JP4821070B2 - バキュームチャック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、キャッパに設けられ、キャップを吸着保持して容器の口部に打ち込むバキュームチャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
容器の口部内に打ち込む打ち込みキャップは、中心にバキューム通路が形成されたロッドの下端部の周囲にセンタリングガイドを設けたバキュームチャックによって吸着して打栓が行われる。バキュームチャックは、キャップの天面がロッドの下面に接しないと正確に吸着できないので、通常は、各キャップ毎にその天面の径に合わせて専用のバキュームチャックを製作し、異なるキャップの打栓を行う際には、バキュームチャック全体を交換して対応していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
多品種に兼用するキャッパの場合には、各キャップのサイズに応じてそれぞれ異なるバキュームチャックを用意しておき、キャップを変える毎にバキュームチャックを取り外して別のバキュームチャックに交換していた。従って、従来のバキュームチャックは、多数種類用意しなければならず、また、大きい保管スペースを必要とするという問題があった。しかも、バキュームチャックを交換する作業に多くの時間と人手を必要とするという問題もあった。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、バキュームチャックを調整するだけで各種サイズのキャップに兼用できるようにすることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るバキュームチャックは、下面に開口するバキューム通路が形成された保持ロッドと、この保持ロッドの外面に取付けられ、内面側に上方から下方に向かって広がるテーパ面を有するセンタリングガイドとを備え、前記センタリングガイドでセンタリングしたキャップを保持ロッドの下面に吸着保持して容器に打ち込むものであって、特に、前記センタリングガイドのテーパ面の上端を前記保持ロッドの下面とほぼ同一の径を有する構成とするとともに、前記センタリングガイドのテーパ面を保持ロッドに対して昇降調整可能にし、さらに、センタリングガイドを保持ロッドに固定する位置決め手段を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
この発明に係るバキュームチャックでは、キャップのサイズに応じてセンタリングガイドのテーパ面を移動させることにより、各種サイズのキャップが、そのテーパ面に案内されて保持ロッドに吸着保持される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るバキュームチャックを備えたキャッパの正面図、図2は、そのバキュームチャックの縦断面図である。前記キャッパ(全体として符号2で示す)は、容器搬送コンベヤ4によって容器6が搬送され供給される。この容器搬送コンベヤ4は、所定間隔毎に容器保持手段(図示せず)を有しており、容器6を間欠的に移送してキャッパ2のキャッピング位置Aに停止させる。この実施の形態では、キャッピング位置Aに3本ずつ容器6を供給し、キャッピングを行うようになっている。
【0010】
キャッパ2には、3本のバキュームチャック8が設けられており、通常は、容器搬送コンベヤ4の側部(図1の紙面の奥側)に位置している。これらバキュームチャック8は、進退動(前記側部とコンベヤ4の上方との間での進退動)および昇降が可能になっている。前記バキュームチャック8の上昇位置と容器搬送コンベヤ4上の容器6との間の高さにキャップ供給ピッカ10が移動可能に設けられており、図示しないシュート側のキャップ取り出し位置と図1に示すキャップ供給位置Bとの間で往復動するようになっている。
【0011】
前記バキュームチャック8は、中心部にバキューム通路12が形成された保持ロッド14と、その下端部外周に嵌合された環状のセンタリングガイド16とを備えている。保持ロッド14の下面14aは、キャップ18の天面18aを吸着する吸着面になっており、その吸着面14aの中央部に、前記バキューム通路12の開口部12aが設けられている。
【0012】
保持ロッド14の下端部14bは小径になっており、この小径下端部14bの外周面にねじが形成されている。このねじ部を有する下端部14bの外周に、内周面にねじが形成された環状のセンタリングガイド16が螺合している。従って、センタリングガイド16は、回転させることにより保持ロッド14に対して上下に移動させることができる。
【0013】
センタリングガイド16を半径方向に貫通するねじ穴が形成され、このねじ穴内に位置決め手段20が挿入螺合されている。この位置決め手段20のハンドル20aを回して緩めると、前記センタリングガイド16を保持ロッド14に対して回転させることができ、締めると、その位置にセンタリングガイド16を固定することができる。なお、前記保持ロッド14の外周には、目盛り14cが刻まれており、センタリングガイド14の高さの調整を容易に行えるようになっている。
【0014】
前記センタリングガイド16の下面の内周側には、下方に向かって次第に拡大するテーパ面22が形成されている。このテーパ面22の上端22aは、前記保持ロッド14の前記吸着面14aとほぼ同一の径を有しているので、最小のキャップ18としては、この吸着面14aの径とほぼ同一の径の天面18aを有するキャップ18(図2に実線で示すキャップ)までセンタリングをして吸着することができる。また、前記テーパ面22の最大径の部分22b(テーパ面22の下端部)よりも小さい径の天面18aを有するキャップ18(例えば、図2に二点鎖線で示すキャップ)であれば、このバキュームチャック8によってセンタリングをして吸着することが可能である。
