて調製した。重合において、モノマーの滴下速度は、スチレンを含有する単量体を使用する場合は10部/hrとし、それ以外の場合は20部/hrとした。
重合温度は、アクリロニトリルを含有する単量体を使用する場合は70℃、それ以外の単量体の場合は80℃で行った。モノマーに対する乳化剤の添加量、開始剤の量などの重合条件、噴霧乾燥の条件などは重合体(P1)と同様とした。重合により得られたラテックスの体積平均粒子径は表1に記載したとおりである。
Figure 0004827169
表中の略号は以下の通りである
AN:アクリロニトリル
St:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
nBMA:n−ブチルメタクリレート
iBMA:i−ブチルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
Dv : 体積平均粒子径
[プラスチゾルの調整]
重合体微粒子100部に対して可塑剤100部を投入し、真空ミキサー((株)シンキー製 ARV−200)にて脱泡攪拌(10秒間大気圧で混合した後、20mmHgに減圧して110秒間混合)を行い、均一なプラスチゾル組成物を得た。可塑剤は、DINP(ジイソノニルフタレート;(株)ジェイプラス製)又はAS−200(ポリエステル系可塑剤;大日本インキ化学工業(株)製)を用いた。得られたプラスチゾルを用いて各種評価を行った結果を表2に示す。
なお、各種評価方法は以下に示す方法により行った。
[初期粘度]
プラスチゾル組成物を調製してから1時間以内に、Brookfield型粘度計(東洋計器(株)製 EHD型粘度計)を用いて、測定温度25℃、回転数5rpmにおいて粘度を測定した。
(1) 可塑剤としてDINPを使用した場合の初期粘度を以下の基準で評価した。
◎ :3000mPa・s未満
○ :3000mPa・s以上5000mPa・s未満
△ :5000mPa・s以上
× ゲル化又は測定不能
(2) 可塑剤としてAS−200を使用した場合の初期粘度を以下の基準で評価した。
◎ :20000mPa・s未満
○ :20000mPa・s以上40000mPa・s未満
△ :40000mPa・s以上
× :ゲル化又は測定不能
[貯蔵安定性(40℃)]
プラスチゾル組成物を40℃の恒温室にて保温し、10日後に取り出して再び粘度を測定した。プラスチゾルの増粘率を下式により計算し、以下の基準で貯蔵安定性を評価した。{(貯蔵後の粘度/初期の粘度)−1}×100(%)
◎:50%未満
○:50%以上100%未満
△:100%以上
×:粘度測定不能またはゲル化
[貯蔵安定性(50℃)]
プラスチゾル組成物を50℃の恒温室にて保温し、10日後に取り出して再び粘度を測定した。プラスチゾルの増粘率を下式により計算し、以下の基準で貯蔵安定性を評価した。{(貯蔵後の粘度/初期の粘度)−1}×100(%)
◎:50%未満
○:50%以上200%未満
△:200%以上
×:粘度測定不能またはゲル化
[被膜強度の測定]
プラスチゾル組成物をポリテトラフルオロエチレン板の上に2mm厚で塗布し、130℃×20分加熱をしてゲル化させ、均一なシートを得た。このシートをダンベル2号を用いて切り出し、JIS K−6251に準拠してテンシロン測定器により強伸度の測定を行った。試験速度は200mm/分であった。
Figure 0004827169
比較例1は、シェル層(B)にアクリロニトリルを含有しない重合体微粒子を用いており、強度においても低位であり、高温での貯蔵安定性に劣る。
比較例2は、シェル層(B)中のアクリロニトリル使用量が8質量%の重合体微粒子を用いており、流動性、高温化での貯蔵安定性、強度に劣る。

Claims (4)

  1. 芳香族モノビニル単量体の含有量が50質量%未満である単量体又は単量体混合物(a)を重合して形成されたコア層(A)と、(b1)(メタ)アクリロニトリル単量体15〜70質量%、(b2)芳香族モノビニル単量体またはアルキル(メタ)アクリレート単量体30〜85質量%、(b3)その他の共重合可能な単量体0〜30質量%(但しb1、b2、b3の合計量が100質量%)からなる単量体混合物(b)を重合して形成されたシェル層(B)とを有し、コア層(A)とシェル層(B)の質量比が10/90〜90/10であり、その一次粒子の体積平均粒子径が0.2〜2.0μmである重合体微粒子と可塑剤とを含有するプラスチゾル組成物。
  2. 重合体微粒子のコア層(A)を形成するための単量体又は単量体混合物(a)が、アルキル(メタ)アクリレート類からなることを特徴とする請求項1記載のプラスチゾル組成物。
  3. 重合体微粒子のシェル層(B)が、(b1)(メタ)アクリロニトリル15〜70質量%(b2)スチレンまたはメチルメタクリレート30〜85質量%とからなる単量体混合物(b)を重合して形成された重合体微粒子である請求項1記載のプラスチゾル組成物。
  4. 重合体微粒子のシェル層(B)が、(b1)(メタ)アクリロニトリル15〜70質量%(b2)スチレンまたはメチルメタクリレート30〜85質量%(b3)メタクリル酸0〜30質量%とからなる単量体混合物(b)を重合して形成された重合体微粒子である請求項1記載のプラスチゾル組成物。
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