以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技システムのシステム構成図である。
図1に示す遊技場の内部には内部ネットワークが設けられており、該内部ネットワークには遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)1、及び、中継端末装置(ルータ)2が接続されている。
遊技場内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標、以下同じ)によって構成されている。該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
遊技場内部管理装置1は、遊技用装置4から遊技情報を収集し、各遊技機4a(図2参照)の動作状態を監視する。
中継端末装置2は遊技場内の島設備毎に設けられており、該島設備に設置された情報収集端末装置3からの情報を中継して、該情報を内部ネットワークに向けて送信する。なお、中継端末装置2の設置は、島設備毎に限られず、フロア毎又は所定のブロック毎であってもよい。
情報収集端末装置3は、遊技機4a及び各遊技機4aに設けられたアウトタンク4d(図2参照)などの周辺装置からなる遊技用装置4毎に接続されており、遊技用装置4から出力される遊技情報を収集する。なお、複数(例えば、2台)の遊技用装置4に対して1台の情報収集端末装置3を接続する構成であってもよい。
情報収集端末装置3は、遊技用装置4から出力される遊技情報を収集すると、所定期間の遊技情報の累積値(例えば、アウトタンク4dから出力される回収球信号に基づいて算出される遊技球の回収球数の累積値)を生成し、遊技情報の累積値を遊技場内部管理装置1に送信する。この情報収集端末装置3が生成する所定期間の遊技情報の累積値は、通常は一営業単位毎に累積算出される。
ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前、午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、1週間)にわたるものとしてもよい。
遊技用装置4は、島設備に複数台ずつ設置されており、遊技機4aに、球貸ユニット4b、補給タンク4c及びアウトタンク4dが付加されて構成されている(図2参照)。
第1の実施の形態では、情報収集端末装置3からの情報を中継する中継端末装置2を島設備毎に設けたが、中継端末装置2を設けることなく、情報収集端末装置3を内部ネットワークに直接接続するように構成してもよい。また、情報収集端末装置3の代わりにリモートIOを置き、中継端末装置2の代わりに複数の遊技用装置4に対応する情報収集端末装置3を設置することもできる。このように構成することで、従来、島コンピュータと称された方式での遊技システムにも対応することができる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機4a周辺のブロック図であり、遊技用装置4が出力する遊技情報を示す。
遊技機4aに設けられた盤用外部情報60(図4参照)から情報収集端末装置3のマイクロプロセッサ300のI/Oポート309(図5参照)には、遊技に関わる信号(遊技情報)が出力される。また、遊技機4aが備える遊技制御装置のワンチップ遊技用マイコン401(図4参照)は、遊技制御を行う遊技制御ブロックと、セキュリティチェックや遊技情報出力を行う管理ブロックとを有し、管理ブロックからは遊技制御基板上に設けられた外部通信端子404(図4参照)を介して接続される外部装置(例えば、情報収集端末装置3やセキュリティ検査装置)に当該遊技機4aに関わる情報及び遊技情報を出力する。
遊技機4aは、始動入賞口(始動口)、一般入賞口、特別変動入賞装置(大入賞口)に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を、排出装置から遊技盤の下方に設けられた供給皿に排出する。そして、所定数の賞球を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、変動表示ゲームの結果が特別遊技状態(大当たり遊技)のときは、当該特別遊技状態中に「特賞信号(大当たり信号)」を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aは、当該特別遊技状態が確変図柄による特別遊技のときは当該特別遊技状態中、及び、その後発生する特定遊技状態(確率変動状態)中に、「確変信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機4aの盤用外部情報60から出力される信号(遊技情報)には、上タンク内の賞品球が不足していることを示し、島設備からの球の補給を促す「球切れ信号」、所定数(例えば、25個)の遊技球を貸し出す毎に出力される「球貸信号」、変動表示ゲームを開始したときに出力される「スタート信号」、変動表示ゲームが終了したときに出力される「図柄確定信号」等がある。これらの信号は、盤用外部情報60から、電圧出力形式又は接点出力形式で出力される。
また、遊技機4aの遊技用マイコン401の外部通信端子404から情報収集端末装置3のマイクロプロセッサ300の通信ポート310(図5参照)には、遊技機4aに関わる情報が通信によって出力される。この遊技機4aに関わる情報には、遊技機4aに固有の情報として遊技用マイクロコンピュータが備えるチップID(固有情報)、遊技機4aのメーカを特定するメーカコード、遊技機4aの機種を特定する機種コード、プログラムの正当性を確認するセキュリティコード(例えば、プログラムコードのハッシュ値)等がある。
なお、前述した遊技に関わる信号(遊技情報)を遊技用マイコン401から通信ポート310に対して出力する場合、所定のプロトコルを用いたデータ通信(例えば、暗号化通信)によって通信内容を秘匿することで、盤用外部情報60から出力するよりも詳細な遊技情報(例えば、始動記憶数や抽出した乱数値など)を出力することができる。また、双方向通信によって接続相手のIDの認証を行い、不正な機器との接続を防止することができる。
また、球貸ユニット4bが現金サンドである場合には、球貸時の売上高に関する「売上信号」が出力される。なお、この現金サンドからの「売上信号」は、売上金額に関する情報の他、売上金額に相当する貸球数に関する情報を出力してもよい。
これらの信号を受信した情報収集端末装置3は、これらの遊技情報を加算演算し、累積値を集計して、遊技情報の累積値を内部ネットワークに向けて送信する。この累積値は、例えば、後述するように大入賞口A12へ所定数の遊技球が入賞する毎、所定時間経過毎、特別遊技状態発生などのイベント時、又は、遊技場内部管理装置1からのポーリング応答時に送信される。
また、遊技機4aが設置される島設備には、遊技機4a及び現金サンド(玉貸し装置)に遊技球(賞球、貸球)を補給する補給路(補給ユニット)と、遊技機4aからアウト球を回収する回収路(回収ユニット)とを備えた補給回収機構(補給タンク4c、アウトタンク4d)が設けられている。補給タンク4cは補給した球数を計数する補給数計数部を有し、アウトタンク4dはアウト球数を計数する回収球計数部を有している。補給タンク(補給数計数部)4cは補給球の計数結果である「補給信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。アウトタンク(回収球計数部)4dはアウト球の計数結果である「回収球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。この補給タンク4c及びアウトタンク4dは情報収集端末装置3に接続されており、情報収集端末装置3が、補給タンク4c及びアウトタンク4dから出力される遊技情報を加算演算し、累積値を集計して、遊技情報の累積値を内部ネットワークに向けて送信する。
なお、情報収集端末装置3は、回収球信号、補給信号、及び、売上信号を遊技機4aから直接収集してもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機4aの遊技盤5の構成図である。
遊技盤5には、図示しないガイドレールで囲われた遊技領域が形成される。遊技領域のほぼ中央には可変表示装置(特別図柄表示装置)11が設けられるセンターケース10が配置され、遊技領域の左側には第一の大入賞口(大入賞口A)12、遊技領域の下方には第二の大入賞口(大入賞口B)13が配置される他、遊技領域には始動入賞口14、15、普通図柄始動ゲート17、一般入賞口18、19、特別図柄表示器20、普通図柄表示器21、図示しないアウト口、方向転換部材(遊技釘、風車)等が配置されている。
この遊技盤5は、遊技機の本体枠(外枠)を構成する収納フレームに収納される。本体枠(外枠)には、ヒンジを介して開閉回動可能に組み付けられる前面枠が設けられており、前面枠には遊技盤5の前面を覆う前面構成部材としてのカバーガラスが設けられている。
遊技機4aでは、図示しない打球発射装置から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。遊技領域には遊技釘が植設されている。遊技領域に打ち出された遊技球は、並んで植設される遊技釘に沿って、また遊技釘の間を流下する。
遊技領域に打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された遊技釘、風車等の方向転換部材によって、後述のように流下方向を種々の方向へ転動させながら遊技領域を流下する。そして、大入賞口12、13、始動口14、15、一般入賞口18、19へ入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。遊技球が上記の各入賞口へ入賞する割合(入賞率)は、遊技釘を釘調整する度合いによって変動する。
センタケース10は、内側を凹室とした概略枠状(筒状)に形成する。センタケース10は、遊技盤5に形成されたセンタケース10用の取付開口部の前面側から裏面側に挿入される。そして、該筒状部分の奥側には、開口部を閉塞するように可変表示装置11の表示面が配置されている。センタケース10の前面側の開口部は、センタケース10の奥側に配置された可変表示装置11の表示面を遊技機4aの前方側から視認可能とする窓部となっている。
