以下、本発明の実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態の説明において記す前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技機に向かって見た方向を指すものとする。
図1は、本発明の実施形態の遊技システムのシステム構成図である。
遊技場の内部には内部ネットワークが設けられており、当該内部ネットワークには遊技場管理装置(ホールコンピュータ)1及び情報収集端末装置(情報伝達装置)3が接続される。遊技場内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標)によって構成される。当該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
遊技場管理装置1は、情報収集端末装置3を介して遊技用装置4から遊技データを収集して、各遊技機5(図4参照)の動作状態を監視する。なお、遊技用装置4は、遊技機5及びカードユニット6(図4参照)のことである。また、遊技場管理装置1には、停電時、UPS(Uninterruptible Power Supply)10から電気が供給される。
情報収集端末装置3には、遊技用装置4及び呼出しランプ8が接続される。情報収集端末装置3は、遊技用装置4から遊技データを収集して、所定期間の遊技データの累積値(例えば、遊技機5から出力される特賞信号に基づいて算出される特賞回数の累積値や補助遊技の実行回数であるスタート信号に基づいて算出されるスタート回数の累積値等)を生成する。そして、当該累積値に基づいて遊技用装置4の稼動量を算出し、算出した稼動量を遊技場管理装置1に送信する。この情報収集端末装置3が生成する所定期間の遊技データの累積値は、通常は一営業単位毎に累積算出される。
ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前、午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、一週間)にわたるものとしてもよい。
なお、複数(例えば、二台)の遊技用装置4に対して一台の情報収集端末装置3を接続する構成でもよい。ただし、複数の遊技用装置4に対して一台の情報収集端末装置3を接続する構成の場合、カードユニット6は各遊技機5に一対一に対応して接続する構成とする。
また、情報収集端末装置3は、遊技用装置4から収集した遊技データに基づいて、遊技場管理装置1へ送信するデータを生成し、生成したデータを遊技場管理装置1へ送信する。
遊技用装置4は、島設備に複数台ずつ設置されており、遊技機5にカードユニット6が付加されて構成される。なお、遊技機5及びカードユニット6については、図4で詳細を説明する。
コーナーランプ7は、島設備毎に設けられており、島設備に設置された遊技用装置4等に異常が発生した場合に、ランプを点灯又は点滅し、当該島設備に異常が発生したことを遊技場の従業員に報知する。なお、コーナーランプ7の設置は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎でもよい。
呼出しランプ8は、情報収集端末装置3に接続されており、遊技用装置4等に異常が発生した場合に、ランプを点灯又は点滅し、当該遊技用装置4に異常が発生したことを遊技場の従業員に報知する。なお、情報収集端末装置3が呼出しランプ8に備わるランプを制御する。
ジェットカウンタ(JC)9は、遊技者が遊技の結果獲得した遊技媒体(遊技球やメダル等)を計数し、計数後の遊技媒体を遊技用装置4に供給できるように、図示しない貯留タンクに計数後の遊技媒体を貯留する。
図2は、本発明の実施の形態の遊技場管理装置1の構成を示すブロック図である。
遊技場管理装置1には、CPU101、プログラム等を予め格納したROM102、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM103、及び、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)104が設けられている。
RAM103は、各種データ(例えば、遊技機5の補助遊技の実行回数であるスタート回数、始動入賞数又はアウト数等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU101の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。また、ROM102にプログラムを記憶する代わりに、HDD104にプログラムを保存し、RAM103にプログラムをコピーしRAM103でプログラムを動作させることも可能である。
これらのCPU101、ROM102、RAM103及びHDD104はバス105によって接続されている。バス105は、CPU101がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
バス105には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート106及びI/Oポート107が接続されている。
ネットワーク通信ポート106は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続されている。
I/Oポート107には、出力装置109が接続される。出力装置109は、例えば、ディスプレイ及びスピーカ等である。ディスプレイは、情報収集端末装置3から収集したデータ(遊技用装置4によって遊技が実行された結果生じる始動入賞信号やスタート信号等)、及び遊技場管理装置1の稼動状態を表示する。スピーカは、遊技機5における特賞発生を報知する。
また、I/Oポート107には、遊技場管理装置1の操作のための入力装置(キーボード、マウス等)110が接続される。また、I/Oポート107には、停電時に遊技場管理装置1に電源を供給するUPS10が接続される。
このように、遊技場管理装置1は、情報収集端末装置3から始動入賞数及び変動表示ゲームのスタート数等の遊技データを集計する機能を備える。
図3は、本発明の実施形態の情報収集端末装置3の構成を示すブロック図である。
情報収集端末装置3は、マイクロプロセッサ300、図示しない電源回路及びデータ入出力用端子を備える。
マイクロプロセッサ300は、3個のCPU301〜303を内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)301、ネットワークCPU302及びアプリケーションCPU303の3つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU301〜303が接続されるアドレス及びデータのためのコモンバス304には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM305、EEPROM306及びROM307が接続される。
RAM305は、各種データを一時的に記憶する記憶領域及びアプリケーションCPU303の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。EEPROM306は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置3に接続される遊技機5の台番号、ネットワーク構成、アドレスの指定情報及び識別コード等の情報収集端末装置3に設定される情報等を記憶している。ROM307には、遊技データ及び遊技者情報の収集に用いられるプログラムが記憶される。
