JP2007303378A - 圧縮機及び圧縮機の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機構部の受ける力を減少させ圧縮機構部の歪みの発生を低減し、かつ長期的な使用に対しても、圧縮機構部のがたつきによる騒音や振動の増加などの不具合が生じない信頼性が高く、高性能な圧縮機を得る。
【解決手段】容器1内に収納され前記容器と隙間を介して設けられる圧縮機構部等の内蔵部品101と、前記内蔵部品の外周側で前記容器に対向して設けられ互いに近接して配置された複数の下穴102を有する固定部と、前記固定部に対向する容器壁部であって前記容器の外側から押し付けられて前記下穴内に入り込み前記容器と前記内蔵部品を固定する容器凸部107と、を備え、前記容器材料の軟化する温度以上且つ融点未満の温度範囲で前記容器が加熱された状態にて前記容器凸部にて前記内蔵部品の下穴を固定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば冷凍装置や空調装置や給湯装置などに好ましく用いることができる圧縮機及び圧縮機の製造方法に関するものである。
従来の圧縮機としては、容器に穴あけ加工を施し、圧縮手段である圧縮機構部を容器に焼嵌め、穴部外側から溶融金属を流し込み、圧縮機構部などの内蔵部品を容器に固定する方法がある。(例えば特許文献1参照)
容器に穴あけ加工を施さない圧縮機の圧縮機構部の固定方法として、内蔵部品の圧縮機構部を容器内に圧入して位置決めした後、圧縮機構部外周面に設けた下穴に対向する容器を押付治具にて半径方向内向きに押し付け、容器を下穴の内部に塑性変形させ、圧縮機構部を容器内に固定するようにしたものがある。(例えば特許文献2参照)
さらに圧縮機構部外周面に下穴を設け、この下穴と同一位置で容器の外周から加熱かしめにより圧縮機構部を密閉容器に固定するものがある。(例えば特許文献3参照)
また、圧縮機構部外周面に近接する複数の下穴を設け、これら下穴に対向する容器を押付治具にて半径方向内向きに押し付け、下穴に係合する凸部を容器に形成し、容器の冷却による熱収縮により、容器の複数の凸部が圧縮機構部の下穴間を締め付けて、内蔵部品の圧縮機構部を容器に固定するものがある。(例えば特許文献4参照)
特開平06−272677号公報(第2頁、図1) 特表平6−509408号公報(第1頁、図1) 実開平1−131880号公報(第1頁、図1) 特開2005−330827号公報(第1頁、図1)
上記のような従来技術においては、下記のような課題があった。容器に穴あけ加工を施すものでは、溶接時に穴部から溶接スパッタ等の異物が混入し、圧縮手段である圧縮機構部にその異物が入り込み圧縮不良を起したり、溶接不良により容器穴部から冷媒のリークが発生するという問題点があった。また、容器の穴部に溶融金属を流し込む際、容器が加熱され、熱により容器が半径方向外側へ膨張した状態で、圧縮機構部等の内蔵部品と容器の間に注入された溶融金属が凝固するので、溶融金属が凝固した後で、容器の冷却収縮が起こり、それにより凝固した溶融金属が、容器から内側に向けて力を受けることになり、圧縮機構部を径方向に押し付け、圧縮機構部に発生する歪みが増加するという問題点があった。
容器に穴あけ加工を施さないものでは、容器に圧縮機構部を圧入するため、圧縮機構部の締め付け力が増加し、圧縮機構部に歪が発生するという問題点があり、さらに圧縮機構部の下穴に対向する容器を、加熱することなく外側から押し付け、かしめるときに、圧縮機構部に力が加わり、圧縮機構部の歪みが増加するという問題点もあった。また下穴1点の加熱かしめでは、かしめ時の容器外側からの押し付け力を低減できるが、容器が冷却した後のかしめ点の熱収縮により、容器に対して圧縮機構部のがたつきが発生するという問題点があった。
また近接する複数のかしめ点を加熱かしめにて形成し、容器の冷却による熱収縮で締め付けて固定する場合でも、締め付けが十分でなく、圧縮機を長期間使用しているうちに、容器に対して圧縮機構部のずれやがたつきが発生し、騒音や振動の増加といった不具合が生じるなどの長期的な信頼性に欠けるという問題点があった。
この発明は上記のような従来技術の課題を解消するためになされたもので、溶接スパッタ等の異物が混入したり、冷媒のリークの恐れがなく、また容器に内蔵部品の圧縮機構部を固定したときに圧縮機構部の受ける力を減少させ圧縮機構部の歪みの発生を低減し、かつ長期的な使用に対しても、圧縮機構部のがたつきによる騒音や振動の増加などの不具合が生じない信頼性が高く、高性能な圧縮機を得るものである。
この発明による圧縮機においては、容器内に収納され容器と隙間を介して設けられる圧縮機構部等の内蔵部品と、内蔵部品の外周側で、容器に対向して設けられ互いに近接して配置された複数の下穴を有する固定部と、固定部に対向する容器壁部であって、容器の外側から押し付けられて、下穴内に入りこみ、容器と内蔵部品を固定する容器凸部とを備え、容器の材料の軟化する温度以上且つ融点未満の温度範囲で容器が加熱された状態にて、容器凸部にて内蔵部品の下穴を固定したものである。
この発明による圧縮機によれば、容器凸部を確実に形成させて、近接した複数の容器凸部にて内蔵部品の下穴間に十分なはさみ込み力を発生させることで、容器に内蔵部品を確実にかつ強固に固定することができ、圧縮機の長期的な使用に対しても、圧縮機稼動中に発生する普通及び過剰な力に耐え、内蔵部品のがたつきによる騒音や振動の増加などの不具合が生じない信頼性の高い圧縮機を得ることができる。また内蔵部品である圧縮機構部の受ける力を減少させ、圧縮機構部の歪みを低減できるので、圧縮機の性能も向上できる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による密閉形圧縮機を概略的に示す縦断面図である。図1において、1は密閉容器、101は密閉容器1に内蔵される内蔵部品の一種である圧縮機構部で、容器1内に収納され圧縮室周囲を覆い圧縮を行う圧縮手段を形成するものである。103は、圧縮機構部に圧縮するガスを供給するための吸入管、2は圧縮機構部101に駆動力を供給する電動機の固定子、3は電動機の回転子である。固定子2は密閉容器1に焼嵌めにより固定されている。
ここで圧縮機構部101の密閉容器1への固定方法について説明する。圧縮機構部101は、密閉容器1に対して隙間嵌めの状態である。ここで隙間嵌めとは、圧縮機構部101の外径が密閉容器1の内径より小さく、互いの真円度を考慮しても、配置された時に圧縮機構部101に密閉容器1から荷重が作用しない嵌め合いを意味する。この時外径、内径とは、直交する2ヶ所あるいはそれら2ヶ所にさらに付け加えた3ヶ所以上の箇所で測定される外径、内径の平均値を言うことが多い。圧縮機構部101の外周面には、下穴102が形成されている。図1は縦断面図のために、下穴102が1点しか描かれていないが、図2に示すように、下穴102は、圧縮機構部101の円周方向に、近接した状態の2点が1組となって設けられており、ここでは、複数の下穴102とその下穴102によって挟まれた部位を合わせた圧縮機構部101外周面の部分的な領域を固定部と呼ぶものとする。この固定部が、圧縮機構部101の外周面にほぼ等ピッチ間隔で3ヶ所に設けられており、この場合では下穴102の個数は全部で6点となる。
そして図2に示すように、各固定部の2点の下穴102間の中心位置上の密閉容器1外周面を加熱中心109として、各固定部に対向する密閉容器1壁部を密閉容器1の外側から局所的に加熱する。加熱により密閉容器1を熱膨張させた後、図3に示すように、2点の下穴102の直上から下穴102の内径と等しいかわずかに小さい外径を有する円柱状で先端が平面である2つの押付治具111を2点同時に密閉容器1の壁部外側から押し付け、図4に示すように、密閉容器1の壁部内側に下穴102に入り込む2つの凸部(容器凸部)107が形成され、かしめ点が2点形成される。以降、近接する複数のかしめ点(ここでは2点)のことをかしめ部と呼ぶものとする。このかしめ部を圧縮機構部の外周面の3ヶ所でそれぞれほぼ同時に押し付けて形成する。
そして図5に示すように、熱膨張した密閉容器1が冷却すると、熱収縮により2点の凸部107が加熱中心109に向かって引き寄せられるため、2点の凸部107が圧縮機構部101を、この形態の固定部では近接する2点1組の下穴102が圧縮機構部101の外周面の円周方向に並んで設けられているので、円周方向に締め付けて、圧縮機構部101は密閉容器1に固定される。従来の溶接や圧入による固定方法のように、半径方向の力によって圧縮機構部を固定するのではなく、円周方向の力ではさみ込んで固定するため、圧縮機機構部101に与える歪みが小さく、また密閉容器1に穴あけ加工を施さないためスパッタ等の異物が混入したり、冷媒のリークの恐れがない。
図4における106は凸部107を形成する密閉容器1の凹部で、その内径は押付治具111の外径と等しい。図6は、図5に示すA方向から見た矢視図で、密閉容器1を外側から見た図である。密閉容器1の外周面には、近接した2点の凹部106が形成され、これが全周に3ヶ所に設けられている。図6において、108で示す点線の円は加熱範囲を表しており、局所加熱による熱が影響を及ぼしている範囲である。また、加熱中心109を一点鎖線による仮想線であらわしている。
密閉容器1の材料は一般的に鉄である。鉄は、600℃辺りから、急激に降伏点が低下する。このように急激に降伏点が低下し始める温度を、ここで軟化する温度と呼ぶことにする。つまり鉄が軟化する温度は600℃ということになる。密閉容器1の剛性を下げ、押付治具111を押し付けることにより凸部107を形成するための押し込み力を低下させるため、そしてさらに密閉容器1材料の降伏点を下げ、効率良く所定の形状に変形させるため、加熱時の温度は材料が軟化する温度以上で融点未満が良い。加熱により降伏点を低下させることで、密閉容器1を塑性変形させた(この場合凸部107を形成させた)後における密閉容器1の半径方向のスプリングバック(この場合凸部107の戻り)を低減させ、効率良く、しかも確実に所定の押し込み量を確保することができる。ここで押し込み量とは、下穴102に入り込む凸部107の深さのことであり、図4にHで示す寸法である。上記したように、密閉容器1の材料は鉄であり、その軟化する温度は600℃である。そして鉄の融点は1560℃程度ある。そのため、局所加熱する加熱温度は、600℃以上1500℃以下が好ましい。もちろん材料が鉄以外であれば、加熱温度は変化し、その材料の軟化する温度以上で融点未満とするものである。
