JP4826340B2 - アクチュエータ及び圧電素子の製造方法 - Google Patents

アクチュエータ及び圧電素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アクチュエータ及び圧電素子の製造方法に関する。
従来のアクチュエータとして、例えば特許文献1に記載されているように、複数の直方体型の圧電素子と、被駆動体とを備えたものが知られている。このようなアクチュエータでは、複数の圧電素子に電圧を印加すると各圧電素子が変形し、各圧電素子の変形に応じて被駆動体が変位する。
特開平06−105569号公報
上述のアクチュエータでは、直方体型の圧電素子を複数用いるため、サイズが大きくなってしまう。アクチュエータのサイズを小さくするには圧電素子の数を減らせばよいが、その場合には被駆動体の変位量が小さくなってしまう。
そこで、本発明は、サイズが小さく且つ変位量が大きいアクチュエータおよびこのアクチュエータに用いられる圧電素子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係るアクチュエータは、一端部および他端部を有するとともに少なくとも一端部と他端部との間の領域が湾曲しており、一端部および他端部が印加電圧に応じて湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位する圧電素子と、圧電素子における湾曲した領域を支持する支持部材と、圧電素子の一端部および他端部に固定される一対の固定部と、一対の固定部を連結するとともに屈曲または湾曲された連結部とを有する被駆動部材と、を備え、連結部が、圧電素子の変位に伴って、連結部における屈曲又は湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位することを特徴とする。
本発明のアクチュエータで用いられる圧電素子は、一端部と他端部との間の領域が湾曲して形成されている。圧電素子を湾曲させることによって、より狭いスペースに、有効長がより長い圧電素子を収容することができる。圧電素子を狭いスペースに収容できるため、アクチュエータとしてのサイズを小さくすることが可能となる。また、圧電素子の有効長を長く取ることができるため、電圧印加時における圧電素子の一端部および他端部の変位量を大きくすることができる。
圧電素子は、印加電圧に応じて湾曲の内側方向および外側方向に変位する。駆動部材の連結部は屈曲又は湾曲されており、圧電素子の変位に伴って屈曲又は湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位する。そのため、圧電素子が変位すると、連結部は、圧電素子の変位量に応じた量だけ屈曲又は湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位することとなる。先に述べたように、有効長が長い圧電素子の変位量は大きいので、連結部の変位量も大きくなる。よって、本発明によれば、変位量が大きいアクチュエータを得ることができる。
更に、本発明の圧電素子は、支持部材によって支持されている。支持部材は、一端部と他端部との間の領域を支持している。一端部と他端部との間の領域は、一端部および他端部と比べて変位量が非常に小さい。このように変位量が小さい部分を支持することにより、支持部材が圧電素子の変位を妨げる可能性を低くすることができる。したがって、圧電素子の変位量は、印加された電圧値を正確に反映したものとなる。また、一端部と他端部との間の領域には圧電素子の重心が位置している。圧電素子は、支持部材によって重心位置を常に支えられることとなるため、変位時においても安定した状態を維持することができる。
また、本発明のアクチュエータでは、圧電素子は、一端部から他端部に向かって連続的に伸びるとともに、厚み方向が湾曲の内側から外側に向かう方向とされた圧電体層を有することが好ましい。このように長く連続した圧電体層を有することにより、圧電素子の一端部および他端部の変位量をさらに大きくすることができる。また、圧電体層の厚み方向を湾曲の内側から外側に向かう方向とすることにより、圧電素子を湾曲の内側方向あるいは外側方向に確実に変位させることができる。
また、本発明のアクチュエータでは、圧電素子は、圧電体層を複数有し、複数の圧電体層は、湾曲の内側から外側に向かう方向に沿って積層されていることが好ましい。この場合、圧電素子を湾曲の内側方向あるいは外側方向にいっそう大きく変位させることができる。
また、本発明のアクチュエータでは、圧電素子は、圧電体層を挟むように形成された内部電極と、当該内部電極に接続された外部電極とを有しており、外部電極は圧電素子の一端部と他端部との間の領域に設けられていることが好ましい。変位が殆ど生じない領域に設けられた外部電極は、圧電素子の変位を妨げることがない。
