以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技場内部管理装置1を用いたシステムのシステム構成図である。
遊技場の内部には内部ネットワークが設けられており、当該内部ネットワークには遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)1及び中継装置(ルータ)2が接続される。遊技場内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成される。当該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
遊技場内部管理装置1は、情報収集端末装置3を介して遊技用装置4から遊技情報を収集し、各遊技機4a(図4)の動作状態を監視する。すなわち、遊技場内部管理装置1は、後述する遊技領域16(図4)に遊技球を発射して遊技を行う遊技機4aを管理する遊技管理装置として機能する。
また、遊技場内部管理装置1は、平均実行時間データ記憶手段及び始動入賞頻度データ記憶手段として機能するHDD104と、補助遊技非実行状態算出手段及び情報出力手段として機能するCPU101とを備える遊技管理装置として機能する。
さらに、遊技場内部管理装置1は、情報収集端末装置3を介して遊技用装置4から、遊技機4aの遊技領域16に発射された遊技球の数を示すアウト球数データを収集するアウト球数収集手段、及び始動入賞口23へ入賞した遊技球の数を示す始動入賞数データを収集する始動入賞数収集手段として機能する。
中継装置2は、遊技場内の島設備毎に設けられており、当該島設備に設置された各情報収集端末装置3からの情報を中継して、当該情報を内部ネットワークに向けて送信する。なお、中継装置2は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎に設置してもよい。
情報収集端末装置3には、遊技用装置4が接続されている。情報収集端末装置3は、遊技用装置4から遊技情報を収集して、所定期間の遊技情報の累積値(例えば、回収数計数装置4dから出力される「回収信号」に基づいて算出されるアウト球数の累積値、遊技機4aから出力される「スタート信号」に基づいて算出される特図変動表示ゲームの実行回数の累積値、又は、遊技機4aから出力される「賞球信号」に基づいて算出されるセーフ球数の累積値)を生成する。そして、当該累積値に基づいて遊技用装置4の稼動量を算出し、算出した稼動量を遊技場内部管理装置1に送信する。この情報収集端末装置3が生成する所定期間の遊技情報の累積値は、通常は一営業単位毎に累積して算出される。
ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前及び午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、一週間)にわたるものとしてもよい。
なお、複数(例えば、二台)の遊技用装置4に対して一台の情報収集端末装置3を接続する構成でもよい。
遊技用装置4は、島設備に複数台ずつ設置されており、遊技機4aに球貸ユニット4b、補給数計数装置(補給数計数手段)4c、回収数計数装置(回収数計数手段)4d及び会員端末4e等の周辺装置が付加されて構成される(図4)。なお、遊技機4a又は球貸ユニット4bから、後述する賞球信号及び球貸信号が出力される場合は、補給数計数装置4cを設けなくてもよい。
遊技機4aは、遊技制御装置400(図5)を中心とする各種制御装置を備え、特図変動表示ゲームを実行する。
本実施の形態では、情報収集端末装置3からの情報を中継する中継装置2を島設備毎に設けたが、中継装置2を設けることなく、情報収集端末装置3を内部ネットワークに直接接続してもよい。また、情報収集端末装置3の代わりにリモートI/Oを置き、中継装置2の代わりに複数の遊技用装置4に対応する情報収集端末装置3を設置することもできる。このように構成することで、従来、島コンピュータと称された方式での遊技管理システムにも対応することができる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技場内部管理装置1の構成を示すブロック図である。
遊技場内部管理装置1には、CPU101、プログラム等を予め格納したROM102、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM103、及び、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)104が設けられる。
CPU101は、ROM102及びRAM103に記憶されているプログラム及びデータに基づいて、遊技場内部管理装置1の処理を司る。すなわち、CPU101は、待ち行列理論に基づいて、後述する平均図柄変動時間(平均実行時間データ)及び始動入賞頻度(始動入賞頻度データ)を用いて補助遊技が実行されない状態の発生頻度を算出する補助遊技非実行状態算出手段及び補助遊技非実行状態算出手段による算出結果を発生頻度情報として出力する情報出力手段として機能する。
RAM103は、各種データ(例えば、補助遊技が実行されない時間を予測する際に入力された入力項目又は予測結果等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU101の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
HDD104は、各種データ(例えば、情報収集装置3が収集した遊技機4aの始動記憶数及びアウト球数等や、これらの収集したデータの集計結果等)を記憶する記憶領域を備える。従って、HDD104は、補助遊技の実行時間の平均値を示す平均図柄変動時間(平均実行時間データ)を記憶する平均実行時間データ記憶手段及び遊技球が始動入賞口23へ入賞する頻度を示す始動入賞頻度(始動入賞頻度データ)を記憶する始動入賞頻度データ記憶手段として機能する。
さらにHDD104は、通常の補助遊技の平均実行時間として設定された時間値を示す長時間データと、始動記憶の数が所定の上限数となった際の補助遊技の平均実行時間として設定された時間値を示し長時間データよりも時間値の短い時間値を示す短時間データと、を記憶している平均実行時間データ記憶手段としても機能する。
これらのCPU101、ROM102、RAM103及びHDD104は、バス105によって接続されている。バス105は、CPU101がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成される。
バス105には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート106、I/Oポート107及び外部ネットワーク通信ポート108が接続される。
ネットワーク通信ポート106は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続される。
I/Oポート107には、遊技用装置4から収集したデータ、入力項目設定画面(図7)、予測結果出力画面(図8)、入賞頻度‐休止割合対応情報出力画面(図9、図10)、及びグラフ出力画面(図11〜13)を表示するディスプレイ(図示省略)並びに、遊技機4aにおける特賞発生を報知するスピーカ(図示省略)等の出力装置109が接続される。また、I/Oポート107には、遊技場内部管理装置1の操作(例えば、入力項目の入力又は他の機種の選択)のための設定入力装置(キーボード、マウス等)110が接続される。
