JP6915429B2 - フッ素樹脂ペレットおよびその製造方法、ならびに電線の製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂ペレットおよびその製造方法、ならびに電線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素樹脂ペレットおよびその製造方法、ならびに電線の製造方法に関する。
フッ素樹脂は、耐熱性、難燃性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、低摩擦性、低誘電特性等に優れることから、幅広い用途(ケミカルプラント耐食配管材料、農業用ビニールハウス材料、厨房器用離型コート材料、電線用被覆材料等)に用いられている。特に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、「FEP」とも記す。)およびエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下、「ETFE」とも記す。)は、溶融成形が可能であるため、その用途は多岐にわたる。たとえば、ETFEを含むフッ素樹脂材料は、電気的特性、機械物性、耐摩耗性等に優れることから、電線の被覆層として用いられる。
しかし、フッ素樹脂材料からなる電線の被覆層は、高温での耐ストレスクラック性が不充分であるという問題がある。最近では、自動車、航空機等において、電線がより高温の環境下で用いられることがあるため、電線の被覆層には、高温での耐ストレスクラック性のさらなる向上が求められる。
耐ストレスクラック性に優れる成形品を製造できるフッ素樹脂材料としては、特定のETFEと、0.2〜10ppmの酸化銅とを含むものが提案されている(特許文献1)。
国際公開第2013/015202号
しかし、特許文献1に記載のフッ素樹脂材料であっても、電線の被覆層としたときの高温での耐ストレスクラック性はいまだ不充分である。
本発明は、高温での耐ストレスクラック性に優れる成形品を得ることができるフッ素樹脂ペレットおよびその製造方法、ならびに高温での耐ストレスクラック性に優れる被覆層を有する電線を製造できる方法を提供する。
本発明は、以下の態様を有する。
<1>フッ素樹脂を含むフッ素樹脂材料を二軸押出機によって溶融混練した後、ペレット化してフッ素樹脂ペレットを得る方法であり;前記二軸押出機は、複数のスクリューエレメントをシャフトに装着したスクリューと、2本の前記スクリューを内蔵したバレルとを備え;前記二軸押出機は、前記スクリューエレメントのうちミキシングエレメントおよびニーディングエレメントのいずれか一方または両方が2個以上連続して配置された溶融ゾーンの1個または2個を有し;前記溶融ゾーンの合計の長さKDと前記スクリューの長さLとが、下式Iを満足する、フッ素樹脂ペレットの製造方法。
0.05≦KD/L≦0.3 式I
<2>下式IIから求めた、前記溶融ゾーンにおいて前記フッ素樹脂材料に作用するせん断応力τが、0.55MPa以下である、前記<1>のフッ素樹脂ペレットの製造方法。
τ=γ×η 式II
ただし、γは、下式IIIから求めた、前記溶融ゾーンにおけるせん断速度(s−1)であり、ηは、前記フッ素樹脂材料が投入されるバレルブロックの1つ下流側のバレルブロックから最も下流側にある溶融ゾーンを有するバレルブロックまでの各バレルブロックの設定温度を平均した平均設定温度および前記せん断速度γにおける前記フッ素樹脂材料の粘度(Pa・s)である。
γ=π×(D−2h)×N/(60×h) 式III
ただし、πは、3.14であり、Dは、前記バレルの内径(mm)であり、Nは、前記スクリューの回転数(rpm)であり、hは、前記溶融ゾーンにおけるスクリューエレメンと前記バレル内壁との間の最小チップクリアランス(mm)である。
<3>前記フッ素樹脂材料が投入されるバレルブロックの1つ下流側のバレルブロックから最も下流側にある溶融ゾーンを有するバレルブロックまでの各バレルブロックの設定温度を平均した平均設定温度が、前記フッ素樹脂の融点以上、前記フッ素樹脂の融点+140℃以下である、前記<1>または<2>のフッ素樹脂ペレットの製造方法。
<4>温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおける前記フッ素樹脂材料の溶融流速α1(g/10min)と、温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおける前記フッ素樹脂ペレットの溶融流速α2(g/10min)とが、下式IVを満足する、前記<1>〜<3>のいずれかのフッ素樹脂ペレットの製造方法。
α2−α1≦5 式IV
<5>下式Vから求めた混練度が、0.1〜8である、前記<1>〜<4>のいずれかのフッ素樹脂ペレットの製造方法。
混練度=(60×D×N×10−7)/Q 式V
ただし、Dは、前記バレルの内径(mm)であり、Nは、前記スクリューの回転数(rpm)であり、Qは、前記二軸押出機からの前記フッ素樹脂材料の吐出量(kg/h)である。
<6>前記フッ素樹脂が、エチレンに基づく単位およびテトラフルオロエチレンに基づく単位を有する共重合体である、前記<1>〜<5>のいずれかのフッ素樹脂ペレットの製造方法。
<7>前記フッ素樹脂が、エチレンに基づく単位と、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、エチレンおよびテトラフルオロエチレンと共重合可能な、エチレンおよびテトラフルオロエチレンを除くその他の単量体に基づく単位とを有する共重合体であり;前記テトラフルオロエチレンに基づく単位に対する前記エチレンに基づく単位のモル比が、30/70〜60/40であり;前記共重合体を構成する全単位のうちの前記その他の単量体に基づく単位の割合が、0.7〜2.4モル%である、前記<1>〜<6>のいずれかのフッ素樹脂ペレットの製造方法。
<8>前記<1>〜<7>のいずれかのフッ素樹脂ペレットの製造方法によってフッ素樹脂ペレットを得て、前記フッ素樹脂ペレットを溶融して芯線のまわりに押し出すことによって被覆層を形成する、電線の製造方法。
