JP4824346B2 - エマルション型蓄熱材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はエマルション蓄熱材の製造方法に関して、冷暖を繰り返してもエマルション粒子を良好に安定化できるものを提供する。
物質の相変化に伴って生じる潜熱を利用するための蓄熱材として、氷や脂肪族炭化水素に代表される有機化合物、無機塩などが知られている。その中の脂肪族炭化水素を利用する蓄熱材として、エマルション型、カプセル型、固定型などが検討されているが、熱効率や制御の容易性を考慮すると流動性のあるエマルション型、カプセル型が優れている。
上記エマルション型はカプセル型に比べて調製が容易であるため、コスト的に有利であり、大量供給の点からも今後の主流になると考えられるが、その反面、冷暖の繰り返しにおける安定性がカプセル型よりも劣るという問題がある。
即ち、一般的なエマルションでは、エマルションを構成する粒子と乳化剤が分子間力の作用で相互に引き合うことにより安定化しているが、このようなエマルションを蓄熱及び熱搬送システムに使用すると、冷暖の繰り返しによって粒子内部が固体から液体、或はその逆へと変化するため、その都度粒子自体の体積が大きく変化することになる。このため、界面の乳化剤がその不安定な状態ゆえに脱離し易くなり、要請される長期のエマルション安定性は充分に満足できるレベルではない。
エマルション型蓄熱材の従来技術としては、次のものが挙げられる。
先ず、特許文献1には、長期に相分離を起こさないことを目的として、n−パラフィン(分散質)を水(分散媒)の中に、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤を用いてエマルション化した潜熱型蓄熱材料が開示されている(請求項1、段落9参照)。
特許文献2には、凝固を容易にして蓄熱効率を高めることを目的として(段落6参照)、油性物質(相変化物質)をHLBの低い界面活性剤とHLBの高い界面活性剤の組み合わせによって水中に分散させた蓄熱材が開示されている。当該界面活性剤は、全体のHLBが特定範囲から外れない条件で混合使用でき(段落16参照)、例えば、実施例1では、2種のノニオン性界面活性剤と1種のアニオン性界面活性剤の組み合わせを乳化剤として使用している(段落31参照)。
特許文献3には、油性物質(相変化物質)を水中に分散させる乳化剤の粘度を特定範囲に限定することで、油性物質の分散性を高めて流動性を向上するエマルション型蓄熱材が開示されている(請求項1、段落6、段落46参照)。
当該乳化剤としてはノニオン性界面活性剤を単用しても良い(実施例はこの単用例である)が、ノニオン性とアニオン性界面活性剤、ノニオン性とカチオン性界面活性剤、ノニオン性と両性界面活性剤を併用しても良いことを記載している(段落22参照)。
特許文献4には、特定範囲の融点を有する疎水性脂肪族化合物を分散粒子として水性媒体中に分散させた蓄冷剤を袋内に封入した冷却材が開示されている(請求項1参照)。
アニオン性、ノニオン性、カチオン性の界面活性剤や高分子分散剤(保護コロイドなど)からなる乳化剤により分散粒子のエマルションを形成しても良く(段落24参照)、乳化剤は単用又は併用(例えば、アニオン性とノニオン性界面活性剤の組み合わせ)できることが記載されている(段落29参照)。
一方、特許文献5はマイクロカプセル型蓄熱材に関するもので、パラフィンを含む芯物質をポリウレタン樹脂又はポリウレア樹脂で形成した隔壁に内包した蓄熱材である(請求項1参照)。上記パラフィンを含む油相混合物は乳化剤を用いて水中に分散され(段落26参照)、乳化剤はアニオン性、ノニオン性、両性界面活性剤、或は保護コロイドを単用しても2種以上を併用しても良いことが記載されている(段落28参照)。尚、実施例では保護コロイドを用いて分散している。
また、特許文献6は、相変化物質にパラフィン類を使用する蓄熱材ではなく、水(氷)スラリーに関するものであり、氷スラリーを調製する際に、特定の界面活性剤の1種類又は2種類以上を使用し(請求項1〜11、段落4参照)、さらに、当該特定の界面活性剤の他に、公知のアニオン性、カチオン性、両性の界面活性剤を併用できることが記載されている(請求項12〜27、段落68参照)。
特開平7−126614号公報 特開2004−2833号公報 特開2004−231838号公報 特開2004−189999号公報 特開2004−189843号公報 特開2001−131538号公報
上記エマルション型蓄熱材の従来技術では、エマルション安定性を目的とするものもあるが、実際には、冷暖の繰り返しに伴うエマルション安定性は未だ満足すべきものではない(後述の試験例参照)。
本発明は、エマルション蓄熱材の温度変化に対する安定性を向上することを技術的課題とする。
本発明者らは、乳化剤の種類や配合率などを変化させてエマルション蓄熱材の温度変化による安定性を鋭意研究した結果、乳化系に対する相変化物質の添加率や相変化物質に対する乳化剤の添加率を特定範囲に調整する条件下で、特定種の乳化剤を2種類組み合わせると、当該エマルション安定性を良好に向上できることを突き止めた。
即ち、上記特許文献1に記載のようなノニオン性とアニオン性界面活性剤の組み合わせではなく、ノニオン性と両性界面活性剤の組み合わせがエマルション安定性に良好に寄与すること、特に、脂肪族アルコール類のポリオキシアルキレン付加物(ノニオン性界面活性剤)とアミノ酸型両性界面活性剤の組み合わせでは当該寄与が増進されること、また、ノニオン性と両性界面活性剤を混合する場合、主成分のノニオン性界面活性剤に補助成分の両性界面活性剤を多過ぎず、或は少な過ぎない適正な割合で混合するとエマルション安定性への寄与効果をより良く引き出せることなどを見い出して、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、相変化物質を乳化剤を用いて水中に分散させるエマルション型蓄熱材の製造方法において、
上記乳化剤がノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤であるとともに、
水を含む乳化系全体に対する相変化物質の添加率が10〜70重量%であり、相変化物質100重量部に対する上記乳化剤の総添加量が0.5〜200重量部であることを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明2は、上記本発明1において、ノニオン性界面活性剤が、脂肪族アルコール類、脂肪酸類のポリオキシアルキレン付加物、又は芳香環を有するポリオキシアルキレン付加物であることを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明3は、上記本発明1又は2において、両性界面活性剤が、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型の界面活性剤の少なくとも一種であることを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、ノニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の重量混合比が、両性界面活性剤/ノニオン性界面活性剤=1/9〜1/1であることを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明5は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、ノニオン性界面活