外部ネットワーク通信ポート108は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、遊技場の外部に設けられた外部ネットワークと接続される。よって、遊技場内部管理装置1は、外部ネットワークに接続された遊技場外部の機器と通信をすることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置3に設けられたマイクロプロセッサ300の構成を示すブロック図である。
情報収集端末装置3は、遊技用装置4のアウト球や始動口23への入賞に関するデータ等の遊技情報を収集して遊技場内部管理装置1に送信する機能を有し、マイクロプロセッサ300、電源回路及びデータ入出力用端子が設けられる。
マイクロプロセッサ300は、3個のCPU301〜303を内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)301、ネットワークCPU302及びアプリケーションCPU303の三つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU301〜303が接続されるアドレス及びデータのためのバス304には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM305、EEPROM306及びROM307が接続される。
RAM305は、各種データ(例えば、遊技機4aの補助遊技実行回数、始動入賞数又はアウト球数等)を一時的に記憶する記憶領域及びアプリケーションCPU303の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
EEPROM306は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置3に接続される遊技機4aの台番号、ネットワーク構成、アドレスの指定情報及び識別コード等の情報収集端末装置3に設定される情報等を記憶する。
EEPROM306のプログラムによって書き換え可能な領域及びROM307には、遊技情報の収集に用いられるプログラムが記憶される。
また、コモンバス304には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート308及びI/Oポート309が接続される。
ネットワーク通信ポート308は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートである。ネットワーク通信ポート308は、ドライバを介してネットワーク接続端子に接続されており、当該ネットワーク接続端子はネットワークケーブルを介して中継装置2が接続され、さらに、内部ネットワークを通じて遊技場内部管理装置1と信号(例えば、データ信号や指令信号)を送受信する。
I/Oポート309は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、ドライバを介して外部入出力端子に接続されており、当該外部入出力端子には、遊技機4aから出力される賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号や、周辺装置(補給数計数装置4c及び回収数計数装置4d)から出力される補給信号又は回収信号等の遊技情報(図4)が入力される。なお、賞球信号、特賞信号、確変信号及びスタート信号は、通信ポート310と、遊技機4aの遊技制御装置400に備えられた遊技用マイクロコンピュータ401とで直接通信することで受信することもできる。
通信ポート310は、遊技機4aに設けられた遊技用マイクロコンピュータ401の通信ポートとの間で、所定のプロトコルで通信を行う。通信ポート310は、遊技機4aの遊技制御基板上に設けられたコネクタと接続される。
プロセッサには、CPU301〜303のクロックやリセット等の制御信号を出力する制御回路311も内蔵される。
遊技用装置4から情報収集端末装置3に遊技情報が入力されると、アプリケーションCPU303によって遊技情報の累積値が算出される。そして、アプリケーションCPU303は、算出された遊技情報の累積値に基づいて、遊技用装置4の稼動状態を判定する。遊技情報の累積値は、RAM305に一定期間記憶されて管理される。なお、当該累積値を、情報収集端末装置3がネットワーク通信ポート308から出力して、遊技場内部管理装置1が管理してもよい。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技用装置4の説明図である。
遊技用装置4は、遊技機4a、球貸ユニット4b、補給数計数装置(補給数計数手段)4c、回収数計数装置(回収数計数手段)4d及び会員端末4eより構成される。
遊技機(パチンコ遊技機)4aの前面枠11は、本体枠(外枠)12にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられる。前面枠11には、裏面に取り付けられた収納フレームに遊技盤14が収装される。遊技盤14の表面には、ガイドレール15で囲われた略円形状の遊技領域16が形成される。
遊技領域16には、可変表示装置17が設けられるセンターケース18がほぼ中央に配置される。可変表示装置17は、例えば、LCD(液晶表示器)又はCRT(ブラウン管)で表示画面が構成される。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(装飾図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中及び右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた装飾図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類の図柄)が変動表示して特図変動表示ゲーム(補助遊技)が行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示又はエンディング表示等)が表示される。
可変表示装置17の左右上方及び前面枠11の左右上方には、装飾用ランプやLED等からなる装飾装置19が設けられる。装飾装置19は、大当り遊技状態等のイベント発生時や異常発生時に、遊技機4aの状態に応じて発光する
センターケース18の左右には、それぞれ方向転換部材20及び一般入賞口21が配置される。また、センターケース18の直下には、普通変動入賞装置(普通電動役物)22を備えた始動入賞口(始動領域)23が設けられる。始動入賞口23は、通常は、閉鎖した普通変動入賞装置22によって、遊技球の入賞可能性が狭められている。
始動入賞口23の下方には特別変動入賞装置(大入賞口)24が設けられる。また、始動入賞口23の左右には、普通図柄始動ゲート25が設けられる。
特別変動入賞装置24の左側には、特図変動表示ゲームの特別図柄の変動表示及び特別図柄入賞記憶数(始動記憶数)を表示する特図表示器26が設けられる。特図表示器26には、特図表示部26A及び特図記憶表示部26Bが設けられる。また、特別変動入賞装置24の右側には、普図変動表示ゲームの普通図柄の変動表示及び普通図柄入賞記憶数を表示する普図表示器27が設けられる。普図表示器27には、普図表示部27A及び普図記憶表示部27Bが設けられる。
