JP5653017B2 - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置用の冷媒用密閉型電動圧縮機や、空気等の一般的な密閉型電動圧縮機に関するものである。
エアコンや冷蔵庫など冷凍機に密閉型電動圧縮機が広く使われているが、エアコンでは室外機に、冷蔵庫では本体内に圧縮機は配置されており、騒音低減の要求は非常に大きい。密閉型電動圧縮機の構造は、例えば特許文献1に示されており、図1を参考に説明する。
図1において、1は円筒状の密閉容器胴シェル(外殻)、2は密閉容器上部の蓋、3は密閉容器底部の蓋、4は電動機の固定子、5はコイル、6は回転子、7は圧縮機で、その駆動軸8は回転子6と結合されており、固定子4は密閉容器胴シェル1の円筒状の内壁に圧着されており、圧縮機7は密閉容器胴シェル1の円筒状の内壁に固定されている。圧縮機7はベーンロータリー式やスクロール式など使用用途により複数の方式が用いられている。9は密閉容器と並列に配置されたアキュームレータで、支持具10によって密閉容器に支持されている。11は密閉容器の胴シェル1に水平に設けた冷媒吸込口で、アキュームレータ9に設けてある垂直方向の冷媒出口と曲管12によって連結されている。13は圧縮された冷媒の吐出管である。
電動機はコギングなどにより振動し、その振動は密閉容器に伝播し、騒音となる。密閉容器の鋼材は、通常板厚3mm程度のJIS G 3101で規定するSS400等の鋼板を円筒状に成型し、端部を溶接し胴シェルとして使用される。
騒音低減のためには、密閉型電動圧縮機の周囲への防音材の配置などが一般的に行われる。或いは、特許文献1〜3に提案されているような騒音減衰装置が用いられる。
一方、密閉容器からの騒音を低減するためには振動を低減すればよく、そのためには密閉容器の剛性を上げることが考えられ、鋼板の板厚を厚くすることが考えられる。
特開昭58−158383号公報 特開昭60−111070号公報 特開昭60−129575号公報
密閉容器の周囲に防音材を配置することは、騒音は低減できるもののコストの上昇は避け得ない。特許文献2、3によれば、騒音は低減できるものの部品が増え、コストの上昇は避け得ない。密閉容器の外殻用の鋼板の板厚を厚くすることは、円筒への加工が難しくなり、また、密閉容器の重量が増加し、エアコン室外機や冷蔵庫の運搬や設置の際に大きな問題となる。
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、コスト上昇を抑えられ、密閉容器の外殻鋼板の板厚を厚くすることなく密閉容器の振動を低減し、騒音を抑えることができる密閉型電動圧縮機を提供するものである。
上記課題を解決する本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 密閉容器の内部に電動機およびこれと一体に連結された圧縮機構を収納し、駆動軸の周囲に、順に回転子、固定子を配置した前記電動機の動力により、前記駆動軸を介して前記圧縮機構が作動流体を圧縮する密閉型電動圧縮機において、前記密閉容器が、円筒状の外殻と、上下の蓋の3部品からなり、前記円筒状の外殻に、直交する二方向のヤング率を220GPa以上に高めたヤング率に異方性を有する鋼板を用い、外殻における軸及び周方向のヤング率が220GPa以上なるようにしたことを特徴とする密閉型電動圧縮機。
(2) 外殻が、JIS G 3101で規定するSS400で、ヤング率が206GPaからなる密閉型電動機圧縮機に比べ、外殻の固有振動数が3%以上高周波側にシフトすることを特徴とする(1)記載の密閉型電動圧縮機。
本発明によれば、板厚を厚くすることなく密閉容器の振動、騒音を低減した密閉型電動圧縮機の提供を可能としたものである。
