JP2000060590A - シクロデキストリンの生成方法 - Google Patents

シクロデキストリンの生成方法

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JP2000060590A JP11227677A JP22767799A JP2000060590A JP 2000060590 A JP2000060590 A JP 2000060590A JP 11227677 A JP11227677 A JP 11227677A JP 22767799 A JP22767799 A JP 22767799A JP 2000060590 A JP2000060590 A JP 2000060590A
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ディトマル・グリル
Ulrich Stifter
ウルリッヒ・スティフテル
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シクロデキストリンを以前に比べ効率的にはる
かに低いコストで生成できる工業的方法を提供する。 【解決手段】シクロデキストリン糖転移酵素(EC No.
2.4.1.19)との反応を介したアミロペクチンジャガイモ
デンプンからシクロデキストリンを生成する方法におい
て、デンプン原材料としてアミロペクチンジャガイモデ
ンプンを用い、育種あるいは遺伝子工学あるいはそのほ
かの分子生物学的手法でアミロース形成を阻害したジャ
ガイモからアミロペクチンジャガイモデンプンを得るこ
とを特徴とするシクロデキストリンの生成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明の対象は、シクロデキストリン糖転
移酵素(CGTアーゼ、シクロデキストリントランスグリ
コシラーゼ、EC NO. 2.4.1.19としても知られている)
との反応を介してジャガイモデンプンのアミロペクチン
からシクロデキストリンを生成する方法である。
【0002】
【従来の技術】シクロデキストリンという名称は、α-
1,4−グリコシド結合の環状連鎖を伴った数個の無水グ
ルコース単位からなる分子を言い、そのようなもので最
小のシクロデキストリンであるα-シクロデキストリン
は6個のグルコース単位を含んでいる。 β-シクロデキ
ストリンとγ-シクロデキストリンは、形成される環の
中での無水グルコース単位の数によって区別する。β-
シクロデキストリンは、CGTアーゼによってデンプン
をシクロデキストリンに変換する際に熱力学的に生成さ
れるものである。重合度の高いシクロデキストリンは、
技術的応用にとって好ましい。
【0003】現在までに以下のようなデンプンがシクロ
デキストリンを生成するための技術的方法の原材料とし
て用いられている。
【0004】ジャガイモデンプン:ジャガイモはヘクタ
ール当たり高い収率で屋内でも生育できる。タンパクと
脂質の含量が低いので、とても純粋なデンプンが得られ
る。
【0005】トウモロコシとモチトウモロコシデンプ
ン:トウモロコシの生育には温暖な気候が必要である。
モチトウモロコシは成熟個数が多いが、生育に都合の良
い場所で、通常のトウモロコシからは十分隔てて栽培し
なければならない。ヘクタール当たりの収量は多くない
のでコストは高くなる。
【0006】トウモロコシやモチトウモロコシから得た
デンプンが高タンパクで高脂質であるのはかなり不利で
ある(デンプンに精製するのが複雑で費用がかかる)。
【0007】小麦デンプン:シクロデキストリンの収率
が極めて低いので、ジャガイモやトウモロコシに比べて
良くない基質である。
【0008】通常、天然のデンプンは二つの型のデンプ
ン、アミロペクチンとアミロースの混合物である。アミ
ロースとアミロペクチンは単一の物質ではなく、多様な
分子量と多様なグルコース結合を有したポリマーの混合
物である。アミロースは主として直鎖多糖類からなり、
グルコース単位はα-1,4-結合でつながっている。一方
アミロペクチンは、多くの側鎖を有したポリマーで、グ
ルコース単位はα-1,4-結合に加えて側鎖枝分かれ部位
では1,6-結合を介してつながっている。アミロースは、
互いに一旦分離した鎖が再結合するというような好まし
からざる老化現象を起こし易いので、アミロペクチンの
方が安定的な溶液を形成することが判っている。
【0009】通常、天然のデンプンは、その元となった
植物の種類に関わり無く15%から30%のアミロースを含
んでいる。いわゆるモチ型と呼ばれるトウモロコシの変
種だけはほとんどアミロペクチンからなるデンプンであ
る。稀なケースだが、アミロペクチン含量の極めて多い