遊技機4aでは、打球発射装置(図示省略)から遊技領域16に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域16内の各所に配置された釘や風車等の方向転換部材20によって転動方向を変えながら遊技領域16を流下する。そして、一般入賞口21、始動入賞口23又は特別変動入賞装置24に入賞するか、遊技領域16の最下部に設けられたアウト口28から排出される。
なお、各入賞口(一般入賞口21、始動入賞口23又は特別変動入賞装置24)の上方には、釘等の方向転換部材20が植設されている。遊技場は、これらの方向転換部材20の角度を調整することで、各入賞口へ遊技球が入賞しやすいように誘導したり、各入賞口へ遊技球が入賞しづらいように誘導したりすることができる。つまり、方向転換部材20の角度を調整することで、各入賞口へ遊技球が入賞する頻度を調整できる。
一般入賞口21への遊技球の入賞は、これらの一般入賞口21に備えられた入賞口センサ54.1又は54.2(図5)によって検出される。
始動入賞口23への遊技球の入賞は、始動口センサ51(図5)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置400内の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特別図柄入賞記憶の記憶数は、特図記憶表示部26Bに表示される。遊技制御装置400は、特別図柄入賞記憶に基づいて、特図表示部26Aにて特図変動表示ゲームを行う。
始動入賞口23へ遊技球の入賞があると、可変表示装置17では、前述した数字等で構成される装飾図柄(識別情報)が順に変動表示して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、可変表示装置17では、特図表示部26Aの表示に対応する装飾図柄の変動表示が行われる。特図表示部26Aは、変動表示状態と変動表示結果とを遊技者に正確に知らしめる役割を有し、可変表示装置17は、興趣向上のために多様な表示を演出する役割を有する。
始動入賞口23への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当り値であるとき)には大当り遊技状態となり、表示図柄が特定の結果態様を導出する。具体的には、特図表示部26Aは、当り図柄である一桁の特別図柄で停止して、可変表示装置17は、三つの装飾図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。
このとき、特別変動入賞装置24が、大入賞口ソレノイド55(図5)への通電によって、所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置24が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
特別変動入賞装置24への遊技球の入賞は、カウントセンサ52(図5)によって検出される。
普通図柄始動ゲート25への遊技球の通過は、普図始動ゲートセンサ53(図5)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置400内の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普図記憶表示部27Bに表示される。
普通図柄始動ゲート25を遊技球が通過すると、遊技制御装置400は普通図柄入賞記憶に基づいて普図表示器27で普図変動表示ゲームが開始される。すなわち、普通図柄始動ゲート25への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当り値であるときには)には当り状態となり、普図表示部27Aに表示される普通図柄が当り状態で停止する。
このとき、始動入賞口23の上部に設けられた普通変動入賞装置22は、普通電動役物ソレノイド22A(図5)への通電によって、始動入賞口23への入口が所定の時間だけ拡開するように変換される。普通変動入賞装置22がこのように変換されることによって、始動入賞口23への遊技球の入賞可能性が高められる。
前面枠11の下部の開閉パネル29には、遊技球を打球発射装置に供給する上皿30が配設される。また、前面枠11の下部の固定パネル31には、下皿32及び打球発射装置の操作部33等が配設される。
一般入賞口21、始動入賞口23及び特別変動入賞装置24に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、遊技機4a内部に設けられた払出ユニット(図示省略)から上皿30又は下皿32に排出される。
上皿30の外面には、遊技機4aに隣接して設けられる球貸ユニット4bの操作パネル34が形成される。操作パネル34には、プリペイドカードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)、遊技球の貸し出しを指令する球貸スイッチ35、及び、プリペイドカードの返却を指令するカード返却スイッチ36が設けられる。
球貸ユニット4bは、中央にプリペイドカード挿入口37が設けられる。遊技者が券売機で購入したプリペイドカードをプリペイドカード挿入口37に挿入すると、当該プリペイドカードが保有する有価価値に相当する度数が、カード残高表示部に表示される。そして、球貸スイッチ35の操作により遊技者から遊技球の貸出要求があると、相当する数の遊技球が上皿30に排出される。
また、カード返却スイッチ36の操作により遊技者からプリペイドカードの返却要求があると、プリペイドカードに残度数高があれば、プリペイドカード挿入口37からプリペイドカードが排出される。なお、残度数が0になったプリペイドカードは、球貸ユニット4b内部のカード収容部に取り込まれて初期化される。
会員端末4eは、表示装置38、操作部39及びカード読取部40を備える。
表示装置38は、例えば、LCD(液晶表示器)又はCRT(ブラウン管)で表示部が構成される。表示装置38には、過去の稼動状況(大当り遊技回数やスタート回数等)、各会員の遊技履歴、及び、遊技場から遊技者に通知される情報等が表示される。
操作部39は、表示装置38の表示内容を切り替える操作スイッチ等によって構成される。なお、操作部39は、表示装置38と一体に設けたタッチパネルで構成してもよい。
カード読取部40で遊技者が保有する会員カードが読み取られると、会員端末4eに備えられたカードリーダ/ライタによって、読み取られた会員カードから会員IDが特定される。会員IDは、会員端末4eから遊技場内部管理装置1へ出力され、会員である遊技者の個人情報が読み出される。
次に、遊技用装置4が出力する遊技情報について説明する。
遊技機4aに設けられた盤用外部情報56(図5)から情報収集端末装置3のマイクロプロセッサ300のI/Oポート309には、遊技に関わる信号(遊技情報)が入力される。
遊技機4aは、一般入賞口21、始動入賞口23又は大入賞口24に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を、払出ユニットから上皿30に排出する。そして、所定数の賞球を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りのときは、大当り遊技状態(特別遊技状態)中だけオンになるパルス信号である「特賞信号」を遊技情報として出力する。その結果、遊技機4aで一回の大当り遊技状態が発生する毎に、1パルスのパルス信号が情報収集端末装置3に出力される。
