JPH1044210A - 樹脂押出用流路とそれを用いた押出加工方法 - Google Patents
樹脂押出用流路とそれを用いた押出加工方法Info
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- JPH1044210A JPH1044210A JP8204582A JP20458296A JPH1044210A JP H1044210 A JPH1044210 A JP H1044210A JP 8204582 A JP8204582 A JP 8204582A JP 20458296 A JP20458296 A JP 20458296A JP H1044210 A JPH1044210 A JP H1044210A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩化ビニリデン系樹脂の押出加工の際の炭化
物生成、蓄積の問題点を根本的に解決し、長時間押出運
転に耐え得るだけの樹脂流路を提供すること。 【解決手段】 溶融樹脂が接触する表面がフッ素系樹脂
微粒子を含有するニッケル層で被覆されていることを特
徴とするポリ塩化ビニリデン系樹脂押出用流路及びそれ
を用いた押出加工方法。
物生成、蓄積の問題点を根本的に解決し、長時間押出運
転に耐え得るだけの樹脂流路を提供すること。 【解決手段】 溶融樹脂が接触する表面がフッ素系樹脂
微粒子を含有するニッケル層で被覆されていることを特
徴とするポリ塩化ビニリデン系樹脂押出用流路及びそれ
を用いた押出加工方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビニリデ
ン系樹脂押出成形加工で使用される溶融樹脂流路及びそ
れを用いた押出加工方法に関するものである。
ン系樹脂押出成形加工で使用される溶融樹脂流路及びそ
れを用いた押出加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニリデン系樹脂(以下PVD
C樹脂と略す)は、ポリエチレン等の汎用樹脂に比べ、
その押出加工時の熱安定性が著しく悪く、樹脂の中でも
熱劣化しやすいとされている硬質ポリ塩化ビニル系樹脂
(PVC樹脂と略す)に比べても、熱安定性がさらに悪
いことが従来より知られている。
C樹脂と略す)は、ポリエチレン等の汎用樹脂に比べ、
その押出加工時の熱安定性が著しく悪く、樹脂の中でも
熱劣化しやすいとされている硬質ポリ塩化ビニル系樹脂
(PVC樹脂と略す)に比べても、熱安定性がさらに悪
いことが従来より知られている。
【0003】つまり、PVDC樹脂は、熱可塑性樹脂で
は押出加工が最も困難な樹脂であり、押出加工条件と熱
分解条件とが近接していることにより、次の二点の大き
な根本的な問題点を有している。第一は、樹脂流路表面
である壁面に樹脂が付着し、長期滞留することで熱劣化
を起こし、その部分で炭化物層を形成し、その炭化物が
不定期に剥離し押出物と同時に吐出することである。第
二は、押出成形加工時に樹脂より発生する塩化水素ガス
による腐食の結果、樹脂流路表面に凸凹が形成され、さ
らにその凸凹により壁面での炭化物層の蓄積が加速され
ることである。
は押出加工が最も困難な樹脂であり、押出加工条件と熱
分解条件とが近接していることにより、次の二点の大き
な根本的な問題点を有している。第一は、樹脂流路表面
である壁面に樹脂が付着し、長期滞留することで熱劣化
を起こし、その部分で炭化物層を形成し、その炭化物が
不定期に剥離し押出物と同時に吐出することである。第
二は、押出成形加工時に樹脂より発生する塩化水素ガス
による腐食の結果、樹脂流路表面に凸凹が形成され、さ
らにその凸凹により壁面での炭化物層の蓄積が加速され
ることである。
【0004】この原因は、PVDC樹脂そのものの構造
に由来するものであり、主鎖に含有される塩素原子が脱
塩酸しやすいためであり、PVDC樹脂とPVC樹脂で
は、その主体をなす塩化ビニデン単位と塩化ビニル単位
との含塩素の数が2個と1個と違うこと、さらに個数以
上の差として脱塩酸しやすい構造となっていることによ
る。したがって、PVDC樹脂の押出加工には、従来よ
り熱劣化を抑制するための様々な工夫がなされてきた。
具体的には、押出機、ダイ、アダプター他、溶融PVD
