JP4823421B2 - グルコースの可溶性分枝化ポリマーおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、本質的にβグルコシド結合を含まず、α−1,6グルコシド結合の特定の含量を備え、その低い老化傾向と、104から108ダルトンの間の顕著な分子量分布によって示される溶液における優れた安定性を備えた、グルコースの可溶性分枝化ポリマーに関する。
【0002】
これらのグルコースの可溶性分枝化ポリマーは、低還元糖含量および低粘度をさらに有する。
【0003】
本発明は、前記グルコースの可溶性分枝化ポリマーの製造方法にも関する。また、多くの工業的な適用、特に食品産業において使用することができる、かかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーを含む組成物にも関する。
【0004】
本発明の意味において、本質的にβ−グルコシド結合を含まないグルコースの可溶性分枝化ポリマーとは、α−1,4結合したグルコースのポリマーであって、多くのα−1,6分岐点(分枝点ともいう)および5%未満のβ−分枝、すなわちβ−1,2、β−1,3、β−1,4またはβ−1,6分枝を示す。
【0005】
【従来の技術】
通常、工業的に利用できるグルコースポリマーは、特に、天然またはハイブリッドデンプンおよびその誘導体に由来する。
【0006】
一般に、デンプンは、二つのポリマー、アミロースおよびアミロペクチンからなる。アミロースは、グルコースの直鎖α−1,4結合ホモポリマーと一部のα−1,6分枝点とを含む画分である。
【0007】
アミロペクチンは、グルコースの直鎖α−1,4鎖が、α−1,6分岐点により、別のグルコースの直鎖α−1,4鎖と結合してなる分岐した画分である。
【0008】
これら二つのホモポリマーの組合せは、デンプンの非常によく構成された顆粒の形態に収容され、植物の炭素源貯蔵を構成する。
【0009】
各植物に産生されるデンプンは、各構成物であるアミロースとアミロペクチンの種々のパーセントからなり、またさらに、前記グルコースの各ホモポリマーの分子量の特定の分布から構成される。これは、種々のデンプンおよびその誘導体が、通常、その植物原料に基づいて分類される理由を説明する。
【0010】
さらに、デンプンおよびその誘導体の機能的特性は、アミロースおよびアミロペクチンの含量に直接依存する。かくして、デンプンの懸濁物がそのゼラチン化温度以上に熱せられると、デンプン顆粒が膨潤し、アミロースが優先的に溶解する。しかしながら、その懸濁物を冷却すると、グルコースのホモポリマーが、急速にアミロースへと(数時間)、そして、よりゆっくりとアミロペクチンへと(数日)老化する。
【0011】
食品産業においてデンプンおよびその誘導体を利用する分野の専門家は、この老化の現象が、食品の質感に影響し、その寿命を減少させることを認めている。
【0012】
これらの製品が、アミロペクチンに富んだデンプン質の製品、かくして、例えばロウ質の品種から調製することによって、より許容可能なものとなることが知られている。しかしながら、前記アミロペクチンに富んだデンプン質の製品から得られたゲルおよびバインダーの安定性は、ときとして数ヶ月の貯蔵寿命を有することが必要とされる食品産業の要求には十分なものではなかった。
【0013】
第一の解法は、グルコースホモポリマーを、化学的試薬を用いて安定化させることである。この操作は、主として、エステル化またはエーテル化反応を用いて実施される。これらは、特にアセチル化またはヒドロキシプロピル化反応とすることができる。さらに、所望の質感および粘度特性を得るために、これらの反応は、多くの場合、架橋反応と組み合わせられる。
【0014】
これらの変性は、デンプンに突出したレオロジー特性を与え、剪断のような機械処理、または酸性媒体に対してより耐性とする。アセチル化またはヒドロキシプロピル化は、冷却後、特に低温において、良好な貯蔵安定性をさらに付与する。
【0015】
しかしながら、かくして得られた製品は、化学処理されたという欠点を備え、これは、消費者にとって受け入れがたいものとされる。
【0016】
第二の解法は、デンプンの生合成に関与する遺伝子の一部が改変された植物からデンプンを単離することからなり、かくして変性されたデンプンに特定の特性を付与する。
【0017】
これらは、ロウ質(wx)、アミロース増量(ae)、鈍さ(du)、不透明(o)、縮み(sh)、もろさ(bt)または甘さ(su)の遺伝子のレベルで影響された変異体またはハイブリッド品種とすることができる。
【0018】