【0015】
前記構成のバキュームチャック8を備えたキャッパ2の作動について説明する。先ず、容器6に打ち込むキャップ18の天面18aの径に応じて環状のセンタリングガイド16の高さを調整する。このときには、位置決め手段20のハンドル20aを回して緩めた後、センタリングガイド16を回転させて保持ロッド14に対して昇降させる。テーパ面22の、このバキュームチャック8によって保持されるキャップ18の天面18aの径と等しい径を有する部分の高さを、前記保持ロッド14の吸着面14aの高さに一致させた後、位置決め手段20のハンドル20aを回して締め付け、センタリングガイド16を保持ロッド14に固定する。
【0016】
キャップ供給ピッカ10が、図示しないキャップ取り出し位置でシュートからキャップ18を取り出し、容器搬送コンベヤ4の側部の上方に位置しているバキュームチャック8の下方のキャップ供給位置Bに移動する(図1に示す状態)。次に、バキュームチャック8が下降してキャップ18を吸着して保持し、再び上昇する。バキュームチャック8は前記容器搬送コンベヤ4の側方から前進して、コンベヤ4上に停止している容器6の上方(キャッピング位置Aの上方)に移動する。その位置Aでバキュームチャック8が下降して容器6にキャップ18を打ち込む。その後、バキュームチャック8は後退して、容器搬送コンベヤ4の側方のキャップ供給位置B上に移動する。この動作を繰り返して容器6にキャッピングを行う。
【0017】
この実施の形態のバキュームチャック8は、キャッピングを行うキャップ18のサイズに応じて調整することができる。例えば、天面18aの径が最も小さいサイズのキャップ18(図2に実線で示すキャップ)の場合には、センタリングガイド16を下降させてテーパ面22の上端22aを、保持ロッド14の下端の吸着面14aの高さに一致させる(図2に実線で示すセンタリングガイド)。一方、天面18aの径が大きいキャップ(図2に二点鎖線で示すキャップ)の場合には、センタリングガイド16を上昇させ、テーパ面22の、キャップ18の天面18aの外径と等しい径を有する部分の高さを、保持ロッド14の吸着面14aの高さに一致させる(図2に二点鎖線で示すセンタリングガイド)。
【0018】
前記バキュームチャック8は、保持ロッド14に対するセンタリングガイド16の高さを調整するだけで、各種サイズのキャップ18に対応することができる。従って、各種サイズのキャップ18に合わせたバキュームチャック8を製作し用意しておく必要はなく、コストを低減することができる。また、多数のバキュームチャック8の保管スペースも必要なくなる。しかも、キャップ18のサイズに応じてセンタリングガイド16の高さを変える際の作業も簡単であり、バキュームチャック8全体を交換する場合よりも作業時間、人手等を減らすことができる。また、従来使われていたキャップ18と異なるサイズのキャップ18が新たに追加された場合にも、センタリングガイド16の高さを調整するだけで即座に対応することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、下面に開口するバキューム通路が形成された保持ロッドと、この保持ロッドの外面に取付けられ、内面側に上方から下方に向かって広がるテーパ面を有するセンタリングガイドとを備え、前記センタリングガイドでセンタリングしたキャップを保持ロッドの下面に吸着保持して容器に打ち込むバキュームチャックにおいて、前記センタリングガイドのテーパ面の上端を前記保持ロッドの下面とほぼ同一の径を有する構成とするとともに、前記センタリングガイドのテーパ面を保持ロッドに対して昇降調整可能にし、さらに、センタリングガイドを保持ロッドに固定する位置決め手段を設けたことにより、保持ロッドに対するセンタリングガイドの位置を調整するだけで、各種サイズのキャップに兼用することができるので、多数の交換用のバキュームチャックを用意する必要がなく、また、その保管スペースも不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係るバキュームチャックを備えたキャッパの全体の構成を示す正面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に係るバキュームチャックの縦断面図である。
【符号の説明】
6 容器
12 バキューム通路
14 保持ロッド
16 センタリングガイド
18 キャップ
20 位置決め手段
22 テーパ面

Claims (1)

  1. 下面に開口するバキューム通路が形成された保持ロッドと、この保持ロッドの外面に取付けられ、内面側に上方から下方に向かって広がるテーパ面を有するセンタリングガイドとを備え、前記センタリングガイドでセンタリングしたキャップを保持ロッドの下面に吸着保持して容器に打ち込むバキュームチャックにおいて、
    前記センタリングガイドのテーパ面の上端を前記保持ロッドの下面とほぼ同一の径を有する構成とするとともに、前記センタリングガイドのテーパ面を保持ロッドに対して昇降調整可能にし、さらに、センタリングガイドを保持ロッドに固定する位置決め手段を設けたことを特徴とするバキュームチャック。
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