C樹脂と接触する樹脂流路に耐塩酸腐食素材、例えば、
高Ni含有素材であるデュラニッケル等を使用し、さら
には、局所滞留部を極力低減した樹脂流路デザインを採
用し、さらには運転条件による樹脂温度や滞留時間等の
押出条件の最適化である。
に由来するものであり、主鎖に含有される塩素原子が脱
塩酸しやすいためであり、PVDC樹脂とPVC樹脂で
は、その主体をなす塩化ビニデン単位と塩化ビニル単位
との含塩素の数が2個と1個と違うこと、さらに個数以
上の差として脱塩酸しやすい構造となっていることによ
る。したがって、PVDC樹脂の押出加工には、従来よ
り熱劣化を抑制するための様々な工夫がなされてきた。
具体的には、押出機、ダイ、アダプター他、溶融PVD
C樹脂と接触する樹脂流路に耐塩酸腐食素材、例えば、
高Ni含有素材であるデュラニッケル等を使用し、さら
には、局所滞留部を極力低減した樹脂流路デザインを採
用し、さらには運転条件による樹脂温度や滞留時間等の
押出条件の最適化である。
【0005】一方、前述のPVC樹脂は、汎用樹脂に比
べ、熱安定性が悪く、熱劣化した炭化物が樹脂流路に蓄
積しやすいため、特開平1−159229号公報には、
樹脂流路に設置するブレーカプレートの表面に、Si3
N4 等を形成し、樹脂の滞留を防止し、焼けを防止する
こと等、また特開平4−351524号公報にも同様な
内容が記載されている。
べ、熱安定性が悪く、熱劣化した炭化物が樹脂流路に蓄
積しやすいため、特開平1−159229号公報には、
樹脂流路に設置するブレーカプレートの表面に、Si3
N4 等を形成し、樹脂の滞留を防止し、焼けを防止する
こと等、また特開平4−351524号公報にも同様な
内容が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PVD
C樹脂に関しては、確かに流路表面に耐酸腐食性の表面
処理を実施すれば、脱塩酸による腐食は防止することが
できることは、容易に予想されるが、前述の流路表面で
の炭化物層が蓄積することは避けられない。つまり、流
路壁面の剪断速度(流速)が遅いと、炭化物層の形成が
助長され、それが、経時的に押出物に異物として混入
し、さらには流路断面積が狭いところでは炭化物層が蓄
積した分だけ、流路面積をさらに狭められることによ
り、樹脂流路閉塞や剪断速度の局所的変化にともない炭
化物生成が加速されること等の問題が発生することにな
る。
C樹脂に関しては、確かに流路表面に耐酸腐食性の表面
処理を実施すれば、脱塩酸による腐食は防止することが
できることは、容易に予想されるが、前述の流路表面で
の炭化物層が蓄積することは避けられない。つまり、流
路壁面の剪断速度(流速)が遅いと、炭化物層の形成が
助長され、それが、経時的に押出物に異物として混入
し、さらには流路断面積が狭いところでは炭化物層が蓄
積した分だけ、流路面積をさらに狭められることによ
り、樹脂流路閉塞や剪断速度の局所的変化にともない炭
化物生成が加速されること等の問題が発生することにな
る。
【0007】したがって、本発明では、塩化ビニリデン
系樹脂の押出加工の際の、上記従来技術の炭化物生成、
蓄積の問題点を根本的に解決し、長時間押出運転に耐え
得るだけの樹脂流路を提供するものである。
系樹脂の押出加工の際の、上記従来技術の炭化物生成、
蓄積の問題点を根本的に解決し、長時間押出運転に耐え
得るだけの樹脂流路を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、樹脂流路表面素材、及び樹脂流路形状に着目し、鋭
意研究を進めた結果、本発明を達成するに至った。すな
わち本発明は、溶融樹脂が接触する表面がフッ素系樹脂
微粒子を含有するニッケル層で被覆されていることを特
徴とする、ポリ塩化ビニリデン系樹脂押出用流路であ
り、さらにその樹脂流路中の最低剪断速度が20(1/
秒)以上であることを特徴とするポリ塩化ビニリデン系
樹脂の押出加工方法である。以下、本発明の内容につい
ては説明する。
に、樹脂流路表面素材、及び樹脂流路形状に着目し、鋭
意研究を進めた結果、本発明を達成するに至った。すな
わち本発明は、溶融樹脂が接触する表面がフッ素系樹脂
微粒子を含有するニッケル層で被覆されていることを特
