JP7377232B2 - 地盤造成用充填材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤中や地盤と構造物隙間、水中の地盤や地盤と構造物の隙間に存在する空洞の充填材料を製造するための地盤造成用充填材料の製造方法に関する。
既設構造物と沈下した地盤の間に発生した空洞や、橋台や護岸背面に生じた空洞、樋門や樋管構造物周辺に生じた空洞を充填するために用いられる充填材料には、注入圧力の作用によるせん断力が加わると容易に変形・流動するが、圧力作用がない場合には形状保持する能力により高い施工性と充填性を有することが必要である。さらに、無希釈性能による水際での充填においても、充填後の流下や希釈が存在しないことも必要である。
このような充填材料としては、例えば、特許文献1に、水平に置かれたガラス板の上にフローコーンを置き、フローコーンに、主原料となる水とセメントに添加材を加えたグラウト材を連続的に流し込み、フローコーンを垂直に引き上げ、ガラス板上に広がったグラウト材の最大幅とその垂直方向の幅の平均値であるフロー値が100~200mmであり、且つ密閉容器内に格納され、先端の流出口が密閉容器から露出した漏斗内に、前記グラウト材を充填し、密閉容器内に圧縮空気を送り込み、大気圧の状態から0.1MPaの圧力を加えたときの漏斗内のグラウト材が漏斗の流出口から流下しきるまでの流下時間が0.5~3.0秒であるチクソトロピー性を有するグラウト材が開示されている。
特開2004-284930号公報
ところが、既設構造物と沈下した地盤の間に発生した空洞や、橋台や護岸背面に生じた空洞、樋門や樋管構造物周辺に生じた空洞に充填される地盤造成用の充填材料には、打設時には十分な流動性を有していることが必要であり、圧力が作用しないときは、その場に留まる必要がある。加えて、水中に打設しても水中で分離し難く、水中での安定性が高いことが必要である。
しかしながら、特許文献1に用いられている充填材料では、セメントと水を混合したグラウト材がほとんどであり、充填後に高強度となる問題がある。充填域が高強度となる場合、工事の後工程の支障になることがある。高強度となる充填域は、原地盤との間に境界が発生し、新たな水みちを形成し、弱部となる可能性がある。加えて、これらの充填域の強度はコントロールすることが困難であり、構造物としてみなすことが難しい。
従って、本発明の目的は、さまざまな空洞を充填するための充填材料の製造方法を提供することであり、圧送ポンプ打設時には十分な流動性を有しており、圧力が作用しないときは、流動しない性質を持ち、且つ、水中で分離せず、高い安定性を有している地盤造成用充填材料の製造方法を提供することにある。
上記本発明の課題は、以下の本発明によって、解決される。
すなわち、本発明(1)は、砂粒子と、モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末と、を混合し、撹拌する第一工程と、
該第一工程を行い得られる混合物(1)に、分散剤を溶解させた調整水を混合し、撹拌する第二工程と、
該第二工程を行い得られる混合物(2)に、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物を溶解させた高分子化合物溶液を混合し、撹拌する第三工程と、
を有し、
前記第三工程において、前記混合物(2)への前記高分子化合物溶液の混合量が、前記モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末に対する前記分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末)が0.020~0.50となる混合量であり、
前記第一工程において、前記砂粒子と前記モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の混合比が、前記砂粒子(水を除く。)に対する前記モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/砂粒子)が0.010~0.20となる混合比であること、
前記第三工程において、前記混合物(2)への前記高分子化合物溶液の混合量が、前記砂粒子に対する前記分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/砂粒子)が0.0070~0.020となる混合量であり、
前記第二工程において、前記混合物(1)への前記分散剤を溶解させた調整水の混合量が、前記地盤造成用材料中の水に対する前記モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/地盤造成用充填材料中水)が0.070~0.30となる混合量であり、
前記第三工程において、前記高分子化合物溶液の混合量が、前記第一工程で混合した水分量と、前記第二工程で混合した前記分散剤を溶解させた調整水中の水分量と、前記第三工程で混合する前記高分子化合物溶液中の水分量の合計に対する前記分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/第一工程、第二工程及び第三工程で用いられた水分量の合計)が0.013~0.025となる混合量であること、