また、本発明のアクチュエータでは、圧電素子は半円環状を呈していることが好ましい。半円環状とすることによって、圧電素子のスムーズな変位が可能となる。さらに、圧電素子の収容スペースを確実に小さくすることができる。
本発明に係る圧電素子の製造方法は、湾曲した圧電素子を製造する方法であって、内部電極が形成されたグリーンシートを含む複数のグリーンシートを積層してシート積層体を形成する第1工程と、シート積層体を切断して短冊状のシート積層体を得る第2工程と、湾曲した第1壁面を有する第1焼成治具と、第1焼成治具の第1壁面と沿うように湾曲した第2壁面を有する第2焼成治具と、を用意する第3工程と、第1焼成治具の第1壁面と第2焼成治具の第2壁面とに挟まれるように、短冊状のシート積層体を配置する第4工程と、第1壁面と第2壁面との間に配置された短冊状のシート積層体を焼成する第5工程と、を含み、第4工程では、短冊状のシート積層体の側面のうち長手方向に沿い且つ積層方向と垂直な一対の側面が第1壁面および第2壁面と対向するように、短冊状のシート積層体を配置することを特徴とする。
短冊状に切断されたシート積層体を、湾曲した第1壁面と湾曲した第2壁面との間に挟んで焼成するので、湾曲した圧電素子を得ることができる。また、短冊状に切断されたシート積層体を挟む際に、短冊状のシート積層体の側面のうち長手方向に沿い且つ積層方向と垂直な一対の側面を第1壁面および第2壁面と対向させるため、得られる圧電素子は、湾曲方向に沿って連続的に伸びた圧電体層を有するものとなる。その結果、湾曲して形成され、且つ湾曲方向に沿って連続的に伸びた圧電体層を有する圧電素子を、容易に製造することができる。
本発明によれば、サイズが小さく且つ変位量が大きいアクチュエータおよびこのアクチュエータに用いられる圧電素子の製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は本実施形態に係るアクチュエータを示す正面図である。図2(a)は本実施形態に係るアクチュエータを示す上面図であり、図2(b)は図2(a)に示したアクチュエータのII−II線断面図である。図1および図2に示されるように、アクチュエータ1は、支持部材10と、被駆動部材20と、圧電素子30と、を備えている。
支持部材10は、底壁12と、底壁12に略垂直で互いに対向する第1側壁14および第2側壁15と、底壁12に略垂直で第1および第2側壁14,15と隣り合う第3側壁16と、を有している。底壁12の中央には、第1〜第3側壁14〜16で囲まれる空間に向かって突出した凸部17が設けられている。凸部17の上面には圧電素子30に電圧を印加するための電極(図示せず)が設けられており、当該電極は支持部材10の内部に形成された配線(図示せず)を介して、電圧源(図示せず)と接続されている。凸部17の上面の幅は、圧電素子30の長さと比べて十分に短くなっている。
第3側壁16の中央には、略円筒状の筒部18が設けられている。筒部18は、その径方向が底壁12に対して略垂直となるように設けられている。筒部18の長さは、被駆動部材20の軸部22の長さよりも短くなっている。
被駆動部材20は、軸部22と、軸部22に接続された連結部24と、連結部24によって連結された一対の固定部28と、を有している。軸部22は支持部材10の筒部18に内挿されている。筒部18は軸部22のガイドとなり、軸部22が確実に底壁12に対して垂直な方向に動作することを保証する。筒部18の長さは軸部22の長さよりも短くなっている。そのため、軸部22の一端部は筒部18から突出している。
連結部24は、軸部22の一端部と結合されている。連結部24は、軸部22に固定されるヘッド25と、ヘッド25から伸びる一対のアーム26を含んでいる。図2に示されるように、ヘッド25は、その一端部が軸部22に固定され、他端部が支持部材10の第3側壁16と反対の方向に伸びている。ヘッド25の他端部は支持部材10から外方に突き出ている。
ヘッド25の一端部には、各アーム26の一端部が接続されている。一方のアーム26はヘッド25から第1側壁14に向かって伸びており、他方のアーム26はヘッド25から第2側壁15に向かって伸びている。各アーム26は略扁平形状を呈している。そのため連結部24は、ヘッド25を頂部として屈曲された形状となっている。一対のアーム26は、ヘッド25を介してヒンジ結合されている。アーム26をヒンジ結合することにより、連結部24は屈曲の内側方向あるいは外側方向に変位することが可能となる。
