JP5692608B2 - アクリル系重合体微粒子、その製造方法、プラスチゾル及び成形品 - Google Patents
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Description
しかしながら、塩化ビニル樹脂は、低温で焼却すると猛毒物質であるダイオキシンが発生する等の問題を有している。ダイオキシンの発生量を減らすためには、塩化ビニル系樹脂の使用量を削減することが有効とされている。そこで、重合体微粒子としてアクリル系樹脂微粒子を用いたアクリル系プラスチゾル組成物が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
即ち、本発明の目的は、例えばスラッシュ成形法、ディップ成形法、ローテーション成形法等の成形材料に低粘度が要求されるような成形法において、優れた成形性を示し、且つ引張強度や引裂強度等の機械的物性が優れた成形品を与えることができるアクリル系重合体微粒子、その製造方法、その重合体微粒子を用いたアクリル系プラスチゾル組成物、及びその成形品を提供することにある。
即ち本発明は、 20℃の水に対する溶解度が2.0〜30質量%の不飽和単量体(m)を乳化剤ミセルが存在しない状態において水系分散媒(S)中で重合させて得られたシード粒子(A)の体積平均一次粒子径が280nm以上10μm以下であって、
前記シード粒子(A)の分散液に、アクリル系不飽和単量体(M)とアクリル系不飽和単量体(M)100質量部に対して1.7〜2.0質量部の乳化剤を添加し、重合する操作を少なくとも一回行う、体積平均一次粒子径(DvP)と個数平均一次粒子径(DnP)の比(DvP/DnP)が1.3〜3.5であるアクリル系重合体微粒子、である。
本発明のアクリル系重合体微粒子の体積平均一次粒子径は特に限定されるものではないが、プラスチゾル組成物の更なる低粘度化の点で、700nm以上が好ましく、800nmがより好ましく、900nm以上が特に好ましい。また、上限値は10μm以下が好ましく、7μm以下がより好ましく、5μm以下が特に好ましい。
例えば、可塑剤に相溶性の重合体組成を有するコア層と、可塑剤に非相溶性の重合体組成を有するシェル層からなるコアシェル型構造の粒子形状としたアクリル系重合体微粒子を用いたプラスチゾル組成物は、貯蔵時において粘度の経時変化が小さくなる傾向にあり、更にこのプラスチゾル組成物を用いて得られた成形品は可塑剤のブリードアウトが小さく、且つ高強度の成形品が得られる傾向にある。
本発明のアクリル系重合体微粒子を得るための重合方法は特に限定されないが、水系分散媒中での乳化重合が具体例として挙げられる。また、粒子径の大きなアクリル系重合体微粒子を得る場合、シード重合法が好適である。具体的な重合法として以下に示す方法が挙げられる。
まず20℃の水に対する溶解度が2.0〜30質量%の不飽和単量体(m)を乳化剤ミセルが存在しない状態において水系分散媒(S)中で重合させてシード粒子(A)を含む分散液を製造する。次いで該シード粒子を含む分散液に、アクリル系不飽和単量体(M)を添加、重合する操作を少なくとも1回実施することにより、本発明の粒子径分布を有するアクリル系重合体微粒子を得ることができる。
ソープフリー重合によりシード粒子(A)を製造する場合に使用される重合開始剤としては、水系分散媒(S)に可溶な重合開始剤であれば特に限定されないが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等が好ましく、重合体微粒子の凝集が少なくなりやすい点で、過硫酸カリウムを使用することがより好ましい。また、この重合開始剤の使用量は特に限定されないが、重合体微粒子の凝集が少なくなりやすい点で、不飽和単量体(m)100質量部に対して、1.8質量部以下が好ましく、0.9質量部以下がより好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。
不飽和単量体(m)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレングリコール繰り返し単位n=2〜6)等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して使用してもよい。
更に、この時20℃の水に対する溶解度が2.0〜30質量%の範囲外となる不飽和単量体を、不飽和単量体(m)と併用することもできる。このような単量体としては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類等が挙げられる。この場合、シード粒子(A)を構成させるための全単量体の合計量を100質量部としたとき、20℃の水に対する溶解度が2.0〜30質量%である単量体の含有量が25質量%以上、好ましくは50質量%以上となるよう使用することが好ましい。
本発明においては、水系分散媒(S)中でその重合を行う。水系分散媒(S)中には有機溶剤を含んでいてもよいが、重合安定性や粒子径の制御のしやすさの観点から、有機溶剤を含まない系で重合を行うことが好ましい。