また、遊技機4aは、大当り遊技状態が確変図柄による大当りのときは、当該大当り遊技状態中、及び、その後発生する確率変動状態中に、「確変信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、始動入賞口23への遊技球の入賞によって特図変動表示ゲームが開始すると、特図変動表示ゲームが開始される毎に「スタート信号(補助遊技実行回数情報)」を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、始動入賞口23へ遊技球が入賞する毎に、「始動入賞信号(始動入賞数情報)」を遊技情報として出力する。なお、本明細書では、始動入賞口23へ入賞した遊技球の数を始動入賞数という。
また、遊技機4aから出力される遊技情報には、特図変動表示ゲームが終了したときに出力される「図柄確定信号」等がある。これらの信号は、盤用外部情報56から、電圧出力形式又は接点出力形式で出力される。
また、遊技機4aは、遊技機4aに固有の情報として遊技用マイクロコンピュータ401が備えるチップID、遊技機4aのメーカを特定するメーカコード、遊技機4aの機種を特定する機種コード及びプログラムの正当性を確認するセキュリティコード(例えば、プログラムコードのハッシュ値)を機種情報として出力する。
なお、遊技機4aは、遊技情報を、遊技用マイクロコンピュータ401から情報収集端末装置3の通信ポート310に対して出力してもよい。この場合、所定のプロトコルを用いたデータ通信(例えば、暗号化通信)によって通信内容を秘匿して、盤用外部情報56から出力するよりも詳細な遊技情報(例えば、特別図柄入賞記憶数や抽出した乱数値等)を出力することができる。また、双方向通信によって接続相手のIDの認証を行い、不正な機器との接続を防止することができる。
球貸ユニット4bは、所定数(例えば、25個)の遊技球を貸し出す毎に「球貸信号」を遊技情報として出力する。なお、「球貸信号」は、遊技機4aの盤用外部情報56から出力してもよい。
これらの信号を受信した情報収集端末装置3は、これらの遊技情報を加算演算して累積値を集計する。また、遊技情報の累積値を内部ネットワークに向けて送信してもよい。この累積値は、例えば、所定時間経過毎、大当り遊技状態発生等のイベント時、遊技場内部管理装置1からのポーリングの応答時、又は、遊技場の営業終了後に送信される。
また、遊技機4aが設置される島設備には、遊技機4a(球貸ユニット4bから貸球が排出される場合は、遊技機4a及び球貸ユニット4b)に遊技球を補給する補給路と、遊技機4aからアウト球を回収する回収路とを備えた補給回収機構が設けられる。
補給数計数装置4cは、遊技機4aに補給された球数を計数する。補給数計数装置4cは、補給球の計数結果である「補給信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
回収数計数装置4dは、遊技機4aから回収されたアウト球数、つまり、遊技者が遊技機4aの遊技領域16に発射した遊技球の数を計数する。回収数計数装置4dは、アウト球の計数結果であって、遊技者が遊技に使用した遊技球の数を示す「回収信号(アウト球数情報)」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
この補給数計数装置4c及び回収数計数装置4dは情報収集端末装置3に接続されており、情報収集端末装置3が、補給数計数装置4c及び回収数計数装置4dから出力される遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。なお、補給数計数装置4c及び回収数計数手段4dは、遊技機4aに設けてもよい。また、情報収集端末装置3は、回収信号、補給信号及び球貸信号を遊技機4aから直接収集してもよい。
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技機4aの遊技制御装置400を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置400は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ401、入力インターフェース402及び出力インターフェース403から構成されている。
遊技用マイクロコンピュータ401には外部通信端子404が設けられている。外部通信端子404は、遊技用マイクロコンピュータ401に一意に設定された識別番号を出力することができる。この外部通信端子404に検査装置や遊技場内部管理装置1を接続することで、遊技場内部管理装置1は遊技機4aを識別することができる。
遊技用マイクロコンピュータ401は、入力インターフェース402を介しての各種検出装置(特図始動入賞口センサ51、カウントセンサ52、普図始動ゲートセンサ53及び入賞口センサ54.1、54.2)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、出力インターフェース403を介して遊技領域16に設けられた特図表示器26(特図表示部26A、特図記憶表示部26B)及び普図表示器27(普図表示部27A、普図記憶表示部27B)に各種情報を出力する。
特図表示部26Aには、特図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、特図記憶表示部26Bには、特別図柄入賞記憶数表示を出力する。
普図表示部27Aには、普図変動表示ゲームの変動表示態様を出力する。また、普図記憶表示部27Bには、普通図柄入賞記憶数表示を出力する。
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、出力インターフェース403を介して、各従属制御装置(排出制御装置410及び表示制御装置420)、普通電動役物ソレノイド22A又は大入賞口ソレノイド24A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、盤用外部情報56を介して、遊技場内部管理装置1に遊技機4aに関する情報を出力する。
排出制御装置410は、遊技制御装置400からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、球貸ユニット4bからの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御して貸球を排出させる。
遊技制御装置400から表示制御装置420には、特図変動開始コマンド、変動表示コマンド、識別情報コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、大当りコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常遊技状態、大当り遊技状態、確率変動状態、変動時間短縮状態等の遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
なお、通常遊技状態とは、大当り遊技が実行されていない状態である。大当り遊技状態とは、特図変動表示ゲームの結果として大当りが発生し、大当り遊技(特別遊技)が実行されている状態である。
