JP4820204B2 - 密閉型圧縮装置およびその製造装置並びにその製造方法 - Google Patents

密閉型圧縮装置およびその製造装置並びにその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、密閉容器内に圧縮機と、電動機と、圧縮機と電動機を連結する駆動回転軸を組み込んだ密閉型圧縮装置、およびその製造装置、並びにその製造方法に関するものである。
この種の密閉型圧縮装置では、密閉容器は、円筒状シェルの両端部を端部シェルで封止して構成される。圧縮機は、圧縮室を形成するシリンダと、圧縮室内で回転する圧縮ロータを有し、シリンダは、例えば複数ポイントで、アークスポット溶接により、円筒状シェルの内周に固定される。電動機は、固定子と、この固定子の内周にエアキャップを介して対向する電動機回転子とを有し、固定子は円筒状シェルに内周に、圧縮機のシリンダと間隔をおいて固定される。駆動回転軸には、圧縮ロータが設けられる。この駆動回転軸は、圧縮機のシリンダにより回転可能に支持され、電動機回転子の内周まで延長され、電動機回転子に結合される。
このような密閉型圧縮装置にあって、密閉容器の円筒状シェルには、圧縮機のシリンダをアークスポット溶接する際に発生する熱により、アークスポット溶接点付近に永久歪が発生する。各アークスポット溶接点に発生する永久歪の歪み量は、円筒状シェルの素材加工時と素材を円筒状に加工した時に発生する残留応力、およびアークスポット溶接時の入熱条件などに依存して変化しており、シリンダの溶接後における円筒状シェルとシリンダとの相対位置関係は、その溶接前に設定した相対位置関係からずれる。前記残留応力は、円筒状シェルの素材製造時から円筒状に成形されるまでの圧延、熱処理、溶接、およびプレスなどの多数の加工工程において蓄積されたもので、円筒状シェル毎に、ばらつきが大きく、この円筒状シェルの残留応力を正確にコントロールすることは困難である。また、シリンダをアークスポット溶接するときの入熱条件についても、アーク現象の不安定性から、その熱量、溶接タイミングを正確にコントロールすることは困難である。
したがって、シリンダを円筒状シェルに溶接する前後で、電動機の固定子と電動機回転子との相対位置関係にずれが生じ、そのずれ量、およびずれの方向に、ばらつきがあるため、電動機の固定子と電動機回転子との間の形成されるエアギャップのギャップ長が、回転軸の周りで不均一となる不都合が発生する。
特許文献1の先行技術、特開2000−291577号公報には、円筒状シェルに発生する残留変形の極小点に圧縮機のシリンダをアークスポット溶接し、駆動回転軸の周りにおけるエアギャップの均一性を改善するものが開示されている。また、特許文献2の先行技術、特開平6−284655号公報には、初期に製造した密閉型圧縮装置を対象として、電動機の起動時に発生する振動の強さと振動の方向に基づき、駆動回転軸の周りにおけるエアギャップの変化量を測定し、エアギャップの偏りが大きい場合には、次に製造する密閉型圧縮装置について、圧縮機のシリンダを円筒状シェルに溶接する溶接時の所定溶接位置の溶接タイミングを調節するものが開示されている。
特開2000−291577号公報の段落0019〜0022 特開平6−284655号公報の段落0004〜0005
しかし、特許文献1に開示されたものでは、円筒状シェルの残留応力、およびシリンダのアークスポット溶接時の入熱条件にばらつきがあると、それらのばらつきに応じて、円筒状シェルの残留変形の極小点の位置が変動するので、エアギャップのギャップ長が駆動回転軸の周りで不均一となる不都合が生じる。また、特許文献2に開示されたものでは、初期の製造した密閉型圧縮装置については、エアギャップの調整をすることができず、また次に製造する密閉型圧縮装置においても、円筒状シェルに圧縮機のシリンダをアークスポット溶接する時の入熱量のばらつきのために、駆動回転軸の周りにおけるエアギャップのギャップ長が不均一となる不都合がある。
この発明は、このような不都合を改善し、駆動回転軸の周りにおけるエアギャップのギャップ長を、より均一化することのできる改良された密閉型圧縮装置を提案するものであり、またその密閉型圧縮装置の製造装置、並びにその製造方法を提案するものである。
この発明による密閉型圧縮装置は、少なくとも、密閉容器を構成する円筒状シェルの内周に、電動機の固定子と圧縮機のシリンダが固定され、前記電動機の電動機回転子がエアギャップを介して前記固定子の内周に対向し、前記電動機回転子が駆動回転軸により前記圧縮機の圧縮ロータに連結された組立状態に組立られた密閉型圧縮装置であって、前記円筒状シェルは、前記組立状態でその外周から形成された歪付与領域を有し、この歪付与領域が、前記円筒状シェルに永久歪を付与し、前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップのギャップ長の均一性を改善したことを特徴とする。
また、この発明による密閉型圧縮装置の製造装置は、組立状態において、少なくとも、密閉容器の円筒状シェルの内周に、電動機の固定子と圧縮機のシリンダが固定され、前記電動機の電動機回転子がエアギャップを介して前記固定子の内周に対向し、前記電動機回転子が駆動回転軸により前記圧縮機の圧縮ロータに連結された密閉型圧縮装置に対して、前記エアギャップの補正を行なうエアギャップ補正装置を備え、前記エアギャップ補正装置は、前記組立状態にある密閉型圧縮装置の前記円筒状シェルに対して、その外周から補正加工を行ない、前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップのギャップ長の均一性を改善する歪付与領域を形成する加工ヘッドと、前記補正加工の位置と加工条件を演算し、前記加工ヘッドを制御する演算制御手段を有することを特徴とする。