加熱範囲108が、押付治具111の押付部位となる凹部106を全て含むことで、上記したような密閉容器1の材料の高温での特性を用いて、凸部107の確実な形成と、その凸部107形成のための押し込み力の低減が成され、組立時の圧縮機構部101に発生する歪みを低減できる。さらに、密閉容器1の加熱中心109を2つの下穴102の中心上とすることで、密閉容器1に凸部107を確実に形成させた後、凸部107は加熱中心に向かって冷却による熱収縮するため、近接した2つの密閉容器凸部107で圧縮機構部101の下穴102間を強固にはさみ込むことができる。
このように密閉容器1の凸部107が確実に形成され、圧縮機構部101の下穴102間を密閉容器1の凸部107が強固にはさみ込むことで固定するため、圧縮機構部101が、密閉容器1に対して隙間嵌めであっても、長期的な圧縮機の使用に対して、圧縮機稼動中に発生する普通及び過剰な力に耐え、がたつきが発生することのない強固な圧縮機構部101の密閉容器1に対する固定が可能となる。隙間嵌めにすることで、固定完了後に、従来の溶接や圧入では作用していた圧縮機構部101に半径方向に押し付ける力をなくすことができるので、圧縮機構部101の歪みを低減でき、圧縮機の性能も向上できる。
圧縮機の軸線方向に対しては、圧縮機構部101は密閉容器凸部107のはさみ込みによる支持だけでなく、密閉容器凸部107自身の剛性でも支持される。そのため図7に示す圧縮機構部101の下穴102径寸法φD1は、軸線方向の加速度が発生する圧縮機の輸送や落下に対しての抜け強度仕様を満足するように選定する。
例えば必要な抜け強度が1500kgfであるとした場合、上記の形態のように、近接した2点のかしめ点から成るかしめ部を円周方向に3ヶ所で計6点のかしめ点を設けたときでは、密閉容器1の破断強度を24kgf/mmとすれば、下穴102径φD1をφ3mmでは、抜け強度は、π×3/4×24×6点=1018kgfとなり、必要な抜け強度仕様を満足しない。これをφD1=φ4mmとすれば、π×4/4×24×6点=1810kgfとなり、抜け強度仕様を十分満足できるようになる。このようにかしめ点の点数に応じて、抜け強度仕様を満足する下穴102の径φD1を設定する。
なお今までは、固定部として近接する2点の下穴102が圧縮機構部101外周面の円周方向に並んだ場合について述べてきたが、並ぶ方向は円周方向のみに限定されるものではなく、それと直交するような圧縮機構部101の軸線方向であっても、それらとは異なるどの方向に並んでいても、下穴102間のはさみ込み力は発生させることができるので、歪を増加させることなく圧縮機構部101を強固に固定できる。ただし、上記したように抜けに対する強度は、軸線方向への荷重を受ける凸部107の数が多い方が強くなるので、2点の下穴102は円周方向に並んでいる方が好ましい。より詳しく説明すれば、円周方向に近接させて設けた2点のかしめ点から成るかしめ部を全周に3ヶ所で計6点のかしめ点を設けた場合では、輸送等で発生する軸線方向の力は6点すべてで支持することになるが、軸線方向に近接させた2点のかしめ点から成るかしめ部を全周に3ヶ所設けると、かしめ点数は6点であるが、1ヶ所のかしめ部では2点のかしめ点が軸線方向に重なっているため、軸線方向の力は実質的には1ヶ所のかしめ部で1点、3ヶ所のかしめ部を合わせて3点で支持する状態となるということであり、そのためには下穴102の径φD1を円周方向に並べたときよりも大きくして、抜け強度仕様を満足しなければならない。
また圧縮機構部101外周面の固定部として近接する下穴102の数は2点に限定されるものではない。固定部として2点以上の複数点の下穴であれば、下穴102間をはさみ込むことができる。いずれの点数であっても、配置された複数点の下穴102間中心上の密閉容器1を加熱中心とすれば、複数点形成された凸部は加熱中心に向って冷却収縮するため、形成された凸部107全てで下穴102間をはさみ込むことができる。密閉容器1の半径方向外側から圧縮機を見たとき、近接したかしめ点を3点とした場合では、図8のように凹部106で示される3点のかしめ点を三角形に配置し、その中心を加熱中心とし3点全体を含むように加熱範囲108を形成すればよい。さらに近接したかしめ点を4点とした場合、図9のように凹部106で示される4点のかしめ点を四角形に配置すればよい。複数点の配置の方向については、上記した2点のときと同じように、どの方向であっても構わないが、抜け強度の点から、軸線方向に対しての荷重を受ける凸部が多いような配置が好ましい。例えば3点から成るかしめ部では、図8のように2点を鉛直下側(または上側)に並べた方がよいし、4点から成るかしめ部の時では、図9のようにひし形に配置した方が、図9の配置と45°ずれる配置より軸線方向の力に対する支持点(凸部)の数が増やせる。
必要な抜け強度仕様を満足させるために、1ヶ所のかしめ部のかしめ点数を増やしてもよいし、全周に設けるかしめ部の数を増やしてもよい。上記した実施の形態では、近接するかしめ点が2点から成るかしめ部を全周に3ヶ所設けたが、より圧縮機が大型のものであれば、図8で示すような三角形配置の3点のかしめ点から成るかしめ部を、全周に4ヶ所形成し、計12点のかしめ点を設けるなどすればよい。
密閉容器1に不要な熱歪みを生じさせないためにも、また組立装置のタクトを向上させるためにも、かしめ前の局所加熱は短時間に行うのがよく、加熱源は短時間で密閉容器1の温度を必要な温度まで上昇できるものがよい。加熱源として、TIG溶接機等のアーク溶接やバーナ等の火力、レーザや高周波加熱などが利用できる。TIG溶接機等のアーク溶接機は設備費が安く、アークにより密閉容器1を局所的に高温にできるという利点がある。しかし加熱中心が高温になりすぎ密閉容器1が半溶融状態になり、半溶融部分を押付治具111で押し付けることにより、ブローホールが発生しやすくなる。高周波加熱機は設備費が高いものの、加熱の安定性・制御性が良く、コイル形状や電源容量を調整することで短時間に安定して局所的に加熱することができるので、本実施の形態の加熱源としては極めて適していると言える。バーナ等の火力は設備費が安いが、局所的な加熱が難しいため、下穴102の径φD1が大きい場合や下穴102間が広い場合等の加熱範囲108が広い場合に、広範囲を加熱するときに用いるのが効果的である。
本実施の形態では、圧縮機構部101を密閉容器1に対して隙間嵌めとして、密閉容器1と圧縮機構部101間には半径方向に隙間を設けているので、密閉容器1の外部からの加熱による熱が伝わりにくい構造となっている。しかし、加熱時間が長いと、密閉容器1加熱時に内蔵部品である圧縮機構部101まで熱が伝導することもあり、圧縮機構部101に熱が伝導し高温になると、凸部107形成後の密閉容器1が冷却により熱収縮するとともに、密閉容器1だけでなく圧縮機構部101までも冷却による熱収縮をしてしまうため、密閉容器凸部107のはさみ込み力が減少し、がたつきが発生しかねない。そのため加熱は短時間に行う必要がある。所定の温度まで短時間で上昇させるように高周波加熱機の電源容量を決定すればよい。例えば密閉容器1の板厚が2mmで、加熱温度を800〜1100℃、加熱範囲108がφ12mm、本形態のかしめを完了させるまでの装置タクトが12秒で、加熱工程に3秒しか与えられない場合、電源容量をかしめ部1ヶ所につき10kw程度にすることで上記時間タクトを満足し、かつ圧縮機構部101への熱の伝わりによるはさみ込み力の減少を発生させることなく固定できる。また加熱時間として、例えば密閉容器1の板厚が2mm〜4mmでは、800〜1100℃としたい場合には3〜4秒、より高温な1100℃〜1500℃であれば1〜2秒、電源容量の関係等で温度を600℃〜800℃にしかできない場合には5〜6秒が妥当であって、凸部107の確実な形成と十分でかつ安定したはさみ込み力による固定が達成できる。
図7に示すように凹部106の内径をφDとすると、このφDは、押付治具111の外径と等しい。下穴102径φD1に対し、この凹部106内径(=押付治具111の外径)φDは等しいかそれより小さくすることで、押し付け時に下穴102に密閉容器1を押し出し、小さい押し付け力で密閉容器1を塑性変形させ凸部107を形成できる。下穴102径φD1よりも、押付治具111の外径であるφDが大きければ、押し付け時に下穴102周りの圧縮機構部101の外周面をも押付治具111が押し付けてしまうため、密閉容器1を塑性変形させ凸部107を形成するために必要な押し付け力が増える。その結果、圧縮機構部101に歪みが発生し圧縮機の性能を低下させてしまう。
また、逆に下穴102径φD1よりも押付治具111の外径であるφDが小さすぎると、正しい形状の密閉容器凸部107が形成されなくなる。圧縮機構部101の押し付け力に対する支持点が下穴102の開口縁部(φD1)であるのに対し、φDが小さすぎると、外周側がだれた球面状に近い形状の凸部になるため、密閉容器凸部107と圧縮機構部下穴102内周の接触箇所が少なくなる。その結果、はさみ込み力が十分に得られず、長期的に使用しているなかで圧縮機構部101の密閉容器1に対するがたつきが生じてしまう。φD1を固定し、φDを変化させたいくつかの圧縮機の騒音・振動試験を試み、その結果を整理すると、φD/φD1が0.5以下となると、がたつきの影響と考えられる騒音振動上の問題が顕著になってくる。したがって下穴102径φD1と押付治具111外径(凹部106内径)φDの寸法は、1≧D/D1>0.5を満足するような関係が必要である。この関係を満足させることで、密閉容器1の凸部107を確実に形成し、長期的な圧縮機の使用に対して、圧縮機稼動中に発生する普通及び過剰な力に耐え、がたつきが発生することのない強固な圧縮機構部101の密閉容器1に対する固定が成される。
図10は密閉容器1に凸部107を形成するためのかしめポンチを示す簡略図である。図11は図1に示すかしめ部を説明するための要部断面図である。図12はかしめ部を形成するための装置を示す簡略図である。図13は複数のかしめ部の位相を説明するためのシリンダ部分の横断面図である。図14はかしめ部の位相変化による、シリンダベーン溝幅の変化を示すグラフである。図15はシリンダの吸入穴を基準とした下穴加工を説明するための断面図である。図10に示すように、押付治具111は、先端が平面形状であり、先端面の角部と圧縮機構部101の下穴102の開口部外縁角部で密閉容器1をはさみ込み、密閉容器1を塑性変形させるので、小さな押し付け力で凸部107を形成でき、そのため圧縮機構部101の歪みの発生を低減できる。
