JP4821205B2 - 定着方法、及びそれを利用する画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真複写機、ファクシミリ、プリンタ等、電子写真プロセスを利用した画像形成方法に適用され、未定着トナー像を記録材に定着させるための 定着方法、及びそれを利用する画像形成方法に関する。
従来、電子写真プロセスを利用した複写機等においては、像支持体上に形成された未定着トナー像を定着して永久画像にする必要があり、その定着法として溶剤定着方式、圧力定着方式及び、加熱定着方式等が知られている。
しかし、上記溶剤定着方式、圧力定方式は環境問題、定着性能等の欠点を有しており、共に広く実用されていないのが現状である。
従って、未定着トナーの定着には、一般に加熱によってトナーを溶融させ、像支持体上に付着させる加熱定着方式が広く採用されている。
この加熱定着方式としては、少なくとも一方を加熱した一対のロール(加熱ロール及び加圧ロール)間に、一定圧力を加え、未定着トナー像を有する像支持体を通過させて定着を行う熱ロール方式が従来より知られており、これは他の加熱定着装置と比べて低電力、かつ定着部での紙づまりによる発火の危険性の少ないこと等の利点があることから最も広く使用されている定着方式である。
そして、この加熱ロールとしては、円筒状芯金の表面にシリコーンゴム等の耐熱性弾性体を被覆したものや、上記耐熱弾性体の上にパーテトラフロロエチレン(PTFE)や、パーフロロアルコキシ(PFA)等の耐熱性樹脂を被覆したものが使われている。
一方、加圧ロールとしては、円筒状芯金の表面にシリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱弾性体を被覆したものや、上記耐熱弾性体の上にパーテトラフロロエチレン(PTFE)や、パーフロロアルコキシ(PFA)等の耐熱性樹脂を被覆したもの、あるいはアルミニウムや鉄などの金属の表面にパーテトラフロロエチレン(PTFE)や、パーフロロアルコキシ(PFA)等の耐熱性樹脂を被覆したものが使われている。
しかし、前記のような定着方式において、より高速に定着しようとした場合、未定着トナー像と像支持体とに十分な熱エネルギーと圧力を与える必要がある。この為に加熱ロールと加圧ロールの圧接部の幅を定着速度に比例して広くする必要がある。圧接幅を広くする為には、加熱ロールと加圧ロール間の荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法、加熱ロールと加圧ロールのロール径を大きくする方法等がある。
しかし、前記両ロールの間の荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールのたわみによる圧接部の形状がロール軸に沿って不均一になったり、定着むらや紙しわが発生しやすくなる為、限界がある。又、前記ロール径を大きくする方法は、前期品質問題の発生は抑えられるが、装置が大型となり、定着可能となるまでの待ち時間が長くなってしまうと言う問題を有している。
これらの問題を解決し、より高速化に対応できるようにする為、特開平8−262903号においてベルトを用いた定着装置が提案されている。この方式を用いる事によって、圧接幅を容易に広げる事ができるので、より高速化対応が可能となる。又、同じ定着速度においてはベルトを用いた本方式がより小型化が可能となる。
特開平8−262903
一方、近年の省エネルギー化に向けた技術開発において、低融点トナーの開発も盛んになってきている。低融点トナーは常温での保管性と定着時の低温定着適正を両立させる為に、トナー表面を高い温度で溶ける非晶性樹脂とし、トナー内部を低い温度で溶ける結晶性樹脂で構成し、保管性と定着特性を両立するようにしている。
しかしながら、このようなトナーを用いた場合、トナー表面の樹脂が溶けにくい為、十分な定着性が得られないという問題を有している。
従って、本発明は、上記した従来技術の欠点を削除、改良したもので、結晶性樹脂で構成されたコア表面に非晶性樹脂を被覆したコア・シェル構造のトナーを用い、高速条件化においても十分な定着を可能とする定着方法、及びそれを利用する画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の定着方法は、
加熱ロールと、
前記加熱ロールに圧接する加圧ベルトと、
前記加圧ベルトを前記加熱ロールへ圧接するための押圧部材と、
を備えた定着装置を用い
前記加熱ロールと前記加圧ベルトとにより形成されるニップ域に、未定着トナー像を保持する記録材を通過させ、定着を行う定着方法において、
前記トナー像を構成するトナーは、結晶性樹脂微粒子を分散させてなる結晶性樹脂微粒子分散液及び着色剤を分散させてなる着色剤分散液を混合してコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子を分散させてなる分散液に、非晶性樹脂微粒子を分散させてなる非晶性樹脂微粒子分散液を混合して、前記コア凝集粒子に前記非晶性樹脂微粒子を付着させたコア/シェル凝集粒子を形成する第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を加熱して融合・合一させる融合工程と、を経ることにより得られたコア・シェル構造のトナーであり、