性剤が脂肪族アルコール類のポリオキシアルキレン付加物であり、且つ、両性界面活性剤がアミノ酸型界面活性剤であることを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかにおいて、乳化工程中又は工程後に、増粘剤を添加することを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明7は、上記本発明1〜6のいずれかにおいて、相変化物質が、C8〜C40のノルマルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィンよりなる群から選ばれた脂肪族炭化水素類の少なくとも一種であることを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明8は、上記本発明1〜7のいずれかにおいて、乳化工程において、さらに過冷却防止剤を添加することを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明9は、上記本発明8において、過冷却防止剤が、相変化物質よりも融点が高く、相変化物質との相溶性が良い脂肪族炭化水素類であることを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法である。
本発明では、ノニオン性と両性界面活性剤の2種の乳化剤を併用して相変化物質を水中に分散するため、エマルション粒子の温度変化に対する安定性が向上し、得られた蓄熱材は冷暖の繰り返しによるエマルション安定性に優れる。
特に、脂肪族アルコール類のポリオキシアルキレン付加物(ノニオン性界面活性剤)とアミノ酸型両性界面活性剤を組み合わせると、エマルション安定性への寄与を増進できる(本発明5参照)。また、主成分のノニオン性界面活性剤に補助成分の両性界面活性剤を多過ぎず、少な過ぎない適正な重量比率、即ち、両性/ノニオン性=1/9〜1/1の割合で混合すると、エマルション安定性への寄与効果をより良く引き出すことができる(本発明4参照)。
(2)本発明では、乳化系に増粘剤を添加して高粘度型の蓄熱材を製造することができる(本発明6参照)。この増粘剤(ポリアクリル酸エマルションなど)を添加して高粘度型の蓄熱材を調製する際には、両性界面活性剤にベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型などの4級アンモニウム塩型使用すると、増粘剤のみの添加では増粘せず、中和剤の添加作業が必要になるが、分子末端がナトリウム等で塩化したアミノ酸型を使用すると、中和作業なしで増粘することができ、蓄熱材の調製作業を簡便化して生産性を高めることができる。
本発明は、ノニオン性と両性界面活性剤の2種の乳化剤を用いて相変化物質を水中に分散したエマルション型蓄熱材であり、増粘剤を添加して高粘度型の蓄熱材にすることもできる。
本発明で使用する相変化物質は、脂肪族炭化水素類、塩化カルシウムや硫酸ナトリウムの水和物などの無機系水和物、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪酸類、そのエステル化物、高級アルコール類、或はその他、固相と液相などの相変化を伴う物質であれば特に制限なく使用できる。
上記相変化物質としては、本発明7に示すように、C8〜C40の脂肪族炭化水素類が好ましく、具体的には、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘネイコサン、ドコサン、テトラコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、トリアコンタンなどのノルマルパラフィン、その各種イソ体であるイソパラフィン、分子内の一部に環構造を含む各種のシクロパラフィンである。より好ましくはC10〜C30の飽和脂肪族炭化水素類であり、特に、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−オクタデカン、或はこれらの混合物が挙げられる。
上記相変化物質は、取り出したい温度及び熱量と、相変化物質の融点とを考慮して、単用又は併用できることはいうまでもない。
上記相変化物質を水中に分散するための乳化剤は、ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の2種の組み合わせである。
上記ノニオン性界面活性剤としては、下記の(1)〜(6)の化合物、その他の公知のものが挙げられる。下記の(1)〜(6)の中では、(1)〜(3)の付加物が好ましい(即ち、脂肪族アルコール類、脂肪酸類のポリオキシアルキレン付加物、又は芳香環を有するポリオキシアルキレン付加物が好ましい;本発明2参照)。
(1)脂肪族アルコール類へのポリオキシアルキレンのエーテル付加生成物、又は芳香環を有するポリオキシアルキレン付加物
(2)脂肪酸類のポリオキシアルキレンのエステル付加生成物
(3)脂肪酸類のポリオキシアルキレンのエステル付加生成物への脂肪族アルコールのエーテル付加生成物
(4)グリセリン等の多価アルコールへのポリオキシアルキレンのエーテル付加生成物
(5)グリセリン等の多価アルコールのポリオキシアルキレンのエーテル付加生成物への脂肪酸類のエステル付加生成物
(6)ヒマシ油又は硬化ヒマシ油へのポリオキシアルキレン付加生成物
上記(1)の脂肪族アルコール類へのポリオキシアルキレンのエーテル付加生成物では、C8〜C22脂肪族アルコール類へのエチレンオキシド(2〜100モル)及び/又はプロピレンオキシド(1〜10モル)のモノ及びジエーテル付加生成物が具体例に挙げられる。上記(1)のうちの脂肪族アルコールエーテルの市販品としては、下記の(a)〜(d)などがある。
(a)FINESURF D系(ポリオキシエチレンデシルエーテル)、BLAUNON EL系(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、BLAUNON CH系(ポリオキシエチレンセチルエーテル)、BLAUNON SR系(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)、BLAUNON EN系(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、COCOSURF系(ポリオキシエチレンヤシアルコールエーテル)、COCOSURF HG系(ポリオキシエチレン精製ヤシアルコールエーテル):青木油脂工業(株)製
(b)エマルゲン 100系(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、エマルゲン 200系(ポリオキシエチレンセチルエーテル)、エマルゲン 300系(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)系、エマルゲン 400系(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)、エマルゲン 1100(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)シリーズ、エマルゲン 4085(ポリオキシエチレンミリスチルエーテル)、エマルゲン 2020G−HA、2025G(ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル)、エマルゲンLS(ポリオキシアルキレンアルキレンアルキルエーテル):花王(株)製