を特徴とする地盤造成用充填材料の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、さまざまな空洞を充填するための充填材料の製造方法であり、圧送ポンプ打設時には十分な流動性を有しており、圧力が作用しないときは、流動しない性質を持ち、且つ、水中で分離せず、高い安定性を有している地盤造成用充填材料の製造方法を提供することができる。また、本充填材料は砂材料を主材としているので高強度を発現するものではない。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料の構造を説明するための模式的な断面図である。 モンモリロナイト粒子の平板状結合物を説明するための模式図である。 実施例1の地盤造成用充填材料の断面のSEM写真(100倍)である。 実施例1の地盤造成用充填材料の断面のSEM写真(200倍)である。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法は、砂粒子と、モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末と、を混合し、撹拌する第一工程と、
該第一工程を行い得られる混合物(1)に、分散剤を溶解させた調整水を混合し、撹拌する第二工程と、
該第二工程を行い得られる混合物(2)に、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物を溶解させた高分子化合物溶液を混合し、撹拌する第三工程と、
を有することを特徴とする地盤造成用充填材料の製造方法である。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法に係る第一工程は、砂粒子と、モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末と、必要に応じて水と、を混合して、混合物(1)を得る工程である。
第一工程に係る砂粒子は、特に制限されず、例えば、砂、シルトや礫を含む砂、砕石及びスラグ、現場発生土等であればよい。また、砂粒子の粒径は、特に制限されず、好ましくは、粒径が0.074~2.0mm程度を主体としたものであり、最大粒径は、好ましくは9.5mm以下である。
通常、砂粒子は、湿潤状態であることが多く、第一工程では、そのような湿潤状態のものを、砂粒子として用いることができる。また、第一工程では、乾燥状態の砂粒子や湿潤状態の砂粒子を、予め水と混合することにより、適度に湿潤させたものを、砂粒子として用いることもできる。
第一工程に係るモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末は、モンモリロナイトを含有する鉱物又は粘土を、粉砕したものである。モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土としては、ベントナイト、酸性白土等が挙げられる。
モンモリロナイト粒子は、複数のモンモリロナイト単位結晶が、層状に重なったものである。このモンモリロナイト単位結晶は、ケイ素原子と酸素原子により形成される四面体がシート状に連なった四面体シートと、アルミニウム原子と水酸基の八面体がシート状に連なった八面体シートと、からなっており、1枚の八面体シートが2枚の四面体シートに挟まれたサンドウィッチ構造を有している。
モンモリロナイト粒子は、平板状の形状であり、水中飽和時の径が5~10μm程度である。
モンモリロナイト単位結晶は、ベントナイト、酸性白土等の主成分である。ベントナイトは、凝灰岩の一種であり、熱変遷、応力変遷を長時間受けて、化学的に変化したモンモリロナイトを主成分とした岩石である。第一工程に係るモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の原料としては、ベントナイトが好ましい。そして、第一工程に係るモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末としては、ベントナイトを粉砕し、粉末状にされたものが好適に用いられる。
そして、第一工程では、と、モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末と、必要に応じ水と、を混合し、例えば、60~120秒間撹拌することにより、砂粒子中にモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末を拡散させ、混合物(1)を得る。
第一工程において、砂粒子とモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の混合比は、砂粒子(水を除く。)に対するモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/砂粒子)が、好ましくは0.010~0.20、より好ましくは0.050~0.090、特に好ましくは0.060~0.080となる混合比である。砂粒子(水を除く。)に対するモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/砂粒子)が上記範囲にあることにより、モンモリロナイト粒子の平板状結合物からなる積層構造の中に砂粒子を内包することができ、一体な充填材料となる。一方、砂粒子(水を除く。)に対するモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/砂粒子)が、上記範囲未満だと、モンモリロナイト粒子の平板状結合物を形成するベントナイト粒子が不足し、砂粒子が分離することが起こり、あるいは、弾性の性質を得ることができなくなる。また、上記範囲を超えると、材料中の自由なベントナイト粒子が過大となり、弾性の性質も得られず、材料自体が硬くなり施工性や充填性が低下する。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法に係る第二工程は、第一工程を行い得られる混合物(1)に、分散剤を溶解させた調整水を混合し、撹拌して、混合物(2)を得る工程である。
