JP2006152838A - 圧縮機 - Google Patents

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Yasuhiro Sakakibara
泰弘 榊原
Naoya Morozumi
尚哉 両角
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Abstract

【課題】 電動機部の回転部材に設置されるバランスウエイトの材料取りの効率がよく、かつ流体抵抗が小さく、撹拌損失を低減でき、容器外部への潤滑油の吐油量を少なくできる圧縮機を提供する。
【解決手段】 容器内に圧縮部と、電動機部と、この電動機部の回転力を前記圧縮部に伝達する偏心部を有する回転軸と、前記電動機部の回転子および、または前記回転軸に、同回転軸の回転運動時に発生するアンバランス荷重を除去する円弧形状のバランスウエイト11、12とを備えてなる圧縮機において、前記円弧形状のバランスウエイトの、外周円弧面Eoと内周円弧面Eiとが同一曲率で構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷凍装置等に使用される圧縮機に係わり、詳しくは、電動機部の回転時に発生する回転部材のアンバランス荷重を除去するバランスウエイトの材料取りを良くし、撹拌損失の低減を図れる構成に関する。
従来、電動機部の回転力を前記圧縮部に伝達する偏心部を有する回転軸の公転運動時に発生する回転部材のアンバランス荷重(不釣り合い力)を除去する円弧形状のバランスウエイトとを備えた圧縮機として図5に示すようなものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
電動機部の回転子220の電磁鋼鈑からなる本体230の両端に、エンドリング240、250が一体的に形成されている。このエンドリング240、250に一対のガイドピン243、244が設けられている。そして、バランスウエイト270、251に設けられた固定孔271、271をガイドピン243、244に嵌合してネジなどで固定し、円弧形状のバランスウエイト270、251を回転子本体230に取付けている。
前記バランスウエイト270、251は、外径および内径とも回転子220の同心円上の円弧形状に形成されている。即ち、円弧の外周円弧面と内周円弧面が異なる半径で形成されている。
しかし、図6に示すように、このような外周円弧面と内周円弧面が異なる半径のバランスウエイト270を、1枚の平板部材300からプレス加工により複数個製作する場合、材料取りが悪く、破材(図6の斜線部分)の割合が多くなり、コストアップにつながる。
また、保管時や輸送時にバランスウエイト270を密に収めることが困難であり、収納スペースが大きくなり、収納効率が悪くなる。
さらに、前記バランスウエイト270は、回転方向の流体対向面が矩形状のため、撹拌損失が大きくなり、圧縮機の充分な効率が得られない。
そこで、バランスウエイトの材料取りの効率がよく、かつ流体抵抗が小さく、撹拌損失を低減できる形状のバランスウエイトの製作が望まれている。
特開2004−278374号公報(第8〜13頁、第3〜5図)
本発明は上記の問題点に鑑み、電動機部の回転部材に設置されるバランスウエイトの材料取りの効率がよく、かつ流体抵抗が小さく、撹拌損失を低減でき、密閉容器外部への潤滑油の吐油量を少なくできる密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、容器内に圧縮部と、電動機部と、この電動機部の回転力を前記圧縮部に伝達する偏心部を有する回転軸と、前記電動機部の回転子および、または前記回転軸に、同回転軸の回転運動時に発生するアンバランス荷重を除去する円弧形状のバランスウエイトとを備えてなる圧縮機において、
前記円弧形状のバランスウエイトの、外周円弧面と内周円弧面とが同一曲率で構成されている。
本発明によれば、バランスウエイトを円弧形状に形成し、外周円弧面と内周円弧面が同一半径で、かつ両先端部が円弧形状とした構成とすることにより、プレス加工により複数のバランスウエイトを製作する際、材料取りが良く、破材を少なくでき生産性を向上することができる。また、バランスウエイトの保管時や輸送時の梱包の際も密に収納でき、省スペース化が可能となり、収納効率の向上を図ることができる。