各アーム26の他端部には、固定部28がそれぞれ取り付けられている。各アーム26と各固定部28とはヒンジ結合されている。固定部28は、圧電素子30に固定されている。より具体的には、一方の固定部28は圧電素子30の一端部30aに、他方の固定部28は圧電素子30の他端部30bに、それぞれ公知の接着剤を介して固定されている。
図1に示されるように、圧電素子30は、一端部30aおよび他端部30bを有する積層型の圧電素子である。圧電素子30の一端部30aと他端部30bとの間の領域、すなわち圧電素子30の中間部は、湾曲している。圧電素子30の中間部は、支持部材10の凸部17によって支持されている。なお、凸部17の上面の幅は圧電素子30の長さと比べて十分に狭いため、圧電素子30の変位が支持部材によって抑制されることはない。
図3は圧電素子30を示す斜視図である。図4は圧電素子30を他の方向から見たときの斜視図である。圧電素子30は、積層体32と、この積層体32の側面に形成された第1外部電極34、第2外部電極36、および第3外部電極38と、を有している。積層体32は、複数(本実施形態では8つ)の圧電体層40と、複数(本実施形態では4つ)の第1内部電極42と、複数(本実施形態では2つ)の第2内部電極44と、複数(本実施形態では2つ)の第3内部電極46と、を積層したものである。圧電体層40は、圧電素子30の一端部30aから他端部30bに向かって連続的に伸びている。また、圧電体層40の厚み方向は、圧電素子30の湾曲の内側から外側に向かう方向に沿っている。第1〜第3内部電極42,44,46は圧電体層40を挟むように形成されており、圧電体層40および第1〜第3内部電極42,44,46の積層方向は、圧電体層40の厚み方向と同様に、圧電素子30の湾曲の内側から外側に向かう方向に沿っている。
積層体32は、半円環状の六面体を呈している。積層体32は、一対の主面32a,32bと、一対の主面32aと垂直な一対の側面32c,32cと、一対の主面32a,32bと垂直で一対の側面32c,32cに挟まれる一対の側面32d,32dと、を有している。一対の主面32a,32bは、積層体32の湾曲方向に沿い、且つ積層方向に対向する面である。主面32a側は圧電素子30の湾曲の内側に位置しており、主面32bは圧電素子30の湾曲の外側に位置している。一対の側面32c,32cは、積層体32の湾曲方向に対向する面である。一方の側面32cは圧電素子30の一端部30aに位置しており、他方の側面32cは圧電素子30の他端部30bに位置している。一対の側面32c,32cは、被駆動部材20の固定部28に固定されている。一対の側面32c,32cおよび一対の側面32d,32dからは、圧電体層40および第1〜第3内部電極42,44,46が露出している。
圧電体層40および第1〜第3内部電極42,44,46は、圧電体層40、第3内部電極46、圧電体層40、第1内部電極42、圧電体層40、第3内部電極46、圧電体層40、第1内部電極42、圧電体層40、第2内部電極44、圧電体層40、第1内部電極42、圧電体層40、第2内部電極44、圧電体層40、の順で積層されている。圧電体層40のうち、積層方向に隣り合う第1内部電極42と第2内部電極44とに挟まれる領域40a、および積層方向に隣り合う第1内部電極42と第3内部電極46とに挟まれる領域40bは、圧電活性領域となる。圧電活性領域40a,40bは、電圧が印加されたときに積層体32の積層方向に伸縮する。圧電活性領域40aと圧電活性領域40bとは、伸縮の方向が逆となっている。すなわち、圧電活性領域40aが伸びるときに圧電活性領域40bは縮み、圧電活性領域40aが縮むときに圧電活性領域40bは伸びるように構成されている。圧電活性領域40a,40bがこのように伸縮することによって、圧電素子30の一端部30aおよび他端部30bは湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位することとなる。
積層体32の主面32bと側面32dとには、第1〜第3外部電極34,36,38が設けられている。第2および第3外部電極36,38は積層体32の中間部に配設されており、第1外部電極34は、その一部が積層体32の中間部にかかるように配設されている。第1〜第3外部電極34,36,38は、下地電極および端子電極からなっており、積層体32と同時焼成することにより形成されている。下地電極は端子電極を形成する際の下地になる。端子電極は、積層体32の側面32dから露出した第1〜第3内部電極42,44,46と下地電極を介して電気的に接続されている。