つまり、遊技盤5の遊技領域の略中央部には、奥に可変表示装置11の表示面が配置された凹室を形成するとともに、表示面を前方から視認可能とする窓部を備えたセンタケース10を配設する。
取付基板は、センタケース10の筒状部分の前端部の全周に渡って、鍔状に外側に拡がった状態で形成する。そして、取付基板の裏面を遊技盤5の前面に当接させることで、遊技盤5に対してセンタケース10が位置決めされる。この状態で、取付基板を遊技盤5にネジ止めすることによって、遊技盤5にセンタケース10を固定する。
センタケース10を遊技領域の略中央部に配置するとともに、後述の鎧部によって、センタケース10を上下に通過する遊技球の流下が遮られる。よって、遊技領域は、センタケース10の左側で遊技球が流下可能な左側の遊技球流下領域と、センタケース10の右側で遊技球が流下可能な右側の遊技球流下領域とに分けられる。
鎧部は、センタケース10の上面の部分をいい、前方に向かって遊技領域内に突出して、前方から見た場合に左下がりに傾斜した状態に形成する。鎧部の前端は、遊技領域の前側を規制するガラス枠の内側となるガラス板の裏面近傍に配置する。鎧部は、遊技球が可変表示装置11の上側から窓部(凹室)内に進入するのを防止し、表示面の視認性を確保するとともに、表示面を保護する。
なお、遊技領域の左側には、発射装置から発射された遊技球を遊技領域に導入させる導入部を形成する。導入部から遊技領域に導入された遊技球は、遊技領域上部を左から右に移動し、障害釘に接触するなどによりセンタケース10の鎧部上に流下するか、又は、障害釘に接触して撥ねることによって、鎧部に接触することなく左側の遊技球流下領域又は右側の遊技球流下領域を流下する。
鎧部に接触する遊技球は、その多くが左下がりに傾斜した上面に沿って左側の遊技球流下領域を流下する。つまり、遊技領域に発射された遊技球は、その多くが最終的にセンタケース10の左側の遊技球流下領域を流下する。
このように、センタケース10の上部に左下がりに傾斜した鎧部を設けることによって、遊技領域内では、センタケース10の左側の遊技球流下領域の遊技球の流下量が、右側の遊技球流下領域と比較して過大になる。
可変表示装置11は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面が構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄、普通図柄による装飾図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた装飾図柄(例えば、「0」〜「9」の数字及び「A」、「B」の英文字による12種類の装飾図柄)が変動表示(可変表示)して変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像が表示される。
可変表示装置11の下方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)16を有さない始動口14が配置される。始動口14の直下には、普通変動入賞装置16を有する始動口15が配置される。始動口15は、普通変動入賞装置16が閉じた状態のときは遊技球の入賞が始動口14によって妨げられる。
可変表示装置11の左側には、大入賞口A12が配置され、可変表示装置11の下方には大入賞口B13が配置される。
大入賞口A12は、遊技領域に打ち出された遊技球が、始動口14、15へ入賞するまでの経路上に設けられている。すなわち、大入賞口A12に入賞せず、大入賞口A12付近を通過して流下した遊技球が始動口14、15に入賞する。
また、大入賞口B13は、遊技領域に打ち出された遊技球が、始動口14、15へ入賞するまでの経路上ではない位置に設けられている。ただし、大入賞口B13は、当該経路上ではない位置に設けられればよく、例えば、始動口15の直左の位置に設けてもよい。
大入賞口A12、大入賞口B13は、通常遊技状態中、つまり、特別遊技が実行されていない状態においては、閉じた状態にあり遊技球の入賞が妨げられる。
始動口14への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ51.1(図4参照)で検出される。また、始動口15への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ51.2(図4参照)で検出される。
始動口14、15へ遊技球が入賞すると、この遊技球の入賞タイミングによって抽出された特別図柄乱数(大当たり乱数)カウンタ値は、遊技制御装置400内の所定の記憶領域(特別図柄入賞記憶領域)に、特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、特別図柄表示器20に設けられた特別図柄記憶状態表示領域に表示される。
そして、遊技制御装置400は、特別図柄入賞記憶に基づいて、特別図柄表示器20、及び、可変表示装置11にて変動表示ゲームを行う。特別図柄表示器20は、変動表示ゲームの結果を、複数のLEDを組み合わせることによって表示する。また、可変表示装置11では、前述した数字等で構成される識別情報が順に変動表示する変動表示ゲームが開始され、変動表示ゲームに関する画像が表示される。遊技球が所定のタイミングで始動口14、15へ入賞したとき(具体的には、入賞検出時の大当たり乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には特別遊技状態となり、三つの装飾図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。
このとき、大入賞口ソレノイド12A(図4参照)への通電によって大入賞口A12又は、大入賞口ソレノイド13A(図4参照)への通電によって大入賞口B13が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口A12又は大入賞口B13が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
大入賞口A12への遊技球の入賞は、カウントセンサ52.1(図4参照)によって検出される。大入賞口B13への遊技球の入賞は、カウントセンサ52.2(図4参照)によって検出される。
なお、大入賞口A12と大入賞口B13とは同時に開放されることはない。つまり、特別遊技状態中、大入賞口A12が開状態のときは大入賞口B13は閉状態となり、大入賞口B13が開状態のときは大入賞口A12は閉状態となる。
この大入賞口A12と大入賞口B13とのいずれが開放状態になるかは、当該特別遊技に関連する変動表示ゲームの大当たり図柄によって決定したり、特別遊技のラウンドによって決定したりして、大入賞口A12と大入賞口B13とを切り替えて開放状態にしてもよい。
普通図柄始動ゲート17への遊技球の通過は、普通図柄始動センサ53(図4参照)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置400内の所定の記憶領域(普通図柄入賞記憶領域)に、普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は、普通図柄表示器21に設けられた普通図柄記憶状態表示領域に表示される。
そして、遊技制御装置400は、普通図柄入賞記憶に基づいて、可変表示装置11に設けられた普通図柄表示領域で、普通図柄の変動表示を開始し、普通図柄に関する当たりの抽選を行う(例えば、可変表示装置11の表示画面上に○×が交互に表示される)。遊技球が所定のタイミングで普通図柄始動ゲート17へ通過したときには(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるときには)、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(例えば、○)で停止する。
このとき、始動口15の手前に設けられた普通変動入賞装置16は、普通電動役物ソレノイド16A(図4参照)への通電によって、始動口15への入口が所定の時間(例えば、0.5秒)だけ拡開するように変換される。この間、遊技者には、始動口15へ遊技球が入賞しやすいという遊技価値が付与される。
一般入賞口18へ遊技球が入賞すると、一般入賞口センサ54.1(図4参照)によって検出され、一般入賞口19へ遊技球が入賞すると、一般入賞口センサ54.2(図4参照)によって検出される。
特別図柄表示器20は、複数のLEDからなり、特別図柄入賞記憶の記憶数を表示する。また、始動口14、15への遊技球の入賞によって実行される変動表示ゲームの結果を、複数のLEDを組み合わせることによって表示する。
普通図柄表示器21は、複数のLEDからなり、普通図柄入賞記憶の記憶数を表示する。また、普通図柄始動ゲート17への遊技球の通過によって実行される普通図柄に関する当たりの抽選の結果を、複数のLEDを組み合わせることによって表示する。
また、遊技盤5の要所(例えば、センターケース10、大入賞口A12、大入賞口B13の周囲等)には、装飾用ランプ、LED等の装飾発光装置が設けられる。これらの装飾発光装置は遊技の進行に合わせて点灯して、遊技者の遊技に対する興趣が向上するようにしている。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機4aの遊技制御装置400を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置400は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ401、入力インターフェース402、出力インターフェース403、外部通信端子404等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ401は、入力インターフェース402を介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ51.1、51.2、カウントセンサ52.1、52.2、普通図柄始動センサ53、一般入賞口センサ54.1、54.2)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース403を介して、各従属制御装置(排出制御装置410、表示制御装置420)、普通電動役物ソレノイド16A、大入賞口ソレノイド12A、13A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