(c)アリポン F−T(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、オイムルギン B系(ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル)、オイムルギン O系(ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル):コグニスジャパン(株)製
(d)EMALEX 100系(ポリオキシエチレンセチルエーテル)、EMALEX 500系(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、EMALEX 600系(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)、EMALEX 700系(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、EMALEX 1600系(ポリオキシエチレンイソセチルエーテル)、EMALEX 1800(ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル)、EMALEX ODシリーズ系(ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル)、EMALEX BHA系(ポリオキシエチレンベヘニルエーテル)、EMALEX DAPEシリーズ(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル):日本エマルジョン(株)製
また、上記(1)の芳香環を有するポリオキシアルキレン付加物の市販品には、BLAUNON DSP、TSP系(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル)、BLAUNON PH系(ポリオキシエチレンフェニルエーテル)、BLAUNON BA系(ポリオキシエチレンベンジルエーテル)、BLAUNON BN系(ポリオキシエチレンβ−ナフチルエーテル)、BLAUNON BEO系(ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル)、BLAUNON BFE系(ポリオキシエチレンビスフェノールFエーテル)(いずれも青木油脂工業(株)製)などがある。
上記(2)のエステル付加生成物では、C12〜C22脂肪酸類へのエチレンオキシド(2〜100モル)及び/又はプロピレンオキシド(1〜10モル)のモノ及びジエステル付加生成物が具体例に挙げられる。当該エステル付加生成物の市販品には、下記の(a)〜(c)などがある。
(a)エマノーン 1112(ポリオキシエチレンモノラウレート)、エマノーン 3199(ポリオキシエチレンモノステアレート)、エマノーン 3299及び3299V(ポリオキシエチレンジステアレート)、エマノーン 4110(ポリオキシエチレンモノオレエート):花王(株)製
(b)BLAUNON L(ポリオキシエチレンモノラウレート)、BLAUNON S(ポリオキシエチレンモノステアレート)、BLAUNON DS系(ポリオキシエチレンジステアレート):青木油脂工業(株)製
(c)EMALEX 800シリーズ(モノステアリン酸ポリエチレングリコール)、EMALEX OEシリーズ(モノオレイン酸ポリエチレングリコール)、EMALEX 200 di−Lなど(ジラウリン酸ポリエチレングリコール)、EMALEX 200 di−Sなど(ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール)、EMALEX DEG−di−ISなど(ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール)、EMALEX 200 di−Oなど(ジオレイン酸ポリエチレングリコール):日本エマルジョン(株)製
上記(3)のエーテル付加生成物では、C12〜C22脂肪酸類のエチレンオキシド(2〜100モル)及び/又はプロピレンオキシド(1〜10モル)のエステル付加生成物への脂肪族アルコールのエーテル付加生成物が具体例に挙げられる。当該エーテル付加生成物の市販品には、EMALEX CWS系(ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル)、EMALEX CWS系(ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル)、EMALEX SWS系(ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル)、EMALEX LWS系(ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、EMALEX LWIS系(イソステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル)(いずれも日本エマルジョン(株)製)などがある。
上記(4)のエーテル付加生成物では、グリセリン等の多価アルコールへのエチレンオキシド(2〜40モル)へのモノ、ジ又はトリエーテル付加生成物が具体例に挙げられる。当該エーテル付加生成物の市販品としては、BLAUNON GL系(ポリオキシエチレングリセロールエーテル)、BLAUNONTMP系(ポリオキシエチレントリメチロールプロパンエーテル)、BLAUNON 240(ポリオキシエチレンソルビトールエーテル)(いずれも青木油脂工業(株)製)などがある。
上記(5)のエステル付加生成物では、グリセリン等の多価アルコールのエチレンオキシド(2〜100)エーテル付加生成物へのC12〜C22の脂肪酸モノ、ジ及びトリエステル付加生成物が具体例に挙げられる。当該エステル付加生成物の市販品には、下記の(a)〜(b)などがある。
(a)BLAUNON PDO系(ポリオキシエチレンペンタエリスリトールジオレート)、ST系(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)、OT(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート):青木油脂工業(株)製
(b)クチナ E24(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン)コグニスジャパン(株)、EMALEX GM系(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン)、EMALEX GWIS−300系(トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル)、EMALEX GWIS−100系(イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル)、EMALEX GWS−300系(トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル)、EMALEX GWS−204(ジステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル)、EMALEX GWS−300系(トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル):日本エマルジョン(株)製