また、この発明による密閉型圧縮装置の製造方法は、組立工程とエアギャップ補正工程を含む密閉型圧縮装置の製造方法であって、前記組立工程は、密閉容器を構成する円筒状シェルの内周に、電動機の固定子と圧縮機のシリンダを固定し、前記電動機の電動機回転子がエアギャップを介して前記固定子の内周に対向し、前記電動機回転子が駆動回転軸により前記圧縮機の圧縮ロータに連結されるように前記密閉型圧縮装置の組立を行ない、また、前記エアギャップ補正工程は、前記組立工程の後で前記密閉型圧縮装置の前記円筒状シェルに対して、その外周から補正加工を行ない、前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップのギャップ長の均一性を改善する歪付与領域を形成することを特徴とする。
この発明による密閉型圧縮装置では、円筒状シェルは、組立状態でその外周から形成された歪付与領域を有し、この歪付与領域が、前記円筒状シェルに永久歪を付与し、前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップのギャップ長の均一性を改善したことを特徴としており、円筒状シェルのすべての残留応力、シリンダの固定に伴なう入熱条件を含め、それらのばらつきに伴なうエアギャップの変化を補償して、そのギャップ長の均一性を改善することができる。
また、この発明による密閉型圧縮装置の製造装置では、エアギャップ補正装置が、組立状態にある密閉型圧縮装置の前記円筒状シェルに対して、その外周から補正加工を行ない、駆動回転軸の周りにおけるエアギャップのギャップ長の均一性を改善する歪付与領域を形成する加工ヘッドと、前記補正加工の位置と加工条件を演算し、前記加工ヘッドを制御する演算制御手段を有しているので、組立状態にある円筒状シェルのすべての残留応力、シリンダの固定に伴なう入熱条件を含め、それらのばらつきに伴なうエアギャップの変化を補償して、そのギャップ長の均一性を改善することができる。
また、この発明による密閉型圧縮装置の製造方法では、組立工程は、密閉容器を構成する円筒状シェルの内周に、電動機の固定子と圧縮機のシリンダを固定し、前記電動機の電動機回転子がエアギャップを介して前記固定子の内周に対向し、前記電動機回転子が駆動回転軸により前記圧縮機の圧縮ロータに連結されるように前記密閉型圧縮装置の組立を行ない、また、前記エアギャップ補正工程は、前記組立工程の後で前記密閉型圧縮装置の前記円筒状シェルに対して、その外周から補正加工を行ない、前記駆動回転軸の周りにおけるエアギャップのギャップ長の均一性を改善する歪付与領域を形成するので、組立工程の後における円筒状シェルのすべての残留応力、シリンダの固定に伴なう入熱条件を含め、それらのばらつきに伴なうエアギャップの変化を補償して、そのギャップ長の均一性を改善することができる。
以下この発明のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明による密閉型圧縮装置の実施の形態1を示す斜視図、図2は、その縦断面図である。
実施の形態1の密閉型圧縮装置100は、密閉容器10と、電動機20と、圧縮機30と、駆動回転軸40と、アキュームレータ50を有する。この密閉型圧縮装置100は、例えば空調機、電気冷蔵庫などに応用される。
密閉容器10は、円筒状シェル11と、端部シェル12、1を有する。これらのシェル11、12、13は、例えば比較的薄い鋼板により構成される。円筒状シェル11は、例えば鋼板を円筒状に成形して構成され、その中心軸線が鉛直方向となるように配置される。この円筒状シェル11は、ミドルシェルとも呼ばれ、端部シェル12、13の間に配置される。端部シェル1は、円筒状シェル11の上部開口部を封止するようにして円筒状シェル11に固定される。この端部シェル12はアッパーシェルとも呼ばれ、その中心部には、吐出管14が配置される。この吐出管14は、圧縮機30により圧縮された被圧縮ガス、例えば冷媒を吐出する。端部シェル13は、円筒状シェル11の下部開口部を封止するようにして円筒状シェル11に固定される。この端部シェル13はロアシェルとも呼ばれ、この端部シェル13には、フットシェル15が固定される。このフットシェル15は、密閉型圧縮装置100を固定するのに利用される。密閉容器10は、内部に密閉空間16を形成する。
電動機20は、例えば単相誘導電動機であり、密閉空間16に配置され、固定子21と、電動機回転子25を有する。固定子21は、固定子コア22と固定子コイル23を有する。固定子コア22は、例えば珪素鋼板と積層して円筒状に構成され、密閉容器10の円筒状シェル11の内周面に、例えば圧入または焼き嵌めされて固定される。固定子コイル23は、固定子コア22に巻回される。この固定子コイル23は、例えば商用交流電源に接続され、固定子コア22の内周に回転磁界を発生する。電動機回転子25は、例えば珪素鋼板を積層して円筒状に構成され、固定子21の内周に配置され、固定子21の内周面と電動機回転子25の外周面は、環状のエアギャップ27を介して互いに対向する。電動機回転子25は、エアギャップ27を介して固定子21から回転磁界を受け、この回転磁界により回転する。