第二工程では、砂粒子と混合されたモンモリロナイト粒子の団粒化を解除し、モンモリロナイト粒子が単一で存在する状態とするために、分散剤を溶解させた調整水を混合物(1)に加える。
第二工程に係る分散剤は、ベントナイト粒子の平板部に付着し、ベントナイト粒子同士を電気的に分散する機能を有する。分散剤としては、特に制限されないが、ポリカルボン酸塩アニオン系界面活性剤が挙げられる。
分散剤を溶解させた調整水中の分散剤の含有量は、適宜選択されるが、分散剤を溶解させた調整水中の分散剤の含有率は、好ましくは0.1~1.5質量%である。
そして、第二工程では、予め、分散剤を調整水に溶解させて調製した分散剤を溶解させた調整水を、第一工程を行い得られる混合物(1)に混合し、例えば、60~240秒間撹拌することにより、混合物(2)を得る。
第二工程において、混合物(1)への分散剤を溶解させた調整水の混合量は、地盤造成用充填材料中の水に対するモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/地盤造成用充填材料中の水)が、好ましくは0.010~0.30、より好ましくは0.030~0.12、特に好ましくは0.070~0.10となる混合量である。地盤造成用充填材料中の水に対するモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/地盤造成用充填材料中の水)が、上記範囲にあることにより、ベントナイト粒子が材料中に単一かつ均一に分散することで、ベントナイト粒子の平板結合物を形成することができ、弾性領域の広い構造と水中での安定性を得ることができる。一方、地盤造成用充填材料中の水に対するモンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/地盤造成用充填材料中の水)が、上記範囲未満だと、ベントナイト粒子を単一かつ均一に拡散させる以上の水量となり、ベントナイト粒子の平板状結合物からなる積層構造の中に内包できない分離水が発生し、充填後の充填体積の減少が発生する。また、上記範囲を超えると、ベントナイト平板状結合体を形成しない自由なベントナイト粒子が過大となり、弾性の性質も得られず、材料自体が硬くなり施工性や充填性が低下する。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法に係る第三工程は、第二工程を行い得られる混合物(2)に、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物を溶解させた高分子化合物溶液を混合し、撹拌することにより、地盤造成用充填材料を得る工程である。
第三工程に係る分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物は、分子鎖中にアニオン性の官能基を有し、モンモリロナイト粒子の側部と静電気的に結合できるものであれば、特に制限されない。分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリルアミド2-メチルプロパンスルフォン酸、ビニルスルフォン酸、スチレンスルフォン酸等の単独重合物、あるいは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリルアミド2-メチルプロパンスルフォン酸、ビニルスルフォン酸及びスチレンスルフォン酸のうちの1種以上とアクリルアミドとの共重合物等が挙げられる。これらのうち、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物としては、アクリル酸とアクリルアミドとの共重合物である直鎖型のアニオン性高分子化合物が挙げられる。
分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の分子量は、特に制限されないが、好ましくは200万以上、1000万以下であり、イオン化度が0~100モル%のアクリル系高分子からなる粉末状と分散粒子径が100μm以下の油中水型エマルジョン形態のものである。なお、高分子化合物の分子量は、特公昭34-10644号公報などに記載の公知の方法で製造することができる。
第三工程に係る高分子化合物溶液中、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の含有率は、適宜選択されるが、好ましくは0.5~15質量%である。
そして、第三工程では、第二工程を行い得られる混合物(2)に、高分子化合物溶液を混合し、例えば、60~360秒間撹拌することにより、地盤造成用充填材料を得る。