<9>エチレンに基づく単位と、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、エチレンおよびテトラフルオロエチレンと共重合可能な、エチレンおよびテトラフルオロエチレンを除くその他の単量体に基づく単位とを有する共重合体を含むフッ素樹脂ペレットであり;前記共重合体における前記テトラフルオロエチレンに基づく単位に対する前記エチレンに基づく単位のモル比が、30/70〜60/40であり;前記共重合体を構成する全単位のうちの前記その他の単量体に基づく単位の割合が、0.7〜2.4モル%であり;温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおける前記フッ素樹脂ペレットの溶融流速α3(g/10min)と、温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおける下記被覆層の溶融流速α4(g/10min)とが、下式VIを満足する、フッ素樹脂ペレット。
α4−α3≧2 式VI
被覆層:バレルの内径が30mmであり、スクリューの長さLとバレルの内径Dとの比(L/D)が24である単軸押出機を用い、バレルの上流側温度280℃、バレルの下流側温度320℃、ダイスの温度320℃、スクリュー回転数40rpmの条件下で前記フッ素樹脂ペレットを溶融して芯線のまわりに押し出すことによって厚さが0.5mmである被覆層を形成して得られた直径2.8±0.02mmの電線における被覆層。
本発明のフッ素樹脂ペレットの製造方法によれば、高温での耐ストレスクラック性に優れる成形品を得ることができるフッ素樹脂ペレットを製造できる。
本発明の電線の製造方法によれば、高温での耐ストレスクラック性に優れる被覆層を有する電線を製造できる。
本発明のフッ素樹脂ペレットによれば、高温での耐ストレスクラック性に優れる成形品を得ることができる。
実施例で用いた二軸押出機の一例を示す概略構成図である。
本明細書における以下の用語の意味は、以下の通りである。
「フッ素樹脂材料」とは、フッ素樹脂のみからなる材料、またはフッ素樹脂と他の成分とを含む組成物をいう。
「融点」とは、結晶構造を有する樹脂において、固体が融解し、液体化する温度のことをいう。具体的には、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「溶融成形可能」であるとは、溶融流動性を示すことをいう。
「溶融流動性を示す」とは、荷重49Nの条件下、樹脂の融点よりも20℃以上高い温度において、溶融流速が0.1〜1000g/10分となる温度が存在することをいう。
「溶融流速」は、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)に規定されるメルトマスフローレート(MFR)である。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。
「単量体」とは、重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する化合物をいう。
「溶融ゾーン」とは、スクリューエレメントのうちミキシングエレメントおよびニーディングエレメントのいずれか一方または両方が2個以上連続して配置されたスクリューゾーンをいう。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
<フッ素樹脂材料>
本発明におけるフッ素樹脂材料は、フッ素樹脂を含む材料である。フッ素樹脂材料は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じてフッ素樹脂以外の他の成分をさらに含んでもよい。
フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」とも記す。)、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」とも記す。)、フッ化ビニリデン(以下、「VdF」とも記す。)およびフッ化ビニルから選ばれる少なくとも1種のフッ素単量体に基づく単位を有する重合体が挙げられる。
フッ素樹脂は、1種の単位を有する単独重合体であってもよく、2種以上の単位を有する共重合体であってもよい。
フッ素樹脂は、非フッ素単量体に基づく単位をさらに有していてもよい。非フッ素単量体としては、エチレン、プロピレン、無水イタコン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。フッ素樹脂が非フッ素単量体に基づく単位を有する場合、非フッ素単量体に基づく単位は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
フッ素樹脂としては、フッ素樹脂材料の成形性に優れる点から、溶融成形可能なフッ素樹脂が好ましい。
溶融成形可能なフッ素樹脂としては、ETFE、TFE−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、TFE−ペルフルオロアルキルビニルエーテル−HFP共重合体、FEP、ポリクロロトリフルオロエチレン、CTFE−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
フッ素樹脂としては、二軸押出機によって溶融混練される点から、融点を有するものが用いられる。フッ素樹脂の融点は、160〜325℃が好ましく、220〜320℃がより好ましく、250〜270℃がさらに好ましい。フッ素樹脂の融点が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂を含む成形品の耐熱性に優れ、高温における剛性に優れる。フッ素樹脂の融点が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂材料の成形性に優れる。
フッ素樹脂としては、フッ素樹脂材料の成形性に優れ、またフッ素樹脂を含む成形品の電気的特性、機械物性、耐摩耗性等に優れている点から、ETFEが好ましい。
ETFEは、エチレンに基づく単位およびTFEに基づく単位を有する共重合体である。
ETFEとしては、ETFEを含む成形品の耐熱性、機械物性、耐薬品性がさらに優れる点から、エチレンに基づく単位(以下、「E単位」とも記す。)と、TFEに基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)と、エチレンおよびTFEと共重合可能な、エチレンおよびTFEを除くその他の単量体に基づく単位(以下、「その他の単量体単位」とも記す。)とを有する共重合体が好ましい。ETFEは、主鎖末端に水酸基を有していてもよい。
