JP2782077B2 - サイクロデキストリンの製造方法 - Google Patents
サイクロデキストリンの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、医薬、農薬、食品工業などの分野で不安定
な物質を安定化、不溶性物質の可溶化などに利用されて
いるサイクロデキストリンの製造方法に関する。
な物質を安定化、不溶性物質の可溶化などに利用されて
いるサイクロデキストリンの製造方法に関する。
サイクロデキストリンとは、澱粉の糊液もしくは液化
液に各種微生物の生産するサイクロデキストリン生成酵
素を作用させることによって得られる、グルコース分子
が6個以上α−1,4−グルコシド結合した環状多糖であ
る。
液に各種微生物の生産するサイクロデキストリン生成酵
素を作用させることによって得られる、グルコース分子
が6個以上α−1,4−グルコシド結合した環状多糖であ
る。
これまでにグルコース単位6個のα−サイクロデキス
トリン、7個のβ−サイクロデキストリン、8個のγ−
サイクロデキストリン、9個のδ−サイクロデキストリ
ンおよびグルコースまたはそれ以上のα−1,4グルカン
が環についた分岐サイクロデキストリンが知られてい
る。
トリン、7個のβ−サイクロデキストリン、8個のγ−
サイクロデキストリン、9個のδ−サイクロデキストリ
ンおよびグルコースまたはそれ以上のα−1,4グルカン
が環についた分岐サイクロデキストリンが知られてい
る。
ここで、従来のサイクロデキストリンの製造方法にお
いては、澱粉を予め加熱糊化もしくは酸や澱粉加水分解
酵素(例えば液化型のα−アミラーゼ等)と澱粉の混合
物を加熱・液化した澱粉溶液を使用する為、前者におい
ては5%W/V以上では高粘度となる為酵素の均一な分散
が難しく、後者においてはサイクロデキストリンの収率
を上げる為に液化液のD.E.(Dextrose Equivalent)を1
5以下、好ましくは5〜10とする軽度の液化液を用いる
こと(特公昭46−2380号)が提示されている。また、澱
粉にサイクロデキストリン生成酵素を作用させて液化処
理することにより、液化液のD.E.を上昇させることなく
低粘度液化液を得、かつサイクロデキストリンの収率の
よい方法が出され(特開昭52−25043号)、20%W/V以上
における高濃度基質条件下でのサイクロデキストリンの
製造法が発表されている。
いては、澱粉を予め加熱糊化もしくは酸や澱粉加水分解
酵素(例えば液化型のα−アミラーゼ等)と澱粉の混合
物を加熱・液化した澱粉溶液を使用する為、前者におい
ては5%W/V以上では高粘度となる為酵素の均一な分散
が難しく、後者においてはサイクロデキストリンの収率
を上げる為に液化液のD.E.(Dextrose Equivalent)を1
5以下、好ましくは5〜10とする軽度の液化液を用いる
こと(特公昭46−2380号)が提示されている。また、澱
粉にサイクロデキストリン生成酵素を作用させて液化処
理することにより、液化液のD.E.を上昇させることなく
低粘度液化液を得、かつサイクロデキストリンの収率の
よい方法が出され(特開昭52−25043号)、20%W/V以上
における高濃度基質条件下でのサイクロデキストリンの
製造法が発表されている。
しかしながら、従来の特公昭46−2380号公報記載の方
法及び特開昭52−25043号公報記載の方法いずれにおい
ても、澱粉の糊液もしくは液化液にサイクロデキストリ
ン生成酵素を作用させてサイクロデキストリンを製造す
る反応条件において最大のサイクロデキストリン生成量
を与える反応時間は20〜48時間と非常に長いものであっ
た。
法及び特開昭52−25043号公報記載の方法いずれにおい
ても、澱粉の糊液もしくは液化液にサイクロデキストリ