圧電体層40は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とする圧電セラミック材料で形成されている。第1〜第3内部電極42,44,46は、Ag,Pdを主成分とする導電材料で形成されている。第1〜第3外部電極34,36,38の下地電極は、第1〜第3内部電極42,44,46を構成している金属と電気的に良好に接続できる導電材料で形成されており、例えば第1〜第3内部電極42,44,46と同様に、Ag,Pdを主成分とする導電材料で形成されている。第1〜第3外部電極34,36,38の端子電極は、下地電極上にPtを主成分とするペーストを印刷することにより形成されている。
続いて、図5〜図9を参照して、上述した構成を有する圧電素子30の製造方法について説明する。
まず、圧電体層40となるグリーンシートを作製する(ステップS100)。グリーンシートを作製するにあたって、例えばPZTを主成分としたセラミック粉体に有機バインダ樹脂および有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、例えばドクターブレード法によって、上記ペーストをキャリアフィルム上に塗布することにより、グリーンシートを複数枚作製する。
次に、グリーンシートに、第1〜第3内部電極42,44,46に対応する電極パターンを複数(後述する分割チップ数に対応する数)形成する。電極パターンを形成するにあたって、例えばAg:Pd=85:15の比率で構成された導電材料に有機バインダ樹脂および有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、そのペーストをグリーンシートにスクリーン印刷して乾燥させることにより、第1内部電極42に相当する電極パターンEL1が形成されたグリーンシートGS1、第2内部電極44に相当する電極パターンEL2が形成された第2グリーンシートGS2、および第3内部電極46に相当する電極パターンEL3が形成された第3グリーンシートGS3を得る。
次に、電極パターンが形成されたグリーンシートを重ねてラミネートし、シート積層体を得る(ステップS102)。グリーンシートは、グリーンシートGS2、グリーンシートGS1、グリーンシートGS2、グリーンシートGS1、グリーンシートGS3、グリーンシートGS1、グリーンシートGS3、グリーンシートGS1の順で積層される。なお、グリーンシートGS3とグリーンシートGS1との間、およびグリーンシートGS2とグリーンシートGS1との間には、電極パターンが形成されていないグリーンシートを適宜積層してもよい。
次に、得られたシート積層体の上下面を反転させる。より具体的には、最初に積層したグリーンシートGS2の電極パターンが形成されていない面が上面、最後に積層したグリーンシートGS1の電極パターンが形成された面が下面となるように、シート積層体を反転させる。反転後、シート積層体の上面に先述したペーストをスクリーン印刷し、第1外部電極34の下地電極に相当する電極パターンEL4、第2外部電極36の下地電極に相当する電極パターンEL5、および第3外部電極38の下地電極に相当する電極パターンEL6を形成する(ステップS103)。
上面に電極パターンを形成した後、シート積層体をチップ単位に切断して、短冊状のシート積層体を複数得る(ステップS104)。得られた短冊状のシート積層体を、以下グリーン体LS1と呼ぶ。図6は、グリーン体LS1の分解斜視図である。図6に示されるように、グリーン体LS1では、グリーンシートGS1、グリーンシートGS3、グリーンシートGS1、グリーンシートGS3、グリーンシートGS1、グリーンシートGS2、グリーンシートGS1、グリーンシートGS2、の順でこれらが積層されている。グリーン体LS1の主面60、すなわち最上位層に位置するグリーンシートGS2の露出面には、第1〜第3外部電極34,36,38の下地電極に相当する電極パターンEL4〜EL6が印刷されている。
得られたグリーン体LS1の側面に、先述したペーストをスクリーン印刷または転写等の方法で付着させ、第1〜第3外部電極34,36,38の下地電極に相当する電極パターンEL4〜EL6を形成する(図5、ステップS105)。図7に、側面に電極パターンEL4〜EL6が形成されたグリーン体LS1の斜視図を示す。これらの下地電極の上からPtを主成分とするペーストを印刷して、第1〜第3外部電極34,36,38の端子電極となる部分を形成する(図5、ステップS106)。
次に、グリーン体LS1を焼成する。グリーン体LS1を焼成するにあたって、焼成治具を用意する(図5、ステップS107)。図8(a)は焼成治具を示す斜視図であり、図8(b)は焼成治具の上面図である。図8に示されるように、焼成治具50は、第1焼成治具52および第2焼成治具54から成っている。第1および第2焼成治具52,54は略円環状を呈している。このような形状を有する第1焼成治具52の外壁面52a(第1壁面)および第2焼成治具54の内壁面54a(第2壁面)は、ともに略円形状に湾曲している。第2焼成治具54の内壁面54aの径は、第1焼成治具52の外壁面52aの径よりも大きくなっている。第1および第2焼成治具52,54は、ジルコニアといった材料から形成されている。