押し付けは、1ヶ所のかしめ部の複数のかしめ点に対して同時に押し付ける必要があるため、押付治具111としてその複数個分同一の基部に固定したものを用いることが好ましい。例えば近接する2点のかしめを同時に行う場合では、図10のように1個の基部110に押付治具111を2個固定することで、1度の押し付けで2点のかしめ点を同時に形成することができる。また固定部の下穴が3点であれば、1個の基部110に押付治具111を3個固定することで、1度の押し付けで3点のかしめ点を同時に形成することができる。この基部110に押付治具111を設けたもの全体をかしめポンチと呼ぶ。さらにかしめポンチは、押付治具111を基部110に対してボルト等で固定し、その治具111のみ交換できるように着脱可能にすることで、かしめポンチのメンテナンス費用を抑制することができる。なお押付治具111の材質は熱間鍛造用工具鋼や冷間鍛造用工具鋼、あるいはセラミック等の耐熱材料を用いることで、押付治具111の先端角部の摩耗劣化等を抑制でき、かしめポンチのメンテナンス性を向上できる。
本発明では密閉容器1の熱収縮により、固定部の近接する複数の下穴102間に容器凸部107によるはさみ込み力を発生させ、内蔵部品である圧縮機構部101を固定するが、複数の下穴102の間隔を調整することで、密閉容器1の熱収縮量を変化させ、内蔵部品の複数の下穴102間に生じるはさみ込み力を調整することができる。固定部の複数の下穴102の間隔が広い場合には、複数点同時かしめ後の熱収縮量が大きくなり、密閉容器凸部107のはさみ込み力が高くなるため、内蔵部品である圧縮機構部101を固定する保持力を上げることができる。しかし、加熱範囲108を広くしなければならないため、密閉容器1に熱歪みが生じて内径真円度が悪化し、かしめ点以外で部分的に圧縮機構部101を押し付けたりして、圧縮機構部101に歪みが生じ、圧縮機性能を低減させてしまう。
逆に固定部の近接する複数の下穴102の間隔が狭い場合では、加熱範囲108を小さくできるため密閉容器1の熱歪みによる圧縮機構部101の歪みの発生は防げるが、密閉容器凸部107のはさみ込み力が小さくなる。図11に示すように、加熱中心109と下穴102の中心までの最短距離をPで表すものとする。ここで加熱中心109は近接して配置された複数の下穴102間の中心を指している。Pの許容上限について、下穴102径を上記の通りφD1で表すものとして、加熱前後での密閉容器1の内径真円度測定結果から、P/D1が2を越えるように加熱範囲108を広げると、真円度の変化が大きくなる。またPの許容下限については、かしめ部を円周方向に略等ピッチで3ヶ所ないし4ヶ所設け、1ヶ所のかしめ部のかしめ点数が2〜4点の仕様では、騒音・振動試験の結果から、0.6≦P/D1で、がたつきが原因の騒音、振動の問題は生じることがなかった。したがって近接する下穴102の間隔としては、0.6≦P/D1<2を満足するように設定するのがよい。この関係を満足させることで、長期的な圧縮機の使用に対して、圧縮機稼動中に発生する普通及び過剰な力に耐え、がたつきが発生することのない強固な圧縮機構部101の密閉容器1に対する固定が得られる。なお複数の下穴102の間隔が一定であっても、加熱容量である加熱のための電源容量を調整することで密閉容器1の熱収縮量を変化させ、内蔵部品の複数の下穴102間に生じるはさみ込み力を調整することができる。
図4に示した密閉容器凸部107が下穴102に入り込む深さである押し込み量Hは、圧縮機の運転中に密閉容器1の内部に圧力が作用し、その内圧により密閉容器1が半径方向外側へ広がったときに、下穴102から密閉容器凸部107が抜けない量が最低限必要である。例えば、板厚が2mmで、内径が100mmの密閉容器に対し、内圧が42kgf/cm作用したときに、密閉容器は半径方向外側へ片側20μm程度膨張する。そのため押し込み量Hは最低20μm以上必要である。しかしあまり押し込み量Hが小さいと、凸部107に作用するはさみ込み力によるヘルツ応力が大きくなってしまうことから、0.1mm以上は確保した方がよい。
押し込み量Hを増加させていくと、密閉容器1の最小肉厚部の厚さは減少していく。ここで最小肉厚部の厚さとは、密閉容器1の壁部に形成される凸部107の外周根元(密閉容器1の内周面)と凹部106間の内周底面根元間の距離を指し、図4にKで示される寸法である。図5に示す寸法Gは、密閉容器凹部106の深さであり凹部106の深さの増加に伴い、押し込み量Hは大きくなる。なお凹部106深さGは、基本的には密閉容器凸部107の容器内周面からの突出長さに等しい。そして最小肉厚部の厚さKは、凹部106深さGによって決定される。押し込み量Hを確保するうえで凹部106は必ず形成され、最小肉厚部の厚さKは、密閉容器1の板厚よりも、ほぼ凹部106深さGだけ小さい値となる。押し込み量Hを大きくするために、凹部106深さGを増大させると、密閉容器1の最小肉厚部の厚さKが薄くなってしまい、密閉形圧縮機に内圧が作用した時に、その最小肉厚部からリークが発生してしまうという恐れが出てくる。よって密閉容器に要求される耐圧強度から、それを満足できる範囲で、最大許容凹部106深さGが決定されるが、最小肉厚部の厚さKが密閉容器1の板厚の0.5倍以上であれば、通常、密閉容器の耐圧強度を十分満足することができる。例えば、密閉容器の板厚が2mmであれば、凹部106の深さGを1mm以下にしておけばよい。このように凹部106の深さGは密閉容器1の板厚の0.5倍以下に設定すればよい。したがって押し込み量Hも密閉容器1の板厚の0.5倍以下となる。
ただし近年給湯器などに利用されることで、市場に見られるようになった二酸化炭素を冷媒として使用したサイクルに使用される密閉形圧縮機では、二酸化炭素が極めて高圧な冷媒であるため、密閉容器の板厚が、6mmや8mmと厚いものもある。このように板厚の厚い密閉容器でも、板厚の0.5倍まで凹部106の深さGを許容してもよいが、凹部106の深さGを3mmや4mmまでとするには、相当な押し付け力が必要となり、押し付けによる圧縮機構部の歪み発生の問題も懸念されるため、二酸化炭素のような極めて高圧な冷媒に使用する密閉形圧縮機であっても、実際の製品としては、密閉容器1の板厚の0.5倍以下あるいは1mm程度の押し込み量を確保しておけば十分である。
本実施の形態では、圧縮機構部101の外周3ヶ所でかしめ部を形成しているが、3ヶ所の配置は120°の等ピッチとすることが望ましい。図12は、かしめ部形成のための装置および状態を概略的に示す概略図である。112は押し付けプレス機であり、その先端にはかしめポンチがあり、密閉容器1に直接接触して密閉容器1を塑性変形される部位が押付治具111である。かしめ部を3ヶ所(1ヵ所で2点のかしめ点を形成しているので、かしめ点数は計6点)で形成するので、押し付けプレス機112は3台設置される。113で示される矢印は、押し付けプレス機112にて押付治具111が密閉容器に与える押し付け力を表し、押し付け力113は密閉容器1の中心に向って作用する。3つの押し付け力113の大きさは等しい。
3台の押し付けプレス機112を120°等ピッチに配置し、かしめ部3ヶ所の配置を120°の等ピッチとするようにし、3ヶ所を同時に押し付ければ、3つの押し付け力113がバランスできるので、押し付け力113を受けるための治具を別途に設けなくても、密閉容器1が移動したり、モーメントが作用して回転したりしてしまうことはない。そのためかしめ部を形成するための装置を単純化することができる。圧縮機構部101の外周に4ヶ所のかしめ部を形成する時には、90°等ピッチとすればよい。全周のかしめ部形成箇所の数に応じて、各かしめ部間のピッチを等ピッチとなるように配置することで、押し付け力がバランスでき、ひいてはかしめ部を形成するための装置の単純化や簡素化が可能となる。実際には設備や製品のばらつきにより、各かしめ部のピッチが、厳密に等ピッチとはならない場合もあるが、基本として等ピッチを狙って設計、製造するものである。また、等ピッチが最も望ましいが、各ピッチに多少の違いがあっても、押し付け力は押付治具111の先端の平面によって面で作用させるので、密閉容器1が移動したり、回転したりしないようであれば、問題はなく、同様の効果が得られる。
密閉形圧縮機がロータリ圧縮機である場合では、圧縮機構部を形成する複数の部品の中で、圧縮室の外周壁を形成する部品であるシリンダの外周面に下穴を形成し、シリンダの外周と密閉容器間でかしめを実施することがある。図13はそのシリンダに対するかしめ部の位相を説明するための説明図である。図13において、16が圧縮手段を構成する部品の一つであるシリンダで、圧縮室を形成する内径16aと、その内径16aに片方が開通するベーン溝16bと、固定部が3ヶ所に形成される外周面16cを有する。図示しないが、内径16a内で内径16aに対して偏心した状態の円筒状のローリングピストンが回転し、ベーン溝16b内には板状のベーンが嵌り、ベーンの先端がローリングピストン外周面に常時接触して圧縮室が形成される。図13にてθで示される角度は、3ヶ所のかしめ部を120°等ピッチに配置する場合に、ベーン溝16bの中心線を基点として、ベーン溝16b付近に存在する1ヶ所目のかしめ部位置114aの位相を示す角度であり、同図において、時計回り方向を正とする。よってベーン溝16bの中心線を基点として、2ヶ所目のかしめ部位置114bの位相は、θ+120°に、そして3ヶ所目のかしめ部位置114cの位相は、θ+240°となる。1ヶ所目、2ヶ所目、3ヶ所目と述べているのは、説明上の都合のためであってで、3ヶ所はほぼ同時に押し付けられるものである。
本発明では、溶接や圧入を伴うかしめのような従来の方法に比べれば、圧縮機構部に発生する歪は低減されるが、密閉容器に対して固定する以上、全くなくしてゼロとすることは難しい。図14は、1ヶ所目のかしめ部位置114aの位相θを変化させた場合の、ベーン溝16bの幅寸法の変化量(歪量)を示した図である。1ヶ所目の位相θの変化に対しての歪量であって、かしめ部形成は1ヶ所だけでなく、略等ピッチに3ヶ所実施している。左端がθ=0°で、この時は、1ヶ所目114aの位相が、ベーン溝16bの中心線直上であり、2ヶ所目114bは、ベーン溝16bを基点に図13において時計回りに(θの正方向に)120°の位相に、3ヶ所目114cは、ベーン溝16bを基点に図13において反時計回りに(θの負方向に)120°の位相となる。そして図14の右端はθ=120°のときで、このときは、3ヶ所目114cの位相がベーン溝16bの中心線直上となり、これはθ=0°のときと実質的に同一状態のことである。
図14に示すように、1ヶ所目のかしめ位置114aをベーン溝16bの中心線上にした場合、すなわちθ=0°(θ=120°も実質同一)とした場合が最もベーン溝幅の変化量が小さいことがわかる。ここでいうベーン溝幅とは、2つの対角上にある計4点の溝幅の平均値のことであり、変化量とはかしめ部形成前の同溝幅から、かしめ部形成後の溝幅への寸法変化である。θ=0°(θ=120°)とした場合に最もベーン溝幅の変化量が小さいのは、ベーン溝16b直上を押し付けることで、ベーン溝16bのシリンダ内径16aの開放端近傍が広がるが、その広がりを拘束するように2ヶ所目、3ヶ所目がかしめられるために、120°等ピッチにかしめた結果として、ベーン溝16bの広がりを抑えることができるためである。図14より、その効果が顕著に示されるのは、−25°≦θ≦25°程度である。このためシリンダ16の外周面16cに120°等ピッチに3ヶ所のかしめ部を配置するロータリ圧縮機においては、1ヶ所のかしめ部位置を、ベーン溝中心線上を基点として±25°以内に配置すれば、ベーン溝の変化量をより小さくでき、ロータリ圧縮機の性能を向上できる。