また、コモンバス304には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート308、I/Oポート309及び通信ポート310が接続される。
ネットワーク通信ポート308は第1出力手段として機能し、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートである。ネットワーク通信ポート308は、ドライバを介してネットワーク接続端子に接続されており、当該ネットワーク接続端子はネットワークケーブルを介して遊技場管理装置1が接続され、さらに、内部ネットワークを通じて遊技場管理装置1と信号(管理用特賞信号、データ信号及び指令信号)を送受信する。
I/Oポート309は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、ドライバを介して外部入出力端子に接続される。外部入出力端子には、遊技機5から出力される賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号、始動入賞信号及びガラス枠/前面枠開放信号(枠開放検出信号)、周辺装置11(例えば、ジェットカウンタ9等)から出力される補給信号又は回収信号等のデータ、並びにカードユニット6から出力される球貸信号等が入力される。なお、賞球信号、特賞信号、確変信号、スタート信号、始動入賞信号及び枠開放検出信号は、通信ポート310と、遊技機5の遊技用マイクロコンピュータ501とで直接通信することによって受信することもできる。
通信ポート310は、遊技機5に設けられた遊技用マイクロコンピュータ501の通信ポートとの間で、所定のプロトコルで通信を行う。通信ポート310は、遊技機5の遊技制御基板上に設けられたコネクタと接続される。
なお、情報収集端末装置3には、CPU301〜303のクロックやリセット等の制御信号を出力する制御回路311も内蔵される。
遊技用装置4から情報収集端末装置3に遊技データが入力されると、アプリケーションCPU303によって遊技データの累積値が算出される。そして、アプリケーションCPU303は、算出された遊技データの累積値に基づいて、遊技用装置4の稼動状態を判定する。遊技データの累積値は、RAM305に一定期間記憶されて管理される。なお、当該累積値を、情報収集端末装置3がネットワーク通信ポート308から出力して、遊技場管理装置1で管理してもよい。
図4は、本発明の実施形態の遊技用装置4の説明図である。
まず、遊技機5の構成について説明する。
遊技機5の前面枠19は本体枠(外枠)12に図示しないヒンジを介して開閉回動可能に組み付けられる。遊技盤50は前面枠19の表側に形成された収納部(図示省略)に収装される。また、前面枠19には、遊技盤50の前面を覆うカバーガラス(透明部材)を備えたガラス枠18が取り付けられている。
遊技盤50について説明する。
遊技盤50の表面には、ガイドレール55で囲われた略円形状の遊技領域51が形成される。
遊技領域51には、ほぼ中央に表示装置58が設けられるセンターケース40が設置される。表示装置58はセンターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置58の表示領域の周囲を囲い、表示装置58の表示領域から突出して設けられている。
表示装置58は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面が構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。表示画面の変動表示領域には、識別情報として割り当てられた三つの特別図柄が変動表示(可変表示)して特図変動表示ゲーム(補助遊技)が行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当たり表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
センターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート31が設けられる。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口32が備えられ、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口32が備えられている。
センターケース40の下側には、開閉可能な普通変動入賞装置33を備える始動入賞口34が設けられる。
また、センターケース40に設けられた始動入賞口34の下方には、表示装置58の作動結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れやすい状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)36が設けられる。
遊技機5では、図示しない発射装置から遊技領域51に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域51内の各所に設置された釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域51を流下し、一般入賞口32、始動入賞口34、又は特別変動入賞装置36に入賞するか、遊技領域51の最下部に設けられたアウト口39に入り、遊技機裏面側に排出される。なお、遊技球が入賞又はアウト口39に入る前に、普通図柄始動ゲート31を通過する場合がある。
なお、始動入賞口34の状態には、普通変動入賞装置33の開閉によって、遊技球が入賞しやすい状態と遊技球が入賞しにくい状態とがある。
通常、普通変動入賞装置33は閉状態であり、始動入賞口34は、遊技球が入賞しにくい状態である。普通図柄始動ゲート31を遊技球が通過することによって、普図変動表示ゲームが実行され、普図変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、普通変動入賞装置33が開状態に変換され、始動入賞口34は遊技球が入賞しやすい状態となる。
一般入賞口32への遊技球の入賞は、一般入賞口センサ32a〜32n(図5参照)によって検出される。
始動入賞口34への遊技球の入賞は、始動入賞口センサ34A(図5参照)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置500(図5参照)内の特図記憶領域に特別図柄入賞記憶(始動記憶)として所定数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、特図表示器120(図5参照)に表示される。遊技制御装置500は、始動記憶に基づいて、表示装置58にて特図変動表示ゲーム(補助遊技)を行う。
始動入賞口34に遊技球の入賞があると、表示装置58では、前述した数字等で構成される識別情報(特別図柄)が左(第一識別情報)、右(第二識別情報)、中(第三識別情報)の順に変動表示を開始して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、表示装置58では、始動記憶の記憶数に対応する特図変動表示ゲームが行われ、興趣向上のために多様な表示を演出する。