第1焼成治具52の外壁面52aと第2焼成治具54の内壁面54aとに挟まれるように、グリーン体LS1を配置する(図5、ステップS108)。より具体的には、図9(a)に示されるように、第1焼成治具52の外壁面52aにグリーン体LS1を沿わせる。このとき、グリーン体LS1のうち主面60とは反対側の面が第1焼成治具52の外壁面52aと対向するようにする。グリーン体LS1を第1焼成治具52の外壁面52aに沿わせた後、図9(b)に示されるように、第2焼成治具54を被せて、グリーン体LS1の主面60が第2焼成治具54の内壁面54aと対向するようにする。このように、グリーン体LS1の側面のうち、長手方向に沿い且つ積層方向と垂直な一対の側面が、第1および第2焼成治具52,54と対向するよう、グリーン体LS1を配置する。
図9(c)に示されるように、第1および第2焼成治具52,54で挟んだまま、グリーン体LS1をジルコニア製の焼成セッター56の上に載置する。そして、400℃、10時間程度の加熱処理を実施して、グリーン体LS1に脱バインダ処理を施す。脱バインダ後、引き続き第1および第2焼成治具52,54で挟んだままの状態で、グリーン体LS1を950℃で2時間程度、焼成する(図5、ステップS109)。これにより、湾曲した積層体32が形成される。
次に、第1および第2焼成治具52,54を外して積層体32を取り出す。取り出した積層体32に、温度120℃の環境下で、積層体32の厚みに対する電界強度が2kV/mmとなるように所定の電圧を3分間印加することにより、積層体32の分極処理を行う(図5、ステップS110)。以上の工程を経て、図3に示される圧電素子30が完成する。
ここで、圧電素子30の他の製造方法を考える。他の製造方法として、例えば、ステップS103で得られたシート積層体を圧電素子30の形状に打ち抜き、打ち抜いたものを焼成する方法が考えられる。しかしながらこの方法では、図3に示されるような構造の圧電素子、すなわち湾曲した圧電素子であって、圧電体層が湾曲の内側から外側に向かう方向に沿って積層された圧電素子、を得るのは非常に困難である。シート積層体の上面から単に打ち抜きを行っただけでは、湾曲形状のものは得られても、圧電体層が上記した方向に積層されたものは得られないからである。本実施形態の製造方法では、シート積層体をまず短冊状に切断した後に、第1および第2焼成治具52,54を用いて湾曲させるため、図3に示されるような圧電素子30を容易に得ることができる。
上述したステップS100〜S110の工程を経て製造された圧電素子30を備えるアクチュエータ1の動作について、説明する。図10は、アクチュエータ1の動作を説明するための概略正面図である。図10(a)は、圧電素子30の第1〜第3外部電極34,36,38に電圧が印加されていない状態を示している。図10(b)および図10(c)は、圧電素子30の第1〜第3外部電極34,36,38に電圧が印加された状態を示している。第1〜第3外部電極34,36,38に対する電圧の印加は、支持部材10に設けられた電極を介して行われる。
電圧が印加されて、当該印加電圧値に応じた量だけ積層体32の圧電活性領域40aが縮み圧電活性領域40bが伸びると、圧電素子30は図10(b)に示されるように、湾曲の外側方向すなわち主面32b方向に変位する。圧電素子30が主面32b方向に変位すると、圧電素子30の両端に固定された被駆動部材20の固定部28が、互いに離間する方向に移動する。固定部28が離間する方向に移動すると、固定部28にヒンジ結合された各アーム26の他端部は、固定部28により引っ張られて、互いに離間する方向に動く。その結果、アーム26とアーム26との間に位置しているヘッド25が、支持部材10の底壁12に近づく方向、つまり矢印A方向に変位することとなる。
電圧が印加されて、当該印加電圧値に応じた量だけ積層体32の圧電活性領域40aが伸び圧電活性領域40bが縮むと、圧電素子30は図10(c)に示されるように、湾曲の内側方向すなわち主面32a方向に変位する。圧電素子30が主面32a方向に変位すると、圧電素子30の両端に固定された被駆動部材20の固定部28が、互いに接近する方向に移動する。固定部28が接近する方向に移動すると、固定部28にヒンジ結合された各アーム26の他端部は、固定部28によりヘッド25側に押されて、互いに接近する方向に動く。その結果、アーム26とアーム26との間に位置しているヘッド25が、支持部材10の底壁12から離れる方向、つまり矢印B方向に変位することとなる。
