JP2007092643A - ロータリ圧縮機およびロータリ圧縮機の製造方法 - Google Patents

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稔 石井
Hideaki Maeyama
英明 前山
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英司 坂本
Shinichi Takahashi
真一 高橋
Hiroyasu Takahashi
広康 高橋
Naotaka Hattori
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Abstract

【課題】エアギャップが規定値以上形成されているかを確認する工程においてエアギャップ不良が確認されたとき、該不良を修正することができるロータ圧縮機およびロータ圧縮機の製造方法を提供する。
【解決手段】ロータリ圧縮機100は密閉容器Sの内部に電動機Mと圧縮機構部Cとを有し、圧縮機構部Cは上軸受8とシリンダ9と下軸受10とが軸方向に順に並んで互いに複数の締結ボルト11によって締結されている。ホルダー1は密閉容器Sの円筒体3に複数のアークスポット溶接によって接合され、圧縮機構部Cのシリンダ9の上端面がホルダー1の下端面に当接して、シリンダ9に形成されたボルト穴を貫通してホルダー1に形成されたネジ穴にボルト21が螺入して両者は一体的に固定されている。よって、エヤギャップ不良が生じても、ボルト21を緩めることにより、圧縮機構部Cの位置を調整することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、給湯用や空調用などに使用される冷媒循環システムに用いられる密閉型のロータリ圧縮機およびロータリ圧縮機の製造方法に関するものである。
密閉型のロータリ圧縮機では、密閉容器に圧縮機構部を固定する方法として、従来から、圧縮機構部を直接密閉容器の内周面にアークスポット溶接などによって固定する直接固定方法と、圧縮機構部をボルトでホルダーに固定し、そのホルダーを密閉容器の内周面にアークスポット溶接などによって固定する間接固定方法の2通りが存在する。
直接固定方法の場合、一般的には圧縮機構部の圧縮室を形成するシリンダの外周面と密閉容器の内周面との間を溶接する。
一方、間接固定方法の場合、溶接はホルダーにおいて行われるので、直接固定方法に比べて、アークスポット溶接によるシリンダ内径の歪みを小さく抑えることができるため、圧縮室から圧縮した冷媒ガスが洩れる量を低減することができ、効率の向上が図られる。
間接固定方法におけるホルダーは、一般的には鋼板を材料として板金で製作され、該ホルダーの下面が圧縮機構部のシリンダ上端面に接触し、圧縮機構部とボルトで連結固定される部位である円板部と、円板部の外周で、円板部に連続的にかつ円板部に対してほぼ直角に折り曲げられた円筒部から成る。円板部の中央には圧縮機構部の上軸受と干渉しないように上軸受の外径より大きな穴が形成されている。
かかるホルダーは、円筒部の開口が反電動機側である下向きとなって、円筒部がシリンダの外側を囲うように圧縮機構部とボルトにより固定されるが、ボルトは電動機側となる方向から、ホルダーのボルト穴を通って、シリンダのネジ穴に螺入する。ボルトの頭は、組立後には、電動機と圧縮機構部間に存在するようになる。
そして、ホルダーの円筒部の外周面と密閉容器の内周面との間でアークスポット溶接が行われる。アークスポット溶接の位置は、シリンダの高さの範囲内であり、アークスポット溶接の高さ位置としては、直接固定方法(シリンダ外周面にアークスポット溶接する)と変わらない(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開平7−180680号公報(第2−3頁、図1) 特開平2−123295号公報(第2−3頁、図1)