かくして、特許第4767849号は、遺伝子型ロウ質/縮み−1にホモ接合のトウモロコシ品種から抽出されたデンプンを記載し、これは、かくして得られた顆粒デンプンに、化学的に変性されたデンプンに等しい急速冷凍/解凍サイクル(通常、凍結/解凍サイクルと呼ばれる)において老化に対する安定性を付与する。しかしながら、ロウ質および縮みの遺伝子型の二つの品種間の交雑によって得られた品種は、いわゆる野生型の品種により通常合成されるデンプン含量の1から20%のデンプン含量しか含まない。
【0019】
また、これらは、デンプンの生合成に関与する酵素をコードする遺伝子または遺伝子群の標的化変性によって得られた、遺伝的に変性された植物であってもよい。例えば植物に特有のデンプン脱分枝または分枝酵素をコードする遺伝子の、または、細菌のグリコーゲン生合成遺伝子のような外生由来の、植物における遺伝子消滅または増幅の方法は、豊富に記載されている。
【0020】
しかしながら、変異またはハイブリッド植物の場合のように、かくして変性されたデンプンが化学的に変性されたデンプンと同じ特性を有する場合に、かくして得られた植物のデンプン含量が少しも工業的に満足できるものでないと言わざるを得ない。
【0021】
これらの方法の第一の変法は、in vitroにおいて天然デンプンを変性するα−アミラーゼ、α−アミラーゼ、プルラナーゼ(pullulanase)またはイソアミラーゼ型の酵素を利用して、化学的に変性されたデンプンの特性の一部をそれらに付与することからなる。かくして、通常、使用量と関連した問題は存在しない。
【0022】
かくして、欧州特許出願第539910号は、低粘度の製品を得るためにα−アミラーゼ処理により変性されたデンプン顆粒の調製方法を記載する。しかしながら、この方法は、その構成を大きく変えることなく、デンプン顆粒の構造を変えることのみを目的とする。
【0023】
欧州特許第574721号は、上記のような化学処理を用いず、天然顆粒状デンプンにβアミラーゼを用いて制御された加水分解反応を実施することにより、高い含量の安定なアミロペクチンを有するデンプン質の製品を調製する方法について記載する。
【0024】
かくして調製された製品は、時間に伴ったシネレシスおよび粘度変化がないことを示し、凍結/解凍に対して安定である。しかしながら、この方法は、上記酵素的加水分解を実施する前にデンプンをゼラチン化するために、65から75℃の温度での予備的熱処理を必要とする。さらに、加水分解レベルを5ないし20%の間の値に制限するように制御する必要がある。
【0025】
化学的に天然デンプンを変性すること、または、変異体、ハイブリッドまたは遺伝的に変性された植物から変性デンプンの特性を有する天然デンプンを抽出することを目的とする他の方法は、in vitroでデンプンに新たな分枝点を導入することからなる。
【0026】
かくして、この方法は、上述したような安定化および/または架橋反応を用いるよりむしろ、アミロペクチンまたはアミロース鎖の変性を実施することを含む。
【0027】
二種類の技術が通常用いられる。第一の方法は、熱的手段を用い、第二の方法はグリコーゲンおよび/またはデンプンの生合成のための精製酵素を用い、当該酵素は、例えば、グリコーゲンまたはデンプン分枝酵素であって、それぞれ、グリコーゲンのα−1,6分枝点、または、アミロペクチンのα−1,6分枝点およびアミロースの一部の分枝点の合成に作用する。
【0028】
国際特許出願第95/22562号は、例えば、デンプン型のデキストリンを記載し、これは、その分子量が15x103から107ダルトンの範囲で、分枝度が2から8%の間であり、天然の顆粒デンプン、特にジャガイモデンプンを、酸性条件下(デンプンの0.17重量%のオルトリン酸)において、110から140℃で1から15時間処理することによって得られることを特徴とする。
【0029】
かくして得られた組成物は、身体の運動後のエネルギー供給として運動選手用とされる。しかしながら、この処理は時間がかかり、実施するにはあまりに面倒であり、高い含量のα−1,6結合(好ましくは3ないし7%)とは別に、天然デンプンには通常存在しない新たなタイプの結合を含むグルコースポリマーを導く。実際、核磁気共鳴(NMR)分析では、β−1,4およびβ−1,6型の結合と、α−1,4およびα−1,6以外のα結合とを示す。
【0030】
以上から、第一に、顕著な特性、特に安定性、可溶性および粘性を備えたグルコースポリマーであって、その証拠にそれらを含む製品に改善された寿命と消化性を付与するグルコースポリマーを利用可能にすること、そして第二に、化学的または物理的技術を用いることなく、また、変異体または遺伝的に変性された植物からの抽出に頼ることなくそれらを入手することが、満足されていないことが明らかである。
【0031】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するための手段】