徴とする、ポリ塩化ビニリデン系樹脂押出用流路であ
り、さらにその樹脂流路中の最低剪断速度が20(1/
秒)以上であることを特徴とするポリ塩化ビニリデン系
樹脂の押出加工方法である。以下、本発明の内容につい
ては説明する。
【0009】本発明のおいて、樹脂流路とは、スクリュ
ウのフライト部分のない押出機先端から、押出成形用ダ
イの樹脂出口までの部分をさす。本発明では、溶融樹脂
と接触する樹脂流路表面がフッ素系樹脂微粒子を含有す
るニッケル層で被覆せれていることが必要である。これ
により、本発明の押出用流路は熱分解により発生した塩
酸による流路表面の腐食を防止するのに加え、さらに流
路表面での溶融樹脂の滑り性を向上させ、炭化物層を形
成させにくいという特徴を有する。
ウのフライト部分のない押出機先端から、押出成形用ダ
イの樹脂出口までの部分をさす。本発明では、溶融樹脂
と接触する樹脂流路表面がフッ素系樹脂微粒子を含有す
るニッケル層で被覆せれていることが必要である。これ
により、本発明の押出用流路は熱分解により発生した塩
酸による流路表面の腐食を防止するのに加え、さらに流
路表面での溶融樹脂の滑り性を向上させ、炭化物層を形
成させにくいという特徴を有する。
【0010】本発明のフッ素系樹脂微粒子とは、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエ
チレンフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PE
A)、テトラフルオロエチレンフルオロヘキサフルオロ
プロペン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロ
エチレン(PCTEF)、テトラフルオロエチレン−エ
チレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、クロロト
リフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)
であり、これらの中の一種以上のものが適宜選択され
る。特に、その耐熱性からポリテトラフルオロエチレン
が好ましい。
トラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエ
チレンフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PE
A)、テトラフルオロエチレンフルオロヘキサフルオロ
プロペン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロ
エチレン(PCTEF)、テトラフルオロエチレン−エ
チレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、クロロト
リフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)
であり、これらの中の一種以上のものが適宜選択され
る。特に、その耐熱性からポリテトラフルオロエチレン
が好ましい。
【0011】また、本発明のフッ素系微粒子の粒径は、
0.05〜10μmである。好ましくは、0.1〜5μ
mであり、さらに好ましくは、0.1〜3μmである。
粒径の下限は、取り扱い性が困難になりやすく、また上
限は、ニッケル層に包含されにくくなるため、その使用
が制限される。本発明において、ニッケル層を形成する
方法は特に限定されないが、一般にニッケル−リン系の
無電解メッキ等のメッキ法であり、その組成はニッケル
が80〜93重量%、リンが7〜20重量%であり、好
ましくは、ニッケル成分が83〜90重量%、さらに好
ましくは85〜88重量%の範囲である。また、ニッケ
ル層の厚みは、1〜50μmの範囲であり、好ましくは
5〜40μm、さらに好ましくは、10〜30μmであ
る。
0.05〜10μmである。好ましくは、0.1〜5μ
mであり、さらに好ましくは、0.1〜3μmである。
粒径の下限は、取り扱い性が困難になりやすく、また上
限は、ニッケル層に包含されにくくなるため、その使用
が制限される。本発明において、ニッケル層を形成する
方法は特に限定されないが、一般にニッケル−リン系の
無電解メッキ等のメッキ法であり、その組成はニッケル
