JP4826267B2 - プラスチックフィルムロールおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学組成の異なる2種の樹脂成分を原料とし、製造工程においてスタティックミキサを使用して得られる積層構成の長尺プラスチックフィルムが巻回されたプラスチックフィルムロールおよびその製造方法に関する。このプラスチックフィルムロールは、実質的にフィルム全長に亘って均一な引張特性および厚みを示すプラスチックフィルムが巻回されたロールである。
従来より、異なる2種類以上の樹脂を別々に溶融し、溶融した樹脂を合わせてスタティックミキサを通過させることにより多層積層化または混合するフィルムの製造方法が提案されている(例えば特許文献1等)。これらのフィルムの製造は、比較的規模の小さい試験機レベルで行われていた。
ところで、工業的にプラスチックフィルムを生産するための生産機では、生産性を向上するために大吐出量での生産が求められ、試験機レベルで行われる操作条件が直ちに生産機に適用できるものではない。通常、生産機は、試験機に比べより厳しい操作条件が求められるものである。例えば、スタティックミキサ内における樹脂のせん断速度は、試験機(吐出量0.3m3/時未満)では2(1/秒)を超えることがないのに対し、生産機(吐出量0.3m3/時以上)では2(1/秒)以上となり、試験機では完成していた技術も生産機には不適合となって、試験機で認識されていなかった種々の問題が顕在化する結果となる。
2種の樹脂をブレンドしてフィルムを工業的に製造する場合は、エステル交換により実質的に均一組成のフィルムを製造することとなるため、スケールアップにまつわる問題はほとんど起こらなかったが、スタティックミキサを用いるフィルムの工業的生産では多層(不均一系)フィルムを製造するため、スケールアップが難しいものと考えられる。
例えば、本発明者らがスタティックミキサを用いたプラスチックフィルムの製造方法を生産機において実施したところ、得られた未延伸フィルムおよび延伸フィルムは、内部に筋状のムラが生じた外観の悪いものであり、このムラは印刷や蒸着等の表面後加工を行った場合に欠陥を引き起こすものであった。また、フィルム中に異物も発生し、この異物も外観不良や、印刷や蒸着等の表面後加工を行った場合の欠陥を引き起こしていた。
また、スケールアップがうまくいかないと、1000m以上の長尺フィルムを製造した場合にフィルム長さ方向に特性が変動してしまうことが考えられる。通常、どのようなフィルム用途においても、ロールからフィルムを繰り出しつつ、所望のサイズにカットして製品化されるが、上記のようにフィルムの長さ方向に特性が変動する場合、個々の製品の特性にばらつきが生じてしまうという問題が起こり得る。
特開2003−266519号公報
そこで本発明では、スタティックミキサを用いてプラスチックフィルムを工業的に製造する場合の最適方法を見極めると共に、長尺フィルム全長に亘って外観上の不良がなく、さらに、均一な引張特性と厚みを示すプラスチックフィルムロールの提供を課題として掲げた。
本発明は、長さ1000〜7000mのプラスチックフィルムを巻き取ってなるプラスチックフィルムロールであって、
上記プラスチックフィルムは、化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびBを、それぞれ別々の押出機に投入して溶融し、溶融した樹脂AおよびBを合流させてスタティックミキサを通過させ、T−ダイから押出した後に冷却ロールに密着させてキャストフィルム化して得られるものであり、
上記プラスチックフィルムが、下記要件(1)〜(3)を満足するところに要旨を有する。
(1)上記フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域のフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部の内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、各試料切り出し部毎に、フィルムの長さ方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料と、フィルムの幅方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料を採取し、それぞれの試料についてJIS K 7127−1999に基づいて引張速度100mm/分で、フィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊強度を測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊強度がこれらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっている、
(2)上記と同様にしてフィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊伸びを測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊伸びが、これらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっている、
(3)要件(1)における各試料切り出し部毎に、フィルムの長さ方向の長さが50cm、幅が5cmのフィルム試料を採取し、この試料について前記長さ方向における厚み変位測定を行ったとき、各試料切り出し部において、下式で規定される厚み変動が10%以下の範囲に収まっている。
厚み変動(%)=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100
本発明には、長さ1000〜7000mのプラスチックフィルムを巻き取ってなるプラスチックフィルムロールであって、上記プラスチックフィルムは、化学組成の異なる2種類の樹脂Aの層と樹脂Bの層とを合わせて100層以上有するものであり、上記要件(1)〜(3)を満足するプラスチックフィルムロールも包含される。
また本発明には、上記の本発明のプラスチックフィルムロールの好適な製造方法も含まれ、この製造方法は、化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびBを、それぞれ別々の押出機AおよびBに投入して溶融し、溶融した樹脂AおよびBを合流させてスタティックミキサを通過させ、T−ダイから押出した後に冷却ロールに密着させることによりキャストフィルム化する際に、合流直前の樹脂Aの溶融粘度ηAと合流直前の樹脂Bの溶融粘度ηBとの比ηA/ηBを0.5〜2.0とし、スタティックミキサ内の樹脂のせん断速度γ(1/秒)を2〜100(1/秒)とするところに要旨を有する。
スタティックミキサのエレメント数は3〜18とすることが好ましい。なお、請求項2に記載のフィルムロールであれば、エレメント数を6〜18とすることが好ましい。また、押出機AおよびBの各吐出量を、それぞれ、平均吐出量±2%の範囲に制御すること、冷却ロールの回転速度を、平均回転速度±2%の範囲に制御することはいずれも本発明法の好ましい実施態様である。
本発明によれば、フィルム全長に亘って外観が良好で引張特性の変動および厚みの変動も小さい長尺フィルムが巻回されたプラスチックフィルムロールを提供することができた。このプラスチックフィルムロールから得られる個々のプラスチックフィルム製品は、品質のばらつきが小さく、印刷または蒸着等を行っても外観上の欠陥が発生しにくいものである。
また、本発明法によれば、上記プラスチックフィルムロールを工業的に製造することが可能になった。
本発明のプラスチックフィルムロールに巻回されているプラスチックフィルム(製造方法は後述する。)は、要件(1)〜(3)を満足する必要がある。以下、各要件毎に説明する。
下記要件(1)と(2)は、本発明のロールに巻回されている長尺フィルムの引張特性(引張破壊強度と引張破壊伸び)が、フィルム全長に亘って変動が小さいことを表している。
(1)上記フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域のフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部の内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、各試料切り出し部毎に、フィルムの長さ方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料と、フィルムの幅方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料を採取し、それぞれの試料についてJIS K 7127−1999に基づいて引張速度100mm/分で、フィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊強度を測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊強度がこれらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっている、