多くのロータリ圧縮機では起動時のベーン飛び対策として、ベーンをローリングピストンに押圧するためのベーンスプリングを有し、シリンダのベーン溝上の外周面には、そのベーンスプリング挿入用として、一方を外周面に開口し、他方がベーン溝と連通する穴部をシリンダ半径方向に、ベーン溝と同位相に設けているため、そのような場合では、その穴部のために下穴が形成できず、ベーン溝中心線上にかしめ部を設けることはできずに、その穴部を避けて設ければならないが、例えばベーンとローリングピストンが一体であるスイングベーンのロータリ圧縮機では、シリンダのベーン溝中心線上に1ヶ所のかしめ部を設けることができる。
また、通常のロータリ圧縮機でもシリンダにベーンスプリング挿入用の穴部がないものもあり、その場合には1ヶ所のかしめ部をベーン溝中心線上に設ければよい。例えば、シリンダが軸方向上下に2ヶ所配置されるツインロータリ圧縮機では、どちらか一方にベーンスプリングが挿入されていれば、ベーンスプリングがある側の圧縮により密閉容器内圧が上昇し、ベーンスプリングがない側の圧縮室のベーンもその内圧によりローリングピストンに押し付けられるので、両方の圧縮室で圧縮作用が可能となる。片方のベーンスプリングを省いても圧縮機として成立できるので、ベーンスプリングを保有しない方のシリンダを固定するように、かしめ部を設けることとして、かしめ部の1ヶ所をベーン溝中心線上に設け、そこからシリンダ円周上±120°の位置に他の2つのかしめ部を設ければよい。
上記はかしめ部を120°等ピッチに3ヶ所設けるロータリ圧縮機の場合について述べたが、90°等ピッチの4ヶ所に配置するロータリ圧縮機であっても、そのうちの1ヶ所のかしめ部をベーン溝中心線上の近傍に、そして穴部などの障害がなく、可能であるのであれば、ベーン溝中心線上に配置することが、ベーン溝の変化量をより小さく抑えるためには効果的である。
なおロータリ圧縮機の性能に影響するシリンダ16の歪みとしては、ベーン溝16bだけでなく、内径16aの歪みもあるが、かしめ部の位相的な配置に対しての歪み量の変化は、ベーン溝による歪みの方が大きいので、ここではその点に着目して、配置を決定した。
図15は、シリンダ16の外周面16cに下穴102を加工する際の説明図である。図15において、115は圧縮室に圧縮ガスを吸入するための吸入穴である。シリンダ外周面16cに、120°等ピッチの3ヶ所に、1ヶ所に近接する2点の合計6点の下穴102を加工するが、この加工の際、各下穴の位相の基準を吸入穴115の中心で同一にする。そして図12に示すような装置で、密閉容器1をシリンダ16にかしめる場合には、等ピッチに設置された3台の押し付けプレス機112に対するシリンダ16の位相決めを行う際に、下穴102の加工基準と同じ基準となる吸入穴115を基準として位相決めを行えば、下穴102と押付治具111の位相を極めて高精度に合わせることができる。
位相だけでなく、軸線方向の位置(高さ)も、下穴102を吸入穴115中心基準に加工し、かしめを実施する際の押し付けプレス機112に対する軸線方向の位置決めも、下穴102の加工基準と同じ基準である吸入穴115を基準として高さの位置決めを行えば、下穴102と押付治具111の高さ位置も位相同様に極めて高精度に合わせることができる。
下穴102の加工基準を吸入穴115とするために、シリンダ16の加工では、下穴102の加工を、吸入穴115の加工後に、吸入穴115加工時のシリンダ16の保持状態を維持したままで、引き続き下穴102を加工するのがよい。例えばシリンダ16の内径を外周に向けて張るようにチャックして固定、保持し、そのチャックを解除することなく、吸入穴115の加工と下穴102の加工を実施するのであり、そのようにすれば、吸入穴115に対する下穴102の位置精度を向上することができる。その際、1ヶ所の固定部の近接する複数の下穴102を同時加工するのは、刃物の駆動モータが干渉してしまい近接して刃物を複数同時に回転させられないので難しいが、外周面に複数配置する固定部に対して、各固定部で1点の下穴102を複数箇所で同時に加工することはでき、すべての下穴を1点ずつ設けるよりも加工時間の短縮が図れる。
また下穴102は、その開口部内周端に面取り加工を施さないか、施しても穴加工のバリやカエリが除去できる程度の小さい大きさの面取りとし、実質的な押し込み量Hの低下を防ぎ、下穴102と凸部107の接触箇所を増やすことでがたつきの発生を防ぐようにする。そして面取り加工を施さない場合では、バリやカエリ除去のために、下穴102の開口部周辺にバフ掛けを施せばよい。
このように内蔵部品の下穴加工の基準と、かしめ部形成時の位置決め基準を同じ基準とすることで、下穴102と押付治具111の位置を高精度に合わせることができるので、小さな押し付け力でかしめ部を形成することができ、かしめにより内蔵部品に加わる力が低減でき、内蔵部品への歪みの発生を減少できる。
本発明を利用して、シリンダ外周面にかしめ部を形成しロータリ圧縮機を製作する場合、溶接や圧入を伴うかしめのような従来の方法に比べて、本発明の方法はシリンダのベーン溝や内径の歪み量を低減できるので、シリンダを同一外径として内径を大きくし、リング状であるシリンダの剛性を低減させても性能を低下させることなく密閉容器にシリンダを固定することが可能となる。そのため、同一の密閉容器径で、シリンダ内径を拡大することによる圧縮機容量(行程容積)の拡大を図ることが可能なる。またこのことを逆に言えば、現行の圧縮機容量を密閉容器の径が現行より小さい圧縮機にダウンサイジングすることが可能となる。
上記の形態では、圧縮機としてロータリ圧縮機、内蔵部品として圧縮機構部101のシリンダ16について説明してきたが、本発明の内蔵部品の固定方法は、実際上どのような形式の圧縮機であっても利用可能であり、密閉形の圧縮機でなく、半密閉形や開放形の圧縮機であっても、さらに圧縮機に限らず、容器に部品を固定する必要のある機械であればどのようなものであっても利用可能であり、同様な効果を奏する。特に密閉形圧縮機では、圧縮機構部を密閉容器に固定することにより、圧縮機機構部に歪みが生じるため、この発明を利用することでその歪みを低減できる。
密閉容器1に固定される内蔵部品としては、ロータリ圧縮機の圧縮機構部101であれば、上記したシリンダ16以外でも、シリンダ上下に存在する軸受部品の一方や、ツインロータリ圧縮機であれば、軸線方向に配列される2つのシリンダ間に存在し、2つの圧縮室を仕切る仕切り板などの構成要素にかしめ部を形成することも可能であり、同様な効果を奏する。剛性が比較的弱いシリンダ以外に実施すれば、シリンダの歪をさらに低減でき、さらなる圧縮機性能の向上に寄与する。
またスクロール圧縮機では圧縮室を形成する固定スクロールや、固定スクロールや揺動スクロールを支持し、また回転軸を半径方向に支持する主軸受部品(フレーム)や、この主軸受部品に電動機を挟んで配置され、回転軸を半径方向に支持する副軸受部品(サブフレーム)などの容器への固定に適用可能であり、同様な効果を奏する。また電動機固定子の密閉容器への固定にも利用可能である。
なお上記では、近接する複数の下穴102に、局所加熱して密閉容器1に形成した凸部107をかしめて、冷却後の密閉容器1の熱収縮により、圧縮機構部101の固定を達成したが、圧縮機構部の外周面に、近接する複数の下穴ではなく、円環状の溝から成る固定部を形成し、この円環状溝に、局所加熱して密閉容器に形成した円環状の凸帯をかしめて、冷却後の密閉容器の熱収縮により、密閉容器の円環状凸帯が圧縮機構部外周面の円環状溝を、円の中心方向に向ってはさみ込むことで、圧縮機構部の固定を達成させてもよい。図16は、そのような円環状のかしめ部を形成した際に、密閉容器の半径方向外側から圧縮機を見たときの図であり、図に示すように密閉容器外周には円環状の凹帯116が形成される。
円環状のかしめ部を形成する際の押付治具は、円環状溝内径と等しいかわずかに大きい内径と、円環状溝外径と等しいかわずかに小さい外径を有する円筒に形成すればよい。そしてその円筒状の押付治具の先端面は平坦面でもよいが、密閉容器外周面に沿った曲面形状もしくは密閉容器外周面の半径よりも小さい曲面形状にすることで、平坦面の時よりも小さな押し付け力で効率的に円環状のかしめ部を形成できる。なお、圧縮機構部外周面の溝や密閉容器内周の凸帯は、360°の完全な円環でなくても、密閉容器の熱収縮によりはさみ込み力が発生する、180°以上の円環であればよいし、円環状の溝や凸帯でなく、多角形状の溝や凸部であってもはさみ込み力が発生できる。また円環状の溝に、凸帯でなく、複数の円柱状の押付治具にて、複数の凸部をかしめて密閉容器の熱収縮により、凸部が円環状の溝の内径をはさみ込み、固定する力を発生させてもよい。
円環状のかしめ部を形成する際、円環状溝内径が大きい場合には、かしめ後の熱収縮量が大きくなり、密閉容器凸帯のはさみ込み力が高くなるため、内蔵部品である圧縮機構部を固定する保持力を上げることができる。しかし、密閉容器の加熱範囲を広くしなければならないため、密閉容器に熱歪みが生じて内径真円度が悪化し、かしめ部以外で部分的に圧縮機構部を押し付けたりして、圧縮機構部に歪みが生じ、圧縮機性能を低減させてしまう。
逆に円環状溝内径が小さい場合では、加熱範囲を小さくできるため密閉容器の熱歪みによる圧縮機構の歪みの発生は防げるが、密閉容器凸帯のはさみ込み力が小さくなる。円環状溝の内径と外径の平均の1/2値を円環状溝の中心半径Rと定義し、円環状溝の外径から内径を引いた値の1/2値を円環状溝の溝幅Tと定義すると、Rの許容上限について、加熱前後での密閉容器の内径真円度測定結果から、R/Tが2を越えるように密閉容器の加熱範囲を広げると、真円度の変化が大きくなる。またRの許容下限については、円周方向に3ヶ所ないし4ヶ所の略等ピッチでかしめ部を配置した仕様では、騒音・振動試験の結果から、0.6≦R/Tで、がたつきが原因の騒音、振動の問題は生じることがなかった。したがって円環状溝の中心半径および溝幅は、0.6≦R/T<2を満足するように設定するのがよい。この関係を満足させることで、長期的な圧縮機の使用に対して、圧縮機稼動中に発生する普通及び過剰な力に耐え、がたつきが発生することのない強固な圧縮機構部の密閉容器に対する固定が得られる。なお円環状溝内径が一定であっても、加熱容量である加熱のための電源容量を調整することで密閉容器1の熱収縮量を変化させ、内蔵部品へのはさみ込み力を調整することができる。
実施の形態2.