デンプンはいわゆるモチ米やモチ大麦からも得ることも
できる。
【0010】アミロースとアミロペクチンは分画技術に
よって分離することができる。この方法は極めて複雑
で、コストが嵩み、研究室規模以外ではほとんど使われ
ていない。しかも天然デンプンを分画すると制御できな
いような分解が起こり、最終産物の性質に欠陥を来たし
てデンプン分画を損なうのである。
【0011】このような理由から、アミロペクチンデン
プンは工業プロセスにはほとんど用いられない。ほかの
デンプンに比べて口当たりが良いからということで、唯
一の実用例としては食材業界におけるモチトウモロコシ
の一定量の使用がある。
【0012】デンプンからのシクロデキストリンの生成
は文献上多くの印刷物で対象となっている。
【0013】米国特許第3.425,910号にはデンプンの加
水分解物からシクロデキストリンを生成する方法が記載
されている。デンプンの原材料としてジャガイモデンプ
ンを用いたことが述べられている。上記の米国特許(19
66年)が出願された当時ジャガイモのデンプンが一般的
なデンプンであり、重量比で約20%のアミロースを含ん
でいる。
【0014】PCT出願WO 93/10255号には、少なくとも9
0%のアミロペクチンを含むデンプンからのシクロデキ
ストリンの生成が記載されており、その中で得られたシ
クロデキストリンは水に溶かした場合透明な溶液になる
ことが請求されている。好ましいデンプン原材料には95
%のアミロペクチンが含まれており、より好ましくはそ
れは約99%である。モチトウモロコシデンプン、モチ米
デンプンおよびモチ大麦デンプンが原材料として明白に
述べられているが、モチトウモロコシデンプンが好まし
い。 モチトウモロコシデンプンを用いた場合の積極的
な効果を示すために、通常のアミロースを含んだジャガ
イモデンプンとトウモロコシデンプンが比較のデンプン
として用例1の中で指名されている。
【0015】上述のPCT出願に載っている方法条件の中
には、同じものを反応媒体から効率良く分離するため
に、シクロデキストリンに対する錯化剤の使用がある。
トルエン、1-デカノール、シクロデカノール、シクロヘ
キサン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、ブ
ロモベンゼン、2,3-シクロドデノピリジン、ナフタレ
ン、1-ナフトール、2-ナフトールおよびジメチルフェノ
ールは錯化剤として指名されている。
【0016】シクロデキストリンの工業的生成の概要
は、シクロデキストリンの調製と工業生産、G. シュミ
ッド、ワッカー-ケミー、ドイツの3号 41ページ、J. S
zejtliと T.オセ、総合超分子化学(Comprehensive Sup
ramolecular Chemistry)第3巻、シクロデキストリン、
1966年、ペルガモン、オックスフォード、英国、に示さ
れている。
【0017】変換条件の違いとそのα-、β-およびγ-
シクロデキストリンの比率に与える影響も記載されてい
る。これに関連して、生成方法で特定の錯化剤を添加す
ることは3種のシクロデキストリンの相対比率を変える
ことにもなり得る。
【0018】アミロペクチンの枝分かれ部位でのα-1,6
-グリコシド結合がCGTアーゼの効果を阻害することも指
摘されている。CGTアーゼを加える前にプルラナーゼや
イソアミラーゼのような脱分枝酵素でアミロペクチンを
処理すれば、デンプンからシクロデキストリンへの変換
レベルは数パーセント上昇する。
【0019】CGTアーゼの反応がデンプン分子の非還元
末端で開始されるためにアミロペクチンの方がアミロー
スよりもシクロデキストリン生成には適した基質である
ことも上記Szejtliとオセの文献の中で指摘されてい
る。アミロペクチンはアミロースよりもかなり多くの非
還元末端を有するのでアミロペクチンを使えば変換レベ
ルは高くなる。従ってジャガイモデンプンの方がトウモ
ロコシデンプンよりも多くのアミロペクチンを含んでい
るので(トウモロコシの約72%に比べてジャガイモでは
約79%)トウモロコシデンプンの代わりにジャガイモデ
ンプンを使うことが推奨されるのである。
【0020】最後に、クレブシエラ菌(Klebsiella oxy
toca)より得たCGTアーゼ遺伝子を用いてキメラ遺伝子
を構築し、そのトランスジェニックジャガイモの塊茎で
直接シクロデキストリンを作る試みも記載されている。
事実ジャガイモの塊茎で少量のシクロデキストリンを作
るのは可能であることが証明されている。塊茎からの抽
出はシクロデキストリンを結合するがデンプンは結合し
ないC18セパックカラムを用いて行った。
【0021】米国特許第4,477,568号は、ほかのことの