出願人は、多くの研究によって、新たなタイプの産物、すなわち本質的にβグルコシド結合を含まない新たなグルコースの可溶性分枝化ポリマーをイメージおよび開発することによって、従来解決が困難と考えられていたこれら全ての課題を解決することに成功した。
【0032】
本発明にかかる、本質的にβグルコシド結合を含まないグルコースの可溶性分枝化ポリマーは、かくして、2.5から10%のα−1,6グルコシド結合を有し、試験Aに従って測定して、水溶液において非常に低いまたはゼロの老化傾向を有し、104から108ダルトンの間の分子量分布プロフィールの中央値における試験Cに従って測定したMwを備えることを特徴とする。
【0033】
また、本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーは、せいぜい9%の低い還元糖含量を備え、かつ、3gの乾物に対して、試験Bに従って測定してせいぜい5000cPの粘度を有する。
【0034】
プロトンNMR分析によって測定した、本発明にかかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーにおけるα−1,6グリコシド結合の含量は、前記グルコースの分枝化ポリマーにおけるα−1,4およびα−1,6グルコシド結合の全数に対するα−1,6結合の数で表すと2.5から10%である。
【0035】
このα−1,6グルコシド結合の含量は、本発明のあらゆるグルコースポリマーに対して、それが誘導されるデンプンまたはデンプン誘導体と比較して分枝鎖の長さおよび/または分岐の程度に関して、特定の構造を与える。
【0036】
また、本発明にかかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーは、試験Aに従って測定して、水溶液中で低い老化傾向を示す。この試験は、繰り返し凍結/解凍サイクルの過程で、老化に対する所定の産物の感受性を調べることからなる。
【0037】
観察された産物の老化、および、示差熱量分析によって調べた、老化しうる産物の分解のエンタルピーは、かくして、考慮下の産物の安定性に情報を与える。
【0038】
より正確は、試験Aは、40%乾物を有する試験される産物の水性調製物を調製することからなる。種々のサンプリングを、密封されたるつぼ内に調製する。全てのるつぼを、100℃の温度まで15分間熱して、ゼラチン化または溶解を実施し、これらのるつぼを凍結/溶解サイクル処理にかける。各サイクルは、前記調製物を−20℃で15分間維持し、次いで、20℃として1時間30分間維持することからなる。
【0039】
次いで、老化しうる産物の分解のエンタルピーの測定のために、示差熱量分析を、Perkin Elmer装置で各サイクルにおいて実施する。
【0040】
凍結/溶解サイクルの安定性を、凍結/溶解サイクルの数によって最初に推定し、それ以外に、老化したデンプンゲルの分解に必要なエンタルピー値の測定を行うことができる。
【0041】
これらの繰り返し凍結/溶解サイクルにかけられた本発明にかかるグルコースポリマーは、驚くべきことに、そして予期せぬことに、“低い老化傾向”、すなわち、試験Aに従って、そして、α−1,6グルコシド結合の含量に依存して、老化の部分的または全体的欠如を示す。
【0042】
かくして、2.5から5%の間のα−1,6グルコシド結合の含量を有する本発明にかかるグルコースポリマーは、8回の凍結/溶解サイクルを越えて顕著な老化を開始するのみであり、以下に例示するように、低い老化エンタルピー値を示す。
【0043】
これらは、“非常に低い老化傾向”を示すグルコースの分枝化ポリマーとして記載されている。
【0044】
5から10%の間のα−1,6グルコシド結合の含量を有する本発明にかかるグルコースポリマーに関する限りでは、溶液の老化は、12回の凍結/溶解サイクル後であっても観察されず、これは、分解のエンタルピーが確立され得ない理由である。
【0045】
本発明にかかるグルコースポリマーがかかる安定性を示しうることは、特に驚くべきことである。実際に、ロウ質デンプン、および架橋およびアセチル化されたロウ質デンプン(例えば、米国特許第2928828号の教示に従って調製したもの)に対する試験Aによる測定は、実施例2に示すように、4回から6回の間の凍結/溶解サイクルで老化する。
【0046】
かくして、出願人の知るところでは、かかる安定性を有するグルコースポリマーは存在しなかったのである。
【0047】
この特性は、極めて自然に、本発明の分枝化グルコースポリマーを、食品産業に利用でき、高い貯蔵安定性を備えた組成物に適したものとする。
【0048】