特図変動開始コマンドは、特図変動表示ゲームの開始を指示する。変動表示コマンドは、識別情報の変動表示態様を指示する。識別情報コマンドは、特図変動表示ゲームの結果として停止表示される識別情報を指示する。確定コマンドは、識別情報の変動表示の停止を指示する。デモ表示コマンドは、特図変動表示ゲームが所定時間なされないときに行われる表示を指示する。ファンファーレコマンドは、大当り遊技状態に移行する前の状態の表示を指示する。大当りコマンドは、大当り遊技状態中のラウンド表示、インターバル表示又は大当り遊技状態中のラウンド間表示等の大当り遊技状態中の表示を指示する。エラーコマンドは、異常時の表示を指示する。
遊技機4aの遊技領域に遊技球が発射され、始動入賞口23に遊技球が入賞すると、当該入賞時に抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置400内の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、4回)を限度に記憶される。そして、特別図柄入賞記憶数が一つ減算される度に特図変動表示ゲームが一回実行され、最終的に特別図柄入賞記憶数が0になるまで特図変動表示ゲームが繰り返し実行される。つまり、始動入賞口23に遊技球が入賞した数だけ、特図変動表示ゲームが実行される。
ただし、特別図柄入賞記憶数が最大数(例えば、4)の状態で、さらに始動入賞口23に遊技球が入賞した場合は、特別記憶領域に空きがないため、特別記憶領域はオーバーフローして、当該入賞時に抽出された特別図柄乱数カウンタ値は特図記憶領域に記憶されない。よって、始動入賞口23へ遊技球が入賞した場合、本来であれば特図変動表示ゲームが実行されるが、特図記憶領域に既に最大数分の特別図柄入賞記憶が記憶されている場合は、さらに始動入賞口23へ遊技球が入賞しても、特図変動表示ゲームは実行されない。このことから、始動入賞口23に遊技球が入賞した回数と特図変動表示ゲームの実行回数に差異が生じることになる。
表示制御装置420は、これらのコマンドによって、遊技制御装置400が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
音制御装置430は、表示制御装置420からの音制御指令信号に基づいて、遊技機4aに設けられたスピーカ57から出力される効果音を制御する。
装飾制御装置440は、表示制御装置420からの装飾制御指令信号に基づいて、前面枠11に設けられたLED又は装飾用ランプ等の装飾装置19を制御する。
表示制御装置420には出力インターフェースが設けられている。出力インターフェースには可変表示装置17が接続されており、出力インターフェースを介して可変表示装置17に信号を出力する。
可変表示装置17は、表示制御装置420からの画像表示信号に基づいて、表示領域に対応する画像を表示する。
遊技機4aの電源装置(図示省略)は、電源回路の他に、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置400等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置400は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置400等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報や遊技制御情報)等をバックアップする。
なお、音制御装置430及び装飾制御装置440を、表示制御装置420とは別個に設けたが、音制御装置430や装飾制御装置440を表示制御装置420に含めて、音制御装置430及び/又は装飾制御装置440を表示制御装置420と一体に構成してもよい。また、音制御装置430及び装飾制御装置440を、表示制御装置420に接続せずに、遊技制御装置400に直接接続するように構成してもよい。
図6は、本発明の第1の実施の形態の営業結果データテーブル600を示す説明図である。営業結果データテーブル600は、遊技用装置4で発生した遊技結果のデータであり、営業遊技場内部管理装置1のHDD104に記憶される。
営業結果データテーブル600には、日付601、台番号602、機種名603、補助遊技実行回数604、始動入賞数605及びアウト球数606等がデータ毎に関連付けられて記録される。なお、記録される項目はこれらの項目に限られない。
日付601は、各データが収集された日付である。
台番号602は、各データが収集された遊技機4aの台番号である。
機種名603は、各データが収集された遊技機4aの機種である。
補助遊技実行回数604は、台番号602に記録された遊技機4aの、日付601に記録された営業日中に実行された補助遊技の回数である。
始動入賞数605は、台番号602に記録された遊技機4aの、日付601に記録された営業日中に始動入賞口23に入賞した遊技球の数である。
アウト球数606は、台番号602に記録された遊技機4aの、日付601に記録された営業日中に回収されたアウト球の数である。
図7は、本発明の第1の実施の形態の遊技場内部管理装置1にてシミュレーションを行う際に、必要なデータを入力するための入力項目設定画面の説明図である。図8は、本発明の第1の実施の形態のシミュレーション結果を示す予測結果出力画面の説明図である。
図7の入力項目設定画面において所定の入力項目が入力されることによって、遊技場内部管理装置1は目標利益(G)を算出する。そして、遊技場は、割り出された目標利益(G)の値に基づいて、パラメータとして設定し得る大入賞口獲得賞球(Db)及び始動入賞頻度(Sip)の設定が目標利益(G)の達成に適しているか否かをシミュレーションにより検証することができる。さらに、始動入賞口23周辺の釘調整の度合いを検証することができる。
ここで、大入賞口獲得賞球(Db)は、大当り遊技状態が一回発生する間に特別変動入賞装置(大入賞口)24に遊技球が入賞することで遊技者が獲得できる賞球数である。始動入賞頻度(Sip)は、所定数(例えば、100個)のアウト球が回収される間に始動入賞口23へ遊技球が入賞する個数(頻度)である。
図7の入力項目設定画面は、遊技場内部管理装置1に接続されたディスプレイ等の出力装置109に表示される。そして、遊技場の従業員は、設定入力装置110を用いて、図7に示す所定の入力項目を遊技場内部管理装置1に入力する。
この所定の入力項目に従って入力されたデータは、遊技場内部管理装置1のHDD104に記憶される。遊技場内部管理装置1は、このデータに基づいて目標利益(G)及び図柄変動休止割合(P0)の予測値を算出する。
「アウト球数予測」(Au)は、予測される一営業日当りの遊技機4a一台のアウト球数である。なお、「アウト球数予測」は、一営業日当りのアウト球数に限られず、例えば、所定時間当りのアウト球数を入力させるように設計してもよい。
「貸球単価」(Kt)は、遊技者からの貸出要求に応じて貸し出される遊技球の一個当りの単価である。なお、本実施の形態では、遊技球一個を景品に交換する際の単価(交換単価)も貸球単価と同じ4(円/個)とする。
大当り確率は、特図変動表示ゲームの一回当りの大当り遊技状態の発生確率であって、0より大きく1より小さい。通常は、数十分の一から数百分の一の値(例えば、1/250)である。「大当り確率(逆数)」(Ts)は、遊技機4aの大当り確率の逆数であって、例えば、大当り確率が1/250の場合、250と入力される。
「大入賞口獲得賞球」(Db)は、前述したように、大当り遊技状態が一回発生する間に特別変動入賞装置(大入賞口)24に遊技球が入賞することで遊技者が獲得できる賞球数である。