第三工程において、混合物(2)への高分子化合物溶液の混合量は、第一工程で混合した水分量(混合前の砂粒子が含水している水分も含む。)と、第二工程で混合した分散剤を溶解させた調整水中の水分量と、第三工程で混合する高分子化合物溶液中の水分量の合計に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/第一工程、第二工程及び第三工程で用いられた水分量の合計)が、好ましくは0.0050~0.025、より好ましくは0.011~0.021、特に好ましくは0.013~0.019となる混合量である。第一工程で混合した水分量(混合前の砂粒子が含水している水分も含む。)と、第二工程で混合した分散剤を溶解させた調整水中の水分量と、第三工程で混合する高分子化合物溶液中の水分量の合計に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/第一工程、第二工程及び第三工程で用いられた水分量の合計)が上記範囲にあることにより、ベントナイト平板状結合体からなる積層構造に内包される水分量が適切となり、積層構造の間隙を適度に確保することができるので、弾性領域の広い構造を有する材料となる。一方、第一工程で混合した水分量(混合前の砂粒子が含水している水分も含む。)と、第二工程で混合した分散剤を溶解させた調整水中の水分量と、第三工程で混合する高分子化合物溶液中の水分量の合計に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/第一工程、第二工程及び第三工程で用いられた水分量の合計)が、上記範囲未満だと、ベントナイト平板状結合体からなる積層構造に内包しきれない水分量となり、材料中の自由水が過大となる。過大な自由水は分離するため、充填後に充填材料体積の減少が発生する。また、積層構造に内包される水量が多いと、圧送などの外力が加わったときに、材料が分離や破断する。また、上記範囲を超えると、ベントナイト平板状結合体の形成に必要な高分子量よりも過大となる。このとき、結合していない高分子によって、材料が団粒化し、施工性や充填性が低下する。
第三工程において、混合物(2)への高分子化合物溶液の混合量は、モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末)が、好ましくは0.020~0.50、より好ましくは0.13~0.24、特に好ましくは0.17~0.19となる混合量である。モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末)が上記範囲にあることにより、モンモリロナイト平板状結合物を形成することができ、弾性領域の広い構造を有する材料となる。一方、モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末)が、上記範囲未満だと、モンモリロナイト平板状結合物を形成するのに使用されないベントナイト粒子が過大となる。過剰なベントナイト粒子によって、材料の団粒化が生じ、弾性の性質も得られず、材料自体が硬くなり施工性や充填性が低下する。また、上記範囲を超えると、モンモリロナイト平板状結合物を形成するのに使用されない高分子が過大となる。過剰な高分子によって、平板状結合が広く結合されず、小さい結合体ができてしまい水中投入時などに分離してしまう。
第三工程において、混合物(2)への高分子化合物溶液の混合量は、砂粒子(水を除く。)に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/砂粒子)が、好ましくは0.0050~0.020、より好ましくは0.0070~0.018、特に好ましくは0.010~0.015となる混合量である。砂粒子(水を除く。)に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/砂粒子)が上記範囲にあることにより、モンモリロナイト平板状結合物を形成し、積層構造に砂を内包した一体的な材料となる。一方、砂粒子に対する分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/砂粒子)が、上記範囲未満だと、モンモリロナイト平板状結合物からなる積層構造に砂粒子を内包できない。内包されない砂粒子は、材料から分離するため、施工性が著しく低下し、水中投入時には分離する材料となる。また、上記範囲を超えると、モンモリロナイト平板状結合物を形成するのに使用されない高分子が過大となる。過剰な高分子によって、平板状結合が広く結合されず、小さい結合体ができてしまい、施工性が低下し、水中投入時に分離する材料となる。