本発明の他の利点は、冷蔵または冷凍製品に例えばインスタントバインダーとして利用できる最終的な製品を得ることを可能にすることである。
【0049】
本発明にかかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーの分子量分布プロフィールの中央値の測定は、重量平均分子量(Mw)の測定によって実施される。
【0050】
実際に、Mw値は算出されるのではなく、種々の技術によって測定される。例えば、公知の分子量のプルランを用いて標準化したクロマトグラフィーカラムでゲル浸透クロマトグラフィーをベースとするグルコースポリマーに適した測定方法を用いる。
【0051】
試験Cは、本発明にかかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーの分子量分布プロフィール特性の中央値を測定するために出願人によって開発されたものであって、
−グルコースの可溶性分枝化ポリマーのクロマトグラフィー画分のモル分布プロフィールを確立すること、
−分離ゲル浸透クロマトグラフィーから誘導される90%以上のクロマトグラフィー画分を示す集団の平均分子量分布ピークの値に対応する、“分子量分布プロフィールの中央値”と呼ばれる値を測定すること、からなる。
【0052】
本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーは、104から109ダルトンの間に調節された分子量分布プロフィール値Mwを有する。
【0053】
有利に、本発明にかかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーは、二つのファミリーに分類することができ、最初のファミリーは105から106ダルトンの間の分子量分布プロフィールの中央値Mwを有し、第二のファミリーは、107から108ダルトンの間の分子量分布プロフィールの中央値Mwを有する。
【0054】
さらに、本発明にかかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーは、低い還元糖含量を有する。
【0055】
本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーの還元力の測定は、当業者に知られるあらゆる方法に従って行うことができ、せいぜい9%の値を導く。
【0056】
有利に、グルコースの分枝化ポリマーは、その還元糖含量に基づいて二つのサブファミリーに分類されうる。
【0057】
前記第一のサブファミリーは、せいぜい1%の還元糖含量を備える。
【0058】
前記第二のサブファミリーは、5.5からせいぜい9%の間の還元糖含量を備える。
【0059】
出願人は、本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーが極めて例外的なレオロジー特性を備えることをさらに見出した。
【0060】
本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーの粘度分析は、この特定の範囲の産物について、出願人によって開発された試験Bの手段により実施される。
【0061】
これらは、実際に、従来技術において通常記載および分析されるような顆粒産物ではなく、驚くべきことに、かつ、予期せぬことに、冷水において顕著な可溶性を示すグルコースの分枝化ポリマーである。
【0062】
試験Bは、最初に、分析される産物をエタノールで沈殿させることによって調製し、真空下で乾燥させ、すり鉢ですりつぶし、かつ、最後に125μmメッシュでスクリーニングすることからなる。かくして得られた分析される乾燥産物の3から15gを、98%の純度のグリセロール6.75gと共に、ラピッドビスコアナライザー(RVA - NewPort Scientific)のボウルに入れ、全体をマイクロスパチュラを用いて慎重にホモジナイズする。
【0063】
次いで、所定量の脱塩水を加えて、28gの最終的な塊を得る。この全体をすぐに攪拌する。RVAの時間/温度および速さ分析プロフィールは、以下のように実施する。このサンプルを、100rpmで25℃の温度で5秒間、次いで500rpmで25秒間攪拌する。この攪拌を、残りのプロフィールで160rpmに維持する。25℃の最初の温度を10分間維持し、次いで、8分で90まで増大させる。次いで、この90℃を3分間維持し、8分で30℃に低減させ、次いで5分間、30℃の値で維持する。
【0064】
保持された粘度は、分析プロフィールの最後に、34分に測定されたセンチポアズ(cP)の粘度である。
【0065】
本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーは、3gの乾燥産物に対してせいぜい5000cPの粘度を有する。
