JP4823968B2 - 砂杭造成工法及び砂杭造成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤中に締固めた拡径砂杭または圧入した拡径砂杭を適宜のピッチで多数造成して地盤の強化を図る砂杭造成工法及び砂杭造成装置であり、特に既設構造物の直下や直近など狭いスペースにおいても施工可能な砂杭造成工法及び砂杭造成装置に関するものである。
締固め砂杭造成工法は、特公昭62−25808号公報などに開示されているように、中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、地表まで引き抜く過程で、前記中空管を所定高さ引き抜き管内に投入された砂等を排出する引き抜き工程と、前記中空管を再び貫入して排出砂等を締固める再貫入工程とを繰り返して行うことにより、所定の強度に締固めた砂杭を造成し、地盤を改良するものである。
締固め砂杭造成工法には、例えばラックとピニオンを使用した強制昇降装置による回転圧入施工により、中空管の貫入及び引き抜きを行う静的締固め砂杭工法(例えば特開平08−284146号公報)、振動する中空管を使用し、貫入、引き抜き及び打ち戻しを繰り返す打ち戻し式サンドコンパクション工法などがある。
いずれの工法も地表に起立又は傾斜させた地中貫入用中空管に砂杭材料を投入するため、砂杭造成区域にはタイヤショベルなどの砂杭材料供給手段が稼動するスペースが必要であった。
特公昭62−25808号公報
しかしながら、既設構造物の直下又は直近が砂杭造成区域となる場合、タイヤショベルなどの砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できず、従来の砂杭造成工法を適用することができないという問題があった。
従って、本発明の目的は、既設構造物の直下や直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができる砂杭造成工法及び砂杭造成装置を提供することにある。
かかる実情において、本発明者等は鋭意検討を行った結果、地盤改良に用いる砂杭材料に流動化剤を加え、流動化させた地盤改良材を地盤中に注入する過程で、塑性化剤を加え、塑性化した地盤改良材で砂杭を造成する工程を行えば、既設構造物の直下又は直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、地盤改良に用いる砂杭材料に流動化剤を加え、流動化させた地盤改良材を地盤中に注入する過程で、塑性化剤を加え、塑性化した地盤改良材で砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成工法を提供するものである。
また、本発明は、砂杭材料流動化プラントで製造された砂杭材料と流動化剤を含む砂杭材料流動化物を、圧送ポンプにより配管を通して砂杭造成用の中空管に送るI工程と、当該中空管の上端近傍から下流側の少なくとも1箇所に塑性化剤を添加して砂杭材料を塑性化するII工程と、当該塑性化した砂杭材料を地中に圧入又は締固めるIII工程と、を有することを特徴とする砂杭造成工法を提供するものである。
また、本発明は、砂杭材料流動化プラントと、砂杭造成用の中空管と、該砂杭材料流動化プラントで製造された砂杭材料と流動化剤を含む砂杭材料流動化物を該中空管に送る圧送ポンプと、該圧送ポンプと該中空管とを接続する流動化物供給配管と、塑性化剤供給装置と該中空管とを接続する塑性化剤供給配管と、を備えることを特徴とする砂杭造成装置を提供するものである。
本発明の砂杭造成工法及び砂杭造成装置であれば、既設構造物の直下又は直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができる。
次ぎに、本発明の実施の形態における砂杭造成工法及び砂杭造成装置の一例を図1及び図2を参照して説明する。図1は砂杭造成装置の概略図、図2(A)は砂杭材料の流動化を説明する模式図、(B)は砂杭材料の塑性化を説明する模式図である。
砂杭造成装置50は、砂杭材料流動化プラント10と、砂杭造成用の中空管23と、砂杭材料流動化プラント10で製造された砂杭材料流動化物を中空管23に送る圧送ポンプ4と、圧送ポンプ4と中空管23とを接続する流動化物供給配管34と、塑性化剤供給装置5と中空管23とを接続する塑性化剤供給配管35を備える。