「始動入賞頻度」(Sip)は、前述したように、所定数(例えば、100個)のアウト球が回収される間に始動入賞口23へ遊技球が入賞する頻度であって、入賞する遊技球の個数で入力される。
「始動入賞有効率」(Yi)は、始動入賞口23に遊技球が入賞した場合に、始動入賞口23への入賞が始動記憶のオーバーフローによって無駄になることなく、実際に補助遊技が実行される確率である。
「始動口賞球数」(Sb)は、始動入賞口23へ遊技球が一個入賞する毎に遊技者に付与される賞球数である。
「他穴入賞頻度」(Tip)は、所定数(例えば、100個)のアウト球が回収される間に他穴(始動入賞口23及び特別変動入賞装置24以外の入賞口、つまり、一般入賞口21)へ遊技球が入賞する頻度であって、入賞する遊技球の個数で入力される。
「他穴賞球数」(Tb)は、他穴(一般入賞口21)へ遊技球が一個入賞する毎に遊技者に付与される賞球数である。
「平均図柄変動時間」(Ha)は、補助遊技(変動表示ゲーム)の実行時に表示される図柄が変動を開始してから停止するまでに要する時間の平均値である。
「目標利益(目標情報)」(G)は、遊技場が目標とする一営業日当りの遊技機4a一台の利益(営業成績)である。本実施の形態においては、目標利益(G)を算出するので、値は入力せず空欄のままにしておく。なお、「目標利益」は、一営業日当りの目標利益に限られず、例えば、所定時間当りの目標利益や、所定数のアウト球が回収される間の目標利益を算出するように設計してもよい。
以上の入力項目が遊技場内部管理装置1に入力されると、遊技場内部管理装置1は、目標利益(G)及び図柄変動休止割合(P0)の予測値を算出し、表示画面にそれぞれの予測結果として「目標利益(G):23634円」、「図柄変動休止割合(P0):19.83%」を、図8のように出力する。
ここで、遊技場内部管理装置1は、目標利益(G)を次のように算出する。
まず、補助遊技実行頻度(Sep)(アウト球100個当りの補助遊技実行回数)及びアウト球数予測(Au)から、一営業日当りの補助遊技実行回数を算出する。当該補助遊技実行回数をY1とすると、
Y1=Sep×Au/100 …(1)
となる。
次に、Y1及び大当り確率(逆数)(Ts)から、一営業日当りの大当り遊技状態の発生回数を算出する。当該大当り遊技状態の発生回数をY2とすると、
Y2=Y1/Ts=Sep×Au/100/Ts …(2)
となる。
次に、Y2及び大入賞口獲得賞球(Db)から、特別変動入賞装置24への遊技球の入賞によって遊技者が獲得する一営業日当りの賞球の数を算出する。当該賞球の数をY3とすると、
Y3=Y2×Db=Sep×Au×Db/100/Ts …(3)
となる。
次に、始動入賞頻度(Sip)、アウト球数予測(Au)及び始動口賞球数(Sb)から、始動入賞口23への遊技球の入賞によって遊技者が獲得する一営業日当りの賞球の数を算出する。当該賞球の数をY4とすると、
Y4=Sip×Au/100×Sb …(4)
となる。
次に、他穴入賞頻度(Tip)、アウト球数予測(Au)及び他穴賞球数(Tb)から、他穴への遊技球の入賞によって遊技者が獲得する一営業日当りの賞球の数を算出する。当該賞球の数をY5とすると、
Y5=Tip×Au/100×Tb …(5)
となる。
そして、アウト球数予測(Au)及びY3〜Y5から、遊技者が消費する一営業日当りの遊技球の数Y6は、
Y6=Au−(Y3+Y4+Y5) …(6)
となる。よって、遊技場の目標利益(G)は、
G=(Au−Y3−Y4−Y5)×Kt …(7)
で算出できる。
ここで、補助遊技実行頻度(Sep)は、始動入賞頻度(Sip)と、始動入賞有効率(Yi)を用いて、
Sep=Sip×Yi …(8)
と表される。
よって、目標利益(G)は、
G=Kt×Au×[1−Sip×Yi×Db/(100×Ts)−Sip×Sb/100−Tip×Tb/100] …(9)
となる。
また、図柄変動休止割合(P0)は、後述する待ち行列理論に基づいて始動入賞頻度(Sip)から算出される。
前述したように、始動記憶数が最大数(例えば、4)の状態で、さらに始動入賞口23に遊技球が入賞した場合は、記憶領域に空きがないため、始動記憶はオーバーフローして当該入賞は記憶されず、さらに始動入賞口23へ遊技球が入賞しても、変動表示ゲームは実行されない。
よく知られているように、客の到着間隔がランダム、即ちポアソン分布に従い、窓口の平均サービス時間が指数分布に従うときには、所謂、待ち行列理論の理論が成り立つ。そこで、始動入賞口23への入賞の発生がポアソン分布に従い、かつ補助遊技の実行時間(図柄変動時間)が指数分布に従うと仮定すれば、このように、補助遊技(変動表示ゲーム)の実行は、行列の制限がある場合の待ち行列(ケンドール記号:M/M/1(N))として考えることができる。
「行列の制限がある場合の待ち行列」に従えば、始動記憶の最大数は4であることから、補助遊技の実行中(サービス中)の一つを加えて系の中の最大数は5となり、補助遊技の図柄変動が休止している割合は、「行列の制限(N)が5である場合の待ち行列の系の中に誰もいない場合の確率」に相当するため、
P0=(1―ρ)/(1−ρ6) …(10)
である。
ここで、遊技球の単位時間当たり発射数は一分間に100個と仮定すれば、アウト球の発生もこれに準じることとなり、λ(平均到着率)は、単位を秒に合わせて、
λ=始動入賞頻度(Sip)×100/(60×100)=Sip/60 …(11)
と表すことができる。また、μ(平均サービス率)は、
μ=1/平均図柄変動時間(Ha) …(12)
と表すことができる。したがってρは、
ρ=λ/μ …(13)
であるから、式(11)及び式(13)より、
ρ=Sip×Ha/60 …(14)
となる。このρを式(10)に代入して、図柄変動休止割合(P0)を求めることができる。
このように、遊技場内部管理装置1は、遊技機4aの始動記憶の上限数はN−1個であり、補助遊技非実行状態算出手段であるCPU101は、M/M/1(N)をモデルとする待ち行列理論に基づいて、補助遊技が実行されない状態の発生頻度を算出する。
本実施の形態では、平均実行時間データ(平均図柄変動時間(Ha))と始動入賞頻度データ(始動入賞頻度(Sip))により、補助遊技が実行されない状態の発生頻度を予測することができるので、補助遊技が実行されない状態を検出する機能を設けなくても、遊技装置の性能を予め知ることができ、遊技装置の釘調整に役立てることができる。
なお、本実施の形態では、「補助遊技の実行」を、「行列の制限がある場合の待ち行列」としてモデル化して待ち行列理論を適用したが、これに限らず、例えば始動記憶の上限数に対して始動入賞率が大きく、始動記憶のオーバーフローが生じ難い場合等には、「補助遊技の実行」を、「行列の制限のない待ち行列(M/M/1)としてモデル化して待ち行列理論を適用しても良い。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例である。本実施の形態は、遊技場内部管理装置1における入力項目設定画面(図7参照)においては、先に目標利益(G)を入力して、この目標利益(G)を達成するための始動入賞頻度(Sip)と大入賞口獲得賞球(Db)との組み合わせと、その場合の図柄変動休止割合(P0)予測値の算出結果を表形式に出力する点が、前述した第1の実施の形態と異なる。
ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図9は、本発明の第2の実施の形態の目標利益(G)に基づいて、始動入賞頻度を変化させた場合の図柄変動休止割合の予測結果の出力を示す説明図である。