圧縮機30は、電動機20とともに密閉空間16に配置され、シリンダ31と、圧縮ロータ35と、第1、第2軸受37、38を有する。シリンダ31は、例えば鋳鉄または焼結材を加工して構成される。このシリンダ31は、円筒状シェル11の内径よりも僅かに小さい外径を持つように作られ、例えば複数のアークスポット溶接点32により、円筒状シェル11の内周面に固定される。複数のアークスポット溶接点32は、円筒状シェル11の外部からアークスポット溶接を行なうことにより、形成される。シリンダ31の中心部には、圧縮室33が形成される。この圧縮室33は、例えばシリンダ31の中心部を切削加工して形成される。
圧縮ロータ35は、圧縮室33に配置される。この圧縮ロータ35は、圧縮室33内で回転することにより、アキュームレータ50からの被圧縮ガスを圧縮する。圧縮室33で圧縮された被圧縮ガスは、密閉空間16に排出され、エアギャップ27を通り、吐出管14から吐出される。
第1、第2軸受37、38は、例えば軸受メタルにより構成される。第1軸受37は、シリンダ31に上面に、また第2軸受38は、シリンダ31の下面に、それぞれ圧縮室33を密封するように固定される。これらの第1、第2軸受37、38は、シリンダ31の中心部を上下から挟むようにしてシリンダ31に固定され、圧縮室33を密封する。
駆動回転軸40は、電動機20と圧縮機30とに共通な回転軸であり、密閉空間16に鉛直方向に延びるように配置される。この駆動回転軸40は、圧縮機のシリンダ31を貫通し、圧縮室33を貫通して、電動機回転子5の内周に延びている。この駆動回転軸40には、圧縮ロータ35が一体に形成される。駆動回転軸40は、シリンダ31を貫通する部分において、第1、第2軸受37、38により、回転可能に支持される。第2軸受38は、駆動回転軸40の下端部を支持するが、第1軸受37は、第2軸受3よりも中央部で駆動回転軸40を支持する。このため、第1軸受37が、駆動回転軸40の主軸受を構成し、第2軸受38は補助軸受を構成する。
駆動回転軸40は、第1軸受37の下方に、圧縮機30のシリンダ31を貫通する第1部分41を有し、また第1軸受3の上方に、電動機回転子25の内周へ延びる第2部分42を有する。第1部分41は、第2軸受38により支持されるが、第2部分42には、軸受は配置されず、自由部分となっており、この第2部分42に電動機回転子25が取り付けられる。駆動回転軸40は電動機回転子25により回転駆動される。
アキュームレータ50は、密閉容器10の外部に配置され、密閉容器10に取り付けられる。このアキュームレータ50の下端部の連通管52は、ろう付部分53により、圧縮室33の吸入口33aに連通する吸入管55および円筒状シェル11に固定された継手管54に接合される。継手管54は、円筒状シェル11の外部に固定される。吸入管55は、圧縮室33の吸入口33aから円筒状シェル11および継手管54を貫通して、密閉容器10に外部に突出している。アキュームレータ50の連通管52は、吸入管55の内部に嵌め込まれ、ろう付部分53により、吸入管55および継手管54にろう付される。
さて、密閉容器10の円筒状シェル11は、図1に示すように、第1部分11Aと、第2部分11Bと、中間部分11Cを有する。第1部分11Aは、その内周に、電動機20の固定子21が固定された部分である。第2部分11Bは、その内周に圧縮機30のシリンダ31が固定された部分である。中間部分11Cは、第1部分11Aと第2部分11Bに挟まれた部分である。この中間部分11Cには、この発明により、歪付与領域11Sが形成されている。この歪付与領域11Sは、図1に示すように、中間部分11Cに、駆動回転軸40の周方向に沿って、長さAを持つように形成される。
歪付与領域11Sは、駆動回転軸40の周りに、始端SEと終端EEとの間に形成される。始端SEは、駆動回転軸40の周りの角度位置θ1に位置し、終端EEは、駆動回転軸40の周りの角度位置θ2に位置する。歪付与領域11Sは、始端SEと終端EEとの間に、長さAを持って円弧状に形成される。
歪付与部分11Sは、実施の形態1では、中間部分11Cに設定された補正加工部分11Wに、その外周から局部加熱を行なうことにより、形成される。この局部加熱による歪付与領域11Sは、組立状態とされた密閉型圧縮装置100に形成される。この組立状態では、密閉容器10の内部に固定子21と電動機回転子25を有する電動機20、シリンダ31と圧縮ロータ35を有する圧縮機30、および駆動回転軸40とが配置され、固定子21とシリンダ31が、ともに円筒状シェル11の内周に固定され、また電動機回転子25と圧縮ロータ35とが駆動回転軸40で連結されている。また、前記組立状態では、アキュームレータ50が密閉容器10に取り付けられ、その連通管52がろう付部分53により円筒状シェル11に固定された継手管54にろう付けされている。また、円筒状シェル11に端部シェル12、13が固定され、密閉容器10が構成されている。
歪付与部分11Sは、前記組立状態とされた密閉型圧縮装置100の円筒状シェル11に永久歪を与え、駆動回転軸40の同軸ずれ、または偏心を改善し、この駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善する。図3は、歪付与領域11Sにより円筒状シェル11に付与される永久歪を説明する説明図である。図3(a)(b)(c)は、円筒状シェル11の中間部分11Cの断面図である。図3(a)には、補正加工部分11Wとその周囲部分11Pが示される。図3(b)は、この補正加工部分11Wに局部加熱が行なわれている状態を示し、また図3(c)は、この局部加熱後の自然冷却状態を示す。図3(c)で、補正加工部分11Wは、歪付与領域11Sとなる。