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された発明は、いずれもホルダーを円筒状の板金フレームによって形成し、該板金フレームの低い剛性によって、圧縮機部で発生した振動を密閉ケースに伝わり難くするものであり、板金フレームの圧縮機構部側の面にホルダーを当接し、ホルダーに形成したネジ穴に板金フレームを貫通するボルトを螺入する(ボルトの頭部が板金フレームと電動機との間に位置する)ため、以下のような問題があった。
すなわち、近年、高圧側圧力が臨界点を越える超臨界冷媒であるCO2を使用したヒートポンプサイクルを利用し、加熱流体である水を所定温度まで加熱させる給湯用冷媒循環システムが商品化されている。この冷媒循環システムに用いられる密閉型圧縮機は、冷媒のCO2が従来一般的に使用されていた冷媒と比べると、極めて高圧な冷媒であるため、製品の耐圧設計上、密閉容器の板厚を従来のものより厚くしている。特に密閉容器内部が圧縮した後の高圧冷媒ガスの雰囲気となるロータリ圧縮機の場合は、従来冷媒に比べると容器内の雰囲気圧力が極端に大きくなるので、密閉容器の板厚は相当厚くする必要がある。
そのため、密閉容器の板厚が厚いことから、圧縮機構部を固定するアークスポット溶接は、その電圧、電流および時間のいずれか1つ以上を従来冷媒時に比べ増加させて対応している。そのため、圧縮機構部を直接アークスポット溶接すると、シリンダ内径の歪みが従来冷媒時の仕様より大きくなるため、また、冷媒の吐出圧と吸入圧の差もより大きくなるため、洩れによる効率低下が極めて著しく、直接固定方法(圧縮機構部を直接密閉容器にアークスポット溶接にて固定する仕様)は実際の製品の製造方法として成立し難い。
そこでCO2を使用した冷媒循環サイクルに用いられる密閉型のロータリ圧縮機では、間接固定方法(圧縮機構部の固定に、圧縮機構部をボルトでホルダーに固定し、そのホルダーを密閉容器の内周面にアークスポット溶接する方法)が用いられる。
ところで、密閉型圧縮機では、一般的に「エアギャップ」と呼ばれる電動機の固定子と回転子との間に半径方向のすきまが設けられる。固定子は通常、密閉容器内周側に焼嵌め固定される。ところが、圧縮機構部や前記したホルダーのアークスポット溶接の影響により、この半径方向のすきまが不均一となって、ある方向に偏りが生じてしまう状態が起こりうる。かかる状態を「エアギャップ不良」と言っている。
これはアークスポット溶接時に、溶接箇所の方向に圧縮機構部が引っ張られることが原因と考えられる。このようなエアギャップ不良を起こしている圧縮機は、電磁騒音が発生したり、固定子と回転子の磁気吸引・反発力によってトルク変動が生じて、そのトルク変動に起因した騒音や振動が発生する問題がある。
また、密閉型圧縮機の電動機は、従来から誘導電動機が使用されているが、近年では効率向上を目的に、高磁力な永久磁石を回転子に内蔵した直流ブラシレス電動機も多く利用されている。この電動機を使用した圧縮機では、エアギャップ不良が起きた場合、磁気吸引・反発力が誘導電動機に比べ大きいため、上記した問題がより顕著に現れる。
さらに、CO2冷媒を使用したサイクルに用いられる密閉型のロータリ圧縮機は、先に述べたように、密閉容器の板厚が厚いため、アークスポット溶接の電圧、電流および時間のいずれか1つ以上を大きく設定しており、そのためアークスポット溶接の影響によるエアギャップ不良が生じ易いといった問題がある。
なお、ロータリ圧縮機の組立工程のなかにエアギャップが規定値に納まっているかを確認する工程を組み込む場合があるが、圧縮機構部および電動機固定子も密閉容器に固定されてしまっているため、エアギャップ不良が確認されても修正することができず、旋盤などの切削設備を使って密閉容器を切断し、取り外せる部品のみを回収して、密閉容器や密閉容器に固定された残りの部品は廃棄しなければならなくなってしまうといった問題がある。