この実施の形態2では、上記実施の形態1で示した密閉形圧縮機の局所加熱によるかしめ部形成を実現するための装置について説明する。図17はこの加熱かしめ装置200の全体構成を示す図であり、図17(a)は上から見た平面図、図17(b)は図17(a)にX−X線で示す断面の断面図である。図18はこの加熱かしめ装置200の動作フローを示す工程図である。図18に示すように、この装置の動作工程として、パレットに対するワーク(組み立てられる圧縮機)の位置決め工程、次に加熱かしめ機構に対するパレットの位置決め工程、最後に実際にかしめ部を形成する加熱かしめ工程と、の3つに大別される。図17において、201が、第1の工程である、パレットに対するワーク(組み立てられる圧縮機)の位置決め工程を担うワーク位置決め機構、202が、第2の工程である、加熱かしめ機構に対するパレットの位置決め工程を担うパレットリフト機構、最終となる第3の工程である、加熱かしめ工程を担うのが203で示す加熱かしめ機構である。
組み立てられる圧縮機のことをここではワークと呼ぶ。ワークは常時パレットと呼ばれる架台の上に置かれ、図19は、この発明の実施の形態2によるパレットに載せられたワークの状態を示す断面図である。図19において、204がワーク(組み立て途中の圧縮機)で、212がパレットである。ワーク204は軸線方向上下に圧縮室を2つ有するツインロータリ圧縮機である。密閉容器1内に、密閉容器1にはまだ固定されていない圧縮手段である圧縮機構部である。圧縮機構部210と、すでにこの加熱かしめ装置200よりも前の工程で図示されない別の装置により、密閉容器1壁部に焼嵌め固定された電動機固定子2を含む。圧縮機構部210の構成部品であり、1つの圧縮室の外壁を形成する上シリンダ12の外周面には、上記実施の形態1で説明したと同様に近接する2点の下穴から成る固定部がほぼ120°の等ピッチで3ヶ所設けられ、計6点のかしめ点が設置されている。上シリンダ12には半径方向に外周と内周を貫通した吸入穴211が設けられる。ここでは図示しないが、上シリンダ12の構造は、実施の形態1の図15に示すものとほぼ同一である。なお、実施の形態1では圧縮機構部を符号101で示したが、この実施の形態の例では符号210で示している。
実際の完成品である圧縮機では、内蔵部品である圧縮機構部210が下部に、電動機が上部といった配置となるが、加熱かしめ装置200に投入される組み立て途中のワーク204は、図19に示すように、圧縮機構部210が電動機固定子2の上部にあるような反転した状態となる。そのため、上シリンダ12が、図19では下側に存在している。圧縮手段である圧縮機構部210に電動機で発生する駆動力を伝達するクランクシャフト6には、この工程まででは、電動機回転子は固定されていない。
ワーク204の高さを所定の位置に合わせるために、パレット212とワーク204の間には高さ調整用のリング213が介在する。異なる高さの圧縮機に対して、機種毎にこのリング213を交換することで、常に装置に対する吸入穴211の高さを一定に確保でき、装置の共有化が図れる。吸入穴211には、吸入パイプ214が密閉容器1の外側から打ち込まれている。この吸入パイプ214の打ち込みは、加熱かしめ装置200よりも手前の工程で、図示されない別の装置により実施されるが、その際もワーク204は同一のパレット212上で、同一のリング213を介在して実施されるもので、本加熱かしめ装置200で使用されるパレット212とリング213は、前工程である吸入パイプ214の打ち込み装置で使用されたものが、ワーク204を載せた状態で、そのままコンベア205で搬送されてくるのである。
よって吸入パイプ204の打ち込み工程が同一のパレット212上で実施され、そのまま搬送されてくるので、パレット212に対するワーク204の大まかな位相は、すでに決定されている。加熱かしめは、実施の形態1で述べたように、下穴と押付治具の位置を合わせることで、押し付け力を低減できるので、下穴と押付治具の位置を正確に合わせることが必要である。第1の工程を担うワーク位置決め機構201は、パレット212に対して大まかには位相決めされているワーク204を、パレット212に対して、より正確に位相決めを実施し、コレット機構215により固定させる機構である。
コレット機構215は、電動機固定子2内径とクランクシャフト6外径を同時につかむことでワーク204をパレット212に対して固定するものであり、ここで使用するコレット機構215は、エア(空気圧)が供給されると、つかむことを解除し、エアを抜くとつかむことを実施するものである。電動機固定子2は密閉容器1内周に焼嵌め固定されており、コレット機構215作用時には、この電動機固定子2の内径をつかむことで、実質的にパレット212に対する密閉容器1の位置が固定されることになる。なお高さの位置決めについては、上記のリング213により決定されるので、リング213の選定のみで調整は不要である。
実施の形態1で述べた通り、シリンダ外周面の下穴加工の基準とかしめ部形成時の位置決め基準を同じ基準とすることで、下穴と押付治具の位置を高精度に合わせることができるので、この上シリンダ12においても同様に、外周面の下穴(図示せず)の加工基準を吸入穴211としており、これによりかしめ部形成時の位置決め基準も同じ吸入穴211とするのだが、すでに本装置200の前工程で、吸入穴211には、吸入パイプ214が圧入されているので、吸入穴211と同義でこの吸入パイプ214をかしめ部形成時の位置決め基準とする。
図20にワーク位置決め機構201の構成を示す。図20(a)は上から見た平面図、図20(b)は、図20(a)にY−Y線で示す断面の断面図である。図20(c)は、図20(a)に示す矢視AおよびBによる矢視図、図20(d)は図20(b)に示す矢視Cによる矢視図である。また図21は、図20(b)にて、実際にワーク204が位置決めされる様子を示す状態図である。図21に示すように、パレット212に形成されるブッシュ216に、第1のエアシリンダー220と第1のガイド221により、軸方向に往復動する第1のピン222の頭部が差し込まれる。第1のピン222は、ブッシュ216の内径より少しだけ小さい径の頭部と、ブッシュ216の外径より大きい径の円柱部が一体となったもので、頭部根元となる円柱部の上端面がパレット212の下面に接触することで、ワーク204を載せたパレット212がコンベア205より離れた高さに上昇する。第1のピン222は、図では1個のみ描かれているが、実際には4個あり、ブッシュ216もパレット212に、四角上に4個設けられる。第1のピン222の頭部をブッシュ216に指し込むのは、ワーク位置決め機構201に対するパレット212の位置決めのためである。なお第1のピン222の数は4個に限られるものではなく、2個あればパレット212を上昇させることは可能であり、2個以上であればどのような数量であってもよい。
このパレット212の上昇により、位相決めピン226とワーク204の吸入パイプ214の高さが合わせられる。パレット212の上昇距離は、第1のエアシリンダー220の移動距離と第1のピン222の長さで決定されるが、これらは固定されており、上記した通り、高さの異なる機種間では、リング213の交換で対応し、それ以外のものは変化させない。これにより機種変更による段取り替えによるロスの発生を抑えられる。なおここで述べるエアシリンダーとは、空気圧により直線上に往復動する機械のことであり、ロータリ圧縮機の圧縮機構部の構成部品であるシリンダとは何ら関係ないことを明記しておく。
位相決めピン226は、先端部がテーパ状に先細りとなっている円柱で、先端面は球面状であり、その外径は吸入パイプ214の内径よりわずかに小さい。続いての動作として、位相決めピン226を、第2のエアシリンダー229と第2のガイド230によりワーク204半径方向にワーク204に向って前進させることで、上昇したワーク204の吸入パイプ214に挿入する。その際、位相決めピン226は、固定されているわけではなく、ガイド227により、コンベア205の延在方向に可動である。コンベア205の延在方向とは、図20(d)の左右方向のことである。
位相決めピン226がコンベア205の延在方向に可動であること、また先端の形状が上記したようなテーパや球面状であることから、吸入パイプ214の位相ずれが大きめであっても、位相決めピン226が移動して、吸入パイプ214にしっくりと挿入可能となる。また挿入開始の際に、位相決めピン226と吸入パイプ214が接触するようなことになっても、位相決めピン226が移動して逃げるので、吸入パイプ214に傷をつけてしまうことはない。吸入パイプ214に傷をつけないためにも、位相決めピン226は、コンベア205の延在方向に可動なのである。なお位相決めピン226の可動範囲は、ストッパ231により規制される。上記した通り大まかな位相決めはすでになされているので、吸入パイプ214に位相決めピン226が全くずれていて挿入できないという事態は起こり得ない。
また位相決めピン226は、交換可能に取り付けられており、吸入パイプ内径が異なる機種であれば、その内径に見合う位相決めピンに交換して対応することで、装置の共有化を図れる。
位相決めピン226が吸入パイプ214に挿入されると、続いて図20(c)に示す第3のエアシリンダー224と第3のガイド225により、コレット機構215にエアを供給するカプラ223を直動させ、カプラ223をコレット機構215に接続させる。そしてコレット機構215にエアを供給し、コレット機構215がワーク204をつかむことを解除する。加熱かしめ装置200の前工程(前の装置)からコンベア205上を搬送されてくるときは、ワーク204がパレット212上で移動や回転をしてしまわないようにコレット機構215のエアは抜かれて、コレット機構215が作用した状態でおり、この時になってエアが供給され、解除されるものである。
コレット機構215が解除されたので、ワーク204はパレット212上で移動や回転が可能となる。ただし回転は自由だが、移動は解除されたコレット機構215と電動機固定子2やクランクシャフト6との隙間分だけである。このような状態にあって、続いて図20(d)に示す、位相決めピン226の両側に、2つある第4のエアシリンダー228が直動し、吸入パイプ214に挿入されている位相決めピン226の根元を両側から挟み込み、位相決めピン226を基準となる正規の位置に移動させる。その際ワーク204は、位相決めピン226の移動に伴い回転し、パレット212に対するワーク204の位相が吸入パイプ214を基準にして正される。位相が正されたところで、すぐにコレット機構215のエアを抜いて、コレット機構215を作用させ、ワーク204をパレット212に対して固定する。その後位相決めピン226を、ワーク204半径方向に後退させ、吸入パイプ214から抜き、パレット212をコンベア205に下降させる。
このようにして、ワーク位置決め機構201により、パレット212に対するワーク204の位相決めを安価な機構で、吸入パイプ214を傷つけることなく、高精度に実現できる。なお、上記では吸入パイプ214に位相決めピン226を挿入した後で、コレット機構215にエアを供給し、コレット機構215の作用を解除したが、先にコレット機構215を解除した後で、吸入パイプ214に位相決めピン226を挿入しても構わない。
この後で、第2の工程である、加熱かしめ機に対するパレットの位置決め工程を担うパレットリフト機構202に、パレット212およびワーク204は、コンベア205上を搬送される。このときには、コレット機構215のエアは抜かれ、コレット機構215が作用されており、パレット212に正確に位相決めされたワーク204はパレット212に対して固定されていて動かない。
図17に示すように、パレットリフト機構202は、加熱かしめ機構203の下部に配置され、加熱かしめ機構203の高さまでパレット212とワーク204を上昇させる機構であり、この時に、加熱かしめ機構203に対してのパレット212の位置決めを行い、それはすなわち加熱かしめ機構203に対するワーク204の位置決めがなされることである。図22にパレットリフト機構202の構成を示す。図22(a)は、パレットリフト機構202の断面図であり、図22(b)は、図22(a)の側面図である。図22(b)では、パレット212やワーク204、コンベア205等省略している。
図22において、パレット212に設けられるブッシュ216に挿入される第2のピン251が、コンベア205より下部に位置するプレート252上に立設している。
第2のピン251は、上記した第1のピン222同様に、ブッシュ216の内径より少しだけ小さい径の頭部と、ブッシュ216の外径より大きい径の円柱部が一体となったもので、頭部根元となる円柱部の上端面がパレット212の下面に接触することで、ワーク204を載せたパレット212をコンベア205から上昇させる。第2のピン251もパレット212に対して、四角上に4個設けられる。第2のピン251の数は4個に限られるものではなく、2個あればパレット212を上昇させることは可能であり、2個以上であればどのような数量であってもよい。
同じくプレート252上にはパレット212を囲うように、コンベア205の幅よりも広い位置決めシャフト260が立設する。位置決めシャフト260は円柱であって、先端側に、円柱の径よりも径の小さい頭部が一体となっており、この頭部は、段付き状に先端に向けて径が小さくなるか、テーパ状または球面状に先端向けて径が小さくなるように形成されている。位置決めシャフト260は、パレット212を囲うように、パレット212より大きい間隔で4本立設している。
モータ250が駆動すると、モータ250とカップリング258を介して接続されるボールねじ255が回転する。コンベア205をはさんで、モータ250がある側とは反対側にも同じボールねじ255があり、これら2本のボールねじ255は、互いにプーリ256を介してベルト257により連結されていて、同期して回転する。プレート252の外側には、それぞれのボールねじ255を、隙間をもって貫通させる穴が設けてあり、それらの穴の下部には、それぞれのボールねじ255と噛み合うめねじ部を有する送りブッシュ262が存在する。2つのボールねじ255の回転によって、2つの送りブッシュ262が上昇し、プレート252の下面を押し上げ、プレート252は、パレットリフト機構202の上部に位置する加熱かしめ機構203に向って上昇する。