図9は、目標利益(G)を「30000円」に設定した場合の始動入賞頻度(Sip)の値のそれぞれに対応する図柄変動休止割合(P0)の予測結果であり、遊技場内部管理装置1のHDD104に記憶される。そして、遊技場内部管理装置1に接続された、例えばディスプレイやプリンタ等の、出力装置109に出力される。
ここでは、始動入賞頻度(Sip)を0.1毎に区分して、大入賞口獲得賞球(Db)及び図柄変動休止割合(P0)を出力する。例えば、始動入賞頻度(Sip)が「5.5」である場合に、目標利益(G)「30000円」を達成するための大入賞口獲得賞球(Db)は「2139」となり、図柄変動休止割合(P0)は「25.56%」となる。
なお、大入賞口獲得賞球(Db)は、式(9)により、
Db=[1−G/(Kt×Au)−Sip×Sb/100−Tip×Tb/100]×100×Ts/(Sip×Yi) …(15)
となる。
なお、結果を出力した表は、始動入賞頻度(Sip)に基づいて0.1毎に区分しているが、例えば、0.2や0.05毎に区分してもよい。さらに、表を大入賞口獲得賞球(Db)や図柄変動休止割合(P0)に基づいて一定間隔毎に区分した表を出力してもよい。
本実施の形態では、遊技場内部管理装置1に入力された目標利益(G)を達成するための始動入賞頻度(Sip)と大入賞口獲得賞球(Db)との組み合わせと、その場合の図柄変動休止割合(P0)予測値の算出結果を表形式(図9参照)で出力する。これによって、目標利益(G)を達成するための始動入賞頻度(Sip)と大入賞口獲得賞球(Db)との組み合わせを容易に把握することができる。さらに始動入賞頻度(Sip)と大入賞口獲得賞球(P0)との組み合わせを、遊技者に与える遊技の印象を大きく左右する図柄変動休止割合(P0)を参考にして選択することができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例である。遊技場内部管理装置1は、始動入賞頻度(Sip)の実測値、アウト球数(Au)の実測値、及び始動入賞頻度から算出した図柄変動休止割合(P0)を表形式で出力し、アウト球数の実測値と図柄変動休止割合(P0)との相関関係をグラフに出力する点で、前述した第1の実施の形態と異なる。第1の実施の形態では、始動入賞頻度(Sip)へ設定される値は、入力項目設定画面(図7)で入力される値を用いているが、本実施の形態では、始動入賞頻度(Sip)の値として、実際の遊技結果のデータ(実測値)を用いている。
ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図10は、本発明の第3の実施の形態の遊技機4aの始動入賞頻度実測値及びアウト球数実測値並びに図柄変動休止割合を示すアウト球‐図柄変動休止割合実測テーブル1000を示す説明図である。
図10に示すアウト球‐図柄変動休止割合実測テーブル1000は、一営業日毎に記録されており、遊技場内部管理装置1のHDD104に記憶され、遊技場内部管理装置1に接続されたディスプレイ等の出力装置109に表示される。
アウト球‐図柄変動休止割合実測テーブル1000には、日付1001、台番号1002、機種名1003、始動入賞頻度実測値1004、アウト球数実測値1005及び図柄変動休止割合1006等がデータ毎に関連付けられて記録される。なお、記録される項目はこれらの項目に限られない。
日付1001は、各データが収集された日付である。
台番号1002は、各データが収集された遊技機4aの台番号である。
機種名1003は、各データが収集された遊技機4aの機種である。
始動入賞頻度実測値1004は、台番号1002に記録された遊技機4aの、日付1001に記録された営業日中に始動入賞口23に入賞した遊技球の数である。
アウト球数実測値1005は、台番号1002に記録された遊技機4aの、日付1001に記録された営業日中に回収されたアウト球の数である。
図柄変動休止時間1006は、台番号1002に記録された遊技機4aの、日付1001に記録された営業日中に回収されたアウト球の数である。
遊技場内部管理装置1は、先ず始動入賞頻度(Sip)とアウト球数の実測値を収集し、次に始動入賞頻度の実測値を用いて図柄変動休止割合(P0)を算出する。次に、始動入賞頻度(Sip)の実測値、アウト球数(Au)の実測値、及び始動入賞頻度から算出した図柄変動休止時間(P0)を記録して日付1001、台番号1002、機種名1003、始動入賞頻度実測値1004、アウト球数実測値1005及び図柄変動休止時間1006について表形式で出力する。次に、この算出した図柄変動休止割合と、アウト球数実測値の相関関係をグラフ上に出力する。ここで、始動入賞頻度は、遊技機4aの当該営業日において集計された始動入賞数を、当該営業日において集計されたアウト球数で除して100を乗ずることで算出される。
このように、遊技場内部管理装置1は、遊技機4aの遊技領域16に発射された遊技球の数を示すアウト球数データを収集するアウト球数収集手段及び始動入賞口23へ入賞した遊技球の数を示す始動入賞数データを収集する始動入賞数収集手段としての機能を有する。
また、所定の台番号の遊技機4aに関して、一営業日毎に区分してデータを記録する。例えば、4月1日のように一営業日毎に、所定の遊技機毎の始動口入賞頻度実測値(Sip)、アウト球数実測値(Au)及び図柄変動休止割合(P0)をそれぞれ記録する。
図11は、本発明の第3の実施の形態の図柄変動休止割合とアウト球数実測値との相関関係を示すグラフの説明図である。
図10に示す表に表された図柄変動休止割合とアウト球数実測値との組のそれぞれが、図11のグラフ上に一個の点としてプロットされている。グラフの縦軸にはアウト球数実測値を対応付け、横軸には図柄変動休止割合を対応付けている。
図11のグラフの図柄変動休止割合が20%を超える辺りから右側において、右に進むにつれてアウト球数が急速に低下していくことが判る。これによって、図柄変動停止割合が20%以下の場合は、遊技機4aの稼動状況はあまり変化しないが、図柄変動停止割合が20%を超えると遊技機4aの稼動状況が悪化していることが判る。このことから、図柄変動停止割合が20%を上回ると、遊技者に与える印象が良くないことが推測される。したがって、図柄変動停止割合が20%を下回らないように調整することが可能となる。例えば第1の実施の形態の表(図9参照)を用いるなどして、始動入賞頻度(Sip)を釘調整によって調整することができる。
このように、遊技場内部管理装置1の備えるCPU101は、遊技場内部管理装置1によって収集されたデータに基づいて、遊技装置の始動入賞口23へ遊技球が入賞した頻度を示す始動入賞頻度の実測値(始動入賞頻度実測データ)を算出する始動入賞頻度実測データ算出手段として機能する。
また、CPU101は、始動入賞頻度の実測値(始動入賞頻度実測データ)を始動入賞頻度(始動入賞頻度データ)として、待ち行列理論に基づいて、補助遊技が実行されない状態の発生頻度を算出する補助遊技非実行状態算出手段として機能する。
また、CPU101は、交差する2つの軸に前記発生頻度と前記アウト球数データとを各々対応付けたグラフ上に、前記補助遊技非実行状態算出手段による算出結果を出力する出力する情報出力手段として機能する。
そして、遊技場内部管理装置1は、始動入賞頻度実測データ算出手段、補助遊技非実行状態算出手段及び情報出力手段として機能するCPU101を備えた遊技場管理装置として機能する。