本発明を適用した密閉型圧縮機の縦断面図である。 本発明を適用した電動機部の上部空間から見た横断面図である。 本発明に係る外殻に用いられる鋼管の鋼管軸方向及び周方向の説明図である。 本発明に係る外殻に用いられる鋼管の鋼管軸方向の剛性測定の模式図である。 本発明に係る外殻に用いられる鋼管と比較例の鋼管の鋼管軸方向及び周方向の剛性比較図である。 本発明に係る外殻に用いられる鋼管の鋼管円周方向の剛性測定の模式図である。 本発明に係る外殻に用いられる鋼管の固有振動測定における振動モード図である。 本発明に係る外殻に用いられる鋼管の製作工程の説明図である。 本発明に係る外殻に用いられる鋼管のヤング率の方向の説明図である。 本発明に係る外殻に用いられる鋼管の他の製作工程の説明図である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明者らは、密閉型電動圧縮機駆動時の振動の主因は、電動圧縮機の磁気吸引力ならびに回転不釣合いによるものであり、その振動が密閉容器に伝達されて振動が生じ、さらに密閉容器の振動が周囲の空気に伝わり、圧力変動として空気中を伝播し騒音として認識されため、密閉容器の振動を低減することにより、騒音の低減可能であると考えた。また、共振が生じている場合には、振動体の系の固有振動数を変えることにより、共振現象を防ぐことが可能であると考えた。
そして、振動の低減と固有振動数の調整の手段としてヤング率に注目した。なぜなら、外殻を形成する鋼管の曲げ剛性はヤング率に比例するため、同一形状の鋼管に外力を加えた場合、鋼管の静的変形量は高いヤング率の鋼管ほど小さくなり、振動振幅や振動速度も小さくなる。また、鋼管の固有振動数はヤング率の1/2乗に比例するため、同一形状の鋼管の固有振動数は高いヤング率の鋼管ほど大きくなるからである。
上述の考えに基づき、本発明者らは鋼板の板厚を厚くすることなく騒音を低減するために鋭意検討の結果、上記密閉容器の鋼管部分(円筒状の外殻)にふたつの直角方向のヤング率がいずれも220GPa以上の鋼板を用い、図3に示したように、鋼管軸方向と鋼管円周方向の鋼材のヤング率が220GPa以上になるように適用することによって、鋼管部分(外殻)の鋼板の板厚を厚くすることなく、著しく騒音を低減することが出来ることを新たに見出した。
ヤング率は結晶方位に依存することが知られており、鉄の場合結晶の<111>方向では理想的には約280GPaまで高めることが可能である。鋼板は通常多結晶体であり各結晶粒の方位がランダムな場合には、平均的な値としていずれの方向においても約205GPaのヤング率を有する。しかしながら、結晶粒が特定の方位に配向する、すなわち集合組織を有する場合にはヤング率に異方性が生じ、特定の方向に高いヤング率が得られる。
このようにヤング率に異方性を発生させ、特定の方向のヤング率を高めた鋼板としては、特開2005−273001号公報等に、NbやTiを添加した熱延鋼板または冷延鋼板において圧延方向と垂直な方向、すなわち鋼板の幅方向に240GPaを超える高いヤング率を有する鋼板およびその製造方法を開示している。
この鋼板は熱延板の表層に発達するせん断集合組織の代表方位である{110}<111>および{211}<111>を発達させることによって圧延方向のヤング率を向上させるとともに、板厚中心部に発達する{211}<011>方位によって幅方向のヤング率を同時に上げたものである。
本発明はこのように直交二方向にヤング率が高い鋼板を、密閉型電動圧縮機の鋼管円周および管軸方向に平行になるように適用することによって、板厚を増すことなく、密閉容器の振動を著しく低減することを可能にしたものである。
本発明の密閉型電動圧縮機の密閉容器は、上記のように胴シェル(外殻)にヤング率の高い鋼板を使用したため、胴シェル、及びその上下の蓋の3部品からなる。
本発明に係る密閉型電動圧縮機は、駆動軸を中心として、駆動軸の周囲に、順に回転子、固定子を配置した電動機の動力を動力源として、駆動軸の周囲に配置した圧縮機を駆動させる。
本発明で用いる圧縮機は、圧縮効率が優れている点から、総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会エアコンディショナー判断基準小委員会中間取りまとめ等に記載されている、いわゆるツインロータリー式やスクロール式と呼ばれるものを用いることが好ましい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