ン生成酵素を作用させてサイクロデキストリンを製造す
る反応条件において最大のサイクロデキストリン生成量
を与える反応時間は20〜48時間と非常に長いものであっ
た。
そこで、本発明は、従来の方法に比し短時間にかつ効
率よくサイクロデキストリンを製造せしめる方法を新た
に提供することを目的とする。
率よくサイクロデキストリンを製造せしめる方法を新た
に提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は澱粉にサイクロデ
キストリン生成酵素を作用させてサイクロデキストリン
を製造する方法であって、膨潤状態の澱粉にサイクロデ
キストリン生成酵素を作用させて成るサイクロデキスト
リンの製造方法を提供することにある。そして、上記澱
粉としては未化工澱粉又は化工澱粉が用いられ、更に化
工澱粉としては架橋澱粉がそれぞれ用いられる。
キストリン生成酵素を作用させてサイクロデキストリン
を製造する方法であって、膨潤状態の澱粉にサイクロデ
キストリン生成酵素を作用させて成るサイクロデキスト
リンの製造方法を提供することにある。そして、上記澱
粉としては未化工澱粉又は化工澱粉が用いられ、更に化
工澱粉としては架橋澱粉がそれぞれ用いられる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
<膨潤状態について> 本発明においては、澱粉溶液を温水、熱水又は水蒸気
によって間接的にもしくは直接的に加熱することによっ
て膨潤状態にしたもの、もしくは水酸化ナトリウム等に
代表されるアルカリ溶液を添加することによって膨潤状
態にしたものが用いられる。しかしながら、本発明にお
いてはいずれの方法に限定されるものではない。
によって間接的にもしくは直接的に加熱することによっ
て膨潤状態にしたもの、もしくは水酸化ナトリウム等に
代表されるアルカリ溶液を添加することによって膨潤状
態にしたものが用いられる。しかしながら、本発明にお
いてはいずれの方法に限定されるものではない。
ここで述べる膨潤状態とは、澱粉の粒構造が破壊され
ておらず、なおかつ偏光顕微鏡観察下においてその粒の
偏光十字が消失している状態をさしている。
ておらず、なおかつ偏光顕微鏡観察下においてその粒の
偏光十字が消失している状態をさしている。
本発明において、膨潤処理条件は使用する澱粉の種類
や糊化開始温度によって異なってくるが未化工澱粉にお
いては通常、任意の濃度において、pH6〜8、50〜70
℃、1〜30分の加熱処理を行うことによって達成され
る。
や糊化開始温度によって異なってくるが未化工澱粉にお
いては通常、任意の濃度において、pH6〜8、50〜70
℃、1〜30分の加熱処理を行うことによって達成され
る。
化工澱粉においては、原料とした未化工澱粉の糊化開
始温度より糊化開始温度が低いものは膨潤処理温度を低
下させ、逆に原料の未化工澱粉より糊化開始温度が高く
なるものは処理温度を上昇させることによって容易に膨
潤状態の澱粉を得ることが可能である。
始温度より糊化開始温度が低いものは膨潤処理温度を低
下させ、逆に原料の未化工澱粉より糊化開始温度が高く
なるものは処理温度を上昇させることによって容易に膨
潤状態の澱粉を得ることが可能である。
ここでいう澱粉の糊化開始温度とは、8%W/V澱粉溶
液のブラベンダーアミログラフの立ち上がり時の温度
(℃)と一致するものである。
液のブラベンダーアミログラフの立ち上がり時の温度
(℃)と一致するものである。
本発明において、使用する澱粉としては未化工及び化
工澱粉を挙げることができる。未化工澱粉の一例をあげ
れば、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉などの
地上澱粉、及びバレイショ澱粉、タピオカ澱粉、カンシ
ョ澱粉などの地下澱粉を挙げることができ、化工澱粉に