遊技用マイクロコンピュータ401には外部通信用端子404が設けられており、外部通信用端子404からは、遊技用マイクロコンピュータ401に一意に設定された識別番号を出力することができ、この外部通信用端子404に検査装置や遊技場内部管理装置1を接続することで、遊技場内部管理装置1が遊技機4aを識別することができる。
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、盤用外部情報端子60を介して、遊技場内部管理装置1に遊技機4aに関する情報を出力する。
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、特別図柄変動表示ゲームの変動表示態様を特別図柄表示器20Aに出力する。また、特別図柄入賞記憶数表示を特別図柄記憶表示器20Bに出力する。
また、遊技用マイクロコンピュータ401は、普通図柄変動表示ゲームの変動表示態様を普通図柄表示器21Aに出力する。また、普通図柄入賞記憶数表示を普通図柄記憶表示器21Bに出力する。
遊技制御装置400から表示制御装置420には、表示制御指令信号として特図変動開始コマンド、変動表示コマンド、識別情報コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、大当たりコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常遊技状態、特別遊技状態、特定遊技状態(確率変動状態)、変動時間短縮状態などの遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
前述した特図変動開始コマンドは、変動表示ゲームの開始を指示する。変動表示コマンドは、識別情報の変動表示態様を指示する。識別情報コマンドは、変動表示ゲームの結果として停止表示される識別情報を指示する。確定コマンドは、識別情報の変動表示の停止を指示する。デモ表示コマンドは、変動表示ゲームが所定時間なされないときに行われる表示を指示する。ファンファーレコマンドは、特別遊技状態に移行する前の状態の表示を指示する。大当たりコマンドは、特別遊技状態中のラウンド表示、インターバル表示、特別遊技状態中のラウンド間表示等の特別遊技状態中の表示を指示する。エラーコマンドは、異常時の表示を指示する。
表示制御装置420は、これらの表示制御指令信号(コマンド)によって、遊技制御装置400が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
表示制御装置420によって変動表示する装飾図柄は、遊技制御装置400によって変動表示する特別図柄と対応して、多彩な表示演出を行い興趣を高めている。なお、表示制御装置420によって特別図柄を変動表示してもよい。
排出制御装置410は、遊技制御装置400からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、球貸ユニット4bからの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
音制御装置430は、表示制御装置420からの音制御指令信号に基づいて、スピーカー70から出力される効果音を制御して、音制御装置として機能する。
装飾制御装置440は、表示制御装置420からの装飾制御指令信号に基づいて、装飾用ランプ、LED80等の装飾発光装置(センターケース10内の装飾ランプ、大入賞口A12、大入賞口B13周辺の装飾ランプ等)を制御する。
可変表示装置11は、表示制御装置420からの画像表示信号に基づいて、表示領域に表示する画像を対応する画像に切り替える。
表示制御装置420の、遊技制御装置400との接続インターフェースには、信号伝達方向規制手段であるバッファが設けられ、遊技制御装置400と表示制御装置420との間の通信は、遊技制御装置400から表示制御装置420への信号入力のみが許容され、表示制御装置420から遊技制御装置400への信号出力を禁止している。これによって、表示制御装置420から遊技制御装置400に不正な信号が入力されることを防止することができる。なお、遊技制御装置400と表示制御装置420との間で双方向通信を行う場合には、バッファ回路に双方向バッファを用いることもできる。
遊技機4aの電源装置(図示省略)は、電源回路の他に、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置400等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置400は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置400等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等をバックアップする。
図5は、本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置3に設けたマイクロプロセッサ300の構成を示す。情報収集端末装置3は、マイクロプロセッサ300、電源回路及びデータ入出力用端子が設けられている。
マイクロプロセッサ300は、3個のCPU301〜303を内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)301、ネットワークCPU302、アプリケーションCPU303の3つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU301〜303が接続されているアドレス及びデータのためのコモンバス304には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM305、EEPROM306、及び、ROM307が接続されている。RAM305は、CPUによるプログラム実行時のワークエリアとして使用されるメモリである。EEPROM306は不揮発性のメモリである。ROM307にはプログラム等が予め格納されている。
また、このコモンバス304には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート308及びI/Oポート309も接続されている。
EEPROM306は、不揮発性のメモリであって、ネットワーク構成及びアドレスの指定情報、識別コード等の情報収集端末装置3に設定される情報等を記憶している。EEPROM306のプログラムによって書き換え可能な領域及びROM307には、遊技情報の収集に用いられるプログラムが記憶されている。
ネットワーク通信ポート308は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートである。ネットワーク通信ポート308は、ドライバを介してネットワーク接続端子に接続されており、該ネットワーク接続端子には中継端末装置2が接続され、遊技場内部管理装置1と信号(データ信号、指令信号)を送受信する。
I/Oポート309は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、ドライバを介して外部入出力端子に接続されており、該外部入出力端子には、遊技機4aから出力された賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号や、周辺装置312(補給タンク4c、アウトタンク4d)から出力された補給信号及び回収球信号等のデータが入力される。なお、賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号は、通信ポート310と、遊技機4aの遊技制御装置に備えられた遊技用マイクロコンピュータ401とで直接通信することで受信することもできる。
通信ポート310は、遊技機4aに設けられた遊技用マイクロコンピュータ401の通信ポートとの間で、所定のプロトコルで通信を行う通信ポートで、遊技機4aの遊技制御基板上に設けられたコネクタと接続されている。
プロセッサには、CPU301〜303のクロックやリセット等の制御信号を出力する制御回路311も内蔵されている。
遊技用装置4から情報収集端末装置3に遊技情報が入力されると、アプリケーションCPU303によって遊技情報の累積値が算出される。また、算出された遊技情報の累積値はネットワーク通信ポート308から出力される。ネットワーク通信ポート308から出力された遊技情報の累積値は遊技場内部管理装置1にて管理される。
図6は、本発明の第1の実施の形態の遊技場内部管理装置1の構成を示すブロック図である。
遊技場内部管理装置1には、CPU101、プログラム等を予め格納したROM102、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM103、各種データを記憶するハードディスク、不揮発メモリ(フラッシュメモリ等)等の記憶装置105が設けられている。RAM103は、情報収集端末装置3が送信した遊技情報を記憶する。これらのCPU101、ROM102、RAM103及び記憶装置105はバス104によって接続されている。このバス104はCPU101がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
バス104には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート106、I/Oポート107及び外部ネットワーク通信ポート108が接続されている。ネットワーク通信ポート106は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続されている。I/Oポート107には、遊技用装置4から収集したデータや、遊技場内部管理装置1の稼動状態を表示する出力装置(ディスプレイ)109が接続される。
また、I/Oポート107には、遊技場内部管理装置1の操作のための設定入力装置(キーボード、マウス等)110が接続される。この設定入力装置110を用いて、後述する特別遊技状態中に大入賞口A12、大入賞口B13へ入賞する遊技球数(ST)、特別遊技状態中の大入賞口A12の開放比率(R)、又は、始動口14、15へ遊技球が入賞した場合の賞球数(ns)を入力し、設定することができる。