また、撹拌損失を小さくすることで、圧縮機の動力損失を低減し効率の向上が図れ、圧縮機起動時等に容器内の油面が上昇する際、撹拌による容器の外部への潤滑油の流出を抑えることができる。更にバランスウエイトをプレス加工する際、金型への応力を抑え、耐摩耗性を向上することにより、生産性を向上できる圧縮機となる。
以下、本発明の実施の形態を、スクロール圧縮機を例に、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1(A)は本発明における圧縮機の縦断面図、図1(B)は本発明におけるバランスウエイトの斜視図、図2は本発明におけるバランスウエイトの上面図で、(A)は両端部を円弧形状としたもの、(B)は両端部を直線形状の組合せで構成したもの、(C)は直線形状で先端を尖らせたもの、(D)は両端部を円弧形状と直線形状の組合せで構成したもので、図3は本発明におけるバランスウエイトの材料取りを示す平面図である。
図1(A)において、スクロール圧縮機は容器1内の上方に圧縮部2を配設し、下方に容器1の内部に固定された固定子3bと、同固定子3bにより駆動され回転する回転子3aとを有する電動機部3が配設され、同電動機部3により前記圧縮部2が駆動される。
前記圧縮部2は、鏡板の内面に渦捲き状のラップを立設させた固定スクロール4と、同固定スクロール4と鏡板の内面のラップを互いに噛み合わせ複数の圧縮室5を形成する旋回スクロール6と、同旋回スクロール6の背面の偏心軸受6aとにより構成されている。また、先端の偏心軸7aを前記偏心軸受6aに挿入し、前記電動機部3の回転力を前記旋回スクロール6に伝達する回転軸7と、同回転軸7の前記偏心軸7a下部に設けられた主軸部7bをラジアル方向に支承する主軸受8aを備え、前記圧縮部2を支持するメインフレーム8と、前記回転軸7の下部に形成された副軸部7cをラジアル方向に支承する副軸受10を備えたサブフレーム9とにより構成されている。
前記偏心軸7aや前記回転軸7に設置された回転部材が、前記偏心軸7aを含む前記回転軸7の公転(回転)運動に伴って生じる不釣り合い力(アンバランス荷重)を打ち消すために、前記回転子3aもしくは前記回転軸7に、バランスウエイト11、12が設置されている。
図1(A)に示すように、前記バランスウエイト11を前記回転子3aに取付ける場合、回転子3aのエンドリング14に設けられたガイドピン(図示せず)に、図1(B)に示す前記バランスウエイト11に設けられた固定孔15を嵌合し、ガイドピンの先端部をカシメやネジなどにより固定して取付けられる。
また、バランスウエイト11、12を前記回転軸7に取付ける場合、図1(A)に示すように、前記回転軸7に支持具16を取付け、この支持具16に前記バランスウエイト12を取付ける。
図1(B)および図2(A)において、前記バランスウエイト11、12は、回転方向(破線矢印)に対して外周円弧面Eoと内周円弧面Eiを有し、両円弧面Eo,Eiの両端部に向けて次第に狭くなる半円形状に形成され、前記外周円弧面Eoの半径Roと前記内周円弧面Eiの半径Riが同一半径となるように構成されている。
上記構成により、図3に示すように、平板部材13からプレス加工により複数のバランスウエイト11、12を製作する際、蜜に並べて加工できるため、材料取りが良く、破材を少なくでき生産性を向上することができる。
また、バランスウエイト11、12の保管時や輸送時の梱包の際も蜜に収納でき、省スペース化が可能となり、収納効率の向上を図ることができる。
また、図2(A)および図4(A)に示すように、前記バランスウエイト11、12の両先端部が円弧形状としてなる構成となっている。
上記構成により、前記バランスウエイト11、12の回転方向の流体対向面での抗力(流体抵抗)を小さくでき、潤滑油等の撹拌損失を低減することができる。撹拌損失を小さくすることで、圧縮機の動力損失を低減し効率の向上が図れ、また、圧縮機起動時等に密閉容器1内の油面が上昇する際、撹拌による密閉容器1の外部への潤滑油の流出を抑えることができる。また、前記バランスウエイト11、12の回転方向の反対向面(後縁部)での渦流の発生を抑えることができ、圧縮機効率の向上が図れる。
更に、両先端部を円弧形状とした場合、前記バランスウエイト11、12をプレス加工する際、金型への応力を抑え、耐摩耗性を向上することにより、生産性を向上できる。