おいては鉱酸によって処理された酸処理澱粉、次亜塩素
酸ナトリウムに代表される酸化剤によって処理された酸
化澱粉、過ヨウ素酸を反応させたジアルデヒド澱粉、酢
酸、無水酢酸に代表される試薬で処理されたエステル化
澱粉である酢酸澱粉、モノクロール酢酸を反応させたカ
ルボキシメチル澱粉、オキシ塩化リン、無水リン酸、ト
リメタリン酸塩に代表される試薬で処理されたリン酸澱
粉、無機酸の作用によって得られる澱粉無機酸エステ
ル、エチレンオキシドで代表されるアルキレンオキシド
との反応によって得られるエーテル化澱粉であるヒドロ
キシエチル澱粉、2−ジエチルアミルエチルクロリドで
代表される試薬を用いたカチオン澱粉、エピクロルヒド
リンで代表される架橋剤を用いた架橋澱粉、ハロゲン化
アルキルで処理されたアルキルエーテル化澱粉、α−ア
ミラーゼに代表される酵素によって処理された酵素変性
澱粉等を挙げることができる。[澱粉科学ハンドブッ
ク、二國二郎監修、中村道徳、鈴木繁男編集、朝倉書
店、1977年] サイクロデキストリン生成酵素としては既知のものが
任意に使用でき、例えばバチルス・マセランス、バチル
ス・ステアロサーモフィラス、アルカリ性バチルス属♯
1011(微工研菌寄第8685号)の生産する酵素が知られて
いる。
工澱粉を挙げることができる。未化工澱粉の一例をあげ
れば、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、コメ澱粉などの
地上澱粉、及びバレイショ澱粉、タピオカ澱粉、カンシ
ョ澱粉などの地下澱粉を挙げることができ、化工澱粉に
おいては鉱酸によって処理された酸処理澱粉、次亜塩素
酸ナトリウムに代表される酸化剤によって処理された酸
化澱粉、過ヨウ素酸を反応させたジアルデヒド澱粉、酢
酸、無水酢酸に代表される試薬で処理されたエステル化
澱粉である酢酸澱粉、モノクロール酢酸を反応させたカ
ルボキシメチル澱粉、オキシ塩化リン、無水リン酸、ト
リメタリン酸塩に代表される試薬で処理されたリン酸澱
粉、無機酸の作用によって得られる澱粉無機酸エステ
ル、エチレンオキシドで代表されるアルキレンオキシド
との反応によって得られるエーテル化澱粉であるヒドロ
キシエチル澱粉、2−ジエチルアミルエチルクロリドで
代表される試薬を用いたカチオン澱粉、エピクロルヒド
リンで代表される架橋剤を用いた架橋澱粉、ハロゲン化
アルキルで処理されたアルキルエーテル化澱粉、α−ア
ミラーゼに代表される酵素によって処理された酵素変性
澱粉等を挙げることができる。[澱粉科学ハンドブッ
ク、二國二郎監修、中村道徳、鈴木繁男編集、朝倉書
店、1977年] サイクロデキストリン生成酵素としては既知のものが
任意に使用でき、例えばバチルス・マセランス、バチル
ス・ステアロサーモフィラス、アルカリ性バチルス属♯
1011(微工研菌寄第8685号)の生産する酵素が知られて
いる。
本発明においてサイクロデキストリンの生成量は基質
濃度、酵素の添加量、反応のpH、温度、時間等の影響を
うけるので目的に応じて最大のサイクロデキストリン生
成量となるように適当な反応条件を選定すべきである。
濃度、酵素の添加量、反応のpH、温度、時間等の影響を
うけるので目的に応じて最大のサイクロデキストリン生
成量となるように適当な反応条件を選定すべきである。
本発明においては通常、1〜20%W/V、pH5〜10、40〜
60℃でサイクロデキストリン生成酵素を適宜添加してい
る。
60℃でサイクロデキストリン生成酵素を適宜添加してい
る。
未化工澱粉、化工澱粉、又は、架橋剤を用いた化工澱
粉としての澱粉を溶かした溶液を温水、熱水、又は、水
蒸気によって間接的にもしくは直接的に加熱、あるい
は、水酸化ナトリウム等に代表されるアルカリ溶液を添
加すれば、前者の場合澱粉の結晶では、グルコース残基