砂杭材料流動化プラント10は、砂杭造成区域26より離れた場所にあるもので、砂杭材料流動化物を製造する装置群である。砂杭材料流動化プラント10は、例えば砂杭材料流動化物供給手段1、砂杭材料供給手段2、流動化剤供給手段3、砂杭材料移送配管31、流動化剤移送配管32及び砂杭材料流動化物移送配管33からなる。なお、それぞれの供給手段には、必要に応じて、貯留タンクや供給ポンプなど設置される。また、砂杭材料移送配管31、流動化剤移送配管32、砂杭材料流動化物移送配管33のそれぞれの配管途中に流量計を設置してもよい。このような砂杭材料流動化プラント10は、砂杭造成区域26に設置しなくてもよく、既設構造物の直下や直近に砂杭を造成する際の設置スペースを確保する必要がない点で好適である。流動化物供給配管34は、通常可撓性ホースが使用され、その長さは適宜決定されるが、概ね10m以上、200m未満である。
砂杭材料としては、従来の砂杭造成工法で使用されてきた公知の材料でよく、砂、シルトや礫を含む砂、砕石及びスラグ等が挙げられる。砂としては、例えば粒径が0.074〜2.0mm程度のものが使用できる。
砂杭材料流動化プラント10は、上記の形態に限定されず、例えば砂杭材料流動化物供給手段1及び砂杭材料流動化物移送配管33を省略し、砂杭材料移送配管31を直接、圧送ポンプ4に接続すると共に、砂杭材料移送配管31に流動化剤移送配管32を接続する形態であってもよい。これにより、砂杭材料と流動化剤を配管内で混合することができる。また、砂杭材料流動化物の製造に際して、更に水の添加が必要である場合には、別途の水供給手段を設置すればよい。
圧送ポンプ4は、公知のものが使用でき、例えばピストンポンプ、スクイズポンプなどが挙げられる。また、圧送ポンプ4は、低圧ポンプでも高圧ポンプでもよいが、高圧ポンプを用いると、圧入砂杭造成工法が利用できる。
砂杭造成用の中空管23は、公知の地盤改良機20に取り付けられるものである。地盤改良機20は、従来の締固め砂杭造成工法を実施する装置あるいは圧入砂杭造成工法を実施する装置が挙げられる。締固め砂杭造成工法を実施する装置としては、例えば図1に示すようなリーダ24の上部に付設されるラックとピニオンを使用した強制昇降装置22による回転圧入施工により、中空管23の貫入及び引き抜きを行う静的締固め砂杭工法を実施する装置、振動する中空管を使用し、貫入、引き抜き及び打ち戻しを繰り返す打ち戻し式サンドコンパクション工法を実施する装置が挙げられる。また、圧入砂杭造成工法を実施する装置は、中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、該中空管を通して地表から地中に砂杭材料流動化物を圧入し、圧入と同時に塑性化剤を添加して、地中に拡径の砂杭を造成し、これを繰り返して行うことにより、所定長の拡径の砂杭を造成する工法を実施する装置である。既設構造物の直下や直近に砂杭を造成する場合、小型静的締固め砂杭造成装置又はボーリングマシンを使用することが好ましい。ボーリングマシンにおける中空管とは、地中に貫入し砂杭材料を圧入するためのケーシングを言う。圧入砂杭造成工法を実施する装置においては、圧送ポンプとは別途で更に高圧ポンプを設置してもよい。
塑性化剤供給装置5としては、通常、塑性化剤貯留タンクと塑性化剤供給ポンプを有するものであり、適宜流量計などが設置される。塑性化剤供給装置5は、砂杭造成区域26の近傍又は離れた場所に設置するものであるが、好適には砂杭造成区域26の離れた場所に設置するものが、既設構造物の直下や直近に砂杭を造成する際の設置スペースを確保する必要がない点で好適である。
砂杭造成装置50において、流動化物供給配管34の先端は、中空管23のいずれの部分に接続されてもよく、図1においては中空管23の上部開口である。また、塑性化剤供給配管35の先端は、流動物と塑性化剤が混合される位置であれば、中空管23のいずれの部分に接続されてもよく、図1においては中空管23の上部開口である。すなわち、流動化物と塑性化剤の混合は、中空管23の上部近傍から下流側(中空管23の上部から下部方向)のいずれの箇所であってもよいが、上部開口とすることが、流動化物供給配管(ホース)34先端部分を中空管23の上部開口から中空部分へ入れ込むだけでよく、混合装置は実質不要となる点で好適である。