本発明者らは、密閉型電動圧縮機の密閉容器用の鋼板に下記の2つの材料を適用した。
一つは、質量%で、C:0.04%、Si:0.05%、Mn:1.7%、Ti:0.02%、Nb:0.02%、B:0.002%の鋼塊を溶製し、加熱温度1200℃、熱延開始温度1000℃、仕上温度910℃の熱間圧延を施して作製した板厚3mmの熱延鋼板であり、他の一つは、質量%で、C:0.04%、Si:0.2%、Mn:2%、Nb:0.04%、Ti:0.01%、Mo:0.1%,B:0.001%の鋼塊を溶製し、加熱温度1230℃、熱延開始温度940℃,仕上温度830℃の熱間圧延を施して作製した板厚3mmの熱延鋼板である。
これらの鋼板のヤング率の測定はJIS Z 2280に準拠した常温での横共振法にて行った。すなわち試料を固定せずに振動を加え、発振機の振動数を徐々に変化させて一次共振振動数を測定して、(1)式よりヤング率を算出する。
E=0.946×(1/h)3×m/wf2 (1)
ここで、E:動的ヤング率(N/m2)、l:試験片の長さ(m)、h:試験片の厚さ(m)、m:質量(kg)、w:試験片の幅(m)、f:横共振法の一次共振振動数(s-1)、である。
本発明例に係る鋼板のヤング率は、先に述べた鋼板が圧延方向には220GPa、圧延方向に垂直な方向に222GPa、次に述べた鋼板が、圧延方向には245GPa、圧延方向に垂直な方向には238GPaであった。また、比較例として用いたJIS G 3101で規定するSS400のヤング率は、圧延方向に207GPa、圧延方向に垂直な方向に205GPaと平均206GPaである。
比較例と、本発明例に係る材料の特性を比較検討するため、内径:112mm、板厚:3mm、軸方向長さ:160mmの鋼管を製作し、3種類の機械特性、(a)鋼管軸方向の剛性、(b)鋼管円周方向の剛性、(c)鋼管の固有振動数を実測した。なお、鋼管を製作する際には鋼板の幅方向が鋼管の円周方向に平行になるように材料を切り出した。(図3参照)
鋼管軸方向の剛性(a)は、図4に示すように鋼管の一端を壁に固定した状態でもう一端に鉛直方向下向きの力:Frを加え、そのときの外力を加えた点の変形量:xrを測定し、(鋼管軸方向の剛性)=Fr/xrとして評価した。
その結果、比較例と比べ、本発明例に係る鋼管では、鋼管軸方向の剛性は、圧延方向のヤング率が220GPaの鋼材を用いた鋼管で5.3%、同じくヤング率が245GPaの鋼材を用いた鋼管では12.8%向上することを確認した(図5参照)。
鋼管円周方向の剛性(b)は、図6に示すように鋼管内部に内圧:Pを加え、そのときの鋼管軸方向中央部半径方向の変形量:xθを測定し、(鋼管円周方向の剛性)=P/xθとして評価した。その結果、比較例S400と比べ、本発明例に係る鋼管では、鋼管円周方向の剛性は、ヤング率が222GPaの鋼材を用いた鋼管で4.0%、ヤング率が238GPaの鋼材を用いた鋼管では9.8%向上することを確認した(図5参照)。
鋼管の固有振動数(c)は、一般的なハンマリング試験により求めた。その結果、表1に示すように、(固有振動数変化率)={1−(開発材を用いた鋼管の振動数)/(SS400を用いた鋼管の振動数)}×100(%)として比較した場合、比較例と比べ、本発明例を用いた鋼管では、面内の変形の波数:n(図7参照)が、測定した範囲n=2、3、4(軸方向ねじれなし)、n=2、3、4(軸方向にねじれあり)において(a)、(b)の高剛性化により、固有振動数変化率が全モードで、圧延方向のヤング率が220GPaの鋼材を用いた鋼管で+3.5%程度、圧延方向のヤング率が245GPaの鋼材を用いた鋼管では+8%程度変化(高周波側に固有振動数がシフト)したことを確認した。
このことから、固有振動数変化率の高周波側へのシフト量を3%以上とした。
Figure 0005653017
上述で製作した熱延鋼板を用いて密閉容器外殻の製作を実施した。その製作工程を図8に示す。なお、アンコイラ30の熱延鋼板31に係る鋼板のヤング率は、鋼板を繰り出す方向32に220GPa、鋼板の繰り出す垂直方向33に222GPaであった。