が80〜93重量%、リンが7〜20重量%であり、好
ましくは、ニッケル成分が83〜90重量%、さらに好
ましくは85〜88重量%の範囲である。また、ニッケ
ル層の厚みは、1〜50μmの範囲であり、好ましくは
5〜40μm、さらに好ましくは、10〜30μmであ
る。
【0012】フッ素系樹脂微粒子の含有量としては、ニ
ッケル層の体積に対して、1〜30体積%の割合で含有
されることが必要である。下限は、炭化物蓄積に対する
効果の度合いが低下し、また上限はニッケル層が脆くな
るため制限される。好ましくは、3〜28体積%、さら
に好ましくは5〜25体積%である。これらニッケル層
の厚みは、薄すぎるとニッケル層の表面硬度が低下した
り、ニッケル層にピンホールが発生しその耐腐食性が低
下する傾向がある。また厚すぎるものはニッケル層に残
留応力が発生しやすくなるため、樹脂流路表面との密着
性が低下する傾向がある。したがって、厚みは0.5〜
10μmが好ましく、より好ましくは1〜7μmの範囲
である。
ッケル層の体積に対して、1〜30体積%の割合で含有
されることが必要である。下限は、炭化物蓄積に対する
効果の度合いが低下し、また上限はニッケル層が脆くな
るため制限される。好ましくは、3〜28体積%、さら
に好ましくは5〜25体積%である。これらニッケル層
の厚みは、薄すぎるとニッケル層の表面硬度が低下した
り、ニッケル層にピンホールが発生しその耐腐食性が低
下する傾向がある。また厚すぎるものはニッケル層に残
留応力が発生しやすくなるため、樹脂流路表面との密着
性が低下する傾向がある。したがって、厚みは0.5〜
10μmが好ましく、より好ましくは1〜7μmの範囲
である。
【0013】本発明においては、ニッケル層と樹脂流路
表面との密着性を改良するために、各種基材表面に適合
した中間層を形成してもよい。この中間層の厚みは、ニ
ッケル層の密着性が確保される範囲で適宜選択しうる。
さらに、ニッケル層と樹脂流路表面との密着性を確保す
るために、基材表面の洗浄等各種公知の表面処理を実施
しうることはいうまでもない。
表面との密着性を改良するために、各種基材表面に適合
した中間層を形成してもよい。この中間層の厚みは、ニ
ッケル層の密着性が確保される範囲で適宜選択しうる。
さらに、ニッケル層と樹脂流路表面との密着性を確保す
るために、基材表面の洗浄等各種公知の表面処理を実施
しうることはいうまでもない。
【0014】被膜を形成するためには、上述の通り公知
のニッケル−リン系の無電解メッキ法が採用でき、その
無電解メッキ溶液にフッ素樹脂微粒子を分散して使用す
る。次に、本発明の押出加工法について説明する。本発
明の押出加工法においては上記本発明の樹脂流路の利点
を十分生かすために、樹脂流路中の剪断速度は最低でも
20(1/秒)以上を確保した押出方法を採用すること
が望ましい。剪断速度が20(1/秒)未満の部分が流
路にある場合、流路表面に本発明のニッケル層を形成し
たとしても、炭化物蓄積の度合いが大きくなる傾向があ
り、押出条件が制限される。剪断速度の上限は、特に限
定されるものではないが、好ましくは300(1/
秒)、さらに好ましくは200(1/秒)以下である。
ここでの剪断速度は、樹脂流路の形状と樹脂物性及び押
出量から公知の計算方法で算出される値であって、具体
的なその計算方法は、プラスチック成形品設計式例題集
(Natti S.Rao著、大柳 康訳、(株)工業
調査会発行)の91頁(初版1刷)記載の計算式等によ
り算出する。
のニッケル−リン系の無電解メッキ法が採用でき、その
無電解メッキ溶液にフッ素樹脂微粒子を分散して使用す
る。次に、本発明の押出加工法について説明する。本発
明の押出加工法においては上記本発明の樹脂流路の利点
を十分生かすために、樹脂流路中の剪断速度は最低でも
20(1/秒)以上を確保した押出方法を採用すること
が望ましい。剪断速度が20(1/秒)未満の部分が流
路にある場合、流路表面に本発明のニッケル層を形成し
たとしても、炭化物蓄積の度合いが大きくなる傾向があ
り、押出条件が制限される。剪断速度の上限は、特に限
定されるものではないが、好ましくは300(1/
秒)、さらに好ましくは200(1/秒)以下である。
ここでの剪断速度は、樹脂流路の形状と樹脂物性及び押