その他の単量体としては、下式VIIで表される化合物(以下、「FAE」とも記す。)等が挙げられる。
CH=CX(CFZ 式VII
ただし、XおよびZは、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、nは、1〜10の整数である。)
その他の単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の単量体としては、ETFEを含む成形品の機械物性および熱安定性がさらに優れる点から、FAEが好ましい。
式VIIにおけるXは、ETFEを含む成形品の柔軟性、伸度および強度がさらに優れる点から、水素原子が好ましい。
式VIIにおけるZは、ETFEを含む成形品の耐熱性および耐薬品性がさらに優れる点から、フッ素原子が好ましい。
式VIIにおけるnは、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、2、4または6がさらに好ましい。nが前記範囲の下限値以上であれば、ETFEを含む成形品の機械物性および熱安定性がさらに優れる。nが前記範囲の上限値以下であれば、FAEは重合反応性を充分に有する。
FAEの好ましい具体例としては、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFF、CH=CF(CFH等が挙げられ、ETFEを含む成形品の機械物性および熱安定性がさらに優れる点から、CH=CH(CFF(以下、「PFBE」とも記す。)が好ましい。
FAEは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
E単位とTFE単位とのモル比(E単位/TFE単位)は、30/70〜60/40が好ましく、35/65〜60/40がより好ましい。E単位/TFE単位が前記範囲の下限値以上であれば、ETFEの融点が充分に高く、ETFEを含む成形品は耐熱性に優れ、高温での剛性に優れる。E単位/TFE単位が前記範囲の上限値以下であれば、ETFEを含む成形品の耐薬品性に優れる。
その他の単量体単位の割合は、ETFEを構成する全単位のうち、0.7〜2.4モル%が好ましく、0.9〜2.2モル%がより好ましい。その他の単量体単位の割合が前記範囲の下限値以上であれば、ETFEの成形品は高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる。その他の単量体単位の割合が前記範囲の上限値以下であれば、ETFEの融点が充分に高く、ETFEを含む成形品は耐熱性に優れ、高温での剛性に優れる。
主鎖末端に水酸基を有するETFEは、たとえば、単量体を重合する際に、連鎖移動剤として、アルコール類を用いることによって得られる。具体的には、特開2016−043566号公報の段落[0016]に記載されているように、連鎖移動剤としてアルコール類を用いた場合、アルコールの水酸基がETFEの主鎖末端に導入され、ETFEは、主鎖末端に水酸基からなる末端基を有する。ETFEの主鎖末端は、ETFEを赤外吸収スペクトル法で分析することによって確認できる。
ETFEの融点は、160〜320℃が好ましく、245〜270℃がより好ましく、250〜265℃がさらに好ましい。ETFEの融点が前記範囲の下限値以上であれば、ETFEを含む成形品の耐熱性に優れ、高温での剛性に優れる。ETFEの融点が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂材料の成形性に優れる。
ETFEの融点は、TFE単位に対するE単位のモル比、ETFEを構成する全単位のうちのその他の単量体単位の割合等を調整する方法等で制御できる。
ETFEは、たとえば、特許文献1の段落[0021]〜[0025]に記載された方法、国際公開第2016/006644の段落[0036]〜[0043]に記載された方法によって製造できる。
フッ素樹脂材料は、種々の特性を発現させるために他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、金属酸化物(酸化銅、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト等)、顔料・染料、摺動性付与剤、導電性付与物質、繊維強化剤、熱伝導性付与剤、フィラー、フッ素樹脂以外の樹脂、改質剤、結晶核剤、発泡剤、発泡核剤、架橋剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。他の成分の含有量は、成形品に付与する特性に応じて適宜設定される。
他の成分としては、成形品の高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる点から、酸化銅が好ましい。
酸化銅の平均粒子径は、0.1〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。酸化銅の平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、成形品の機械物性に優れる。酸化銅の平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、成形品の高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる。酸化銅の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定した値である。
酸化銅のBET比表面積は、5〜30m/gが好ましく、10〜20m/gがより好ましい。酸化銅のBET比表面積が前記範囲の下限値以上であれば、成形品の高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる。酸化銅のBET比表面積が前記範囲の上限値以下であれば、成形品の機械物性に優れる。酸化銅のBET比表面積は、窒素ガス吸着BET法によって測定した値である。
酸化銅の配合量は、フッ素樹脂ペレット100質量部に対して、0.00015〜0.02質量部が好ましく、0.0005〜0.015質量部がより好ましい。酸化銅の配合量が前記範囲内であれば、成形品の機械物性を維持しつつ、成形品の高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる。