また、流動化物供給配管34の先端が中空管23の上部開口に接続され、且つ塑性化剤供給配管35の先端が中空管23の上部開口に接続されていれば、砂杭材料流動化物と塑性化剤が中空管23内において混ざりながら重力落下し、これにより砂杭材料が塑性化され、いわゆる原砂と同じか又はそれに近い粒度特性となるため、従来と同じ締固め砂杭造成工法を適用できる。
また、中空管23と、流動化物供給配管34又は塑性化剤供給配管35の接続は上記形態に限定されず、例えば流動化物供給配管34の先端と塑性化剤供給配管35の先端を接続し、接続部に合流管を形成したY字配管とし、合流管を中空管23に接続してもよい。また、例えば流動化物供給配管34の途中に塑性化剤供給配管35の先端を接続し、流動化物供給配管34の塑性化剤供給配管35接続部より先端部を中空管23に接続してもよい。中空管23の手前近傍で流動化物供給配管34と塑性化剤供給配管35を合流させても、実質的に、流動化物供給配管34を流れる砂杭材料は流動化しており、流動化物供給配管34内で砂杭材料が詰まることはない。なお、中空管及びその近傍に砂杭材料流動化物と塑性化剤の混合を促進する攪拌機や混合機を設置してもよい。また、従来の中空管には、中空管上部に移動バケットが付設されているが、該移動バケットに流動化物を貯めて、そこに塑性化剤を添加し、その後は従来工法を行なう装置であてもよい。
また、圧入砂杭造成工法の場合、流動化物と塑性化剤の混合を中空管23の下流側で行うことが、中空管23内での流れが円滑となり、流動化物を地中に確実に圧送できる点で好適である。圧入砂杭造成工法を行なう場合、圧送ポンプは高圧のものが使用されるか、又は別途の高圧ポンプが設置される。
次ぎに、砂杭造成工法について説明する。本発明の砂杭造成工法は、地盤改良に用いる砂杭材料に流動化剤を加え、流動化させた地盤改良材を地盤中に注入する過程で、塑性化剤を加え、塑性化した地盤改良材で砂杭を造成する工法である。砂杭材料流動化物は、砂杭材料及び流動化剤を含むものである。砂杭材料は、前記砂杭造成装置で記載されたものと同様のものである。
流動化剤は、砂杭材料を流動し易くするか、あるいはパイプ輸送できるようにするものである。流動化剤を添加しない砂杭材料のみの場合、配管内で目詰まりが生じ、パイプ輸送ができない。流動化剤としては、吸水性ポリマー及び高分子凝集剤等が挙げられる。流動化剤は、これらの1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
吸水性ポリマーとしては、アクリル酸ナトリウム重合体部分架橋物、アクリル酸ナトリウム重合体架橋物が挙げられる。このうち、アクリル酸ナトリウム重合体部分架橋物が好ましい。
高分子凝集剤としては、ノニオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、カチオン系高分子凝集剤及び両性高分子凝集剤が挙げられる。ノニオン系高分子凝集剤としては、ポリアクリルアミドが挙げられる。アニオン系高分子凝集剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、ビニルスルフォン酸、スチレンスルフォン酸などの単独重合体あるいはアクリルアミドとの共重合体が挙げられる。カチオン系高分子凝集剤としては、アクリルアミドと、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート又は系N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートモノマーとの共重合体が挙げられる。高分子凝集剤は、粉末状及び液体状のいずれのものも使用できる。高分子凝集剤は、天然物又は合成物いずれも使用できるが、合成物とすることが、少ない配合量で流動化物を得ることができる点で好ましい。これらの高分子凝集剤は、特公昭34−10644号公報などに記載の公知の方法で製造することができる。
好ましい高分子凝集剤は、分子量が100万以上、好ましくは200万以上、1000万以下であり、イオン化度が0〜100モル%のアクリル系高分子からなる分散粒子径が100μm以下の油中水型エマルジョン形態のものである。