アンコイラ30から一定幅で連続する帯状の熱延鋼板31を連続的に繰り出し、繰り出された熱延鋼板31は一対の押さえロール34を経て、複数対配列されたフォーミングロール35を通して徐々にC字状に丸められていく。そしてローリングセパレータ36により突き合わせるべき熱延鋼板31の両端縁間の間隙量が一定に保たれた上、誘導加熱部のワークコイル、例えば誘導加熱コイル37に通される。誘導加熱コイル37はC字状に丸められた熱延鋼板31を加熱し両端縁に集中的にジュール熱を発生させる。そして熱延鋼板31は一対のスクイズロール38,38間を通過する際に加熱された両端縁が押されて突き合わされて溶接される。熱延鋼板31が溶接されて成る管39の内外面には溶接部からはみ出した溶融材料により外面及び内面ビードが形成され、これらは切削装置で除去される。そして管39は冷却された後、切断機などにより所定長さ毎に切断され密閉容器の外殻40となる。
図8の工程にて製作された図9に示す密閉容器外殻40のヤング率は、図8に示す熱延鋼板31の繰り出される方向32が図9における外殻40の円筒軸方向41に相当する為220GPaとなり、図8に示す熱延鋼板31の繰り出す垂直方向33が図9における外殻40の円筒周方向42に相当する為222GPaとなる。
また、密閉容器外殻が上記方法とは異なる製作方法を図10に示す。なお、板状の熱延鋼板50に係る鋼板のヤング率は、鋼板を繰り出す方向51に222GPa、鋼板の繰り出す垂直方向52に220GPaであった。あらかじめ所定の長さに切断された板状の熱延鋼板50を使用し、(b)の工程の加工機にて、板状の熱延鋼板50をプレスローラー53で押さえつけながら回転ローラー54でC字状に丸める。次に(c)の工程にて、上部金型55と下部金型56でC字状の熱延鋼板50を挟み込みシュリンクさせワークの円筒度を高めるとともに、鋼板の継目部のすき間を安定化させる。次に(d)の工程にてトンネル上の金型57にC字状の熱延鋼板50を通過させると共に、継目部をプラズマ溶接方法58などで接合することで円筒状の外殻59が完成する。次に(e)の工程にて円筒状の外殻59の内径にエキスパンドの金型60を挿入し、外殻59の真円度、円筒度を高める。最後に、(f)の工程にて、外殻を回転装置61などに固定し、外殻59の端面を切削工具62などで切削し、所定の寸法に仕上げる。
図10の工程にて製作された密閉容器外殻59のヤング率は、図8の工程にて製作された密閉容器外殻40と同等の値を示した。なぜなら、図10の製作工程における熱延鋼板50の繰り出す垂直方向52が図9における外殻40の円筒軸方向41に相当するとともに、図10に示す熱延鋼板50の繰り出す方向51が図9における外殻40の円筒周方向42に相当する為である。
次に、上述にて製作された密閉容器外殻にて構成した密閉型圧縮機を説明する。図1は密閉型圧縮機の縦断面図であり、図2は、電動機部の上部空間から見た横断面図である。なお、図8の製作方法で製作した外殻40および図10の製作方法で製作した外殻59は、図1における密閉容器外殻1に相応しており、以降、密閉容器外殻を符号の1を用いて説明する。
図1において圧縮機は、底部にオイルの貯溜されたオイル溜りを有する密閉容器で、この容器内には上側に電動機が、下側に圧縮機構部7がそれぞれ収納されている。電動機は駆動軸8に装着された回転子6と、外周に切欠部を形成した固定子4とで構成されている。圧縮機構部7は、シリンダ14と、駆動軸8の偏芯部によりシリンダ14内を回転するピストン15とこのピストン15に接してシリンダ14内を分けるベーン(図示せず)とシリンダ14の開口を封じる上軸受部16と下軸受部17と、この上軸受部16に取り付けられた吐出弁(図示せず)と、この吐出弁を覆うカップマフラー18とで構成されており、回転子6からの駆動によりシリンダ14内をピストン15が回転し冷媒が圧縮される構造となっている。また、図2に示すように、固定子4の外周が密閉容器外殻1の内壁に焼き嵌めや溶接などにより固定されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機において、密閉容器外殻1におけるヤング率は、図8に示す熱延鋼板31の繰り出される方向32が図1の円筒軸方向19に相当する為220GPaとなり、図8に示す熱延鋼板31の繰り出す垂直方向33が密閉容器外殻1の図2に示す円筒周方向20に相当する為222GPaとなる。