(2)上記と同様にしてフィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊伸びを測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊伸びが、これらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっている。
まず、上記要件(1)の「フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域」の意味について説明する。「フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域」とは、フィルム製造時に製膜工程や延伸工程が安定して行われて、フィルム物性がほぼ均一状態を示す領域である。本発明では、製膜工程や延伸工程が安定した定常状態で運転されているときに得られた長尺フィルムにおいて、引張特性や厚みを従来レベルよりも高度に均一化することを技術思想としている。実操業上は、フィルム製造中に、フィルムの特性が原料供給方法や製膜条件によって変動することがあるが、本発明では、原料供給量や製膜条件が不安定なときに得られたフィルムにまで均一化を要求するものではない。このため、均一化を要求する特性を評価するときのサンプリングは、製膜工程や延伸工程が安定した定常状態で運転されている領域、すなわち「定常領域」においてのみ行うことを前提条件とした。
従って、例えば、ロールの巻き始めから10m程度が定常運転されていない時のフィルムであれば、この部分からはサンプリングせず、巻き始めから10m目をフィルムの第1端部としてサンプリングする。
前記定常領域(定常運転領域)の数は、通常、一本のフィルムロール当たり1箇所(フィルムロール全体に亘って1箇所)である。ただし、製造状況によっては複数箇所に存在するような場合もあり得るので、この場合は定常領域のみからサンプリングする。前記定常領域は、例えば、後述する方法でフィルムの厚み変動を測定することによって評価できる。すなわち、厚み変動が20%以内の範囲となっているところを定常領域であると見ればよい。
続いて、サンプリングの方法を説明する。1本のロールに巻かれていたフィルムについて、上記定常領域におけるフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部からその内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部からその内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設けることにより、フィルムの定常領域の全長に亘って略等間隔に試料を選択する。なお、「約100m毎」というのは、100m±1m程度のところで試料を切り出しても構わないという意味である。
上記サンプリング方法をより詳細に説明する。例えば、全長が定常領域で、長さが498mのフィルムがロールに巻回されている場合、フィルムの巻き終わり(第2端部)から2m以内までの間で、最初の試料(i)を切り取る。なお、切り取る面積は測定する物性値に応じて適宜設定される。
続いて、最初の試料(i)を切り取ったところから約100m離れたところで、2番目の試料(ii)を切り取る。同様にして、約200m目で3番目の試料(iii)を、約300m目で4番目の試料(iv)を、約400m目で5番目の試料(v)を切り取る。ここで、残りは100mよりも短くなるため、6番目(最終)の試料(vi)はフィルムの巻き始め(第1端部)から2m以内のいずれかの部分を切り取る。
本発明の前記要件(1)は、このようにして切り取った全ての試料について、フィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊強度を測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊強度がこれらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっているというものである。すなわち、例えば、フィルムの長さ方向の引張破壊強度の平均値が50MPaであれば、長さ方向測定用試料全ての引張破壊強度が45〜55MPaの範囲に収まっていればよく、実質的には、各試料の引張破壊強度のうち、100×(最大値−平均値)/平均値と、100×(平均値−最小値)/平均値の両方が10%より小さければよい。この変動幅が10%を超えてしまうと、フィルム製造後、フィルムを長さ方向にスリットして複数のロールに分ける場合に、フィルムにかかる張力が一定とならないため、ロールの巻き姿が不良となって好ましくない。また、さらに小サイズに切断して個々のプラスチックフィルム製品とした場合に、製品毎に機械的強度がばらつく結果となって不良率が高くなってしまう。引張破壊強度の変動幅は、フィルムの長さ方向、幅方向、いずれにおいても、平均値の±8%以内がより好ましく、さらに好ましくは平均値の±6%以内である。また、実操業上、全ての試料の引張破壊強度が同じ測定値となる、すなわち平均値±0%となることはあり得ないので、変動幅の下限は±1%とする。
なお、フィルムの長さ方向の引張特性(引張破壊強度と引張破壊伸び)は、フィルムの長さ方向の長さが150mmの試料を用い、フィルムの幅方向の引張特性は、フィルムの幅方向の長さが150mmの試料を用いて測定する。
また、要件(2)は、全ての試料についてフィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊伸びを測定したときに、それぞれ、全ての試料の引張破壊伸びが、これらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっているというものである。引張破壊伸びの変動が±10%を超えると、引張破壊強度の場合と同様な不都合が起こり得る。引張破壊伸びの変動幅は、フィルムの長さ方向、幅方向、いずれにおいても、平均値の±8%以内がより好ましく、さらに好ましくは平均値の±6%以内である。また、引張破壊伸びにおいても変動幅の下限は±1%とする。
引張試験においては、JIS K 7127のタイプ2の試験片を用い、温度23℃で、引張試験機(例えば、ボールドウイン社製「STM−T」等)にチャック間距離100mmとなるように試料をセットして、引張速度100mm/分で、試料の長さ方向に引張る。破壊に至ったときの強度を引張破壊強度(MPa)、伸びを引張破壊伸び(%)とする。これらの測定値の絶対値は、用いられる樹脂A、Bの種類によって変化するので特に限定されない。
本発明のプラスチックフィルムロールは、下記要件(3)も満足する必要がある。
(3)要件(1)における各試料切り出し部毎に、フィルムの長さ方向の長さが50cm、幅が5cmのフィルム試料を採取し、この試料について前記長さ方向における厚み変位測定を行ったとき、各試料切り出し部において、下式で規定される厚み変動が10%以下の範囲に収まっている。
厚み変動=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100
各試料切り出し部より得た各試料から、フィルムの長さ方向の長さが50cm、幅が5cmの試験片を複数作成し、接触式厚み計で試験片の長さ方向の厚み測定を行い、最大厚み、最小厚み、および平均厚みを求め、上式により試験片における厚み変動を算出した後、その平均値を各試料切り出し部におけるフィルムの長さ方向の厚み変動とする。すなわち、一つの試料切り出し部において、一つの厚み変動が算出される。上記要件(3)は、全ての試料切り出し部においてフィルムの長さ方向の厚み変動が10%以下であることを必要とするものであるが、要は、厚み変動の最大値と最小値がいずれも10%以下であればよい。
前記長さ方向の厚み変動が10%を超える箇所が存在すると、長尺フィルムを切断して個々のプラスチックフィルム製品とした場合に、製品毎に厚みがばらつく結果となって不良率が高くなってしまうため好ましくない。また、厚み変動が小さいと、複数の色を重ね合わせる多色印刷をフィルムに施す際に、色ズレを防止でき印刷性を高めることができる。加えてフィルム厚みの均一性を高めると、溶剤接着によってフィルムをチューブ等に加工する際にも、接着部分の重ね合わせが容易である。しかもフィルムに多色印刷する際には、フィルムにシワが入り易くなるのを防止でき、また走行中にフィルムが蛇行するのを防止でき、加工性(安定加工性)を高めることができる。さらに、フィルムをロール状に巻いた状態で部分的な巻き硬度の差が発生するのを防止でき、フィルムに弛みや皺が発生し、フィルムの外観を大きく損なうのを防止できる。好ましいフィルム長さ方向の厚み変動は9%以下であり、より好ましくは8%以下である。