前記押圧部材は、前記加圧ベルトを裏面側から前記加熱ロールへ押圧する第1押圧部と、前記第1押圧部よりも前記記録材の搬送方向上流側へ配設されると共に前記第1押圧部よりも高い押圧力で前記加圧ベルトを裏面側から前記加熱ロールへ押圧する第2押圧部と、を有することを特徴としている。
本発明の定着方法では、加熱ロールと加圧ベルトのニップ域において、まず、第1押圧部よりも高い押圧力で加圧ベルトを押圧する第2押圧部によりトナーの非晶性樹脂からなる表層(シェル層)を破壊し、そして、トナーのコアを構成する結晶性樹脂を流動し易くした状態で第1押圧部によりトナーを定着する。これによりトナーの溶融を容易に実施することが可能となり、低温での定着性能を向上させることが可能となる。また、第1押圧部の押圧力も従来に比べ低下させることが可能なため、加熱ロールの熱容量を減少させることができ、ウォームアップ時間の短縮が可能となり、定着装置に必要となるエネルギーを大幅に削減することが可能となる。
本発明の定着方法において、前記押圧部材は、前記第1押圧部よりも前記記録材の搬送方向下流側へ配設されると共に前記第1押圧部よりも高い押圧力で前記加圧ベルトを裏面側から前記加熱ロールへ押圧する第3押圧部をさらに有することができる。これにより、定着装置(加熱ロール及び加圧ベルト)からの記録材の剥離が容易に行われる。
また、前記第2押圧部の押圧力は3kgf/cm2以上であることが好ましい。また、前記第1押圧部の押圧力は、1kgf/cm2以上であることが好ましい。
一方、本発明の画像形成方法は、上記本発明の定着方法により、未定着トナー像の定着を行う工程を有することを特徴としている。
本発明によれば、結晶性樹脂で構成されたコア表面に非晶性樹脂を被覆したコア・シェル構造のトナーを用い、高速条件化においても十分な定着を可能とする定着方法、及びそれを利用する画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には全図面通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る定着装置を示す概略構成図である。第1実施形態に係る定着装置は、加熱ロール10及び加圧ベルト12が対向して設けられている。加圧ベルト12はその周内部に配置された押圧ロッド14、押圧パッド16及び加圧ロール18により加熱ロール10に押圧され、圧接してニップ域が形成されている。
また、加圧ベルト12は、押圧ロール18に加え、テンションロール22、及び加圧ベルト12をするためのベルト用加熱ロール20で張架されている。ベルト用加熱ロール20は、ニップ域入口周辺に配設されている。そして、ニップ域の搬送方向出口周辺には、剥離案内板24が配設されている。なお、本実施形態では、張架ロールを3本としが、何本でもかまわない。
押圧ロッド14は、例えば、φ0.8mmのステンレス材製の棒状部材で構成している。また、押圧パッド16は、例えば、ステンレス製の基材16A上にシリコーンゴム等の耐熱性弾性層16Bを設けて構成している。また、押圧ロール18は、例えば、φ23mmのステンレス材料で構成されており、表面に耐熱性弾性層を設けても構わない。
これら、押圧部材としての押圧ロッド14、押圧パッド16及び押圧ロール18は、記録材搬送方向に沿ってこの順で配設させており、ニップ域において第2押圧部、第1押圧部、第3押圧部をそれぞれ構成している。これら押圧部材の押圧力、即ちニップ域での圧力分布は、図2に示すような分布としている。なお、図2中、実線が本実施形態のニップ域での圧力分布を示し、点線が従来のニップ域での圧力分布を示している。
図2に示すように、押圧パッド16よりも記録材P搬送方向上流側に配設された押圧ロッド14は、押圧パッド16よりも高い押圧力で加圧ベルトを加熱ロールに押圧している。また、押圧パッド16よりも記録材P搬送方向下流側に配設された押圧ロール18は、押圧パッド16よりも高い押圧力で加圧ベルト12を加熱ロール10に押圧している。なお、押圧ロッド14と押圧ロール18の押圧力は、いずれが高くてもよいが、本実施形態では押圧ロール18の方を押圧ロッドよりも押圧力を高くしている。
ここで、第1押圧部としての押圧パッド16による押圧力は、1kgf/cm2以上であることが好ましく、より好ましくは1〜4kgf/cm2である。当該押圧力を上記範囲とすることで、加熱ロールの熱容量を少なくすることが可能となり、ウォームアップ時間の短縮が可能となると共に、過加重によるベルト回転不良を防止することが可能となる
また、第2押圧部としての押圧ロッド14による押圧力は、3kgf/cm2以上であることが好ましく、より好ましくは3〜7kgf/cm2である。当該押圧力を上記範囲とすることで、画像乱れを防止することが可能となる
また、第3押圧部としての押圧ロール18による押圧力は、3kgf/cm2以上であることが好ましく、より好ましくは4〜7kgf/cm2である。当該押圧力を上記範囲とすることで、加熱ロールの弾性層にひずみを与え、記録材を過熱ロールから剥離することが可能となると共に、加熱ロールの弾性層の耐久性を維持すると共に、記録材のカール性能を抑えることが可能となる
ここで、押圧力は、ニッタ(株)社製「タクタイルセンサ」を用いて測定を行った。
加熱ロール10は、例えば肉厚約2mmのアルミニウム基材と、その外層にシリコーンゴムの耐熱性弾性体を約1.5mm設けて構成している。耐熱性弾性層の外層には、パーフロロアルコキシ(PFA)の耐熱性樹脂を厚さ30μmで被覆し、図示しない駆動源によって回転するよう構成されている。加熱ロール10内部には熱源ヒータ10Aが設けられており、図示しないコントローラによって一定温度に保たれるよう図示しない温度センサによってコントロールされている。熱源ヒータ10Aは1本でもかまわないし、複数本でもかまわない。