外部ネットワーク通信ポート108は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、遊技場の外部に設けられた外部ネットワークと接続されている。よって、遊技場内部管理装置1は、外部ネットワークに接続された遊技場外部の機器と通信をすることができる。
図7は、本発明の第1の実施の形態の遊技機4aの遊技領域における遊技球の流下経路を示す図である。図7に示す5、10〜21の各符号は、図3において説明した各符号と同一であるため、本図ではその説明を省略する。
遊技機4aでは、打球発射装置から発射された遊技球が、遊技盤5の遊技領域内に打ち出される。そして、図示しない遊技釘や風車等の方向転換部材に衝突することによって、流下方向を種々の方向へ転動させながら遊技領域を流下する。
具体的には、まず、遊技領域の上方に打ち出された遊技球は、遊技領域内を垂直方向に流下して、センターケース10の上方に配置された遊技釘、又は、遊技盤5の表面から突出したセンターケース10の上辺(鎧部)に衝突する。センターケース10の上辺は、右上から左下に傾斜した形状に形成されているため、遊技球はセンターケース10の上辺に沿うように左下方向(経路A)へ流下する。
遊技球は、経路Aを流下して、センターケース10の左側に設けられた大入賞口A12の上方へ到達する。そして、遊技球は大入賞口A12の上方に配置された遊技釘に衝突すると、当該遊技釘の姿勢によって、大入賞口A12に対して左方向(経路B1)、右方向(経路B3)、又は、大入賞口A12へ向かって直進方向(経路B2)のいずれかへ流下する。
経路B1、又は、経路B3を流下した遊技球は、大入賞口A12へ入賞することなく、その左又は右を迂回して大入賞口A12の下方へ流下する。
経路B2を流下した遊技球は、大入賞口A12が開状態のときは、大入賞口A12に入賞する。一方、大入賞口A12が閉状態のときは、大入賞口A12へ入賞することなく、大入賞口A12の下方へ流下する。つまり、大入賞口A12が開状態にあるか閉状態にあるかによって、大入賞口A12の下方へ流下する遊技球の量が変動する。
大入賞口A12の下方へ到達した遊技球は、大入賞口A12の下方に備えられた方向転換部材に衝突することによって、大入賞口A12の下から左方向、直下方向、又は、右方向(経路C)のいずれかへ流下する。大入賞口A12の下から左方向、又は、直下方向へ流下した遊技球は、一般入賞口18へ入賞するか、又は、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。
経路Cを流下した遊技球は、方向転換部材に衝突することによって、遊技領域の左方向、始動口14が位置する方向(経路D1)、又は、大入賞口B13の方向(経路D2)のいずれかへ流下する。遊技領域の左方向へ流下した遊技球は、一般入賞口18へ入賞するか、又は、一般入賞口18へ入賞することなく、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。
経路D1を流下した遊技球は、始動口14の上部に配置された遊技釘に衝突すると、その流下方向を転動させる。始動口14へ向かって転動した遊技球は、始動口14に受け入れられて入賞する。なお、前述したように、始動口14へ到達する遊技球の量は、大入賞口A12が開状態にあるか閉状態にあるかによって変動する。
一方、始動口14に対して左方向、又は、右方向へ転動した遊技球は、始動口14へ入賞することなく流下する。そして、一般入賞口19へ入賞するか、又は、大入賞口B13が開状態のときは大入賞口B13へ入賞し、大入賞口B13が閉状態のときは、大入賞口B13へ入賞することなく通過し、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。
また、始動口14上部から、さらに右方向へ流下した遊技球は、一般入賞口19へ入賞するか、又は、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。
経路D2を流下した遊技球は、大入賞口B13が開状態のときは、大入賞口B13に入賞する。一方、大入賞口B13が閉状態のときは、大入賞口B13へ入賞することなく通過し、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。
図8は、本発明の第1の実施の形態の遊技機4aの大当たり乱数及び大当たり図柄乱数の構成図である。これらの乱数値は、遊技制御装置400に備えるROMに記憶する。
図8(a)は、大当たり乱数の構成を示す。始動口14又は15へ遊技球が入賞すると、変動表示ゲームの結果が当たりかはずれかを決定するための乱数抽出処理が行われる。この乱数抽出処理は、始動口14、15への遊技球の入賞が特別図柄始動センサ51.1、51.2(図4参照)によって検出され、遊技球の入賞を遊技制御装置400が認識した時点で行われる。このとき、遊技制御装置400に備えるROMに記憶された0〜284の間の大当たり乱数のいずれかが抽出される。
大当たり乱数値のうち19が抽出された場合、変動表示ゲームの結果は大当たりとなる。つまり、可変表示装置11の画面上で変動表示する三つの装飾図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。そして、所定時間、大入賞口A12、又は、大入賞口B13を開放し、遊技者が多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値を付与する特別遊技(大当たり遊技)が実行される。
一方、大当たり乱数値のうち19以外のいずれかが抽出された場合、変動表示ゲームの結果は、はずれとなる。つまり、可変表示装置11の画面上で変動表示する三つの装飾図柄がいずれも異なった装飾図柄で停止し、又は、左図柄と右図柄が同一の図柄で停止してリーチ状態が発生するが、中図柄はこれらと異なった図柄で停止して、変動表示ゲームが終了する。
確率変動状態中は、特別遊技状態発生の可能性が高められる。つまり、確率変動状態中にあっては、大当たり乱数値のうち19、71、137、223、283のいずれかが抽出された場合、変動表示ゲームの結果は大当たりとなる。一方、確率変動状態中にあっては、大当たり乱数値のうち19、71、137、223、283以外のいずれかが抽出された場合、変動表示ゲームの結果は、はずれとなる。
図8(b)は、大当たり図柄乱数の構成を示す。図8(a)に示す大当たり乱数によって変動表示ゲームの結果が大当たりと判定されると、更に、大当たり図柄が通常図柄か確変図柄かを決定するための乱数抽出処理が行われる。この乱数抽出処理は、図8(a)に示す特別遊技状態を発生させる乱数値が抽出された時点で行われる。このとき、遊技制御装置400に備えるROMに記憶された0〜143の間の大当たり図柄乱数のいずれかが抽出される。
大当たり図柄乱数値のうち0〜71のいずれかが抽出された場合、変動表示ゲームの結果は通常図柄による特別遊技状態となる。つまり、可変表示装置11の画面上で変動表示する三つの装飾図柄が、通常図柄による特別遊技の組み合わせ(例えば、偶数のぞろ目)で停止する。その後、特別遊技が実行されるが、特別遊技状態の終了後は通常遊技状態に戻る。
大当たり図柄乱数値のうち72〜143のいずれかが抽出された場合、変動表示ゲームの結果は確変図柄による特別遊技状態となる。つまり、可変表示装置11の画面上で変動表示する三つの装飾図柄が、確変図柄の特別遊技の組み合わせ(例えば、奇数のぞろ目)で停止する。その後、特別遊技が実行され、特別遊技状態の終了後に、大当たり図柄の導出確率が通常より高められる確率変動状態(特別遊技状態の発生に対して遊技者に有利に作用する特定遊技状態)が発生する。確率変動状態中は、普通図柄の変動表示時間が通常よりも短くなり(例えば、30秒から5秒に短縮され)、普通図柄が当たりとなった場合に、普通変動入賞装置16の開放時間が通常よりも長くなる(例えば、0.5秒から3秒に延長されたり、複数回繰り返して開放される)。よって、確率変動状態中には通常遊技状態中よりも始動口15への入賞可能性が高められ、通常遊技状態中よりも特別図柄入賞記憶数を増加することができる。
なお、大当たり図柄乱数の値によって、特別遊技状態中の大入賞口A12の開放比率を設定することができる。つまり、いずれのラウンドにおいて大入賞口A12が開放するか、いずれのラウンドにおいて大入賞口B13が開放するか、開放の切換タイミングを設定することができる。例えば、大当たり図柄乱数のうち72〜83のいずれかが抽出された場合は、第1〜第3ラウンドまでは大入賞口A12が開放され、第4ラウンドからは大入賞口B13が開放されるように設定することができる。
図9は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口の開放データの設定処理のフローチャートであって、遊技制御装置400に備えるCPUで実行される。
まず、始動口14、15への遊技球の入賞に伴って大当たり乱数が抽出され、変動表示ゲームの結果が大当たりであると判定されると、大当たり図柄を決定するための大当たり図柄乱数(図8(b)参照)の抽出(読み出し)処理が行われる(S501)。そして、遊技制御装置400は、抽出された大当たり図柄乱数が、通常図柄乱数(0〜71)か確変図柄乱数(72〜143)であるかを判定する(S502)。
当該乱数が確変図柄による特別遊技状態を発生させる乱数(72〜143)である場合は、大入賞口ソレノイド12A(図4参照)は開状態に設定され(S503)、大入賞口B13は閉状態に設定される(S504)。
一方、当該乱数が通常図柄による特別遊技状態を発生させる乱数(0〜71)である場合は、大入賞口ソレノイド13A(図4参照)は開状態に設定され(S505)、大入賞口A12は閉状態に設定される(S506)。
このようにして、大当たり図柄乱数が確変大当たり乱数に決定すると、特別遊技状態中、大入賞口A12は開放され大入賞口B13は閉塞される。一方、大当たり図柄乱数が通常大当たり乱数に決定すると、特別遊技状態中、大入賞口A12は閉塞され大入賞口B13は開放される。ただし、前述のように、大当たり図柄乱数の値によって、特別遊技状態中のラウンドごとに大入賞口の開放が切り換えられる設定がなされているときには、当該設定に従って大入賞口A12又は大入賞口B13が開放、閉塞される。