また、フィルムの幅方向の長さが50cm、幅が5cmの試験片を用いて上記と同様にすると、フィルム幅方向の厚み変動が求まるが、このフィルム幅方向の厚み変動も10%以下であることが好ましい。
次に、本発明のプラスチックフィルムロールの製造方法について説明する。本発明のプラスチックフィルムロールは、化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびBを、それぞれ別々の押出機に投入して溶融し、溶融した樹脂AおよびBを合流させてスタティックミキサを通過させ、T−ダイから押出した後に冷却ロールに密着させてキャストフィルム化して得られるものである。得られるフィルムは、化学組成の異なる2種類の樹脂Aの層と樹脂Bの層とを合わせて100層以上有するものとなる。
本発明は、生産機レベルでのプラスチックフィルムロールを製造することを前提としている。生産機レベルでのプラスチックフィルムの製造とは、押出機からの1時間当たりの樹脂の吐出量が0.3m3/時以上である場合の製造を意味する。生産効率を考慮すれば、吐出量は0.5m3/時以上が好ましく、1m3/時以上がより好ましい。
本発明では、化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびBを用いる。樹脂AおよびBを用いることにより、これらがスタティックミキサ内部で撹拌され、樹脂AおよびBの長所を併せ持つ多層な積層構造を有するフィルムが得られるからである。樹脂AおよびBは、それぞれ単独の種類の樹脂からなっていても良いし、2種以上の樹脂が混合されたブレンド樹脂であってもよい。また、「化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびB」の「化学組成の異なる」とは、それぞれの樹脂を構成しているモノマーの組成が異なることをいい、例えば、i)樹脂Aが樹脂Bのものとは異種のモノマー単位を含んで構成されている場合、ii)樹脂Aおよび樹脂Bは、同種のモノマー単位により構成されているコポリマーからなるが、共重合したモノマー単位間の比(共重合組成比)が異なる場合、iii)樹脂Aおよび樹脂Bが共に同種の樹脂を混合したブレンド樹脂であるが、樹脂Aと樹脂Bとで樹脂のブレンド比が異なる場合等が挙げられる。
樹脂Aおよび樹脂Bの種類としては、溶融押出可能であり、かつ冷却ロールによりフィルムに製膜可能であるものであれば特に制限はない。樹脂Aおよび樹脂Bは、互いに相溶しない樹脂であることが好ましい。互いに相溶しない樹脂を原料に用いた場合には、得られるフィルム中に、樹脂Aと樹脂Bが交互に積層された多層構造を、あまり乱れが生じることなく形成させることができる。
使用可能な樹脂の例としては、まず、適用範囲の広いポリエステルが挙げられる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリペンタメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等の結晶性ポリエステルや、これらをベースにして、後述の酸成分かつ/またはグリコール成分を、酸成分かつ/またはグリコール成分100モル%中10モル%以下共重合した比較的結晶性の高いポリエステル(高結晶性ポリエステル)が使用可能である。さらに、ポリエチレンテレフタレート(PET)をベースにして、ダイマー酸を10モル%以下共重合したもの(PET−D)や、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)にイソフタル酸を10モル%以下共重合したものも用いることができる。より好ましいものとしては、PBT、PTTおよびPET−Dである。
また、上記高結晶性ポリエステルを樹脂Aとする場合、樹脂Bとして比較的結晶性の低いポリエステルを用いてもよい。例えば、酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールからなるポリエステルをベースとして、酸成分かつ/またはグリコール成分100モル%中5モル%以上、好ましくは6モル%以上40モル%未満の異なるジカルボン酸成分かつ/またはグリコール成分を共重合したポリエステルが挙げられる。具体的なモノマー成分としては、例えば、ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。グリコール成分としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、芳香族ジオール等が挙げられる。中でも、好ましいのは、酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールからなるポリエステルをベースとして、7モル%以上35モル%以下のネオペンチルグリコールかつ/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステルである。
また、ポリスチレン系樹脂も好ましい樹脂として挙げられる。ポリスチレン系樹脂とは、モノマー成分として、スチレン;p−、m−またはo−メチルスチレン、2,4−、2,5−、3,4−または3,5−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン;p−、m−またはo−クロロスチレン、p−、m−またはo−ブロモスチレン、p−、m−またはo−フルオロスチレン、o−メチル−p−フルオロスチレン等のハロゲン化スチレン;p−、m−またはo−クロロメチルスチレン等のハロゲン置換アルキルスチレン;p−、m−またはo−メトキシスチレン、p−、m−またはo−エトキシスチレン等のアルコキシスチレン;p−、m−またはo−カルボキシメチルスチレン等のカルボキシアルキルスチレン;p−ビニルベンジルプロピルエーテル等のアルキルエーテルスチレン;p−トリメチルシリルスチレン等のアルキルシリルスチレン;ビニルベンジルジメトキシホスファイド等を1種または2種以上用いて、公知のラジカル重合等で得られるポリマーである。アクリロニトリルとスチレン系モノマーとの共重合体、ABS樹脂等も用い得る。これらのポリスチレン系樹脂は、シンジオタクチック構造、アタクティック構造、アイソタクティック構造、いずれも使用可能である。
ポリオレフィン樹脂も好ましく使用できる。ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチルペンテン、1−デセン等の炭素数3〜20程度のα−オレフィンの1種または2種以上をモノマー成分とするポリマーである。また、エチレン性不飽和結合と脂環構造を有する環状オレフィンをモノマー成分の1種として使用してもよい。脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、機械強度、耐熱性等の観点から、シクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は4〜30個、脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は50質量%以上が好ましい。脂環構造含有重合体の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体、およびこれらの水素添加物等が挙げられる。
また、ポリアクリル系樹脂も使用可能である。ポリアクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、これらの低級アルキルエステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル等のエステル)、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基含有モノマーを主体とし、必要により、他のビニルモノマー(前記スチレン系モノマー等)とラジカル重合させたものである。
さらに、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6T、ナイロン6T/6I、ナイロン6I等のナイロン類も使用することができる。