この発明は上記したような課題を解決するためになされたもので、ロータリ圧縮機の組立工程において、エアギャップが規定値を外れた場合に、エアギャップが全周に渡って規格値に納まるようにエアギャップの修正が可能となる密閉形のロータリ圧縮機およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るロータリ圧縮機は、密閉容器内に電動機および圧縮機構部が配置されているものであって、
前記電動機が、前記密閉容器に固定された固定子と、前記圧縮機構部の主軸に固定された回転子とを具備し、
前記圧縮機構部が、前記主軸に偏心して設置されたローラと、該ローラを収納するシリンダと、前記主軸が貫通し、前記シリンダを挾持して前記シリンダと共に冷媒ガスを圧縮する圧縮室を形成する上軸受および下軸受と、前記ローラに進退自在に当接して前記圧縮室を仕切るブレードとを具備し、
前記密閉容器内で前記電動機と前記圧縮機構部との間にホルダーが固定され、該ホルダーの前記電動機とは反対の面に前記シリンダが当接され、前記シリンダに形成されたボルト穴を貫通して前記ホルダーに形成されたネジ穴に螺入するボルトによって、前記圧縮機構部が前記ホルダーに着脱自在に設置されてなることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、圧縮機構部を構成するシリンダが、密閉容器に固定されたホルダーの電動機とは反対側の面にボルトによって着脱自在に設置されるから、ロータリ圧縮機の組立工程において、エアギャップ不良が発生した場合であっても、ボルトを簡単に取り外し、圧縮機構部を移動させることができるため、エアギャップ不良を修正することが可能になる。
[実施の形態1]
(ロータリ圧縮機)
図1は本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機を示す縦断面図である。図1において、ロータリ圧縮機100は、密閉容器Sの内部に電動機Mと、電動機Mに主軸2で連結される圧縮機構部Cとを収納して成る密閉型のロータリ圧縮機である。
(密閉容器)
密閉容器Sは、上下が開口した円筒体3に、上部に上蓋体4を、下部に底蓋体5を溶接固定して形成される。なお、密閉容器Sはプレスによって有底の円筒体を製作し、それに上蓋体を溶接固定して密閉容器Sを形成する場合もある。
(電動機)
電動機Mは、円筒体3に焼嵌めまたは圧入で固定された固定子6と、主軸2に焼嵌め固定され、主軸2とともに回転する回転子7から構成される。固定子6の内径と回転子7の外径との間には半径方向のすきまが全周に渡って形成されていて、このすきまを一般的に「エアギャップ」と呼んでいる。このエアギャップは通常、全周に渡ってある規定値以上確保されるように組立時に調整される。
固定子6はリード線6aを有し、上蓋体4に設置されたターミナル15にそのリード線6aが接続され、外部から電動機Mに電力が供給される。
(圧縮機構部)
図2は図1に示すロータリ圧縮機のシリンダの内部を示す横断面図である。図1および図2において、圧縮機構部Cは、電動機M側から下方に向かって、上軸受8、シリンダ9、下軸受10が軸方向に順に並んで構成され、互いに複数の締結ボルト11によって締結される。そしてシリンダ9の内部は圧縮室Pとなっている。
そして、主軸2の軸心から偏心して一体的に設けられた偏心軸部2aと、この偏心軸部2aに外嵌されたローラ12と、圧縮室Pを高圧側PDと低圧側PSに仕切るブレード13が収容されている。ブレード13は、ばね部材など(図示しない)によってローラ12側へ付勢されていて、シリンダ9に設けられたブレード溝に、シリンダ9の半径方向へ往復動することで出入りし、先端は常時ローラ12の外周に接している。