図10は、本発明の第1の実施の形態の特別遊技状態中の大入賞口の開閉のタイミングを示す図である。大入賞口A12及び大入賞口B13の開閉のタイミングは、図9に示す大入賞口の開放データの設定処理によって設定される。
図10(a)は、通常図柄による特別遊技状態中の大入賞口の開閉のタイミングを示す。
始動口14又は15への遊技球の入賞によって発生した特別遊技状態が、通常図柄による特別遊技状態である場合、つまり、大当たり図柄乱数のうち0〜71のいずれかが抽出された場合、可変表示装置11の表示領域には、三つの装飾図柄が通常図柄による特別遊技の組み合わせ(例えば、偶数のぞろ目)で停止する。まず、特別遊技に移行する前にファンファーレ音が出力され、可変表示装置11には、特別遊技に移行する前の画像が表示される(図中F)。このとき、大入賞口A12及び大入賞口B13は、いずれも閉塞している。
特別遊技が開始すると、大入賞口B13は所定時間(例えば、30秒)が経過するまで、又は、所定の入賞数(例えば、10個)があるまで開放され、遊技者には、多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。そして、所定時間が経過、又は、所定の入賞数があると、大入賞口B13は閉塞する。特別遊技は、この大入賞口B13の開放、及び、閉塞を1単位(1ラウンド)として実行され、規定ラウンド(例えば、15ラウンド)繰り返される。
規定ラウンドが繰り返される間、大当たりコマンド(ラウンド表示、大当りの演出表示)等、遊技制御装置400から表示制御装置420(図4参照)に大当り遊技に関する表示を指令する信号が送信され、可変表示装置11の画面に大当り遊技の表示が行われる。なお、この間、大入賞口A12は常時閉塞されている。
規定ラウンドの特別遊技が終了すると、大入賞口A12及び大入賞口B13のいずれもが閉状態のままで、可変表示装置11の画面には、特別遊技状態が終了することを示すエンディング画面が表示される(図中E)。その後、遊技機4aは、通常遊技状態へ戻る。
図10(b)は、確変図柄による特別遊技状態中の大入賞口の開閉のタイミングを示す。
始動口14又は15への遊技球の入賞によって発生した特別遊技状態が、確変図柄による特別遊技状態である場合、つまり、大当たり図柄乱数のうち72〜143のいずれかが抽出された場合、可変表示装置11の表示領域には、三つの装飾図柄が特定の特別遊技の組み合わせ(例えば、奇数のぞろ目)で停止する。まず、特別遊技に移行する前にファンファーレ音が出力され、可変表示装置11には、特別遊技に移行する前の画像が表示される(図中F)。このとき、大入賞口A12及び大入賞口B13は、いずれも閉塞している。
特別遊技が開始すると、大入賞口A12は所定時間(例えば、30秒)が経過するまで、又は、所定の入賞数(例えば、10個)があるまで開放され、遊技者には、多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。そして、所定時間が経過、又は、所定の入賞数があるすると、大入賞口B13は閉塞する。
この大入賞口A12の所定時間の開放、及び、閉塞を1単位(1ラウンド)として実行され、規定ラウンドの特別遊技が繰り返される間、可変表示装置11の画面に特別遊技の表示が行われる。なお、この間、大入賞口B13は常時閉塞されている。
そして、規定ラウンドの特別遊技が終了すると、大入賞口A12及び大入賞口B13のいずれもが閉状態のままで、可変表示装置11の画面には、特別遊技が終了することを示すエンディング画面が表示される(図中E)。その後、遊技機4aは、確率変動状態へ移行する。
図11は、本発明の第1の実施の形態の遊技用装置4から出力される遊技情報を示す図である。
図11(a)は、遊技用装置4から遊技情報として回収球信号及び賞球信号が出力される状態を示す。
遊技機4aでは、遊技盤5の遊技領域に遊技球が打ち出されると、当該遊技球が、遊技領域の各所に配置された遊技釘や風車等の方向転換部材に衝突しながら流下する。
当該遊技球が、大入賞口A12、大入賞口B13、始動口14、15、一般入賞口18、19のいずれかに入賞すると、遊技機下部からアウトタンク4dに排出される。また、いずれの入賞口にも入賞することなく流下すると、遊技領域の最下部に設けられたアウト口からアウトタンク4dに排出される。すなわち、回収球数は、遊技領域に打ち出された球数(消費球数)と等しい。
アウトタンク4dに排出された遊技球は、アウトタンク4dにおいてアウト球数として計数され、アウト球の計数結果である回収球信号(例えば、10個で1パルスのパルス信号)が、アウトタンク4dから遊技情報として出力される(図2参照)。
アウトタンク4dが回収球信号を出力している間は、当該アウントタンク4dに対応する遊技機4aは稼動していると判断することができる。よって、回収球信号のパルス数を計数した値を、単位時間当たりに出力可能な回収球信号のパルス数で除すことによって、容易に稼働時間を算出することができる。また、回収球信号の出力の開始時間と終了時間に基づいて、遊技機4aの稼動時間を算出してもよい。
一方、遊技領域に打ち出された遊技球が、大入賞口A12、大入賞口B13、始動口14、15、一般入賞口18、19のいずれかに入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、排出装置から遊技盤の下方に設けられた供給皿に排出される。そして、所定数の賞球を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)が、遊技機4aから遊技情報として出力される(図2参照)。
通常遊技状態においては、このようにして出力された回収球信号及び賞球信号に基づいて、ベース値(通常遊技状態において、遊技者の持ち球が減っていくスピードを数値化したもの)が算出される(図12(f)参照)。
図11(b)は、各遊技状態において、遊技機4aから遊技情報として特賞信号及び確変信号が出力される状態を示す。
「特賞信号」は、特別遊技状態中に出力される。特賞信号は、当該信号の出力の開始時間と終了時間に基づいて、遊技機4aの特賞時間(特別遊技が実行される時間)を算出することができる。
「確変信号」は、確変図柄による特別遊技状態中、及び、特定遊技状態(確率変動状態)中に出力される。特別遊技状態中に、確変信号が出力される場合は、大入賞口A12が開放し、大入賞口B13は閉塞する(図9参照)。一方、特別遊技状態中に、確変信号が出力されない場合は、大入賞口A12は閉塞し、大入賞口B13が開放する(図9参照)。つまり、特別遊技状態中の確変信号の出力の有無によって、大入賞口A12又は大入賞口B13の開放、閉塞を識別することができる。
なお、「特賞信号」及び「確変信号」は、いずれも遊技状態を示す信号であるため、遊技球の入賞数、賞球数に基づかず、対応する遊技状態の間は常時出力される。
次に、各遊技状態中の特賞信号及び確変信号の出力状態を説明する。
まず、遊技領域へ遊技球が打ち出され、始動口14又は15への入賞によって変動表示ゲームが開始すると、変動表示ゲームの結果として特別遊技状態が発生するまで、遊技機4aでは通常遊技状態で遊技が行われる。この状態においては、特賞信号及び確変信号のいずれも出力されない。
そして、変動表示ゲームの結果、特別遊技状態が発生すると、特別遊技が実行され、遊技機4aでは特別遊技状態で遊技が行われる。このとき、変動表示ゲームの結果が確変図柄による特別遊技状態の場合は、特賞信号及び確変信号のいずれも出力される。この場合、大入賞口A12のみが開放した状態で特別遊技が実行される。
そして、規定ラウンドの特別遊技が実行され、特別遊技状態が終了すると、遊技機4aでは、大当たり図柄の導出確率が通常より高められる特定遊技状態で遊技が行われる。この状態においては、特賞信号は出力されないが、確変信号は継続して出力される。
そして、特定遊技状態中の変動表示ゲームの結果、特別遊技状態が発生すると、特別遊技が実行され、遊技機4aでは特別遊技状態で遊技が行われる。このとき、変動表示ゲームの結果が通常図柄による特別遊技状態の場合は、特賞信号は出力されるが、確変信号は出力されない。この場合、大入賞口B13のみが開放した状態で特別遊技が実行される。
そして、規定ラウンドの特別遊技が実行され、特別遊技状態が終了すると、遊技機4aは通常遊技状態で遊技が行われる。この状態においては、特賞信号及び確変信号のいずれも出力されない。
このように、遊技機4aでは、遊技領域への遊技球の発射が開始されると、通常遊技状態(特別遊技が実行されていない状態)、特別遊技状態(特別遊技が実行されている状態)、又は、特定遊技状態(確率変動状態)のいずれかの状態で遊技が行われる。
前述のベース値は、特賞信号及び確変信号のいずれも出力されない通常遊技状態における、回収球信号及び賞球信号に基づいて算出する。また、特別遊技状態中の出玉を表す「特賞出玉(TY)」は、特賞信号が出力される特別遊技状態における、回収球信号及び賞球信号に基づいて算出される。
図12は、本発明の第1の実施の形態の修正特賞出玉の算出処理を示すフローチャートであって、遊技場内部管理装置1のCPU101で実行される。
遊技機4aは、遊技球がいずれかの入賞口に入賞すると、所定の賞球数を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を出力する。また、特別遊技状態中には「特賞信号」を、確変図柄による特別遊技状態中、及び、特定遊技状態中には「確変信号」を出力する。
遊技機4aに設けられたアウトタンク4dは、各入賞口に入賞した球及び遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出された遊技球(アウト球)が排出されると、所定数のアウト球を回収する毎に「回収球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を出力する。
遊技用装置4からこれらの信号を受けた情報収集端末装置3は、これらの信号の累積値を内部ネットワークに向けて送信する。各信号の累積値を受信した遊技場内部管理装置1は、個々の信号、及び、設定入力装置110(図6参照)によって設定した情報に基づいて、以下の算出方法によって、従来の特賞出玉(TY)から始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への遊技球の入賞の影響を排除した修正特賞出玉(TYR)を得ることができる。