以上説明したように、本実施形態に係るアクチュエータ1は、湾曲して形成された圧電素子30を備えている。湾曲した圧電素子30を用いるので、直方体型の圧電素子を用いる場合と比べて、より狭いスペースに、有効長がより長い圧電素子30を収容することができる。狭いスペースに圧電素子30を収容できるため、アクチュエータ1のサイズを小さくすることができる。また、圧電素子30の有効長を長く取ることができるため、電圧印加時における圧電素子30の一端部30aおよび他端部30bの変位量を大きくすることができる。
圧電素子30は、印加電圧に応じて湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位する。圧電素子30の変位に応じて、圧電素子30の両端に固定された固定部28が互いに接近離間する。固定部28が接近離間すると、固定部28にヒンジ結合された連結部材24の各アーム26が動き、その結果、アーム26間に位置する連結部材24のヘッド25が変位する。ヘッド25の変位量は、圧電素子30の変位量に応じたものとなる。先述したように、圧電素子30の変位量は大きい。そのため、ヘッド25の変位量も大きなものとなる。
圧電素子30は、支持部材10の凸部17によって支持されている。凸部17は圧電素子30の中間部を支持している。一端部30aおよび他端部30bと比べて変位量が非常に小さい中間部を支持することで、凸部17が圧電素子30の変位を妨げる可能性を低くすることができる。更に、凸部17の上面の幅を圧電素子30の長さと比べて十分に短くすることで、圧電素子の変位(特に湾曲の外側方向への変位)が凸部17によって抑制される可能性をいっそう低くすることができる。したがって、圧電素子30の変位量は、印加された電圧値を正確に反映したものとなる。なお、圧電素子30の中間部には圧電素子30の重心が位置している。重心位置を凸部17が常に支えることとなるため、圧電素子30は変位時においても安定した状態を維持することができる。
また、本実施形態に係るアクチュエータ1において、圧電素子30は圧電体層40を有している。この圧電体層40は、圧電素子30の一端部30aから他端部30bに向かって連続的に伸びている。このように長く連続した圧電体層40を有することにより、圧電素子30の一端部30aおよび他端部30bの変位量をさらに大きくすることができる。また、圧電体層40の厚み方向は、圧電素子30の湾曲の内側から外側に向かう方向となっている。これにより、圧電素子30を湾曲の内側方向あるいは外側方向に確実に変位させることができる。
また、本実施形態に係るアクチュエータ1において、圧電素子30の積層体32は圧電体層40を複数有しており、圧電体層40の積層方向は圧電素子30の内側から外側に向かう方向に沿っている。複数の圧電体層40をこのように積層することにより、圧電体層40が1つである場合と比べて、湾曲の内側方向あるいは外側方向に圧電素子30をより大きく変位させることができる。また、圧電体層40が一つである場合と比べて、同一変位量を得るための駆動電圧を小さくすることができる。
また、本実施形態に係るアクチュエータ1において、圧電素子30は、圧電体層40を挟むように形成された第1〜第3内部電極42,44,46と、これらに接続された第1〜第3外部電極34,36,38とを有しており、第1〜第3外部電極34,36,38は圧電素子30の中間部に設けられている。圧電素子30の中間部は変位が殆ど生じない部位であるため、第1〜第3外部電極34,36,38が圧電素子30の変位を妨げることはない。したがって、変位を妨げることなく、圧電素子30に電圧を印加できる。
また、本実施形態に係るアクチュエータ1において、圧電素子30は半円環状を呈している。半円環状とすることによって、圧電素子30を変位がスムーズなものとすることができる。また、直方体型の圧電素子を用いる場合と比べて、圧電素子30の収容スペースを確実に小さくすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、被駆動部材20を以下のような構造とした。すなわち、圧電素子30が湾曲の外側方向に変位するとヘッド25が支持部材10の底壁12と近づく方向に変位し、圧電素子30が湾曲の内側方向に変位するとヘッド25が支持部材10の底壁12から離れる方向に変位するような構造とした。被駆動部材20は、図11や図12に示されるような構造であってもよい。図11は、被駆動部材20の変形例を示す概略正面図である。図11には、圧電素子30が湾曲の外側方向に変位するとヘッド25が底壁12から離れる方向(矢印B方向)に変位し、圧電素子30が湾曲の内側方向に変位するとヘッド25が底壁12と近づく方向(矢印A方向)に変位する構造が示されている。図12(a)は被駆動部材20の他の変形例を示す概略正面図であり、図12(b)は被駆動部材20の他の変形例を示す概略上面図である。図12には、圧電素子30が変位すると、ヘッド25が矢印C方向、すなわち圧電素子30で囲まれる空間を貫く方向に沿って変位する構造が示されている。