始動入賞口34への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当たり乱数値が当たり値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当たり状態となる。具体的には、特図結果表示部では、当たり図柄である一桁の特別図柄で停止して、表示装置58は、三つの特別図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置36は、大入賞口ソレノイド91(図5参照)への通電によって、所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置36が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
特別変動入賞装置36への遊技球の入賞は、カウントセンサ36A(図5参照)によって検出される。
普通図柄始動ゲート31への遊技球の通過は、普通図柄始動ゲートセンサ31A(図5参照)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置500内の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、普通図柄入賞記憶の記憶された個数は普図表示器121(図5参照)に表示される。
普図入賞記憶があると、遊技制御装置500は、普図入賞記憶に基づいて図示しない普図結果表示部で普図変動表示ゲームを開始する。すなわち、普通図柄始動ゲート31への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の普図乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には、普図表示器121に表示される普通図柄が当たり状態で停止し、当たり状態となる。このとき、普通変動入賞装置33は、普電SOL(ソレノイド)90(図5参照)への通電により、始動入賞口34への入口が所定の時間だけ開放するように変換され、始動入賞口34は、遊技球が入賞しやすい状態となる。なお、普通変動入賞装置33の開放時間は、例えば、確率変動状態及び変動時間短縮状態では2.9秒間、通常遊技状態では0.5秒間として、遊技状態に応じて開放態様が変化するとよい。
このようにして、一般入賞口32、始動入賞口34、又は特別変動入賞装置36に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた賞球数の遊技球が賞球として払い出される。
ガラス枠18のカバーガラスの周囲には、装飾光が発光される装飾部材16が備えられている。この装飾部材16の内部にはランプやLED等からなるLED基板557(図5参照)が備えられている。この装飾装置を所定の発光態様によって発光することによって、装飾部材16が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方には照明ユニット37が備えられている。照明ユニット37の内部には、装飾装置が備えられている。
照明ユニット37の右側には、遊技機5のエラー発生やガラス枠18又は前面枠19の開放をホール店員に通知するためのエラー報知LED29が備えられている。
前面枠19の下部の開閉パネル20には図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21が、固定パネル22には灰皿15、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられている。下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構42が備えられる。前面枠19下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を発射する。
また、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるためのセレクトボタン44及び演出ボタン41が備えられている。
遊技者がセレクトボタン44を操作することによって、表示装置58における特図変動表示ゲームの演出内容を選択することができる。また、遊技者が演出ボタン41を操作することによって、表示装置58における特図変動表示ゲームに、遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技媒体を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、カードユニット6からプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。これらのボタン26、27の間には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
次に、カードユニット6について説明する。
カードユニット6は、カード挿入口61、表示装置62、紙幣挿入口63を備える。
カード挿入口61は、カードユニット6の下部に設けられる。カード挿入口61には、プリペイドカード又は会員カード等のカードが挿入される。
表示装置62は、カードユニット6の中央付近に設けられる。表示装置62は、表示部621及び操作ボタン622を備える。
紙幣挿入口63は、カードユニット6の上方に設けられる。紙幣挿入口63には、紙幣が挿入される。
表示部621は、カード情報表示画面、大当たり情報表示画面、残高情報表示画面等を表示する。カード情報表示画面では、カード挿入口61に挿入されたプリペイドカード又は会員カードに記憶された情報(会員情報)が表示される。大当たり情報表示画面では、遊技機5において所定期間の間に実行された特図変動表示ゲームの回数及び特図変動表示ゲームの結果が大当たりである回数が表示される。
残高情報表示画面では、カード挿入口61に挿入されたプリペイドカード又は会員カードに記憶された有価価値及び紙幣挿入口63に挿入された紙幣の有価価値が表示される。
表示部621は、操作ボタン622が操作されることによって、カード情報表示画面と大当たり情報表示画面と残高情報表示画面とを切り換える。
紙幣挿入口63の上方には、動作表示部64が設けられる。動作表示部64は、カードユニット6の動作に対応して色を変化させる。例えば、カードユニット6が利用可能状態である場合には、動作表示部64は緑色に点灯し、カードユニット6のカード挿入口61にカードが挿入されている間、動作表示部64は赤色に点灯する。
次に、遊技用装置4から出力される信号について説明する。
まず、遊技機5から出力される各種信号について説明する。
遊技機5に設けられた盤用外部情報から情報収集端末装置3のI/Oポート309には、以下のような遊技に関わる信号(遊技データ)が入力される。
遊技機5は、始動入賞口34、一般入賞口32又は大入賞口36に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を、排出装置から上皿21に排出する。そして、所定数の賞球を排出する毎に「賞球信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技データとして出力する。
また、遊技機5は、特図変動表示ゲームの結果が特別遊技状態のときは、当該特別遊技状態中に「特賞信号」を遊技データとして出力する。
また、遊技機5は、当該特別遊技状態が確変図柄による特別遊技のときは、当該特別遊技状態中、及び、その後発生する特定遊技状態(確率変動状態・時短状態)中に、「確変・時短信号」を遊技データとして出力する。