また、シード粒子(A)の体積平均一次粒子径(DvA)と個数平均一次粒子径(DnA)の比(DvA/DnA)で表される粒子径分布は、アクリル系重合体微粒子の大粒子化を図るため、1.3以下が好ましく、1.25以下がより好ましく、1.2以下が特に
好ましい。また、粒子径分布の下限値は1.0以上が好ましい。
シード粒子(A)を構成する重合体の重量平均分子量は特に制限されないが、下限値は0.5万以上が好ましく、1万以上がより好ましい。
コア部を形成するための単量体としては、前述した直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート、環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートや、これと共重合可能な他の不飽和単量体を使用することができる。アクリル系重合体微粒子の粒子径分布のコントロールを容易にするためにはコア部用の不飽和単量体(M)100質量部中に、メチルメタクリレートを60質量部以上含有させることが好ましい。メチルメタクリレートの含有量は好ましくは70質量以上、更に好ましくは80質量部以上、最も好ましくは90質量部以上である。
シェル部を形成するための単量体としては、前述した直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート、環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートや、これと共重合可能な他の不飽和単量体を使用することができる。コア部と同様、アクリル系重合体微粒子の粒子径分布のコントロールを容易にするためには、シェル部用の不飽和単量体(M)100質量部中に、メチルメタクリレートを60質量部以上含有させることが好ましい。メチルメタクリレートの含有量は好ましくは70質量以上、更に好ましくは80質量部以上、最も好ましくは90質量部以上である。
本発明のアクリル系重合体微粒子の質量平均分子量は特に制限されないが、プラスチゾル組成物の貯蔵安定性及び成形品の機械的物性の点からは、10万以上が好ましく、20万以上がより好ましく、30万以上が特に好ましい。
本発明のプラスチゾル組成物に用いる可塑剤は特に限定されず、公知の可塑剤から適宜選択して使用すれば良い。具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジヘキシルアジペート、ジー2−エチルヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバチン酸エステル系可塑剤;ポリ−1,3−ブタンジオールアジペート等の脂肪族系ポリエステル可塑剤;エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル系可塑剤;アルキルスルホン酸フェニルエステル等のアルキルスルホン酸フェニルエステル系可塑剤;脂環式二塩基酸エステル系可塑剤;ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル系可塑剤;クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
可塑剤の配合量は、アクリル系重合体微粒子100質量部に対して35〜250質量部が好ましく、40〜200質量部がより好ましく、45〜150質量部が特に好ましい。
(1)[不飽和単量体の20℃の水に対する溶解度]
200mlの分液ロートに不飽和単量体(m)20ml及びイオン交換水100mlを加え、室温で30分攪拌した後、20℃のインキュベータに一夜放置する。水層及び不飽和単量体層が透明になったら分離する。透明にならず液が懸濁状の場合は目開き0.45μmのろ紙で濾別する。水層を水素炎ガスクロマトグラフィーにて不飽和単量体含有量を測定し、この値を溶解度とした。
(2)[微粒子の体積平均一次粒子径及び個数平均一次粒子径]
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製LA−920)を用いて、水を分散媒として超音波を2分照射し、透過率が75〜95%の範囲内になるように調製した後、重合体微粒子の体積平均一次粒子径及び個数平均一次粒子径を測定した。
プラスチゾル組成物を25℃の恒温槽で2時間保温した後、BL型粘度計(トキメック製、ローターNo.4)を用いて、回転数60rpm(せん断速度12.9sec-1)で、1分後の粘度(単位mPa・s)を測定し、以下の基準により評価した。
「○」:8000mPa・s以下
「×」:8000mPa・s超
(4)[ゾルの経時安定性]
プラスチゾル組成物を25℃の恒温槽で3時間保温した後、BL型粘度計(トキメック製、ローターNo.4)を用いて、回転数12rpm(せん断速度2.6sec-1)で、1分後の粘度(単位mPa・s)を測定し、これを初期粘度η1とした。更に、これを40℃の恒温水槽に10日間貯蔵し、次いで25℃の恒温槽で2時間保温した後、同じ装置及び測定条件下で粘度(単位mPa・s)を測定し、これを経時後粘度η2とした。ゾルの経時安定性はη2/η1により以下の基準で評価した。
「○」:η2/η1が1.5以下
「×」:η2/η1が1.5超
得られた成形品を25℃の室内に1週間放置した後、成形品表面ににじみ出た可塑剤を目視及び触感で確認して、以下基準により成形品のブリード性を評価した。