プレート252が上昇するときは、プレート252は送りガイド254に案内され、送りガイド254に沿って上昇する。このとき、送りガイド254はパレット212を囲うように4本存在する。プレート252の下面にはそのガイドに沿って4つの円筒部位261が延在し、ガイド254と円筒部位261間には隙間が設けられ、この隙間はプレート252とボールねじ255との隙間より小さい。よってプレート252は、円筒部位261とガイド254の隙間分だけ移動できる状態である。
プレート252が上昇すると、位置決めシャフト260が位置決めブッシュ259に接触するが、位置決めブッシュ259は、位置決めシャフト260の頭部と小さな隙間で嵌め合わさる凹形状部を有するので、この凹形状部に位置決めシャフト260の頭部が嵌合される。この凹形状部は円筒状であっても、球面状であってもよい。プレート252の円筒部位261とガイド254の隙間分だけプレートは移動可能であり、また位置決めシャフト260の頭部が段付き状に先端に向けて径が小さくなるか、テーパ状または球面状に先端向けて径が小さくなるように形成されているので、位置決めシャフト260と位置決めブッシュ259に位置ずれがあっても、プレート252が移動して、位置決めシャフト260の頭部と位置決めブッシュ259の凹形状部は確実に嵌合する。そして、位置決めシャフト260の頭部の根元となる円柱の上端面と位置決めブッシュ259の下端面が接触したところで、プレート252の上昇は停止する。
この上昇が停止した状態にて、パレット212上のワーク204が、加熱かしめ機構203に対して正規の高さとなるように、位置決めシャフト260の長さが設定されている。ここで言う、正規の高さとなるとは、加熱かしめ機構203の押付治具111と上シリンダ12外周面の下穴の高さが合わせられるということである。これにより、ワーク204の加熱かしめ機構203に対する高さ位置が決定される。そして4つの位置決めシャフト260と位置決めブッシュ259がの嵌合するときに、プレート252が移動することで、プレート252に立設される第2のピン251と嵌合したブッシュ216を有するパレット212も移動し、パレット212の加熱かしめ機構203に対する座標位置が正規の位置となり、パレット212上のワーク204は、手前のワーク位置決め機構201にてパレット212に対しての位置決めがなされ、パレット212に対してコレット機構215によって固定されているので、これによりワーク204の加熱かしめ機構203に対しての位置決めが完了する。
この際、パレット212を囲うように、4つの位置決めシャフト260と位置決めブッシュ259の互いの端面が接触するので、プレート252が上昇する時に傾きが生じたとしても、上昇が停止した時には、プレート252の平行も正され、これによりパレット212の、ひいてはワーク204の加熱かしめ機構203に対する傾きの発生はなく、平行が保証される。上昇後もコレット機構215は引き続き作用したままである。なお図22において263は、空きパレットの返送用コンベアで、ワーク204を載せたパレット212を搬送するコンベア205とは異なるコンベアである。
このようにして、パレットリフト機構202により、加熱かしめ機構203に対するパレット212の位置決めおよび平行確保を、安価な機構で、高精度に実現でき、その結果加熱かしめ機構203の押付治具111と上シリンダ12外周面の下穴の位置と、押し付け前の押付治具111とワーク204の間隔を、高精度に合わせられる。なお、位置決めシャフト260と位置決めブッシュ259の数は4つに限られるものではなく、2つあればプレート252を上昇させることは可能であり、2つ以上であればどのような数量であってもよいが、2つではプレート252の平行を是正することはできないので、上記したようにパレット212を囲うように3つ以上が好ましい。
パレットリフト機構202の上部に位置し、パレットリフト機構202により高精度に位置決めされたワーク204に、実際に加熱かしめを施す加熱かしめ機構203の構成を図23に示す。図23(a)は、加熱かしめ機構203の上から見た平面図であり、図23(b)は、図23(a)にP−P線で示す断面の断面図で、図23(c)は、図23(b)に示す矢視Qによる矢視図である。
図23(b)においては、図面右側にパレットリフト機構202があり、ワーク204は、図面右側から左側へと上昇してくる。上昇完了し、位置決めがなされたワーク204の上部を、第5のエアシリンダー285と第5のガイド286により往復動する押さえシャフト287が押さえ込む。押さえシャフト287は、図23(a)の中央に位置し、加熱かしめ機構203に1個のみ存在する。
円周方向に3ヶ所のかしめ部(かしめ点数は6点)に対して、120°等ピッチに配置し、全く同時に、かつ同じ押し付け力を作用させればワーク204にモーメントは作用しないが、ワーク204のばらつきや、装置の制御のばらつき等により全く同時に、かつ同じ押し付け力を作用させることは難しく、特に時間的なずれが起こった場合、3ヶ所のうち、最初の1ヶ所目の押し付けでワーク204が移動や回転をしてしまい、次の2ヶ所目、3ヶ所目のかしめの際には、ワーク204の下穴と押付治具111の位置がずれてしまうということが起こり得る。そのため、この加熱かしめ機構203は、かしめポンチ270の押し付け力を、ワーク204のかしめ位置と反対側で受けるバックアップシャフト271を備える。バックアップシャフト271は、フランジ272に固定されていて、フランジ272は、先端に押付治具111を有するかしめポンチ270が取り付けられたかしめ側フランジ273と、4本のリンクシャフト274によって連結されている。かしめ側フランジ273には、かしめポンチ270を高速で往復動させるサーボプレス277が固定される。
この加熱かしめ機構203は、3台の加熱かしめ機を有しており、その各々が、かしめポンチ270およびバックアップシャフト271を中心にこれらを囲うようにして、4本のリンクシャフト274を保有するが、かしめポンチ270やバックアップシャフト271が3台とも同一高さであるので、各々のリンクシャフト274の間隔を異ならせ、上下に交差させるように配置している。そのため、リンクシャフト274が接続しているフランジ273とかしめ側フランジ274の大きさが3台の加熱かしめ機で異なっており、4本のリンクシャフト274の間隔が最も小さく、中央に配置される4本のリンクシャフト274を保有する加熱かしめ機のフランジ273とかしめ側フランジ274が最も小さい。
3台の加熱かしめ機それぞれが、4本のリンクシャフト274に連結されたフランジ273とかしめ側フランジ274は一体的に、第6のエアシリンダー275と第6のガイド276により、リンクシャフト274の延在方向に往復動できる。押さえシャフト287に上部を押さえ込まれたワーク204に、第6のエアシリンダー275と第6のガイド276による直動により、3方向からバックアップシャフト271を接触させる。押さえシャフト287が上部からワーク204を押さえ込む力は、バックアップシャフト271がワーク204に接触した時に、ワーク204が動かない程度の大きさである。3台のバックアップシャフト271を同時に動かし、ワーク204に同時に接触させるのが、製造時間が短縮でき好ましいが、押さえシャフト287によりワーク204を固定させているので、1つずつ順に接触させてもワーク204の位置ずれが発生したりすることはなく問題ない。バックアップシャフト271の先端のワーク204との接触面は、平面であってもよいが、ワーク204の密閉容器1の外周面とほぼ同一の曲面状に形成されていれば、バックアップシャフト271とワーク204の接触面積が大きくなり、確実に押し付け力を受けられる。
3方向からバックアップシャフト271がワーク204に接触している状態で、かしめポンチ270を、サーボプレス277を稼動させてワーク204方向に移動させ、先端の押付治具111と密閉容器1壁部を接触させる。この接触した状態でのかしめポンチ270の位置情報をサーボプレス277がデータとして記憶する。3台の加熱かしめ機の、各々のかしめポンチの位置情報を各々のサーボプレス277が記憶する。かしめポンチ270は、ここで再びサーボプレス277の稼動により、一旦後退する。そして加熱を行う高周波加熱コイル278を上下に往復動させる第7のエアシリンダー280と第7のガイド281を作用させ、高周波加熱コイル278をワーク204方向に下降させ、さらにリンクシャフト274の延在方向に高周波加熱コイル278を往復動させる第8のエアシリンダー282と第8のガイド283を作用させ、ワーク204の半径方向に、高周波加熱コイル278をワーク204に近づける。
高周波加熱コイル278は、保持具279によって固定される。高周波加熱コイル278の半径方向の移動に際し、高周波加熱コイル278にはワーク204の密閉容器1と高周波加熱コイル278間を所定の距離に保つための当て止め機構284が備えられており、この当て止め機構284が密閉容器1と接触するまで高周波加熱コイル278を移動させることで、密閉容器1壁部と高周波加熱コイル278間の所定の距離を確保する。半径方向に高周波加熱コイル278を移動させるのは、密閉容器1の寸法にばらつきがあり、下降だけでは、3つの高周波加熱コイル278が常にワーク204に対して、密閉容器1との所定の距離を確保するのが難しいからである。密閉容器1に当て止め機構284を接触させることで密閉容器1と高周波加熱コイル278間の所定の距離を確保するということは、密閉容器1の外周面基準で高周波加熱コイル278の位置を決定できるということであり、密閉容器1の寸法のばらつきの影響を受けずに、常に所定の距離を確保できる。また外径の異なる密閉容器へも適用可能であるので、汎用性に優れる。当て止め機構でなくても、密閉容器1の外周を基準とするものであれば、例えば赤外線などを使った非接触の方法でもよい。
3台の加熱かしめ機がそれぞれ高周波加熱コイル278を保有し、同時に高周波加熱コイルの移動が行われ、密閉容器1と高周波加熱コイル278間の距離が3台すべて所定の距離を確保された時点で、高周波加熱コイル278に電流が流され、ワーク204の密閉容器1の加熱が行われる。密閉容器1の加熱部を所定の温度、例えば900℃、まで加熱すると、電流を止めて加熱を完了させ、高周波加熱コイル278を、上記と逆に、第8のエアシリンダー282と第8のガイド283を作用させ、ワーク204の半径方向にワーク204から遠のけ、第7のエアシリンダー280と第7のガイド281を作用させて上昇させ、ワーク204から逃がす。所定の温度まで加熱後、密閉容器1の熱が冷めないうちに、例えば加熱完了後1秒以内に、サーボプレス277を稼動させ、かしめポンチ270をワーク204に向けて前進させ、押付治具111により、密閉容器1に押し付け力を付与し、密閉容器1壁部の内周側に凸部を形成させ、上シリンダ12の下穴との間でかしめを行い、冷却後の密閉容器1の熱収縮により下穴間にはさみ込み力を発生させる。これを3台の加熱かしめ機で同時に実施し、等ピッチで3ヶ所にはさみ込み力を発生させ、密閉容器1に対する圧縮機構部210の固定が達成される。
かしめに先だって、かしめポンチ270が密閉容器1と接触する位置をサーボプレス277が記憶しているので、そのデータから、所定の凸部の長さが得られるかしめポンチ270の押し付け完了位置を演算し、その結果に基づき、サーボプレス277がかしめポンチ270をその位置まで前進させることで、密閉容器1の凸部を所定の長さに安定して形成できる。バックアップシャフト271とかしめポンチ270を囲うように4本のリンクシャフト274によって、フランジ272とかしめ側フランジ273が連結されているので、加熱かしめ機の剛性が強く、安定してかしめが実施できる。リンクシャフト274が1本や2本であっても両フランジを連結させることはできるので、装置として成立するが、装置に十分な剛性を確保し、安定したかしめを実現させるためには、モーメントを支持できる3本以上のリンクシャフトを設置するのが望ましい。かしめに先だって、かしめポンチ270が密閉容器1と接触する位置をサーボプレス277に記憶させ、そのデータから、所定の凸部の長さが得られるかしめポンチ270の押し付け完了位置を演算するので、密閉容器1の外周面基準で押し付け完了位置が決まることになり、密閉容器1の寸法のばらつきの影響を受けずに、常に安定して所定の長さの凸部を確保できる。
かしめ完了後に、押さえシャフト287を上昇させて押さえ込みを解除し、加熱かしめ工程が終了する。パレット機構202によりパレット212を下降させ、ワーク204を次の工程を実施する装置に向ってコンベア205上を移動させる。この時、密閉容器1に対して圧縮機構部210は円周方向3ヶ所に発生する、近接する2点のかしめ点によるはさみ込み力によって、固定されているので、コレット機構215を解除しても構わない。
このようにして、加熱かしめ機構203により、安定した品質を確保したかしめを実現できそしてこの加熱かしめ機構203はバックアップシャフト271を備えるので、複数の箇所の加熱かしめする位置が上記のように120°等ピッチでなくても、バックアップシャフト271がかしめポンチ270の押し付け力を支持するので、ワーク204にモーメントを作用させることなく、かしめが実現できる。圧縮機構部の形状によっては、近接する下穴を等ピッチに配置できない場合もあり、そのようなワークであってもかしめが可能となる。また複数の箇所を同時にかしめず、時間的にずらして1ヶ所ずつ独立して実施しても、バックアップシャフト271がかしめポンチ270の押し付け力を支持するので、ワーク204にモーメントを作用させることなく、かしめが実現できる。
この装置によりかしめられ、密閉容器の熱収縮による近接するかしめ点間のはさみ込み力によって、圧縮機構部が密閉容器に固定された圧縮機は、長期的な圧縮機の使用に対して、圧縮機稼動中に発生する普通及び過剰な力に耐え、がたつきが発生することのない強固な圧縮機構部210の密閉容器1に対する固定が成された圧縮機となる。また圧縮機機構部の歪みが小さいので、性能の向上が図れる。さらに密閉容器1に穴が開けられないので、スパッタ等の異物の混入がなく、異物の噛み込みによる圧縮機運転不能といった不具合が生じることのない信頼性の高い圧縮機が得られる。
なお上記の実施の形態2は、近接する2点のかしめ点を円周方向に3ヶ所実施するときに使用する加熱かしめ装置200であったが、近接するかしめ点を2点より増やすのは、かしめポンチの押付治具の数を増やせば対応できる。そして円周方向に4ヵ所以上のかしめ部を形成する場合にも加熱かしめ機の数を増加させることで展開は可能である。ただし90°等ピッチの4ヵ所に配置する場合では、2つのかしめポンチが直線上対向するような配置となるので、バックアップシャフトは設置できず、バックアップシャフトを固定するフランジや連結のためのリンクシャフトも不要となる。
実施の形態3.