また、遊技機5は、始動入賞口34への遊技球の入賞によって特図変動表示ゲームを開始すると、特図変動表示ゲームを開始する毎に「スタート信号/始動入賞信号」を遊技データとして出力する。
また、遊技機5は、ガラス枠開放スイッチ18Aによってガラス枠18が開放されたことが検出された場合、又は前面枠開放スイッチ19Aによって前面枠19が開放されたことが検出された場合、「ガラス枠/前面枠開放検出信号(枠開放検出信号)」を出力する。
また、遊技機5は、振動センサ92(図5参照)が所定値以上の振動を検出した場合、及び図5に示す磁気センサ93が所定値以上の磁力を検出した場合、特別遊技状態で無いにも関わらず特別変動入賞装置36に遊技球が入賞した場合、遊技機5に不正がされたことを検出して、「不正検出信号」を出力する。
また、遊技機5の盤用外部情報から出力される信号(遊技データ)には、特図変動表示ゲームが終了したときに出力される「図柄確定信号」等がある。これらの信号は、盤用外部情報から、電圧出力形式又は接点出力形式で出力される。
なお、遊技データを、遊技用マイクロコンピュータ501から情報収集端末装置3の通信ポート310に対して出力してもよい。この場合、所定のプロトコルを用いたデータ通信(例えば、暗号化通信)によって通信内容を秘匿でき、盤用外部情報から出力するよりも詳細な遊技データ(例えば、始動記憶数や抽出した乱数値など)を出力することができる。また、双方向通信によって接続相手のIDの認証を行い、不正な機器との接続を防止することができる。
次に、カードユニット6から出力される各種信号について説明する。
カードユニット6は、カード挿入口61に会員カードが挿入された場合、挿入されたカードに記憶された情報を読み取り、読み取られた情報である「カード情報」を出力する。
カードユニット6は、所定数(例えば、25個)の遊技球を貸し出す毎に「球貸信号」を遊技データとして出力する。なお、「球貸信号」は、遊技機5の盤用外部情報から出力してもよい。
これらの信号を受信した情報収集端末装置3は、受信した信号ごとにデータを加算し、累積値を集計する。なお、集計した累積値を収集データという。情報収集端末装置3は、収集データを遊技場管理装置1に送信する。情報収集端末装置3が収集データを送信するタイミングについては、図7で詳細に説明する。
また、遊技機5が設置される島設備には、遊技機5(カードユニット6から貸球が排出される場合は、遊技機5及びカードユニット6)に遊技球を補給する補給路と、遊技機5からアウト球を回収する回収路とを備えた補給回収機構が設けられている。
アウトタンク43は、遊技機5から回収されたアウト球(回収球)、つまり、遊技領域に発射されて、始動入賞口34、一般入賞口32及び大入賞口36のいずれにも入賞しない球を回収する。アウトタンク43は図示しないアウト球検出センサによってアウト球の数を計数し、計数結果である「回収信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を遊技データとして出力する。
このアウトタンク43のアウト球検出センサは情報収集端末装置3に接続されており、情報収集端末装置3が、アウトタンク43のアウト球検出センサから出力される遊技データを加算演算し、累積値を集計する。なお、アウトタンク43は、遊技機5に設けてもよい。また、情報収集端末装置3は、回収信号及び球貸信号を遊技機5から直接収集してもよい。
図5は、本発明の実施形態の遊技機5のブロック図である。
遊技機5は、遊技機5で行われる遊技を統括的に制御する遊技制御装置500、各種演出を行うために表示装置58及びスピーカ30を制御する演出制御装置550、遊技球を払い出すために図示しない払出モータを制御する払出制御装置580を備える。
図5では、遊技制御装置500及び演出制御装置550について説明する。
まず、遊技制御装置500について説明する。
遊技制御装置500は、遊技用マイコン501、入力I/F(Interface)505、出力I/F(Interface)506及び外部通信端子507を備える。
遊技用マイコン501は、CPU502、ROM(Read Only Memory)503及びRAM(Random Access Memory)504を備える。
CPU502は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM503は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM504は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
外部通信端子507は、遊技制御装置500の設定情報等を検査する検査装置等の外部機器に遊技制御装置500を接続する。
CPU502は、入力I/F505を介して各種入力装置(始動入賞口センサ34A、一般入賞口センサa32a〜一般入賞口センサn32n、普通図柄始動ゲートセンサ31A、カウントセンサ36A、ガラス枠開放スイッチ18A、前面枠開放スイッチ19A、振動センサ92、及び磁気センサ93)からの検出信号を受けて、大当り抽選等、種々の処理を行う。
ガラス枠開放スイッチ18Aは、ガラス枠18が開放されたことを検出するスイッチである。前面枠開放スイッチ19Aは、前面枠19が開放されたことを検出するスイッチである。
振動センサ92は、遊技機5に与えられた振動を検出するセンサである。振動センサ92は、遊技機5に振動を与えて、不当に遊技球を獲得する不正を検出する。磁気センサ93は、始動入賞口34、一般入賞口32、大入賞口36、及び普通図柄始動ゲート31付近に設けられ、磁力を検出するセンサである。磁気センサ93は、各入賞口付近に磁石を近づけて、遊技領域51に発射された遊技球を各入賞口に導く不正を検出する。
また、CPU502は、出力I/F506を介して、普図表示器121、特図表示器120、普電SOL(ソレノイド)90、大入賞口SOL(ソレノイド)38、及び払出制御装置580に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
普図表示器121は、遊技球が普通図柄始動ゲート31に入賞した場合に行われる変動表示ゲームが表示される。特図表示器120には、遊技球が始動入賞口34に入賞した場合に行われる変動表示ゲームが表示される。
普電SOL90は、始動入賞口34に備わる普通変動入賞装置33を開放して、始動入賞口34への入口が所定の時間だけ開放させる。
大入賞口SOL38は、特別変動入賞装置36の大入賞口が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)にする。
また、遊技制御装置500は、遊技機データを、外部情報端子508を介して、情報収集端末装置3に出力する。
遊技制御装置500は、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として、出力I/F506を介して、演出制御装置550へ送信する。
次に、演出制御装置550について説明する。
演出制御装置550は、遊技制御装置500から入力される各種信号に基づいて、エラー報知LED29、スピーカ30及び表示装置58を制御する。
演出制御装置550は、CPU551、ROM552、RAM553、入力I/F554、通信I/F555、及び出力I/F556を備える。