加圧ベルト12は、例えば、ポリイミド、ポリアミドやポリアミドイミド等の耐熱性樹脂を基材としでおり、外層にシリコーンゴム等の耐熱性弾性層を設け、表面にはPFA等の離型層を有して構成している。耐熱性弾性層や離型層はなくとも構わない。本実施形態においては、75μmのポリイミド基材の外層に30μmのPFA層を設けている。
なお、加圧ベルト12と押圧パッド16との間には摺動を良化させるため、図示しない摺動改善部材が設けられている。
ベルト用加熱ロール20の内部には、熱源ヒータ20Aが設けられており、図示しないコントローラによって一定温度に保たれるよう図示しない温度センサによってコントロールされている。熱源ヒータ20Aは1本でもかまわないし、複数本でもかまわない。
テンションロール22には、図示しないが、加圧ベルト12蛇行防止機構が設けられており、加圧ベルト12の片寄り防止を行っている。
定着対象となる記録材P上に形成された未定着トナー像Tを構成するトナーは、結晶性樹脂で構成されたコア表面に非晶性樹脂を被覆したコア・シェル構造のトナーである。
本実施形態に係る定着装置では、例えばプロセススピード200mm/s〜300mm/sの高速で、未定着トナー像Tを表面に保持する記録材Pが、矢印A方向に、不図示の搬送手段及び加圧ベルト12により搬送されて、矢印B方向に回転駆動される加熱ロール10と、加圧ベルト12とが圧接し形成されたニップ領域に挿通される。このニップ域での定着温度は160〜175℃としている。
この際、第2押圧部としての押圧ロッド14による高い押圧力でトナー表面の非晶性樹脂で構成された表面層(シェル層)を破壊する。そして、非晶性樹脂で構成された表面層(シェル層)が破壊され、コアを構成する結晶性樹脂が流動し易い状態で、トナーは第1押圧部としての押圧パッド16による低い押圧力で押圧しつつ、加熱され、加圧・加熱定着される。その後、再び、第3押圧部としての押圧ロール18による押圧力により押圧されることで、記録材は加熱ロール10及び加圧ベルト12から容易に剥離され、剥離案内板24により案内されて定着が終了する。
このように、本実施形態では、トナー表面の高い温度で溶融する非晶性樹脂からなる表面層を破壊し、トナー内部(コア部)の低い温度で溶融する結晶性樹脂を露出させ流動し易い状態で、トナーを定着するので、トナーの溶融を容易に実施することが可能となり、低温での定着性能を向上させることが可能となる。
また、第1押圧部としての押圧パッド16の押圧力も従来に比べ低下させることが可能なため、加熱ロール10の熱容量を減少させることができ、ウォームアップ時間の短縮が可能となり、定着装置に必要となるエネルギーを大幅に削減することが可能となる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。第2実施形態に係る定着装置は、より一層の小型化、省エネ化、と高速化の両立を狙った装置であり、加圧ベルト12を張架する為の張架ロールをもたず、ベルト走行ガイド28に沿ってガイドされ、加熱ロール10からの駆動力を受けることで加圧ベルト12を従動させた装置である。このようなベルト型定着装置は、張架ロールをもつ第1実施形態に係る定着装置と区別する為、フリーベルト型定着装置と呼ばれる。
本実施形態に係る定着装置は、加熱ロール10及び加圧ベルト12が対向して設けられている。加圧ベルト12はその周内部に配置された押圧部材26により加熱ロール10に押圧され、圧接してニップが形成されつつ、上述のように、ベルト走行ガイド28に沿ってガイドされ、加熱ロール10からの駆動力を受けることで加圧ベルト12を従動される。
押圧部材26は、例えば、ステンレス製の基材26A上に設けられホルダ26Bに保持されるように、層状のパッド26Cが配設されている。そして、ホルダ26Bには、パッド26Cの記録材搬送方向上流側に第1突出部材26Dが、パッド26Cの記録材搬送方向下流側に第2突出部材26Eが保持されている。第1突出部材26D及び第2突出部材26Eは、いずれも先端がパッド26C面よりも加圧ベルト12側に突出するように配設されている。これら、パッド26C、第1突出部材26D及び第2突出部材26Eは、シリコーンゴムなどの耐熱性樹脂から構成されている。
これら、パッド26C、第1突出部材26D及び第2突出部材26Eが、それぞれ第1押圧部、第2押圧部、第3押圧部に該当し、ニップ域での圧力分布が、第1実施形態と同様に図2に示す圧力分布となる。
このため、第2実施形態でも、トナー表面の高い温度で溶融する非晶性樹脂からなる表面層を破壊し、トナー内部(コア部)の低い温度で溶融する結晶性樹脂を露出させ流動し易い状態で、トナーを定着することが可能となる。
なお、上記実施形態に係る定着装置は、子写真複写機、ファクシミリ、プリンタ等、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に適用することができるが、このような画像形成装置としては公知の装置が適用される。例えば、像担持体と、像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像手段と、前記トナー像を記録材表面に転写する転写手段と、記録材に前記転写されたトナー像を定着する定着手段と、備える画像形成装置が挙げられる。
