以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技システムのシステム構成図である。
遊技場11a(遊技場A)の内部には内部ネットワークが設けられており、当該内部ネットワークには遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)3、顧客管理装置9及び中継端末装置(ルータ)4が接続される。なお、顧客管理装置9は、前記内部ネットワークに直接接続することなく、遊技場内部管理装置3とのみ直接接続してもよい。この場合、顧客管理装置9は、遊技場内部管理装置3と情報の通信を行う。
遊技場11a内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成される。当該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送又は指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャスト又はブロードキャスト)を行うことができる。
遊技場内部管理装置3は、情報収集端末装置5を介して遊技用装置6から遊技情報を収集し、各遊技機6a(図4)の動作状態を監視する。
顧客管理装置9は、遊技場の会員として登録されている遊技者の個人情報(会員登録時に遊技者の申告により登録される遊技者の情報であって、例えば、遊技者の氏名、性別、生年月日又は住所)を各遊技者に対して一意に割り当てられた会員IDと対応付けて管理する。
中継端末装置4は、遊技場11a内の島設備毎に設けられており、当該島設備に設置された各情報収集端末装置5からの情報を中継して、当該情報を内部ネットワークに向けて送信する。なお、中継端末装置4は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎でもよい。
情報収集端末装置5には、遊技用装置6、呼出しランプ7及び会員端末8が接続される。情報収集端末装置5は、遊技用装置6から出力される遊技情報、呼出しランプ7から出力される呼び出しに関する情報及び会員端末8から出力される会員IDを収集する。
なお、複数(例えば、二台)の遊技用装置6に対して一台の情報収集端末装置5を接続する構成でもよい。また、呼出しランプ7及び/又は会員端末8を内部ネットワークに直接接続し、内部ネットワークを通じて対応する情報収集端末装置5に論理的に接続してもよい。ただし、複数の遊技用装置6に対して一台の情報収集端末装置5を接続する構成の場合、呼出しランプ7は各遊技機6aに一対一に対応して接続する構成とする。
また、情報収集端末装置5と呼出しランプ7の機能を統合して一つの装置とすることもできる。あるいは、会員端末8と呼出しランプ7の機能を統合して一つの装置とすることもできる。
また、情報収集端末装置5は、所定量の稼動毎の始動入賞数である稼動単位宛始動入賞数を収集する稼動単位宛始動入賞数収集手段としての機能を有するとともに、所定量の稼動毎の変動表示ゲーム実行回数である稼動単位宛スタート数を収集する稼動単位宛スタート数収集手段としての機能を有する。この情報収集端末装置5は、遊技用装置6から出力された遊技情報を収集すると、所定期間の遊技情報の累積値(例えば、遊技機6aから出力されるスタート信号又は始動入賞信号に基づいて算出されるスタート回数又は始動入賞回数の累積値)を生成し、当該累積値に基づいて遊技用装置6の稼動量(遊技履歴情報)を集計する。そして、情報収集端末装置5は、集計した稼動量を遊技場内部管理装置3に送信する。なお、情報収集端末装置5は、遊技用装置6から出力された遊技情報を、呼出しランプ7経由で収集してもよい。
この情報収集端末装置5が生成する所定期間の遊技情報の累積値は、通常は一営業単位毎に累積算出される。
ここで営業単位とは、一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前、午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、一週間)にわたるものとしてもよい。
なお、各遊技用装置6の稼動量は、遊技場内部管理装置3で算出されてもよい。この場合、情報収集端末装置5は、遊技用装置6から収集した遊技情報を遊技場内部管理装置3に送信し、遊技場内部管理装置3は、受信した遊技情報の累積値を生成して各遊技用装置6の稼動量を算出する。
また、情報収集端末装置5は、会員端末8から出力される会員IDを収集すると、これらの情報を、当該会員端末8と対応して設けられた遊技機6aの台番号又は台番号に一意に対応する情報(例えば、会員端末ID、会員端末通信アドレス等)とともに顧客管理装置9に送信する。
遊技用装置6は、島設備に複数台ずつ設置されており、遊技機6aに球貸ユニット5b、補給数計数装置(補給数計数手段)6c及び回収数計数装置(回収数計数手段)6d等の周辺装置が付加されて構成されている(図4参照)。なお、遊技機6a又は球貸ユニット6bから、後述する賞球信号及び球貸信号が出力される場合は、補給数計数装置6cを設け無くてもよい。
遊技機6aは遊技制御装置を中心とする各種制御装置を備え、例えば、特図変動表示ゲーム(補助遊技)を実行したり、特図変動表示ゲームの結果として予め定められた特定の図柄が揃った場合は特別遊技状態(大当り遊技状態)を発生させたりする。
遊技制御装置は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(例えば、プログラム又はデータ等)を記憶するROM、遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ600(図3参照)、入力インターフェース、出力インターフェース及び外部通信端子等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ600は、入力インターフェースを介しての各種検出装置(特別図柄始動センサ、普通図柄始動センサ又は一般入賞口センサ)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェースを介して、各従属制御装置(表示制御装置及び排出制御装置)、普通電動役物ソレノイド又は大入賞口ソレノイド等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
遊技用マイクロコンピュータ600には外部通信用端子が設けられており、遊技用マイクロコンピュータ600に一意に設定された識別番号を外部通信用端子から出力することができる。この外部通信用端子に検査装置や遊技場内部管理装置3を接続することで、各装置が遊技機6aを識別することができる。
各遊技用装置6には、呼出しランプ7が設けられている。呼出しランプ7は、遊技場の従業員を呼び出すための呼出スイッチが備えられている。遊技者が、例えば、遊技機6aに異常が発生した場合や、遊技球を貯留する球箱が不足している場合に、この呼出スイッチを操作すると、呼出しランプ7が点灯して遊技場の従業員を呼び出すことができる。
会員端末8は、遊技用装置6の球貸ユニット6bに並設されている。会員端末8に会員カードが挿入されると、会員IDが収集される。収集された会員IDは、会員端末8から顧客管理装置9に送信される。