図2(B)、(C)および図4(A)に本発明の実施例2を示す。前記バランスウエイト11、12の両先端部を直線部Cによる鋭角形状で構成することにより、上記実施例1と同様に、回転方向の流体対向面での抗力(流体抵抗)を小さくして撹拌損失を低減でき、これにより圧縮機の動力損失を低減し効率の向上が図れ、かつ圧縮機起動時等に密閉容器1内の油面が上昇する際、撹拌による密閉容器1の外部への潤滑油の流出を抑えることができる。また、前記バランスウエイト11、12の回転方向の反対向面(後縁部)での渦流の発生を抑え、圧縮機効率の向上を図ることができる。
図2(D)に本発明の実施例3を示す。前記バランスウエイト11、12の両先端部を円弧形状と直線部Cの組合せで構成することにより、上記実施例1と同様に、前記バランスウエイト11、12の回転方向の流体対向面での抗力(流体抵抗)を小さくでき、潤滑油等の撹拌損失を低減することができる。撹拌損失を小さくすることで、圧縮機の動力損失を低減し効率の向上が図れ、また、圧縮機起動時等に密閉容器1内の油面が上昇する際、撹拌による密閉容器1の外部への潤滑油の流出を抑えることができる。また、前記バランスウエイト11、12の回転方向の反対向面(後縁部)での渦流の発生を抑えることができ、圧縮機効率の向上が図れる。
更に、両先端周縁部を円弧形状とした場合、前記バランスウエイト11、12をプレス加工する際、金型への応力を抑え、耐摩耗性を向上することにより、生産性を向上できる。
以上に説明したように、前記バランスウエイト11、12は、回転方向に対して外周円弧面Eoと内周円弧面Eiを有し、両円弧面Eo,Eiの両端部に向けて次第に狭くなる半円形状に形成され、前記外周円弧面Eoの半径Roと前記内周円弧面Eiの半径Riが同一半径とし、かつ両先端部が円弧形状とした構成とすることにより、平板部材13からプレス加工により複数のバランスウエイト11、12を製作する際、密に並べて加工できるため、材料取りが良く、破材を少なくでき生産性を向上することができる。
また、バランスウエイト11、12の保管時や輸送時の梱包の際も蜜に収納でき、省スペース化が可能となり、収納効率の向上を図ることができる。
また、前記バランスウエイト11、12の回転方向の流体対向面での抗力(流体抵抗)を小さくでき、撹拌損失を低減することができるため、圧縮機の動力損失を低減し効率の向上が図れ、また、圧縮機起動時等に密閉容器1内の油面が上昇する際、撹拌による容器1の外部への潤滑油の流出を抑えることができる。また、前記バランスウエイト11、12の回転方向の反対向面(後縁部)での渦流の発生を抑えることができ、圧縮機効率の向上が図れる。更に、両先端部を円弧形状とした場合、前記バランスウエイト11、12をプレス加工する際、金型への応力を抑え、耐摩耗性を向上することにより、生産性を向上できる圧縮機となる。
(A)は本発明における圧縮機の縦断面図、(B)は本発明におけるバランスウエイトの斜視図である。 本発明におけるバランスウエイトの上面図で、(A)は第1の実施例、(B)および(C)は第2の実施例、(D)は第3の実施例である。 本発明におけるバランスウエイトの材料取りを示す平面図である。 本発明におけるバランスウエイトの回転方向と、流体の流れ方向を示す説明図である。 従来例によるバランスウエイトの構成図である。 従来例によるバランスウエイトの材料取りを示す平面図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 圧縮部
3 電動機部
3a 固定子
3b 回転子
4 固定スクロール
5 圧縮室
6 旋回スクロール
6a 旋回軸受
7 回転軸
7a 旋回軸
7b 主軸部
7c 副軸部
8 メインフレーム
8a 主軸受
9 サブフレーム
10 副軸受
11、12 バランスウエイト
13 平板部材
14 エンドリング
15 固定孔
16 支持具

Claims (1)

  1. 容器内に圧縮部と、電動機部と、この電動機部の回転力を前記圧縮部に伝達する偏心部を有する回転軸と、前記電動機部の回転子および、または前記回転軸に、同回転軸の回転運動時に発生するアンバランス荷重を除去する円弧形状のバランスウエイトとを備えてなる圧縮機において、
    前記円弧形状のバランスウエイトの、外周円弧面と内周円弧面とが同一曲率で構成されてなることを特徴とする圧縮機。
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