CPU551は、遊技制御装置500からの指令に基づいて、各種演出を制御する主制御装置である。ROM552は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM553は、遊技制御時にワークエリアとして利用される。
入力I/F554には、演出ボタン41が接続されている。
演出制御装置550は、通信I/F555を介して遊技制御装置500に接続されている。
出力I/F556には、表示装置58、各種LED基板557及びスピーカ30は接続される。なお、各種LED基板557は、装飾部材16の内部に設けられ、装飾部材16を点灯させる。
次に、遊技制御装置500が、タイマ割り込みを受けた場合に実行されるタイマ割り込み処理について説明する。
図6は、本発明の実施形態のタイマ割り込み処理のフローチャートである。
遊技機5の電源が投入されると、起動される割り込みタイマによって、所定時間周期(例えば、1ミリ秒周期)でタイマ割り込みが発生する。遊技制御装置500は、タイマ割り込みが発生すると、タイマ割り込み処理を実行する。ただし、タイマ割り込み処理(ステップ601〜616の処理)は、タイマ割り込み発生毎に必ずしもすべて実行されなくともよい。
まず、遊技制御装置500は、CPU502のレジスタを退避させる(601)。
その後、遊技制御装置500は、入出力処理を実行する(603)。入出力処理は、出力I/F506を介して、演出制御装置550及び払出制御装置580に遊技制御に関する情報を出力し、情報収集端末装置3に各種信号を出力する出力処理、及び入力I/F505を介して入力される各種センサやスイッチ等からの信号にチャタリング除去等の処理をし、入力情報を確定する入力処理である。
次に、遊技制御装置500は、各種コマンドを演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するコマンド送信処理を行う(603)。
具体的には、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動時間を指定する変動パターンコマンド及び停電が発生した場合に演出制御装置550に停電処理を実行させる停電コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信する。
次に、遊技制御装置500は、大当たり乱数及び当たり乱数にランダム性を付与するために大当たり乱数のカウンタ及び当たり乱数カウンタの値を1ずつ加算する乱数更新処理1を行う(604)。
なお、この乱数更新処理1では、停止図柄を決定する大当たり図柄乱数カウンタの値にも1ずつ加算する。
次に、遊技制御装置500は、大当たり乱数及び当たり乱数等の初期値を更新する処理である初期値乱数更新処理を実行する(605)。
そして、特図変動表示ゲームを進行させる際の演出又は装飾(変動パターンや停止図柄等)にランダム性を付与するための変動パターン乱数カウンタの値を一ずつ増す乱数更新処理2を行う(606)。
次に、遊技制御装置500は、遊技機5に不正が行われていないかを監視するエラー監視処理を実行する(607)。
この場合、不正とは、特別遊技状態でない(つまり、特別変動入賞装置36が閉じている)にも関わらず、大入賞口に遊技球が入賞する大入賞口不正、遊技者が遊技機5を振動させる振動不正、一般入賞口32及び始動入賞口34等に遊技球を入賞させるために、遊技者が遊技機5に磁石を近づけて遊技球の進路を変える磁石不正等がある。
遊技制御装置500は、特別遊技状態でない場合にカウントセンサ36Aからの検出信号が入力されていないかを監視することによって、大入賞口不正を監視する。また、遊技制御装置500は、振動センサ92からの検出信号が入力されていないかを監視することによって、振動不正を監視する。また、遊技制御装置500は、磁気センサ93からの検出信号が入力されていないかを監視することによって、磁石不正を監視する。
次に、遊技制御装置500は、一般入賞口センサ32a〜32nからの検出信号が入力されていないかを監視する一般入賞口センサ監視処理を実行する(608)。
次に、遊技制御装置500は、始動入賞口センサ34Aからの検出信号が入力されていないかを監視する始動入賞口センサ監視処理を実行する(609)。始動入賞口センサ34Aによる遊技球の検出があれば、特図乱数カウンタ値(特図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が特図記憶領域に記憶される。
その後、特図変動表示ゲームの進行を制御する特図ゲーム処理(610)、普図ゲーム処理(611)を行う。
特図ゲーム処理(610)は、始動入賞口センサ34Aで検出された始動入賞口34への遊技球の入賞に基づいて抽出され、特別図柄始動記憶に記憶された特別図柄乱数カウンタ値(ステップ612の処理で抽出・記憶した特図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が当たりか否か判定し、特図表示器120で特図変動表示ゲームを実行する。また、特図表示器120の表示に対応する識別情報(装飾図柄)の変動表示のための処理を、表示装置58に対して行う。特図乱数カウンタ値が所定の値であれば、特別図柄に関する当たり状態となり、識別情報の変動表示が当たり図柄で停止する。また、当たり状態になると、特別変動入賞装置36に遊技球を受け入れやすい開状態になる。
普図ゲーム処理(611)は、普通図柄始動ゲートセンサ31Aで検出された普通図柄始動ゲート31への遊技球の通過に基づいて抽出され、普通図柄始動記憶に記憶された普通図柄乱数カウンタ値(普通図柄始動ゲートセンサ31から検出信号が入力された場合に抽出・記憶された普図変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が当たりか否かを判定し、普図表示器121で普通図柄の変動表示ゲームを実行する。普図乱数カウンタ値が所定の値であれば、普図に関する当たり状態となり、普通図柄の変動表示が当たり状態で停止するためのパラメータを設定する。
その後、特図表示器120及び普図表示器121のLEDに出力するためのパラメータを編集する処理を行う(612)。
具体的には、特図ゲーム処理では、特図変動表示ゲームが実行されると、今回実行した特図変動表示ゲームの実行回数を減じた特別図柄入賞記憶数を、遊技制御装置500から特図表示器120のLEDに出力するためのパラメータを編集する。
同様に、普図ゲーム処理では、普図表示器121で普通図柄の変動表示ゲームが実行されると、今回実行した普図変動表示ゲームの実行回数を減じた普通図柄入賞記憶数を、遊技制御装置500から普図表示器121のLEDに出力するためのパラメータを編集する。
次に、遊技制御装置500は、図4で説明した情報収集端末装置3に出力する各種信号を出力するための外部情報編集処理を実行する(613)。
そして、遊技制御装置500は、タイマ割り込み処理の終了を宣言する(614)。
その後、一時退避していたレジスタの復帰処理(615)及び禁止設定されていた外部機器の割り込み及びタイマ割り込みの許可設定をする処理を行う(616)。そして、タイマ割り込み処理を終了し、メイン処理に戻る。
次に、遊技システムにおけるデータ通信のシーケンスを図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施形態の遊技システムにおけるデータ通信のシーケンス図である。
通常、情報収集端末装置3は、遊技場管理装置1からのポーリングによって収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する。