上記(6)の付加生成物では、ヒマシ油又は硬化ヒマシ油へのエチレンオキシド付加生成物が好ましく、その市販品には、下記の(a)〜(d)などがある。
(a)BLAUNON BR系(ポリオキシエチレンヒマシ油)、BLAUNON CW系及びBLAUNON RCW系(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油):青木油脂工業(株)製
(b)エマノーン CH系(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油):花王(株)製
(c)オイムルギンHRE系(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油):コグニスジャパン(株)製
(d)EMALEX HC系(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)、EMALEX C(ポリオキシエチレンヒマシ油)、EMALEX RWIS−100系(イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)、EMALEX RWIS−300系(トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)、EMALEX RWL−100系(ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油):日本エマルジョン(株)製
乳化剤のうちの他方の両性界面活性剤としては、アルキル又はアルケニルベタイン型、アルキル又はアルケニルアミドベタイン型、アルキル又はアルケニルスルホベタイン型、アルキル又はアルケニルアミドスルホベタイン型、イミダゾリン型、アミノ酸型、アミンオキサイド型化合物などが挙げられる。尚、上記アミノ酸型には、β−アラニン型や(アルキル)アミノ脂肪酸型なども包含される。
両性界面活性剤では、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型が好ましい(本発明3参照)。このうち、ベタイン型を具体的に示すと、アルキル又はアルケニルベタイン型、アルキル又はアルケニルアミドベタイン型、アルキル又はアルケニルスルホベタイン型、アルキル又はアルケニルアミドスルホベタイン型がある。
上記ベタイン型の市販品には、下記の(a)〜(f)などがある。
(a)エナジコール C−30B(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液)、エナジコール L−30B(ラウリン酸アミドプロピルベタイン液):ライオン(株)製
(b)アンヒトール 20BS及び24B(ラウリルベタイン)、アンヒトール86B(ステアリルベタイン):花王(株)製
(c)Genagen(ベタイン):クラリアントジャパン(株)製
(d)デヒトン AB30(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、デヒトン K(ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン液)、デヒトン L12(ラウリン酸アミドプロピルベタイン液):コグニスジャパン(株)製
(e)アミポール NO−6S及びアミポールS(ベタイン型界面活性剤):日華化学(株)製
(f)ソフタゾリン CPB(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液)、ソフタゾリン LPB(ラウリン酸アミドプロピルベタイン液)、ソフタゾリン MPB(ミリスチン酸アミドプロピルベタイン液)、ソフタゾリン PKPB(パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン液):川研ファインケミカル(株)製
上記スルホベタイン型の市販品には、ソフタゾリン LSB(ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン液:川研ファインケミカル(株)製)などがある。
上記アミノ酸型の市販品には、下記の(a)〜(b)などがある。
(a)エナジコールCNS(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N′−カルボキシエチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム):ライオン(株)製
(b)ソフタゾリン NS及びSF(N−ヤシ油脂肪酸アシル−N′−カルボキシエチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム)、ソフタゾリン OSF(オレイル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム)、ソフタゾリン PKNS(パーム核油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム):川研ファインケミカル(株)製
上記イミダゾリン型の市販品には、下記の(a)〜(c)などがある。
(a)アンヒトール 20YB(2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン):花王(株)製
(b)エナジコール C−40H(2−アルキル−N′−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン):ライオン(株)製
(c)ソフタゾリン CL(2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)、ソフタゾリン HL(N−ラウロイル−N′−カルボキシメチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム)、ソフタゾリン CH(2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン):川研ファインケミカル(株)製
上記アミンオキサイド型市販品には、下記の(a)〜(b)などがある。
(a)アンヒトール20N(ラウリルジメチルアミンオキサイド):花王(株)製
(b)スタンダモックス C1214(ラウリルジメチルアミンオキサイド液)、O1(オレイルジメチルアミンオキサイド):コグニスジャパン(株)製
(c)ソフタゾリン LAO(ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド液):川研ファインケミカル(株)製
上記ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤は夫々を単用又は併用できる。
また、ノニオン性と両性界面活性剤の好ましい組み合わせとしては、本発明5に示すように、脂肪族アルコール類のポリオキシアルキレン付加物とアミノ酸型界面活性剤の組み合わせが挙げられる。脂肪族アルコール類のポリオキシアルキレン付加物は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどである。アミノ酸型界面活性剤は、例えば、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N′−カルボキシエチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、オレイル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどである。
