JP4821327B2 - 発汗判定装置および発汗状態を判定するための方法 - Google Patents

発汗判定装置および発汗状態を判定するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両内の乗員が発汗しているかどうかを判定する発汗判定装置および発汗判定方法に関する。
従来、赤外線温度センサを用いて車室内の乗員の皮膚の表面温度を非接触で検出するとともに、検出された皮膚の表面温度を用いて車室内の空調制御を行うといったことが行われていた。
また、乗員の皮膚の表面温度を用いて空調制御を行う場合には、皮膚の表面温度を正確に検出する必要がある。
しかしながら、車室内の温度が同じであったとしても、乗員が発汗しているか否かによって検出される皮膚の表面温度が異なる場合がある。
このため、検出された皮膚の表面温度を用いて車室内に吹き出す空気の温度を制御する場合には、乗員の発汗状態によって正確に車室内の空気温度を制御することができないことがあった。
そこで特許文献1に記載の空調制御装置では、乗員が車両内に乗り込んだ直後は、乗員が発汗しているか否かの影響を受けにくい衣服などの表面温度を検出して空調制御を行い、乗員が車両に乗り込んでから所定時間が経過した後は、顔の表面温度を検出して空調制御を行う構成が記載されている。
これにより、たとえば夏など、汗をかいたまま車両に乗員が乗り込んだ場合であっても、発汗状態の影響を受けずに車両内の温度を制御しようとするものである。
特開2005−112189号公報
しかしながら、従来の空調制御装置においては、乗員の発汗状態を直接検出しているわけではないため、たとえば日射の影響により乗車中に乗員が発汗した場合には、空調制御に用いる皮膚の表面温度が発汗の影響を受けるために正確に車両内の温度を制御することができない。
このように、特に車両の空調制御において、乗員の発汗状態を検出することは重要であるにもかかわらず、直接乗員の発汗判定が行われていないといった問題があった。
そこで本発明はこのような問題点に鑑み、車両内の乗員の発汗判定を行う発汗判定装置を提供することを目的とする。
本発明は、表面温度検出手によって乗員の皮膚の表面温度を非接触で検出し、発汗判定手段が、表面温度検出手段によって検出された乗員の皮膚温度の変化率を算出し、該算出した変化率が所定値以上の場合に乗員が発汗状態であるものとして判定するものとした。
本発明によれば、車室内の空気の流れによって乗員の皮膚温度が変化する場合に、乗員の皮膚表面に汗が付着している場合の皮膚の表面温度の変化率が、汗が付着していない場合の表面温度の変化率と比較して大きい事に着目して、表面温度検出手段によって検出された乗員の皮膚温度の変化率にもとづいて発汗状態を判定することにより、乗員の発汗状態そのものを直接判定することができる。
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
まず第1の実施例について説明する。
なお本実施例は、発汗判定装置による乗員の発汗状態の判定結果にもとづいて、車両の空調制御装置が空調制御を行うものである。
図1に、第1の実施例の全体構成を示す。
IRセンサ10とマイクロコンピュータ11とより発汗判定装置1が構成される。
IRセンサ10は、被検温体(車両の乗員)から入射される赤外線を熱に変換する熱変換膜と、この熱変換膜により変換される熱を電力に変換する検出素子と、IRセンサ内の温度を計測するサーミスタとを備えている。
このIRセンサ10は、図2に示すように車両50内のセンターコンソール中央部に取り付けられ、図2、3に示すように、運転席側乗員30の顔領域30Fの表面温度を検出可能となっている。
マイクロコンピュータ11は、IRセンサ10より出力された被検温体(運転席側乗員30)の熱エネルギーに相当する出力値と、そのときのIRセンサ10内の温度とにもとづいて、運転席側乗員30の顔領域30Fの表面温度を算出する。
マイクロコンピュータ11は、検出された運転席側乗員30の顔領域30Fの表面温度の変化率より、運転席側乗員30が発汗しているかどうかを判定する(判定手順の詳細については後述する)。
判定結果は空調制御装置へ出力され、車両内の空気温度の制御に用いられる。
次に、マイクロコンピュータ11で行われる発汗判定処理について説明する。
図4に、発汗判定処理の流れを示し、図5に発汗時と非発汗時の表面温度変化率を示す。