出量から公知の計算方法で算出される値であって、具体
的なその計算方法は、プラスチック成形品設計式例題集
(Natti S.Rao著、大柳 康訳、(株)工業
調査会発行)の91頁(初版1刷)記載の計算式等によ
り算出する。
【0015】本発明でいうポリ塩化ビニリデン系樹脂と
は、塩化ビニリデンモノマーとその他モノマーとの共重
合体であり、塩化ビニリデンモノマー部分を60重量%
以上含むものをいう。共重合するモノマーとしては、塩
化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、
メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエス
テル、メタクリル酸エチルエステル等のうち、少なくと
も一種以上のものが適宜選択される。この中で、特に塩
化ビニル、アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メ
チルエステルのうち、少なくとも一種以上のものが用い
られる。また、該共重合体樹脂のゲルパーミエーション
クロマトグラフ法によって測定した重量平均分子量は、
5,000から500,000のものが好ましい。さら
に、溶融押出加工性の向上及び得られる押出成形体の物
性を確保するために、公知の可塑剤、熱安定剤、酸化防
止剤等を適宜選定して使用してよい。
は、塩化ビニリデンモノマーとその他モノマーとの共重
合体であり、塩化ビニリデンモノマー部分を60重量%
以上含むものをいう。共重合するモノマーとしては、塩
化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、
メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエス
テル、メタクリル酸エチルエステル等のうち、少なくと
も一種以上のものが適宜選択される。この中で、特に塩
化ビニル、アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メ
チルエステルのうち、少なくとも一種以上のものが用い
られる。また、該共重合体樹脂のゲルパーミエーション
クロマトグラフ法によって測定した重量平均分子量は、
5,000から500,000のものが好ましい。さら
に、溶融押出加工性の向上及び得られる押出成形体の物
性を確保するために、公知の可塑剤、熱安定剤、酸化防
止剤等を適宜選定して使用してよい。
【0016】また、本発明の押出において特に限定する
訳ではないが、押出時の酸素を介した熱劣化を低減する
ために、不活性ガス下、または真空下での押出が好まし
い。
訳ではないが、押出時の酸素を介した熱劣化を低減する
ために、不活性ガス下、または真空下での押出が好まし
い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例を用いて本発明を具
体的に説明する。
体的に説明する。
【0018】
【実施例1】塩化ビニリデン単位88.4重量%、塩化
ビニル11.6重量%であり、添加剤として樹脂部分に
対する組成比で、アセチルクエン酸トリブチルを5.3
重量%、エポキシ化アマニ油1.3重量%含み、重量平
均分子量が88,000、重量平均分子量と数平均分子
量の比が2.4であるポリ塩化ビニリデン系樹脂を押出
原料とした。
ビニル11.6重量%であり、添加剤として樹脂部分に
対する組成比で、アセチルクエン酸トリブチルを5.3
重量%、エポキシ化アマニ油1.3重量%含み、重量平
均分子量が88,000、重量平均分子量と数平均分子
量の比が2.4であるポリ塩化ビニリデン系樹脂を押出
原料とした。
【0019】45mm径の耐腐食性素材からなる単軸押
出機とTダイを取り付けた、押出装置で、押出機出口以
降の樹脂流路(材料母材は、SUS304)表面は、粒
径が0.5μmのフッ素樹脂PTFE微粒子を22体積
%含む、ニッケル−リンメッキ層を20μmの厚みで被
覆して、Tダイ出口での樹脂温度が178℃で、樹脂流
路での最低剪断速度は、33(1/秒)となるような条
件にて、8時間連続運転を実施した。押出運転中の押出
シート中の炭化物の生成は微小であり、運転後分解掃除
したところ、壁面での炭化物生成は、ほとんど見られ