また、会員端末8は、遊技場からの案内情報又は、遊技用装置6の稼動量に基づく情報として遊技履歴情報等(例えば、稼動量、アウト数、スタート数、特賞回数など)を、表示装置81(図4参照)に出力する。この場合、遊技場からの案内情報は、遊技場内部管理装置3から通信により送信される。また、遊技履歴情報等は、情報収集端末装置5から、又は一度、遊技情報を収集した遊技場内部管理装置から取得する。また、会員端末8に代えて呼出しランプ7に備える表示装置に出力することもできる。
コーナーランプ10は、遊技場内の島設備毎に設けられる。コーナーランプ10は、対応する島設備で特別遊技状態の発生や遊技者からの呼び出しがあると点灯又は点滅し、遊技場の従業員に特別遊技状態の発生や遊技者からの呼び出しを報知する。なお、コーナーランプ10は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎に設置されてもよい。
本実施の形態では、情報収集端末装置5からの情報を中継する中継端末装置4を島設備毎に設けたが、中継端末装置4を設けることなく、情報収集端末装置5を内部ネットワークに直接接続するように構成してもよい。また、情報収集端末装置5の代わりにリモートI/Oを置き、中継端末装置4の代わりに複数の遊技用装置6に対応する情報収集端末装置5を設置することもできる。このように構成することで、従来、島コンピュータと称された方式での遊技システムにも対応することができる。
遊技場チェーンを経営する本部1は、遊技場外部管理装置2を備え、ネットワークを介して遊技場内部管理装置3と接続されており、遊技場内部管理装置3が遊技場11aに設置された装置から収集した稼動情報の送信を受け、このデータを記憶して、管理する。各拠点間の通信は、VPN(Virtual Private Network)を利用するなどして公衆回線網で通信されるデータを暗号化するなどして、情報の漏洩、改竄、盗聴を防止する。
なお、遊技場外部管理装置2は、遊技場チェーンを経営する本部1に設けず、経営する本部が管轄する機関その他の外部機関に設けてもよい。
また、遊技場外部管理装置2は、遊技用装置6の製造メーカに設けてもよい。遊技場11aから遊技機メーカに対して変動表示作動率等の遊技機の情報を送信することによって、遊技機メーカの遊技場外部管理装置2において、収集された大量のデータの中で自店の遊技場11aの始動入賞率及びスタート率を比較し、遊技メーカから遊技場11aに、遊技機の調整作業を行う上でのアドバイスをもらうこともできる。
また、遊技機6aの固有番号(例えば、遊技用マイクロコンピュータに付与されたユニークなチップID)を、本部1に設けられた遊技場外部管理装置2に対して送信し、送信された固有番号を遊技場外部管理装置2が認証することによって、遊技機6aが正当なものであるかを確認することができる。
また、固有番号を遊技場外部管理装置2(例えば、管理装置メーカや遊技機メーカに設けられる)に送信して、遊技用装置を適切に運用するための環境設定情報(例えば、出力された外部情報の意味付け等)や遊技用装置の仕様情報等を取得することができる。
例えば遊技機の仕様情報によって、遊技場11aから送信された固有番号から、遊技場外部管理装置2のデータベースにある出荷時情報(固有番号と遊技機情報とが対応付けされている)と固有番号とに基づいて、機種名、機類(パチンコ機か、パチスロ機か;遊技球式か、メダル式か;パチンコ機であれば、1種、2種、3種か;パチスロ機であれば、Aタイプ、Bタイプ等の遊技性;現金機か、カード機か等)を特定することができる。従って、固有番号から当該遊技機の比較対象とすべき始動入賞率及びスタート率を取得することができる。逆に、遊技場外部管理装置2は、遊技場11aから送信された固有番号と当該遊技機のスタート率を受信して、該当する機種の始動入賞率及びスタート率を格納するデータベースの更新ができる。
なお、遊技場11a内部のネットワークと遊技場外部管理装置2との間は、前述したようにVPNで接続されているが、これに限らず、専用線で接続してもよい。
以上、遊技場Aについて説明したが、遊技場11b(遊技場B)及び遊技場11c(遊技場C)にも同様の設備が設けられており、本部1に設けられた遊技場外部管理装置2は、各遊技場に設けられた遊技用管理装置と通信することができる。このように、本実施の形態の遊技システムは、始動入賞口23への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行可能であるとともに始動入賞口23への入賞を所定の上限数の範囲で始動記憶可能な遊技用装置6から、遊技に関する情報を収集し、収集した情報を管理する遊技システムとして機能する。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技場内部管理装置3の構成を示すブロック図である。
遊技場内部管理装置3には、CPU301、プログラム等を予め格納したROM302、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM303、及び、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)304が設けられている。
RAM303は、各種データ(例えば、遊技機6aの補助遊技の実行回数であるスタート回数、始動入賞数又はアウト数等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU301の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。また、ROM302にプログラムを記憶する代わりに、HDD304にプログラムを保存しRAM303にプログラムをコピーしRAM303でプログラムを動作させることも可能である。
これらのCPU301、ROM302、RAM303及びHDD304はバス305によって接続されている。バス305は、CPU301がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
バス305には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート306、I/Oポート307及び外部ネットワーク通信ポート308が接続されている。
ネットワーク通信ポート306は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続されている。
I/Oポート307には、遊技用装置6によって遊技が実行された結果生じる始動入賞信号やスタート信号等の、情報収集端末装置5から収集したデータや、遊技場内部管理装置3の稼動状態を表示するディスプレイや、遊技機6aにおける特賞発生を報知するスピーカによって構成される出力装置309が接続される。また、I/Oポート307には、遊技場内部管理装置3の操作のための入力装置(キーボード、マウス等)310が接続される。
このように、遊技場内部管理装置3は、情報収集端末装置5から稼動単位宛始動入賞数と稼動単位宛スタート数とを収集する情報収集手段としての機能を有する。
外部ネットワーク通信ポート308は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、遊技場の外部に設けられたWANと接続されている。よって、遊技場内部管理装置3は、WANに接続された本部1に設けられた遊技場外部管理装置2と通信をすることができる。
次に、図1に示す顧客管理装置9の構成について説明する。