プラスチックフィルムを製造するには、まず、化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびBを、それぞれ別々の押出機に投入して溶融する。押出機投入前に、必要に応じ、加温下および/または真空下で樹脂を乾燥しておくとよい。溶融のための押出機においては、樹脂の溶融温度を、樹脂の融点、ガラス転移温度、軟化温度等に応じて適宜調整する必要があるが、樹脂が押出機から溶融状態で吐出可能であることと、熱劣化しないことを考慮して定める必要がある。目安として、使用する樹脂が、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂の場合は、せん断速度20(1/秒)における溶融樹脂としての粘度が200〜700Pa・s程度に、樹脂がポリオレフィン系樹脂の場合は、300〜1200Pa・s程度になるような温度に設定すればよい。結晶性樹脂の場合は、樹脂の融点の10〜40℃程度高い温度を目安にしてもよい。なお、各樹脂には、必要に応じ、従来公知の添加剤、例えば、有機粒子(例、架橋アクリル粒子、架橋スチレン粒子、シリコーン粒子等)、無機粒子(例、シリカ、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛等)、滑剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、静電防止剤、紫外線吸収剤等が含有されていてもよい。
押出機で溶融した樹脂AおよびBは、溶融状態のまま、合流させる。合流とは、同じ流路内で樹脂Aおよび樹脂Bとが接触する状態になることをいう。当該合流は、スタティックミキサに投入する前でなされてもよいし、スタティックミキサに投入する瞬間になされてもよい。また、スタティックミキサ直前にフィードブロックを配設しておいてもよい。
図1には、本発明のプラスチックフィルムロールを製造することのできる代表的な実施装置の模式図を示した。樹脂A用の押出機Aと、樹脂B用の押出機Bそれぞれの出口にギアポンプA,Bを連結し、フィードブロックとの間を配管でつなぐ。フィードブロックはスタティックミキサの入口に連結されており、この装置であれば、樹脂Aと樹脂Bの合流はこのフィードブロック内で行われる。なお、フィードブロックを用いない場合は、スタティックミキサ入口側配管で合流させるとよい。
本発明では、この合流直前(フィードブロック入口に到達するとき)の樹脂Aの溶融粘度ηAと樹脂Bの溶融粘度ηBとの比ηA/ηBを0.5〜2.0とする必要がある。スタティックミキサを用いたプラスチックフィルムの製造方法を生産機により工業的に実施する場合に、得られるフィルムに発生する筋状のムラは、別々に溶融した樹脂の溶融粘度の差が大きいために、2種の樹脂が合流(接触)する瞬間に接触界面で乱れが生じることより起こるものと推測されるが、当該比ηA/ηBを上記範囲内とすることにより、この界面の乱れの発生を小さくすることができ、その結果、得られるフィルムの筋状のムラの発生を抑えることができる。より好ましいηA/ηBの下限は0.53であり、上限は1.9である。なお、樹脂AまたはBとして、2種以上のポリマーをブレンドする場合は、各ポリマーの溶融粘度を測定して相加平均した値を、その樹脂の溶融粘度としてもよい。
合流する際の樹脂Aと樹脂Bの量、すなわち、押出機Aと押出機Bの吐出量の比率は、得られるフィルムの目的とする特性に応じて適宜選択すればよいが、A/B=95/5〜5/95とすることが好ましく、85/15〜15/85がより好ましい範囲である。
合流した各樹脂は、溶融状態のままスタティックミキサにて、積層化または混合される。スタティックミキサとは、樹脂流路に長方形の板を180度ねじった形のエレメントを交互に繰り返し配列させたもので、このエレメントをひとつ通過するごとに層数が2倍になる。よって論理上は、n個のエレメントを通過すると2層または2n+1層になるが、実際には流路径、吐出量および各樹脂の粘度や表面張力等の関係で変化することもある。
スタティックミキサのエレメントの大きさとしては、L/D比(1エレメントの長さ/ミキサ内径で表わされる比)で表わすと1〜3が好ましく、1.5がより好ましい。ねじられる部分の板厚は特に限定されないが、2〜6mm程度が好ましい。スタティックミキサ内部のエレメント数は、3〜18であることが好ましく、6〜14がより好ましい。少なすぎると多層フィルムとしての機能が発揮されず、多すぎると単にブレンドして製造した場合のフィルムと性能が変わらなくなる。樹脂Aと樹脂Bの好適な特性を発揮させるには、合計で100層以上の積層数が好ましく、そのためにはエレメント数を6以上にするのが好ましい。
本発明では、合流した溶融樹脂AおよびBのスタティックミキサ内でのせん断速度γ(1/秒)を2〜100(1/秒)とすることが重要である。スタティックミキサを用いたプラスチックフィルムの製造方法を生産機により工業的に実施する場合に、得られるフィルムに発生する異物は、溶融樹脂が工程中に長時間滞留して劣化して生成するものと推測される。従って、スタティックミキサ内でのせん断速度を2以上とすることにより、この異物の発生を抑えることができる。また、当該せん断速度が100(1/秒)を超えると、押出工程での圧力制御が困難になったり、耐圧力仕様にする必要があり、生産設備のコスト高になり、経済的に好ましくない。γ(1/秒)の下限は、好ましくは3、より好ましくは5、さらに好ましくは8であり、γ(1/秒)の上限は、好ましくは90,より好ましくは70,さらに好ましくは50である。なお、せん断速度とは、平行な板の間を粘性流体が通過する際の速度勾配と定義される。断面円形の配管、すなわちスタティックミキサ内部のせん断速度は、エレメントが配設されているミキサの配管の断面積(半径をr(mm)とする)と、ミキサ内を流れる樹脂量Q(mm3/秒)とによって決定される。ミキサ内を流れる樹脂量は、押出機Aと押出機Bのそれぞれの吐出量を合計すればよい。ミキサ内のせん断速度γ(1/秒)は4Q/πr3となるので、この値が上記範囲内に収まるように、押出機A、Bの吐出量とスタティックミキサの内径を設定すればよい。なお、押出機A,Bの吐出量を一定にするために、定量性の高いギアポンプを用いることが好ましく、ヘリカルタイプのギアを備えたポンプや、ギアが2段並列となっているポンプが推奨される。吐出量は平均吐出量±2%以内の範囲とすることが好ましい。これらのポンプの使用によって、前記要件(1)〜(3)を満足する長尺フィルムを得ることができる。
樹脂Aと樹脂Bは適切な溶融粘度にするために、通常は異なる温度となっている。スタティックミキサ内部では、熱劣化を防ぐため、高温の樹脂の温度以下に設定することが好ましい。温度の下限は、樹脂の流動性に問題がなければ特に限定されないが、通常、温度の低い樹脂の温度以上にすることが好ましい。スタティックミキサのエレメント数が多い場合(ミキサが長い場合)、温度制御ユニットは複数設ける方が精密制御が可能となるため好ましく、スタティックミキサ全長を同温にしてもよいし、下流側に向けて温度が下がっていくように制御してもよい。温度を下げていくと樹脂の熱劣化抑制に効果的である。下げる温度は10℃以下にすることが好ましい。なお、高温側の樹脂の流動性は、スタティックミキサ内の滞留時間が10分程度以下なら、実質的には問題ない。
スタティックミキサで積層化または混合された溶融樹脂は、T−ダイに導かれ、T−ダイより冷却ロール上に押出され、キャストフィルム化される。溶融樹脂を冷却ロール上に押出す際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力により溶融樹脂を冷却ロールに密着させ、急冷固化させるのが好ましい。冷却ロールの表面温度は、使用する樹脂Aおよび樹脂Bの種類に応じて、それら樹脂のフィルムの製造において通常採択されている温度を選択すればよい。また、エアナイフ方式を採用してもよい。
押出機からT−ダイまでの樹脂経路においては、圧力損失を生じないようにする必要がある。当該経路中で著しく圧力損失が発生した場合には、その部分で樹脂の乱流を生じて劣化物が生成しやすくなったり、フィルムの有する積層構造が乱れる可能性が高くなり、好ましくない。また、押出機、ギアポンプ、スタティックミキサ、T−ダイ、これらの装置間の配管における温度制御は、通常のオン・オフ制御に比べて精密に温度制御可能なPID制御(比例動作P、積分動作I、微分動作D)によって行うことが望ましい。なお、これらの装置間には、適宜フィルタを介在させてもよい。
フィルムロール内におけるフィルムの長さ方向における厚みの変動要因として、溶融押出後、フィルムを冷却するためのキャスティング工程における冷却(キャスティング)ロールの回転速度の変動が挙げられる。キャスティングロールの回転速度の変動については、ロール駆動系の回転精度をインバーター等によりコントロールしてキャスティングロールの回転速度の変動を平均速度±2%以内の範囲とすることが好ましい。なお、キャスティングロールの平均速度は、キャスト後に延伸するフィルムの場合は50〜100m/分、キャスト後に延伸を行わない場合は60〜150m/分が好ましい。