【0066】
また、出願人は、これらの本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーの粘度値が、同一の試験Bに従って測定された酸処理によって流体化したロウ質デンプンの粘度値と同等の大きさであることも見出した。
【0067】
しかしながら、4℃で貯蔵して7日後に行われた補足的な粘度測定分析では、驚くべきことに、かつ予期せぬことに、以下に記載するように、同じ粘度の前記流体化したロウ質デンプンとは対照的に、グルコースの分枝化ポリマーの粘度の顕著な安定性を示した。
【0068】
それゆえ、これらの産物は、例えば、インスタント液状食品調製物の製造に有利に使用することができ、特に、低温での長期貯蔵を保証可能にする。
【0069】
本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーは、かくして、特に紙−厚紙、織物、医薬、化粧品、および特に食品産業に使用するための組成物に適している。
【0070】
本発明にかかるグルコースの可溶性分子状ポリマーを調製するために、
a)少なくとも1重量%、好ましくは2ないし50重量%の乾物のデンプンまたはデンプン誘導体の水溶液を、130℃より高温、好ましくは140から150℃の間で、3.5バールより高圧、好ましくは4から5バールの間で、少なくとも2分間、好ましくは2から5分間処理し、
b)かくして得られたデンプンを、50から2000ユニットの精製された分枝酵素を用いて、25から50℃の間の温度、好ましくは30℃で、10分から24時間処理し、かつ
c)かくして得られたグルコースの分枝化ポリマーを回収する
ことからなる一連の工程を実施する。
【0071】
デンプンは、少なくとも1重量%、好ましくは2から50重量%の乾物量で水溶液に導入される。
【0072】
デンプンまたはその特定の誘導体の起源または性質の選択は、比較的重要である。
【0073】
出願人は、本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーが、既に少なくとも1%の分枝率を有するデンプンまたはその誘導体から容易に合成できることを見出した。
【0074】
デンプンまたはデンプンの誘導体の懸濁液は、次いで、特定の冷却処理にかけられる。これは、130℃より高温、好ましくは140から150℃の間で、3.5バールより高圧、好ましくは4から5バールの間で、少なくとも2分間、好ましくは2から5分間処理することからなる。この処理は、当業者が入手しやすい装置、伝熱流体で熱せられた二重ジャケット管状ボイラーにおいて有利に実施される。
【0075】
本発明の方法の第二の段階は、かくして得られたデンプンを、50から2000ユニットの精製された分枝酵素を用いて、25から50℃の間の温度、好ましくは30℃で、10分から24時間処理することからなる。
【0076】
分枝酵素は、グリコーゲン分枝酵素およびデンプン分枝酵素からなる群から選択される。好ましくは、Escherichia coliのグリコーゲン分枝酵素、およびデンプン分枝酵素が選択され、さらに好ましくは、トウモロコシまたは単細胞藻類デンプン、例えば緑藻類Chlamydomonas reinhardtiiのタイプIおよびタイプIIデンプン分枝酵素が選択される。
【0077】
前記グリコーゲンまたはデンプン分枝酵素の単離は、当業者に公知のあらゆる方法により実施することができる。
【0078】
しかしながら、単細胞藻類の分枝酵素に関しては、第98/12051号のもとに出願された仏国特許出願に記載されている調製方法を利用することを奨める。
【0079】
精製された酵素の利用は、公知のクロマトグラフィー分離技術を直接的に適用することにより、あるいは、組み換えDNA技術の使用により、かくして得られた藻類の酵素の混合物から行うことができる。
【0080】
実際に、多細胞藻類よりも、容易に操作できる微生物において単細胞藻類デンプン分枝酵素をコードする遺伝子を単離および発現する方が有利である。
【0081】
当業者に公知の技術は、例えば、
−予め精製された各藻類分枝酵素に特異的なポリクローナル抗体を産生し、
−前記特異的抗体を用いて、考慮下の単細胞藻類からのゲノムDNAの発現バンクをスクリーニングする、
−特異的ポリクローナル抗体の一つおよび/またはその他と反応したゲノムDNAの前記発現バンクのクローンからDNAフラグメントを単離する、
−単細胞藻類デンプン分枝酵素をコードする遺伝子に対応する前記DNAフラグメントを、発現を可能にする細菌に導入する
ことからなる。
【0082】
この方法で産生された藻類デンプン分枝酵素は、単細胞藻類から誘導され、次いで、遺伝的に導入され、別の種の微生物、このケースでは細菌で発現されたことから、組み換え分子酵素と呼ばれる。