上記の実施の形態2で示したワーク位置決め機構201は、吸入パイプ214に位相決めピン226を挿入し、この位相決めピン226を基準位置に移動させることでワーク204の位相決めを実現させた。この実施の形態3では、別の形態のワーク位置決め機構290を示す。ワーク位置決め機構290以外のパレットリフト機構と加熱かしめ機構は実施の形態2で示すパレットリフト機構202と加熱かしめ機構203と同一であり、ここでの説明は省略する。
この形態のワーク位置決め機構290の構成と、実際にワーク204が位置決めされる状態を図24に示す。実施の形態2のワーク位置決め機構201と同様に、まずワーク204が載ったパレット212を、第1のエアシリンダー220と第1のガイド221により、軸方向に往復動する第1のピン222の頭部をブッシュ216に差し込むことで、コンベア205より離れた高さに上昇させる。このパレット212の上昇により、画像認識カメラ232とワーク204の吸入パイプ214の高さが合わせられる。実施の形態2のワーク位置決め機構201と同様に、パレット212に対するワーク204の大まかな位相は、すでに決定されており、このワーク位置決め機構290は、パレット212に対して大まかには位相決めされているワーク204を、より正確に位相決めを実施し、コレット機構215によりパレット212に固定させる機構である。
この画像認識カメラ232が吸入パイプ214を撮影し、画像の明暗から吸入パイプ214の内周縁を認識し、これにより複数の箇所での吸入パイプ214の内径を算出し、複数の内径から現状の位置での吸入パイプ214中心を把握する。予め画像認識カメラ232は、正規位相状態であるマスターワーク吸入パイプの中心位置を記憶していて、このマスターワーク吸入パイプの中心位置と、現状の吸入パイプ214の中心位置を比較し、その位相のずれが許容レベルであるか否かの判定を行う。許容レベル以内であれば、そのままコレット機構215を解除させることなく保持した状態のままで、パレット212を下降させ、第2の工程である、加熱かしめ機に対するパレットの位置決め工程を担うパレットリフト機構202に、コンベア205上を搬送させる。
位相のずれが許容レベル外と判断した場合には、位相を修正する作業を行う。この修正工程について以下に説明する。ワーク204のコレット機構215にエアを供給してこれを解除し、チャック上下エアシリンダー237の稼動とチャック上下ガイド238の案内により、プレート239で連結されたチャック236を下降させる。チャック236は、下部にワーククランプ用爪242を保有しており、チャック236の下降で、ワーククランプ用爪242は、ワーク204をつかむことのできる位置まで下降してくる。ワーククランプ用爪242は図24では1個のみ描かれているが、実際には3個ある。ワーククランプ用爪242の数は、ワーク204をつかんで回転させることができる2個以上であればいくつでもよい。そしてチャック236にエアを供給することで、3個のワーククランプ用爪242がワーク204方向に移動し、
ワーク204をつかんで保持する。チャック236はエアによって作動するものでなく、電気的なものや油圧によって作動させるチャックであってもよい。また、ワーククランプ用爪242がワーク204をつかんだ後で、コレット機構215を解除しても構わない。
画像認識カメラ232が、記憶している基準となるマスターワーク吸入パイプ中心位置と、現状の吸入パイプ214中心位置のずれ量から、ワーク204の位相を修正すべく角度を算出し、この角度分だけチャック236を回転させる。チャック236の回転は、サーボモータ243の回転を、ギヤ244で調整し、カップリング245を介して軸241に伝え、この軸241がチャック236と連結されていることで成され、修正に必要な角度分だけチャックが回転するのである。軸241はベアリングユニット240によって半径方向および軸線方向に支持される。
位相ずれ修正のためのワーク204の回転が終了すると、再度画像認識カメラ232が回転後のワーク204の吸入パイプ214を撮影し、その中心位置を把握し、再びマスターワーク吸入パイプの中心位置と、現状の吸入パイプ214の中心位置を比較し、その位相のずれが許容レベルであるか否かの判定を行う。許容レベル以内であれば、コレット機構215のエアを抜き、コレット機構215を作用させ、ワーク204をパレット212に対して固定する。そしてチャック236を解除し、ワーククランプ用爪242を開放し、チャック上下エアシリンダー237の稼動とチャック上下ガイド238の案内で、チャック236を上昇させる。このチャック236上昇とほぼ同時に、パレット212を下降させ、第2の工程である、加熱かしめ機に対するパレットの位置決め工程を担うパレットリフト機構202に、コンベア205上を搬送させる。修正後の再度の判定においても位相のずれが許容レベル外であると判定された場合には、コレット215は解除したままで、チャック236は解除させず、再び同様に位相の修正作業を実施させ、許容レベル以内と判定されるまで繰り返させることになるが、装置にトラブルなどがない限り通常は1回の修正で完了できる。
このようにして、ワーク位置決め機構290により、パレット212に対するワーク204の位相決めを、吸入パイプ214に非接触で高精度に実現できる。なお、チャック236の回転によりワーク204の位相を修正した後の工程であり、またパレット212下降より前の工程である、画像認識カメラ232による再判定工程と、コレット機構215の作用によるワーク204のパレット212に対する固定工程、およびチャック236解除によるワーククランプ用爪242の開放工程は、上記の順序に限るものはなく、コレット機構215の作用によるワーク204固定工程を先に実施してから、画像認識カメラ232による再判定工程、ワーククランプ用爪242の開放工程の順に進めても構わないし、コレット機構215の作用によるワーク204固定工程を先に実施してから、ワーククランプ用爪242の開放工程、画像認識カメラ232による再判定工程、の順に進めても構わない。しかしこれらのような順序で進めると、再判定工程でも許容レベル外と判定された場合に、前者では再度コレット機構215を解除する工程が必要となり、後者であればコレット機構215を解除する工程と、ワーククランプ用爪242がつかむ工程が、それぞれ再度必要となる。
実施の形態2および3において、ワーク204はツインロータリ圧縮機であって、上シリンダ12の外周にかしめを施したが、上シリンダ12以外のもう一方の下シリンダや、上シリンダ12の上部や下シリンダ下部に配置される上下軸受部品の一方、2つのシリンダ間に存在し、2つの圧縮室を仕切る仕切り板にかしめ部を形成する場合でも同様な装置で、精度よい安定した品質のかしめが実現できるし、シリンダが1つのみのシングルロータリ圧縮機のシリンダや上下軸受、スクロール圧縮機の固定スクロールや主軸受部品や副軸受部品であっても、また圧縮機の電動機固定子であっても適用でき、同様な効果を奏する。
本発明の実施の形態の圧縮機は、容器内に収納され容器と隙間を介して設けられる圧縮機構部等の内蔵部品と、この内蔵部品の外周側で容器に対向して設けられ互いに近接して配置された複数の下穴を有する固定部と、この固定部に対向する容器壁部であって、容器の外側から押し付けられて内蔵部品の外周面の下穴内に入り込み、容器と内蔵部品を固定する容器凸部とを備え、容器材料の軟化する温度以上かつ融点未満の温度範囲で容器が加熱された状態にて容器凸部にて内蔵部品の下穴間を固定するものであり、内蔵部品の下穴に対向する容器壁部(凸部近傍)を加熱する際、その加熱温度を600℃乃至1500℃の範囲で、望ましくは800℃乃至1100℃の範囲にて数秒間加熱するものである。また複数の下穴ではなく、固定部として180°以上の円環状の溝を有するものである。
また本発明の実施の形態の圧縮機は、容器内に収納され容器と隙間を介して設けられる圧縮機構部等の内蔵部品と、この内蔵部品の外周側で容器に対向して設けられ互いに近接して配置された複数の下穴を有する固定部と、固定部に対向する容器壁部であって、容器の外側から押し付けられて内蔵部品の外周面の下穴内に入り込み、容器と内蔵部品を固定する容器凸部と、容器凸部近傍を加熱する加熱範囲を抑える様に互いに近接して配置された下穴間の中心と下穴中心との間の距離を所定値範囲内とするものであり、その互いに近接して配置された下穴間の中心と下穴中心との間の距離を下穴径の2倍より小さくし、かつ0.6倍以上とするものである。また近接して配置された下穴間の中心と下穴中心との間の距離および容器凸部近傍を加熱する加熱容量の少なくともいずれか一方により容器で内蔵部品を固定する力を調整可能とするものである
また本発明の実施の形態の圧縮機は、下穴内に入り込む記容器凸部の押し込み量が容器板厚の0.5倍以下あるいは1mm程度とするものであり、また下穴内に入り込む容器凸部を形成する押付治具は、互いに近接して配置された複数の下穴の数だけ固定されたものであって、この押付治具は、内蔵部品の下穴径以下で、かつ下穴径の0.5倍より大きい外径を有するものである。
また本発明の実施の形態の圧縮機は、上記の内蔵部品が圧縮を行う圧縮機構部の圧縮室を覆うシリンダ、又は、圧縮室を形成する、あるいは圧縮機構部を回転可能に支持するフレーム、仕切り板、軸受支持部材等の構成要素であり、複数の下穴からなる固定部が、内蔵部品の外周側に複数設けられるものである。
また本発明の実施の形態の圧縮機は、容器内に収納され容器と隙間を介して設けられる圧縮機構部等の内蔵部品と、この内蔵部品の外周側で容器に対向して設けられ、180°以上の円環状の溝である固定部と、固定部に対向する容器壁部であって、容器の外側から押し付けられて、その円環状の溝内に入り込み、容器と内蔵部品を固定する容器凸部と、容器凸部近傍を加熱する加熱範囲を抑える様に、円環状の溝の中心半径をこの円環状の溝の溝幅の2倍より小さくし、かつ0.6倍以上とするものである。またその容器凸部近傍を加熱する加熱容量の少なくともいずれか一方により容器で内蔵部品を固定する力を調整可能とするものであり、180°以上の円環状の溝である固定部が、内蔵部品の外周側に複数設けられるものである。