得られたキャストフィルムは、必要に応じ、一軸または二軸方向に延伸してよい。一軸延伸する際の延伸方向(縦方向、横方向)、二軸延伸する際の方法(同時延伸、逐次延伸)は、得られるフィルムに要求される特性に応じて適宜決定すればよい。さらに、延伸したフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、熱処理を行っても良い。
延伸を行う場合は、フィルムを予備加熱および延伸する工程での温度変動を抑止して、フィルムの表面温度の変動幅をできるだけ低減することが、均一な特性の長尺フィルムを得るために推奨される。
テンターを用いて横方向に1軸延伸する際には、延伸前の予備加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、再延伸処理工程等があるが、特に、予備加熱工程、延伸工程および延伸後の熱処理工程において、それぞれの任意ポイントにおいて測定されるフィルムの表面温度の変動幅を、平均温度±1℃以内、好ましくは平均温度±0.5℃以内とすることが推奨される。フィルムの表面温度の変動幅が小さいと、フィルム全長に亘って同一温度で延伸や熱処理されることになって、フィルムの厚みや物性が均一化するためである。特に、予備加熱工程と延伸工程における温度変動はフィルムの厚みの変動に大きく影響し、延伸工程および延伸後の熱処理工程での温度変動は、フィルムの引張特性に影響を及ぼすため、より厳密な温度制御が可能な加熱設備や延伸設備を使用することが好ましい。フィルム温度を制御するための設備として、例えばテンターの熱風の風速を制御するためにインバーターを取付けて風速変動を抑止することや、熱源として500kPa(5kgf/cm2)以下の圧力の低圧蒸気を使用して熱風の温度変動を抑止することが好ましい。もちろん、緩和処理や再延伸処理工程においても、フィルムの表面温度の変動幅が小さいことが好ましい。
任意ポイントにおいて測定されるフィルムの表面温度の変動幅とは、例えば延伸工程に入ってから2m経過したところで、フィルム製造中、例えば赤外式の非接触表面温度計などにより連続的にフィルム表面温度を測定した場合の変動幅をいう。1ロール分のフィルム製造が終了した時点で、平均温度が算出できるので、フィルムの表面温度の変動幅が、平均温度±1℃以内であれば、フィルム全長に亘って同条件で延伸されていることとなり、フィルムの厚みや引張特性の変動も小さくなる。
上記で説明した製造方法を採用し同一条件でフィルムを製造すると、工業的規模で、長尺フィルム全長に亘って外観に優れ、かつ均一な引張特性および厚みを有する多層構造のフィルムが得られる。層数の確認は、電子顕微鏡等で行えばよく、本発明で採用した方法は実施例にて説明する。層数は、A層とB層との合計で100以上であることが好ましく、より好ましくは500〜10万であり、最も好ましくは1000〜1万である。
本発明におけるプラスチックフィルムロールは、プラスチックフィルムを巻き取りコア(芯)に長さ1000m〜7000m巻取ったものである。フィルム幅は0.2m以上が好ましい。幅が0.2mに満たないフィルムのロールは、工業的に利用価値の低いものであり、また、長さ1000mに満たないフィルムロールは、フィルムの巻長が少ないために、フィルムの全長に亘る厚みや引張特性の変動が小さくなるので、本発明の効果が発現しにくくなる。フィルムロールの幅は0.3m以上がより好ましく、0.4m以上がさらに好ましい。フィルムロールの幅の上限は特に制限されるものではないが、取扱いのしやすさから、一般的には幅1.5m以下が好ましい。巻取りコアとしては、通常、3インチ、6インチ、8インチ等の紙管やプラスチックコア、金属製コアを使用することができる。また、本発明のプラスチックフィルムロールを構成するフィルムの厚みは特に限定するものではなく、用途に応じて適宜選択可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら制限されるものではない。まず、実施例および比較例において作成したフィルムの評価方法について説明する。
(1)溶融粘度
キャピログラフ(東洋精機社製;型式CAPILOGRAPH 1B)を使用し、スタティックミキサ合流直前の樹脂温度での溶融粘度を測定した。粘度測定の際のせん断速度γは20(1/秒)とし、内径1mmφ、長さ10mmのキャピラリーを用いて測定した。
(2)せん断速度
前記した通り、スタティックミキサの半径r(mm)と、ミキサ内を流れる樹脂量Q(mm3/秒)(押出機Aと押出機Bのそれぞれの吐出量の合計)から、せん断速度γ=4Q/πr3を計算で求めた。
(3)ロールの巻き姿
幅0.6mのフィルムを2000m、直径3インチの巻き取りコアに巻いたときに、ロールの外周や端面にシワやスジが発生していなければ○、発生していれば×とした。
(4)定常領域の確認
定常領域か否かを判断するために、フィルムの巻き終わりから0mの箇所から20m毎に試料切り出し部を5箇所設け、さらに巻き始めから100mの箇所から内側(巻き終わり方向)に20m毎に試料切り出し部を5箇所設ける。各試料切り出し部から、フィルムの長さ方向の長さ50cm、幅5cmの試料を切り出し、前記試験片を各試料切り出し部毎に各方向10枚ずつ用意し、フィルムの各方向毎に接触式厚み計[「KG60/A」;アンリツ(株)製]を用いて各試験片の長さ方向の厚みを連続的に測定してチャートに出力し、この出力結果から、最大厚み、最小厚み、および平均厚みを求め、下記式に基づいて厚み変動を算出した後、その平均値を各試料切り出し部におけるフィルムの各方向の厚み変動とした。
厚み変動(%)=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100
本実施例・比較例で作製した後記のフィルムロールはいずれも、上記全試験片の厚み変動が20%以内であった。さらにフィルムの巻き始めから巻き終わりまでの全領域に亘って、製膜工程および延伸工程の条件が安定していた。従って、本実施例・比較例で作製した後記のフィルムロールに巻き取られたフィルムはいずれも、全領域が定常領域に該当する。
(5)試料切り出し部
本実施例・比較例で作製した後記のフィルムロールに巻き取られたフィルムは、上述のように、いずれも、全領域が定常領域に該当していたので、1番目の試料切り出し部は、フィルムの巻き終わり部分(巻き終わりから0m)とし、また、最終の切り出し部は、フィルムの巻き始め部分(巻き始めから0m)とし、100m毎に試料切り出し部を設けた。従って、2000mのフィルムにおける試料切り出し部は、全部で19箇所となった。
(6)フィルム外観
(5)における各試料切り出し部から、フィルムを1m2四方に切り取り、黒い台紙の上に置き、台紙上のフィルムを白色蛍光灯(東芝社製「FLR40S」;三波長型;2本を並列に配置)にかざす。蛍光灯とフィルムが平行の場合を0度として考え、フィルムを20〜80度傾けてフィルムに蛍光灯を反射させてフィルム内部のムラを目視で観察する。いずれかのフィルム試料の内部に線状のムラが複数本見えたときを×、いずれかのフィルム試料に、わずかに(1本程度)線状のムラが見えたときを△、全てのフィルム試料においてムラが全く見えなかったときを○とした。
(7)異物
(5)における各試料切り出し部から、1m2のフィルムを切り出し、いずれかのフィルム試料に、長辺が0.5mm以上の異物が1個以上認められたら×、全てのフィルム試料においてなければ○とした。
(8)フィルム内部の層数
フィルム内部の層数は、最終の試料切り出し部から切り出したフィルムについて、透過型電子顕微鏡を用いて観察して求めた。まず、フィルムをエポキシ樹脂中に包埋した。用いたエポキシ樹脂としては、ルアベック812、ルアベックNMA(以上ナカライテスク社製)、DMP30(TAAB社製)をそれぞれ100:89:3の割合で良く混合したものを用いた。次に、サンプルフィルムを上述の混合樹脂中に包埋後、温度60℃に調整したオーブン中で16時間放置し、樹脂を硬化せしめ包埋ブロックを得た。
得られた包埋ブロックを、日製産業製ウルトラカットNに取り付け超薄切片を作成した。まず、ガラスナイフを用いてフィルムの観察に供したい部分の断面がレジン表面に現れるまでトリミングを実施した。次に、ダイアモンドナイフ(住友電工製;スミナイフSK2045)を用いて超薄切片を切りだした。切りだした切片はメッシュ上に回収した後、室温で四酸化ルテニウム蒸気中に30分間静置して染色し、薄くカーボン蒸着を施した。
電子顕微鏡観察は、日本電子製JEM−2010を加速電圧200kVの条件で実施した。得られた像はイメージングプレート(フジ写真フィルム製;FDL UR−V)上に記録した。イメージングプレート上に記録した信号をデジタルルミノグラフィー(日本電子製;PixsysTEM)を用いて読み出し、ウインドウズパソコン上にデジタルの画像情報として記録し、A層およびB層の染色度の差から確認される層の数を数えた。
(9)厚み変動