具体的には、遊技場管理装置1は、所定時間間隔でデータ要求を情報収集端末装置3に送信する(701)。
情報収集端末装置3は、データ要求を受信すると、情報収集端末装置3が収集した収集データ及び遊技機5のステータスデータ(遊技機5の状態が、通常遊技状態、特別遊技状態、時短状態、確変状態、不正状態のいずれの状態であるかを示す情報)を遊技場管理装置1に送信する(702)。
なお、情報収集端末装置3に特賞信号、確変・時短信号、枠開放検出信号、及び不正検出信号が遊技用装置4から入力された場合、情報収集端末装置3は、ポーリングによらずに、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する。
例えば、遊技機5が不正を検出した場合、遊技機5は、不正検出信号を情報収集端末装置3に出力する(703)。情報収集端末装置3は、不正検出信号が入力された場合、収集データ及びステータスデータ(不正状態)を遊技場管理装置1に送信する(704)。
遊技店の店員は、検出された不正を解消するためにガラス枠18又は前面枠19を開放する。ガラス枠18又は前面枠19が開放された場合、遊技機5は、枠開放検出信号を情報収集端末装置3に送信する(705)。なお、遊技機5は、開放されたガラス枠18又は前面枠19が閉鎖されるまで、枠開放検出信号を出力している。情報収集端末装置3は、枠開放検出信号が入力された場合、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する(706)。ステップ706の処理で送信されるステータスデータは、ステータスデータ送信時の遊技機5の状態(不正が検出されているので、不正状態)を示す。
次に、開放されていたガラス枠18又は前面枠19が閉鎖された場合、遊技機5は、枠開放検出信号の出力を停止する(707)。情報収集端末装置3は、枠開放検出信号の出力が停止された場合、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する(708)。この場合、情報収集端末装置3は、遊技店の店員によって検出された不正が解消されたと判定し、ステータスデータは、不正状態を示さず、ステータスデータ送信時の遊技機5の状態を示す。
検出された不正が解消してから、所定時間経過後、遊技場管理装置1は、データ要求を情報収集端末装置3に送信する(708)。情報収集端末装置3は、データ要求を受信すると、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する(709)。
遊技機5で特別遊技状態が発生すると、遊技機5は、特賞信号を情報収集端末装置3に出力する(710)。情報収集端末装置3は、特賞信号が入力された場合、収集データ及びステータスデータ(特別遊技状態)を遊技場管理装置1に送信する。
次に、情報収集端末装置3によって実行される不正状態処理について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態の不正状態処理のフローチャートである。
情報収集端末装置3は、不正状態処理を所定時間間隔で繰り返し実行する。
まず、情報収集端末装置3は、遊技機5で不正が検出されたことを示す不正フラグが設定されているか否かを判定する(801)。
ステップ801の処理で、不正フラグが設定されていると判定された場合、情報収集端末装置3は、ステップ806の処理に進む。
一方、ステップ801の処理で、不正フラグが設定されていないと判定された場合、情報収集端末装置3は、遊技機5で不正が検出されたか否かを判定する(802)。具体的には、情報収集端末装置3は、不正検出信号が遊技機5から入力されているか否かを判定する。
ステップ802の処理で、遊技機5で不正が検出されていないと判定された場合、不正を報知する必要がないので、不正状態処理を終了する。
一方、ステップ802の処理で、遊技機5で不正が検出されたと判定された場合、情報収集端末装置3は、不正フラグを設定する(803)。そして、情報収集端末装置3は、所定時間の間、ガラス枠18又は前面枠19が開放されたことによって不正が解消したと判定しないようにするために、判定タイマを設定する(804)。つまり、不正をした遊技者は、さらに不正をするためにガラス枠18又は前面枠19を開放する可能性があり、また、遊技店の店員が不正を検出した遊技機5に到着するまでに時間がかかるので、所定時間の間、ガラス枠18又は前面枠19が開放されても、遊技店の店員によって不正が解消されたと判定しないようにしている。
次に、情報収集端末装置3は、不正があったことを報知するために、不正報知コマンドを設定する(805)。不正報知コマンドは、不正が検出された遊技機5が設置された島のコーナーランプ7及び情報収集端末装置に接続された呼出しランプ8を点灯させて不正報知を行わせるためのコマンドである。
次に、情報収集端末装置3は、判定タイマの所定時間経過してガラス枠18又は前面枠19が開放されたことによって、枠開放検出信号を有効なものとして受け付けることを示す受付開始フラグが設定されているか否かを判定する(806)。
ステップ806の処理で、受付開始フラグが設定されていると判定された場合、受付開始を報知しているので、ステップ810の処理に進む。
ステップ806の処理で、受付開始フラグが設定されていないと判定された場合、情報収集端末装置3は、判定タイマの所定時間が経過したか否かを判定する(807)。具体的には、情報収集端末装置3は、判定タイマの値がゼロであるか否かを判定する。
ステップ807の処理で、判定タイマの所定時間が経過していないと判定された場合、今回実行された不正状態処理では、判定タイマの所定時間が経過していないので、不正状態処理を終了する。
ステップ807の処理で、判定タイマの所定時間が経過したと判定された場合、情報収集端末装置3は、受付開始フラグを設定する(808)。そして、情報収集端末装置3は、受付開始報知コマンドを設定する(809)。受付開始報知コマンドは、不正が検出された呼出しランプ8を不正報知とは異なる態様で点灯させるコマンドである。
次に、情報収集端末装置3は、遊技店の店員によってガラス枠18又は前面枠19が開放されて検出された不正が解消されたか否かを判定する処理を実行する。
まず、情報収集端末装置3は、判定タイマの所定時間経過後にガラス枠18又は前面枠19が開放されたことを示す枠開放フラグが設定されているか否かを判定する(810)。
ステップ810の処理で、枠開放フラグが設定されていないと判定された場合、情報収集端末装置3は、ガラス枠18又は前面枠19が開放されたか否かを判定する(811)。具体的には、情報収集端末装置3は、枠開放検出信号が入力されたか否かを判定する。
ステップ811の処理で、ガラス枠18又は前面枠19が開放されたと判定された場合、情報収集端末装置3は、遊技店の店員によってガラス枠18又は前面枠19が開放されたため、他の店員が不正を検出した遊技機5に駆けつけることを防止するために、ステップ805の処理で設定された不正報知を終了させるべく、不正報知終了コマンドをコーナーランプ7や呼出しランプ8に送信設定する(812)。そして、情報収集端末装置3は、枠開放フラグを設定する(813)。
一方、ステップ811の処理で、ガラス枠18又は前面枠19が開放されていないと判定された場合、検出された不正は解消していないので、不正状態処理を終了する。
ステップ810の処理で、枠開放フラグが設定されていると判定された場合、情報収集端末装置3は、遊技店の店員によってガラス枠18又は前面枠19が開放されたことによって、不正報知コマンドが解除されているので、ステップ814の処理に進む。