なお、顧客管理装置9は、遊技場内部管理装置とほぼ同一の構成である。このため、顧客管理装置9の構成において、遊技場内部管理装置3と同一の構成についてはその説明を省略する。顧客管理装置9は、ネットワーク通信ポートを介して遊技場内部管理装置3と通信を行う。
顧客管理装置9のRAM(図示省略)は、各種データ(例えば、遊技履歴情報)を一時的に記憶する記憶領域及び顧客管理装置9のCPU(図示省略)の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
顧客管理装置9のHDD(図示省略)は、遊技場の会員として登録されている遊技者の個人情報を記憶する。遊技者の個人情報は、会員IDをキーとするデータベースに格納される。
図3は、本発明の第1の実施の形態の情報収集端末装置5に設けられたマイクロプロセッサ500の構成を示すブロック図である。
情報収集端末装置5は、マイクロプロセッサ500、電源回路及びデータ入出力用端子が設けられる。
マイクロプロセッサ500は、3個のCPU501〜503を内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)501、ネットワークCPU502及びアプリケーションCPU503の三つのCPUを内蔵する。また、これらのCPU501〜503が接続されるアドレス及びデータのためのバス504には、各CPU501〜503に共通して使用されるメモリとして、RAM505、EEPROM506及びROM507が接続される。
RAM505は、各種データ(例えば、遊技機6aの稼動量、始動入賞数及びスタート数)を一時的に記憶する記憶領域及びアプリケーションCPU503の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
EEPROM506は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置5に接続される遊技機6aの台番号、ネットワーク構成、アドレスの指定情報及び識別コード等の情報収集端末装置5に設定される情報等を記憶する。
EEPROM506のプログラムによって書き換え可能な領域及びROM507には、遊技情報の収集に用いられるプログラムが記憶される。
また、コモンバス504には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート508及びI/Oポート509が接続される。
ネットワーク通信ポート508は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートである。ネットワーク通信ポート508は、ドライバを介してネットワーク接続端子に接続される。当該ネットワーク接続端子はネットワークケーブルを介して中継端末装置4が接続され、さらに、内部ネットワークを通じて遊技場内部管理装置3と信号(例えば、データ信号又は指令信号)を送受信する。
I/Oポート509は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、ドライバを介して外部入出力端子に接続されており、当該外部入出力端子には、遊技機6aから出力される賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号や、周辺装置(補給数計数装置6c及び回収数計数装置6d)から出力される補給信号又は回収信号等の遊技情報(図4)が入力される。なお、遊技機6aが、通信ポート510と、遊技機6aの遊技制御装置に備えられた遊技用マイクロコンピュータ600とで直接通信して、賞球信号、特賞信号、確変信号及びスタート信号を受信することもできる。
通信ポート510は、遊技機6aに設けられた遊技用マイクロコンピュータ600の通信ポートとの間で、所定のプロトコルで通信を行う。通信ポート510は、遊技機6aの遊技制御基板上に設けられたコネクタと接続される。
マイクロプロセッサ500には、CPU501〜503のクロックやリセット等の制御信号を出力する制御回路511も内蔵される。
遊技用装置6から情報収集端末装置5に遊技情報が入力されると、アプリケーションCPU503によって遊技情報の累積値が算出される。そして、アプリケーションCPU503は、算出された遊技情報の累積値に基づいて、遊技用装置6の稼動量を算出する。遊技情報の累積値は、RAM505に一定期間記憶されて管理される。なお、当該累積値を、情報収集端末装置5がネットワーク通信ポート508から出力して、遊技場内部管理装置3が記憶して管理してもよい。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機6a周辺のブロック図であり、遊技用装置6が出力する遊技情報を示す。
遊技機6aに設けられた盤用外部情報から情報収集端末装置5のマイクロプロセッサ500のI/Oポート509には、以下のような遊技に関わる信号(遊技情報)が入力される。
遊技機6aは、始動入賞口、一般入賞口又は大入賞口に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を、排出装置から、遊技盤の下方に設けられた供給皿に排出する。そして、所定数の賞球を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
また、遊技機6aは、特図変動表示ゲームの結果が特別遊技状態のときは、当該特別遊技状態中に「特賞信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機6aは、当該特別遊技状態が確変図柄による特別遊技のときは、当該特別遊技状態中、及び、その後発生する特定遊技状態(確率変動状態)中に、「確変信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機6aは、特図変動表示ゲームを開始すると、特図変動表示ゲームを開始する毎に「スタート信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機6aは、始動入賞口へ遊技球が入賞する毎に「始動入賞信号」を遊技情報として出力する。
また、遊技機6aの盤用外部情報から出力される信号(遊技情報)には、特図変動表示ゲームが終了したときに出力される「図柄確定信号」等がある。これらの信号は、盤用外部情報から、電圧出力形式又は接点出力形式で出力される。
なお、遊技情報を、遊技用マイクロコンピュータ600から情報収集端末装置5の通信ポート510に対して出力してもよい。この場合、所定のプロトコルを用いたデータ通信(例えば、暗号化通信)によって通信内容を秘匿でき、盤用外部情報から出力するよりも詳細な遊技情報(例えば、始動記憶数や抽出した乱数値など)を出力することができる。また、双方向通信によって接続相手のIDの認証を行い、不正な機器との接続を防止することができる。
球貸ユニット6bは、所定数(例えば、25個)の遊技球を貸し出す毎に「球貸信号」を遊技情報として出力する。なお、「球貸信号」は、遊技機6aの盤用外部情報から出力してもよい。
これらの信号を受信した情報収集端末装置5は、これらの遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。この累積値は、例えば、所定時間経過毎、特別遊技状態発生などのイベント時に情報収集端末装置5が内部ネットワークを介して遊技場内部管理装置3に送信する、又は、遊技場内部管理装置3からのポーリングの応答時に送信される。