の水酸基間の水素結合によってミセルを形成している
が、ミセル部分の水素結合が不安定となり、ミセル間隙
に水の浸入が可能となり、多量に水を取り込んで数十倍
に膨潤し、後者の場合もOH-イオンの作用でミセル部分
の水素結合が不安定となり、ミセル間隙に水の浸入が可
能となり、多量にアルカリ溶液を取り込んで数十倍に膨
潤する。この状態を膨潤状態といい、澱粉の結晶構造は
破壊されるが、微粒構造は残り、偏光顕微鏡下の観察で
偏光十字が消失していること、ブラベンダーアミログラ
フにおける粘度の若干の上昇によっても確かめられる。
粉としての澱粉を溶かした溶液を温水、熱水、又は、水
蒸気によって間接的にもしくは直接的に加熱、あるい
は、水酸化ナトリウム等に代表されるアルカリ溶液を添
加すれば、前者の場合澱粉の結晶では、グルコース残基
の水酸基間の水素結合によってミセルを形成している
が、ミセル部分の水素結合が不安定となり、ミセル間隙
に水の浸入が可能となり、多量に水を取り込んで数十倍
に膨潤し、後者の場合もOH-イオンの作用でミセル部分
の水素結合が不安定となり、ミセル間隙に水の浸入が可
能となり、多量にアルカリ溶液を取り込んで数十倍に膨
潤する。この状態を膨潤状態といい、澱粉の結晶構造は
破壊されるが、微粒構造は残り、偏光顕微鏡下の観察で
偏光十字が消失していること、ブラベンダーアミログラ
フにおける粘度の若干の上昇によっても確かめられる。
こうして得られた膨潤状態の未化工澱粉、化工澱粉、
又は、架橋剤を用いた化工澱粉にバチルス・ステアロサ
ーモフィラスやアルカリ性バチルス属sp.♯1011(微工
研菌寄第8685号)によって代表される微生物が生産する
サイクロデキストリン生成酵素を従来の技術にない膨潤
状態の澱粉に作用させるため、サイクロデキストリン生
成酵素が、前記膨潤状態の澱粉の物性により、また、サ
イクロデキストリン生成酵素に対する基質としての反応
性が増大することによりサイクロデキストリンが短時間
に生成する。
又は、架橋剤を用いた化工澱粉にバチルス・ステアロサ
ーモフィラスやアルカリ性バチルス属sp.♯1011(微工
研菌寄第8685号)によって代表される微生物が生産する
サイクロデキストリン生成酵素を従来の技術にない膨潤
状態の澱粉に作用させるため、サイクロデキストリン生
成酵素が、前記膨潤状態の澱粉の物性により、また、サ
イクロデキストリン生成酵素に対する基質としての反応
性が増大することによりサイクロデキストリンが短時間
に生成する。
本発明により、医薬、農薬、食品工業などの分野での
不安定な物質の安定化、不溶性物質の可溶化などに利用
されているサイクロデキストリンを従来の方法に比べ反
応時間を1/4〜1/12に短縮せしめて製造する方法が確立
された。
不安定な物質の安定化、不溶性物質の可溶化などに利用
されているサイクロデキストリンを従来の方法に比べ反
応時間を1/4〜1/12に短縮せしめて製造する方法が確立
された。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。但し、
本発明はこの実施例により限定されるものでない。
本発明はこの実施例により限定されるものでない。
実施例1 A.膨潤状態の澱粉の調製 2%W/Vトウモロコシ澱粉(王子コーンスターチ社
製、pH7、糊化開始温度70℃)溶液を撹拌下室温から70
℃まで5分間で加温し、70℃到達後即50℃に冷却した。
得られた澱粉粒の殆んどが膨潤状態であった。
製、pH7、糊化開始温度70℃)溶液を撹拌下室温から70
℃まで5分間で加温し、70℃到達後即50℃に冷却した。
得られた澱粉粒の殆んどが膨潤状態であった。
B.サイクロデキストリン生成酵素の調製 アルカリ性バチルス属♯1011(微工研菌寄第8685号)
をポリペプトン1.0%、酵母エキス0.5%、可溶性澱粉1.