温度297℃、荷重49Nにおけるフッ素樹脂材料の溶融流速は、1〜100g/10分が好ましく、4〜42g/10分がより好ましい。フッ素樹脂材料の溶融流速が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂材料の成形性に優れる。フッ素樹脂材料の溶融流速が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂を含む成形品の機械物性、高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる。
フッ素樹脂材料の溶融流速は、フッ素樹脂の分子量の尺度であり、フッ素樹脂を製造する際の連鎖移動剤の量を調整する方法等で制御できる。また、溶融流速が異なる2種以上のフッ素樹脂を併用することによっても調整できる。
<二軸押出機>
本発明における二軸押出機は、2本のスクリューと、2本のスクリューを内蔵したバレルと、バレルに設けられた原料供給口と、バレルの下流端に設けられたダイとを備える。二軸押出機は、必要に応じてバレルに設けられた真空ベントをさらに備えてもよい。
本発明における二軸押出機は、八の字の貫通孔が形成されたバレルのシリンダに通した2本のスクリューを同方向に回転させる同方向回転二軸押出機であってもよく、2本のスクリューを異方向に回転させる異方向回転押出機でもよい。二軸押出機としては、搬送能力、溶融・混練能力、分離(脱水)能力に優れ、また、連続的な材料の処理が可能であり、樹脂製品の製造プロセスの効率化においても優れている点から、同方向回転二軸押出機が好ましい。
2本のスクリューの噛み合わせは、非噛合型であってもよく、部分噛合型であってもよく、完全噛合型であってもよい。
スクリューとしては、後述する溶融ゾーンをスクリューの任意の位置に組み込むことができるものを用いる必要がある。よって、スクリューとしては、複数のスクリューエレメントをシャフトに装着したものが用いられる。
スクリューエレメントは、軸直角方向に同一の断面形状を有する。スクリューエレメントにおいては、フライトの数を意味する条数と、軸直角方向の断面形状がシャフトを中心として回転する捩れ角とに応じて固有の機能が生じる。スクリューエレメントとしては、機能別に、ロータリーエレメント、ニーディングエレメント、ミキシングエレメントが挙げられる。
ロータリーエレメントは、シャフトを中心として連続的に回転する捩れ角を有し、搬送能力のあるスクリューエレメントである。
ニーディングエレメントは、捩れ角がない複数の板状のディスクで構成されるスクリューエレメントである。
ミキシングエレメントは、正ねじのフルフライトエレメントに切り欠きを形成したスクリューエレメント、または逆ねじのフルフライトエレメントに切り欠きを形成したスクリューエレメントである。ミキシングエレメントは、セルフクリーニング性を有していてもよく、セルフクリーニング性を有していなくてもよい。
本発明における二軸押出機のスクリューとしては、ロータリーエレメント、ニーディングエレメントおよびミキシングエレメントで構成されているものが好適に用いられる。
本発明における二軸押出機は、スクリューエレメントのうちミキシングエレメントおよびニーディングエレメントのいずれか一方または両方が2個以上連続して配置された溶融ゾーンの1個以上を有する。二軸押出機が溶融ゾーンを有ることによって、フッ素樹脂材料が溶融混練される。
また、二軸押出機が溶融ゾーンを有するため、2個以上連続して配置されたミキシングエレメントおよびニーディングエレメントのいずれか一方または両方よって、フッ素樹脂材料の二軸押出機中での滞留時間が長くなる。そして、溶融ゾーンをフッ素樹脂材料が通過する際には、スクリューによるせん断熱がフッ素樹脂材料に与えられ、フッ素樹脂材料が溶融された状態となるため、フッ素樹脂材料とスクリューとの間の密着性が向上し、ベントアップの発生が抑えられる。一方、溶融ゾーンがない場合、フッ素樹脂材料は未溶融または半溶融の状態になり、フッ素樹脂材料とスクリューとの間の密着性が低下し、ベントアップが発生しやすくなる。
溶融ゾーンの数は、1個または2個であり、1個がより好ましい。溶融ゾーンの数が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂材料が溶融混練される。溶融ゾーンの数が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂材料のスクリューによるせん断発熱または変形圧縮作用が抑えられ、フッ素樹脂の必要以上の分解が抑えられる。そのため、高温での耐ストレスクラック性に優れる成形品を得ることができる。
溶融ゾーンの合計の長さKDとスクリューの長さLとは、下式Iを満足する。
0.05≦KD/L≦0.3 式I
KD/Lは、0.05〜0.27が好ましく、0.06〜0.25がより好ましい。KD/Lが前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂材料が溶融混練される。KD/Lが前記範囲の上限値以下であれば、スクリューによるフッ素樹脂材料への過度のせん断発熱および変形圧縮による内部発熱が抑制され、フッ素樹脂の必要以上の分解が抑えられる。そのため、高温での耐ストレスクラック性に優れる成形品を得ることができる。
バレルは、複数のバレルブロックが直列に連結されたものである。
バレルブロックには、スクリューの断面形状に対応した貫通孔が形成されている。
真空ベントは、フッ素樹脂材料が二軸押出機のスクリューによって溶融混練される際に、フッ素樹脂材料に含まれる低沸成分を除去することを目的に設置される。
真空ベントは、たとえば、真空ベントが付属したバレルブロックを用いることによって二軸押出機に設置できる。真空ベントは、複数のバレルブロックに設けてもよい。
原料供給口が1個のみの場合、原料供給口は、最も上流側にある溶融ゾーンよりも上流側に設けられる。
原料供給口が複数ある場合、原料供給口のうち最も上流側にある第1の原料供給口は、最も上流側にある溶融ゾーンよりも上流側に設けられ、他の原料供給口は、最も上流側にある溶融ゾーンよりも下流側に設けられていてもよい。フッ素樹脂は、第1の原料供給口から供給されることが好ましく、他の成分は、第2の原料供給口以降から供給してもよい。
フッ素樹脂材料をペレット化することから、ダイとしては、フッ素樹脂材料を押出してストランドを形成できるものが好ましい。
ダイにおける吐出口の数は、1個であってもよく、複数個であってもよい。ダイとしては、複数本のストランドが形成され、生産性がよい点から、数個〜数十個の吐出口を有するものが好ましい。