各試料切り出し部から、フィルムの長さ方向の長さ50cm、幅5cmの試料と、フィルムの幅方向の長さ20cm、幅5cmの試料をそれぞれ切り出した(厚み変位測定用試料)。前記試験片を各試料切り出し部毎に各方向10枚ずつ用意した。後は、上記定常領域の確認の場合と同様に、上記接触式厚み計を用いて各試験片の長さ方向の厚みを連続的に測定してチャートに出力し、この出力結果から、最大厚み、最小厚み、および平均厚みを求め、下記式に基づいて厚み変動を算出した後、その平均値を各試料切り出し部におけるフィルムの各方向の厚み変動とした。
厚み変動=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100
(10)引張特性
各試料切り出し部から、フィルムの長さ方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料と、フィルムの幅方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料をそれぞれ10枚ずつ採取し、温度23℃で、引張試験機(ボールドウイン社製「STM−T」)にチャック間距離100mmとなるように試料をセットして、引張速度100mm/分で、試料の長さ方向に引張った。破壊に至ったときの強度を引張破壊強度(MPa)、伸びを引張破壊伸び(%)とし、10枚の平均値を各試料切り出し部における引張破壊強度と引張破壊伸びとした。さらに、各試料切り出し部の引張破壊強度と引張破壊伸びから、フィルム全体の平均値を算出し、最大値側の変動幅と最小値側の変動幅を算出した。
合成例1(ポリエステルの合成)
エステル化反応缶に、57036質量部のテレフタル酸(TPA)、33244質量部のエチレングリコール(EG)、15733質量部のネオペンチルグリコール(NPG)、23.2質量部の三酸化アンチモン(重合触媒)、5.0質量部の酢酸ナトリウム(アルカリ金属化合物)および46.1質量部のトリメチルホスフェート(リン化合物)を仕込み、0.25MPaに調圧し、温度220〜240℃で120分間撹拌することによりエステル化反応を行った。反応缶を常圧に復圧し、3.0質量部の酢酸コバルト・4水塩と124.1質量部の酢酸マグネシウム・4水塩(アルカリ土類金属化合物)を加え、温度240℃で10分間撹拌した後、75分間かけて圧力0.5hPaまで減圧すると共に、温度280℃まで昇温した。温度280℃で溶融粘度が4500ポイズになるまで撹拌を継続(約70分間)した後、ストランド状で水中へ吐出した。吐出物をストランドカッターで切断することにより、ポリエステルチップaを得た。ポリエステルチップaの極限粘度は0.75dl/gであった。
なお、極限粘度は、チップ0.1gを精秤し、25mlのフェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量比)の混合溶媒に溶解した後、オストワルド粘度計で30±0.1℃で測定した。極限粘度[η]は、下式(Huggins式)によって求められる。
Figure 0004826267
ここで、ηsp:比粘度、t0:オストワルド粘度計を用いた溶媒の落下時間、t:オストワルド粘度計を用いたフィルム溶液の落下時間、C:フィルム溶液の濃度である。なお、実際の測定では、Huggins式においてk=0.375とした下記近似式で極限粘度を算出した。
Figure 0004826267
ここで、ηr:相対粘度である。
合成例2
合成例1と同様な方法により、表1に示すチップ組成のポリエステル原料チップb〜eを得た。表中、NPGはネオペンチルグリコール、DEGはジエチレングリコール、PDは1,3−プロパンジオール、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノール、BDは、1,4−ブタンジオールである。
Figure 0004826267
実施例1
図1に示した製造装置で、フィルムロールの製造を行った。上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、チップaとチップbを8:2(質量比)の割合で押出機A直上のホッパ(図示しない)に、定量スクリューフィーダー(図示しない)で連続的に別々に供給しながら、このホッパ内で混合し、275℃±2℃で単軸式押出機Aで溶融押出した(樹脂A)。この押出機Aは、軸が200mmφ、L/D=25であり、吐出量は、0.972m3/時(=1268kg/時)とした。
別途、チップaとチップbを2:8(質量比)の割合で押出機B直上のホッパ(図示しない)に、定量スクリューフィーダー(図示しない)で連続的に別々に供給しながら、このホッパ内で混合し、255℃±2℃で単軸式押出機Bで溶融押出した(樹脂B)。この押出機Bは、軸が100mmφ、L/D=25であり、吐出量は、0.243m3/時(=317kg/時)とした。押出機AおよびBでは、斜めに溝が切ってあるヘリカルタイプのギアが2段並列に配列されたギアポンプを用い、吐出量を平均吐出量±2%以内の範囲に抑えた。
両押出機で溶融した樹脂を樹脂A/樹脂B=8/2(吐出量比)となるように、265℃±2℃のフィードブロックに導き、さらに、265℃±2℃のスタティックミキサ(ノリタケカンパニー製、12エレメント)を通過させた後、265℃±2℃のT−ダイに導き、フィルム状に溶融押出した。また、スタティックミキサのエレメントは、厚み4mmの金属板を180度ねじったもので、縦(ミキサの内径に相当)68.2mm、長さ102.3mmのもの(L/D=1.5)を用いた。各エレメントを接続する際には、n番目の端面とn+1番目の端面とが90度になるように直交させて接続した。また、奇数番目のエレメントは右回りに、偶数番目のエレメントは左回りにねじったものをそれぞれ用いた。全ての装置における温度制御は、PID制御で行った。
樹脂AとBの押出量の合計を1.215m3/時(1580kg/時に相当)とし、上記ミキサの内径は68.2mm(2r)であるので、ミキサ内でのせん断速度γは10.8(1/秒)である。
押出した樹脂を、表面温度25℃±2℃の冷却(キャスティング)ロール上に静電密着させて、未延伸キャストフィルムを得た。キャスティングロールの回転速度は、インバーターでコントロールし、キャスティングロールの回転速度の変動を平均速度(62m/分)±2%以内の範囲に抑えた。
上記未延伸キャストフィルムをそのままメタルロールで75℃で予熱し、続いてシリコーンゴムロールで80℃で1.1倍に縦延伸した。その縦延伸シートをテンター内で82℃で24秒間予熱した後に引き続いて、横方向に77℃で4.8倍に延伸し、続いて70℃で24秒間熱処理を行って、厚み45μm、長さ2000m以上の熱収縮性ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムを幅0.6m、長さ2000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、フィルムロールを得た。製造条件を表2に、得られたフィルムロールの評価結果を表4〜6に示した。なお、実施例1のフィルムの積層数は2420であった。
また、実施例1においては、フィルムを連続製造したときのフィルム表面の温度の変動幅は、テンターの予熱工程で平均温度±1.5℃、延伸工程で平均温度±2.5℃、熱処理工程で平均温度±2.0℃の範囲であった。
比較例1
実施例1において樹脂の合計吐出量を0.213m3/時(277kg/時)とした以外は、実施例1と同様にして未延伸キャストフィルムを得た。外観が悪く、異物の発生が多いため、当該キャストフィルムの延伸は行わなかった。製造条件を表2にまとめた。
比較例2
スタティックミキサの内径を120.0mmにした以外は、実施例1と同様にして未延伸キャストフィルムを得た。外観が悪く、異物の発生が多いため、当該キャストフィルムの延伸は行わなかった。製造条件を表2にまとめた。
比較例3
樹脂Aの温度を225℃とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。製造条件を表2に、得られたフィルムロールの評価結果を表4〜6に示した。なお、比較例3のフィルムの積層数は2380であった。
参考例(実験機での製膜実験)
実施例1における押出機Aに変えて、スケールの小さい単軸押出機(60mmφ、L/D=25)を用い、押出機Bの代わりに二軸押出機(22.5mmφ×2本、L/D=25)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂AとBを押し出し、スタティックミキサを通過させた。なお、吐出量の合計は0.03m3/時とした。また、スタティックミキサでは、エレメント数は実施例1と同数(12個)としたが、縦38.4mm、L/D=1.5のものを用いた。スタティックミキサ通過後は、実施例1と同様にして未延伸キャストフィルムを得て、予熱・延伸・熱固定を行い、厚み45μm、長さ800mの熱収縮性ポリエステルフィルムが巻回されたフィルムロールを得た。実験機では生産機に比べて吐出量が小さいため、ミキサ内でのせん断速度が小さくなっているが、フィルムの外観は良好であり、異物の発生も認められなかった。製造条件を表2に、得られたフィルムロールの評価結果を表4〜6に示した。なお、参考例1のフィルムの積層数は2340であった。