間で、多種多様な作物、たとえば、トウモロコシ、小
麦、サトウモロコシ、ジャガイモ、タピオカ、サゴおよ
び米から分画されたアミロペクチンデンプンの使用につ
いて述べている。
【0022】しかしながら、上述の理由によってデンプ
ンの分画方法は一般には受け入れられていないので、記
載されているような不都合を持たないシクロデキストリ
ンの原材料を探し続けている。
【0023】本発明によれば、シクロデキストリン糖転
移酵素を介してアミロペクチンジャガイモデンプンから
シクロデキストリンを生成する方法の原材料には、育種
の結果として、あるいは分子生物学的/遺伝子工学的手
法の結果としてアミロース形成を阻害することによって
得たアミロペクチンジャガイモデンプンを用いる。
【0024】近年、ほとんどアミロースを含まないデン
プンを作るようなジャガイモの遺伝子操作がうまく進ん
でいる。そのようなジャガイモから得たアミロペクチン
ジャガイモデンプンは、天然の作物本来の性質を持って
いるほとんど純粋なアミロペクチンという利点と、主と
して低脂質と低タンパクというジャガイモデンプンの利
点とを兼ね備えている。
【0025】アンチ−センス技術あるいはコサプレッシ
ョン(cosuppression)によってアミロース形成を阻害
したジャガイモから、アミロペクチンジャガイモデンプ
ンは最もよく得られる。これら2つの技術は、当業界で
よく知られたものであり、更なる説明は必要ではない。
しかしながら、他にジャガイモ苗の突然変異に基づく方
法のようなアミロース合成を抑制する分子生物学的手法
がある。
【0026】アミロペクチンデンプンの元となるような
ジャガイモは当面、アミロペクチン含量が重量比で90%
を超えるようなアミロペクチンデンプンを供給するが、
好ましくは95%以上である。発明に基づく方法について
は、98%以上のアミロペクチンを含むアミロペクチンジ
ャガイモデンプンがとりわけ好ましい。
【0027】デンプンのアミロース含量とアミロペクチ
ン含量の測定は、J.H.M.ホーベンカンプ−ハームリン
ク、J.N.デブリース、F.アダムス、E.ヤコブセン、W.ウ
ィゾルト、およびフィーンストラ “少量のジャガイモ
塊茎と葉におけるアミロースアミロペクチン比の迅速測
定”ポテト リサーチ(1988年)、241-246ページに基づ
いて行う。
【0028】シクロデキストリン糖転移酵素(EC No.2.
4.1.19)は、この酵素を産生する微生物を培養し、発酵
培養液から酵素を抽出することにより生産する。B. mac
eransはそのような微生物の一例である。
【0029】シクロデキストリンは内部空洞を持つため
に、様々な小分子やモノマーと共に包接化合物あるいは
包接複合体を形成する。このような複合体形成は、ファ
ンデルワールス力と共に、シクロデキストリン環の非極
性の内部と非極性ゲスト分子との疎水性の相互作用を介
して進むと見なされるかも知れない。シクロデキストリ
ン内部でのこの包接の結果として、ゲスト分子の化学
的、物理的性質はゲスト分子に特定の修正が行われると
いう程度には変化する。
【0030】シクロデキストリンと共に複合体形成をす
ることの有利な効果は以下のとおりである。 1. 光や酸素に敏感な物質の安定化 2. ゲスト分子の化学的反応性の修飾 a) 反応性の物質が包接によって保護され、他の物質と
安全に混合できる; b) 官能基の包接を介して反応の選択性に影響を与える
ことができる; c) 反応を刺激したり、抑制したりすることができる。 3. 揮発性物質の固定 a) とりわけ毒性物質で保存と操作が容易になる; b) 気化損失が減るので少量の揮発性物質で事足りる; c) 芳香物質や生理活性物質をうまく調薬できる。 4. ゲスト分子の適用に関連した特性の修飾 a) 水に溶けにくい物質がシクロデキストリンを加える
と容易に溶けるようになり、容易に乳状にできるように
なる; b) 粉状の凍結乾燥したシクロデキストリンは微細に分
散し、複合体を作っていない溶解性の低いゲスト分子よ
りも容易に溶けるようになる。 c) 吸収スペクトラムが包接で普通に変わるので色素が
覆い隠され、物質の色合いが変化する; d) 物質の不愉快な味が抑えられうる。
【0031】生産コストが軽減できれば、とりわけ食品
業界でシクロデキストリンの使用について将来的な増加
が期待できる。
【0032】発明に基づいたアミロペクチンジャガイモ
デンプンは、機械的に、熱を使って、化学的におよび/
もしくは酵素的に処理しないこともあれば、前処理する
こともある。このような前処理によって液化でき、デン
プンの溶解性を改善する。
【0033】機械的な前処理では高速撹拌によってアミ
ロペクチンジャガイモデンプンを液化する。デンプンは