<フッ素樹脂材料の製造方法>
本発明の一態様であるフッ素樹脂ペレットの製造方法は、フッ素樹脂を含むフッ素樹脂材料を二軸押出機によって溶融混練した後、ペレット化してフッ素樹脂ペレットを得る方法である。
二軸押出機の原料供給口から投入されたフッ素樹脂材料は、溶融ゾーンを有する二軸押出機中で溶融混練される。
本発明においては、下式IIから求めた、溶融ゾーンにおいてフッ素樹脂材料に作用するせん断応力τは、0.55MPa以下が好ましく、0.40MPa以下がより好ましい。また、せん断応力τは、0.15MPa以上が好ましく、0.25MPa以上がより好ましい。せん断応力τが前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂材料が充分に溶融混練される。せん断応力τが前記範囲の上限値以下であれば、スクリューによるフッ素樹脂材料への過度のせん断発熱および変形圧縮による内部発熱が抑制され、フッ素樹脂の必要以上の分解が抑えられる。そのため、高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる成形品を得ることができる。
τ=γ×η 式II
ただし、γは、下式IIIから求めた、溶融ゾーンにおけるせん断速度(s−1)であり、ηは、フッ素樹脂材料が投入されるバレルブロック(原料供給口が2個以上の場合は、最も下流側にある原料供給口が設けられたバレルブロック)の1つ下流側のバレルブロックから最も下流側にある溶融ゾーンを有するバレルブロックまでの各バレルブロックの設定温度を平均した平均設定温度およびせん断速度γにおけるフッ素樹脂材料の粘度(Pa・s)である。
γ=π×(D−2h)×N/(60×h) 式III
ただし、πは、3.14であり、Dは、バレルの内径(mm)であり、Nは、前記スクリューの回転数(rpm)であり、hは、溶融ゾーンにおけるスクリューエレメンと前記バレル内壁との間の最小チップクリアランス(mm)である。
前記平均設定温度は、フッ素樹脂の融点以上が好ましく、融点+15℃以上がより好ましい。また、前記平均設定温度は、フッ素樹脂の融点+140℃以下が好ましく、融点+130℃以下がより好ましい。平均設定温度が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂材料の溶融が促進され、スクリューによるフッ素樹脂の分子鎖の切断による必要以上の分解が抑制される。そのため、高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる成形品を得ることができる。平均設定温度が前記範囲の上限値以下であれば、熱によるフッ素樹脂の酸化分解が抑制される。そのため、高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる成形品を得ることができる。
前記せん断速度γは、1000秒−1以上が好ましく、1000秒−1以上5000秒−1未満がより好ましく、1500秒−1以上3000秒−1未満がさらに好ましい。せん断速度γが前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂材料が充分に溶融混練される。せん断速度γが前記範囲の上限値未満であれば、スクリューのせん断によるせん断発熱が低減されるため、フッ素樹脂の熱分解が抑制される。そのため、高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる成形品を得ることができる。
前記スクリューの回転数Nは、100〜450rpmが好ましく、150〜400rpmがより好ましい。スクリューの回転数Nが前記範囲内であれば、スクリューのせん断によるフッ素樹脂の分解を抑えつつ、フッ素樹脂材料が充分に溶融混練される。
本発明においては、温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおけるフッ素樹脂材料の溶融流速α1(g/10min)と、温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおけるフッ素樹脂ペレットの溶融流速α2(g/10min)とが、下式IVを満足することが好ましい。
α2−α1≦5 式IV
α2−α1は、3.5以下がより好ましい。また、α2−α1は、−5以上が好ましく、−3以上がより好ましい。α2−α1が前記範囲の下限値以上であれば、スクリューによるフッ素樹脂材料の混練度が小さくなりすぎず、フッ素樹脂材料が充分に溶融混練されていることを示している。α2−α1が前記範囲の上限値以下であれば、スクリューによるフッ素樹脂材料の混練度が大きくなりすぎず、スクリューのせん断によるせん断発熱が低減されるため、フッ素樹脂の熱分解が抑制されていることを示している。そのため、高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる成形品を得ることができる。
本発明においては、下式Vから求めた混練度は、0.1〜8が好ましく、1.0〜5.0がより好ましい。
混練度=(60×D×N×10−7)/Q 式V
ただし、Dは、バレルの内径(mm)であり、Nは、スクリューの回転数(rpm)であり、Qは、二軸押出機からのフッ素樹脂材料の吐出量(kg/h)である。
混練度が前記範囲の下限値以上であれば、フッ素樹脂材料が充分に溶融混練される。混練度が前記範囲の上限値以下であれば、スクリューのせん断によるせん断発熱が低減されるため、フッ素樹脂の熱分解が抑制される。そのため、高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる成形品を得ることができる。
二軸押出機によって溶融混練されて得られた溶融状態のフッ素樹脂材料は、たとえば、ダイから押し出されてストランドとなる。ストランドは、ペレタイザによって切断され、ペレットが得られる。
溶融状態のフッ素樹脂材料を押し出す条件は、特に制限はなく、公知の条件を適宜採用できる。
ストランドの直径は、1〜10mmが好ましく、1〜6mmがより好ましく、2〜5mmがさらに好ましい。ストランドの直径が前記範囲の下限値以上であれば、ストランドが細すぎることなく、ペレタイザで切断される前にストランドが切れにくい。ストランドの直径が前記範囲の上限値以下であれば、ストランドが太すぎることなく、冷却に時間がかからず、所望の品質、形状のペレットを得やすい。ペレットの形状が不均一の場合、ペレットを成形する際に、成形機においてペレットの供給が不安定となるおそれがある。