本発明は、乳化剤としてノニオン性及び両性界面活性剤を併用することに特徴がある。これらの界面活性剤は任意の割合で混合できるが、基本的に主成分のノニオン性界面活性剤の重量比率を補助成分の両性界面活性剤のそれより多くすることが適当である。
ノニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の混合比率(重量比)は、両性/ノニオン性=1/9〜1/1が適当であり、好ましくは1/4〜1/2であり、より好ましくは1/3前後である。両性/ノニオン性=1/9より少なくても、1/1を越えても温度変化に伴うエマルション安定性を損ない易く、エマルション安定性を確保するには、両性とノニオン性界面活性剤を適正な範囲で混合することが重要である(後述の試験例参照)。
ノニオン性界面活性剤と両性界面活性剤は予め混合して乳化系に添加しても良いし、別々に乳化系に添加しても差し支えない。
また、水を含む乳化系全体に対する上記相変化物質の添加率は10〜70重量%であることが必要であり、30〜60重量%が好ましい。10重量%より少ないと蓄熱効率が低下し、70重量%を越えると水の割合が低下して水中油型エマルションが不安定になり、油中水型エマルションに転相する恐れが出て来る。
相変化物質100重量部に対する上記乳化剤の添加率は0.5〜200重量部であり、3〜20重量部が好ましい。0.5重量部より少ないと水性エマルションの生成に支障を来し、200重量部を越えるとコストが増大し、また、熱量に寄与しない物質割合が増して熱量不足になる。
本発明のエマルション型蓄熱材にあっては、乳化系に増粘剤を添加して高粘度型の蓄熱材を調製することができる。高粘度型蓄熱材では、蓄熱材を収容する包装袋が破損した場合にも、流出による周囲の汚損が少なく、また、蓄熱材を包装袋内で均一に存在できるなどの利点がある。
上記増粘剤は水に溶解し易い高分子化合物が好ましく、例えば、アラビアガム、アルギニン・カルボマー、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、合成ケイ酸ナトリウム/マグネシウム、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、シクロデキストリン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。
これらの増粘剤のうち、酸型の増粘剤(アルギン酸、ポリアクリル酸など)を添加して高粘度型蓄熱材を調製する場合、乳化剤の一方の両性界面活性剤にベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型などの4級アンモニウム塩型界面活性剤を使用すると、増粘剤の添加だけでは増粘が不充分で、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水、アミン類などのアルカリ溶液を添加する中和作業が必要になるが、アミノ酸型などの3級アミン系であって分子末端に塩(例えば、ナトリウム塩)構造を有する両性界面活性剤では、増粘剤の添加だけで増粘できるため、この中和作業を省略して蓄熱材の生産性を向上できる。
また、増粘剤を乳化系に添加するには、後述の乳化工程で添加しても良いし、乳化後に添加しても良い。但し、乳化工程後に増粘剤を添加する場合には、蓄熱材エマルションと素早く均一に混合するという観点から、各種の高分子増粘剤は、水溶液又はエマルションの形態であることが望ましく、そのなかでも、ポリ(メタ)アクリル酸などのエマルションが特に望ましい。
この水溶液又はエマルション型増粘剤の市販品には、下記の(a)〜(d)などがある。
(a)アロン A−20L(ポリアクリル酸ソーダ)、アロン A−7180(カルボン酸共重合体ナトリウム塩):東亞合成(株)製
(b)ジュリマー AC−103(ポリアクリル酸ナトリウム)、ジュリマー AC10−S(ポリアクリル酸):日本純薬(株)製
(c)アクアリック DLシリーズ(ポリアクリル酸ナトリウム)、アクアリック TLシリーズ(アクリル酸/マレイン酸共重合体塩)、アクアリック HLシリーズ(ポリアクリル酸)、アロン B−300K(カルボン酸系共重合体)、アロン A−7070(カルボン酸系共重合体):東亞合成(株)製
(d)プライマルASE−60(ポリアクリル酸):ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製
本発明8に示すように、エマルション型蓄熱材の製造に際しては、熱効率低減の原因になる過冷却現象を防止する見地から、過冷却防止剤(氷核剤ともいう)を乳化系に添加することが有効である。
上記過冷却防止剤には、公知のアミン類、アルコール類、カルボン酸類、及び飽和炭化水素類などが使用できるが、相変化物質よりも融点が高く(即ち、早い段階から凝固を起こすことができ)、相変化物質との相溶性も良い飽和脂肪族炭化水素類が好ましい(本発明9参照)。
本発明8に示すように、飽和脂肪族炭化水素類の中では、複数種の飽和脂肪族炭化水素の混合物であるパラフィンワックスがより好ましい。
パラフィンワックスは融点の違いにより各種の製品が市販されているが、使用する相変化物質の融点と相溶性を考慮した上で、特殊精製品を含む各種のパラフィンワックスを単用又は併用できる。代表的な商品としては、日本精蝋、エクソンモービル化学、エッソ石油等が市販している精製パラフィンワックス、高純度精製パラフィンワックス、イソパラフィンが主成分の特殊精製パラフィンワックスなどが挙げられる。
尚、上記パラフィンワックスは、公知のアミン類、アルコール類、カルボン酸類などとは異なり、それ自体が蓄熱材適性を有し、相変化物質と相俟って熱量の増大に寄与するという利点がある。
本発明のエマルション型蓄熱材は、乳化剤を用いて相変化物質を、さらには、必要に応じて増粘剤や過冷却防止剤を水中に乳化分散して製造される(尚、増粘剤は上述のように、乳化工程の後に添加しても良い)。
この乳化分散は、高圧乳化法、転相乳化法などの公知の方法を任意に選択できる。
上記高圧乳化法は、先ず、上記相変化物質、過冷却防止剤などの混合物に対して、乳化剤を水に溶解させた乳化水を加え、予備混合して粗い粒子を形成した後、各種ミキサー、高圧乳化機、高圧吐出型乳化機、高剪断型乳化分散機などを用いて微細乳化する方法である。
上記転相乳化法は、上記相変化物質、過冷却防止剤などの混合物に対し、使用する乳化剤を充分混練した後、攪拌しながら徐々に水を加えて、油中水型エマルションを水中油型エマルションに相反転させる方法である。
本発明のエマルション型蓄熱材には、さらに必要に応じて、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、各種無機塩類などの凍結防止剤、防腐剤、分散剤、消泡剤などの各種添加剤を添加することができる。
本発明のエマルション型蓄熱材は、ビル、家屋などの冷暖房用、食品の冷凍、冷蔵用などの蓄熱、或は、熱搬送システムに好適である。
以下、本発明のエマルション型蓄熱材(高粘度型蓄熱材を含む)の製造実施例、実施例で得られた蓄熱材による温度変化に対するエマルション安定性、熱量評価などの試験例を順次説明する。実施例、試験例の「部」、「%」は重量基準である。
尚、本発明は下記の実施例、試験例などに拘束されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
《エマルション型蓄熱材の製造実施例》