5%、K2HPO40.1%、MgSO4・7H2O0.02%、Na2CO31%を含
む培地で37℃、48時間好気的に培養し、菌体及び不溶物
を遠心分離して除いた上清液に30%濃度になるよう硫安
を加え、更に澱粉を加えてサイクロデキストリン生成酵
素を澱粉に吸着させた。この澱粉に吸着した酵素をpH6
の50mM酢酸緩衝液にて37℃、1時間撹拌することによっ
て溶出させる。溶出した酵素を限外ロ過膜装置(アミコ
ン社製)にて濃縮し、10000単位/mlの粗酵素液を得た。
をポリペプトン1.0%、酵母エキス0.5%、可溶性澱粉1.
5%、K2HPO40.1%、MgSO4・7H2O0.02%、Na2CO31%を含
む培地で37℃、48時間好気的に培養し、菌体及び不溶物
を遠心分離して除いた上清液に30%濃度になるよう硫安
を加え、更に澱粉を加えてサイクロデキストリン生成酵
素を澱粉に吸着させた。この澱粉に吸着した酵素をpH6
の50mM酢酸緩衝液にて37℃、1時間撹拌することによっ
て溶出させる。溶出した酵素を限外ロ過膜装置(アミコ
ン社製)にて濃縮し、10000単位/mlの粗酵素液を得た。
ここで1単位とは下記の酵素反応条件下で1mgのCDを
生成するのに必要な酵素量とした。
生成するのに必要な酵素量とした。
2%の可溶性澱粉2mlに対して酵素液0.1ml添加し、pH
7、50℃、30分間反応によって生じたCDの量を公知の方
法、例えばグルコアミラーゼ処理後高速液体クロマトグ
ラフィーによる方法にて定量する。
7、50℃、30分間反応によって生じたCDの量を公知の方
法、例えばグルコアミラーゼ処理後高速液体クロマトグ
ラフィーによる方法にて定量する。
Aで調製した膨潤状態の澱粉溶液に、Bにて調製した
サイクロデキストリン生成酵素を澱粉1g当り160単位添
加した。経時的に反応液を採取し、沸騰水浴中10分間保
持してサイクロデキストリン生成酵素を失活させた後、
グルコアミラーゼ(フナコシ薬品)で処理し、反応液中
のサイクロデキストリン生成量を高速液体クロマトグラ
フ法により測定した。
サイクロデキストリン生成酵素を澱粉1g当り160単位添
加した。経時的に反応液を採取し、沸騰水浴中10分間保
持してサイクロデキストリン生成酵素を失活させた後、
グルコアミラーゼ(フナコシ薬品)で処理し、反応液中
のサイクロデキストリン生成量を高速液体クロマトグラ
フ法により測定した。
比較例1 未膨潤状態の澱粉、すなわち生トウモロコシ澱粉の2
%W/V溶液(pH7)を50℃で上記条件でサイクロデキスト
リン生成酵素を同量添加した場合のサイクロデキストリ
ン生成量を測定した。
%W/V溶液(pH7)を50℃で上記条件でサイクロデキスト
リン生成酵素を同量添加した場合のサイクロデキストリ
ン生成量を測定した。
比較例2 糊化状態の澱粉、すなわち生トウモロコシ澱粉の2%
W/V溶液(pH7)を100℃、15分加熱糊化し、50℃に冷却
後実施例1と同様にサイクロデキストリン生成酵素を作
用させ、生成したサイクロデキストリンの量を測定し
た。その結果を第1表に示した。
W/V溶液(pH7)を100℃、15分加熱糊化し、50℃に冷却
後実施例1と同様にサイクロデキストリン生成酵素を作
用させ、生成したサイクロデキストリンの量を測定し
た。その結果を第1表に示した。
このように本実施例において、未膨潤状態の澱粉に比
べ反応効率も高く、反応時間も1/16と短く、糊化状態の
澱粉に比べ反応時間が1/8も短縮できることが判明し
た。
べ反応効率も高く、反応時間も1/16と短く、糊化状態の
澱粉に比べ反応時間が1/8も短縮できることが判明し
た。
実施例2 A.膨潤状態の澱粉の調整 酢酸エステル化トウモロコシ澱粉(王子ナショナル社
製、糊化開始温度、66℃)の10%W/V溶液(pH7)を撹拌
下室温から62℃まで5分間で加温し、62℃到達後即50℃
に冷却した。得られた澱粉粒のほとんどが膨潤状態であ
った。
製、糊化開始温度、66℃)の10%W/V溶液(pH7)を撹拌
下室温から62℃まで5分間で加温し、62℃到達後即50℃
に冷却した。得られた澱粉粒のほとんどが膨潤状態であ
った。
また、トウモロコシ澱粉を原料として架橋剤としてエ
ピクロルヒドリンを0.3%添加し、公知の方法に従って
架橋化反応を行った。得られた架橋澱粉の架橋度は無水
グルコース単位100単位当り0.2であった。この架橋澱粉
の10%W/V溶液(pH7)を撹拌下室温から90℃まで5分間
で加温し、90℃到達後その温度で5分間保持した。その
後50℃に冷却し、澱粉粒を観察したところ殆んど偏光十
字は見られず粒構造も保持していた。
ピクロルヒドリンを0.3%添加し、公知の方法に従って
架橋化反応を行った。得られた架橋澱粉の架橋度は無水
グルコース単位100単位当り0.2であった。この架橋澱粉
