JP5780714B2 - 地下空洞部の充填方法 - Google Patents

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本発明は、建物基礎等の構造物の周辺地下空洞部あるいは地山の空洞部等の地下空洞部の充填方法に関するものである。
建築構造物の基礎の下やコンクリート構造物の背面には、予測不可能な沈下や流出等に伴う地山の状況の変化により、地下空洞部が生じることがある。このような地下空洞部は建築構造物の沈下や傾斜等の被害をもたらす要因となり、対策が施されている。
従来、このような被害要因を解決するものとして、地下空洞部にセメントとベントナイトと水を混合したグラウト材を注入する方法が提案されている(特公平05−28320号公報)。また、地下空洞部にペーパースラッジを含むセメントベントナイトモルタルを注入する方法が提案されている(特開2005−132684号公報)。これらのグラウト材等は、地下空洞部内で固化し、地盤の安定を図るものである。
特公昭62−25808号公報 特開2005−132684号公報 特開2010−13885号公報(請求項1)
しかしながら、従来の固化材による地盤安定化方法は、図8に示すように、地山に再び沈下等が生じた場合、固化材による固化部101と地盤部102との間に境界面103ができて、固化部101の直下の地盤部102のみが沈下し、新たな空洞部104(図8中、実線と破線で囲まれる部分)が生じてしまう。このような新たな空洞部104は発見し難いと共に、再び地上から充填材を注入するには固化部101が注入作業の障害となり、再修復を困難なものにしている。そこで、地下空洞部の充填に際しては、安定な地盤を確保できると共に、再沈下が進行した場合であっても、地盤の動きに追随して、充填部と充填部の直下の地盤部との間に空洞が生じないような工法が望まれていた。なお、図8中、符号105は構造物、106は構造物基礎を言う。
また、特開2010−13885号公報には、砂材料と水を含有する流動化物を地盤中に圧入する砂杭造成工法が開示されている。しかし、この砂杭造成工法は、流動化物の地盤中への圧入であり、空洞部への圧力がかからない注入とは異なるものである。
従って、本発明の目的は、安定な地盤を確保できると共に、再沈下が進行した場合であっても、充填部と充填部の直下の地盤部との間に空洞が生じない地盤の動きに対して追随性に優れる地下空洞部の充填方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記目的に加えて、充填材の充填の際、構造物又は構造物基礎に変位を与えることがない地下空洞部の充填方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、地盤沈下や地盤の流出により生じた地下空洞部に砂類を主材料とする充填後においても固化しない流動化物を充填する方法であれば、充填後、流動化物は自然脱水され塑性化して安定な地盤を確保できると共に、再沈下が進行した場合であっても、地盤の動きに対して追随性に優れたものとなること、また、地下空洞部の一部に流動化物を注入し、残りの空洞部に流動化物が充填された袋体の多数個を設置すれば、袋の強度により内容物である充填材量を拘束でき、袋外への応力伝播を抑制して、構造物等の変位を抑制できることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、地盤沈下や地盤の流出により生じた地下空洞部に、砂類を主材料とし、流動化剤と塑性化剤を含有する充填後においても固化しない流動化物を充填し、自然放置により流動化物を塑性化させることを特徴とする地下空洞部の充填方法を提供するものである。
また、本発明は、構造物周り又は構造物基礎周りに存在する地下空洞部の一部に砂類を主材料とし、流動化剤と塑性化剤を含有する充填後においても固化しない流動化物を充填するIA工程と、該IA工程後の該地下空洞部に、該流動化物が充填された多数個の袋体を設置するII工程を有することを特徴とする地下空洞部の充填方法を提供するものである。