補正加工部分11Wには、図3(b)の段階で局部加熱が行なわれ、その局部加熱により補正加工部分11Wは熱膨張して、周囲部分11Pに向かって押圧力Fbを与える。この押圧力Fbは、周囲部分11Pを押し広げるように作用する。この図3(b)の局部加熱が行なわれている状態では、補正加工部分11Wには、押圧力Fbと逆方向に、この押圧力Fbと同じ大きさの圧縮塑性歪が発生する。この圧縮塑性歪は、補正加工領域11Wの温度上昇による熱膨張と降伏強度の低下に基づいて発生する。補正加工部分11Wは、局部加熱が終了した後に自然冷却される。補正加工部分11Wは、この自然冷却により収縮し、周囲部分11Pを引張る収縮力Fcを与える。この収縮力Fcは、補正加工部分11Wが、その加熱時に発生した圧縮塑性歪と同じ量だけ収縮することにより発生するもので、この収縮力Fcが永久歪となって円筒状シェル11に与えられる。
駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27の変化特性は、組立状態にある密閉型圧縮装置100について、例えば特開平6−284655号公報に開示された周知の方法で測定される。このエアギャップ27の変化特性は、駆動回転軸40の周りにおける角度位置と、それに対するエアギャップ27のギャップ長の変化との関係を表わす。
補正加工部分11Wは、局部加熱とその後の自然冷却により、歪付与領域11Sとなる部分であり、歪付与領域11Sに対応して、それと同じ始端SEと終端EEを持って設定される。この補正加工部分11Wの始端SE、終端EEの角度位置θ1、θ2および補正加工部分11Wに対する加工条件、すなわち加熱条件は、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27の変化特性に基づいて、そのエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善するように、予め決定される。その結果、歪付与領域11Sは、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善するような収縮力Fc、すなわち永久歪Fcを円筒状シェル11に付与する。
密閉型圧縮装置100の組立工程では、最初に電動機20の固定子21を円筒状シェル11の第1部分に固定する。その後、圧縮機30のシリンダ31の圧縮室33を貫通するように駆動回転軸40を配置し、この駆動回転軸40に第1、第2軸受37、38を嵌め込み、この第1、第2軸受37、38により駆動回転軸40を支持した後、この駆動回転軸40に電動機回転子25を取り付けた状態で、シリンダ31をアークスポット溶接により、円筒状シェル11の内周に固定する。その後に、アキュームレータ50が取り付けられ、その連通管52が、吸入管55および継手管54とろう付けされる。
シリンダ31をアークスポット溶接する工程では、電動機20の固定子21と電動機回転子25との間のエアギャップ27が、駆動回転軸40の周りで均一化されるように、固定子21と電動機回転子25の位置関係を保持した状態で、アークスポット溶接が行なわれるが、円筒状シェル11の残留応力のばらつき、およびアークスポット溶接の入熱条件のばらつき、複数のアークスポット溶接点32の溶接タイミングのずれなどに起因して、駆動回転軸40が同軸ずれ、または偏心し、この駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27のギャップ長が不均一となる。
また、アキュームレータ50の連通管52をろう付部分53により、ろう付けする工程でも、継手管54が加熱され、円筒状シェル11が再び加熱され、圧縮機30のシリンダ31の取り付け部が変形して、シリンダ31に傾き、偏心が発生する。このろう付けによるシリンダ31の傾き、偏心も、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27のギャップ長を不均一にする。
エアギャップ27の不均一は、密閉型圧縮装置100の運転時における振動、騒音を増加させ、電動機20が単相誘導電動機で構成される場合には、その起動性を悪化させるばかりでなく、最悪の場合には、電動機回転子25が固定子21に接触する事故をも引き起こす。
実施の形態1では、歪付与領域11Sが、組立状態にある密閉型圧縮装置100に対して形成されるので、歪付与領域11Sによる永久歪Fcは、組立状態にある密閉型圧縮装置において、円筒状シェル11のすべての残留応力、および圧縮機30のシリンダ31のアークスポット溶接時における入熱に伴なう駆動回転軸40の同軸ずれ、または偏心を改善し、またアキュームレータ50の連通管52のろう付け時の入熱に伴なう駆動回転軸40の同軸ずれ、または偏心も改善し、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善することができる。また、製造される初期の密閉型圧縮装置を含めてすべての密閉型圧縮装置100について、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27の変化特性を測定することにより、そのエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善することができる。
実施の形態2.