【0083】
本発明にかかるグルコースの可溶性分枝ポリマーを調製するために、精製された組み換え藻類デンプン分枝酵素は、有利に、前記処理の工程a)に従って調製されたトウモロコシロウ質デンプンペーストに作用させることができる。
【0084】
本発明にかかる方法の最後の工程は、かくして得られたグルコースの分枝化ポリマーを回収することからなる。
【0085】
この産物を、3容量のエタノールで沈殿させ、24時間真空下で精製および乾燥させるか、あるいは、当業者に公知の他の技術により細分化する。
【0086】
本発明の他の特徴および利点は、以下に記載した非限定的な実施例から明らかになるであろう。
【0087】
【実施例】
実施例1
グルコースの分枝化ポリマーの調製を以下のように実施した。2.5重量%の乾物含量を備えたロウ質トウモロコシデンプンの懸濁液を調製した。この懸濁液を、4バールの圧力下で、145℃の温度において、伝熱流体で熱せられた研究用管状二重ジャケットボイラーにおいて処理した。前記ボイラーに3分の滞留時間とするために、フィード速度は40ml/分であった。
【0088】
1.5リットルのこの調製物を、周囲温度まで冷却し、3.750リットルの全体量について、0.1Mの最終的なTris HClバッファーを用いて、pH7に緩衝された媒体に移した。19ml(1.8mg/mlのタンパクを含み、さらに1100U/mgの比活性を備える酵素溶液、活性は当業者に公知のホスホリラーゼA評価方法によって測定)の、藻類Chlamydomonas reinhardtiiに由来する予め精製された組み換えデンプン分枝酵素の溶液を加え、これを30℃で30分間作用させ、4.3%のα−1,6グルコシド結合含量を有する本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーを得て(産物A)、次いで2時間作用させて、6%のα−1,6グルコシド結合含量を有する本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーを得た(産物B)。このそれぞれの産物を、エタノールで沈殿させ、濾過し、すすぎ、かつ真空下で24時間乾燥させた。
【0089】
産物AおよびBの分子量分布プロフィールの中央値Mwの各値は、それぞれ、1.5x107ダルトンと2.2x107ダルトンであった。これらの還元糖含量は、それぞれ、0.05%と0.07%であった。
【0090】
実施例2
本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーの安定性の測定は、老化した産物があれば、繰り返し凍結/解凍サイクル中に、示差熱量分析により、老化した産物の分解のエンタルピーの測定により行われる。
【0091】
本発明にかかるグルコースの二つの分枝化ポリマー、すなわちそれぞれ4.3%(産物A)と6%(産物B)のオーダーのα−1,6グルコシド結合含量を有するポリマーを、実施例1に記載したように調製した。また、分析を二つの別のサンプル:ロウ質トウモロコシデンプン(産物C)および1.8のアセチル指数を有する架橋およびアセチル化したロウ質デンプン(産物D)についても実施した。
【0092】
試験Aで示したように、一群の密封したるつぼに移した40%の乾物の4つのサンプルのそれぞれの水性調製物を作製し、これらをPerkin Elmer DSC4オーブンで100℃で15分間熱した。各るつぼについて、2、4、6、8、10または12の連続的な凍結/解凍サイクルを以下のプロトコールに従って実施した:−22℃で15分、20℃で1時間30分。老化エンタルピー測定は、Perkin Elmer示差熱量計に移して各るつぼについて実施した。
【0093】
以下の表1は、12の連続する凍結/溶解サイクルの過程で試験された4つの各産物について調べた老化エンタルピー測定を示す。
【0094】
表1
J/調製物のgで表した、12の凍結/溶解サイクル中の老化エンタルピーの測定
【表1】
【0095】
グルコースの分枝化ポリマーは、かくして、12の凍結/溶解サイクル後であっても顕著な安定性を示す。ロウ質デンプン(産物C)、および架橋およびアセチル化ロウ質デンプン(産物D)は4回の凍結/溶解サイクルから老化し始めるが、前記ロウ質デンプンから調製された本発明にかかる各グルコースの分枝化ポリマーには、これと同じことが当てはまらない。かくして、デンプンおよびデンプン誘導体を変性するために利用される酵素的手法は、安定化および/または架橋されたロウ質デンプンよりはるかに優れた状態にあり、優れた安定性を保証することを可能にする。
【0096】
実施例3