本処理は、車両50の電源がON(イグニッションがON、または空調装置がON)となったときに開始される。
ステップ100において、以降の処理の実行に使用するカウンタやフラグなどを初期化する。
ステップ101において、IRセンサ10から、IRセンサ10が検出した運転席側乗員30の顔領域30F表面の熱エネルギーに相当する出力値を取得し、ステップ102においてIRセンサ10を構成するサーミスタからの温度値を取得する。
この温度値が、顔領域30F表面の熱エネルギーに相当する出力値を温度に変換する際の基準温度となる。
ステップ103において、ステップ101で取得した熱エネルギーに相当する出力値を、ステップ102で取得した基準温度を用いて温度値に変換することによって運転席側乗員30の顔領域30Fの表面温度(以下、顔表面温度TFとも呼ぶ)を算出する。
ステップ104において、ステップ103で算出した顔表面温度TFを用いて所定時間(たとえば、10秒)あたりの顔表面温度変化率ΔTF(ΔTFa、ΔTFb)を算出する。
ステップ105において、ステップ104において算出された顔表面温度変化率ΔTFにもとづいて分岐処理を行う。
この分岐処理は、顔表面温度変化率ΔTFが所定値Th1(たとえば0.5)よりも大きいかどうかを判断するものであり、顔表面温度変化率ΔTFが所定値Th1よりも大きい場合にはステップ106へ進み、そうでない場合にはステップ109へ進む。
なお、この分岐処理に用いる所定値Th1は、車内温度と車外温度との差に応じて可変としてもよく、たとえば、車内温度<車外温度、であって車内温度と車外温度の差が大きければ所定値Th1を大きくしたり、車内温度と車外温度の差が小さければ所定値Th1を小さくしたりすることもできる。
ステップ106において、ステップ105で顔表面温度変化率ΔTFが所定値Th1よりも大きいと判定されているため、運転席側乗員30は発汗状態であると判定する。
ここで、発汗判定の原理について説明する。
乗員の皮膚の温度は、車両内の空気の自然な流れにより変化する。
図5に示すように、乗員が発汗しているときと、発汗していないときとでは、皮膚の表面温度の温度変化率が異なり、発汗しているときには顔表面温度変化率ΔTFbが大きく、発汗していないときには顔表面温度変化率ΔTF1aが小さい。
したがって、運転席側乗員30の皮膚の表面温度変化率ΔTFにもとづいて、運転席側乗員30が発汗しているかどうかを判定することができる。
一方、ステップ105において顔表面温度変化率ΔTFが所定値Th1よりも大きくないと判定された場合、ステップ109において、運転席側乗員30は発汗状態ではないものと判定し、ステップ107へ進む。
ステップ107において、ステップ106または後述のステップ109における判定結果を空調制御装置へ出力する。
ステップ108において、空調装置の電源がOFFとなったかどうかを判断する分岐処理を行い、電源がOFFである場合には処理を終了し、OFFで無い場合には、ステップ101へ戻り上述の処理を繰り返す。
なお本実施例において、ステップ101〜103が本発明における表面温度検出手段を構成し、ステップ104〜106およびステップ109が本発明における発汗判定手段を構成する。
本実施例は以上のように構成され、車室内の自然な空気の流れによって運転席側乗員30が発汗している場合とそうでない場合とで顔表面温度変化率ΔTFが異なることに着目し、IRセンサ10を用いて検出された顔表面温度TFの変化率ΔTFが所定値Th1よりも大きい場合に運転席側乗員30が発汗していると判定し、そうでない場合には発汗していないものと判定することにより、運転席側乗員30の発汗状態をIRセンサ10を用いるだけで容易に判定することができ、また乗員の乗車直後や所定時間経過後などにかかわらず常時、発汗状態の判定を行うことができる。
次に、第2の実施例について説明する。
なお本実施例は、乗員の発汗状態を判定する発汗判定装置を車両の空調制御装置内に組み込んだものであり、より正確に発汗状態を検出することができるものである。
図6に、第2の実施例の全体構成を示す。
IRセンサ10、マイクロコンピュータ11A、吹き出し口位置制御部12、吹き出し風温制御部13、吹き出し風量制御部14、吹き出し風向制御部15より空調制御装置2が構成される。
IRセンサ10は、第1の実施例におけるIRセンサ10と同じ構成、および同じ取り付け位置(図2、3参照)であるため説明を省略する。