実施例2
上記合成例で得られたチップcとbを用いて、実施例1で用いたものと同じフィルム製造装置でフィルムを製造した。チップcとbとを別個に予備乾燥し、チップcを押出機A直上のホッパに、定量スクリューフィーダーで連続的に供給しながら、280℃±2℃で単軸式押出機Aで溶融押出した(樹脂A)。押出機Aの吐出量は、1.004m3/時(=1306kg/時)とした。
別途、チップbを押出機B直上のホッパに、定量スクリューフィーダーで連続的に供給しながら、255℃±2℃で単軸式押出機Bで溶融押出した(樹脂B)。この押出機Bの吐出量は、0.251m3/時(=326kg/時)とした。押出機AおよびBでは、斜めに溝が切ってあるヘリカルタイプのギアが2段並列に配列されたギアポンプを用い、吐出量を平均吐出量±2%以内の範囲に抑えた。
両押出機で溶融した樹脂を樹脂A/樹脂B=8/2(吐出量比)となるようにし、実施例1と同様にして、フィードブロックおよびスタティックミキサを通過させた後、T−ダイからフィルム状に溶融押出した。なお、この例では、樹脂AとBの押出量の合計を1.255m3/時(1632kg/時に相当)としたので、ミキサ内でのせん断速度γは11.2(1/秒)であった。
押出した樹脂を、表面温度25℃±2℃の冷却ロール上に静電密着させて、未延伸キャストフィルムを得た。キャスティングロールの回転速度は、インバーターでコントロールし、キャスティングロールの回転速度の変動を平均速度(62m/分)±2%以内の範囲に抑えた。上記未延伸キャストフィルムをテンター内で82℃で24秒間予熱した後に引き続いて、横方向に77℃で4.8倍に延伸し、続いて70℃で24秒間熱処理を行って、厚み45μm、長さ2000m以上の熱収縮性ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムを幅0.6m、長さ2000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、フィルムロールを得た。製造条件を表2に、得られたフィルムロールの評価結果を表4〜6に示した。なお、実施例2のフィルムの積層数は2220であった。
実施例2においては、フィルムを連続製造したときのフィルム表面の温度の変動幅は、テンターの予熱工程で平均温度±1.0℃、延伸工程で平均温度±1.0℃、熱処理工程で平均温度±1.5℃の範囲であった。
実施例3
上記合成例で得られたチップdとeを用いて、実施例1で用いたものと同じフィルム製造装置でフィルムを製造した。チップdとeとを別個に予備乾燥し、チップdを押出機A直上のホッパに定量スクリューフィーダーで連続的に供給しながら、250℃±2℃で単軸式押出機Aで溶融押出した(樹脂A)。押出機Aの吐出量は、0.783m3/時(=1065kg/時)とした。押出機AおよびBでは、斜めに溝が切ってあるヘリカルタイプのギアが2段並列に配列されたギアポンプを用い、吐出量を平均吐出量±2%以内の範囲に抑えた。
別途、チップeを押出機B直上のホッパに定量スクリューフィーダーで連続的に供給しながら、285℃±2℃で単軸式押出機Bで溶融押出した(樹脂B)。この押出機Bの吐出量は、0.522m3/時(=710kg/時)とした。
両押出機で溶融した樹脂を樹脂A/樹脂B=6/4(吐出量比)となるようにし、実施例1と同様にして、フィードブロックおよびスタティックミキサを通過させた後、T−ダイからフィルム状に溶融押出した。なお、この例では、樹脂AとBの押出量の合計を1.305m3/時(1775kg/時に相当)としたので、ミキサ内でのせん断速度γは11.6(1/秒)であった。
押出した樹脂を、表面温度25℃±2℃の冷却ロール上に静電密着させて、未延伸キャストフィルムを得た。キャスティングロールの回転速度は、インバーターでコントロールし、キャスティングロールの回転速度の変動を平均速度(55m/分)±2%以内の範囲に抑えた。上記未延伸キャストフィルムをそのままメタルロールで60℃で予熱し、続いてシリコーンゴムロールで65℃で3.2倍に縦延伸した。その縦延伸シートをテンター内で82℃で24秒間予熱した後に引き続いて、横方向に90℃で3.8倍延伸し、続いて210℃で10秒間熱処理を行って、厚み20μm、長さ2000m以上の二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムを幅0.6m、長さ2000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、フィルムロールを得た。製造条件を表2に、得られたフィルムロールの評価結果を表4〜6に示した。なお、実施例3のフィルムの積層数は、2220であった。
この実施例3においては、フィルムを連続製造したときのフィルム表面の温度の変動幅は、テンターの予熱工程で平均温度±1.0℃、延伸工程で平均温度±1.0℃、熱処理工程で平均温度±1.5℃の範囲であった。
Figure 0004826267
実施例4
実施例1で用いたものと同じフィルム製造装置でフィルムを製造した。予備乾燥したナイロン6樹脂(RV=2.8:東洋紡績社製)を押出機A直上のホッパに定量スクリューフィーダーで連続的に供給しながら、245℃±2℃で単軸式押出機Aで溶融押出した(樹脂A)。押出機Aの吐出量は、0.907m3/時(=1042kg/時)とした。
別途、予備乾燥したナイロン66樹脂(RV=3.2:東洋紡績社製)を押出機B直上のホッパに定量スクリューフィーダーで連続的に供給しながら、275℃±2℃で単軸式押出機Bで溶融押出した(樹脂B)。この押出機Bの吐出量は、0.389m3/時(=447kg/時)とした。押出機AおよびBでは、斜めに溝が切ってあるヘリカルタイプのギアが2段並列に配列されたギアポンプを用い、吐出量を平均吐出量±2%以内の範囲に抑えた。
なお、ナイロン6樹脂およびナイロン66樹脂の相対粘度(RV)は、JIS K6920−1(2000年版)の4.4項に従って測定した。
両押出機で溶融した樹脂を樹脂A/樹脂B=7/3(吐出量比)となるようにし、実施例1と同様にして、フィードブロックおよびスタティックミキサを通過させた後、T−ダイからフィルム状に溶融押出した。なお、この例では、樹脂AとBの押出量の合計を1.295m3/時(1489kg/時に相当)としたので、ミキサ内でのせん断速度γは11.6(1/秒)であった。
押出した樹脂を、表面温度25℃±2℃の冷却ロール上に静電密着させて、未延伸キャストフィルムを得た。キャスティングロールの回転速度は、インバーターでコントロールし、キャスティングロールの回転速度の変動を平均速度(55m/分)±2%以内の範囲に抑えた。上記未延伸キャストフィルムをそのままメタルロールで50℃で予熱し、続いてシリコーンゴムロールで55℃で3.2倍に縦延伸した。その縦延伸シートをテンター内で82℃で24秒間予熱した後に引き続いて、横方向に100℃で3.8倍延伸し、続いて210℃で10秒間熱処理を行って、厚み20μm、長さ2000m以上の二軸延伸ナイロンフィルムを得た。得られたフィルムを幅0.6m、長さ2000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、フィルムロールを得た。製造条件を表3に、得られたフィルムロールの評価結果を表4〜6に示した。なお、実施例4のフィルムの積層数は、2160であった。
この実施例4においては、フィルムを連続製造したときのフィルム表面の温度の変動幅は、テンターの予熱工程で平均温度±1.0℃、延伸工程で平均温度±1.0℃、熱処理工程で平均温度±1.5℃の範囲であった。
実施例5
押出機A,Bとして、軸が90mmφ、L/D=25の単軸の押出機をそれぞれ用い、スタティックミキサを内径(2r)が41.2mmである装置を用いて、フィルムを製造した。予備乾燥したポリプロピレン樹脂(商品名「WF577−PG」;MFR=3.3;住友化学社製;表3ではPPと省略)を押出機A直上のホッパに定量スクリューフィーダーで連続的に供給しながら、260℃±2℃で単軸式押出機Aで溶融押出した(樹脂A)。押出機Aの吐出量は、0.16m3/時(=148kg/時)とした。
別途、予備乾燥した上記ポリプロピレン樹脂「WF577−PG」と、低密度ポリエチレン樹脂(商品名「F412」:住友化学社製;表3ではPEと省略)とを、7:3(質量比)となるように、押出機B直上のホッパに定量スクリューフィーダーで別々に連続的に供給しながら、このホッパ内で混合(表ではPP+PEと省略)し、275℃±2℃で単軸式押出機Bで溶融押出した(樹脂B)。この押出機Bの吐出量は、0.16m3/時(=148kg/時)とした。押出機AおよびBでは、斜めに溝が切ってあるヘリカルタイプのギアが2段並列に配列されたギアポンプを用い、吐出量を平均吐出量±2%以内の範囲に抑えた。