本発明によれば、地下空洞部に充填された流動化物は、自然脱水され塑性化して安定な地盤を確保できる。また、塑性化した充填物は固化していないため、再沈下が進行した場合であっても、地盤の動きに対して追随性に優れたものとなる。また、地下空洞部の一部に流動化物を注入し、残りの空洞部に流動化物が充填された袋体の多数個を設置すれば、袋の強度により内容物である充填材量を拘束でき、袋外への応力伝播を抑制して、構造物等の変位を抑制できる。
本発明における地下空洞部を示す模式図である。 第1の実施の形態における地下空洞部の充填方法において、流動化物が地下空洞部に充填される状況を示す模式図である。 図2の工程後であって、地下空洞部への流動化物の充填が完了した状況を示す模式図である。 図3の状態から脱水が進み流動化物が塑性化した状況を示す模式図である。 第2の実施の形態における地下空洞部の充填方法において、流動化物が地下空洞部の一部に充填された状況(IA工程の終了)を示す模式図である。 図5の工程後であって、地下空洞部の空洞に袋体が設置されている状況を示す模式図である。 図6の工程後であって、袋体の設置が完了し、袋体中の流動化物の脱水が進み塑性化した状態を示す模式図である。 従来の地下空洞部の充填方法を説明する模式図である。
次に、本発明の第1の実施の形態における地下空洞部の充填方法を説明する。本例の地下空洞部の充填方法は、地盤沈下や地盤の流出により生じた地下空洞部に、砂類を主材料とする充填後においても固化しない流動化物を充填する方法である。第1の実施の形態例において、地盤沈下や地盤の流出により生じた地下空洞部とは、建築物、トンネル、橋台、擁壁、下水道管等の構造物周り又はその基礎周りに存在する地下空洞部、あるいは地山の空洞部を意味し、地盤の沈下あるいは流出等を事前に防止して、地盤安定化の検討を要する、例えば数m〜数十mの空洞を言う。
第1の実施の形態例において、砂類としては、砂、シルト及び砕石から選ばれる1種以上が挙げられる。流動化物は、主材料である砂類、任意の成分である流動化剤、任意の成分である塑性化剤及び任意の成分である水を含有する。主材料としては、従来の砂杭造成工法で使用されてきた公知の材料を使用すればよい。砂は、礫を含んでいてもよい。主材料の粒径としては、概ね0.07〜2.0mmが好適である。流動化剤は固化材を含まないため、充填後においても固化しない。
流動化剤は、主材料を流動し易くするか、あるいはパイプ輸送できるようにするものである。流動化剤としては、吸水性ポリマー及び高分子剤等が挙げられる。流動化剤は、これらの1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
吸水性ポリマーとしては、アクリル酸ナトリウム重合体部分架橋物、アクリル酸ナトリウム重合体架橋物が挙げられる。このうち、アクリル酸ナトリウム重合体部分架橋物が好ましい。
高分子剤としては、ノニオン系高分子剤、アニオン系高分子剤、カチオン系高分子剤及び両性高分子剤が挙げられる。ノニオン系高分子剤としては、ポリアクリルアミドが挙げられる。アニオン系高分子剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルフォン酸、ビニルスルフォン酸、スチレンスルフォン酸などの単独重合体あるいはアクリルアミドとの共重合体が挙げられる。カチオン系高分子剤としては、アクリルアミドと、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート又は系N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートモノマーとの共重合体が挙げられる。高分子剤は、粉末状及び液体状のいずれのものも使用できる。高分子剤は、天然物又は合成物いずれも使用できるが、合成物とすることが、少ない配合量で流動化物を得ることができる点で好ましい。これらの高分子剤は、特公昭34−10644号公報などに記載の公知の方法で製造することができる。
好ましい高分子剤は、分子量が100万以上、好ましくは200万以上、1000万以下であり、イオン化度が0〜100モル%のアクリル系高分子からなる粉末状と分散粒子径が100μm以下の油中水型エマルジョン形態のものである。