また、遊技機6aが設置される島設備には、遊技機6a(球貸ユニット6bから貸球が排出される場合は、遊技機6a及び球貸ユニット6b)に遊技球を補給する補給路と、遊技機6aからアウト球を回収する回収路とを備えた補給回収機構と、表示装置81を備える会員端末8とが設けられている。
補給数計数装置6cは、遊技機6aに補給された球数を計数する。補給数計数装置6cは補給球の計数結果である「補給信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
回収数計数装置6dは、遊技機6aから回収されたアウト球(回収球)、つまり、遊技者が遊技機6aの遊技領域に発射した球を計数する。回収球計数装置6dはアウト球の計数結果である「回収信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技情報として出力する。
この補給数計数装置6c及び回収数計数装置6dは情報収集端末装置5に接続されており、情報収集端末装置5が、補給数計数装置6c及び回収数計数装置6dから出力される遊技情報を加算演算し、累積値を集計する。なお、補給数計数装置6c及び回収数計数装置6dは、遊技機6aに設けてもよい。また、情報収集端末装置5は、回収信号、補給信号及び球貸信号を遊技機6aから直接収集してもよい。
会員端末8は、表示装置81、操作パネル82及びカード読取部83を備える。
表示装置81は、例えば、LCD(液晶表示器)又はCRT(ブラウン管)で表示部が構成される。表示装置81には、遊技機6aの過去の稼動量(例えば、前日のスタート回数及び前日の特賞回数)、各会員の遊技量又は遊技場から遊技者に通知される情報等が表示される。
操作パネル82は、表示装置81の表示内容を切り替える切替スイッチ等の操作スイッチによって構成される。なお、操作パネル82を、表示装置81と一体に設けたタッチパネルで構成してもよい。
カード読取部83は、内部にICリーダ又はカードリーダ/ライタを備えており、遊技者が保有する会員カードが挿入されると、当該会員カードから会員IDを読み取る。
会員IDは、会員端末8から顧客管理装置9へ出力される。
なお、顧客管理装置9が内部ネットワークに直接接続されていない場合は、会員端末8は、遊技場内部管理装置3へ会員IDを出力し、その後、遊技場内部管理装置3から顧客管理装置9へ当該会員IDが送信される。
図5は、本発明の第1の実施の形態の遊技装置6のアウト数と、所定のアウト数毎に区分して計数した始動入賞数とスタート数との説明図である。
遊技装置6は遊技者の操作によって遊技球が発射され(アウト球が増加し)、遊技盤に設けられた始動口に入賞(始動入賞)すると始動記憶を記憶し、この記憶に基づいて変動表示ゲームを実行(スタート)する。
図5のグラフの縦線は、ある遊技装置6が遊技者によって遊技されているときの、通常状態でのアウト数の所定数(例えば1000個)毎に区分した区間を示し、横軸は上からアウト数、始動入賞数及びスタート数の時間経過に伴う変化の様子を示している。通常状態に限定した理由は、遊技装置6が特賞状態や確変状態のときは始動入賞でもスタートが起動されない状態・始動入賞が頻発し始動記録がオーバーフローする状態が容易に発生するなど、遊技者の技量を評価するデータとして不適切であるためである。
なお、横軸上の黒丸(●)は、アウト数、始動入賞数及びスタート数の分布を表している。「アウト数」の黒丸1個はアウト数100個を表し、「始動入賞数」と「スタート数」の黒丸1個は、それぞれ始動入賞数10個又はスタート数10個を表す。また、横軸下側の数字は、アウト数に基づいて区分された区間毎のアウト数、始動入賞数及びスタート数の値を示している。
例えば、図中の一番左側の数値はアウト数“1000”個に対して始動入賞数は“62”であり、スタート数は“57”となる。このときの始動入賞数の“62”はアウト区分始動入賞数(稼動単位宛始動入賞数)であり、同様にスタート数“57”はアウト区分スタート数(稼動単位宛スタート数)である。
このように、アウト数1000個あたりの始動入賞数を一つの標本として、複数標本を採集し、これを記憶する。また、同様にして、アウト数1000個あたりのスタート数を一つの標本として、複数標本を集計記憶する。例えば、一台の遊技機について一日にアウト数40000個の稼動があった場合、40個の標本を採集できる。また、当該機種の台数分、標本採集営業日分の標本を採集することにより統計処理に必要な標本を確保できる。一般に、このようにして採集した標本は、ポアソン分布に従うことが知られており、各条件毎に採集した標本の統計データを相互に比較評価することが容易にできる。
なお、ここでは、標本数としてある程度の数が期待できること、また長時間のリーチ変動の影響を希釈するためリーチ時間に比較して十分に長い時間に対応(60秒程度のリーチ変動時間の10倍にあたる10分に相当)するアウト数1000個単位での標本採集を例示したが、これに限られずアウト数100個単位、あるいは2000個単位などでもよい。
このとき、変動表示ゲームは必ず始動入賞に基づいて実行されるが、始動入賞があったとしても、始動記憶のオーバーフローによって必ず変動表示ゲームが実行されるとは限らないため、スタート数が始動入賞数を上回ることはない。
本発明は、情報収集端末装置5によって、アウト数の所定数毎に基づいて(遊技装置6のアウト数が所定数に達することを契機として)、始動入賞数、スタート数を収集し、始動入賞数の統計分布及びスタート数の統計分布に基づいて、遊技場の変動表示ゲームの実行回数の調整のための評価値を得るものである。
ここで、始動入賞は、始動入賞率を同一に設定した場合、遊技者個人の技量に関係なく発生頻度は同一である。その一方、スタート(変動表示ゲームの実行)は、遊技者の遊技球の発射状況によって変化し、必ずしも発生頻度は同一とは限らない。
例えば、技量の高い遊技者の場合、始動記憶のオーバーフローを防ぐいわゆる止め打ちや、始動記憶が長時間減少しない変動表示ゲームのリーチ中に遊技球を発射しないなどによって、無駄球を減らすことを狙うと考えられる。従って、技量の高い遊技者が遊技を行った場合、スタート数が始動入賞数に近づくことになる。このことから、例えば、始動入賞数の分布の平均値と、スタート数の分布の平均値との差(乖離程度)によって、技量を評価することが可能となる。
従って、このようにして収集した、始動入賞数を標本とする統計分布から定める指標と、スタート数を標本とする統計分布から定める指標との乖離程度を評価することによって、遊技場毎に異なる客層の技量を把握することができる。
なお、アウト数が1000個に満たない状態で閉店を迎えた場合に、その時点までにカウントしたアウト数、アウト数単位始動入賞数及びアウト数単位スタート数の値は、閉店時にリセットして破棄してもよく、翌日の集計時に、前日(前営業日)から引き続いて集計を継続するようにしてもよい。あるいは、閉店時の最後の区間で集計したアウト数に対する比率を求めて、これに所定数(例えば1000)を掛けることによって、補正して使用してもよい。
なお、遊技で使用する遊技媒体の数を計数するため遊技媒体信号として、本実施の形態では、回収数計数手段6dによるアウト球の計数に基づく回収信号を用いたが、遊技で使用する遊技媒体の数を特定又は近似できるものであれば、別の信号であってもよい。例えば、遊技用装置6aで遊技領域に発射された遊技球の数を、直接計数した結果に基づく信号であってもよい。さらに、始動入賞球及びスタート数をアウト球の計数に基づいて区分したが、これに限らず、遊技時間等に基づいて区分してもよい。