賞球信号及び特賞信号に基づいて特賞中賞球数計数処理(S601)を行い、特別遊技状態中の賞球数(特賞中賞球数:TD)を計数する。つまり、特賞信号が出力される間の賞球信号の累積値の増分によって特別遊技状態中の賞球数を計数してTDとする。
また、特賞信号及び回収球信号に基づいて特賞中回収球数計数処理(S602)を行い、特別遊技状態中のアウト球数(特賞中回収球数:TT)を計数する。つまり、特賞信号が出力される間の回収球信号の累積値の増分によって特別遊技状態中のアウト球数(回収球数)を計数してTTとする。
また、確変信号、及び、設定入力装置110によって予め設定した情報に基づいて大入比率決定処理(S603)を行い、特別遊技状態中の大入賞口A12の開放比率(大入比率:R)を決定する。大入比率Rは、0以上1以下の値であって、通常図柄による特別遊技状態中は「0」、確変図柄による特別遊技状態中は「1」と設定される。つまり、確変信号を受信したときは、予め設定した「1」をRとする。
なお、特別遊技のラウンドごとに大入賞口A12と大入賞口B13の開放が切り換えられる設定がなされているときは、全ラウンド数のうち大入賞口A12が開放されているラウンド数の割合を大入比率R(例えば、15ラウンド中、第1ラウンドから第3ラウンドまで大入賞口A12が開放される設定では、大入比率Rは0.2)とする。
また、予め設定した情報に基づいて大入賞口入賞数決定処理(S604)を行い、特別遊技状態中の大入賞口A12又は大入賞口B13へ入賞する遊技球数(大入賞口入賞数:ST)を決定する。このとき、大入賞口A12又は大入賞口B13への入賞数(例えば、規定ラウンド数に大入賞口への規定入賞球数を乗じた数)は、予め設定する。そして、予め設定した当該大入賞口入賞数をSTとする。
また、予め設定した情報に基づいて始動入賞口賞球数決定処理(S605)を行い、始動口14、15へ遊技球が入賞した場合の賞球数(始動入賞口賞球数:ns)を決定する。このとき、始動口14、15へ遊技球が入賞した場合の賞球数(例えば、始動口14又は15への遊技球の入賞毎に3個)は、予め設定する。そして、予め設定した当該始動口賞球数をnsとする。
また、賞球信号、特賞信号、確変信号、及び、回収球信号に基づいてベース算出処理(S606)を行い、ベース値(B)を算出する。つまり、特賞信号も確変信号も受信していない状態で、遊技機4aが出力する賞球信号に基づく通常遊技状態中の賞球数を、アウトタンク4dが出力する回収球信号に基づく通常遊技状態中のアウト球数で除することによって、ベース値(B)を算出する。ベース値(B)は、アウト球100個当たりの賞球数で表す。なお、通常パチンコ機は毎分約100発の遊技球を発射するように調整されているので、ベース値(B)は1分間当たりの賞球数も表している。
なお、ベース値(B)は、一営業単位の営業が終了するごとに、当該営業単位におけるベース値を算出する。このようにベース値を算出することによって、遊技機のスランプ(遊技機を原因とするものと、遊技者毎の遊技方法を原因とするものとを含む。)によって差異が発生するベース値を、特賞出玉(TY)に反映させることなく、修正特賞出玉(TYR)を算出することができる。
また、特賞中賞球数(TD)及び特賞中回収球数(TT)に基づいて特賞中差球算出処理(S607)を行い、従来の特賞出玉(特賞中差球数:TY)を算出する。つまり、特賞中賞球数から特賞中回収球数を減ずることによって、特賞出玉を算出する(TY=TD−TT)。
次に、第1の実施の形態における修正特賞出玉を算出するための、補正数の算出処理(S608〜S610)を説明する。
特賞中回収球数(TT)、大入比率(R)、大入賞口入賞数(ST)、及び、ベース値(B)に基づいて大入賞口外賞球数算出処理(S608)を行い、特別遊技状態中の大入賞口A12及び大入賞口B13以外の入賞口(始動口14、15及び一般入賞口18、19)への遊技球の入賞によって獲得され賞球数(大入賞口外賞球数:B×(TT−R×ST))を算出する。つまり、ベース値(B)に特賞中回収球数(TT)を乗ずることによって、特別遊技状態中の始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への遊技球の入賞によって獲得される賞球数(B×TT)を算出することができる。
なお、遊技場における通常の釘調整では、一般入賞口18又は19への遊技球の入賞によって獲得される賞球数は、始動口14、15への遊技球の入賞によって獲得される賞球数と比較して極めて少量であるため、無視することもできる。一般入賞口18、19への遊技球の入賞数も含めて算出する場合は、各入賞口の入賞率を加味した加重平均の手法によって、始動口への入賞によって獲得される賞球数を算出してもよい。
また、大入比率(R)に大入賞口入賞数(ST)を乗じ、更に、ベース値(B)を乗ずることによって、大入賞口A12への遊技球の入賞数(R×ST)分の遊技球が大入賞口A12に入賞せずに流下した場合の入賞によって獲得された賞球数(B×R×ST)を算出することができる。
なお、大入賞口B13は、始動口14及び15よりも下方(遊技球の流下経路の下流)側に配置されているため、大入賞口B13の開放態様に関係なく始動口14、15への遊技球の入賞はないので、大入賞口B13に入賞せずに流下した遊技球の始動口14、又は、15への入賞によって獲得された賞球数は考慮する必要がない。従って、この場合の大入賞口外賞球数はB×TTと等しくなる。
そして、B×TTからB×R×STを減ずることによって、特別遊技状態中の始動口14、15への遊技球の入賞によって獲得される賞球数、すなわち、大入賞口外賞球数(B×(TT−R×ST))を算出する。
次に、特賞中回収球数(TT)、大入比率(R)、始動入賞口賞球数(ns)、及び、ベース値(B)に基づいて大入賞口外入賞数算出処理(S609)を行い、特別遊技状態中の大入賞口A12及び大入賞口B13以外の入賞口(始動口14、15及び一般入賞口18、19)への遊技球の入賞数(大入賞口外入賞数:(1−R)×B×TT/ns))を算出する。つまり、ベース値(B)に特賞中回収球数(TT)を乗ずることによって、特別遊技状態中の始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への遊技球の入賞数(B×TT)を算出することができる。このようにして、始動口14又は15への入賞によって大入賞口B13への入賞機会を失った遊技球数を算出することができる。
なお、一般入賞口18又は19への遊技球の入賞数は極めて少量であるため、無視することができるが、始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への入賞率に賞球数を加味した加重平均の手法によってnsを補正してもよい。
この値を、始動入賞口賞球数(ns)で除することによって、特別遊技状態中の始動口14、15への遊技球の入賞数(B×TT/ns)を算出することができる。
更に、大入賞口B13の大入比率(1−R)を、B×TT/nsに乗ずることによって、特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞数、すなわち、大入賞口外入賞数((1−R)×B×TT/ns)を算出する。
なお、大入賞口B13が開放している場合(大入比率Rが「1」の場合)は、始動口14、15へ向かって流下する遊技球は大入賞口B13の開放に影響されないため、大入賞口外入賞数は0になる。
次に、大入賞口外賞球数(B×(TT−R×ST))、及び、大入賞口外入賞数((1−R)×B×TT/ns)に基づいて補正数算出処理(S610)を行い、補正数(B×{(TT−R×ST)−(1−R)×TT/ns})を算出する。
このようにして算出した補正数(B×{(TT−R×ST)−(1−R)×B×TT/ns})を、特賞中差球数(TY)から減ずる特賞中差球補正処理(S611)を行うことによって、修正特賞出球(補正済特賞中差球数:TYR)を算出する。つまり、特別遊技状態中の遊技機4aの賞球数全体から特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞によって獲得される賞球数を減じた値と、特別遊技状態中の遊技機4aのアウト球数から特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞数を減じた値との差を算出することによって、特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞の影響を排除した修正特賞出玉(TYR)を算出することができる。
図13は、本発明の第1の実施の形態の各大入賞口の修正特賞出玉の算出例を示す。図13に示す修正特賞出玉を算出するための情報は、遊技場内部管理装置1のHDD105に記録される。
図13(a)は、特別遊技状態中に大入賞口A12が開放している場合(通常図柄による特別遊技状態)の修正特賞出玉の算出例を示す。
この場合、特賞中賞球数(TD)は2286、特賞中回収球数(TT)は350と計数され、ベース値(B)は18/100と算出されている。そして、大入比率は「1」、大入賞口入賞数(ST)は150(1ラウンド中の大入賞口への入賞球数10にラウンド数15を乗じた数)、及び、始動入賞口賞球数(ns)は3に設定されている。
このとき、従来の特賞出玉、つまり、特賞中差球数(TY)は、1936(TD−TT)と算出される。
また、大入賞口外賞球数(B×(TT−R×ST))は36、大入賞口外入賞数((1−R)×B×TT/ns))は0と算出される。これらの値によって、補正数は36と算出される。
よって、修正特賞出玉、つまり、補正済特賞中差球数(TYR)は、特賞出玉(TY)から補正数を減じた1900と算出される。
図13(b)は、特別遊技状態中に大入賞口B13が開放している場合(確変図柄による特別遊技状態)の修正特賞出玉の算出例を示す。
この場合、特賞中賞球数(TD)は2322、特賞中回収球数(TT)は400と計数され、ベース値(B)は18/100と算出されている。そして、大入比率は「0」、大入賞口入賞数(ST)は150(1ラウンド中の大入賞口への入賞球数10にラウンド数15を乗じた数)、及び、始動入賞口賞球数(ns)は3に設定されている。
このとき、従来の特賞出玉、つまり、特賞中差球数(TY)は、1922(TD−TT)と算出される。