また本発明の実施の形態の圧縮機は、圧縮機構部等の内蔵部品の外周側に互いに近接して配置された複数の下穴を設け、隙間を介して設けられる容器内に収納するステップと、内蔵部品の複数の下穴に対向する位置に加熱範囲を抑えて容器の外側から容器材料の軟化する温度以上且つ融点未満の温度範囲で加熱すると共に、下穴の内径以下の押付治具で容器壁部を押し付けてこの容器壁部を下穴内に入り込ませるステップと、内蔵部品の外周側に周方向に複数箇所配置した複数の下穴に入り込ませた容器壁部にて内蔵部品を挟み込んで容器に固定するステップとを備え、内蔵部品を挟みこんで容器に固定する力を、互いに近接して配置された下穴間の中心と下穴中心との間の距離および容器を加熱する加熱容量の少なくとも一方により調整するものである。ことを特徴とする圧縮機の製造方法。
本発明の上記したような実施の形態の圧縮機によれば、容器に内蔵部品の圧縮機構部を固定したときに圧縮機構部の受ける力を減少させ、圧縮機構部の歪みの発生を低減し、かつ容器に内蔵部品を確実にかつ強固に固定することができ、圧縮機の長期的な使用に対しても、圧縮機稼動中に発生する普通及び過剰な力に耐え、内蔵部品のがたつきによる騒音や振動の増加などの不具合が生じない高性能で信頼性の高い圧縮機を得ることができる。
この発明の実施の形態1による密閉形圧縮機概略的に示す断面図である。 図1に示すかしめ部の構造および方法を説明するための要部断面図である。 図1に示すかしめ部の構造および方法を説明するための要部断面図である。 図1に示すかしめ部の構造および方法を説明するための要部断面図である。 図1に示すかしめ部の構造および方法を説明するための要部断面図である。 図1に示すかしめ部を密閉容器の外側から見た図である。 図1に示すかしめ部の構造を説明するための要部断面図である。 近接するかしめの点数が3点の場合の、ある配置例を密閉容器の外側から見た図である。 近接するかしめの点数が4点の場合の、ある配置例を密閉容器の外側から見た図である。 密閉容器に凸部を形成するためのかしめポンチを示す簡略図である。 図1に示すかしめ部の構造を説明するための図である。 かしめ部を形成するための装置を示す簡略図である。 複数のかしめ部の位相を説明するための図である。 かしめ部の位相変化による、シリンダベーン溝幅の変化を示すグラフである。 シリンダの吸入穴を基準とした下穴加工を説明するための図である。 円環形状のかしめ部を形成する例を密閉容器の外側から見た図である。 この発明の実施の形態2による加熱かしめ装置の全体構成図で、(a)は上面図、(b)は断面図である。 加熱かしめ装置の動作フロー図である。 パレットに載せられたワークの状態を示す図である。 ワーク位置決め機構の構成図で、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)および(d)は部分的な矢視図である。 ワーク位置決め機構の状態を示す図である。 パレットリフト機構の構成図で、(a)は断面図、(b)は側面図である。 加熱かしめ機構の構成図で、(a)は上面図、(b)は断面図、(c)は矢視図である。 この発明の実施の形態3による加熱かしめ装置のワーク位置決め機構の構成と状態を示す図である。
符号の説明
1 密閉容器(容器)、2 固定子、3 回転子、6 クランクシャフト、12 上シリンダ、16 シリンダ、16a 内径、16b ベーン溝、16c 外周面、101 圧縮機構部(内蔵部品,圧縮手段)、102 下穴、103 吸入管、106 容器凹部、107 容器凸部、108 加熱範囲、109 加熱中心、110 基部、111 押付治具、112 押し付けプレス機、113 押し付け力、114a 1ヶ所目のかしめ部位置、114b 2ヶ所目のかしめ部位置、114c 3ヶ所目のかしめ部位置、115 吸入穴、116 円環状の凹帯、200 加熱かしめ装置、201 ワーク位置決め機構、202 パレットリフト機構、203 加熱かしめ機構、204 ワーク(圧縮機)、205 コンベア、210 圧縮機構部、211 吸入穴、212 パレット、213 リング、214 吸入パイプ、215 コレット機構、216 ブッシュ、220 第1のエアシリンダー、221 第1のガイド、222 第1のピン、223 カプラ、224 第3のエアシリンダー、225 第3のガイド、226 位相決めピン、227 ガイド、228 第4のエアシリンダー、229 第2のエアシリンダー、230 第2のガイド、231 ストッパ、232 画像認識カメラ、236 チャック、237 チャック上下エアシリンダー、238 チャック上下ガイド、239 プレート、240 ベアリングユニット、241 軸、242 ワーククランプ用爪、243 サーボモータ、244 ギヤ、245 カップリング、250 モータ、251 第2のピン、252 プレート、253 プレート、254 ガイド、255 ボールねじ、256 プーリー、257 ベルト、258 カップリング、259 位置決めブッシュ、260 位置決めシャフト、261 円筒部位、263 コンベア、270 かしめポンチ、271 バックアップシャフト、272 フランジ、273 かしめ側フランジ、274 リンクシャフト、275 第6のエアシリンダー、276 第6のガイド、277 サーボプレス、278 高周波加熱コイル、279 保持具、280 第7のエアシリンダー、281 第7のガイド、282 第8のエアシリンダー、283 第8のガイド、284 当て止め機構、285 第5のエアシリンダー、286 第5のガイド、287 押さえシャフト、290 ワーク位置決め機構。

Claims (12)

  1. 容器内に収納され前記容器と隙間を介して設けられる圧縮機構部等の内蔵部品と、前記内蔵部品の外周側で前記容器に対向して設けられ互いに近接して配置された複数の下穴を有する固定部と、前記固定部に対向する容器壁部であって前記容器の外側から押し付けられて前記下穴内に入り込み前記容器と前記内蔵部品を固定する容器凸部と、を備え、前記容器材料の軟化する温度以上且つ融点未満の温度範囲で前記容器が加熱された状態にて前記容器凸部にて前記内蔵部品の下穴間を固定することを特徴とする圧縮機。
  2. 前記内蔵部品の下穴に対向する前記容器凸部近傍を加熱する際、加熱温度を600℃乃至1500℃の範囲、望ましくは800℃乃至1100℃の範囲にて数秒間加熱することを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記固定部を形成する複数の下穴の代わりに、固定部として180°以上の円環状の溝を有することを特徴とする請求項1又は2記載の圧縮機。
  4. 容器内に収納され前記容器と隙間を介して設けられる圧縮機構部等の内蔵部品と、前記内蔵部品の外周側で前記容器に対向して設けられ互いに近接して配置された複数の下穴を有する固定部と、前記固定部に対向する容器壁部であって前記容器の外側から押し付けられて前記下穴内に入り込み前記容器と前記内蔵部品を固定する容器凸部と、前記容器凸部近傍を加熱する加熱範囲を抑える様に互いに近接して配置された下穴間の中心と下穴中心との間の距離を所定値範囲内としたことを特徴とする圧縮機。
  5. 互いに近接して配置された下穴間の中心と下穴中心との間の前記距離を下穴径の2倍より小さくし、且つ、0.6倍以上とすることを特徴とする請求項4記載の圧縮機。
  6. 互いに近接して配置された下穴間の中心と下穴中心との間の前記距離および前記容器凸部近傍を加熱する加熱容量の少なくともいずれか一方により前記容器で前記内蔵部品を固定する力が調整可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の圧縮機。
  7. 前記下穴内に入り込む前記容器凸部の押し込み量は前記容器板厚の0.5倍以下あるいは1mm程度とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の圧縮機。
  8. 前記下穴内に入り込む前記容器凸部を形成する押付治具は、互いに近接して配置された複数の下穴の数だけ固定するものであって、前記押付治具は、下穴径以下で、且つ、下穴径の0.5倍より大きい外径を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の圧縮機。
  9. 前記内蔵部品は圧縮を行う圧縮機構部の圧縮室を覆うシリンダ、又は、前記圧縮室を形成するあるいは前記圧縮機構部を回転可能に支持するフレーム、仕切り板、軸受支持部材等の構成要素であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の圧縮機。
  10. 前記複数の下穴からなる固定部が前記内蔵部品の外周側に複数設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の圧縮機。
  11. 容器内に収納され前記容器と隙間を介して設けられる圧縮機構部等の内蔵部品と、前記内蔵部品の外周側で前記容器に対向して設けられ、180°以上の円環状の溝である固定部と、前記固定部に対向する容器壁部であって前記容器の外側から押し付けられて前記円環状の溝内に入り込み前記容器と前記内蔵部品を固定する容器凸部と、前記容器凸部近傍を加熱する加熱範囲を抑える様に、前記円環状の溝の中心半径を前記円環状の溝の溝幅の2倍より小さくし、且つ、0.6倍以上とすることを特徴とする圧縮機。
  12. 圧縮機構部等の内蔵部品の外周側に互いに近接して配置された複数の下穴を設け、隙間を介して設けられる容器内に収納するステップと、前記複数の下穴に対向する位置に加熱範囲を抑えて前記容器の外側から前記容器材料の軟化する温度以上且つ融点未満の温度範囲で加熱すると共に、前記下穴の内径以下の押付治具で容器壁部を押し付けて前記容器壁部を前記下穴内に入り込ませるステップと、周方向に複数箇所配置した前記複数の下穴に入り込ませた前記容器壁部にて前記内蔵部品をはさみ込んで前記容器に固定するステップと、を備え、前記内蔵部品をはさみ込んで前記容器に固定する力を、互いに近接して配置された下穴間の中心と下穴中心との間の距離および前記容器を加熱する加熱容量の少なくとも一方により調整することを特徴とする圧縮機の製造方法。
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