以下、結晶性樹脂で構成されたコア表面に非晶性樹脂を被覆したコア・シェル構造のトナーについて説明する。
−非晶性樹脂−
非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。
まず、非晶性樹脂としては、特に限定されるわけではないが、公知の樹脂材料を用いることができる。例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸エチルヘキシル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニル基を有するエステル類;マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチルなどの二重結合を有するカルボン酸類;エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン等のオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の二重結合を有するカルボン酸類;などを単独で重合、または2種類以上を共重合したもの、さらにはこれらを混合したものを挙げることができる。
さらにはエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等が挙げられる。
非晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は5000〜100000の範囲であることが好ましく、15000〜85000の範囲であることが好ましい。分子量が5000より低いと耐ホットオフセット性が悪くなる場合があり、100000より大きいとトナー造粒性・形状制御性が悪くなる場合がある。さらに、結着剤樹脂中の解離基含有成分量は2質量%以下が好ましい。これより大きいと形状制御性が損なわれる。なお、解離基含有成分量としてより好ましくは0.25〜1.75%の範囲、さらに好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲である。
非晶性樹脂は、重合性単量体のラジカル重合により製造することができる。
非晶性樹脂のガラス転移温度は、45〜80℃の範囲であることが好ましく、50〜70℃の範囲であることがより好ましい。ガラス転移温度が45℃未満であると、トナーが貯蔵中または現像器中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が80℃を超えると、トナーの定着温度が高くなってしまい好ましくない。
−結晶性樹脂−
結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
結晶性樹脂としては、結晶性を有する樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への定着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ直鎖脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分と、アルコール(ジオール)成分とから合成されるものである。なお、本発明では、結晶性のポリエステル主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体も結晶性ポリエステル樹脂とする。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
このようにして製造される結晶性ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリ−1,2−シクロプロペンジメチレンイソフタレート、ポリデカメチレンアジペート、ポリデカメチレンアゼレート、ポリデカメチレンオキサート、ポリデカメチレンセバケート、ポリデカメチレンサクシネート、ポリアイコサメチレンマロネート、ポリエチレン−p−(カルボフェノキシ)ブチレート、ポリエチレン−p−(カルボフェノキシ)ウンデカノエート、ポリエチレン−p−フェニレンジアセテート、ポリエチレンセバケート、ポリエチレンサクシネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリヘキサメチレン−p−(カルボフェノキシ)ウンデカノエート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリヘキサメチレンスベレート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニレンアジペート、ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニレンマロネート等が挙げられる。
さらに、トランス−ポリ−4,4−イソプロピリデンジフェニレン−1−メチルシクロプロパンジカルボキシレート、ポリノナメチレンアゼレート、ポリノナメチレンテレフタレート、ポリオクタメチレンドデカンジエート、ポリペンタメチレンテレフタレート、トランス−ポリ−m−フェニレンシクロプロパンジカルボキシレート、シス−ポリ−m−フェニレンシクロプロパンジカルボキシレート、ポリテトラメチレンカーボネート、ポリテトラメチレン−p−フェニレンジアセテート、ポリテトラメチレンセバケート、ポリトリメチレンドデカンジオエート、ポリトリメチレンオクタデカンジオエート、ポリトリメチレンオキサレート、ポリトリメチレンウンデカンジオエート、ポリ−p−キシレンアジペート、ポリ−p−キシレンアゼレート、ポリ−p−キシレンセバケート、ポリジエチレングリコールテレフタレート、シス−ポリ−1,4−(2−ブテン)セバケート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