流動化剤の配合割合は、適宜決定されるが、通常、流動化物に対して、重量比配合で0〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%である。流動化剤が水で希釈されている場合、別途の水を添加しなくとも流動化物を流動化させることができる。例えば、水で希釈された6.4%濃度の流動化剤の場合、配合割合は、流動化物に対して重量比配合で好ましくは5〜30重量%である。流動化剤の配合割合は少な過ぎると、流動化物が流動化せず、配管内において分離したり、目詰まりし易くなる。また、流動化剤の配合割合が多過ぎても、流動化効果は変わらず、却ってコストを上昇させることになる。流動化物は、上記必須成分の他、例えば流動化促進剤などが含まれていてもよい。なお、流動化剤の配合を省略できるのは、主材料中、細粒分を多量に含むような場合である。
圧送ポンプでパイプ輸送できる流動性とは、日本工業規格で規定される「ベーンせん断試験」における安定せん断強度が30kpa未満のものを言う。ベーンせん断試験方法とは、以下の方法を言う。すなわち、ベーンせん断試験機のベーン部を対象土に貫入し、その後、低速にて上部つまみを回転させる。その回転させた状態で下部の抵抗で上部つまみとの回転歪が生じる。その歪が指示針にて表示され、その最大値と安定値を計測する。
また、流動化物は、「ベーンせん断試験」方法以外に、手で把持し、体感で判断することもできる。すなわち、流動化物を手で把持した場合、圧密せず、分離せず、ドロドロ感があり、手に残らないものは好適な流動化物である。流動化物は、主材料又は流動化剤が保水すると共に、主材料の粒子間距離を保持することで内部摩擦を低減するため、流動性を有するものとなる。
塑性化剤は、送液時に流動性を確保すると共に、塑性化までの時間を制御するために使用される。塑性化剤としては、分子量10〜10のカチオン系合成高分子剤が挙げられる。これらカチオン系合成高分子剤としては、アンモニア、脂肪族アルキルモノ又はジアミン又はポリアミンとエピハロヒドリンの重縮合物が挙げられる。アルキルモノアミンとしては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミンが挙げられる。また、ジアミン又はポリアミンとしては、アミノエチル-メチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。また、エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。
塑性化剤の配合割合は、主材料の種類や量、流動化剤の種類や量、施工準備や施工の時間などにより適宜決定されるものである。原料の混合後、塑性化までの時間(以下、「塑性化時間」とも言う。)は、例えば1時間以上、好適には1.5〜20時間となる範囲で適宜決定される。流動化物の各原料の配合割合は、予め実験室における塑性化時間を求める予備実験により決定することができる。塑性化時間が短過ぎると、流動化物供給配管途中で塑性化してしまい、円滑なパイプ輸送ができなくなる。
塑性化剤の配合割合は、主材料1kgに対して0〜5ml、好適には0.2〜3mlである。主材料の種類によっては、塑性化剤の添加が少な過ぎると、地下空洞部に充填された流動化物は塑性化し難くなる。また、塑性化剤の添加が多過ぎると、コストを上昇させてしまう。塑性化は、流動化剤が塑性化剤と触れることで分子の結合が分解され保水していた水が吐き出されることで、又は主材料に含まれていた水が吐き出されることで、主材料が元の粒度の性状に戻ることを言う。塑性化剤の配合が省略できるのは、流動化剤の使用を省略した場合である。
塑性化の判断は、市販のテクスチャー試験器を用いて行なうことができる。具体的にはテクスチャーによる硬さの測定結果から最大応力値(kPa)に換算し、この最大応力値が15kPa以上のものであれば塑性化されたものと判断する。最大応力値が15kPa以上のものが塑性化物となることは、各種物性試験結果や過去の経験値から判断できる。なお、流動化剤添加前の砂杭材料単独の最大応力は、概ね150kPa前後である。