流動化剤の配合割合は、適宜決定されるが、通常、砂杭材料に対して、外割配合で0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。流動化剤が水で希釈されている場合、別途の水を添加しなくとも砂杭材料を流動化させることができる。例えば、水で希釈された1.0%濃度の流動化剤の場合、配合割合は、砂杭材料に対して外割配合で好ましくは1〜50重量%である。流動化剤の配合割合は少な過ぎると、砂杭材料が流動化せず、配管内において分離したり、目詰まりしたりして移送できなくなる。また、流動化剤の配合割合が多過ぎても、流動化効果は変わらず、却ってコストを上昇させることになる。砂杭材料流動化物は、上記必須成分の他、例えば水、流動化促進剤などが含まれていてもよい。
圧送ポンプでパイプ輸送できる流動性とは、日本工業規格で規定される「ベーンせん断試験」における安定せん断強度が0.3kg未満のものを言う。ベーンせん断試験方法とは、以下の方法を言う。すなわち、ベーンせん断試験機のベーン部を対象土に貫入し、その後、低速にて上部つまみを回転させる。その回転させた状態で下部の抵抗で上部つまみとの回転歪が生じる。その歪が指示針にて表示され、その最大値と安定値を計測する。
また、砂杭材料流動化物は、「ベーンせん断試験」方法以外に、手で把持し、体感で判断することもできる。すなわち、砂杭材料流動化物を手で把持した場合、圧密せず、分離せず、ドロドロ感があり、手に残らないものは好適な流動化物である。流動化は、図2(A)に示すように、流動化剤42が保水すると共に、砂41の粒子間距離を保持することで内部摩擦を低減するため、流動性が高まるものと思われる。
本発明の砂杭造成工法において、流動化させた地盤改良材を地盤中に注入する過程とは、例えば流動化させた地盤改良材を地盤中に注入する中空管に接続される流動化物供給配管の途中、あるいは流動化させた地盤改良材を地盤中に注入する中空管の途中を言う。また、注入は、圧入砂杭造成工法においては、圧入である。
塑性化剤としては、ポリ塩化アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、水酸化アルミニウム等が挙げられる。塑性化剤は粉体又は液状のいずれも使用できる。塑性化剤の使用量は、流動化物を塑性化できる配合量であり、適宜決定されるが、具体的には、流動化物中の砂杭材料に対して、外割配合で0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%である。塑性化剤の添加が少な過ぎると、流動化物は塑性化せず、締固められず、設計通りの砂杭が造成できなくなる。また、塑性化剤の添加が多過ぎると、コストを上昇させてしまう。塑性化は、図2(B)に示すように、流動化剤42が塑性化剤と触れることで分子の結合が分解され保水していた水を吐き出すため、砂杭材料が元の粒度の性状に戻るものと思われる。
塑性化の判断は、砂杭を造成した後の砂杭強度で判断されるが、実際には、実験室的サンドコンパクション圧密試験(以下、単に「土質試験」と言う。)を併用するか又は土質試験単独で判断する。土質試験は、突き固め試験とコーン貫入試験の2つの試験を行うものであり、流動化前の元の砂(原砂)の結果と比較して、コーン貫入力又はコーン指数で50%以上の回復値、好ましくは70%以上の回復値を示すものである。
次に、塑性化した地盤改良材で砂杭を造成する。この砂杭の造成工法としては、静的締固め砂杭造成工法や打ち戻し式サンドコンパクション工法などの公知の締固め砂杭造成工法が挙げられる。また、圧入砂杭造成工法であれば、圧入と同時に塑性化剤が添加されるため、該塑性化した地盤改良材を地中に拡径の砂杭として造成し、これを繰り返して行う工程となる。
なお、圧入砂杭造成工法は、中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、該中空管を通して地表から地中に砂杭材料流動化物を圧入し、圧入と同時に塑性化剤を添加して、地中に拡径の砂杭を造成し、これを繰り返して行うことにより、所定長の拡径の砂杭を造成する工法である。圧入砂杭造成工法では、砂杭材料流動化物と塑性化剤の混合時期を出来る限り遅らせ、砂杭材料流動化物を地中に圧入した後、塑性化するように制御すれば、地中での拡径が容易となる点で好ましい。
また、本発明の砂杭造成工法は、砂杭材料流動化プラントで製造された砂杭材料流動化物を、圧送ポンプにより配管を通して砂杭造成用の中空管に送るI工程と、当該中空管の上端近傍から下流側の少なくとも1箇所に塑性化剤を添加して砂杭材料を塑性化するII工程と、当該塑性化した砂杭材料を地中に圧入又は締固めるIII工程と、を有する工法である。通常、I工程、II工程及びIII工程は、この順序で連続する。