図4は、この発明による密閉型圧縮装置の製造に使用される製造装置の実施の形態2を示す縦断面図、図5は、図4に示す製造装置の実施の形態2の制御系を示すブロック図である。この製造装置は、図1、図2に示す密閉型圧縮装置100を製造するのに使用され、歪付与領域11Sを形成するのに使用される。
この実施の形態2の製造装置200は、エアギャップ補正装置210を備えている。このエアギャップ補正装置210は、図4に示すように、ケース130を有し、このケース130の中に歪付与領域11Sを形成するのに使用される各種機器を組み込んだものである。ケース130は、上部ケース140と、下部ケース150を有する。上部ケース140の下部には、ベース101が配置され、このベース101上に回転テーブル102が配置される。この回転テーブル102は、水平面内に回転可能に配置される。この回転テーブル102上に組立状態にある密閉型圧縮装置100が設置される。密閉型圧縮装置100は、駆動回転軸40の軸線が回転テーブル102の軸線と一致するようにして、フットシェル15が回転テーブル102上に取り付けられる。回転テーブル102には、位置決めピン103が付設される。この位置決めピン103は、回転テーブル102に対し、密閉型圧縮装置100を所定の初期設定位置にセットする。回転テーブル102の回転方向を矢印Rで示す。
下部ケース150には、回転テーブル102の駆動手段105と減速機104が配置される。駆動手段105は、例えば電動機であり、減速機104を介して回転テーブル102を回転駆動する。減速機104の出力軸104aは鉛直方向に延び、回転テーブル102に連結される。
上部ケース140には、さらに、加工ヘッド106と、移動機構120と、燃料ガス供給管107と、酸素ガス供給管108と、入力手段109が配置される。加工ヘッド106は、例えばガスバーナで構成される。加工ヘッド106は、その先端の加工部が密閉型圧縮装置100の円筒状シェル11の中間部分11Cに対向するように配置される。移動機構120は、加工ヘッド106を密閉型圧縮装置100の径方向に矢印Bで示す方向に駆動し、加工ヘッド106を密閉型圧縮装置100に向けて前進させ、またそれから後退するように移動させる。歪付与領域11Sを形成するときには、加工ヘッド106は、移動機構120により前進位置に移動されるが、歪付与領域11Sを形成した後は、加工ヘッド106は後退位置に移動される。前進位置では、加工ヘッド106の先端の加工部が円筒状シェル11の外周に接近し、加工ヘッド106の火炎が補正加工部分11Wに直接吹き付けられる。
移動機構120は、ガイドレール121と駆動機構122を有する。ガイドレール121は、円筒状シェル11の径方向に延びるように配置される。駆動機構122には、加工ヘッド106が取り付けられる。駆動機構122は、ガイドレール121上に載置され、加工ヘッド106が円筒状シェル11に接近するように、加工ヘッド106を前進させ、また円筒状シェル11から遠さけるように加工ヘッド106を後退させる。
燃料ガス供給管107および酸素ガス供給管108は、加工ヘッド106に連結され、加工ヘッド106に燃料ガス、例えば炭化水素ガスC22および酸素ガスO2を供給し、加工ヘッド106の先端の加工部に火炎を発生させる。この火炎が補正加工部分11Wを局部加熱し、歪付与領域11Sを形成する。
エアギャップ補正装置210の制御系は、図5に示すように、入力手段109と、演算制御手段110と、シーケンサ111と、サーボアンプ112と、ガス流量制御器113を含み、駆動手段105、および加工ヘッド106に対する燃料ガスと酸素ガスの供給量を制御する。演算制御手段110は、例えばパーソナルコンピュータで構成される。入力手段109は、例えばタッチパネルであり、演算制御手段110に対する入力手段を構成する。この入力手段109には、密閉型圧縮装置100の駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27の変化特性が入力される。
このエアギャップ27の変化特性は、前述の通り、例えば特開平6−28465号公報に開示された周知の方法で測定される。この周知の方法では、組立状態にある密閉型圧縮装置100について、実際に電動機20を回転させ、円筒状シェル11の外周に、2つの振動検出センサを取り付け、エアギャップ27の変化特性が測定される。2つの振動検出センサの中の第1の振動検出センサは、電動機20の固定子コイル23による電動機回転子25の吸引力が最大となる位置に設置され、また第2の振動検出センサは、駆動回転軸40の周りで第1の振動検出センサから90度だけ隔たった位置に設置される。
演算制御手段110は、入力されたエアギャップ27の変化特性に基づき、補正加工部分11Wの角度位置θ1、θ2と、その補正加工部分11Wに対する加工条件、すなわち加熱条件を演算して決定する。補正加工部分11Wの角度位置θ1、θ2は、図1に示す歪付与領域11Sの始端SEと終端EEを規定する。加熱条件は、補正加工部分11Wに対する加熱量であり、加工ヘッド106に対する燃料ガスと酸素ガスの供給量を制御する。
駆動手段105は、演算制御手段110により、シーケンサ111とサーボアンプ112を介して制御される。この駆動電動機105は、最初に予備駆動として、加工ヘッド106に燃料ガスと酸素ガスが供給されない状態で、回転テーブル102を回転させ、密閉型圧縮装置100を初期設定位置から、補正加工部分11Wの始端SEが加工ヘッド106の先端の加工部と一致する状態まで、回転テーブル102を回転させる。次に、加工ヘッド106に燃料ガスと酸素ガスが供給され、加工ヘッド106が火炎を発生した状態で、補正加工駆動として、補正加工部分11Wの終端EEが加工ヘッド106の先端の加工部と一致する位置まで、回転テーブル102を駆動する。この補正加工駆動は、加工ヘッド106が移動機構120により前進位置に制御された状態で行なわれ、歪付与領域11Sの角度位置θ1、θ2を決定する。