内径(2r)が41.2mmのスタティックミキサを用いた以外は実施例1と同様にして両押出機で溶融した樹脂が樹脂A/樹脂B=5/5(吐出量比)となるようにし、フィードブロックおよびスタティックミキサを通過させた後、T−ダイからフィルム状に溶融押出した。樹脂AとBの押出量の合計を0.32m3/時(295kg/時に相当)としたので、内径41.2mmのミキサ内でのせん断速度γは12.9(1/秒)であった。押出した樹脂を、表面温度25℃±2℃の冷却ロール上に静電密着させた。キャスティングロールの回転速度は、インバーターでコントロールし、キャスティングロールの回転速度の変動を平均速度(120m/分)±2%以内の範囲に抑えた。厚さ60μm、長さ2000m以上の未延伸ポリプロピレン系フィルムが得られた。得られたフィルムを幅0.6m、長さ2000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、フィルムロールを得た。製造条件を表3に、得られたフィルムロールの評価結果を表4〜6に示した。
Figure 0004826267
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本発明のプラスチックフィルムロールに巻回されたプラスチックフィルムは、長尺フィルム全長に亘って均一な引張特性および厚みを有しており、外観上の欠陥がなく、印刷、蒸着等の仕上がりが良好である。よって、各種食品包装用、一般工業用、光学用、電気材料用および成形加工用フィルムとして使用可能である。詳しくは、一般包装用、帯電防止用、ガスバリア用、金属ラミネート用、ヒートシール用、防曇、金属蒸着、易引裂性、易開封、製袋包装用、レトルト包装用、ボイル包装用、薬包装用、易接着性、磁気記録用、コンデンサ用、インクリボン用、転写用、粘着ラベル用、スタンピングホイル用、金銀糸用、トレーシング材料用、離形用、シュリンクフィルム用等に好適である。
本発明法を実施するための装置例の模式図である。

Claims (6)

  1. 長さ1000〜7000mのプラスチックフィルムを巻き取ってなるプラスチックフィルムロールであって、
    上記プラスチックフィルムは、化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびBを、それぞれ別々の押出機に投入して合流直前の樹脂Aの溶融粘度ηAと合流直前の樹脂Bの溶融粘度ηBとの比ηA/ηBが0.5〜2.0となるように溶融し、溶融した樹脂AおよびBを合流させてスタティックミキサを通過させ、T−ダイから押出した後に冷却ロールに密着させてキャストフィルム化して得られるものであり、
    上記プラスチックフィルムが、下記要件(1)〜(3)を満足することを特徴とするプラスチックフィルムロール。
    (1)上記フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域のフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部の内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、各試料切り出し部毎に、フィルムの長さ方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料と、フィルムの幅方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料を採取し、それぞれの試料についてJIS K 7127−1999に基づいて引張速度100mm/分で、フィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊強度を測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊強度がこれらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっている、
    (2)上記と同様にしてフィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊伸びを測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊伸びが、これらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっている、
    (3)要件(1)における各試料切り出し部毎に、フィルムの長さ方向の長さが50cm、幅が5cmのフィルム試料を採取し、この試料について前記長さ方向における厚み変位測定を行ったとき、各試料切り出し部において、下式で規定される厚み変動が10%以下の範囲に収まっている。
    厚み変動(%)=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100
  2. 長さ1000〜7000mのプラスチックフィルムを巻き取ってなるプラスチックフィルムロールであって、
    上記プラスチックフィルムは、化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびBを、それぞれ別々の押出機に投入して合流直前の樹脂Aの溶融粘度ηAと合流直前の樹脂Bの溶融粘度ηBとの比ηA/ηBが0.5〜2.0となるように溶融し、溶融した樹脂AおよびBを合流させてスタティックミキサを通過させ、T−ダイから押出した後に冷却ロールに密着させてキャストフィルム化して得られ、樹脂Aの層と樹脂Bの層とを合わせて100層以上有するものであり、
    上記プラスチックフィルムが、下記要件(1)〜(3)を満足することを特徴とするプラスチックフィルムロール。
    (1)上記フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域のフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第2端部の内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、各試料切り出し部毎に、フィルムの長さ方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料と、フィルムの幅方向の長さが150mm、幅が10mmのフィルム試料を採取し、それぞれの試料についてJIS K 7127−1999に基づいて引張速度100mm/分で、フィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊強度を測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊強度がこれらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっている、
    (2)上記と同様にしてフィルムの長さ方向および幅方向の引張破壊伸びを測定したとき、それぞれ、全ての試料の引張破壊伸びが、これらから算出された平均値の±10%以内の範囲に収まっている、
    (3)要件(1)における各試料切り出し部毎に、フィルムの長さ方向の長さが50cm、幅が5cmのフィルム試料を採取し、この試料について前記長さ方向における厚み変位測定を行ったとき、各試料切り出し部において、下式で規定される厚み変動が10%以下の範囲に収まっている。
    厚み変動(%)=[(最大厚み−最小厚み)/平均厚み]×100
  3. 請求項1または2に記載のプラスチックフィルムロールの製造方法であって、
    化学組成の異なる2種類の樹脂AおよびBを、それぞれ別々の押出機AおよびBに投入して溶融し、溶融した樹脂AおよびBを合流させてスタティックミキサを通過させ、T−ダイから押出した後に冷却ロールに密着させることによりキャストフィルム化する際に、
    合流直前の樹脂Aの溶融粘度ηAと合流直前の樹脂Bの溶融粘度ηBとの比ηA/ηBを0.5〜2.0とし、
    スタティックミキサ内の樹脂のせん断速度γ(1/秒)を2〜100(1/秒)とすることを特徴とするプラスチックフィルムロールの製造方法。
  4. スタティックミキサのエレメント数を3〜18とする請求項3に記載のプラスチックフィルムロールの製造方法。
  5. 押出機AおよびBの各吐出量を、それぞれ、平均吐出量±2%の範囲に制御して行う請求項3または4に記載のプラスチックフィルムロールの製造方法。
  6. 冷却ロールの回転速度を、平均回転速度±2%の範囲に制御して行う請求項3〜5のいずれかに記載のプラスチックフィルムロールの製造方法。
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