次に、本発明の第1の実施の形態における地下空洞部の充填方法を図1〜図4を参照して説明する。図1〜図4はI工程であって地下空洞部の変化を作業順に示したものである。すなわち、図1はI工程前の地下空洞部を示し、図2は注入口から流動化物が充填(注入)され始めた状態を示し、図3は地下空洞部への流動化物の充填が完了した状態を示し、図4は注入された流動化物が塑性化した状態を示す。このような地下空洞部は地盤沈下や地盤の流出により生じたものである。
本例の地下空洞部1は、図1に示すように、構造物2の直下であって、構造物基礎3周りに存在している。このような地下空洞部1は、事前地盤調査や地盤沈下等により発見でき、その空洞容積は公知の地盤調査により概ね決定できる。なお、符号4は地下空洞部1の直下の地盤である。また、図2に示すように、地表には、地下空洞部1に通じる流動化物注入口12と、地下空洞部1に通じる流動化物観察口13がそれぞれ別個に形成されている。
I工程は、流動化物11を地下空洞部1に通じる注入口12から注入することで開始する。流動化物11の充填は、ホース5を使用したポンプ圧送により行えばよい。この場合、圧入と異なり、圧力制御は不要であり、流量のみを監視すればよい。流動化物11の充填が進行して、地下空洞部1に流動化物11が満杯となると、流動化物観測口13から流し込まれた流動化物11が溢れ出る。これを観測することでI工程は終了する(図3参照)。なお、I工程終了の確認は、流動化物11が溢れ出ることの観測の他、流動化物観測口13において地下空洞部がほぼ満杯状態であると確認できればよい。観測口において地下空洞部の満杯状態を観測するとは、注入された流動化物が観測口から溢れ出さずとも、観測口近くまで流し込まれている状態を目視等で確認すること等を意味する。I工程直後の流動化物は水を含んだ状態あるいは一部の水が地下空洞部1の直下の地盤に浸透し始め、含水量がやや少ない状態のものである。
I工程後、自然放置する。これにより、流動化物中の水は地下空洞部1の直下の地盤へ吐き出され、次いで流動化物は塑性化される(図4参照)。塑性化とは流動化物中の水が吐き出されて、主材料が元の粒度の性状に戻ることを言う。これにより、地下空洞部1に充填された充填材は固化することなく、地下空洞部1の直下の地盤と類似の土質となり、安定な地盤を確保できると共に、再沈下が進行した場合であっても、充填部は充填部と充填部の直下の地盤部との間に空洞が生じることがない地盤の動きに対して追随性に優れたものとなる。
次に、本発明の第2の実施の形態における地下空洞部の充填方法を図5〜図7を参照して説明する。図5〜図7において、図1〜図4と同一構成要素には同一符号を付して、異なる点について主に説明する。すなわち、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、地下空洞部が構造物周り又は構造物基礎周りに存在する地下空洞部である点、I工程において、流動化物を地下空洞部の全部ではなく一部に充填する(IA工程)点、IA工程後の残りの空洞部分に、該流動化物が充填された袋体の多数個を設置するII工程を有する点にある。
第2の実施の形態例においては、図5に示すように、先ず、流動化物を地下空洞部の一部に充填する。地下空洞部の一部に充填とは、地下空洞部1の上方部分の空洞部分21を残して、下方部分に充填する意味である。地下空洞部1の容積より少ない容積量の流動化物を充填すれば、流動化物15は流れ込む性質であるため、自然に図5に示すような、下方部分に充填されることになる。地下空洞部の一部とは、特に制限されず、極少量から地下空洞部の大部分までの広い範囲で適宜決定される。
IA工程後、暫く自然放置して、注入された流動化物の塑性化を図ることが、その後、投入される袋体が、流動化物中に沈むことがなく、ある程度の地盤強度を有する充填物の上に積載することができる点で好ましい。塑性化物は、第1の実施の形態例と同様に、未固化物である。流動化物の塑性化までの時間は予め、実験室で求めておいてもよく、あるいは実際に袋体を投入して、袋体が沈まないことを確認することで行なってもよい。この段階での塑性化は一部塑性化を含むものである。また、流動化物が流動性の低いものであって、自然放置せずとも、そのままでも袋体が沈まないものであれば、即、II工程に入ってもよい。図6中、符号16は塑性化物を意味する。