実施例1〜18のうち、奇数番号の実施例2n+1(n=0〜8)は増粘剤を添加しないエマルション型蓄熱材の例、偶数番号の実施例2n+2(n=0〜8)は増粘剤を添加した高粘度型の蓄熱材の例であり、例えば、n=0とした場合の一対の実施例、即ち、実施例1と実施例2では増粘剤の添加の有無を除く組成が共通する(以下、n=1〜8の場合も同様)。実施例1〜18では、ノニオン性と両性界面活性剤の種類及び混合比率(重量)を変えて組み合わせた。実施例1〜10はノニオン性と両性界面活性剤の重量比率が両性/ノニオン性=1/3の例であり、実施例11〜14は両性/ノニオン性=1/3.5の例であり、実施例15〜16は両性/ノニオン性=1/1の例であり、実施例17〜18は両性/ノニオン性=20/1の例である。
また、比較例1はノニオン性界面活性剤だけを使用し、両性界面活性剤を添加しないブランク例であり、比較例2は同組成で増粘剤を添加した例である。比較例3は両性界面活性剤だけを使用し、ノニオン性界面活性剤を添加しないブランク例であり、比較例4は同組成で増粘剤を添加した例である。比較例5はノニオン性とアニオン性界面活性剤を組み合わせたもので、冒述の特許文献1、2、5などに準拠した例であり、比較例6は同組成で増粘剤を添加した例である。
尚、奇数番号の実施例での相変化物質、乳化剤などの組成、乳化剤のうちのノニオン性と両性界面活性剤の種類と混合比率などを図1にまとめた。図2は同様に増粘剤を添加した高粘度型の蓄熱材の相当図である。図1〜2での氷核剤は過冷却防止剤を意味する。
(1)実施例1
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:EMALEX620)1.6部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量30%のラウリン酸アミドプロピルベタイン液(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLPB)1.8部をイオン交換水42.8部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化し、エマルション型蓄熱材を得た。
尚、本実施例1では、固形分100%のノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)1.6部と、30%溶液の両性界面活性剤(ベタイン型)1.8部を混合しているため、ノニオン性と両性界面活性剤の混合比率(重量比率)は、両性/ノニオン性=(1.8×30%)/1.6=1/3である。
(2)実施例2
上記実施例1と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(3)実施例3
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:エマレックス620)1.6部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量30%のラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン液(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLSB)1.8部をイオン交換水42.8部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化し、エマルション型蓄熱材を得た。
(4)実施例4
上記実施例3と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(5)実施例5
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:EMALEX620)1.6部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量30%のN−ヤシ油脂肪酸アシル−N′−カルボキシエチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム溶液(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンNS)1.8部をイオン交換水42.8部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化し、エマルション型蓄熱材を得た。
(6)実施例6
上記実施例5と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(7)実施例7
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:EMALEX620)1.6部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量40%の2−アルキル−N′−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン溶液(花王(株)製:アンヒトール20YB)1.3部をイオン交換水43.2部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化し、エマルション型蓄熱材を得た。
(8)実施例8
上記実施例7と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリア
クリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(9)実施例9
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部と非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:エマレックス620)1.6部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量35%のラウリルジメチルアミンオキサイド(花王(株)製:アンヒトール20N)1.5部をイオン交換水43.0部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化し、エマルション型蓄熱材を得た。
(10)実施例10
上記実施例9と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリア
クリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(11)実施例11
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.)(花王(株)製:エマノーンCH−40)1.6部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量30%のN−ヤシ油脂肪酸アシル−N′−カルボキシエチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンNS)1.8部をイオン交換水42.8部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化してエマルション型蓄熱材を得た。
(12)実施例12
上記実施例11と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(13)実施例13