主軸2は上軸受8および下軸受10によって半径方向に支持され、下軸受10によって偏心軸部2aが軸方向に支持され回転可能となる。主軸2が回転することで、偏心軸部2aが偏心運動し、それに伴いブレード13によって仕切られた圧縮室高圧側PDの空間体積が減じられ、冷媒が圧縮され、圧縮室外に吐出される。また同時に圧縮室低圧側PSの空間体積が増すことで、圧縮室低圧側PSにはシリンダ9の吸入口9aから冷媒が吸い込まれる。
このように吸入、圧縮、吐出の一連のサイクルが行われるようになっている。なお圧縮室外に吐出された冷媒は、流体音の低減目的から、上軸受8の上部に設置された板金製の吐出マフラ14の内部に一旦留められ、その後吐出マフラから密閉容器Sの内部に放出され、電動機Mを通過し、上蓋体4に設けられた吐出管16から、この吐出管16に接続された冷媒循環サイクルの配管(図示しない)へと吐出される。
シリンダ9の吸入口9aには、吸入管17が圧入される。そして密閉容器Sの円筒体3には、吸入口9aに対向する位置に密閉容器Sを半径方向に連通する吸入接続管18がロウ付や溶接によって予め設けられている。そして、吸入口9aに圧入された吸入管17がこの吸入接続管18の内径側を通って、円筒体3の外部で吸入接続管18より半径方向に突出する。さらに吸入管17の内径側に、円筒体3に固定されたアキュームレータ19の吸入配管19aが嵌入され、この吸入配管19aと吸入管17が同時に吸入接続管18にロウ付固定され、密封された吸入経路が形成される。
(ホルダー)
図3および図4は図1に示すロータリ圧縮機のホルダーを示す、図3は縦断面図、図4はシリンダ9側から見た平面図である。ホルダー1(説明の便宜上、斜線を付して明瞭にしている)は密閉容器Sの円筒体3に複数のアークスポット溶接によって接合され、圧縮機構部Cはホルダー1にボルト固定により保持されるから、これによって圧縮機構部Cが密閉容器Sに対して固定される(図1参照)。
図3および図4において、ホルダー1は鋳造によって形成された素材に対して機械加工を施して製造される。ホルダー1には軸方向に貫通するネジ穴101が同一円周上にほぼ等ピッチに3ヶ所形成されている。ネジ穴101は面取りなどを除いた有効なネジの長さとして、少なくともネジの呼び径と同等以上、望ましくは1.5倍以上の長さを確保する。このネジ穴101の長さを確保するためには、素材を鋳造で形成するのが安価であり、ネジ穴も形成し易い。
ホルダー1の内周面102の内径は、圧縮機構部Cの上軸受8の鍔部8aの外径より大きく、この鍔部8aの外側を内周面102が囲むように配置される。
ホルダー1の外周面103と密閉容器Sの円筒体3の内周面とが、複数のアークスポット溶接で接合される。この実施の形態1の場合は、上記ネジ穴101とは円周方向で位相をずらして、ほぼ等ピッチで3ヶ所にアークスポット溶接が行われている(図示しない)。
なお、内周面102は上軸受鍔部8aの外径に対して十分大きく、鋳物の一般的な寸法公差で鍔部8aとの干渉が避けられるのであれば鋳肌のままでよいが、外周面103は円筒体3とのアークスポット溶接を行う必要があることから、適度な精度の寸法が必要で、そのために機械加工により切削して形成される。そして外周面103を旋盤で切削加工するには、内周面102をチャックする必要があることから、内周面102にも機械加工による切削を施すこともある。
ホルダー1の接触面104はシリンダ9に接触する面であり、接触面104(図1においては下端面)がシリンダ9の電動機M側端面9m(図1においては上端面)と接触し、ボルト21によって固定されることで、圧縮機構部Cがホルダー1に保持される。
その際、接触面104の平面度が悪いと、ボルト固定によって、接触面104と接触するシリンダ9が接触面104の悪い平面度に引きずられ、シリンダ9の内径が歪んでしまうという問題が生じる。そうすると、シリンダ9の内径の歪みは、圧縮室吐出側PDからの圧縮した冷媒の洩れを招き、圧縮機の効率が低下してしまう。