I工程の砂杭材料流動化プラントにおいては、予め予備実験により、砂杭材料及び流動化剤の配合割合を決定しておき、連続して圧送ポンプに供給する方法が好適である。このような砂杭材料流動化物は、パイプ輸送で中空管に送られる。これにより、離れた場所からの移送が可能となり、既設構造物の近傍での設備を小型化できる。
II工程において、中空管の上端近傍とは、中空管の上端開口及び中空管の上端開口に近い流動化物供給配管途中である。すなわち、「近傍」とは、中空管の上端開口を含み、当該上端開口から圧送ポンプ側の流動化物供給配管途中であって、該配管途中に塑性化剤が添加されても、塑性化までの遷移領域にあるため、パイプ輸送に悪影響せず、パイプの詰まりなどを起こさない距離を言う。この距離は、配管径、流動化物の流速、塑性化剤の種類、添加量によって異なり一概に決定できないものの、2〜10m程度である。この距離が余り長過ぎると、流動化物供給配管途中で塑性化してしまい、円滑なパイプ輸送ができなくなる。
中空管の上端から下流側に至る少なくとも1箇所とは、塑性化剤の投入口が、中空管の上端から下端に至るすべての中空管部分の何処であってもよく、且つ投入口は1箇所に限定しない意味である。中空管の上端部に流動化物が投入され、中空管の上端部から塑性化剤が投入されると、中空管内において両者は重力落下しながら混ざり合い、砂杭材料は概ね速やかに塑性化され、例えば締固めの工程においては、原砂と同様の粒度特性を有するものとなる。従って、III工程において、締固め砂杭造成工法を実施する場合、中空管の上部で流動化物と塑性化剤が混合する状態にすることが好ましい。また、中空管に流動化物が投入され、中空管の下端部分に塑性化剤が添加されると、III工程を実施する直前の中空管内下方の砂杭材料が塑性化されるか、または圧入砂杭造成工法であれば、地中に高圧圧入された砂杭材料が、概ね速やかに塑性化することになる。
III工程は、塑性化した砂杭材料を地中に圧入又は締固める工程である。この工程は、前述の塑性化した地盤改良材で砂杭を造成する工程で説明されたものと同様であり、その説明を省略する。
塑性化した砂杭材料は、分離水、流動化剤及び塑性化剤を含むものである。このうち、水は地中に持ち込まれるが、砂杭造成後は、地中において毛細管現象により蒸散する。また、流動化剤及び塑性化剤は砂杭中に存在するが、少量でもあり、砂杭の強度に悪影響することはなく、また環境を汚染することもない。
本発明の砂杭造成工法及び砂杭造成装置によれば、既設構造物の直下又は直近など砂杭材料供給手段が稼動するスペースを確保できない狭い砂杭造成区域であっても砂杭の造成をすることができる。また、従来のモルタルを静的に圧入する静的圧入工法を、モルタルではなく、砂杭材料でも行なえるようになるため、砂杭造成工法の選択の余地が広まった。
次ぎに、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
参考例1
(砂杭材料流動化物の製造)
粒径0.07〜2.0mmの洗砂(砂杭材料)と、アニオン化度10モル%の油中水型エマルジョン形態のノニオン系ポリアクリルアミド(濃度1.2%)「ハイモロックV−310」(ハイモ社製)(流動化剤A)を、砂杭材料に対して外割配合で16.0%添加して、砂杭材料流動化物を製造した。なお、この配合量はノニオン系ポリアクリルアミド濃度は0.2重量%である。
(砂杭材料流動化物の評価)
上記製造方法で得られた流動物の流動性を、ベーンせん断試験及び把持試験により評価した。ベーンせん断試験の結果を表1に示した。また、把持試験では、圧密せず、分離せず、ドロドロ感があり、手に残らないという良好な結果であった。
参考例2〜7
流動化剤Aの0.20重量%配合に代えて、表1の流動化剤A〜Dあるいは配合量とした以外は、参考例1と同様の方法で行った。また、参考例1と同様の方法で砂杭材料流動化物の評価を行った。ベーンせん断試験の結果を表1に示した。なお、流動化剤Bは、アクリル酸ナトリウム重合体部分架橋物「HS−960」(ハイモ社製)(吸水性ポリマー)であり、流動化剤Cは、アクリル酸ナトリウム架橋物「α−G」(ベントナイト産業社製)(天然高分子凝集体)であり、流動化剤Dは、流動化剤B 0.13重量%と流動化剤A 0.05重量%の混合物である。
Figure 0004823968
参考例1〜7のものは、いずれもベーンせん断強度における安定せん断が0.3kg以下であり、流動性に優れたものであった。特に参考例1のものは少ない配合量であっても優れた流動性を示すものであった。