なお、これらの重合体において使用される複数のエステル系モノマーの共重合体、エステル系モノマー及びこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体等も使用することができる。
上記結晶性ポリエステル樹脂の中では、炭素数が6以上のアルキレン基を有する結晶性ポリエステル樹脂が、定着時の紙への定着性や帯電性、さらには融点範囲の調整の容易性等の観点から好ましく用いられる。なお、前記炭素数は8以上であることがより好ましい。
結晶性樹脂の融点は、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。但し、上限としては100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。また、特に低温定着性のためには結晶性樹脂の融点は60〜95℃の範囲であることが好ましい。結晶性樹脂の融点が40℃より低い場合は、トナーの保存時や使用時に、トナーがブロッキングを起こすおそれがある。また、結晶性樹脂の融点が100℃より高い場合は、粒子化に時間がかかったり、粒度分布が拡大したりして、画質が低下するおそれがある。
結晶性樹脂の融点の測定には、前記示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の、ASTM D3418−8に準拠した示差熱分析測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、上記測定において複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピーク温度をもって融点とみなす。
結晶性樹脂の分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量が8000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。但し、100000以下であることが好ましく、70000以下であることがより好ましい。結晶性樹脂の重量平均分子量が8000より小さいと、定着像の強度不足、現像器攪拌中の破砕等が生じるおそれがある。また、結晶性樹脂の重量平均分子量が100000より大きいと、定着温度が上昇するおそれがある。
−その他の添加剤−
トナーには、着色剤、離型剤、帯電制御剤など公知の添加剤を添加される。
−トナーの製法−
トナーは、公知の湿式法により製造することができる。例えば。体積平均粒径が1μm以下の結晶性樹脂微粒子を分散させてなる結晶性樹脂微粒子分散液、及び着色剤を分散させてなる着色剤分散液を混合してコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、該コア凝集粒子を分散させてなる分散液に、非晶性樹脂微粒子を分散させてなる非晶性樹脂微粒子分散液を混合して、前記コア凝集粒子に前記非晶性樹脂微粒子を付着させたコア/シェル凝集粒子を形成する第2の凝集工程と、該コア/シェル凝集粒子を加熱して融合・合一させる融合工程と、を経ることで製造することができる。
−試験例−
第1実施形態に係る定着装置を用いて、第1押圧部としての押圧パッド16と第2押圧部としての押圧ロッド14との押圧力を表1に従って変更しつつ、トナー像の定着を行い評価した。なお、他の条件及び使用したトナーは以下の通りである。結果を表1に示す。
(条件)
・プロセススピード:264mm/s
・定着温度:170℃
・記録材:富士ゼロックス社製J紙
・押圧ロール18の押圧力(第3押圧部):4kgf/cm2
・押圧ロッドの押圧力 3kgf/cm2
(コア/シェル構造のトナーの作製)
−樹脂微粒子分散液1の調整−
・結晶性ポリエステル樹脂(1) 115重量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5重量部
・イオン交換水 180重量部
以上の各成分を混合し100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒径が200nm、固形分量が40重量%の樹脂微粒子分散液1を得た。
なお、結晶性ポリエステル樹脂(1)は以下のように調整した。
加熱乾燥した二口フラスコに、テレフタル酸ジメチル270.8重量部と、1,9−ノナンジオール272.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3重量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)340重量部を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は23500であり、数平均分子量(Mn)は5600であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(1)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は55℃であった