ダイから吐出された直後のストランドの温度は、フッ素樹脂の融点+10℃以上150℃未満が好ましく、融点+20〜130℃がより好ましく、融点+30〜100℃がさらに好ましい。ストランドの温度が前記範囲の下限値以上であれば、ダイの吐出口からのメルトフラクチャが低減されることによって、ストランドの安定性が増す。ストランドの温度が前記範囲の上限値以下であれば、フッ素樹脂の分解が抑えられる。
ストランドの搬送手段は、ストランドを搬送できるものであればよく、特に制限はない。搬送手段としては、ベルトコンベア、メッシュコンベア、ネットコンベア、ペレタイザによる引き取り等が挙げられる。
ストランドは、冷却されることが好ましい。ストランドは、空冷してもよく、水冷してもよい。空冷方法としては、送風機等を用いる方法、搬送手段によって搬送する際に放冷する方法等が挙げられる。水冷方法としては、容器に充填された水等の冷却用溶液にストランドを浸す方法、冷却用溶液をストランドに吹き付ける方法等が挙げられる。
冷却後のストランドの温度(すなわち、切断時のストランドの温度)は、35〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましく、70〜120℃がさらに好ましい。冷却後のストランドの温度が前記範囲の下限値以上であれば、ストランドの弾性率が高くなりすぎず、ペレタイザにかかる負荷が小さくなり、ストランドカッタのベアリングを傷める等の設備故障が抑えられる。冷却後のストランドの温度が前記範囲の上限値以下であれば、ストランドの弾性率が低くなりすぎず、ペレタイザによるストランドの切断性がよくなる。
ペレタイザは、ストランドを切断してペレットにするものである。ペレタイザは、通常、ストランドカッタを備えており、ストランドカッタによって冷却されたストランドを切断してペレットにする。
ストランドカッタは、たとえば、固定刃および回転刃を備える。ストランドが固定刃と回転刃とに挟まれることによって所定の長さに切断され、ペレットが得られる。
回転刃としては、通常、中心軸方向の長さが80〜550mmであり、直径が160〜360mmであるものが好適に用いられる。
回転刃が備える刃の数は、複数であればよく、特に制限はない。
回転刃が備える刃の材質としては、WC−Co系合金、TiN−Ni系合金、TiC−Ni系合金、Feを主成分とする合金属類等が挙げられる。
回転刃の周速度は、10〜30m/秒が好ましく、12〜25m/秒がより好ましく、13〜20m/秒がさらに好ましい。
本発明の製造方法によって得られたフッ素樹脂ペレットは、電線の被覆層の材料として好適に用いられる。
本発明の製造方法によって得られたフッ素樹脂ペレットは、各種成形品の材料として用いてもよい。成形品としては、国際公開第2015/182702号の段落[0041]〜[0044]に記載されたものが挙げられる。成形品は、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、回転成形、静電塗装等の従来公知の成形方法によって製造できる。
以上説明した本発明のフッ素樹脂ペレットの製造方法にあっては、二軸押出機として、溶融ゾーンの数が1個または2個であり、かつ溶融ゾーンの合計の長さKDとスクリューの長さLとの比(KD/L)が0.05〜0.3であるものを用いているため、スクリューによるフッ素樹脂材料への過度のせん断発熱および変形圧縮による内部発熱を抑制してフッ素樹脂の必要以上の分解を抑えつつ、フッ素樹脂材料を溶融混練できる。そのため、高温での耐ストレスクラック性に優れる成形品を得ることができるフッ素樹脂ペレットを製造できる。
<電線の製造方法>
本発明の一態様である電線の製造方法は、本発明のフッ素樹脂ペレットの製造方法によってフッ素樹脂ペレットを得て、フッ素樹脂ペレットを溶融して芯線のまわりに押し出すことによって被覆層を形成する方法である。
具体的には、単軸押出機等によってフッ素樹脂ペレットを溶融し、ダイスの吐出口から芯線のまわりに押し出して、芯線のまわりに被覆層を形成することによって電線を製造できる。
電線の製造に用いる装置としては、電線ダイスクロスヘッドが設けられた押出機等が挙げられる。
本発明の電線の製造方法によって得られる電線は、被覆層が高温での剛性に優れるとともに、耐ストレスクラック性に優れるため、下記の用途の電線として好適に用いることができる。
(1)ロボット、電動機、発電機、変圧器等の電気機械、家庭用電気機器の電線。
(2)電話、無線機等の通信用伝送機器の電線。
(3)コンピュータ、データ通信機器、端末機器等の電子機器の電線。
(4)鉄道車両用電線。
(5)自動車用電線。
(6)航空機用電線。
(7)船舶用電線。
(8)ビル、工場幹線、発電所、石油化学、製鉄プラント等のシステム構成用電線。
(9)石油掘削向け電力、通信ケーブル等、各種機器類の電線。
<フッ素樹脂ペレット>
本発明の一態様であるフッ素樹脂ペレットは、上述したE単位と、TFE単位と、その他の単量体単位とを有する共重合体を含むフッ素樹脂ペレットである。共重合体は、主鎖末端に水酸基を有していてもよい。
共重合体におけるE単位とTFE単位とのモル比(E単位/TFE単位)は、30/70〜60/40であり、35/65〜60/40が好ましい。
共重合体を構成する全単位のうちのその他の単量体単位の割合は、0.7〜2.4モル%であり、0.9〜2.2モル%が好ましい。
本発明においては、温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおけるフッ素樹脂ペレットの溶融流速α3(g/10min)と、温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおける下記被覆層の溶融流速α4(g/10min)とが、下式VIを満足する。
α4−α3≧2 式VI
被覆層:バレルの内径が30mmであり、スクリューの長さLとバレルの内径Dとの比(L/D)が24である単軸押出機を用い、バレルの上流側温度280℃、バレルの下流側温度320℃、ダイスの温度320℃、スクリュー回転数40rpmの条件下でフッ素樹脂ペレットを溶融して芯線のまわりに押し出すことによって厚さが0.5mmである被覆層を形成して得られた直径2.8±0.02mmの電線における被覆層。