II工程において使用される袋体は、流動化物が充填されたものである。この流動化物は、IA工程で注入された流動化物と同じものであっても、異なった流動化物であってもよい。袋に充填される流動化物が、IA工程で注入された流動化物と同じものであれば、別途の流動化物を製造する必要がなく、施工コストを上昇させることがない。
流動化物を充填する袋は、水分の通過は許容し、砂の通過は遮断する公知のものである。これにより、充填された流動化物は、時間経過と共に、脱水し、塑性化する。各単位袋は、不織布、織布、編み物等からなる繊維性シートを所定の容量となるように縫製したものである。また、袋への流動化物の充填作業は、各単位袋の開口から、例えばポンプを介して送られてきた流動化物を注入する公知の方法で行なえばよい。各単位袋の開口に、逆止弁を付設しておけば、流動化物注入の際、一端注入された流動化物が注入圧により逆流することがなくなる。また、各単位袋の開口は、外力を与えることで一対の板バネで形成される開口が開き、外力を取り除くことで開口が閉じるような弾発性構造のものにしておけば、流動化物のポンプ注入後の袋閉じが容易となる。
袋体22の設置は、IA工程で使用した注入口を利用してもよく、また、空洞部分に通じる新たな投入口14を形成し、その投入口14から各単位袋体22を順次、設置してもよい(図6参照)。流動化物が入った袋体22は、袋が閉じられているため、袋の強度により内容物である流動化物を拘束でき、袋外への応力伝播を抑制する。このため、袋体22を構造物基礎3の側方周りに置く際、充填剤の流し込みにより生じるような構造物等の変位を抑制できる。流動化物11が充填された袋体22は、空洞部分に設置された後、自然放置される。これにより、袋体22の流動化物(内容物)は、脱水、塑性化される。
塑性化物が入った袋体22は、図7に示すように、少なくとも構造物基礎3の側方周りに充填されることが好ましい。なお、塑性化物が入った袋体22は、構造物2の側方周りに置いてもよい。また、塑性化物が入った袋体22は、構造物2又は構造物基礎3の下方周りに充填してもよい。
本発明の第2の実施の形態例によれば、地下空洞部に充填された流動化物と袋詰めされた流動化物は、自然脱水され塑性化して2層で安定な地盤を確保できると共に、充填物は固化していないため、再沈下が進行した場合であっても、地盤の動きに対して追随性に優れたものとなる。また、袋体が充填された部分は、袋の強度により内容物である充填材料を拘束でき、袋外への応力伝播を抑制して、構造物や構造物基礎等の変位を抑制でき、流動化物注入工法の弱点をカバーできる。
本発明は、建物基礎等の構造物の周辺地下空洞部あるいは地山の空洞部等の地下空洞部の充填方法として、簡易な方法であり、また、再沈下による空洞部が再発生しても、再度の充填が容易である。
1 地下空洞部
2 構造物
3 構造物基礎
4 地下空洞物直下の地盤
11 流動化物
12 流動化物注入口
13 流動化物観察口
14 袋体投入口

Claims (4)

  1. 地盤沈下や地盤の流出により生じた地下空洞部に、砂類を主材料とし、流動化剤と塑性化剤を含有する充填後においても固化しない流動化物を充填し、自然放置により流動化物を塑性化させることを特徴とする地下空洞部の充填方法。
  2. 構造物周り又は構造物基礎周りに存在する地下空洞部の一部に砂類を主材料とし、流動化剤と塑性化剤を含有する充填後においても固化しない流動化物を充填するIA工程と、
    該IA工程後の該地下空洞部に、該流動化物が充填された多数個の袋体を設置するII工程を有することを特徴とする地下空洞部の充填方法。
  3. 該袋体は、少なくとも構造物の側方周り又は構造物基礎の側方周りに設置されることを特徴とする請求項2記載の地下空洞部の充填方法。
  4. 該充填材料を充填する袋は、水分の通過は許容し、該砂類の通過は遮断する袋体を用いたことを特徴とする請求項2又は3記載の地下空洞部の充填方法。
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