このようにして、本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行うことにより、地盤造成用充填材料を得る。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料は、圧送ポンプ打設時には十分な流動性を有しており、圧力が作用しないときは、流動しない性質を持ち、且つ、水中で分離せず、高い安定性を有している地盤造成用充填材料を提供することができる。また、本充填材料は砂材料を主材としているので高強度を発現するものではない。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料のテクスチャー試験における変形性は、0.700以上、好ましくは0.700~1.400、より好ましくは0.800~1.350、特に好ましくは1.000~1.350である。地盤造成用充填材料のテクスチャー試験における変形性が、上記範囲にあることにより、荷重を加えられても、大変形若しくは破損せず、元の形状に復元する弾性の性質を有する。本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料は、この粘弾性体としての性質が高いことで、打設時には十分な流動性を有し、圧力が作用しない場合は、その場に留まることで高い充填性を有する。一方、地盤造成用充填材料のテクスチャー試験における変形性が、上記範囲未満だと、施工時の圧力の増減などによって、材料が劣化し、充填性が損なわれ、また、上記範囲を超えると、施工時の圧力などに対する反力が異常に大きくなり、施工性が失われる可能性がある。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料のテクスチャー試験における減衰性は、0.700以上、好ましくは0.700~1.200、より好ましくは0.800~1.200、特に好ましくは1.000~1.200である。地盤造成用充填材料のテクスチャー試験における減衰性が、上記範囲にあることにより、荷重を加えられても、大変形若しくは破損せず、元の形状に復元する弾性の性質を有する。本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料は、この粘弾性体としての性質が高いことで、打設時には十分な流動性を有し、圧力が作用しない場合は、その場に留まることで高い充填性を有する。一方、地盤造成用充填材料のテクスチャー試験における減衰性が、上記範囲未満だと、施工時の圧力の増減などによって、材料が劣化し、充填性が損なわれ、また、上記範囲を超えると、施工時の圧力などに対する反力が異常に大きくなり、施工性が失われる可能性がある。
テクスチャー試験は、食品の物性検査などで使用される周知の試験である。室温下、所定容器に試料(充填材)を充填し、試験装置にセットした後、「変形性」を確認する場合、先ず、シリンダーを一定速度で上下させて、試料上面から20mmの貫入及び引抜を行い(1回目)、次いで、1回目と同様に、シリンダーを一定速度で上下させ、試料上面から20mmの貫入及び引抜を行い(2回目)、その試験力の変化曲線を求め、また、「減衰性」を確認する場合、先ず、シリンダーを一定速度で上下させて、試料上面から4mmの貫入及び引抜を行い(1回目)、次いで、これを9回繰り返すことで、その試験力の変化を求める。テクスチャー試験における「貫入応力」は、貫入時の最大荷重haを応力に換算して貫入応力(Pa)としたものである。なお、テクスチャー試験においては、試験毎に変化曲線を描かせなくとも、各物性値を自動的に表示することができる。
一般に試料に負荷(荷重)を加えると、試料は変形若しくは破損したりする。テクスチャー試験における「変形性」であるが、負荷を2回連続で加えて、1回目と2回目の負荷面積(エネルギー)の比を「変形性」とする。従って、「変形性=1」とは、1回目で変形はするものの、元の形状に復元し、2回目も同様の挙動を示す弾性の性質を持ったものである。
また、テクスチャー試験における「減衰性」であるが、負荷を9回連続で加えて、1回目の貫入応力(Pa)に対する、各回の貫入応力(Pa)の比(貫入応力2回目/貫入応力1回目、貫入応力3回目/貫入応力1回目、貫入応力4回目/貫入応力1回目、・・・貫入応力9回目/貫入応力1回目)を求め、それらの平均値を「減衰性」とする。従って、「減衰性=1」とは、1回目で変形はするものの、元の形状に復元し、9回目の貫入時も同様の挙動を示す弾性の性質をもったものである。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料の直列弾性率E1は、900Pa以上、好ましくは1,500Pa以上、特に好ましくは2,000Pa以上であり、並列弾性率E2は、1,000Pa以上、好ましくは1,300Pa以上であり、特に好ましくは1,500Pa以上である。本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料の並列部粘度η1は、10,000Pa・s以上、好ましくは50,000Pa・s以上、特に好ましくは60,000Pa・s以上であり、直列部粘度η2は、200,000Pa・s以上、好ましくは500,000Pa・s以上、特に好ましくは600,000Pa・s以上である。
地盤造成用充填材料の直列弾性率E1及び並列弾性率E2が、上記範囲にあることにより、荷重を加えられても、大変形若しくは破損せず、元の形状に復元する弾性の性質を有する。本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料は、この粘弾性体としての性質が高いことで、打設時には十分な流動性を有し、圧力が作用しない場合は、その場に留まることで高い充填性を有する。一方、地盤造成用充填材料の直列弾性率E1又は並列弾性率E2が、上記範囲未満だと、施工時の圧力の増減によって、材料が劣化し、充填性が損なわれる可能性がある。