電動機の巻線は図1に示す上蓋2にあらかじめ抵抗溶接などで取り付けられたガラスターミナル2a(圧縮機内部側)に接続される。また、ガラスターミナル2a(圧縮機外部側)には、交流電源や直流電源などの制御回路(図示せず)からの配線が接続され制御回路からの指令により電動機が回転する仕組みとなっている。この電動機の巻線5に通電することにより、固定子4のティース4aに磁力が発生し、固定子4に回転磁界が発生する。これにより回転子6が回転し、電動機が駆動する。このとき、固定子4のティース4aが、その内側に配置された回転子6との間に生じる磁気吸引力又は離反力によって固定子4が振動する。その振動は上述のように密閉容器外郭1の内壁に固定子4が固定されていることから密閉容器外殻1に伝播し、円筒周方向に密閉容器外郭1が振幅する事により騒音となる。
上記で製作した比較例及び本発明例の鋼管を用いて密閉型電動圧縮機を作成し、実際に定格運転させたときの騒音値を実測した。
その結果、比較例と比べ、本発明の実施の形態に係る鋼管を用いた密閉型電動圧縮機では、騒音のオーバーオール値が2dB(A)小さくなることを確認した。さらに、騒音のピーク周波数も固有振動数の変化に伴い、各振動モードに関連した周波数で+3.4%以上変化(高周波側に固有振動数がシフト)することを確認した。
また、鋼管の曲げ剛性はヤング率に比例し、鋼管の固有振動数はヤング率の1/2乗に比例するため、密閉容器外郭の円筒軸及び周方向におけるヤング率が220GPa未満の鋼管では、騒音値、固有振動数の変化の効果も相対的に小さくなり、本願発明の効果は得られない。
1 密閉容器外殻
2 密閉容器上蓋
2a ガラスターミナル
3 密閉容器下蓋
4 固定子
4a 固定子のティース
5 巻線
6 回転子
7 圧縮機構部
8 駆動軸
9 アキュームレータ
10 支持具
11 冷媒吸込口
12 曲管
13 吐出管
14 シリンダ
15 ピストン
16 上軸受部
17 下軸受部
18 カップマフラー
19 密閉容器外殻の円筒軸方向
20 密閉容器外殻の円筒周方向
21 鋼管
22 外力を加えて変形させた後の鋼管
23 反力壁
30 アンコイラ
31 熱延鋼板
32 アンコイラの鋼板を繰り出す方向
33 アンコイラの鋼板の繰り出す垂直方向
34 一対の押さえロール
35 複数対配列されたフォーミングロール
36 ローリングセパレータ
37 誘導加熱コイル
38 一対のスクイズロール
39 溶接されて成る管
40 図7の工程にて製作された密閉容器外殻
41 外殻の円筒軸方向
42 外殻の円筒周方向
50 板状の熱延鋼板
51 板状の鋼板を繰り出す方向
52 板状の鋼板の繰り出す垂直方向
53 プレスローラー
54 回転ローラー
55 上部金型
56 下部金型
57 トンネル上の金型
58 プラズマ溶接方法
59 図9の工程にて製作された密閉容器外殻
60 エキスパンドの金型
61 回転装置
62 切削工具

Claims (2)

  1. 密閉容器の内部に電動機およびこれと一体に連結された圧縮機構を収納し、駆動軸の周囲に、順に回転子、固定子を配置した前記電動機の動力により、前記駆動軸を介して前記圧縮機構が作動流体を圧縮する密閉型電動圧縮機において、前記密閉容器が、円筒状の外殻と、上下の蓋の3部品からなり、前記円筒状の外殻に、直交する二方向のヤング率を220GPa以上に高めたヤング率に異方性を有する鋼板を用い、外殻における軸及び周方向のヤング率が220GPa以上なるようにしたことを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  2. 外殻が、JIS G 3101で規定するSS400で、ヤング率が206GPaからなる密閉型電動機圧縮機に比べ、外殻の固有振動数が3%以上高周波側にシフトすることを特徴とする請求項1記載の密閉型電動圧縮機。
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