ガス流量制御器113は、燃料ガスボンベ114および酸素ガスボンベ115と、加工ヘッド106との間に配置される。このガス流量制御器113は、演算制御手段110からシーケンサ111を介して制御され、加工ヘッド106による局部加熱の加熱量を制御する。この局部加熱の加熱量の制御は、加工ヘッド106が移動機構120により前進位置に制御された状態で行なわれ、歪付与領域11Sによる永久歪Fcの大きさを制御する。
図6は、歪付与領域11Sの角度範囲とエアギャップの調整量との関係を示す特性図である。図6の横軸は歪付与領域11Sの角度範囲(長さA)を示し、駆動回転軸40の周りの角度位置0から角度位置180度の間の角度範囲が示される。図6の縦軸は、歪付与領域11Sによるエアギャップ27の調整量を示す。
図6には、3つの調整量特性C1、C2、C3が示される。調整量特性C1は、局部加熱の加熱量をc1としたときの特性であり、調整量特性C2、C3はそれぞれ局部加熱の加熱量をc2、c3としたときに特性である。c1<c2<c3の関係に設定されており、局部加熱の加熱量を大きくすることにより、エアギャップ27の調整量を大きくできることを示す。
図6は、歪付与領域11Sの角度範囲を0から180度とした場合を例示している。しかし、歪付与領域11Sの角度範囲が、180度以下であれば、この図6の特性からエアギャップ27の調整量特性を読取ることができる。歪付与領域11Sが、図1に示すように、角度位置θ1と角度位置θ2の間にあるとき、その角度範囲θは、θ=θ2−θ1であり、図6の角度0から角度θの範囲のエアギャップ27の調整量特性を読取ることができる。演算制御手段110は、この図6の調整量特性を記憶しており、この調整量特性に基づき、補正加工部分11Wの角度位置θ1、θ2と、加熱量を決定する。
以上のように、実施の形態2の製造装置200は、組立状態にある密閉型圧縮装置100の円筒状シェル11に対して、その外周から補正加工を行ない、歪付与領域11Sを形成するエアギャップ補正装置210を含んでいるので、組立状態ある密閉型圧縮装置100において、円筒状シェル11のすべての残留応力、および圧縮機30のシリンダ31のアークスポット溶接時における入熱に伴なう駆動回転軸40の同軸ずれ、または偏心を改善し、またアキュームレータ50の連通管52のろう付け時の入熱に伴なう駆動回転軸40の同軸ずれ、または偏心も改善し、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善することができる。また、製造される初期の密閉型圧縮装置を含めてすべての密閉型圧縮装置100について、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27の変化特性を測定することにより、そのエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善することができる。
実施の形態3.
図7は、この発明による密閉型圧縮装置の製造方法に関する実施の形態3を示すフローチャートである。この実施の形態3の製造方法は、実施の形態1の密閉型圧縮装置100の製造方法であり、実施の形態2のエアギャップ補正装置210を用いて、密閉型圧縮装置100に歪付与領域11Sを形成する。
図7に示すフローチャートは、密閉型圧縮装置100の組立工程ASSと、この組立工程ASSに続くエアギャップ補正工程AMAを含んでいる。組立工程ASSでは、図8(a)に示すように、歪付与領域11Sが形成されていない密閉型圧縮装置100が組立られる。この密閉型圧縮装置100の組立状態では、前述の通り、密閉容器10の内部に固定子21と電動機回転子25を有する電動機20と、シリンダ31と圧縮ロータ35を有する圧縮機30と、駆動回転軸40とが配置され、固定子21とシリンダ31が円筒状シェル11の内周に固定され、また電動機回転子25と圧縮ロータ35とが駆動回転軸40で連結されている。また、前記組立状態では、アキュームレータ50が密閉容器10に取り付けられ、その連通管52がろう付け部分53により密閉容器10にろう付けされ、円筒状シェル11には端部シェル12、13が接合される。
エアギャップ補正工程AMAは、組立工程ASSの完了後に実行され、図8(b)に示すように、組立状態にある密閉型圧縮装置100に歪付与領域11Sを形成して、密閉型圧縮装置100のエアギャップ27のギャップ長の均一化を図る。図8(b)の密閉型圧縮装置100は、図2に示す密閉型圧縮装置100と同じである。エアギャップ補正工程AMAは、図7に示すように、11のステップST100からST110を含む。最初のステップST100では、周知の測定装置により、組立状態にある密閉型圧縮装置100の駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27の変化特性が測定される。
次のステップST101では、組立状態にある密閉型圧縮装置100を回転テーブル102上にセットする。このステップST101では、位置決めピン103を用いて、密閉型圧縮装置100を初期設定位置に置き、回転テーブル102上にセットする。回転テーブル102は、初期設定位置にセットされる。次のステップST102では、ステップST100で測定したエアギャップ27の変化特性を入力手段109に入力する。次のステップST103では、入力されたエアギャップ27の変化特性に基づいて、演算制御手段110により、補正加工部分11Wの角度位置θ1、θ2と、補正加工部分11Wに対する加工条件、すなわち加熱条件を演算する。このステップST103では、演算制御手段110は、図6に示すエアギャップの調整量特性を用いて、補正加工部分11Wの角度位置θ1、θ2と、補正加工ヘッド106に対する燃料ガスと酸素ガスの供給量を決定する。