図6は、本発明の第1の実施の形態の本部1に設けられた遊技場外部管理装置2及び遊技場11aに設けられた遊技場内部管理装置3の処理手順を示すシーケンス図である。S11〜S19は遊技場外部管理装置2によって、S22〜S26は遊技場内部管理装置3によってそれぞれ実行される。
本部1に設けられた遊技場外部管理装置2及び遊技場11a(遊技場A)に設けられた遊技場内部管理装置3の処理手順を、図6のシーケンス図に沿って以下に説明する。
本部1では、各遊技場の営業利益、始動入賞数及びスタート数などの遊技履歴情報等の営業結果を集計し、この分析結果に基づいて各遊技場に始動入賞率を調整するための指示を出す。具体的には、本部に設けられた遊技場外部管理装置2から、この遊技場外部管理装置2にWANで接続されている遊技場A等に設けられた遊技場内部管理装置3に、WANを介して調整データが送信される(S11)。
この調整データは、機種ごとに定められたアウト区分始動入賞数平均及び特賞出玉の目標値の組み合わせで指示される。なお、始動入賞数平均の代わりに、始動入賞口の直近上方に設けられた釘の間隔であって始動口に入球する確率を大きく左右するゲージ幅で指示してもよい。
遊技場11aに設けられた遊技場内部管理装置3は、調整データを受信すると、遊技場11aは、この調整データに基づいて釘調整することにより始動入賞率を調整して営業し(S23)、当該調整に基づく営業の終了後、この期間の営業結果のデータを集計し(S24)、このうち標準機種のデータを本部1に設けられた遊技場外部管理装置2に送信する(S26)。
ここで収集される標準機種のデータは、標準機種のアウト区分始動入賞数平均、標準機種のアウト区分始動入賞数分散、標準機種のアウト区分スタート数平均及び標準機種のアウト区分スタート数分散についてのデータである。これらのデータは、遊技場Aに設けられ、遊技場内部管理装置3に接続されている情報収集端末装置5によって収集される。
すなわち、情報収集端末装置5は、所定量の稼動毎の始動入賞数である稼動単位宛始動入賞数を収集する稼動単位宛始動入賞数収集手段、及び所定量の稼動毎の変動表示ゲーム実行回数である稼動単位宛スタート数を収集する稼動単位宛スタート数収集手段を有する情報収集端末装置として機能する。
ここで、標準機種のアウト区分始動入賞数平均は、標準機種におけるアウト球1000球宛の始動入賞数の平均値である。アウト区分始動入賞数分散は、標準機種におけるアウト球1000球宛の始動入賞数の分散である。アウト区分スタート数平均は、標準機種におけるアウト球1000球宛のスタート数の平均値である。アウト区分スタート数分散は、各遊技機6aにおけるアウト球1000球宛のスタート数の分散である。
なお、通常はこれらの標本に基づく統計分布はポアソン分布に従うので始動入賞数の代表値及びスタート数の代表値としてそれぞれ平均値を用いることができる。しかしながら、遊技場もしくは遊技機の特性次第では、双峰分布などの特殊な分布に従う場合には、代表値はこれに限らず、中央値(メディアン)やモード(最頻値)を適宜用いてもよい。
また、標準機種とは、各遊技場の客層の技量を評価するために選択する遊技機の機種である。選択の際は、最も一般的であって多くの遊技場において導入されている機種を選択する。遊技場毎に集計した遊技情報の相互比較を容易にするためである。このような機種が存在しない場合には、ほぼ同様の遊技性能の複数機種の遊技機で代替することもできる。
また、標準機種のアウト区分始動入賞数平均とは、遊技者が遊技場において遊技し回収されたアウト球1000球毎の始動口に入賞した数の平均値である。アウト区分始動入賞数分散とは、遊技者が遊技場において遊技し回収されたアウト球1000球毎の始動口に入賞した数の分布の分散である。アウト区分スタート数平均とは、遊技者が遊技場において遊技し回収されたアウト球1000球毎の、変動表示ゲームが実行された回数の平均値である。アウト区分スタート数分散とは、遊技者が遊技場において遊技し回収されたアウト球1000球毎の、変動表示ゲームが実行された回数の分布の分散である。なお、分散はばらつきの程度を表すために用いた統計量であり、標準偏差やその他の統計量を用いてもよい。
このように、遊技場内部管理装置3は、収集した複数のアウト区分始動入賞数(稼動単位宛始動入賞数)の統計分布からアウト区分始動入賞数平均(稼動単位宛始動入賞数の統計分から定める代表値)を算出し、収集した複数のアウト区分スタート数(稼動単位宛スタート数)の統計分布からアウト区分スタート数平均(稼動単位宛スタート数の統計分布から定める代表値)を算出し、収集した複数の稼動単位宛始動入賞数の統計分布から稼動単位宛始動入賞数の分散を算出し、収集した複数の稼動単位宛スタート数の統計分布から稼動単位宛スタート数の分散を算出する統計処理算出手段としての機能を有する。なお、アウト区分始動入賞数の代表値及びアウト区分スタート数の代表値としてそれぞれ平均値を用いたが、代表値はこれに限らず、中央値(メディアン)やモード(最頻値)を用いてもよい。
次に、遊技場外部管理装置2は、遊技場11aに設けられた遊技場内部管理装置3から送信された標準機種のデータを受信すると(S17)、これに基づいて遊技場11aの客層の技量の評価を行う(S18)。客層の技量の評価については、図7において後述する。
次に、遊技場毎に補正した調整データを作成し(S19)、S11に戻ってこの調整データを遊技場11aに設けられた遊技場内部管理装置3に送信する。以下同様に繰り返される。
図7は、本発明の第1の実施の形態における図6のS18の遊技場客層の技量評価処理のフローチャートであり、本部1に設けられた遊技場外部管理装置2で実行される。
遊技場外部管理装置2は、まず、営業目標のスタート数受付処理を行う(S110)。ここで受け付ける営業目標のスタート数は、本部1が各遊技場の前期の営業結果に基づく分析を行った結果に基づいて決定される。本部1は、この決定したスタート数を遊技場外部管理装置2に入力する。
次に、標準機種のアウト区分スタート数平均及びアウト区分始動入賞数平均から、遊技場11aの客層技量を評価する(S120)。客層技量の評価は、始動入賞率と、スタート率の平均値との乖離度が低ければ技量は「高」と評価され、始動入賞率とスタート率の乖離度が高ければ技量は「低」と評価される。
具体的には、客層技量の評価は、例えば、アウト区分始動入賞数平均及びアウト区分スタート数平均を代表値として評価する。具体的には、各遊技場の始動入賞数平均とスタート数平均の乖離度の大きさを示す評価値Aは、
式(1)A=(μ−μ´)
で表される。ここで、Aは客層技量の評価値であり、μはアウト区分始動入賞数平均であり、μ´はアウト区分スタート数平均である。
このように、アウト区分始動入賞数平均とアウト区分スタート数平均との乖離度を求めることによって、各遊技場の客層技量を評価し、これに基づいて各遊技場に対して適切な始動入賞率の調整の指示を出すことが可能となる。
なお、各遊技場の始動入賞数平均とスタート数平均の乖離度の大きさを示す評価値Aは式(1)のように定めたが、例えば、
式(2)A=(μ−μ´)/σ
のように定めてもよい(σはアウト区分スタート数平均の標準偏差)。また、
式(3)A=μ´/μ
のように比率で定めてもよく、さらにその他の関係式によって定めてもよい。
次に、客層技量から暫定補正値を算出する(S130)。例えば、遊技場11aの客層技量の評価値Aが他の遊技店に比較して高い場合には、始動入賞率は他の遊技場より低く補正される。一方、遊技場11aの客層技量の評価値Aが他の遊技場に比較して低い場合には、始動入賞率は他の遊技場より高く補正される。