α4−α3は、2以上であり、2.2以上が好ましい。また、α4−α3は、7.5以下が好ましく、6.0以下がより好ましい。α4−α3が前記範囲の下限値以上であれば、スクリューによる溶融混練が充分になされていることを示している。α4−α3が前記範囲の上限値以下であれば、スクリューによるフッ素樹脂ペレットの混練度が大きくなりすぎず、スクリューのせん断によるせん断発熱が低減されるため、フッ素樹脂の熱分解が抑制されていることを示している。そのため、高温での耐ストレスクラック性がさらに優れる被覆層を形成できる。
α4−α3を前記範囲内に調整するためには、シリンダ設定温度を調整したり、スクリュー回転数を調整したりすればよい。α4−α3の値が下限値未満の場合、シリンダ温度を上げ、スクリュー回転数を増加させる。α4−α3の値が上限値より大きい場合、シリンダ温度を下げ、スクリュー回転数を減少させればよい。
以上説明した本発明のフッ素樹脂ペレットにあっては、E単位、TFE単位およびその他の単量体単位を特定の割合で有する共重合体を含み、α4−α3が2以上であるため、高温での耐ストレスクラック性に優れる成形品を得ることができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例1〜4は実施例であり、例5〜7は比較例である。
(各単位の割合)
フッ素樹脂における各単位の割合は、溶融NMR分析、フッ素含有量分析および赤外吸収スペクトル分析によって測定したデータから算出した。
(フッ素樹脂の融点)
示差走査熱量計(セイコーインスツル社製、DSC7020)を用い、フッ素樹脂材料を10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、フッ素樹脂の融解ピークの最大値に対応する温度(℃)を融点とした。
(フッ素樹脂材料の溶融粘度)
キャピラリーレオメーター(東洋精機社製、キャピログラフ1C)を用い、温度:300℃、予熱時間:5分、キャピラリー径:1mm、キャピラリー長:10mmの条件でフッ素樹脂材料の溶融粘度を測定した。
(フッ素樹脂材料等の溶融流速)
テクノセブン社製のメルトフローテスタを用い、温度:297℃、予熱時間:5分間、荷重:49Nの条件で、直径:2.1mm、長さ:8mmのオリフィス中にフッ素樹脂材料(フッ素樹脂ペレットまたは被覆層)を押し出すときの押出速度(g/10分)を求め、これを溶融流速とした。
(耐ストレスクラック性)
バレルの内径が30mmであり、スクリューの長さLとバレルの内径Dとの比(L/D)が24である単軸押出機を用い、バレルの上流側温度280℃、バレルの下流側温度320℃、スクリュー回転数40rpmの条件下でフッ素樹脂ペレットを溶融し、ダイスの温度320℃、DDR(Draw−Down Ratio)16、引き取り速度10m/分の条件下で1.8mmの芯線(スズメッキ銅撚線)のまわりに押し出すことによって厚さが0.5mmである被覆層を形成し、電線を得た。
電線を190℃で96時間アニール処理した。アニール処理後、電線を電線自体に8巻き以上巻きつけ(自己径巻きつけ)、サンプルを作製した。サンプルをギヤオーブンで200℃、1時間暴露し、クラックの有無を確認した。サンプル数は5個とした。5個のサンプル中のクラックが発生したサンプルの数を数え、クラック発生率を求めた。
(フッ素樹脂材料の製造)
内容積が430Lの撹拌機付き重合槽内を脱気した。重合槽内に、CF(CFHの418.2kg、PFBEの2.12kg、メタノールの3.4kgを入れ、撹拌しながら66℃まで昇温した。重合槽内に、TFE/エチレン=84/16(モル比)の混合ガスを、重合槽内の圧力が1.5MPa[gauge]になるまで導入した。重合槽内に、50質量%のtert−ブチルペルオキシピバレートのCF(CFH溶液の26gおよびCF(CFHの4974gを混合した溶液を注入し、重合を開始した。重合中は、重合槽内の圧力が1.5MPa[gauge]となるようにTFE/エチレン=54/46(モル比)の混合ガス、および混合ガスに対して1.4モル%に相当する量のPFBEを連続的に導入した。TFE/エチレン混合ガスの34kgを仕込んだ後、重合槽を冷却し、残留ガスをパージし、重合を終了させた。
重合槽内のスラリーを850Lの造粒槽へ移し、340Lの水を加えて撹拌しながら加熱することによって、溶媒および未反応の単量体を除去し、造粒物を得た。造粒物を150℃で5時間乾燥して、フッ素樹脂材料の34kgを得た。
フッ素樹脂材料に含まれる共重合体におけるE単位とTFE単位とのモル比(E単位/TFE単位)は、45.0/55.0(モル比)であり、その他の単量体単位の割合は、共重合体を構成する全単位のうち、1.7モル%であった。
フッ素樹脂材料に含まれる共重合体の融点は、261℃であった。
フッ素樹脂材料の溶融流速α1は、28.3g/10minであった。
(二軸押出機)
二軸押出機として、完全噛合型同方向回転二軸押出機(Technovel社製、KZW15TW−45MG−NH)を用意した。
スクリューの全体の長さLとバレルの内径Dとの比L/D:26.2、
バレルの内径D:15mm、
ニーディングエレメントとバレル内壁との間の最小チップクリアランスh:1.0mm、
バレルブロックの数:5個、
ストランドダイヘッド:テクノベル社製、STD321(ダイにおける吐出口の口径:4mm、吐出口の数:4個)。
(ペレット化)
冷却水槽として、テクノベル社製のSCB250−2000(幅:250mm×深さ:250mm×長さ:2000mm)を用意した。
ペレタイザとして、テクノベル社製のSCP−302(回転刃の直径:100mm、回転刃の中心軸方向の長さ:100mm、回転刃が備える刃の数:10枚)を用意した。
(例1)
図1は、例1で用いた二軸押出機を示す概略構成図である。
二軸押出機10は、2本のスクリュー(図示略)と、2本のスクリューを内蔵したバレル12と、バレル12に設けられた原料供給口16と、バレル12の下流端に設けられたストランドダイヘッド18とを備える。
バレル12は、上流側から第1のバレルブロックC1、第2のバレルブロックC2、第3のバレルブロックC3、第4のバレルブロックC4、第5のバレルブロックC5を順に備える。
原料供給口16は、第1のバレルブロックC1に設けられている。
二軸押出機10は、第4のバレルブロックC4の一部から第5のバレルブロックC5の一部にかけて溶融ゾーンZ1を有する。溶融ゾーン以外のスクリューエレメントは、すべてロータリーエレメントである。スクリューの長さL、バレルの内径D、L/D、溶融ゾーンの長さKD、KD/D、KD/Lを表1に示す。