本発明において、地盤造成用充填材料の弾性率E(Pa)及び粘度η(Pa・s)は、TA Instruments社製 粘弾性測定装置 ARES-G2(JISK7132:1999「硬質発泡プラスチック 規定荷重および温度条件下における圧縮クリープの測定方法」4.3荷重装置に準拠)による圧縮クリープ試験における圧縮クリープコンプライアンス J(t)をBurgersモデル近似から測定される。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料の水中投下試験における上澄濁度は、50以下、好ましくは20以下である。地盤造成用充填材料の水中投下試験における上澄濁度が、上記範囲にあることにより、水に対する安定性が高く、水中に直接落下させても水中で分離し難い。一方、地盤造成用充填材料の水中投下試験における上澄濁度が、上記範囲を超えると、水に対する安定性が低く、水中に直接落下させると分離してしまったり、充填後の水の流れによって、希釈されたり、消失してしまう。
本発明において、地盤造成用充填材料の水中投下試験における上澄濁度は、室温下、1000mlのメスシリンダーに、水道水を700ml入れ、開口部に最小径が40mmの漏斗をセットし、402.12ml(X)の充填材A1の塊状物を漏斗を通して、水道水中に重力投下する。投下後、塊状物は水中を落下し、底に沈降、充填される。充填材静置後、塊状物の体積(Y)を読み取り、充填性((Y)/(X))を測定する。その後、上澄み300mlを採取し、濁水の色調を目視観察すると共に、濁度計(共立理化学研究所 製;型番DPM2-TB500)により、濁度を測定し、確認される。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料の充填性((Y)/(X))は、1.00~1.20、好ましくは1.00~1.10、特に好ましくは1.00~1.05である。地盤造成用充填材料の充填性((Y)/(X))が、上記範囲にあることにより、充填中に充填材料同士が結合し、自重によって充填材料の間の隙間を充填することができ、高い充填性を得る。一方、地盤造成用充填材料の充填性((Y)/(X))が、上記範囲未満だと、空洞充填時に充填した体積に対して、充填後の体積が小さくなるため、確実な充填ができず、また、上記範囲を超えると、充填時にできた間隙を充填することができない。
また、本発明の地盤造成用充填材料の製造方法では、以下に述べる構造の地盤造成用充填材料を得ることができる。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料は、モンモリロナイト粒子が結合することにより形成されているモンモリロナイト粒子の平板状結合物を有する。モンモリロナイト粒子の平板状結合物は、形状が平板状であり、且つ、三次元方向に繋がっている。なお、三次元方向に繋がるとは、二次元方向に広がった平板状のものが層状に重なった構造ではなく、二次元方向に広がる平板状の結合物の側部が、他の二次元方向に広がる平板状の結合物の平坦部に繋がっている構造を指す。
また、本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料では、モンモリロナイト粒子の平板状結合物が、砂粒子を覆っている。そして、本発明の地盤造成用充填材料では、三次元方向に広がっているモンモリロナイト粒子の平板状結合物に、砂粒子が覆われることにより、砂粒子が、地盤造成用充填材料に保持されている。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料において、モンモリロナイト粒子の平板状結合物は、モンモリロナイト粒子と、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物と、からなる。そして、モンモリロナイト粒子の側部に存在するプラスの電荷と、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の分子鎖に点在するマイナスの電荷とにより、モンモリロナイト粒子の側部が、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の分子鎖と、静電気的に結合する。このことにより、複数のモンモリロナイト粒子が、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物を介して結合し、モンモリロナイト粒子の平板状結合物を形成している。
図1及び図2を参照して、本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料を説明する。図1は、本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い得られる地盤造成用充填材料の構造を説明するための模式的な断面図である。図2は、モンモリロナイト粒子の結合物を説明するための模式図である。図1中、地盤造成用充填材料1は、モンモリロナイト粒子の平板状結合物2と、モンモリロナイト粒子の平板状結合物2に覆われている砂粒子3とを、有する。そして、地盤造成用充填材料1では、モンモリロナイト粒子の平板状結合物2は、三次元方向に繋がっており、また、モンモリロナイト粒子の平板状結合物2は、砂粒子3を覆っている。つまり、砂粒子3は、三次元方向に繋がっているモンモリロナイト粒子の平板状結合物2に覆われることにより、地盤造成用充填材料1中に保持されている。