暫定補正値は、図12に後述するように、本部1が指示するスタート率(S%)と前期のアウト区分スタート数平均とを用いて求められる。具体的には、本部1が指示するスタート率(S%)を、本部1が目標とするアウト球100毎のスタート数と考え、このS%の値から、S120で求めた遊技場11aの前期の営業結果の標準機種アウト区分スタート数平均を10で割り、さらに100を掛けて百分率にすることによってアウト数区分の単位をスタート率(S%)に揃えた値を引いた差(本部1が目標とするアウト球100毎のスタート数(S%)−(前期の遊技場11aの標準機種アウト区分スタート数平均×10))として算出される。なお、暫定補正値は、その他の客層技量に基づく関係式によって定めてもよい。
なお、各遊技機6aの始動入賞率が同一である場合には、アウト区分スタート数平均を評価値に用いて各遊技場の客層技量を評価してもよい。
次に、標準機種のアウト区分スタート数のばらつきを評価する(S140)。これは、遊技場11aの客の技量の分布が比較的均質であるかばらついているかを評価するものである。これは、遊技場の立地等によって、技量の高い遊技者から低い遊技者まで幅広い客層を有する遊技場と、技量が高い遊技者又は技量が低い遊技者ばかりに偏った遊技場とが存在し得るため、これら遊技場の間で異なる調整を行うために、各遊技場の客層技量のばらつきを評価するものである。
具体的には、各遊技場のアウト区分スタート数Soの分散Vは、
式(3)V=Σ(So―μ´)2/N
によって表される。Nは、アウト区分スタート数Soの標本数である。Σは、総和
をあらわす算術記号であり、ここでは、標本数がN個のアウト区分スタート数Soに基づく総和を求めるものとする。また、μ´は、前述したようにアウト区分スタート数平均である。この分散Vに基づいて各遊技場の客層技量を評価する。
なお、客層技量のばらつきの評価は分散Vを用いたが、これに限らず、標準偏差やその他の値によって評価してもよい。
次に、S140で評価した客層技量のばらつきから再補正値を算出する(S150)。ばらつきが大きい場合には、前述した、遊技場11aに指示する始動入賞率の補正の効果を緩和し、ばらつきが小さく遊技者の技量が比較的均質である場合には、補正の効果を大きくする。具体的には、適切な閾値を設けて、分散Vが閾値以上であった場合には、ばらつき大とし、分散Vが閾値未満であった場合には、ばらつき小とする。
これは、ばらつきが大きい場合は、ばらつきが小さい場合に比較して、客層の集団のうち特に低い技量の遊技者と、特に高い技量の遊技者が多く存在することになる。例えば、始動入賞率を低くする補正を行なった場合、特に低い技量の遊技者に対しては、ますます始動入賞が困難になって余りに酷になり、客離れに繋がる可能性が高い。
このような理由による客離れを可能な限り避けるために、低い技量の遊技者の比率も比較的多いと考えられる、客層のばらつきが大きい場合は、補正の影響を緩和することによって、低い技量の遊技者に酷になり過ぎないように配慮するためである。
なお、ばらつきの適切な閾値を設けて、分散Vが閾値以上であった場合にはばらつき大とし、分散Vが閾値未満であった場合にはばらつき小とする。なお、ばらつきの評価を大及び小の2区分に分けて評価しているが、3以上の区分に分けて評価してもよく、適宜定めた関係式を用いて連続的に評価してもよい。
次に当該遊技場11aに対して指示の内容である最終的な補正値である調整指示補正を算出する(S160)。この後、本部1に設けられた外部遊技場管理装置2から遊技場11aに設けられた内部遊技場管理装置3に対して、この調整指示補正を反映した調整指示が送信される。
なお、この調整指示は、標準機種以外の機種に対しても適用可能である。その際に、他の機種に対しても同一の調整指示を出してもよく、係数等を定めて、機種ごとに更に異なる補正をして調整指示を出してもよい。
図8は、本発明の第1の実施の形態における遊技場Aに設けられている遊技機6aの始動入賞の発生確率の分布とスタートの発生確率の分布の説明図である。
図8の縦軸は、遊技機6aの始動入賞数又はスタート数の発生確率の分布を示し、横軸は、遊技機6aで発生した始動入賞数又はスタート数の回数(発生頻度)を示す。
また、破線は、遊技機6a始動入賞数の分布を示し、実線は遊技機6aのスタート数の分布を示す。このとき、2つの分布が一致するときが完璧な技量を発揮した場合に相当し、遊技者の技量が低くなるほどに2つの分布は乖離していく。なお、始動入賞とスタート(変動表示ゲームの実行)の発生頻度はポアソン分布に従うとみなすことができる。なお、条件次第では正規分布を用いることもできる。
図9は、本発明の第1の実施の形態における遊技場A及び遊技場Bの客層技量の対比の説明図である。
本発明においては、図8に示した始動入賞数の分布(図の破線)とスタート数の分布(図の実線)の乖離程度によって遊技者の技量の高低を評価する。
前述したように、始動入賞は、始動入賞率を同一に設定した場合、遊技者個人の技量に関係なく発生頻度は同一である。その一方、スタート数(変動表示ゲームの実行回数)は、始動入賞記憶の消化状況、始動入賞記憶のオーバーフローの発生によって変化し、必ずしも発生頻度は同一とは限らない。
例えば、技量の高い遊技者の場合、始動入賞記憶のオーバーフローを防ぐいわゆる止め打ちや、始動入賞記憶が長時間減少しない変動表示ゲームのリーチ中に遊技球を発射しないなどによって、無駄球を減らすことを狙うと考えられる。従って、技量の高い遊技者が遊技を行った場合、スタート数が始動入賞数に近づくことになる。このことから、始動入賞数の分布と、スタート数の分布との乖離度によって、技量を評価することが可能となる。
始動入賞数の分布とスタート数の分布の乖離度は、例えば、それぞれの分布の平均値の差異で評価する。この差異が大きければ乖離度は大きくなり、この差異が小さければ乖離度は小さくなる。一般には、二つの分布の極大値の横軸上の位置(なお、二つの分布が正規分布に従えば、各分布のそれぞれの平均値が分布の頂点となる)を代表値とすることができる。
図9の上側に示された遊技場Aと、図9の下側に示された遊技場Bを対比して具体的に説明する。
遊技場A及び遊技場Bの客層技量の評価には、両遊技場に設置されている共通の機種である遊技機6aを標準機械として使用する。また、遊技場Aの客層20a及び遊技場Bの客層20bは、それぞれ全く異なる。例えば、遊技場Aは乗降客の多い駅前に立地し、客層20aは学生やサラリーマンなどが大多数を占める。一方、遊技場Bは地方都市の商店街に立地し、客層20bは近所に住むお年寄りが大多数を占める。
従って、遊技場A及び遊技場Bの客層技量を比較すると、客層20bの技量は客層20aの技量に劣り、始動入賞数の分布(破線)とスタート数の分布(実線)の乖離度が、遊技場Aに比較して遊技場Bが大きい。このことから、遊技場Aと遊技場Bとでは同じように調整をしても、結果が異なることがわかる。
図10は、本発明の第1の実施の形態における遊技場Cに設けられている遊技機6aの始動入賞の発生確率の分布とスタートの発生確率の分布の説明図である。
図10の縦軸は、図8と同様に、遊技機6aの始動入賞数又はスタート数の発生確率の分布を示し、横軸は、遊技機6aで発生した始動入賞数又はスタート数の回数(発生頻度)を示す。
また、破線は、遊技機6aの始動入賞数の分布を示し、実線は遊技機6aのスタート数の分布を示す。