約155℃までの熱でも処理する。化学的な前処理は普通
酸で処理することをいう。好ましくは塩酸である。
【0034】一方、次亜塩素酸ナトリウムのような酸化
剤でもデンプンを前処理する。アミロペクチンジャガイ
モデンプンをα-アミラーゼで処理すると、酵素的な分
解が起きてデンプンは溶け易くなる。
【0035】デンプンエーテル、エステルおよび/もし
くは架橋したデンプン産物を作るための化学的な前処理
も利点のために用いられる。
【0036】プルラナーゼ(EC 3.2.1.41)やイソアミラ
ーゼ(EC 3.2.1.68)のような脱分枝酵素で処理するとシ
クロテキストリンの収率に有利な効果が得られるのが当
面見出されている。錯化剤の使用も本発明の方法におい
て有利である。
【0037】下記の表1はプルラナーゼの使用および錯
化剤と共にプルラナーゼを使用した場合の収量の増加を
示す。デンプン懸濁液は100℃で前処理し、その後環化
反応は25℃で行う。
【0038】
【表1】
【0039】以下のことは何故アミロースのないジャガ
イモデンプンから高い収率でシクロデキストリンが得ら
れるのかを説明するのかも知れない。
【0040】脱分枝酵素としてのイソアミラーゼやプル
ラナーゼを使用することによりDP60とDP18で鎖長の断片
を作る。以下の表2はイソアミラーゼを用いて脱分枝し
た異なったアミロペクチンのDP分布を示す。
【0041】
【表2】
【0042】小断片分画はジャガイモデンプンが最も低
い(M.T.カリシェブスキー、P.D.オーフォードおよびS.
G.リング、“多様な植物を元にしたアミロペクチンの老
化現象とゼラチン”、炭水化物リサーチ198(1990年)4
9-55)。シクロデキストリンの収量が最も高いのはDE≦
2(F.C.アームブラスター及びE.R.クール、シクロデキ
ストリンの製造、米国特許第3,425,910号)の
デンプンから得た場合である。
【0043】トランスジェニックジャガイモのアミロペ
クチンデンプンを用いて得たシクロデキストリンの収量
は、モチトウモロコシデンプンとの反応混合物から得た
収量よりも高い(J. W. シーおよびA.ヘッジ、PCT出願
WO93/10255(1993年))。考えられる解釈は、重合度の
高いデキストリンはDP60の分画1の割合が高いというこ
とである。
【0044】重合度(DP)50以上のアミロペクチンジャガ
イモデンプンを使うのは特に有利であることが判ってい
る。下記の表3に見られるように、シクロデキストリン
の収率は原材料として用いたデンプンのDPの増加に伴っ
て増加する。
【0045】
【表3】
【0046】純度の高いジャガイモデンプン(低脂質お
よび低タンパク)は、たとえば伝播性が改良されること
からも明らかなように、反応混合物からシクロデキスト
リンを単離する上で有利である。市販のデンプンの脂質
含量とタンパク含量を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
【実施例】トランスジェニックジャガイモから得たアミ
ロースを含まないジャガイモデンプン100gを1リットル
の水に懸濁し、30分以内に100℃に暖めてゼラチン化さ
せる。25℃に冷ました後、16.5 mlのプルラナーゼ懸濁
液(45U/ml)、あるいは0.5 mlのイソアミラーゼ懸濁液(5
330000U/ml)を加える。 プルラナーゼ:(NH4)2SO4溶液に懸濁。1単位は、pH
5.0かつ25℃下1分当りプルランからマルトトリオ
ース1μmolを遊離させる。 イソアミラーゼ:2.0M (NH4)2SO4溶液に懸濁。1単
位は、後述により調整された溶液Aにおいて室温15分の
後にA610を0.1増加させるものである。 溶液A:1%溶解性米デンプン0.5ml、0.5M酢
酸塩緩衝液(pH3.5)0.1mlおよび酵素溶液
0.1mlの混合物を40℃、1時間加温した後、この混
合物から分取した0.5mlを0.01Mヨウ素/KI
溶液0.5mlと混合し、水で12.5mlに希釈す
る。ジャガイモデンプンと上記酵素懸濁液との混合物を
3時間撹拌する。10mgのシクロデキストリン糖転移酵素
および錯化剤としてのシクロデカノンを加える。この反
応混合物を10日間撹拌する。プルラナーゼを用いた場
合、92.8%の収率でシクロデキストリンが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウルリッヒ・スティフテル オーストリア国、アー−3400 クロステル ノイブルク、ペーター−ロゼゲル−ガッセ 32

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロデキストリン糖転移酵素(EC No.