−樹脂微粒子分散液2−
・非晶性ポリエステル樹脂(1) 115重量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5重量部
・イオン交換水 180重量部
以上の各成分を混合し100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒径が200nm、固形分量が40重量%の樹脂微粒子分散液2を得た。
なお、非結晶ポリエステ樹脂(1)は次のようにして調整した。結晶性ポリエステル樹脂(1)の合成において、テレフタル酸ジメチルの添加量を194重量部に変え、1,9−ノナンジオール248重量部を1,3−ブタンジオール90重量部に代えたほかは、結晶性ポリエステル樹脂(1)の合成と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂(1)240重量部を合成した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂(1)の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は9800であり、数平均分子量(Mn)は4200であった。また、非晶性ポリエステル樹脂(1)の熱特性を、前述の融点の測定と同様にして、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移点は49℃であった。
−着色剤分散液の調製−
・シアン顔料(銅フタロシアニンB15:3、大日精化製) 45重量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5重量部
・イオン交換水 200重量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10分間分散し、体積平均粒径が168nmの着色剤分散液を得た。
−離型剤分散液1−
・パラフィンワックスOX2151(融点:35℃、日本精蝋社製) 45重量部
・カチオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5重量部
・イオン交換水 200重量部
以上を混合し60℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が170nm、固形分量が25重量%の離型剤分散液1を得た。
−離型剤分散液2−
・パラフィンワックスHNP10(融点:75℃、日本精蝋社製) 45重量部
・カチオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5重量部
・イオン交換水 200重量部
以上を混合し95℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分量が25重量%の離型剤分散液2を得た。
−トナー粒子の作製−
以上のように調製した材料を用い、ヘテロ凝集法によりトナー粒子を作製した。
−トナー粒子1−
・樹脂微粒子分散液1 80重量部
・着色剤分散液 60重量部
・離型剤分散液1 20重量部
・離型剤分散液2 40重量部
・ポリ塩化アルミニウム 0.41重量部
以上の各成分を丸型ステンレス製フラスコ中に入れ、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36重量部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら47℃まで加熱し、この温度で60分間保持した後、ここに樹脂微粒子分散液2を緩やかに31重量部を追加した。その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.4にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、300rpmで15分間攪拌・洗浄した。これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.01、電気伝導度が9.8μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続しトナー粒子1を得た。
トナー粒子1の粒子径を測定したところ、体積平均粒径は8.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.25であった。また、ルーゼックス画像解析装置による形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は132.8でポテト状であることが観察された。