図10は、図8と比較して、スタート数の分布のグラフ(実線)の広がりが大きい。これは、遊技場Cの客層技量の分散が、遊技場Aの客層技量の分散に比較して大きいことを示している。ここで、2つの分布の形状が近似している場合は、客層技量の多様度が近いものと考えられる。また、客層技量が特定の層に集中するほどに、分布の形状は局所的に集中した形状となる一方、客層技量が多様になるほどに、その分布の形状は扁平な形状に変化していく。
図11は、本発明の第1の実施の形態における遊技場A及び遊技場Cの各遊技場の客層と客層技量の関係の説明図である。
本発明においては、始動入賞数の分布(破線)とスタート数の分布(実線)のばらつき(分散)によって客層の技量のばらつきの大小を評価する。
前述したように始動入賞は、始動入賞率を同一に設定した場合、遊技者個人の技量に関係なく発生頻度は同一である。従って、そのばらつき(分散)も同一となる。その一方、スタート(変動表示ゲームの実行)は、前述したように遊技者の技量によって変化することから、必ずしも発生頻度及びばらつきが同一とは限らない。
例えば、客層技量が比較的均質の遊技場の場合、遊技者の技量を反映するスタート数のばらつきは小さくなる。その一方、客層技量が比較的幅広い遊技場の場合、さまざまな技量の遊技者が遊技を行うことからスタート数のばらつきが大きくなる。このことから、始動入賞数の分布のばらつきと、スタート数の分布のばらつきとを比較することによって、客層技量のばらつきを評価することが可能となる。
図11の上側に示された遊技場Aと、図11の下側に示された遊技場Cを対比して具体的に説明する。
遊技場A及び遊技場Cの客層技量の評価には、両遊技場に設置されている共通の機種である遊技機6aを標準機械として使用する。また、遊技場Aの客層20a及び遊技場Cの客層20cを比較すると、客層20aは均質であるが、客層20cは高い技量の遊技者と低い技量の遊技者が混在している。さらに、遊技場A及び遊技場Cの客層技量を比較すると、スタート数の分布(実線)のばらつきが、遊技場Aに比較して遊技場Cが大きい。このことから、遊技場Cの客層技量のばらつきは遊技場Aのばらつきに比較して大きいことになる。
図12は、本部1が目標とするスタート率(S%)、換言すれば、前述した、本部1が目標とするアウト数100個毎のスタート数、に基づいて、本部1が各遊技場に設定すべき始動入賞率の各遊技店における補正の手順を表す説明図である。
本部1(図12上部)に設置された遊技場外部管理装置2には、各遊技場の目標値として定めるスタート率(稼動単位スタート数、すなわちアウト数100個毎のスタート数)を入力する入力装置(図示省略)を設けられている。本部係員は、この入力装置によって目標値の入力を行う。遊技場外部管理装置2は、各遊技場における始動入賞率の平均値とスタート率の平均値との乖離度(第1の評価値)を算出し、この始動入賞率の平均値とスタート率の平均値との乖離度及び入力された目標値から、暫定補正値を算出する。次に、遊技場外部管理装置2は、始動入賞率の分散とスタート率の分散との乖離度(第2の評価値)に基づいて暫定補正値に対して係数で重み付けをする。そして、遊技場外部管理装置2は、結果として求めた値を補正値として出力する。
例えば、本部1が新たに設定した目標値であるスタート率(S%)は6.0であり、スタート率(S%)6.0の営業結果を導出する始動入賞率は経験的に6.3である。これは、前日までに集計した遊技情報に当てはめて算出することができる。一般に、始動入賞率に比較して、オーバーフロー分だけスタート率は低くなる。
遊技場A(図中左)を例にとれば、現在設定されている始動入賞率は6.5であり、この設定値に基づく遊技場Aの営業結果のスタート率(S%)は6.3である。遊技場Aの営業結果のスタート率は、遊技場A内に設けられた標準機械のアウト区分スタート数平均を、百分率に換算することによって、本部1が設定する始動入賞率及び目標値であるスタート率と単位を揃えたものである。
ここで、現在設定されている始動入賞率と営業結果のスタート率との乖離度は0.2(=6.5−6.3)であり、遊技場Bの乖離度0.7(=6.5−5.8)及び遊技場Cの乖離度0.4(=6.5−6.1)に比較して小さいため、遊技場Aの客層技量は高いと考えられる。
また、遊技場Aの営業結果のスタート率は6.3であるところ、本部1が新たに定めたスタート率の目標値は6.0であるため、暫定的な補正値を−0.3(=6.0−6.3)とする。同様に、遊技場Bの暫定補正値は+0.2(=6.0−5.8)、遊技場Cの暫定補正値は−0.1(=6.0−6.1)となる。
次に、各々の遊技場における客層技量のばらつきを考慮することなく、単純に機械的な補正を行うと技量の低い遊技者層が離反してしまう。そこで、暫定的な補正値に対して計数で重み付けをして適正な補正計数を得る。
例えば、遊技場Aの客層20aは均質であるため、技量のばらつきは小さい(アウト区分始動入賞数の分散とアウト区分スタート数の分散との乖離度は小さい)。従って、補正を比較的大きくしても客層全体に均質に補正の効果が作用する。従って、補正係数αは1として始動入賞率を補正する。一方、遊技場Cの客層20aは多様であるため、技量のばらつきは大きい(アウト区分始動入賞数の分散とアウト区分スタート数の分散との乖離度は大きい)。従って、補正を大きくしたときに技量の高い遊技者層には適切な調整値を得ることができても、技量の低い遊技者層にとっては酷な調整値となる。そこで、調整値の効果を希釈するため補正係数αを0.5として始動入賞率を補正する。
その結果、遊技場Aの始動入賞率は、−0.3(=−0.3×1)となる。遊技場B(+0.2(=+0.2×1))及び遊技場C(−0.05(=−0.1×0.5))についても同様に算出される。
なお、調整値の効果を希釈する補正係数の導入により、遊技者の技量のばらつきが大きい遊技場では営業目標より甘い調整となる。このことについては、特賞期間中の出玉(獲得遊技価値量)を抑制することで対応できる。特賞期間中の出玉のばらつきは、遊技者の技量から受ける影響が少なく、幅広い遊技者層にとって平等に作用する。
このように、本部1に設けられた遊技場外部管理装置2が備える入力装置は、遊技場の目標値として定めた稼動単位スタート数(稼動単位宛スタート数)を入力する稼動単位宛スタート数入力手段として機能する。
また、遊技場外部管理装置2は、稼動単位宛始動入賞数の代表値と稼動単位宛スタート数の代表値との乖離程度を評価して第1の評価値を生成し、稼動単位宛始動入賞数の分散と稼動単位宛スタート数の分散との乖離程度を評価して第2の評価値を生成する評価値生成手段、及び第1の評価値により稼動単位宛スタート数の補正量を算出し、第2の評価値により補正量の大きさを加減する補正稼動単位宛始動入賞数出力手段を有する遊技場外部管理装置として機能する。
従って、本実施の形態によれば、大型チェーン店などで、本部が遊技場に対して設定又は調整を指示する場合に、個々の遊技場で客層が異なることを考慮した調整指示を可能にすることができる。
図13は、本発明の第1の実施の形態における始動入賞数及びスタート数等のデータが収集される様子を示す説明図である。
図13の中央のブロック図は、図1のブロック図の一部を、遊技場内部管理装置3及び情報収集端末装置5を中心に抜き出したものである。図13の下部左側及び下部右側の表は、遊技場に設けられた各遊技用装置6の始動入賞数及びスタート数等のデータを、各遊技用装置6に対応して設けられた情報収集端末装置5が収集したものである。図13の上部の表は、この情報収集端末装置5が収集したデータを遊技場内部管理装置3が集計したものである。図13の右部のグラフは、図13の上部の表のスタートの発生確率の分布である。