そこで、本実施の形態1のホルダー1の接触面104は、研削加工を施すことによって形成する。したがって、接触面104はホルダー1全体の中で最も圧縮機構部C側に位置する面(僅かに突出する面)とすることにより、研削加工の砥石が何の障害もなく確実に当てられるようにしている。
したがって、接触面104を簡単に研削加工することができ、研削加工するによって接触面104の平面度を高められる。接触面104の平面度が高精度で仕上がっていれば、シリンダ9とのボルト固定の際、シリンダ9の内径が歪むこともなく、冷媒の洩れによる効率の低下が防止できる。
なお、上記した特許文献1や特許文献2の板金製ホルダーでは、外周にシリンダ9の外側を囲うように、円筒部が形成されていて、この円筒部にアークスポット溶接が行われていたが、本実施の形態1のホルダー1には、このような圧縮機構部C側に延びる円筒部は形成されない。もしこのような円筒部が形成されると、圧縮機構部のシリンダ端面との接触面には、その円筒部が阻害して、砥石が当てられず、研削加工が簡単に行うことができなくなってしまうからである。
また、接触面104と当接するシリンダ9の電動機M側端面9mは、上軸受8に当接する部位とホルダー接触面104に当接する部位とが、砥石を用いた研削加工により、連続的に高精度な平面度に仕上げられている。通常、シリンダ9の電動機M側端面9mは接触面104より内周側で上軸受8に当接し、シリンダ9の油溜め20側端面9cは下軸受10に当接し、かかる当接によって密閉した圧縮室Pを形成する必要があるためである。
そして、ホルダー1の接触面104が最も圧縮機構部C側に位置する部位とするために、本実施の形態1のホルダー1と密閉容器Sの円筒体3とのアークスポット溶接は、シリンダ9の電動機M側端面9m(図1においては上端面)より電動機M側(図1においては上方)の位置において実施している(図示しない)。
また、ネジ穴101の長さを確保するため、ホルダー1は、特許文献1や特許文献2に示された板金製ホルダーよりも十分に大きな厚み(軸方向の長さ)を有しているので、外周面103にアークスポット溶接することが可能であり、アークスポット溶接のために特別な部位を設ける必要がない。
ロータリ圧縮機100(図1参照)では、アークスポット溶接の強さが強いため、外周面103と密閉容器Sとの接触面積を増す必要があり、ホルダー1に電動機M側(図3において上側)に向かって延びる外輪山状の肉盛部105を設けている。すなわち、冷媒に高圧側圧力が臨界点を越える超臨界冷媒であるCO2を使用した冷媒循環システムに用いられるもので、CO2が極めて高圧な冷媒であるため、製品の耐圧設計上、密閉容器Sの板厚が厚く、アークスポット溶接は、その電圧、電流および時間を、従来のフロン冷媒時に使用されるロータリ圧縮機の時と比べ増加させて対応しており、上記で述べたアークスポット溶接の強さが強いという状態であるため、肉盛部105を設けている。
なお、本発明はこれに限定するものではなく、アークスポット溶接の強さが比較的弱い場合(強くない場合)には、ホルダー1から外輪山状の肉盛部105を撤去して、ほぼ円盤状(上端面がほぼ平坦)にしてもよい。
ホルダー1の外周面103の一部には、外周面103より半径が短い部位である径方向逃がし部106が形成されている。径方向逃がし部106は、吸入管17とアキュームレータ吸入配管19aとを吸入接続管18にロウ付する際に、バーナーの熱によって、円筒体3の内径が吸入接続管18の近傍だけわずかに歪んでしまうため、その歪みによって、ホルダー1の接触面104が歪み、その影響で最終的にシリンダ9の内径が歪まないようにするために設けられたものである。
径方向逃がし部106は、ホルダー1の素材を鋳物とすれば、鋳肌のままでよく、部分的な外周切削が不要となり、生産性が向上する。この径方向逃がし部106が形成されている範囲では、アークスポット溶接は実施しない。