マイクロコンピュータ11Aは、IRセンサ10より出力された被検温体(運転席側乗員30)の熱エネルギーに相当する出力値と、そのときのIRセンサ10内の温度とにもとづいて、運転席側乗員30の顔領域30Fの表面温度を算出する。
マイクロコンピュータ11Aは、検出された運転席側乗員30の顔領域30Fの表面温度の変化率より、運転席側乗員30が発汗しているかどうかを判定し、発汗状態に応じて吹き出し口位置制御部12〜吹き出し風向制御部15を制御して空調制御を行う。
吹き出し口位置制御部12は、空調制御装置内に備えられた吹き出し口を決定するモードドア位置を制御し、吹き出し風温制御部13は空調制御装置内に備えられた吹き出し風温を決定するエアミックスダンパ開度を制御する。また吹き出し風量制御部14は、吹き出し風量を決定するブロアモータを制御し、吹き出し風向制御部15は、空調風の吹き出し風向を決定するルーバーを制御する。
ここで図7の(a)に、運転席側乗員30に空調風が当たっていない場合における非発汗時および発汗時の顔表面温度変化率ΔTF2(ΔTF2a、ΔTF2b)を示し、図7の(b)に、空調風が当たっている場合における非発汗時および発汗時の顔表面温度変化率ΔTF1(ΔTF1a、ΔTF1b)を示す。
図7の(a)、(b)に示されるように、運転席側乗員30に空調風が当たっている場合における非発汗時と発汗時の顔表面温度変化率の差(ΔTF1aとΔTF1bの差)は、運転席側乗員30に空調風が当たっていない場合における非発汗時と発汗時の顔表面温度変化率の差(ΔTF2aとΔTF2bの差)よりも大きくなる。
したがって、運転席側乗員30に空調風を当てて表面温度の変化率を検出することにより、IRセンサ10の検出精度にばらつきがあったとしても、運転席側乗員30が発汗しているかどうかを正確に判定することができる。
このためマイクロコンピュータ11Aは、運転席側乗員30に空調風が当たるように吹き出し口位置制御部12、吹き出し風量制御部14、吹き出し風向制御部15に制御信号を出力し、運転席側乗員30に空調風を当てる。
マイクロコンピュータ11Aは、運転席側乗員30に空調風を当てることによって発汗時と非発汗時とで差異が大きくなった顔の表面温度の変化率にもとづいて、運転席側乗員30が発汗しているかどうかの判定を行い、該判定結果にもとづいて車両の空調制御を行う。
次に、マイクロコンピュータ11Aで行われる発汗判定処理について説明する。
図8に、発汗判定処理の流れを示す。
本処理は、車両50の電源がON(イグニッションがON、または空調装置がON)となったときに開始される。
ステップ200において、以降の処理の実行に使用するタイマーやカウンタ、フラグなどを初期化する。
ステップ201において、今回の発汗判定処理が開始された直後であるかどうかについての分岐処理を行う。
発汗判定処理が開始されてから所定時間以内(たとえば、10秒)である場合にはステップ216へ進み、そうでない場合にはステップ202へ進む。
なお、発汗判定処理が開始された直後である場合には、乗員の顔に風を当てて発汗判定を行い易くする制御が行われていないため、ステップ216において乗員の顔に風を当てる制御を行う。
また、この運転席側乗員30の顔に風を当てる制御は所定時間のみ行われる。
一方、発汗判定処理が開始されてから所定時間以上経過し、乗員の顔に顔に風を当てる制御が行われている場合には、ステップ202において乗員が乗り込んだ直後であるかどうかについての分岐処理を行う。
乗員(運転席側乗員30)が乗り込んでから(エンジンの始動後、一旦車外に出た乗員が再度車両に乗り込んでから)所定時間以内(たとえば、10秒)である場合にはステップ216へ進み、そうでない場合にはステップ203へ進む。
ステップ203において、IRセンサ10から、運転席側乗員30の顔領域30F表面の熱エネルギーに相当する出力値を取得し、ステップ204においてIRセンサ10を構成するサーミスタからの温度値を基準温度として取得する。
ステップ205において、ステップ203で取得した熱エネルギーに相当する出力値を、ステップ204で取得した基準温度を用いて温度値に変換することによって運転席側乗員30の顔領域30Fの表面温度を算出する。
ステップ206において、吹き出し口位置制御部12、吹き出し風量制御部14、吹き出し風向制御部15より、空調風の吹き出し口位置情報、空調風が吹き出されているかどうかを示す空調風吹き出し情報、吹き出し口に取り付けられたルーバーの吹き出し方向情報を取得する。
ステップ207において、ステップ206で取得した情報にもとづいて、運転席側乗員30の顔領域30Fに風が当たっているかどうかを判定する。