の10%W/V溶液(pH7)を撹拌下室温から90℃まで5分間
で加温し、90℃到達後その温度で5分間保持した。その
後50℃に冷却し、澱粉粒を観察したところ殆んど偏光十
字は見られず粒構造も保持していた。
B.サイクロデキストリン生成酵素の調製 実施例1.Bで調製したサイクロデキストリン生成酵素
を使用した。
を使用した。
Aで調製した膨潤状態の酢酸エステル化トウモロコシ
澱粉及びエピクロルヒドリン架橋トウモロコシ澱粉溶液
に、サイクロデキストリン生成酵素を澱粉1g当り160単
位添加した。
澱粉及びエピクロルヒドリン架橋トウモロコシ澱粉溶液
に、サイクロデキストリン生成酵素を澱粉1g当り160単
位添加した。
実施例1と同様に経時的に反応液を採取し、グルコア
ミラーゼ処理後、サイクロデキストリン生成量を測定し
た。
ミラーゼ処理後、サイクロデキストリン生成量を測定し
た。
比較例3 可溶性澱粉(メルク社製)の10%W/V溶液(pH7)を10
0℃、15分間加熱糊化させ、50℃に冷却後、上記条件と
同じようにサイクロデキストリン生成酵素を作成させ、
生成したサイクロデキストリン量を測定した。結果を第
2表に示した。
0℃、15分間加熱糊化させ、50℃に冷却後、上記条件と
同じようにサイクロデキストリン生成酵素を作成させ、
生成したサイクロデキストリン量を測定した。結果を第
2表に示した。
このように本実施例において、従来に比べサイクロデ
キストリン生産量が大巾に増大しかつ反応時間が1/6〜1
/8の短縮ができることが判明した。
キストリン生産量が大巾に増大しかつ反応時間が1/6〜1
/8の短縮ができることが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 紀子 千葉県市原市八幡海岸通9番地 王子コ ーンスターチ株式会社中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 19/18 CA(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】澱粉にサイクロデキストリン生成酵素を作
用させてサイクロデキストリンを製造する方法におい
て、膨潤状態の澱粉にサイクロデキストリン生成酵素を
作用させることを特徴としたサイクロデキストリンの製
造方法。 - 【請求項2】澱粉が未化工又は化工澱粉であることを特
徴とした請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】化工澱粉が架橋澱粉であることを特徴とし
た請求項2記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4513889A JP2782077B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | サイクロデキストリンの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4513889A JP2782077B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | サイクロデキストリンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02227088A JPH02227088A (ja) | 1990-09-10 |
JP2782077B2 true JP2782077B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=12710923
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4513889A Expired - Fee Related JP2782077B2 (ja) | 1989-02-28 | 1989-02-28 | サイクロデキストリンの製造方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2782077B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2913017B2 (ja) * | 1996-03-28 | 1999-06-28 | 農林水産省食品総合研究所長 | 澱粉粒からのサイクロデキストリン類の製造方法 |
-
1989
- 1989-02-28 JP JP4513889A patent/JP2782077B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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