また、本実施形態では、圧電素子30の積層体32は半円環状を呈しているとしたが、積層体32は少なくとも中間部が湾曲していればよい。また、本実施形態では、連結部24はヘッド25を頂部として屈曲された形状を成しているとした。これを、連結部24の各アーム26をカーブさせることにより、連結部24はヘッド25を頂部として湾曲された形状を成しているとしてもよい。この場合、アーム26をヒンジ結合することによって、連結部24は湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位することとなる。
また、本実施形態では、第1〜第3外部電極34,36,38は下地電極および端子電極からなっているとしたが、第1〜第3外部電極34,36,38を外部(例えば底壁12の凸部17に設けられた電極)に半田付けする必要がない場合には、第1〜第3外部電極34,36,38は下地電極のみを有していればよい。
また、本実施形態では、圧電素子30の積層体32は8つの圧電体層40を有するとしたが、圧電体層40の数はこれに限られず、1つ以上であればよい。また、圧電体層40、第1〜第3内部電極42,44,46、および第1〜第3外部電極34,36,38に用いられる材料は、上述したものに限られない。
本実施形態に係るアクチュエータを示す正面図である。 本実施形態に係るアクチュエータを示す上面図および断面図である。 本実施形態に係るアクチュエータが備える圧電素子の斜視図である。 本実施形態に係るアクチュエータが備える圧電素子の斜視図である。 本実施形態に係るアクチュエータが備える圧電素子の製造方法を説明するためのフロー図である。 グリーン体の分解斜視図である。 側面に電極パターンが形成されたグリーン体の斜視図である。 焼成治具を示す斜視図および上面図である。 グリーン体を焼成する工程を示す斜視図である。 本実施形態に係るアクチュエータの動作を説明するための概略正面図である。 被駆動部材の変形例を示す概略正面図である。 被駆動部材の他の変形例を示す概略正面図および概略上面図である。
符号の説明
1・・・アクチュエータ、10・・・支持部材、20・・・被駆動部材、22・・・軸部、24・・・連結部、25・・・ヘッド、26・・・アーム、28・・・固定部、30・・・圧電素子、32・・・積層体、32a,32b・・・主面、32c・・・側面、32d・・・側面、34,36,38・・・第1〜第3外部電極、40・・・圧電体層、42,44,46・・・第1〜第3内部電極、50・・・焼成治具、52・・・第1焼成治具、54・・・第2焼成治具。

Claims (4)

  1. 一端部および他端部を有するとともに少なくとも前記一端部と前記他端部との間の領域が湾曲しており、前記一端部および前記他端部が印加電圧に応じて湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位する圧電素子と、
    前記圧電素子における湾曲した前記領域を支持する支持部材と、
    前記圧電素子の前記一端部および前記他端部に固定される一対の固定部と、前記一対の固定部を連結するとともに屈曲または湾曲された連結部とを有する被駆動部材と、を備え、
    前記圧電素子は、前記一端部から前記他端部に向かって連続的に伸びるとともに、厚み方向が湾曲の内側から外側に向かう方向とされた圧電体層を有し、
    前記連結部が、前記圧電素子の変位に伴って、前記連結部における屈曲又は湾曲の内側方向あるいは外側方向に変位することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記圧電素子は、前記圧電体層を複数有し、
    複数の前記圧電体層は、湾曲の内側から外側に向かう方向に沿って積層されていることを特徴とする請求項に記載のアクチュエータ。
  3. 前記圧電素子は、前記圧電体層を挟むように形成された内部電極と、当該内部電極に接続された外部電極とを有しており、
    前記外部電極は、前記圧電素子の前記一端部と前記他端部との間の領域に設けられていることを特徴とする請求項又はに記載のアクチュエータ。
  4. 前記圧電素子は、半円環状を呈していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
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