顔領域30Fに風が当たっている場合にはステップ208へ進み、当たっていない場合にはステップ213へ進む。
ステップ208において、ステップ205で算出した顔表面温度TFを用いて所定時間(たとえば、10秒)あたりの顔表面温度変化率ΔTF1(ΔTF1a、ΔTF1b)を算出し、該顔表面温度変化率ΔTF1をマイクロコンピュータ11A内の図示しないメモリに記憶する。なお、このメモリに記憶される顔表面温度変化率ΔTF1は、最新のもののみが記憶されている。
このステップ208における顔表面温度変化率ΔTF1の算出処理において、運転席側乗員30の顔に風が当たっているため、運転席側乗員30が発汗していた場合には図7の(b)に示すように顔表面温度変化率は大きく(ΔTF1b)なり、発汗していない場合には図7の(b)に示すように顔表面温度変化率は小さく(ΔTF1a)なる。
一方、ステップ207で顔領域30Fに風が当たっていないと判定された場合には、ステップ213において、ステップ205で算出した顔表面温度TFを用いて所定時間(たとえば、10秒)あたりの顔表面温度変化率ΔTF2(ΔTF2a、ΔTF2b)を算出し、該顔表面温度変化率ΔTF2をマイクロコンピュータ11A内の図示しないメモリに記憶する。なお、このメモリに記憶される顔表面温度変化率ΔTF2は、最新のもののみが記憶されている。
このステップ213における顔表面温度変化率ΔTF2の算出処理において、運転席側乗員30が発汗していた場合には図7の(a)に示すように顔表面温度変化率は大きく(ΔTF2b)なり、発汗していない場合には図7の(a)に示すように顔表面温度変化率は小さく(ΔTF2a)なる。
ステップ214において、顔表面温度変化率ΔTF2が、所定値Th2(たとえば、0.3℃)と所定値Th3(たとえば、0.5℃)の間であるかどうかを判断する。
顔表面温度変化率ΔTF2が、所定値Th2と所定値Th3の間である場合には、ステップ216へ進み、そうでない場合にはステップ209へ進む。
ここで、顔表面温度変化率ΔTF2が、所定値Th2と所定値Th3の間である場合には、図7の(a)に示されるように、当該顔表面温度変化率ΔTF2では発汗状態であるか、または非発汗状態であるかの判断がつきにくい。
そこで、このように発汗状態の判断がつきにくい場合には後述のステップ216へ進み、乗員の顔に風を当てる制御を行う。
一方、顔表面温度変化率ΔTF2が、所定値Th2と所定値Th3の間で無い場合には、乗員は非発汗状態であるかまたは発汗状態であるかを顔表面温度変化率ΔTF2の値より正確に判定することができる。
ステップ209において、ステップ208で算出されてメモリに記憶された顔表面温度変化率ΔTF1と、ステップ213で算出されてメモリに記憶された顔表面温度変化率ΔTF2との比率にもとづいて分岐処理を行う。
具体的には、まず乗員が発汗した状態で車両に乗り込んだ場合、乗車直後に乗員の顔に風が当たっている状態で算出された顔表面温度変化率ΔTF1bは図7の(b)に示すように大きな値となる。その後、運転席側乗員30の顔に風を当てる制御が終了して乗員の顔に風が当たって無い状態で算出された顔表面温度変化率ΔTF2bは、乗車直後に乗員の顔に風が当たっている状態で算出された顔表面温度変化率ΔTF1bと比較して図7の(a)に示すように小さな値となる。
また乗員が非発汗状態で車両に乗り込んだ場合、乗車直後に乗員の顔に風が当たっている状態で算出された顔表面温度変化率ΔTF1aは図7の(b)に示すように小さな値となる。その後、運転席側乗員30の顔に風を当てる制御が終了して乗員の顔に風が当たって無い状態で算出された顔表面温度変化率ΔTF2aは、図7の(a)に示すように乗車直後に乗員の顔に風が当たっている状態で算出された顔表面温度変化率ΔTF1aに近い値となる。
したがって、ΔTF1/ΔTF2が所定値Th4(たとえば、2)よりも大きければ発汗状態であると判定することができ、ΔTF1/ΔTF2が所定値Th4よりも小さければ非発汗状態であるものとして判定することができる。
このように、風が当たっているときと当たっていないときの顔表面温度変化率の比にもとづいて発汗状態を判定することにより、乗員の個人差(風が当たると冷えやすい場合など)によって顔表面温度変化率が異なる場合であっても、個人差に応じて発汗状態の判定を行うことができる。