また、大入賞口外賞球数(B×(TT−R×ST))は72、大入賞口外入賞数((1−R)×B×TT/ns))は24と算出される。これらの値によって、補正数は48と算出される。
よって、修正特賞出玉、つまり、補正済特賞中差球数(TYR)は、特賞出玉(TY)から補正数を減じた1874と算出される。
図14は、本発明の第1の実施の形態の大入賞口毎の各獲得賞球数の記録処理を示すフローチャートであって、遊技場内部管理装置1のCPU101で実行される。
まず、大入賞口A12が獲得した賞球数(TYR_a)を算出し、HDD105に記録する(S701)。TYR_aは、数式TY×R−B×(R×TT−R×ST)によって求める。つまり、従来の特賞出玉(TY)からB×(TT-ST)を減ずることによって、後述のように特別遊技状態中の大入賞口A12への遊技球の入賞によって獲得される賞球数を算出することができる(図17参照)。
ただし、第1の実施の形態においては、大入賞口A12は大入比率Rに従って開放するため、上記値に大入賞口A12の大入比率Rを乗ずることによって、大入比率Rに従った特別遊技状態中の大入賞口A12への遊技球の入賞によって獲得された賞球数を算出することができる。
次に、大入賞口B13が獲得した賞球数(TYR_b)を算出し、HDDに記録する(S702)。TYR_bは、数式TY×(1−R)−{B×(1−R)×TT−B×(1−R)×TT/ns}によって求める。つまり、従来の特賞出玉(TY)からB×TT−B×TT/nsを減ずることによって、後述のように特別遊技状態中の大入賞口B13への遊技球の入賞によって獲得される賞球数を算出することができる(図19参照)。
ただし、第1の実施の形態においては、大入賞口B13は大入比率(1−R)に従って開放するため、上記値に大入賞口B13の大入比率(1−R)を乗ずることによって、大入比率(1−R)に従った特別遊技状態中の大入賞口B13への遊技球の入賞によって獲得された賞球数を算出することができる。
次に、S701で算出したTYR_aと、大入賞口A12の大入比率Rの逆数を乗ずることによって、特別遊技状態中に大入賞口A12のみが開放する場合の、大入賞口A12が獲得すると見込まれる賞球数(TYR_A)を算出し、HDD105に記録する(S703)。つまり、TYR_aを大入比率Rで除することによって、特別遊技状態中に大入賞口A12のみが開放していると仮定した場合の、大入賞口A12への遊技球の入賞によって獲得された賞球数を算出することができる。
次に、S702で算出したTYR_bと、大入賞口B13の大入比率(1−R)の逆数を乗ずることによって、特別遊技状態中に大入賞口B13のみが開放する場合の、大入賞口B13が獲得すると見込まれる賞球数(TYR_B)を算出し、HDD105に記録する(S704)。つまり、TYR_bを大入比率(1−R)で除することによって、特別遊技状態中に大入賞口B13のみが開放していると仮定した場合の、大入賞口B13への遊技球の入賞によって獲得された賞球数を算出することができる。
図15は、本発明の第1の実施の形態の各大入賞口への遊技球の入賞によって獲得された賞球数の記録例であって、遊技場内部管理装置1のHDD105に記録される。
TYRは、図12に示す修正特賞出玉の算出処理によって算出された値である。この値は、営業終了後に算出され、遊技場内部管理装置1のHDD105に記録される。
TT、TDは、遊技機4a又はアウトタンク4dから出力された賞球信号、回収球信号に基づいて計数された値であって、また、Rは、予め設定した値に基づいて決定された値である。これらの値は、特別遊技が実行されるごと、つまり、予め設定された大入賞口A12への遊技球の入賞数が入賞することを一単位として、一単位ごとに記録される。
TYR_a、TYR_A、TYR_b、及び、TYR_Bは、図14に示す大入賞口毎の各獲得賞球数の記録処理によって算出された値である。これらの値は、営業終了後に算出され、遊技場内部管理装置1のHDD105に記録される。
以上説明したように、第1の実施の形態では、大入比率Rを用いて大入賞口A12と大入賞口B13についての修正特賞出玉を算出することによって、大入賞口A12と大入賞口B13とを区別して、大入賞口A12、大入賞口B13の大入賞口A12、大入賞口B13に関わる獲得賞球を補正して算出することができるので、各大入賞口への寄りの釘調整を行う際に、参考とすべき指標を得ることができる。
また、予め設定された大入賞口A12への遊技球の入賞数が入賞するごとに修正特賞出玉を記録することによって、大入賞口A12と大入賞口B13の入賞割合に応じた獲得賞球を把握できるので、各大入賞口への寄りの釘調整の影響を、的確に判断できる指標を得ることができる。
また、一営業単位ごとにベース値を算出することによって、遊技機のスランプ(遊技機を原因とするものと、遊技者毎の遊技方法を原因とするものとを含む。)によって差異が発生するベース値を、特賞出玉に反映させることなく、特賞出玉を修正することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、図16に示す遊技盤5を備える遊技機4aについての修正特賞出玉を算出する。つまり、第2の実施の形態では、遊技機4aは、始動口14及び15への入賞経路上には大入賞口を備えず、当該入賞経路上にない大入賞口B13のみを備える。第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態(図12)と修正特賞出玉の算出処理が異なるので、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成はその説明を省略する。
図17は、本発明の第2の実施の形態の修正特賞出玉の算出処理を示すフローチャートであって、遊技場内部管理装置1のCPU101で実行される。
遊技機4aは、遊技球がいずれかの入賞口に入賞すると、所定の賞球数を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を出力する。また、特別遊技状態中には「特賞信号」を、確変図柄による特別遊技状態中、及び、特定遊技状態中には「確変信号」を出力する。
遊技機4aに設けられたアウトタンク4dは、各入賞口に入賞した球及び遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出された遊技球(アウト球)が排出されると、所定数のアウト球を回収する毎に「回収球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を出力する。
遊技用装置4からこれらの信号を受けた情報収集端末装置3は、これらの信号の累積値を内部ネットワークに向けて送信する。各信号の累積値を受信した遊技場内部管理装置1は、個々の信号、及び、設定入力装置110(図6参照)によって設定した情報に基づいて、以下の算出方法によって、従来の特賞出玉(TY)から始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への遊技球の入賞の影響を排除した修正特賞出玉(TYR)を得ることができる。
賞球信号及び特賞信号に基づいて特賞中賞球数計数処理(S801)を行い、特別遊技状態中の賞球数(特賞中賞球数:TD)を計数する。つまり、特賞信号が出力される間の賞球信号に累積値の増分によって特別遊技状態中の賞球数を計数してTDとする。
また、特賞信号及び回収球信号に基づいて特賞中回収球数計数処理(S802)を行い、特別遊技状態中のアウト球数(特賞中回収球数:TT)を計数する。つまり、特賞信号を受信することによって、遊技機4aは特別遊技状態中であると判断し、特賞信号が出力される間の回収球信号の累積値の増分によって特別遊技状態中のアウト球数(回収球数)を計数してTTとする。
また、賞球信号、特賞信号、確変信号、及び、回収球信号に基づいてベース算出処理(S806)を行い、ベース値(B)を算出する。つまり、特賞信号も確変信号も受信していない状態で、遊技機4aが出力する賞球信号に基づく通常遊技状態中の賞球数を、アウトタンク4dが出力する回収球信号に基づく通常遊技状態中のアウト球数で除することによって、ベース値(B)を算出する。ベース値(B)は、アウト球100個当たりの賞球数で表す。なお、通常パチンコ機は毎分約100発の遊技球を発射するように調整されているので、ベース値(B)は1分間あたりの賞球数も表している。
なお、ベース値(B)は、一営業単位の営業が終了するごとに、当該営業単位におけるベース値を算出する。このようにベース値を算出することによって、遊技機のスランプ(遊技機を原因とするものと、遊技者毎の遊技方法を原因とするものとを含む。)によって差異が発生するベース値を、特賞出玉(TY)に反映させることなく、修正特賞出玉(TYR)を算出することができる。
また、予め設定した情報に基づいて始動入賞口賞球数決定処理(S805)を行い、始動口14、15へ遊技球が入賞した場合の賞球数(始動入賞口賞球数:ns)を決定する。このとき、始動口14、15へ遊技球が入賞した場合の賞球数(例えば、始動口14又は15への遊技球の入賞毎に3個)は、予め設定する。そして、予め設定した当該始動口賞球数をnsとする。
また、特賞中賞球数(TD)及び特賞中回収球数(TT)に基づいて特賞中差球算出処理(S807)を行い、従来の特賞出玉(特賞中差球数:TY)を算出する。つまり、特賞中賞球数から特賞中回収球数を減ずることによって、特賞出玉を算出する(TY=TD−TT)。
次に、第2の実施の形態における修正特賞出玉を算出するための、補正数の算出処理(S808〜S810)を説明する。
特賞中回収球数(TT)及びベース値(B)に基づいて大入賞口外賞球数算出処理(S808)を行い、特別遊技状態中の大入賞口B13以外の入賞口(始動口14、15及び一般入賞口18、19)への遊技球の入賞によって獲得される賞球数(大入賞口外賞球数:B×TT)を算出する。つまり、第2の実施の形態で設けられている大入賞口B13は、始動口14及び15への入賞経路上にないため、大入賞口B13が開放しても、始動口14及び15への遊技球の入賞率に影響はなく、影響があったとしても無視できる程度である。従って、ベース値(B)に特賞中回収球数(TT)を乗ずることによって、特別遊技状態中の始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への遊技球の入賞によって獲得される賞球数(B×TT)を算出することができる。