本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーのレオロジー特性決定は、Rapid Visco Analyzer(RVA)を用いて実施した。
【0097】
本発明にかかる産物は、冷水で顕著な安定性を示した。
【0098】
それゆえ、この種の産物に適切な粘度測定方法を開発する必要があった。
【0099】
試験Bにおいて示したように、試験される4.5gの乾燥産物をグリセロールと水に混合し、最終量を28gとした。
【0100】
分析された産物は、実施例2に記載した産物A、BおよびC、そして別の二つの産物EおよびFであった。産物EおよびFは、二つの流体化レベルまで流体化(水における流動性の標準的な測定により評価された値、すなわち“水流動性”の指数またはWF)されたロウ質トウモロコシデンプンに対応し、当業者に公知の酸性条件下で処理して得られ、産物Eは50のWFを備え、産物Fは65のWFを備えていた。
【0101】
RVAにおける時間/温度および速さ分析プロフィールを以下のように行った。サンプルを、100rpmで25℃の温度で5秒間、次いで500rpmで25秒間攪拌する。この攪拌を、残りのプロフィールの間160rpmに維持する。
25℃の最初の温度を10分間維持し、次いで、8分で90まで増大させる。
次いで、この90℃を3分間維持し、8分で30℃に低減させ、次いで5分間、30℃の値で維持する。
【0102】
以下の表2は、センチポアズで表した産物A、B、C、EおよびFの粘度の結果を示す。
【0103】
表2
センチポアズ(cP)で表した産物A、B、C、EおよびFのRVAにおける時間/温度および速さプロフィールの最後における粘度の測定
【表2】
【0104】
本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーは、ある程度の粘度を示すが、対照のロウ質デンプン(C)よりも顕著に低かった。
【0105】
これらの粘度値は、流動化されたロウ質デンプンと同程度の大きさであることがわかる。
【0106】
補足的研究を、4℃で7日間貯蔵した後に粘度を測定することによって行った。
【0107】
この研究は、かくして産生されたペーストの時間に伴った安定性を特徴付けること、および、本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーが、流動化されたロウ質デンプンと如何に異なるかを調べることを可能にする。
【0108】
5つの各産物を含むRVAボウルを4℃で貯蔵した。
この粘度を、RVAで再度調べた。次いで、時間/温度および速さプロフィールを、それぞれ160および30℃に維持した速さおよび温度で、20分間、調べた。
【0109】
得られた粘度は、15から20分間測定したcPで表された平均粘度である。以下の表3は、4℃で産物A、B、C、EおよびFを7日間貯蔵した後に得られた粘度の結果を示す。
【0110】
表3
cPで表した、4℃で7日間貯蔵した後の産物の粘度の測定
【表3】
【0111】
この結果は、本発明にかかるグルコースの分枝化ポリマーが、4℃で貯蔵した後でさえ顕著に安定な粘度を示すことを明らかに示す。この低粘度は、それゆえ、それらを含むデンプン質の成分が低粘度であることを必要とし(例えばインスタント液状調製物)、かつ、低温で長期間貯蔵される必要のある食品調製物に有利に活用されうる。
【0112】
実施例4
本発明にかかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーを、E.coliから単離されたグリコーゲン分枝酵素を30℃で21時間、そして、実施例1に記載したその他の条件に従って、デンプンおよびデンプン誘導体の種々の溶液に作用させることによって調製した。
【0113】
このケースでは、これらは、標準的なトウモロコシデンプン(G)、ロウ質トウモロコシデンプン(I)、出願人の会社からEURYLON(登録商標)7の商品名で市販されているアミロースに富んだデンプン(K)、および出願人の会社からGLUCIDEX(登録商標)2の商品名で市販されているマルトデキストリン(M)の懸濁物であった。
【0114】
以下の表4は、α−1,6グルコシド結合含量、分子量分布プロフィールの中央値Mwの値、還元糖含量、および10回の凍結/溶解サイクル後の老化挙動に関して得られた結果を示す。
【0115】
表4
それぞれ所定の乾物含量を備えた基質G、I、KおよびMに対しE.coliのグリコーゲン分枝酵素を作用させることにより得られた、本発明にかかるグルコースの可溶性ポリマーH、J、LおよびNの物理化学的および機能的特徴の測定
【表4】
【0116】