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンモノラウレート(12E.O.)(花王(株)製:エマノーン1112)1.6部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量30%のN−ヤシ油脂肪酸アシル−N′−カルボキ シエチル−N′−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンNS)1.8部をイオン交換水42.8部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化して、エマルション型蓄熱材を得た。
(14)実施例14
上記実施例13と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(15)実施例15
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:EMALEX620)1.1部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量30%のラウリン酸アミドプロピルベタイン液(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLPB)3.6部をイオン交換水41.5部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化し、エマルション型蓄熱材を得た。
(16)実施例16
上記実施例11と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリ
アクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(17)実施例17
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:EMALEX620)0.1部を溶解させ、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量30%のラウリン酸アミドプロピルベタイン液(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLPB)6.7部をイオン交換水39.3部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化して、エマルション型蓄熱材を得た。
尚、本実施例17では、固形分100%のノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)0.1部と、30%溶液の両性界面活性剤(ベタイン型)6.7部を混合しているため、ノニオン性と両性界面活性剤の混合比率(重量比率)は、両性/ノニオン性=(6.7×30%)/0.1=20/1である。
(18)実施例18
上記実施例17と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(19)比較例1
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:EMALEX620)2.2部を溶解させ、均一に混合した。
次に、この相変化物質、過冷却防止剤と非イオン性界面活性剤の混合溶液に、このイオン交換水44.0部を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。 得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化して、エマルション型蓄熱材を得た。
(20)比較例2
上記比較例1と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(21)比較例3
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部とを溶解させて、均一に混合した。
また、両性界面活性剤として含量30%のラウリン酸アミドプロピルベタイン溶液(川研ファインケミカル製(株):ソフタゾリンLPB)7.2部をイオン交換水39.0部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化して、エマルション型蓄熱材を得た。
(22)比較例4
上記比較例3と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
(23)比較例5
相変化物質として融点約25℃のn−パラフィン混合物(ジャパンエナジー(株)製:カクタスノルマルパラフィンTS−897)43.1部、過冷却防止剤として融点69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製:パラフィンワックス−155)10.8部、非イオン性界面活性としてポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)(日本エマルジョン(株)製:EMALEX620)1.6部を溶解させ、均一に混合した。
また、イオン性界面活性剤として含量24%のポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸半エステル二ナトリウム塩水溶液((株)日本触媒製:ソフタノールMES−9)2.2部をイオン交換水42.3部に溶解させて、界面活性剤水溶液を調製した。
そして、上記相変化物質、過冷却防止剤の混合溶液に、この界面活性剤水溶液を投入、撹拌混合し、予備乳化を行った。得られた予備乳化物をマントンガウリン社製の高圧乳化機により300kg/cm2の圧力で高圧乳化して、エマルション型蓄熱材を得た。
尚、本比較例5でのノニオン性とアニオン性の混合比率(重量比率)は、アニオン性/ノニオン性=(2.2×24%)/1.6=1/3であって、本発明のノニオン性と両性の好ましい比率の範囲内(1/9〜1/1)に一応合わせた。
(24)比較例6
上記比較例5と同様の操作を行った後、得られた高圧乳化物100部に対してポリアクリル酸型増粘剤(プライマルASE−60:ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)2.0部を加えて混合した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整し、高粘度型の蓄熱材を得た。
《エマルション型蓄熱材の評価試験例》
そこで、奇数番号の実施例2n+1(n=0〜8)及び奇数番号の比較例2n+1(n=0〜2)で得られた各エマルション型蓄熱材(即ち、増粘剤を添加しない低粘度のエマルション形態の蓄熱材)について、以下の方法で各種の評価試験を行った。
(a)蓄熱材の熱量測定
示差走査熱量計を使用し、昇温速度5℃/分で−10℃から65℃へ昇温させて、潜熱量を測定した。
(b)蓄熱材の冷暖の繰り返しによるエマルションの安定性試験
温度を5℃の40℃に変化させる冷暖の繰り返しによって、蓄熱材の外観状態を目視観察することによって評価した。その基準は次の通りである。
○:試験中、冷暖の繰り返し回数が100回以上を経過した時点においても、蓄熱材の状態は変化せず、安定であった。
△:試験中、冷暖の繰り返し回数が100回を超すまでに、蓄熱材のエマルションが破壊され、油相と水相が分かれ、相分離を起こした。
×:試験中、冷暖の繰り返し回数が10回を超すまでに、蓄熱材のエマルションが破壊され、油相と水相が分かれ、相分離を起こした。
図1の下2欄はその評価試験結果である。