参考例8及び9
参考例1及び7の流動化物に対して、それぞれポリ塩化アルミニウムを砂杭材料に対して0.1%(外割)添加し、緩やかに混合して塑性化物A(参考例8)及び塑性化物B(参考例9)を得た。この塑性化物について下記の土質試験を実施した。その結果を表2に示す。なお、回復率は原土に対する平均値を百分率で示したものである。
Figure 0004823968
参考例1及び7の流動化物に塑性化剤を添加した参考例8及び9は、いずれも回復率が89%、97%であり、砂杭材料として適したものであった。
砂杭造成装置として、圧入砂杭造成装置(ボーリングマシン)を使用する以外は、図1に示す砂杭造成装置と同様のものを使用し、更に下記実施条件で地中に砂杭を造成した。なお、砂杭材料流動化物は参考例1のものが製造できるように、塑性化剤の供給は参考例8の塑性化物が得られるように、砂杭材料流動化物及び塑性化剤を調製して中空管に供給した。その結果、砂杭材料流動化物は中空管へ円滑に移送でき、また、砂杭の強度は、標準貫入試験において10回であり、十分な強度であった。
(砂杭造成装置)
・ 地盤改良機:圧入砂杭造成機(ボーリングマシン)
・ 中空管;内径50mm
・ 砂杭径;700mm×高さ30cmの繰り返し締固めで、合計長さ100cm
・ 砂杭材料流動化物及び塑性化剤の中空管への圧送流速;各々30リットル/分
(土質試験)
突き固めによる土の締固め試験方法(JIS A1210)及び締固めた土のコーン指数試験方法(JIS A1228)に準拠して行う方法であり、突き固め試験と貫入試験の2つの試験を行う。突き固め試験は、円筒容器に入れた塑性化物(試料)を所定条件下で突き固め、圧密体を得るものである。この所定条件とは、例えばA法の場合、質量2.5kgのランマーを用い、各突き固め面から30cmの高さから10cmモールドで、突き固め層数3回、1層当たり突き固め回数25回の突き固めを行なう。また、コーン貫入試験は、得られた圧密体に対して、コーンペネトロメータを使用し50mm、75mm及び100mmまで貫入して貫入抵抗を測定し、その平均値を求める。また、コーン指数に換算する。
砂杭造成装置の概略図である。 (A)は砂杭材料の流動化を説明する模式図、(B)は砂杭材料の塑性化を説明する模式図である。
符号の説明
1 砂杭材料流動化物供給手段
2 砂杭材料供給手段
3 流動化剤供給手段
4 圧送ポンプ
5 塑性化剤供給装置
10 砂杭材料流動化プラント
20 地盤改良機
23 砂杭造成用の中空管
24 リーダ
26 砂杭造成区域
31 砂杭材料移送配管
32 流動化剤移送配管
33 砂杭材料流動化物移送配管
34 流動化物供給配管
35 塑性化剤供給配管
50 砂杭造成装置

Claims (4)

  1. 地盤改良に用いる砂杭材料に流動化剤を加え、流動化させた地盤改良材を地盤中に注入する過程で、塑性化剤を加え、塑性化した地盤改良材で砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成工法。
  2. 砂杭材料流動化プラントで製造された砂杭材料と流動化剤を含む砂杭材料流動化物を、圧送ポンプにより配管を通して砂杭造成用の中空管に送るI工程と、
    当該中空管の上端近傍から下流側の少なくとも1箇所に塑性化剤を添加して砂杭材料を塑性化するII工程と、
    当該塑性化した砂杭材料を地中に圧入又は締固めるIII工程と、を有することを特徴とする砂杭造成工法。
  3. 中空管を地盤中の設計深度まで貫入した後、該中空管を通して地表から地中に砂杭材料と流動化剤を含む砂杭材料流動化物を圧入し、圧入と同時に塑性化剤を添加して、地中に拡径の砂杭を造成し、これを繰り返して行うことにより、所定長の拡径の砂杭を造成することを特徴とする砂杭造成工法。
  4. 砂杭材料流動化プラントと、
    砂杭造成用の中空管と、
    該砂杭材料流動化プラントで製造された砂杭材料と流動化剤を含む砂杭材料流動化物を該中空管に送る圧送ポンプと、
    該圧送ポンプと該中空管とを接続する流動化物供給配管と、
    塑性化剤供給装置と該中空管とを接続する塑性化剤供給配管と、
    を備えることを特徴とする砂杭造成装置。
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