図13の上部の表及び下部の左右に並んだ二つの表のように、遊技場内部管理装置3のHDDには、DATA_INDEX、始動入賞数、スタート数及び会員IDが関連付けて記録される。従って、DATA_INDEXにより遊技機毎に表を再構成可能になっている。また、会員IDにより会員毎に表を再構成可能になっている。
なお、表には図示していないが、集計時にタイムスタンプが付されて、日時をもって表を再構成することも可能になっている。
「DATA_INDEX」は、各遊技機6aの台番号(左側の数値)及びアウト区分で何番目に該当するか(右側の数値)を示している。例えば、図13の下部左側の表の第1行目の1列目の「D(001,001)」は、「1番台の最初のアウト区分」のデータであることを示している。なお、アウト区分はここではアウト球1000個で区切ったものである。
「始動入賞数」には、「DATA_INDEX」の区分におけるアウト球1000個当たりの始動入賞数が記録される。
「スタート数」には、「DATA_INDEX」の区分におけるアウト球1000個当たりのスタート数が記録される。
「会員ID」には、会員である遊技者の個人を特定するための情報として会員カードに記録された会員IDが記録される。遊技者が会員端末8に会員カードを挿入すると、当該会員カードから会員IDが読み取られる。そして、当該会員IDが記録される。表に記録される会員IDは、集計単位の節目で遊技していた会員IDを記録する。集計単位に満たない端数のデータの取り扱いを避けて、会員毎の集計を簡易に行うためである。あるいは集計単位の中で最も遊技量の多かった会員を記録するようにしてもよいが、集計単位の中で1の会員を代表として選定して記録することが便利である。
図13の右部のグラフは、図13の上部の表のスタート数に基づいて算出されたスタートの発生確率の分布を表したものである。このスタートの発生確率の分布によって、遊技場11aの客層技量の高低とばらつきが評価される。
なお、本実施の形態においては、稼動単位宛始動入賞数の代表値と稼動単位宛スタート数の代表値との乖離程度を評価して第1の評価値を生成し、稼動単位宛始動入賞数の分散と稼動単位宛スタート数の分散との乖離程度を評価して第2の評価値を生成しているが、これに限らず、稼動単位宛始動入賞数の代表値と稼動単位宛スタート数の代表値との乖離程度のみ、又は稼動単位宛始動入賞数の分散と稼動単位宛スタート数の分散との乖離程度のみから評価値を生成してもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例であり、情報収集端末装置5において始動入賞数及びスタート数等のデータを収集する点で、前述した第2の実施の形態と異なる。
図14は、本発明の第2の実施の形態における始動入賞数及びスタート数等のデータが収集される様子の説明図である。図15(A)は、本発明の第2の実施の形態における始動入賞数及びスタート数等のデータを遊技用装置毎に集計し、スタート数の発生確率の分布をグラフにする様子の説明図である。図15(B)は、本発明の第2の実施の形態における始動入賞数及びスタート数等のデータを遊技者毎に集計し、スタート数の発生確率の分布をグラフにする様子の説明図である。
図14の左側のブロック図は、図1のブロック図の一部を、遊技場内部管理装置3及び情報収集端末装置5を中心に抜き出したものである。図14の右側の上の表は、遊技用装置6a毎に始動入賞数代表値、始動入賞数分散、スタート数代表値及びスタート数分散を算出したものである。図14の右側の下の表は、同様に、会員IDに基づいて遊技者毎に始動入賞数代表値、始動入賞数分散、スタート数代表値及びスタート数分散を算出したものである。
ここで、始動入賞数代表値は、各遊技機6aにおけるアウト球1000球毎の始動入賞数の平均値である。始動入賞数分散は、各遊技機6aにおけるアウト球1000球毎の始動入賞数の分散である。スタート数代表値は、各遊技機6aにおけるアウト球1000球毎のスタート数の平均値である。スタート数分散は、各遊技機6aにおけるアウト球1000球毎のスタート数の分散である。なお、始動入賞数の代表値及びスタート数の代表値としてそれぞれ平均値を用いたが、代表値はこれに限らず、中央値(メディアン)やモード(最頻値)を用いてもよい。
図15(A)の表及びグラフは、情報収集端末装置5が収集し、集計したデータである。情報収集端末装置5は、当該情報収集端末装置5に接続された遊技用装置から、アウト球1000球毎の始動入賞数、アウト球1000球毎のスタート数及び当該アウト球1000球の区間で遊技していたとみなされる遊技者の会員IDを集計し、記録する。次に、これを1つの標本として複数集計する。次に、集計した複数の標本について統計データ(当該遊技機6aに対応する始動入賞数代表値μi、始動入賞数分散vi、スタート数代表値μs、スタート数分散vs)を算出し標本数とともに記憶する。標本数を統計データとともに記憶する理由は、複数の標本から統合した統計データを算出する場合にしようするためである。これら統計データは、所定のタイミング(例えば、遊技場内部管理装置3からの要求、又は予め設定されたスケジュール)で遊技場内部管理装置3に送信される。
そして、図14の左側の上の表のように、遊技場内部管理装置3のHDD304には、各情報収集端末装置5から送信された遊技用装置毎に集計された遊技機6aの統計データが記録される。これにより、遊技機毎の遊技者の技量や客層を把握することができ、遊技場A内の遊技機の配置や、遊技機の機種に基づく遊技者の技量、客層を把握することを容易にする。また、遊技場内部管理装置3にかかる負担を軽減でき、遊技場内部管理装置3の本来の処理に支障を来たすことなく容易に当該統計データを収集することができる。
また、図15(B)の表及びグラフは、情報収集端末装置5が収集し、集計したデータである。情報収集端末装置5は、会員端末8を介して当該遊技機6aで遊技中の遊技者の会員IDを特定し、会員ID毎に、当該情報収集端末装置5に接続された遊技用装置6から、アウト球1000球毎の始動入賞数及びアウト球1000球毎のスタート数を集計し、記録する。次に、これを1つの標本として複数集計する。次に、集計した複数の標本について統計データ(会員ID001に対応する始動入賞数代表値μ001i、始動入賞数分散v001i、スタート数代表値μ001s、スタート数分散v001s)を算出し標本数とともに記憶する。これら統計データは、所定のタイミング(例えば、遊技場内部管理装置3からの要求、又は予め設定されたスケジュール)で遊技場内部管理装置3に送信される。
会員IDに基づいて会員毎に集計する場合には、情報収集端末装置5は対応する会員を特定可能にした標本を遊技場内部管理装置3、又は顧客管理装置9に送信し、該上位装置にて統計処理を行うようにしてもよい。また、遊技機毎に集計する場合に比較して会員毎に集計する場合の会員毎の遊技量は少ないため、集計単位を大きくすると標本数が少なくなってしまうので、遊技機毎に集計する場合と比較して集計単位を小さくするとよい。
このように、会員毎に統計データを算出することによって、顧客の技量について客層を個々の会員毎に基づいて評価し、的確に把握することができる。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。