また、ホルダー1の下端面(図3において下端面)の一部で、シリンダ9のシリンダ吸入口9a(図1、2参照)に臨む部位に、軸方向逃がし部107が形成されている。シリンダ吸入口9aには、上記したように吸入管17が圧入される。この吸入管17の圧入により、シリンダ9の圧入された部位近傍は軸方向に膨らむような歪むが生じる。そしてその歪みによって、ホルダー1の接触面104が歪み、その影響で最終的にシリンダ9の内径が歪まないようにするために、このような軸方向逃がし部107を設けて、シリンダ9の電動機M側端面との間にすきまを設けるものである。
軸方向逃がし部107は、ホルダー1の素材を鋳物とすれば、鋳肌のままでよく、部分的な端面切削が不要となり、生産性が向上する。
なお、吸入管17の圧入は、シリンダ9の外周から半径方向で上軸受8や下軸受10まで到達しないため、上軸受8や下軸受10には、この吸入管17のシリンダ吸入口9aへの圧入による歪みの影響は伝わることがない。したがって、上軸受8や下軸受10に、ホルダー1にも設けたような軸方向逃がし部を形成する必要はない。
軸方向逃がし部107の部位に、内周面102に開口した切欠溝108が設けられる。切欠溝108はブレード13に臨む位置に設けられ(図2参照)、冷媒といっしょに密閉容器S内に吐出された冷凍機油が、密閉容器S内で分離され底蓋体5内に在る油溜め20に戻る途中に、ブレード13へ供給されるように設けられる。この給油は、ブレード13の往復動によるシリンダ9や下軸受10との摺動や先端のローラ12との接触に対する潤滑の一部となる。
さらに、ホルダー1の接触面104の外周側には、油通路穴109が複数設けられている。油通路穴109は、ホルダー1を軸方向に貫通し、密閉容器S内で冷媒と分離された冷凍機油が底蓋体5上の油溜め20に戻るための通路となる。通路面積を確保するために、油通路穴109は、長穴状に形成してある。
このような長穴を機械加工で製作するとなると、刃物を移動させる必要が生じるため、時間がかかったり、またNC制御による工作機械を使う必要などもあったりして生産性が悪く、コストも高い。また油通路穴を加工が簡単な単なる円形で形成してしまうと、通路面積を確保するためには、多くの穴の加工が必要となってしまい、やはり生産性が悪い。
そこで、本実施の形態1では、ホルダー1の素材を鋳物とし、油通路穴109を鋳型により鋳物の状態のときに形成し、その後加工せずに、鋳肌のままにしている。このとき、油通路穴109は鋳肌のままでも通路としての機能を十分果たすことができるので、ホルダー1は、安価で生産性が向上している。
なお、本発明はホルダー1の素材を鋳物に限定すものではなく、生産性およびコスト面においては劣るものの、たとえば、鍛造品を素材にして機械加工を施したものであっても、前記エアギャップ不良を修正することが可能になるものである。
[実施の形態2]
(ロータリ圧縮機の製造方法)
図5〜図11は本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機の製造方法を、工程を追って説明する縦断面図である。なお、実施の形態1(図1〜図4)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図5に示すように、最初に圧縮機構部Cを主軸2も含めて組み立てる。シリンダ9には、軸方向に貫通する複数のボルト穴9bが設けられている。ボルト穴9bの径は、ここを挿通するボルト21(図7参照)の外径より大きく設定されている。
図6に示すように、次に圧縮機構部Cとホルダー1をボルト締結するのに先立って、シリンダボルト穴9bがホルダーのネジ穴101と対向するように、同時にシリンダ吸入口9aにホルダー1の軸方向逃がし部107が対向するように、圧縮機構部Cとホルダー1の位相が合わせられる。