両性界面活性剤だけを使用した比較例2では10回までにエマルションが破壊され、ノニオン性だけを使用した比較例1では冷暖サイクルの繰り返し回数が100回までにエマルションが破壊された。ノニオン性とアニオン性を併用した比較例3では、比較例1と同様の評価であった。
これに対して、ノニオン性と両性界面活性剤を併用した奇数番号の実施例では、実施例9と17が100回までにエマルションの安定性が崩れたが、他のすべては100回を越えてもエマルションは安定に保持された。
以上の点から、乳化剤にノニオン性と両性界面活性剤のいずれか一方だけを単用するか、ノニオン性とアニオン性を併用した比較例では、エマルション型蓄熱材の温度変化に対するエマルション安定性はかなり劣るか、不充分であるが、これらの比較例に対して、ノニオン性と両性を併用した実施例は、エマルション安定性の面で概ね顕著な優位性を有することが明らかになった。
実施例同士を詳細に検討すると、実施例9では両性界面活性剤にアミンオキシドを使用したために、他の実施例に比べて温度変化に対する安定性の評価が後退した。これによって、当該安定性の向上には、両性にベタイン型(スルホベタイン型を含む)、アミノ酸型、イミダゾリン型を使用することが好ましい点が判明した。
また、実施例17ではノニオン性と両性の混合比率が両性過剰に傾いたために、他の実施例に比べて安定性の評価が後退した。前述したように、本発明の乳化剤の併用方式では、ノニオン性が主体で両性が補助的であるため、その混合比率は両性/ノニオン性=1/9〜1/1程度が好ましく、両性がノニオン性界面活性剤より過剰になるとエマルション安定性への寄与が減じる点が裏付けられた。
一方、熱量評価では、実施例のエマルション型蓄熱材は高い熱効率を有することが確認された。但し、熱量評価では実施例と比較例の間であまり差異はなかった。
《高粘度型蓄熱材の評価試験例》
次いで、偶数番号の実施例2n+2(n=0〜8)及び偶数番号の比較例2n+2(n=0〜2)で得られた各高粘度型蓄熱材(即ち、増粘剤を添加し、中和することにより得られる高粘度(ペースト状)の蓄熱材)について、以下の方法で各種の評価試験を行った。
(a)冷暖の繰り返しによる安定性試験
先ず、低密度ポリエチレン製袋(7.5cm×12cm)に各高粘度型蓄熱材を20gずつ詰め、袋を融着した。
そして、温度を5℃と40℃に変化させる冷暖の繰り返し作業によって、蓄熱材の外観状態を目視観察して、安定性を評価した。その基準は前記エマルション型蓄熱材の場合と同様であり、○と△と×の3段階で評価した。
(b)増粘剤を添加する際の操作性評価
高粘度型の蓄熱材では、エマルション型蓄熱材に増粘剤を添加して増粘させる必要があったが、その際に、増粘剤のみの添加で増粘するか、或いは増粘剤のみの添加では増粘せず、中和剤(具体的には、10%の水酸化ナトリウム水溶液)を添加して中和増粘させる操作(中和操作)が必要であるか否かの操作性の確認評価を行った。
図2の下から3欄目と最下欄はその評価試験結果である。
冷暖の繰り返しによるエマルション安定性の評価試験では、概ねエマルション型蓄熱材と同様の評価であり、ノニオン性と両性界面活性剤を併用した偶数番号の実施例は、ノニオン性と両性界面活性剤の一方だけを単用した比較例2、4、或は他の界面活性剤を組み合わせた比較例6(ノニオン性とアニオン性の併用)より優れた評価であった。
但し、ノニオン性界面活性剤にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノラウレートを使用した実施例12と14の安定性評価は、両性界面活性剤にアミンオキシドを使用した実施例10や、両性界面活性剤をノニオン性に比べて過剰添加した実施例18と同水準であり、他の偶数番号の実施例に比べて冷暖の繰り返しによる安定性が後退していた。
また、増粘剤を添加する際の中和剤の添加の有無(操作性評価)では、両性界面活性剤にベタイン型(アルキルアミドベタイン及びスルホベタインを含む)、イミダゾリン型、或はアミンオキサイド型を使用した実施例2、4、8、10、16又は18では中和作業が必要であったが、カルボキシル基がナトリウム塩構造を形成したアミノ酸型を使用した実施例6、12又は14では中和作業が不要であり、両性にアミノ酸型を使用すると高粘度型蓄熱材の調製作業を簡便化できることが明らかになった。
奇数番号の実施例及び奇数番号の比較例の各エマルション型蓄熱材における相変化物質、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、過冷却防止剤などの添加組成、並びに熱量、温度変化に対する安定性の各種評価試験の結果を示す図表である。 偶数番号の実施例及び偶数番号の比較例における各高粘度型蓄熱材の図1の相当図である。

Claims (9)

  1. 相変化物質を乳化剤を用いて水中に分散させるエマルション型蓄熱材の製造方法において、
    上記乳化剤がノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤であるとともに、
    水を含む乳化系全体に対する相変化物質の添加率が10〜70重量%であり、相変化物質100重量部に対する上記乳化剤の総添加量が0.5〜200重量部であることを特徴とするエマルション型蓄熱材の製造方法。
  2. ノニオン性界面活性剤が、脂肪族アルコール類、脂肪酸類のポリオキシアルキレン付加物、又は芳香環を有するポリオキシアルキレン付加物であることを特徴とする請求項1に記載のエマルション型蓄熱材の製造方法。
  3. 両性界面活性剤が、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型の界面活性剤の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエマルション型蓄熱材の製造方法。
  4. ノニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の重量混合比が、両性界面活性剤/ノニオン性界面活性剤=1/9〜1/1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエマルション型蓄熱材の製造方法。
  5. ノニオン性界面活性剤が脂肪族アルコール類のポリオキシアルキレン付加物であり、且つ、両性界面活性剤がアミノ酸型界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエマルション型蓄熱材の製造方法。
  6. 乳化系に増粘剤を添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエマルション型蓄熱材の製造方法。
  7. 相変化物質が、C8〜C40のノルマルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィンよりなる群から選ばれた脂肪族炭化水素類の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエマルション型蓄熱材の製造方法。
  8. 乳化系に、さらに過冷却防止剤を添加することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエマルション型蓄熱材の製造方法。
  9. 過冷却防止剤が、相変化物質よりも融点が高く、相変化物質との相溶性が良い脂肪族炭化水素類であることを特徴とする請求項8に記載のエマルション型蓄熱材の製造方法。
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