次のステップST104では、駆動電動機105により、回転テーブル102を予備駆動し、回転テーブル102を初期設定位置から密閉型圧縮装置100を補正加工開始位置まで回転させる。このステップS104では、加工ヘッド106の先端の加工部の位置と、補正加工部分11Wの始端(角度位置θ1)とが一致するように、密閉型圧縮装置100を予備駆動する。次のステップST105では、演算制御手段110により演算された加工条件、すなわち加熱条件に基づき、ガス流量制御器113が燃料ガスと酸素ガスの供給量を設定する。
次のステップST106では、移動機構120により加工ヘッド106を前進位置の移動させ、加工ヘッド106に点火し、補正加工部分11Wに対する局部加熱を開始する。ステップST107では、駆動電動機105により回転テーブル102を補正加工駆動し、加工ヘッド106に対して密閉型圧縮装置100を相対回転する。この補正加工駆動は、加工ヘッド106が火炎を補正加工部分11Wに吹き付けている状態で、補正加工部分11Wを移動する。この補正加工駆動は、加工ヘッド106の先端の加工部の位置と、補正加工部分11Wの終端(角度位置θ2)とが一致するまで継続する。
次のステップST108では、加工ヘッド106の先端の加工部の位置と、補正加工部分11Wの終端(角度位置θ2)とが一致し、加工ヘッド106が消火され、また駆動電動機105による回転テーブル102の回転が停止され、移動機構120により加工ヘッド106が後退位置に後退する。次のステップST109では、回転テーブル102を初期設定位置に復帰させ、ステップST110で作業が完了する。
歪付与領域11Sを形成する前の密閉型圧縮装置100では、図8(a)に示すように、例えば固定子21と電動機回転子25の上端部分で、左側のエアギャップ長g1が、その右側のエアギャップ長g2よりも小さく、また固定子21と電動機回転子25の下端部分でも、左側のエアギャップ長g3が、その右側のエアギャップ長g4よりも小さいとする。すなわち、g1<g2、g3<g4とする。また、エアギャップg1は、エアギャップg3に比べて小さく、エアギャップg2はエアギャップg4に比べて大きいので、g1<g3、g2>g4である。すなわち、回転子25が固定子21に対してシリンダ31を中心として回転するようにして傾斜した状態にあり、g1<g3<g4<g2となる。シリンダ31と円筒シェル11のアークスポット溶接固定またはシリンダ31と連通管52のろう付によって発生するエアギャップの偏りは図8(a)に示すような状態がほとんどである。
歪付与領域11Sを形成した密閉型圧縮装置100では、図8(b)に示すように、円筒状シェル11の外周から、小さなギャップ長g1、g3となっている位置に、歪付与領域11Sが形成され、これらのエアギャップ長g1、g2、g3、g4が、均一のギャップ長gに均一化される。
以上にように実施の形態3の密閉型圧縮装置の製造方法では、組立状態にある密閉型圧縮装置100の円筒状シェル11に対して、その外周から補正加工を行ない、歪付与領域11Sを形成するエアギャップ補正工程AMAを含んでいるので、組立状態の密閉型圧縮装置100において、円筒状シェル11のすべての残留応力、および圧縮機30のシリンダ31のアークスポット溶接時における入熱に伴なう駆動回転軸40の同軸ずれ、または偏心を改善し、またアキュームレータ50の連通管52のろう付け時の入熱に伴なう駆動回転軸40の同軸ずれ、または偏心も改善し、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善することができる。また、製造される初期の密閉型圧縮装置を含めてすべての密閉型圧縮装置100について、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27の変化特性を測定することにより、そのエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善することができる。
実施の形態4.
図9は、この発明による密閉型圧縮装置の実施の形態4を示す断面図である。この実施の形態4の密閉型圧縮装置100Aでは、実施の形態1における歪付与領域11Sが、歪付与部分11Fに変えられ、この歪付与領域11Fは、補正加工部分11Wを局部変形することにより形成される。その他は、実施の形態1の密閉型圧縮装置100と同じに構成される。
実施の形態4の密閉型圧縮装置100Aの歪付与領域11Fは、補正加工部分11Wを局部変形して形成される。この補正加工部分11Wの位置は、実施の形態2における演算制御手段110により決定され、始端SEと終端EEを有する。加工ヘッド106は、この補正加工部分11Wに、その外周から外力を加える局部変形ヘッドとされる。歪付与領域11Fは、演算制御手段110により、局部変形ヘッドが補正加工部分11Wに、演算制御手段110で決定された大きさの圧力を与えることにより形成される。局部変形ヘッドが補正加工部分11Wの始端SEから終端EEまでの範囲に、演算制御手段110により決定された大きさの圧力を与えるように、回転テーブル102が回転される。
実施の形態4における歪付与領域11Fも、実施の形態1における歪付与領域11Sと同様に、円筒状シェル11に永久歪Fcを与え、駆動回転軸40の周りにおけるエアギャップ27のギャップ長の均一性を改善する。
この発明による密閉型圧縮装置は、例えば空調機、電気冷蔵庫などに利用される。