次に、情報収集端末装置3は、開放されたガラス枠18又は前面枠19が閉鎖されたか否かを判定する(814)。具体的には、情報収集端末装置3は、枠開放検出信号の出力が立ち下がったか否かを判定する。
ステップ814の処理で、開放されたガラス枠18又は前面枠19が閉鎖されたと判定された場合、情報収集端末装置3は、ステップ809の処理で設定された受付開始報知終了コマンドを設定して受付開始報知を終了させる(815)。そして、情報収集端末装置3は、設定された各種フラグの設定を解除し(816)、不正状態処理を終了する。具体的には、情報収集端末装置3は、ステップ803の処理で設定された不正フラグ、ステップ808の処理で設定された受付開始フラグ、及びステップ813の処理で設定された枠開放フラグの設定を解除する。
一方、ステップ814の処理で、開放されたガラス枠18又は前面枠19が閉鎖されていないと判定された場合、情報収集端末装置3は、不正状態処理を終了する。
なお、本実施形態では、不正報知コマンドによって不正が発生した遊技機5が設置されている島設備のコーナーランプ7および不正が発生した遊技機に対応する呼出しランプ8を点灯させ、受付開始報知コマンドによって呼出しランプ8を不正報知とは異なる態様で点灯させるようにしたが、不正報知及び受付開始報知の方法は様々な方法が考えられる。
例えば、呼出しランプ8が二つのランプを備えている場合には、不正報知コマンドによって一方のランプを点灯させ、受付開始報知コマンドによって他方のランプを点灯させればよい。
また、呼出しランプ8が一つのランプしか備えない場合であっても、不正報知コマンドによって呼出しランプ8を点灯させ、受付開始報知コマンドによって呼出しランプ8を点滅させればよい。
次に、不正が検出されてから検出された不正が解消されるまでの情報収集端末装置3における各種情報について説明する。図9は本発明の実施形態の不正が検出されてから検出された不正が解消されるまでの情報収集端末装置3における各種情報の説明図である。
不正が検出される前は、情報収集端末装置3は、遊技場管理装置1から情報要求を受信すると、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する。なお、遊技場管理装置1は、受信した収集データを通常遊技データとして集計データベース1100(図11参照)に登録する。
遊技機5が不正を検出すると、情報収集端末装置3には不正検出信号が入力されるので、不正検出信号がOFFからONになる。
そして、不正検出信号が情報収集端末装置3に入力されると、不正状態処理のステップ805の処理で不正報知コマンドが設定されるので、不正報知がOFFからONになる。また、不正検出信号が情報収集端末装置3に入力されると、情報収集端末装置3は、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する。遊技場管理装置1は、受信した収集データを不正遊技データとして集計データベース1100に登録する。
そして、情報収集端末装置3は、不正が検出されてから判定タイマの所定時間が経過するまでの間に、枠開放検出信号が入力されても、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信せず、また不正状態処理のステップ803の処理で設定された不正報知終了コマンドを設定しない。
不正が検出されてから判定タイマの所定時間が経過すると、情報収集端末装置3は、不正状態処理のステップ809の処理で受付開始報知コマンドを設定する。
不正が検出されてから判定タイマの所定時間が経過してから、ガラス枠18又は前面枠19が開放されると、枠開放検出信号が情報収集端末装置3に入力されるので、枠開放検出信号はOFFからONになる。ガラス枠18又は前面枠19が開放された場合、情報収集端末装置3は、ステップ805の処理で設定された不正報知終了コマンドを設定するので、不正報知はONからOFFになる。また、ガラス枠18又は前面枠19が開放された場合、情報収集端末装置3は、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する。この場合、遊技機5の不正はまだ解消されていないので、遊技場管理装置1は、受信した収集データを不正遊技データとして集計データベース1100に登録する。
次に、開放されたガラス枠18又は前面枠19が閉鎖された場合、遊技機5は枠開放検出信号の出力を停止するので、情報収集端末装置3が入力されていた枠開放検出信号はOFFになる。開放されたガラス枠18又は前面枠19が閉鎖された場合、情報収集端末装置3は、不正状態処理のステップ808の処理によって開始された受付開始報知を終了させるべく受付開始報知終了コマンドを設定するので、受付開始報知はONからOFFになる。また、ガラス枠18又は前面枠19が閉鎖された場合、情報収集端末装置3は、収集データ及びステータスデータを遊技場管理装置1に送信する。この場合、遊技機5の不正は解消されているので、遊技場管理装置1は、この受信した収集データまでを不正遊技データとして集計データベース1100に登録する。
次に、遊技場管理装置1に記憶される釘調整テーブル1000について説明する。図10は、本発明の実施形態の釘調整テーブル1000の説明図である。
釘調整テーブル1000は、機種名1001、遊技機番号1002及び釘調整1003を含む。
機種名1001には、遊技機5の機種を示す情報が登録される。遊技機番号1002には、遊技場に設置される遊技機5の一意な識別子が登録される。釘調整1003には、遊技場に設置される遊技機5に施された釘の調整パターンを示す情報が登録される。
釘調整は、遊技盤50に打ち付けられた釘を調整することによって、遊技球が始動入賞口34及び一般入賞口32に入賞する確率を調整する。
次に、遊技場管理装置1に記憶される集計データベース1100を説明する。図11は、本発明の実施形態の集計データベース1100の説明図である。
集計データベース1100は、遊技機番号1101、収集データ1102及びステータス1103を含む。
遊技機番号1101には、遊技場に設置される遊技機5の一意な識別子が登録される。収集データ1102には、情報収集端末装置3から送信された収集データが登録される。ステータス1103には、情報収集端末装置3が収集データを送信したときの遊技機5の状態を示す情報が登録される。例えば、ステータス1103に登録される遊技機5の状態を示す情報には、通常遊技状態を示す「1」、特別遊技状態を示す「2」、確変状態を示す「3」、及び不正状態を示す「4」がある。
次に、遊技場管理装置1によって実行される遊技機性能算出処理を説明する。図12は、本発明の実施形態の遊技機性能算出処理のフローチャートである。
遊技機性能算出処理は、遊技場に設置される遊技機5に施された釘調整ごとに、不正状態でない通常状態の収集データ及び不正状態の収集データを集計して、釘調整が施された遊技機5の性能を算出する処理である。
遊技場管理装置1は、所定時間間隔で遊技機性能算出処理を実行する。
まず、遊技場管理装置1は、遊技場管理装置1の管理者から集計要求が入力されたか否かを判定する(1201)。
次に、遊技場管理装置1は、図10に示す釘調整テーブル1000を参照し、収集データを集計する対象となる遊技機5の機種の台数分のループ回数を設定する(1202)。例えば、収集データを集計する対象となる機種が「機種A」である場合、収集データを集計する対象となる機種の台数は、100番台〜109番台の10台である。