本実施の形態では、図柄変動休止割合とアウト球数実測値の相関関係を図11のグラフ上に表すことによって、補助遊技が実行されない状態の発生頻度と、遊技装置の稼動との相関関係の理解を助ける情報を得ることができ,遊技装置の稼動へ影響を与えない補助遊技非実行状態の限界値を遊技実績から知ることが可能となり,釘調整に有効なデータを得ることができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例である。第1の実施の形態では図柄変動時間はその平均値である平均図柄変動時間(Ha)を用いて固定していたが、平均図柄変動時間を始動入賞頻度(Sip)の変化に基づいて直線近似して変化させる点で、前述した第1の実施の形態と異なる。
ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図12は、本発明の第4の実施の形態におけるアウト球100個当りの始動入賞頻度(Sip)と補助遊技(変動表示ゲーム)の実行時に表示される図柄が変動を開始してから停止するまでに要する時間の平均値を表す平均図柄変動時間(Ha)との関係を示す説明図である。
パチンコ遊技機には、始動記憶のオーバーフローの発生頻度を低減する目的で、始動記憶を早く消化するべく、始動記憶の数が増加すると、補助遊技における図柄が変動を開始してから停止するまでに要する時間(図柄変動時間)は短くなるものがある。かかる遊技機の場合、始動入賞頻度が大きければ、始動口23への入賞する可能性が高いことから、始動記憶の記憶数も増加する傾向にあることになる。これに従い図柄変動時間の平均値である平均図柄変動時間は短くなる傾向にあると考えられる。
本実施の形態では、これに基づき平均図柄変動時間(Ha)を、始動入賞頻度(Sip)の関数であって直線的に変化する関数で近似して、始動入賞頻度の変化に応じて平均図柄変動時間を変化させることによって、より精緻な予測を可能とするものである。
図12において、グラフの横軸は、アウト球100個当りの始動入賞頻度(Sip)を示し、グラフの縦軸は、図柄変動時間の平均値(平均図柄変動時間Ha)を示す。例えば、このグラフに従えば、始動入賞頻度が9個のときの平均図柄変動時間は9秒(図12の破線矢印参照)となる。
このように、CPU101は、始動記憶の数に基づいて補助遊技の実行時間を決定する遊技機4aに対して、始動入賞頻度(始動入賞頻度データ)に対応して平均図柄変動時間(平均実行時間データ)を補正する補正手段及び補正された平均実行時間データに基づいて、前記補助遊技が実行されない状態の発生頻度を算出する補助遊技非実行状態算出手段として機能する。
そして、遊技場内部管理装置1は、補正手段及び補助遊技非実行状態算出手段を備える遊技機管理装置として機能する
さらに、CPU101は、始動入賞頻度データに対応して、通常の補助遊技の平均実行時間として設定された時間値を表す長時間データが示す時間値以下であって、始動入賞口23へ入賞した始動記憶の数が所定数となった際の補助遊技の平均実行時間として設定され長時間データよりも時間値の短い時間値を表示す短時間データが示す時間値以上の時間値を、補助遊技の平均実行時間とする補正手段として機能する。
本実施の形態では、始動記憶数に対応して補助遊技実行時間が変動する遊技装置であっても、シミュレーションが可能となる。また、始動入賞頻度(始動入賞頻度データ)の値に対応して、始動記憶の数の変化の度合いがほぼ決定されるものと仮定したうえで、平均図柄変動時間(平均実行時間データ)を補正するので、実際の遊技機で実行される補助遊技の実行時間の平均からの誤差が少ない時間値を得ることができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態は、前述した第4の実施の形態の変形例である。第4の実施の形態では図柄変動時間はその平均値である平均図柄変動時間(Ha)を用いて固定していたが、本実施の形態では、平均図柄変動時間を始動入賞頻度(Sip)の変化に基づいてパラメータを調整した近似式で近似した値で変化させる点で、前述した第4の実施の形態と異なる。
ここでは、前述した第4の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第4の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図13は、本発明の第5の実施の形態におけるアウト球100個当りの始動入賞頻度(Sip)と補助遊技(変動表示ゲーム)の実行時に表示される図柄が変動を開始してから停止するまでに要する時間の平均値を表す平均図柄変動時間(Ha)との関係を示す説明図である。
前述したように、パチンコ遊技機には、始動記憶のオーバーフローの発生頻度を低減する目的で、始動記憶を早く消化するべく、始動記憶の数が増加すると、補助遊技における図柄が変動を開始してから停止するまでに要する時間(図柄変動時間)は短くなるものがある。かかる遊技機の場合、始動入賞頻度が大きければ、始動口23への入賞する可能性が高いことから、始動記憶の記憶数も増加する傾向にあることになる。これに従い図柄変動時間の平均値である平均図柄変動時間は短くなる傾向にあると考えられる。
本実施の形態では、これに基づき平均図柄変動時間(Ha)を、始動入賞頻度(Sip)の関数であると仮定し、始動入賞頻度と平均図柄変動時間との実測値から作成した近似式を用いて始動入賞頻度の変化に応じて平均図柄変動時間を変化させることによって、より精緻な予測を可能とするものである。
図13において、グラフの横軸は、アウト球100個当りの始動入賞頻度(Sip)を示し、グラフの縦軸は、補助遊技(変動表示ゲーム)の実行時に表示される図柄が変動を開始してから停止するまでに要する時間の平均値を表す平均図柄変動時間(Ha)を示す。
遊技場内部管理装置1は、実測値に基づいて算出された始動入賞頻度及び平均図柄変動時間を、一組のデータを一つの点として、図13に示す所定のグラフにプロットする。そして、プロットされた各点に基づいて、始動入賞頻度と平均図柄変動時間との関係をモデル化する関数の式(例えば、Ha=[tan-1{p×(Sip−q)}/π+0.5]×(Tu−Tj))を満たすパラメータp及びqの値を、例えば最小二乗法等を用いて推定し、始動入賞頻度と平均図柄変動時間との近似式を割り出して両者の相関関係を近似する。
ここで、通常時の平均図柄変動時間(Tu)は10.0秒とし、記憶数3以上時の平均図柄変動時間(Tj)は2.0秒とし、パラメータq=18として、最小二乗法によりp=−0.8を導出した。
例えば、このグラフに従えば、始動入賞頻度が“18”個のときの平均図柄変動時間は“6”秒となる。
本実施の形態では、始動記憶数に対応して補助遊技実行時間が変動する遊技装置であっても、シミュレーションが可能となる。また、始動入賞頻度(始動入賞頻度データ)の値及び平均図柄変動時間(平均実行時間データ)の実測値から、パラメータp及びqの値が導き出し、近似式を作成したうえで、平均図柄変動時間(平均実行時間データ)を補正するので、実際の遊技機で実行される補助遊技の実行時間の平均にさらに近い時間値を得ることができる。
ここで、本実施の形態では、近似式の元となる関数に、逆三角関数のアークタンジェント(tan-1)を用いたがこれに限らず、その他の適切な関数を用いることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。