二軸押出機10の原料供給口16からフッ素樹脂材料を投入し、二軸押出機10中でフッ素樹脂材料を溶融混練した。各バレルブロックC1〜C5の設定温度、ヘッドおよびダイの設定温度、バレルブロックC2〜C5の平均設定温度、スクリューの回転数N、溶融ゾーンにおけるせん断速度γ、フッ素樹脂材料の粘度η、溶融ゾーンにおいてフッ素樹脂材料に作用するせん断応力τ、二軸押出機からのフッ素樹脂材料の吐出量Q、混練度を表1に示す。
二軸押出機10によって溶融混練されたフッ素樹脂材料をストランドダイヘッド18から押し出してストランドとした。ストランドを冷却水槽で水冷した後、ペレタイザによって切断し、フッ素樹脂ペレットを得た。引き取り速度は10〜20m/minの範囲で調整した。フッ素樹脂材料の溶融流速α1、フッ素樹脂ペレットの溶融流速α2、α2−α1、フッ素樹脂ペレットの溶融流速α3、被覆層の溶融流速α4、α4−α3、クラック発生率を表1に示す。
(例2〜例7)
二軸押出機における溶融ゾーンの数、溶融ゾーンの位置、溶融ゾーンの長さKDを表1に示すように変更し、溶融混練条件を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にして、例2〜例7のフッ素樹脂ペレットを得た。結果を表1に示す。
Figure 0006915429
例5は、二軸押出機が溶融ゾーンを有していなかったため、フッ素樹脂材料を溶融混練できず、フッ素樹脂ペレットを得ることができなかった。
例6、7は、KD/Lが0.3を超えたため、電線の被覆層としたときの高温での耐ストレスクラック性が劣った。
本発明の製造方法で得られたフッ素樹脂材料は、電線の被覆層等として有用である。
10 二軸押出機、12 バレル、16 原料供給口、18 ストランドダイヘッド、C1 第1のバレルブロック、C2 第2のバレルブロック、C3 第3のバレルブロック、C4 第4のバレルブロック、C5 第5のバレルブロック、Z1 溶融ゾーン。

Claims (7)

  1. フッ素樹脂を含むフッ素樹脂材料を二軸押出機によって溶融混練した後、ペレット化してフッ素樹脂ペレットを得る方法であり、
    前記二軸押出機は、複数のスクリューエレメントをシャフトに装着したスクリューと、2本の前記スクリューを内蔵したバレルとを備え、
    前記二軸押出機は、前記スクリューエレメントのうちミキシングエレメントおよびニーディングエレメントのいずれか一方または両方が2個以上連続して配置された溶融ゾーンの1個または2個を有し、
    前記溶融ゾーンの合計の長さKDと前記スクリューの長さLとが、下式Iを満足し、
    下式IIから求めた、前記溶融ゾーンにおいて前記フッ素樹脂材料に作用するせん断応力τが、0.55MPa以下である、電線の被覆層用のフッ素樹脂ペレットの製造方法。
    0.05≦KD/L≦0.3 式I
    τ=γ×η 式II
    ただし、γは、下式IIIから求めた、前記溶融ゾーンにおけるせん断速度(s−1)であり、ηは、前記フッ素樹脂材料が投入されるバレルブロックの1つ下流側のバレルブロックから最も下流側にある溶融ゾーンを有するバレルブロックまでの各バレルブロックの設定温度を平均した平均設定温度および前記せん断速度γにおける前記フッ素樹脂材料の粘度(Pa・s)である。
    γ=π×(D−2h)×N/(60×h) 式III
    ただし、πは、3.14であり、Dは、前記バレルの内径(mm)であり、Nは、前記スクリューの回転数(rpm)であり、hは、前記溶融ゾーンにおけるスクリューエレメントと前記バレル内壁との間の最小チップクリアランス(mm)である。
  2. 前記フッ素樹脂材料が投入されるバレルブロックの1つ下流側のバレルブロックから最も下流側にある溶融ゾーンを有するバレルブロックまでの各バレルブロックの設定温度を平均した平均設定温度が、前記フッ素樹脂の融点以上、前記フッ素樹脂の融点+140℃以下である、請求項1に記載の電線の被覆層用のフッ素樹脂ペレットの製造方法。
  3. 温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおける前記フッ素樹脂材料の溶融流速α1(g/10min)と、温度297℃、予熱時間5分間および荷重49Nにおける前記フッ素樹脂ペレットの溶融流速α2(g/10min)とが、下式IVを満足する、請求項1又は2に記載の電線の被覆層用のフッ素樹脂ペレットの製造方法。
    α2−α1≦5 式IV
  4. 下式Vから求めた混練度が、0.1〜8である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電線の被覆層用のフッ素樹脂ペレットの製造方法。
    混練度=(60×D×N×10−7)/Q 式V
    ただし、Dは、前記バレルの内径(mm)であり、Nは、前記スクリューの回転数(rpm)であり、Qは、前記二軸押出機からの前記フッ素樹脂材料の吐出量(kg/h)である。
  5. 前記フッ素樹脂が、エチレンに基づく単位およびテトラフルオロエチレンに基づく単位を有する共重合体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電線の被覆層用のフッ素樹脂ペレットの製造方法。
  6. 前記フッ素樹脂が、エチレンに基づく単位と、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、エチレンおよびテトラフルオロエチレンと共重合可能な、エチレンおよびテトラフルオロエチレンを除くその他の単量体に基づく単位とを有する共重合体であり、
    前記テトラフルオロエチレンに基づく単位に対する前記エチレンに基づく単位のモル比が、30/70〜60/40であり、
    前記共重合体を構成する全単位のうちの前記その他の単量体に基づく単位の割合が、0.7〜2.4モル%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電線の被覆層用のフッ素樹脂ペレットの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電線の被覆層用のフッ素樹脂ペレットの製造方法によってフッ素樹脂ペレットを得て、
    前記フッ素樹脂ペレットを溶融して芯線のまわりに押し出すことによって被覆層を形成する、電線の製造方法。
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