図8に戻りステップ209において、ΔTF1/ΔTF2が所定値Th4よりも大きい場合には、ステップ210において乗員は発汗状態であるものと判定し、ΔTF1/ΔTF2が所定値Th4よりも小さい場合には、ステップ215において乗員は非発汗状態であるものと判定する。
ステップ211において、ステップ210またはステップ215において判定された判定結果にもとづいて、吹き出し口位置制御部12〜吹き出し風向制御部15を用いて車両の空調制御を行う。
その後、ステップ212において、空調装置の電源がOFFとなったかどうかを判断する分岐処理を行い、電源がOFFである場合には処理を終了し、OFFで無い場合には、ステップ202へ戻り上述の処理を繰り返す。
一方、ステップ201で今回の発汗判定処理が開始された直後であると判定された場合、ステップ202で乗員が乗り込んだ直後であると判定された場合、およびステップ214で顔表面温度変化率ΔTF2が所定値Th2と所定値Th3の間であると判断された場合には、ステップ216において、発汗状態判定を行いやすくするために、運転席側乗員30の顔領域30Fに強制的に風を当てる制御を行う。
この制御は、吹き出し口位置制御部12に対して乗員の顔に向けて風を吹き出し可能な吹き出し口を選択する旨の指示、吹き出し風量制御部14に対して風を吹き出す指示、および、吹き出し風向制御部15に対して運転席側乗員30の顔領域30Fに風が当たるようにルーバーを制御するよう指示を出す。
これにより、運転席側乗員30が発汗状態である場合には顔表面温度変化率が大きくなり、非発汗時には顔表面温度変化率があまり変化しないこととなる。
このように、発汗判定処理が開始された直後、乗員が乗り込んだ直後、および風が乗員の顔に当たっていない場合に算出された乗員の顔表面温度変化率ΔTF2から正確に発汗状態であるかどうかの判断がつきにくい場合に、吹き出し風向制御部15等の制御を行って、乗員の顔に風を当ててそのときの顔表面温度変化率ΔTF1を取得する。
風を乗員の顔に当てた場合の顔表面温度変化率ΔTF1は、発汗時には大きな値(ΔTF1b)となるため、該顔表面温度変化率ΔTF1bにもとづいて乗員の発汗状態を容易に判断することができる。
なお本実施例において、ステップ203〜205が本発明における表面温度検出手段を構成し、ステップ206〜210、213〜215が本発明における発汗判定手段を構成する。またステップ216が本発明における風吹出手段を構成する。
本実施例は以上のように構成され、運転席側乗員30の顔に風が当たっている場合に、皮膚表面に汗が付いている場合の顔表面温度変化率ΔTF1bが、皮膚表面に汗が付いていない場合の顔表面温度変化率ΔTF1aに比べてより一層大きいことに着目し、吹き出し風向制御部15等を制御することによって乗員の顔に風を当てることによって算出した顔表面温度変化率ΔTF1を用いて乗員の発汗状態を判定することにより、顔表面温度変化率を用いた発汗判定をより正確に行うことができる。
また、運転席側乗員30の顔に風が当たっている場合の顔表面温度変化率ΔTF1と風が当たっていない場合の顔表面温度変化率ΔTF2との比が所定値Th4よりも大きければ発汗状態であると判定し、小さければ非発汗状態であるものとして判定することにより、乗員の個人差(風が当たると冷えやすい場合など)によって顔表面温度変化率が異なる場合であっても、個人差に応じて発汗状態の判定を行うことができる。
空調制御装置2の発汗判定処理が開始された直後、車両に乗員が乗り込んだ直後、および顔表面温度変化率が小さく発汗判定が困難である場合に、乗員の顔に風を当てることにより、顔表面温度変化率にもとづいた発汗判定を容易に行うことができる。
本実施形態においては、顔の表面温度変化率に基づいた発汗判定を行いやすくするために、顔に風を当てる場合と当てない場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば乗員の顔に風を当てる際の湿度をコントロールして、湿度の違いによる表面温度変化率の差異にもとづいて判定するようにしてもよい。さらには、顔に風を当てる場合の風量を所定パターンで変えて、風量の違いによる表面温度変化率の差異にもとづいて判定するようにしてもよい。
なお車両50の外が雨の場合には、車両に乗り込む乗員が雨によって濡れており、乗車直後に発汗状態であるかどうかを正確に判定することができない場合が考えられるため、天候が雨の場合には乗員が乗車してから所定時間の間は発汗判定を行わないようにしてもよい。
また、発汗状態を判定するために表面温度を計測する部位として運転席側乗員30の顔領域30Fを用いたが、顔領域30F以外にも手などの表面温度を計測してもよい。