かくして、本発明にかかるグルコースの可溶性分枝化ポリマーは、顕著な凍結/溶解性能を示し、かつ、1.4から5.8x105ダルトンの間の狭い間隔に調節された分子量分布を示すが、出発物質は強い老化傾向を示し、かつ、103から108ダルトンの範囲の分子量分布プロフィールを示した。
Claims (10)
- a)少なくとも1重量%の乾物のデンプンまたはデンプン誘導体の水溶液を、130℃より高温で、3.5バールより高圧で、少なくとも2分間処理し、
b)かくして得られたデンプンまたはデンプン誘導体を、50から2000ユニットの精製されたグリコーゲン分枝酵素、デンプン分枝酵素またはこれらの酵素の混合物を用いて、25から50℃の間の温度で、10分から24時間処理し、かつ
c)かくして得られたグルコースの分枝化ポリマーを回収する、5%未満のβ−分枝を含むグルコースの可溶性分枝化ポリマーの製造方法。 - a)1ないし50重量%の乾物のデンプンまたはデンプン誘導体の水溶液を、140から150℃の間の温度で、4から5バールの間の圧力で、2から5分間処理し、
b)かくして得られたデンプンまたはデンプン誘導体を、50から2000ユニットの精製されたグリコーゲン分枝酵素、デンプン分枝酵素またはこれらの酵素の混合物を用いて、30℃の温度で、10分から24時間処理し、かつ
c)かくして得られたグルコースの分枝化ポリマーを回収する、請求項1に記載の5%未満のβ−分枝を含むグルコースの可溶性分枝化ポリマーの製造方法。 - 分枝酵素が、高等植物、酵母、細菌および単細胞藻類からなる群から選択された生物および/または微生物から抽出される、請求項1または2に記載のグルコースの可溶性分枝化ポリマーの製造方法。
- 分枝酵素が単細胞藻類藻類から抽出される、請求項1から3のいずれか一項に記載のグルコースの可溶性分枝化ポリマーの製造方法。
- 藻類から抽出された分枝酵素が、当該酵素を発現しうる遺伝的に変性された生物からの単離によって得られる、請求項3または4に記載のグルコースの可溶性分枝化ポリマーの製造方法。
- ・2.5から10%のα−1,6グルコシド結合、
・試験Aに従って測定して、水溶液における非常に低いまたはゼロの老化傾向、
・分子量分布プロフィールの中央値における試験Cに従って測定した、104から108ダルトンの間の重量平均分子量、および
・9%以下の還元糖含量を備え、
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法により取得される、5%未満のβ−分枝を含むグルコースの可溶性分枝化ポリマーであって、
前記試験Aは、
試験される産物の水性調製物を調製する工程、
密封されたるつぼ内に種々のサンプリングを調製する工程、
るつぼを加熱して、ゼラチン化または溶解を実施する工程、
るつぼを凍結/溶解サイクル処理する工程、および
各サイクルにおいて示差熱量分析を実施して、産物の分解におけるエンタルピーを測定する工程
を含み、かつ
前記試験Cは、
グルコースの可溶性分枝化ポリマーのクロマトグラフィー画分におけるモル分布プロフィールを確立する工程、および
グルコースの可溶性分枝化ポリマーにおける分子量分布プロフィールの中央値を測定する工程
を含む、
グルコースの可溶性分枝化ポリマー。 - 試験Bに従って測定して5000cP以下の粘度を有する、請求項6に記載のグルコースの可溶性分枝化ポリマーであって、
前記試験Bは、
分析される産物を、エタノールで沈殿させることによって調製し、真空下で乾燥させ、モーターですりつぶし、およびメッシュでスクリーニングする工程、
得られた分析される乾燥産物を、グリセロールと共にラピッドビスコアナライザー(RVA)のボウルに導入する工程、
産物全体をマイクロスパチュラを用いてホモジナイズする工程、
脱塩水を加える工程、
すぐに産物全体を攪拌する工程、
RVAにおいて時間/温度および速さ分析を実施する工程、および
分析プロフィールの最後に粘度をセンチポアズ(cP)で測定する工程
を含む、
グルコースの可溶性分枝化ポリマー。 - ・2.5から5%のα−1,6グルコシド結合、
・分子量分布プロフィールの中央値における前記試験Cに従って測定した、105から106ダルトンの間の重量平均分子量、および
・1%以下の還元糖含量を備える、請求項6または7に記載のグルコースの分枝化ポリマー。 - ・5から10%のα−1,6グルコシド結合、
・分子量分布プロフィールの中央値における前記試験Cに従って測定した、107から108ダルトンの間の重量平均分子量、および
・1%以下の還元糖含量を備える、請求項6または7に記載のグルコースの分枝化ポリマー。 - 請求項6から9のいずれか一項に記載のグルコースの分枝化ポリマーを含む、紙産業、厚紙産業、織物産業、医薬産業、化粧品産業、および食品産業に使用される組成物。
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