「○」:ブリードアウト無し
「△」:僅かにブリードアウトが確認される
「×」:ブリードアウト有り
(6)[成形品の作製及び引張強度の測定]
プラスチゾル組成物を、テトラフルオロエチレンコートされた鉄板(厚さ1mm)の上に膜厚2mmにキャストし、これを160℃のギヤーオーブンに入れて10分間加熱し、成形品を得た。これを金属板から剥離した後、ダンベル3号にて切り出し、引張測定装置((株)エー・アンド・デイ製引張測定装置(商品名「RTA―250」)により引張強度の測定を行った。試験速度は200mm/分で行った。
「○」:引張強度が10MPa以上
「×」:引張強度が10MPa未満
(7)[成形品の作製及び引裂強度の測定]
引張強度の測定の場合と同様に、成形品を金属板から剥離した後、切り込みなしアングル型にて切り出し、同上の引張測定装置により引裂強度の測定を行った。試験速度は500mm/分で行った。
「○」:引裂強度が30N/mm以上
「×」:引張強度が30N/mm未満
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗及び冷却管を備えた2リットルの4つ口フラスコに、純水364部を入れ、30分間窒素ガスをバブリングさせ、純水中の溶存酸素を置換した。次に、窒素ガスをフローに変えた後、20℃の水に対する溶解度が13.4質量%の2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルHP」)不飽和単量体(m)40.3部を入れ、200rpmで攪拌しながら80℃に昇温した。内温が80℃に達した時点で、純水35部に過硫酸カリウム0.35部を溶解して得た溶液をフラスコ内に一度に添加し、重合を開始させた。その後、80℃にて60分攪拌し、シード粒子(A1)分散液を得た。
次いで、このシード粒子(A1)分散液に、表1に示す不飽和単量体(M1)の乳化液を3時間かけて滴下した後、純水35部に過硫酸カリウム0.21部を溶解して得た溶液をフラスコ内に一度に添加し、80℃にて1時間攪拌して重合を実施し、コア粒子の分散液を得た。
次いで、このコア粒子の重合体分散液に、表1に示す不飽和単量体(M2)の乳化液を1.0時間かけて滴下し、引き続き80℃にて1時間攪拌してシェル重合を実施し、コアシェル型重合体分散液を得た。
このコアシェル型重合体分散液を室温まで冷却し、スプレードライヤを用いて、入口温度150℃、出口温度65℃で噴霧乾燥して、体積平均一次粒子径が1342nmのアクリル系重合体微粒子(P1)を得た。組成及び物性を表1及び表3に示す。
シード粒子を構成する不飽和単量体として、20℃の水に対する溶解度が13.4質量%の2−ヒドロキシプロピルメタクリレートと、20℃の水に対する溶解度が1.7質量%のメチルメタクリレートと、20℃の水に対する溶解度が0.04質量%のn−ブチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルB」)を用いた以外は重合体微粒子(P1)と同様にして重合体微粒子(P2)を製造した。組成及び物性を表1及び表3に示す。
コア部用及びシェル部用の不飽和単量体の乳化液を調製する際の乳化剤の量を変更する以外は重合体微粒子(P1)の場合と同様にして重合体微粒子(P3)を製造した。組成及び物性を表1及び表3に示す。
[実施例4]
シード粒子を構成する不飽和単量体の添加量を変更する以外は重合体微粒子(P1)と同様にして重合体微粒子(P4)を調製した。組成及び物性を表1及び表3に示す。
シード粒子を構成する不飽和単量体として、メチルメタクリレートを用いた以外は重合体微粒子(P1)の場合と同様にして重合体微粒子(P5)を製造した。組成及び物性を表2及び表3に示す。
[比較例2]
シード粒子用の不飽和単量体として、20℃の水に対する溶解度が100質量%を超える2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルHO」)を用いた以外は重合体微粒子(P1)と同様にしてシード粒子(A4)を重合した。重合中に凝集し、シード粒子を得ることができなかった。
[比較例3]
コア部用及びシェル部用の不飽和単量体の乳化液を調製する際の乳化剤の量を変更する以外は重合体微粒子(P1)の場合と同様にして重合体微粒子(P6)を製造した。組成及び物性を表2及び表3に示す。
[比較例4]
コア部用及びシェル部用の不飽和単量体の乳化液を調製する際の乳化剤の量を変更する以外は重合体微粒子(P1)の場合と同様にして重合体微粒子(P7)を製造した。組成及び物性を表2及び表3に示す。
表1中の略号:
「−」は、未添加又は未測定であることを示す。
「2−HPMA」:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルHP」)
「2−HEMA」:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルHO」)
「MMA」:メチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルM」)
「n−BMA」:n−ブチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルB」)