なお、第2の実施例では運転席側乗員30の顔に風が当たっている場合の顔表面温度変化率ΔTF1と風が当たっていない場合の顔表面温度変化率ΔTF2とを用いて、個人差に応じた発汗状態の判定を行うものとしたが、個人差を無視できる場合には、第1の実施例と同様に、風を当てることによって変化率が大きくなった顔表面温度変化率ΔTF1と所定値とを比較することによって、乗員の発汗状態を判定することもできる。
第1の実施例の全体構成を示す図である。 IRセンサの取り付け位置を示す図である。 IRセンサによる温度検出領域を示す図である。 発汗判定処理の流れを示す図である。 発汗時と非発汗時の表面温度変化率を示す図である。 第2の実施例の全体構成を示す図である。 空調風があり、なしの場合における表面温度変化率を示す図である。 発汗判定処理の流れを示す図である。
符号の説明
1 発汗判定装置
2 空調制御装置
10 IRセンサ
11、11A マイクロコンピュータ
12 吹き出し口位置制御部
13 吹き出し風温制御部
14 吹き出し風量制御部
15 吹き出し風向制御部
30 運転席側乗員
30F 顔領域
50 車両

Claims (7)

  1. 車室内の乗員の発汗状態を判定する発汗判定装置であって、
    前記乗員の皮膚の表面温度を非接触で検出する表面温度検出手段と、
    前記乗員が発汗しているかどうかを判定する発汗判定手段と、
    前記乗員の上半身に向けて風を吹き出す風吹出手段と、を備え、
    前記発汗判定手段は、前記表面温度検出手段によって検出された乗員の皮膚温度の低下率を算出し、該算出した低下率が所定値以上の場合に前記乗員が発汗状態であるものとして判定し、
    前記発汗判定手段は、前記風吹出手段が前記乗員の所定部位に向けて風を吹き出している場合に、発汗判定を行い、前記風吹出手段から前記乗員の前記所定部位に向けて風が吹き出されている場合に前記表面温度検出手段によって検出された表面温度の低下率と、風が吹き出されていない場合に検出された表面温度の低下率とを比較することにより前記乗員の発汗状態を判定し、
    前記所定部位は、前記表面温度検出手段によって表面温度が検出される部位であることを特徴とする発汗判定装置。
  2. 前記風吹出手段は、前記乗員の発汗状態を判定する処理が開始された直後、前記乗員が車両に乗り込んだ直後、前記乗員の上半身の前記所定部位の表面温度の低下率が所定範囲内である場合のうち、少なくともいずれかの場合に風を吹き出すことを特徴とする請求項に記載の発汗判定装置。
  3. 前記風吹出手段は、前記乗員の発汗状態を判定する処理が開始された直後、前記乗員が車両に乗り込んだ直後、前記乗員の上半身の前記所定部位の表面温度の低下率が所定範囲内である場合のうち、少なくともいずれか一つ以上の場合に、所定時間の間、風を吹き出すことを特徴とする請求項に記載の発汗判定装置。
  4. 前記乗員の前記所定部位は、乗員の顔であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一つに記載の発汗判定装置。
  5. 前記表面温度検出手段は、前記乗員から発せられた赤外線を検出することによって前記乗員の皮膚温度を検出することを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の発汗判定装置。
  6. 前記発汗判定手段は、車両の外が雨天の場合には前記乗員が車両に乗り込んだ直後から所定時間の間、前記乗員の発汗状態の判定を行わないことを特徴とする請求項1からのいずれか一つに記載の発汗判定装置。
  7. 発汗状態を判定するための方法であって
    車室内の乗員の皮膚の表面温度を非接触で検出し、該検出した表面温度の低下率を算出した後、該算出した表面温度の低下率が所定値以上かどうかを比較する比較ステップを備え、
    前記比較ステップは、前記乗員の所定部位に向けて風を吹き出す風吹出ステップを含み、
    前記所定部位は、表面温度が検出される部位であり、
    前記比較ステップは、前記風吹出ステップにおいて前記乗員の前記所定部位に向けて風が吹き出されている場合に検出された表面温度の低下率と、風が吹き出されていない場合に検出された表面温度の低下率とを比較することを含む方法。
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