なお、遊技場における通常の釘調整では、一般入賞口18又は19への遊技球の入賞によって獲得される賞球数は、始動口14、15への遊技球の入賞によって獲得される賞球数と比較して極めて少量であるため、無視することもできる。入賞口18、19への遊技球の入賞数も含めて算出する場合は、各入賞口の入賞率を加味した加重平均の手法によって、始動口への入賞によって獲得される賞球数を算出してもよい。
次に、特賞中回収球数(TT)、ベース値(B)、及び、始動入賞口賞球数(ns)に基づいて大入賞口外入賞数算出処理(S809)を行い、特別遊技状態中の大入賞口B13以外の入賞口(始動口14及び15)への遊技球の入賞数(大入賞口外入賞数:B×TT/ns))を算出する。つまり、ベース値(B)に特賞中回収球数(TT)を乗ずることによって算出した、特別遊技状態中の始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への遊技球の入賞数(B×TT)を、始動入賞口賞球数(ns)で除することによって、特別遊技状態中の始動口14、15への遊技球の入賞数(B×TT/ns)を算出することができる。このようにして、始動口14又は15への入賞によって大入賞口B13への入賞機会を失った遊技球数を算出することができる。
なお、一般入賞口18又は19への遊技球の入賞数は極めて少量であるため、無視することができるが、始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への入賞率に賞球数を加味した加重平均の手法によってnsを補正してもよい。
次に、大入賞口外賞球数(B×TT)、及び、大入賞口外入賞数(B×TT/ns)に基づいて補正数算出処理(S810)を行い、補正数(B×TT−B×TT/ns)を算出する。
このようにして算出した補正数(B×TT−B×TT/ns)を、特賞中差球数(TY)から減ずる特賞中差球補正処理(S811)を行うことによって、修正特賞出玉(補正済特賞中差球数:TYR)を算出する。つまり、特別遊技状態中の遊技機4aの賞球数全体から特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞によって獲得される賞球数を減じた値と、特別遊技状態中の遊技機4aのアウト球数に特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞数を減じた値との差を算出することによって、特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞の影響を排除した修正特賞出玉を算出することができる。
以上説明したように、第2の実施の形態では、始動口14及び15への入賞経路上になく、始動口14及び15が入賞経路上にある大入賞口B13のみを備える遊技機4aについての修正特賞出玉を算出することによって、大入賞口B13に関わる獲得賞球を補正して算出することができるので、始動口14、15への寄りの調整と大入賞口13Bへの寄りの釘調整とを行う際に、参考とすべき指標を独立に得ることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、図18に示す遊技盤5を備える遊技機4aについての修正特賞出玉を算出する。つまり、第3の実施の形態では、遊技機4aは、始動口14及び15への入賞経路上にのみ大入賞口A12を備え、当該入賞経路上にない大入賞口B13を備えない。第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態(図12)と修正特賞出玉の算出処理が異なるので、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成はその説明を省略する。
図19は、本発明の第3の実施の形態の修正特賞出玉の算出処理を示すフローチャートであって、遊技場内部管理装置1のCPU101で実行される。
遊技機4aは、遊技球がいずれかの入賞口に入賞すると、所定の賞球数を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を出力する。また、特別遊技状態中には「特賞信号」を、確変図柄による特別遊技状態中、及び、特定遊技状態中には「確変信号」を出力する。
遊技機4aに設けられたアウトタンク4dは、各入賞口に入賞した球及び遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出された遊技球(アウト球)が排出されると、所定数のアウト球を回収する毎に「回収球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を出力する。
遊技用装置4はからこれらの信号を受けた情報収集端末装置3は、これらの信号の累積値を内部ネットワークに向けて送信する。各信号の累積値を受信した遊技場内部管理装置1は、個々の信号、及び、設定入力装置110(図6参照)によって設定した情報に基づいて、以下の算出方法によって、従来の特賞出玉(TY)から始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への遊技球の入賞の影響を排除した修正特賞出玉(TYR)を得ることができる。
賞球信号及び特賞信号に基づいて特賞中賞球数計数処理(S901)を行い、特別遊技状態中の賞球数(特賞中賞球数:TD)を計数する。つまり、特賞信号が出力される間の賞球信号の累積値の増分によって特別遊技状態中の賞球数を計数してTDとする。
また、特賞信号及び回収球信号に基づいて特賞中回収球数計数処理(S902)を行い、特別遊技状態中のアウト球数(特賞中回収球数:TT)を計数する。つまり、特賞信号が出力される間の回収球信号の累積値の増分によって特別遊技状態中のアウト球数(回収球数)を計数してTTとする。
また、賞球信号、特賞信号、確変信号、及び、回収球信号に基づいてベース算出処理(S906)を行い、ベース値(B)を算出する。つまり、特賞信号も確変信号も受信していない状態で、遊技機4aが出力する賞球信号に基づく通常遊技状態中の賞球数を、アウトタンク4dが出力する回収球信号に基づく通常遊技状態中のアウト球数で除することによって、ベース値(B)を算出する。ベース値(B)は、アウト球100個当たりの賞球数で表す。なお、通常パチンコ機は毎分約100発の遊技球を発射するように調整されているので、ベース値(B)は1分間あたりの賞球数も表している。
なお、ベース値(B)は、一営業単位の営業が終了するごとに、当該営業単位におけるベース値を算出する。このようにベース値を算出することによって、遊技機のスランプ(遊技機を原因とするものと、遊技者毎の遊技方法を原因とするものとを含む。)によって差異が発生するベース値を、特賞出玉(TY)に反映させることなく、修正特賞出玉(TYR)を算出することができる。
また、予め設定した情報に基づいて大入賞口入賞数決定処理(S904)を行い、特別遊技状態中の大入賞口A12へ入賞する遊技球数(大入賞口入賞数:ST)を決定する。このとき、大入賞口A12への入賞数(例えば、規定ラウンド数に大入賞口への規定入賞球数を乗じた数)は、予め設定する。そして、予め設定した当該大入賞口入賞数をSTとする。
また、特賞中賞球数(TD)及び特賞中回収球数(TT)に基づいて特賞中差球算出処理(S907)を行い、従来の特賞出玉(特賞中差球数:TY)を算出する。つまり、特賞中賞球数から特賞中回収球数を減ずることによって、特賞出玉(TY=TD−TT)を算出する。
次に、第3の実施の形態における修正特賞出玉を算出するための、補正数の算出処理(S908)を説明する。
特賞中回収球数(TT)、ベース値(B)、及び、大入賞口入賞数(ST)に基づいて大入賞口外賞球数算出処理(S908)を行い、特別遊技状態中の大入賞口A12以外の入賞口(始動口14、15及び一般入賞口18、19)への遊技球の入賞によって獲得される賞球数(大入賞口外賞球数:B×(TT−ST))を算出する。つまり、ベース値(B)に特賞中回収球数(TT)を乗ずることによって、特別遊技状態中の始動口14、15、及び、一般入賞口18、19への遊技球の入賞によって獲得される賞球数(B×TT)を算出することができる。
なお、遊技場における通常の釘調整では、一般入賞口18又は19への遊技球の入賞によって獲得される賞球数は、始動口14、15への遊技球の入賞によって獲得される賞球数と比較して極めて少量であるため、無視することもできる。一般入賞口18、19への遊技球の入賞数も含めて算出する場合は、各入賞口の入賞率を加味した加重平均の手法によって、始動口への入賞によって獲得される賞球数を算出してもよい。
また、大入賞口入賞数(ST)にベース値(B)を乗ずることによって、大入賞口A12への遊技球の入賞数(B×ST)を算出することができる。
そして、B×TTからB×STを減ずることによって、特別遊技状態中の始動口14、15への遊技球の入賞によって獲得される賞球数、すなわち、大入賞口外賞球数(B×(TT−ST))を算出する。
なお、第3の実施の形態では大入賞口A12が始動口14、15より上流に設けられているため、特別遊技状態中の始動口14、15への遊技球の入賞の影響を無視することができる。よって、第3の実施の形態における補正数は、B×(TT−ST)と等しくなる。
このようにして算出した補正数(B×(TT−ST))を、特賞中差球数(TY)から減ずる特賞中差球補正処理(S911)を行うことによって、修正特賞出玉(補正済特賞中差球数:TYR)を算出する。つまり、特別遊技状態中の遊技機4aの賞球数全体から特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞によって獲得される賞球数を減じた値と、特別遊技状態中の遊技機4aのアウト球数との差を算出することによって、特別遊技状態中の始動口14及び15への遊技球の入賞の影響を排除した修正特賞出玉算出することができる。
以上説明したように、第3の実施の形態では、始動口14及び15への入賞経路上に設けられた大入賞口A12のみを備える遊技機4aについての修正特賞出玉を算出することによって、大入賞口A12に関わる獲得賞球を補正して算出することができるので、始動口14、15への寄りの調整と大入賞口A12への寄りの釘調整とを行う際に、参考とすべき指標を独立に得ることができる。