ここで、粒子径は以下のように測定した。測定装置としてはマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して、粒径を測定した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加え、これを前記電解液100〜150ml中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0〜60μmの範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000であった。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、体積で累積16%となる粒径を体積平均粒子径D16v、数で累積16%となる累積個数粒径をD16pと定義する。同様に、体積で累積50%となる粒径を体積平均粒子径D50v、数で累積50%となる粒径を個数平均粒子径D50pと定義する。また、同様に、体積で累積84%となる粒径を体積平均粒子径D84v、数で累積84%となる累積個数粒径をD84pと定義する。体積平均粒径は該D50vである。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2より算出され、数平均粒度指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2より算出され、小径側個数平均粒度指標(下GSDp)は{(D50p)/(D16p)}により算出される。
また、トナー粒子1のASTMD3418−8に準拠した示差熱分析より求められる極大吸熱ピークm1のピーク温度は55℃であり、更に該吸熱極大ピークの半値巾は19℃であった。更に、m1のピーク温度の低温度側の35℃に吸熱ピークm2、及びm1のピーク温度の高温度側の75℃にショルダーs3が観測された。
また、透過型電子顕微鏡でトナーの断面観察をし、該トナー中の離型剤結晶の形状、浸辺長を観察した結果、棒状結晶、塊状結晶が混在(存在比:60/40)し、かつ浸辺長は1.9μmであった。
なお、前記離型剤分散液1と2とを前記割合で混合した後、乾燥した離型剤の粘度を測定した結果、80℃における粘度η2は7.8mPa・s、160℃における粘度η3は3.8mPa・sであった。
このようにして、結晶性ポリエステルからなるコアに非結晶性ポリエステルを被覆したコア・シェル構造のトナーを作製した。
Figure 0004821205
上記結果から、結晶性ポリエステルからなるコアに非結晶性ポリエステルを被覆したコア・シェル構造のトナーを使用しても、低温での定着性能を向上させることが可能であり、第1押圧部としての押圧パッド16の押圧力も従来に比べ低下させて、加熱ロール10の熱容量を減少させることができ、ウォームアップ時間の短縮も可能となり、定着装置に必要となるエネルギーを大幅に削減できることがわかる。また、第1押圧部及び第2押圧部の押圧力が低すぎたり、大きすぎたりすると種々の不具合が生じるため、押圧力を上記範囲に調節することが好ましいこともわかる。
第1実施形態に係る定着装置を示す概略構成図である。 ニップ域での圧力分布を示す図である。 第2実施形態に係る定着装置を示す概略構成図である。
符号の説明
10 加熱ロール
12 加圧ベルト
14 押圧ロッド(第2押圧部)
16 押圧パッド(第1押圧部)
18 押圧ロール(第3押圧部)
20 ベルト用加熱ロール
20A 熱源ヒータ
22 テンションロール
26 押圧部材
24 剥離案内板
26A 基材
26B ホルダ
26C パッド(第1押圧部)
26D 第1突出部材(第2押圧部)
26E 第2突出部材(第3押圧部)
28 ベルト走行ガイド
P 記録材
T 未定着トナー像

Claims (5)

  1. 加熱ロールと、
    前記加熱ロールに圧接する加圧ベルトと、
    前記加圧ベルトを前記加熱ロールへ圧接するための押圧部材と、
    を備えた定着装置を用い
    前記加熱ロールと前記加圧ベルトとにより形成されるニップ域に、未定着トナー像を保持する記録材を通過させ、定着を行う定着方法において、
    前記トナー像を構成するトナーは、結晶性樹脂微粒子を分散させてなる結晶性樹脂微粒子分散液及び着色剤を分散させてなる着色剤分散液を混合してコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子を分散させてなる分散液に、非晶性樹脂微粒子を分散させてなる非晶性樹脂微粒子分散液を混合して、前記コア凝集粒子に前記非晶性樹脂微粒子を付着させたコア/シェル凝集粒子を形成する第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を加熱して融合・合一させる融合工程と、を経ることにより得られたコア・シェル構造のトナーであり、
    前記押圧部材は、前記加圧ベルトを裏面側から前記加熱ロールへ押圧する第1押圧部と、前記第1押圧部よりも前記記録材の搬送方向上流側へ配設されると共に前記第1押圧部よりも高い押圧力で前記加圧ベルトを裏面側から前記加熱ロールへ押圧する第2押圧部と、を有することを特徴とする定着方法
  2. 前記押圧部材は、前記第1押圧部よりも前記記録材の搬送方向下流側へ配設されると共に前記第1押圧部よりも高い押圧力で前記加圧ベルトを裏面側から前記加熱ロールへ押圧する第3押圧部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の定着方法
  3. 前記第2押圧部の押圧力は3kgf/cm2以上であることを特徴とする請求項1に記載の定着方法
  4. 前記第1押圧部の押圧力は、1kgf/cm2以上であることを特徴とする請求項1に記載の定着方法
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着方法により、未定着トナー像の定着を行う工程を有することを特徴とする画像形成方法
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