「n−BA」:n−ブチルアクリレート(三菱化学製)
「EDMA」:エチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルED」)
「MAA」:メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製、商品名「メタクリル酸」)
「OTG」:チオグリコール酸2−エチルヘキシル(淀化学製)
セチルアルコール:セチルアルコール(日本油脂製、商品名「NAA―44」)
「OTP」:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(花王製、商品名「ペレックスOTP」
表2中の略号:
「−」は、未添加又は未測定であることを示す。
「2−HPMA」:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルHP」)
「2−HEMA」:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルHO」)
「MMA」:メチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルM」)
「n−BMA」:n−ブチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルB」)
「n−BA」:n−ブチルアクリレート(三菱化学製)
「EDMA」:エチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名「アクリエステルED」)
「MAA」:メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製、商品名「メタクリル酸」)
「OTG」:チオグリコール酸2−エチルヘキシル(淀化学製)
セチルアルコール:セチルアルコール(日本油脂製、商品名「NAA―44」)
「OTP」:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(花王製、商品名「ペレックスOTP」
DvP:アクリル系重合体微粒子体積平均一次粒子径
DnA:シード粒子(A)個数平均一次粒子径
DnP:アクリル系重合体微粒子個数平均一次粒子径
アクリル系重合体微粒子(P1)100部、可塑剤として、クエン酸アセチルトリブチル(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「モノサイザーATBC」)60部と、オクチル酸亜鉛(ホープ製薬(株)製、商品名「18%オクトープZn」)0.5部を計量し、真空ミキサー((株)シンキー製、商品名「ARV−200」)に投入した。これを大気圧(760mmHg)で15秒間混合し、さらに20mmHgに減圧して165秒間混合し、均一なアクリル系プラスチゾル組成物を得た。このプラスチゾル組成物の25℃での粘度は、せん断速度12.9sec-1において、2920mPa・sであった。また、プラスチゾル組成物の経時安定性η2/η1は、1.2であった。
得られたプラスチゾル組成物をテトラフルオロエチレンコートされた鉄板(厚さ1mm)の上に、縦100mm、横100mm、膜厚2mmにキャストし、これを160℃のギヤーオーブンに入れて10分間加熱し、成形品を得た。その際の成形品のブリードについて評価した。組成及び評価結果を表4に示す。いずれの物性も良好であった。
表4記載の配合に変更したこと以外は実施例5と同様にして、均一なプラスチゾル組成物を製造し、成形し、評価した。組成及び評価結果を表4に示す。
実施例6〜10の結果から明らかなように、いずれの物性も特に問題点はなく、良好であった。これに対し、比較例5、7及び8ではプラスチゾル組成物の粘度が高かった。また比較例6ではプラスチゾル組成物の経時安定性が低下し、また成形品のブリード、成形品の引張強度、引裂強度が悪かった。
「−」は、未添加又は未測定であることを示す。
「ATBC」:クエン酸アセチルトリブチル(大日本インキ化学工業(株)製、商品名「モノサイザーATBC」)
「オクチル酸亜鉛」:オクチル酸亜鉛(ホープ製薬(株)製、商品名「18%オクトープZn」)
Claims (3)
- 20℃の水に対する溶解度が2.0〜30質量%の不飽和単量体(m)を乳化剤ミセルが存在しない状態において水系分散媒(S)中で重合させて得られたシード粒子(A)の体積平均一次粒子径が280nm以上10μm以下であって、
前記シード粒子(A)の分散液に、アクリル系不飽和単量体(M)とアクリル系不飽和単量体(M)100質量部に対して1.7〜2.0質量部の乳化剤を添加し、重合する操作を少なくとも一回行う、体積平均一次粒子径(DvP)と個数平均一次粒子径(DnP)の比(DvP/DnP)が1.3〜3.5であるアクリル系重合体微粒子。 - 請求項1記載のアクリル系重合体微粒子及び可塑剤を含むプラスチゾル組成物。
- 請求項2記載のアクリル系プラスチゾル組成物を、スラッシュ成形法、ディップ成形法又はローテーション成形法により成形して得られる成形品。
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