そして、遊技場管理装置1は、収集データを集計する対象となる機種の先頭の遊技機番号を集計対象の遊技機番号として設定する(1203)。例えば、遊技場管理装置1は、収集データを集計する対象となる機種が「機種A」である場合、先頭の遊技機番号は「100番台」であるので、集計対象の遊技機番号を「100番台」に設定する。
そして、遊技場管理装置1は、図11に示す集計データベース1100を参照し、集計対象の遊技機番号の遊技機5の収集データを、当該遊技機5のステータスごとに集計する(1204)。
具体的には、ステップ1203の処理で、集計対象の遊技番号は「100番台」に設定されているので、遊技場管理装置1は、図11に示す集計データベースのうち遊技機番号1101が「100番台」のエントリを選択する。そして、遊技場管理装置1は、選択されたエントリのうち、ステータス1103に登録された遊技機5の状態を示す情報ごとに、収集データを集計する。
「100番台」のステータス「1」の集計された収集データ(集計データ)はD0+D5+D7+D10であり、ステータス「2」の集計データはD1+D3+D8であり、ステータス「3」の集計データはD2+D4+D9であり、ステータス「4」の集計データはD6である。
次に、遊技場管理装置1は、集計対象の機種の台数分、収集データを集計したか否かを判定する(1205)。
ステップ1205の処理で、ステップ1203の処理で設定された集計対象の機種の台数分、収集データを集計していないと判定された場合、集計対象の遊技番号を次の遊技機番号に設定し、ステップ1204の処理に戻る。
一方、ステップ1205の処理で、ステップ1203の処理で設定された集計対象の機種の台数分、収集データを集計したと判定された場合、遊技場管理装置1は、ステータスごとの集計データを、釘調整ごとに集計する(1206)。そして、遊技場管理装置1は、ステップ1206の処理で集計された各釘調整の各ステータスの集計データに基づいて、各釘調整の各ステータスの遊技機性能データを算出して図13に示す遊技機性能テーブル1300を作成し(1207)、遊技機性能算出処理を終了する。
遊技機性能データは、例えば、変動表示ゲームが実行されてから特別遊技状態になる確率(特賞確率)、及び発射された遊技球が始動入賞口34に入賞する確率(始動入賞口入賞確率)である。
集計データには、変動表示ゲームの実行回数、発射された遊技球数、及び特別遊技状態の回数が含まれる。したがって、特賞確率は、特別遊技状態の回数を変動表示ゲームの実行回数で除算することによって算出される。始動入賞口入賞確率は、変動表示ゲームの実行回数を変動表示ゲームの実行回数で除算することによって算出される。
図13は、本発明の実施形態の遊技機性能テーブル1300の説明図である。
遊技機性能テーブル1300は、遊技場に設置された遊技機5の機種ごとに遊技場管理装置1に記憶される。
遊技機性能テーブル1300は、釘調整1301、ステータス1302及び遊技機性能データ1303を含む。
釘調整1301には、当該機種の遊技機5に施された釘の調整パターンを示す情報が登録される。ステータス1302には、情報収集端末装置3が収集データを送信したときの遊技機5の状態を示す情報が登録される。具体的には、ステータス1302には、「1」〜「4」が登録される。遊技機性能データ1303には、図12に示す遊技機性能算出処理のステップ1207の処理で算出された遊技機性能データが登録される。
次に、図12に示す遊技機性能算出処理の変形例について図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施形態の変形例の遊技機性能算出処理の変形例のフローチャートである。なお、図14に示す遊技機性能算出処理のうち、図12に示す遊技機性能算出処理と同じ処理は、同じ番号を付与し、説明を省略する。
図12に示す遊技機性能算出処理は、ステータスごとに収集データを集計して、遊技機性能データを算出したが、図14に示す遊技機性能算出処理は、不正遊技データである収集データ(つまりステータス「4」の収集データ)を集計せずに、通常遊技データである収集データのみを集計して、遊技機性能データを算出する。
ステップ1201〜ステップ1203の処理は、図12に示すステップ1201〜ステップ1203の処理と同じなので説明を省略する。
遊技場管理装置1は、図11に示す集計データベース1100を参照し、集計対象の遊技機番号の遊技機5の一日分のステータス1103に登録された遊技機5の状態を示す状態を示す情報を取得する(1401)。
次に、遊技場管理装置1は、ステップ1401の処理で取得された一日分のステータス1103に登録された遊技機5の状態を示す情報に不正状態を示す情報である「4」が含まれているか否かを判定する(1402)。
ステップ1401の処理で取得された一日分のステータス1103に登録された遊技機5の状態を示す情報に不正状態を示す情報である「4」が含まれていないとステップ1402の処理で判定された場合、集計対象の遊技台番号の遊技機5は一日の間に不正がなされていないので、遊技場管理装置1は、図11に示す集計データベース1100を参照し、当該遊技機5の一日分の収集データをステータスごとに集計する(1403)。
一方、ステップ1401の処理で取得された一日分のステータス1103に登録された遊技機5の状態を示す情報に不正状態を示す情報である「4」が含まれているとステップ1402の処理で判定された場合、集計対象の遊技台番号の遊技機5は一日の間に不正がなされているので、遊技場管理装置1は、当該遊技機5の収集データを集計しないで、ステップ1404の処理に進む。
次に、遊技場管理装置1は、集計対象の機種の台数分、収集データを集計したか否かを判定する(1404)。
ステップ1404の処理で、集計対象の機種の台数分、収集データを集計していないと判定された場合、ステップ1401の処理に戻る。
一方、ステップ1404の処理で、集計対象の機種の台数分、収集データを集計したと判定された場合、ステップ1206の処理に進む。
ステップ1403の処理ではステータス4の収集データを含む遊技機5の収集データは集計されないので、ステップ1207の処理で作成される遊技機性能テーブル1400は、図13に示す遊技機性能テーブルと異なり、ステータス4の遊技機性能データを含まない。
なお、本実施形態では、遊技機から出力される遊技データは、情報収集端末装置3によって収集され、情報収集端末装置3から遊技場管理装置1に送信されるが、遊技データは、情報収集端末装置3を介さずに直接遊技場管理装置1に送信されてもよい。
この場合、遊技システムは情報収集端末装置3を備えなくてもよく、遊技機5から出力される図4に示す各種信号は、直接遊技場管理装置1に送信される。
また、本実施形態では、不正が検出されてから所定時間経過後に開放されたガラス枠18又は前面枠19が閉鎖されたことによって、検出された不正が解消されるものとしたが、不正が検出されてから所定時間経過にガラス枠18又は前面枠19が開放されたことによって、検出された不正が解消されるものとしてもよい。
つまり、遊技システムは、不正が検出されてから、所定時間経過後にガラス枠18又は前面枠19が開放されるまでの遊技データを不正遊技データとして収集する。
以上の説明では、パチンコ遊技機における説明をしたが、本願発明はパチスロ機にも適用することが可能である。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。