ず、非常に良好な結果であった。結果を表1に示す。
出機とTダイを取り付けた、押出装置で、押出機出口以
降の樹脂流路(材料母材は、SUS304)表面は、粒
径が0.5μmのフッ素樹脂PTFE微粒子を22体積
%含む、ニッケル−リンメッキ層を20μmの厚みで被
覆して、Tダイ出口での樹脂温度が178℃で、樹脂流
路での最低剪断速度は、33(1/秒)となるような条
件にて、8時間連続運転を実施した。押出運転中の押出
シート中の炭化物の生成は微小であり、運転後分解掃除
したところ、壁面での炭化物生成は、ほとんど見られ
ず、非常に良好な結果であった。結果を表1に示す。
【0020】
【実施例2】粒径が0.5μmのフッ素樹脂PTFE微
粒子を22体積%含む、ニッケル−リンメッキ層を被覆
した以外は実施例1と同様の樹脂流路を用いて、剪断速
度を21(1/秒)となるようにし、その他の条件は実
施例1と同じ原料、同じ条件にて、8時間連続運転を行
った。押出運転中の押出シート中の炭化物の生成は、実
施例1に比べ、若干の増加が見られたが問題となるよう
な程度ではなく微小であり、運転後分解掃除したとこ
ろ、壁面での炭化物生成は、ほとんど見られず、非常に
良好な結果であった。結果を表1に示す。
粒子を22体積%含む、ニッケル−リンメッキ層を被覆
した以外は実施例1と同様の樹脂流路を用いて、剪断速
度を21(1/秒)となるようにし、その他の条件は実
施例1と同じ原料、同じ条件にて、8時間連続運転を行
った。押出運転中の押出シート中の炭化物の生成は、実
施例1に比べ、若干の増加が見られたが問題となるよう
な程度ではなく微小であり、運転後分解掃除したとこ
ろ、壁面での炭化物生成は、ほとんど見られず、非常に
良好な結果であった。結果を表1に示す。
【0021】
【実施例3】粒径が0.5μmのフッ素樹脂PTFE微
粒子を7体積%含む、ニッケル−リンメッキ層を被覆し
た以外は実施例1と同様の樹脂流路を用い、実施例1と
同じ原料、同じ条件にて、8時間連続運転を行った。押
出運転中の押出シート中の炭化物の生成は微小であり、
運転後分解掃除したところ、壁面での炭化物生成は、ほ
とんど見られず、非常に良好な結果であった。結果を表
1に示す。
粒子を7体積%含む、ニッケル−リンメッキ層を被覆し
た以外は実施例1と同様の樹脂流路を用い、実施例1と
同じ原料、同じ条件にて、8時間連続運転を行った。押
出運転中の押出シート中の炭化物の生成は微小であり、
運転後分解掃除したところ、壁面での炭化物生成は、ほ
とんど見られず、非常に良好な結果であった。結果を表
1に示す。
【0022】
【比較例1】実施例1での樹脂流路表面を被覆せず、母
材のSUS304をそのまま使用しその他の条件は実施
例1と同じ原料、同じ条件にて、8時間連続運転を行っ
た。押出運転中に押出シート中に炭化物の生成が見ら
れ、運転後分解掃除したところ壁面全体に炭化物層の蓄
積が見られた。実施例と比べると明らかに劣る結果であ
った。結果を表1に示す。
材のSUS304をそのまま使用しその他の条件は実施
例1と同じ原料、同じ条件にて、8時間連続運転を行っ
た。押出運転中に押出シート中に炭化物の生成が見ら
れ、運転後分解掃除したところ壁面全体に炭化物層の蓄
積が見られた。実施例と比べると明らかに劣る結果であ
った。結果を表1に示す。
【0023】
【実施例4】実施例1において、樹脂流路表面を粒径が
0.5μmのフッ素樹脂PTFE微粒子を22体積%含
む、ニッケル−リンメッキ層で被覆し、流路に部分的に
径の大きい部分を作成し、押出量は変えずに剪断速度が
15(1/秒)となるようにした。その他の条件は実施
例1と同じ原料、同じ条件にて、8時間連続運転を行っ
た。押出運転中に押出シート中に炭化物の生成が見られ
た。運転後の運転後の円環状フィルター部を分解掃除し
たところ、剪断速度の小さい壁面の一部に炭化物層の蓄
積が見られた。比較例1に比べると炭化物の生成は抑え
られているものの実施例1〜3と比べると劣る結果であ
った。結果を表1に示す。
0.5μmのフッ素樹脂PTFE微粒子を22体積%含
む、ニッケル−リンメッキ層で被覆し、流路に部分的に
径の大きい部分を作成し、押出量は変えずに剪断速度が
15(1/秒)となるようにした。その他の条件は実施
例1と同じ原料、同じ条件にて、8時間連続運転を行っ