この発明による密閉型圧縮装置の実施の形態1を示す斜視図である。 実施の形態1の縦断面図である。 実施の形態1における歪付与領域による永久歪の説明図である。 この発明による密閉型圧縮装置の製造装置の実施の形態2を示す縦断面図である。 実施の形態2における制御系を示すブロック図である。 実施の形態2における演算制御手段に記憶されるエアギャップの調整量特性を示す特性図である。 この発明による密閉型圧縮装置の製造方法の実施の形態3を示すフローチャートである。 実施の形態3により、エアギャップ補正工程前の密閉型圧縮装置と、エアギャップ補正工程後の密閉型圧縮装置を示す断面図である。 この発明による密閉型圧縮装置の実施の形態4を示す断面図である。
符号の説明
10:密閉容器、11:円筒状シェル、11A:第1部分、11B:第2部分、
11C:中間部分、11W:補正加工部分、11S、11F:歪付与部分、
12:13:端部シェル、20:電動機、21:固定子、25:電動機回転子、
30:圧縮機、31:シリンダ、33:圧縮室、35:圧縮ロータ、
40:駆動回転軸、50:アキュームレータ、52:連通管。

Claims (12)

  1. 少なくとも、密閉容器を構成する円筒状シェルの内周に、電動機の固定子と圧縮機のシリンダが固定され、前記電動機の電動機回転子がエアギャップを介して前記固定子の内周に対向し、前記電動機回転子が駆動回転軸により前記圧縮機の圧縮ロータに連結された組立状態に組立られた密閉型圧縮装置であって、
    前記円筒状シェルは、前記組立状態でその外周から形成された歪付与領域を有し、この歪付与領域が、前記円筒状シェルに永久歪を付与し、前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップのギャップ長の均一性を改善したことを特徴とする密閉型圧縮装置。
  2. 請求項1記載の密閉型圧縮装置であって、前記歪付与領域が、前記円筒状シェルの前記固定子を固定する第1部分と、前記シリンダを固定する第2部分との間に形成された密閉型圧縮装置。
  3. 請求項1記載の密閉型圧縮装置であって、前記歪付与領域が、前記円筒状シェルを局部加熱して形成された密閉型圧縮装置。
  4. 請求項1記載の密閉型圧縮装置であって、前記歪付与領域が、前記円筒状シェルの周方向に、所定長さを持って形成された密閉型圧縮装置。
  5. 請求項1記載の密閉型圧縮装置であって、前記歪付与領域が、前記円筒状シェルを局部変形して形成された密閉型圧縮装置。
  6. 組立状態において、少なくとも、密閉容器の円筒状シェルの内周に、電動機の固定子と圧縮機のシリンダが固定され、前記電動機の電動機回転子がエアギャップを介して前記固定子の内周に対向し、前記電動機回転子が駆動回転軸により前記圧縮機の圧縮ロータに連結された密閉型圧縮装置に対して、前記エアギャップの補正を行なうエアギャップ補正装置を備え、
    前記エアギャップ補正装置は、前記組立状態にある密閉型圧縮装置の前記円筒状シェルに対して、その外周から補正加工を行ない、前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップのギャップ長の均一性を改善する歪付与領域を形成する加工ヘッドと、前記補正加工の位置と加工条件を演算し、前記加工ヘッドを制御する演算制御手段を有することを特徴とする密閉型圧縮装置の製造装置。
  7. 請求項6記載の密閉型圧縮装置の製造装置であって、前記組立状態では、さらに、前記円筒状シェルの外周にアキュームレータが取り付けられ、このアキュームレータの連通管が、前記円筒状シェルの継手管にろう付けされた密閉型圧縮装置の製造装置。
  8. 請求項6記載の密閉型圧縮装置の製造装置であって、前記演算制御手段は、前記組立状態にある密閉型圧縮装置を対象として測定された前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップの変化特性が入力され、このエアギャップの変化特性に基づいて、前記補正加工の位置と加工条件を演算する密閉型圧縮装置の製造装置。
  9. 組立工程とエアギャップ補正工程を含む密閉型圧縮装置の製造方法であって、前記組立工程は、密閉容器を構成する円筒状シェルの内周に、電動機の固定子と圧縮機のシリンダを固定し、前記電動機の電動機回転子がエアギャップを介して前記固定子の内周に対向し、前記電動機回転子が駆動回転軸により前記圧縮機の圧縮ロータに連結されるように前記密閉型圧縮装置の組立を行ない、
    また、前記エアギャップ補正工程は、前記組立工程の後で前記密閉型圧縮装置の前記円筒状シェルに対して、その外周から補正加工を行ない、前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップのギャップ長の均一性を改善する歪付与領域を形成することを特徴とする密閉型圧縮装置の製造方法。
  10. 請求項9記載の密閉型圧縮装置の製造方法であって、前記組立工程では、さらに、前記円筒状シェルの外周にアキュームレータが取り付けられ、このアキュームレータの連通管が、前記円筒状シェルの継手管にろう付けされる密閉型圧縮装置の製造方法。
  11. 請求項9記載の密閉型圧縮装置の製造方法であって、前記エアギャップ補正工程において、前記補正加工が局部加熱とされ、この局部加熱により前記歪付与領域を形成する密閉型圧縮装置の製造方法。
  12. 請求項9記載の密閉型圧縮装置の製造方法であって、前記エアギャップ補正工程が、前記駆動回転軸の周りにおける前記エアギャップの変化特性を測定する工程と、前記エアギャップの変化特性に基づいて、前記補正加工の位置と加工条件を決定する工程、および前記補正加工の位置と加工条件に基づき、前記円筒状シェルに補正加工を行なう工程を含む密閉型圧縮装置の製造方法。
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