図2中、モンモリロナイト粒子の平板状結合物2は、モンモリロナイト粒子11と、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物12と、により形成されている。モンモリロナイト粒子11は、平板部がマイナスの電荷を、側部がプラスの電荷を帯びており、平板状のモンモリロナイト粒子11の周辺部を囲むように、プラスの電荷が存在している。それに対して、高分子化合物12は、分子鎖中にアニオン性官能基を有しているので、分子鎖に沿って、マイナスの電荷が点在している。そして、モンモリロナイト粒子11の側部が、高分子化合物12の分子鎖と静電気的に結合して、複数のモンモリロナイト粒子11が、高分子化合物12を介して結合することにより、モンモリロナイト粒子の平板状結合物2を形成している。このとき、モンモリロナイト粒子11の結合により、平板状の結合物が形成される。よって、モンモリロナイト粒子の平板状結合物2は、モンモリロナイト粒子の結合物であり、且つ、平板状の形状を有している。なお、図2では、モンモリロナイト粒子11が、一方向にのみ連なって結合している例を示しているが、実際は、二次元方向に連なって結合している。そして、上述したように、平板状のモンモリロナイト粒子の結合物2は、地盤造成用充填材料1中では、三次元方向に広がっている。
本発明の地盤造成用充填材料の製造方法を行い、地盤造成用充填材料を得た後、そのまま、地盤造成対象の地中に打設されてもよいし、あるいは、セメント溶液が混合及び撹拌された後、得られる混合物が、地盤造成対象の地中に打設されてもよい。
セメント溶液とは、粉体のセメント固化材を水に溶解させたものである。本発明において、セメント固化材と地盤造成用充填材料中の砂粒子との混合比は、特に制限されず、適宜選択されるが、通常、50:1000~150:1000である。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明にそれに限定されるものではない。
(実施例1)
(第一工程)
麻生砂(含水比:10.8質量%、茨城県産 山砂、土粒子の密度ρs 2.692g/cm、細粒分含有率4.0%)1000gに、ベントナイト粉末(ホージュン社製、乾式フルイ残分 10.0%/53μm以下)70gを混合し、60秒間撹拌し、混合物(1)を得た。
(第二工程)
次いで、水492gに、分散剤(ポリカルボン酸塩アニオン系界面活性剤)5gを溶解させて、分散剤を溶解させた調整水を調製した。次いで、上記で得た混合物(1)に分散剤を溶解させた調整水の全量を混合し、120秒間撹拌し、混合物(2)を得た。
(第三工程)
次いで、水200gに、アクリル酸とアクリルアミドの共重合物(ハイモ株式会社製、商品名SAVE-SP工法用添加剤 L1号)12.8gを溶解させて、高分子化合物溶液を調製した。次いで、上記で得た混合物(2)に高分子化合物溶液の全量を混合し、300秒間撹拌し、地盤造成用充填材料を得た。
次いで、得られた地盤造成用充填材料のSEM観察を行い、SEM写真を得た。その結果を図3(100倍)及び図4(200倍)に示す。また、粘弾性率の測定、テクスチャー試験、水中投下試験を行った。その結果を表1に示す。
次いで、得られた地盤造成用充填材料の以下の性能評価を行った。その結果を、表1に示す。
<評価方法>
(走査型電子顕微鏡観察(SEM))
試料を、1瞬間凍結、2フリーズドライ、3乾燥試料の切片採取の手順で前処理した。
次いで、走査型電子顕微鏡(JSM-IT500HR、日本電子株式会社製)を用いて、信号SED、入射電圧3.0kV、WD50.0mm、倍率:100倍及び200倍の条件で、測定した。
(弾性率E(Pa)と粘度η(Pa・s))
TA Instruments社製粘弾性測定装置 ARES-G2(JISK7132:1999「硬質発泡プラスチック 規定荷重および温度条件下における圧縮クリープの測定方法」4.3荷重装置に準拠)による圧縮クリープ試験における圧縮クリープコンプライアンス J(t)をBurgersモデル近似から、弾性率E(Pa)と粘度η(Pa・s)を求めた。
(テクスチャー試験 「変形性」)
テクスチャー試験装置(山電社製、卓上式物性測定器)を用いて、室温下、所定容器に試料(充填材)を充填し、試験装置にセットした後、先ず、シリンダーを一定速度で上下させて、試料上面から20mmの貫入及び引抜を行い(1回目)、次いで、1回目と同様に、シリンダーを一定速度で上下させ、試料上面から20mmの貫入及び引抜を行い(2回目)、貫入応力(Pa)、貫入エネルギー(J/m)、変形性(A2/A1)を求めた。なお、変形性(A2/A1)とは、1回目と2回目の負荷面積(エネルギー)の比を指す。
(テクスチャー試験 「減衰性」)
テクスチャー試験装置(山電社製、卓上式物性測定器)を用いて、室温下、所定容器に試料(充填材)を充填し、試験装置にセットした後、先ず、シリンダーを一定速度で上下させて、試料上面から4mmの貫入及び引抜を行い(1回目)、次いで、1回目と同様に、シリンダーを一定速度で上下させ、試料上面から4mmの貫入及び引抜を行い(2回目)、貫入応力(Pa)、貫入エネルギー(J/m)、貫入応力比(貫入応力2回目/貫入応力1回目)を求めた。この動作を9回繰り返した。次いで、1回目の貫入応力(Pa)に対する、各回の貫入応力(Pa)の比(貫入応力2回目/貫入応力1回目、貫入応力3回目/貫入応力1回目、貫入応力4回目/貫入応力1回目、・・・貫入応力9回目/貫入応力1回目)を求め、それらの平均値を「減衰性」とした。