た。押出運転中に押出シート中に炭化物の生成が見られ
た。運転後の運転後の円環状フィルター部を分解掃除し
たところ、剪断速度の小さい壁面の一部に炭化物層の蓄
積が見られた。比較例1に比べると炭化物の生成は抑え
られているものの実施例1〜3と比べると劣る結果であ
った。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、熱安定性の悪い塩
化ビニリデン系樹脂を押出するにあたって、樹脂流路表
面にフッ素樹脂微粒子を含有するニッケル層、特に無電
解ニッケル−リンメッキ層を形成すること、更には樹脂
の剪断速度を20(1/秒)以上に設定することで、押
出加工時の流路内での炭化物生成を抑制することに非常
に効果的である。
化ビニリデン系樹脂を押出するにあたって、樹脂流路表
面にフッ素樹脂微粒子を含有するニッケル層、特に無電
解ニッケル−リンメッキ層を形成すること、更には樹脂
の剪断速度を20(1/秒)以上に設定することで、押
出加工時の流路内での炭化物生成を抑制することに非常
に効果的である。
Claims (2)
- 【請求項1】 溶融樹脂が接触する表面がフッ素系樹脂
微粒子を含有するニッケル層で被覆されていることを特
徴とする、ポリ塩化ビニリデン系樹脂押出用流路。 - 【請求項2】 請求項1記載の流路を用い、その樹脂流
路中の最低剪断速度が20(1/秒)以上であることを
特徴とするポリ塩化ビニリデン系樹脂の押出加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8204582A JPH1044210A (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 樹脂押出用流路とそれを用いた押出加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8204582A JPH1044210A (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 樹脂押出用流路とそれを用いた押出加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1044210A true JPH1044210A (ja) | 1998-02-17 |
Family
ID=16492861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8204582A Withdrawn JPH1044210A (ja) | 1996-08-02 | 1996-08-02 | 樹脂押出用流路とそれを用いた押出加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1044210A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007125869A (ja) * | 2005-10-03 | 2007-05-24 | Toyobo Co Ltd | プラスチックフィルムの製造方法 |
JP2007196635A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Toyobo Co Ltd | プラスチックフィルムロールおよびその製造方法 |
-
1996
- 1996-08-02 JP JP8204582A patent/JPH1044210A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007125869A (ja) * | 2005-10-03 | 2007-05-24 | Toyobo Co Ltd | プラスチックフィルムの製造方法 |
JP2007196635A (ja) * | 2006-01-30 | 2007-08-09 | Toyobo Co Ltd | プラスチックフィルムロールおよびその製造方法 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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