    2.4.1.19)との反応を介したアミロペクチンジャガイ
    モデンプンからシクロデキストリンを生成する方法にお
    いて、デンプン原材料としてアミロペクチンジャガイモ
    デンプンを用い、育種あるいは遺伝子工学あるいはその
    ほかの分子生物学的手法でアミロース形成を阻害したジ
    ャガイモからアミロペクチンジャガイモデンプンを得る
    ことを特徴とするシクロデキストリンの生成方法。
  2. 【請求項2】 アンチ-センス技術を用いることによっ
    てアミロース形成を阻害したジャガイモから得たアミロ
    ペクチンジャガイモデンプンを用いることを特徴とする
    請求項1に記載のシクロデキストリンの生成方法。
  3. 【請求項3】 コサプレッション(cosuppression)を
    用いることによりアミロース形成を阻害したジャガイモ
    から得たアミロペクチンジャガイモデンプンを用いるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシクロデキストリンの
    生成方法。
  4. 【請求項4】 アミロペクチン含量が少なくとも95%、
    好ましくは少なくとも98%のアミロペクチンジャガイモ
    デンプンを用いることを特徴とする請求項1〜3の何れ
    か1項に記載のシクロデキストリンの生成方法。
  5. 【請求項5】 機械的におよび/または熱を加えて、お
    よび/または化学的におよび/または酵素的に前処理し
    たアミロペクチンジャガイモデンプンを用いることを特
    徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のシクロデキス
    トリンの生成方法。
  6. 【請求項6】 高速撹拌で機械的にアミロペクチンジャ
    ガイモデンプンを液化することを特徴とする請求項5に
    記載のシクロデキストリンの生成方法。
  7. 【請求項7】 約155℃で熱処理したアミロペクチンジ
    ャガイモデンプンを用いることを特徴とする請求項5に
    記載のシクロデキストリンの生成方法。
  8. 【請求項8】 酸、好ましくは塩酸で処理したアミロペ
    クチンジャガイモデンプンを用いることを特徴とする請
    求項5に記載のシクロデキストリンの生成方法。
  9. 【請求項9】 酸化剤、好ましくは次亜塩素酸ナトリウ
    ムで処理したアミロペクチンジャガイモデンプンを用い
    ることを特徴とする請求項5に記載のシクロデキストリ
    ンの生成方法。
  10. 【請求項10】 α-アミラーゼで処理したアミロペク
    チンジャガイモデンプンを用いることを特徴とする請求
    項5に記載のシクロデキストリンの生成方法。
  11. 【請求項11】 エーテル化、エステル化および/もし
    くは架橋したアミロペクチンジャガイモデンプンを用い
    ることを特徴とする請求項5に記載のシクロデキストリ
    ンの生成方法。
  12. 【請求項12】 脱分枝酵素で処理したアミロペクチン
    ジャガイモデンプンを用いることを特徴とする請求項5
    に記載のシクロデキストリンの生成方法。
  13. 【請求項13】 イソアミラーゼ(EC 3.2.1.68)もし
    くはプルラナーゼ(EC3.2.1.41)で処理したアミロペクチ
    ンジャガイモデンプンを用いることを特徴とする請求項
    12に記載のシクロデキストリンの生成方法。
  14. 【請求項14】 DPが50以上のアミロペクチンジャガイ
    モデンプンを用いることを特徴とする請求項1〜13の
    何れか1項に記載のシクロデキストリンの生成方法。
  15. 【請求項15】 CGTアーゼによるデンプンの変換はシ
    クロデキストリンに対する錯化剤の存在下で行うことを
    特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載のシクロ
    デキストリンの生成方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15の何れか1項に記載の
    シクロデキストリンの生成方法に従った、デンプンのCG
    Tアーゼ処理を介したシクロデキストリン生成のための
    原材料としてのアミロペクチンジャガイモデンプンの使
    用。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15の何れか1項に記載の
    シクロデキストリンの生成方法により生成されるシクロ
    デキストリン。
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