(水中投下試験)
室温下、1000mlのメスシリンダーに、水道水を700ml入れ、開口部に最小径が(40mm)の漏斗をセットし、402.12ml(X)の充填材A1の塊状物を漏斗を通して、水道水中に重力投下した。投下後、塊状物は水中を落下し、底に沈降、充填された。充填材静置後、塊状物の体積(Y)を読み取り、充填性((Y)/(X))を測定した。また、上澄み300mlを採取し、濁水の色調を目視観察すると共に、濁度計(共立理化学研究所製、型番DPM2-TB500)により、濁度を測定した。
<性能評価>
(空洞への打設性能評価)
テクスチャー試験における変形性が0.700上であり、テクスチャー試験における減衰性が0.700以上であり、直列弾性率E1が900Pa以上であり、並列弾性率E2が1,000以上でPaであり、且つ、並列部粘度η1が、10,000Pa・s以上であり、直列部粘度η2が、200,000Pa・s以上である場合、空洞への打設性能が良好「〇」とし、テクスチャー試験における変形性、テクスチャー試験における減衰性、直列弾性率E1及び並列弾性率E2のうちのいずれか1つでも、上記範囲を満たさない場合、空洞への打設性能が不良「×」とした。
(水中安定性評価)
水中投下試験における上澄濁度が50以下である場合、水中安定性が良好「〇」とし、水中投下試験における上澄濁度が50を超える場合、水中安定性が不良「×」とした。
(実施例2~3、比較例1~2)
各配合材の混合量を、表1に示す通りとすること以外は、実施例1と同様に行い、粘弾性率の測定、テクスチャー試験、水中投下試験、地中への打設性評価、水中安定性評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0007377232000001
図3に示すように、実施例1の地盤造成用充填材料は、モンモリロナイト粒子が結合することにより形成されているモンモリロナイト粒子の平板状結合物を有する。モンモリロナイト粒子の平板状結合物は、形状が平板状であり、且つ、三次元方向に繋がっている。また、モンモリロナイト粒子の平板状結合物が、砂粒子を覆っている。そして、三次元方向に広がっているモンモリロナイト粒子の平板状結合物に、砂粒子が覆われることにより、砂粒子が、本発明の地盤造成用充填材料に保持されている。

Claims (1)

  1. 砂粒子と、モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末と、を混合し、撹拌する第一工程と、
    該第一工程を行い得られる混合物(1)に、分散剤を溶解させた調整水を混合し、撹拌する第二工程と、
    該第二工程を行い得られる混合物(2)に、分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物を溶解させた高分子化合物溶液を混合し、撹拌する第三工程と、
    を有し、
    前記第三工程において、前記混合物(2)への前記高分子化合物溶液の混合量が、前記モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末に対する前記分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末)が0.020~0.50となる混合量であり、
    前記第一工程において、前記砂粒子と前記モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の混合比が、前記砂粒子(水を除く。)に対する前記モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/砂粒子)が0.010~0.20となる混合比であること、
    前記第三工程において、前記混合物(2)への前記高分子化合物溶液の混合量が、前記砂粒子に対する前記分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/砂粒子)が0.0070~0.020となる混合量であり、
    前記第二工程において、前記混合物(1)への前記分散剤を溶解させた調整水の混合量が、前記地盤造成用材料中の水に対する前記モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末の質量比(モンモリロナイトを主成分とする鉱物又は粘土の粉末/地盤造成用充填材料中水)が0.070~0.30となる混合量であり、
    前記第三工程において、前記高分子化合物溶液の混合量が、前記第一工程で混合した水分量と、前記第二工程で混合した前記分散剤を溶解させた調整水中の水分量と、前記第三工程で混合する前記高分子化合物溶液中の水分量の合計に対する前記分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物の質量比(分子鎖中にアニオン性官能基を有する高分子化合物/第一工程、第二工程及び第三工程で用いられた水分量の合計)が0.013~0.025となる混合量であること、
    を特徴とする地盤造成用充填材料の製造方法。
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