図7に示すように、図6の状態からボルト21を使用して、圧縮機構部Cとホルダー1をボルト締結するが、ボルト21が、下軸受10側からシリンダ9のボルト穴9bに挿通され、このボルト穴9bを貫通し、ホルダー1のネジ穴101に螺入されることで締結される。ロータリ圧縮機100として最終的に組み立てられた図1の状態で説明すると、下軸受10が位置する圧縮機構部Cの反電動機M側から電動機M側に向かって(図1において下から上に向かって)、ボルト21がシリンダ9のボルト穴9bに挿通され、このボルト穴9bを貫通し、圧縮機構部Cの電動機M側に位置するホルダー1のネジ穴101に螺入されることで、圧縮機構部Cとホルダー1がボルト締結される。
図8に示すように、圧縮機構部Cとホルダー1が締結された図7の状態から、アークスポット溶接によりホルダー1を円筒体3に固定し、これにより、圧縮機構部Cもホルダー1を介して円筒体3に位置が固定される。
円筒体3の内側には予め固定子6を焼嵌め固定していてもよいし、円筒体3への固定子6の焼嵌め固定と、ホルダー1のアークスポット溶接をほぼ同時に実施してもよいし、またホルダー1のアークスポット溶接を完了後に固定子6の焼嵌め固定を実施してもよい。
また、上記したように、ここでのアークスポット溶接はほぼ等ピッチに3ヶ所実施され、軸方向の位置としては、ホルダー1がシリンダ9より電動機M側に位置するので、シリンダ9より電動機M側となる。そして3ヶ所のアークスポット溶接は、3点同時に実施されることが、圧縮機構部Cの半径方向位置を円筒体3の内径中心に安定させるために望ましいが、同時溶接の設備がない場合には1ヶ所ずつ実施してもよい。
なおアークスポット溶接の数は3ヶ所に限定されるものではなく、強度や騒音の観点で望ましい数であれば、2ヶ所以上のいくつでもよい。
図9に示すように、続いて回転子7を主軸2に焼嵌め固定させる。この後でエアギャップが、全周に渡ってある規定値以上確保されるように組み立てられているかどうかを確認するエアギャップ検査工程に入る。
一般的には、規定値の厚さを持つギャップゲージをエアギャップに挿入し、このギャップゲージが全周まわれるかどうかで確認する。全周まわれればエアギャップ合格となるが、途中で止まってしまうようであれば、エアギャップ不良となり、その止まった位置の方向に回転子7が偏っているということになる。回転子7が偏っているということは、これが焼嵌っている主軸2と圧縮機構部Cが、固定子6に対して偏っているということである。
エアギャップ不良の一因である、この圧縮機構部Cのある方向への偏りは、ホルダー1を円筒体3にアークスポット溶接することで起こる。アークスポット溶接する際に、その溶接方向にホルダー1が引っ張られるのである。上記したように、特に複数のアークスポット溶接を1ヶ所ずつ実施する場合には、それぞれの時にその溶接方向に引っ張られるので、最終的にある方向に偏ってしまうことがある。また複数箇所を同時溶接した場合でも、複数箇所の溶接条件が微妙に異なってしまう場合があり、その場合には圧縮機構部Cのある方向への偏りが生ずることもある。このようにしてホルダー1の円筒体3へのアークスポット溶接により圧縮機構部Cのある方向への偏りが生じ、それがエアギャップ不良と呼ばれる固定子6と回転子7の間の半径方向のすきまが不均一となって、ある方向に偏ってその方向のすきまが狭まってしまう状態となる。
このエアギャップ検査工程でエアギャップ不良が確認されると、以下の要領で圧縮機構部Cの位置調整をする。すなわち、実施の形態1のロータリ圧縮機100の場合、圧縮機構部Cとホルダー1のボルト固定を、下軸受10側からシリンダ9のボルト穴9bにボルト21を挿通し、ホルダー1のネジ穴101に螺入して行っており、円筒体3の下軸受側が開口しているので、ボルト21をはずすことができる。
したがって、ボルト21をはずして、圧縮機構部Cをホルダー1から一旦開放し、固定子6と回転子7間のすきまが、全周に渡って規定したすきまを確保できるような位置に圧縮機構部Cを移動させて、その後再びボルト21を下軸受10側からシリンダボルト穴9bを通してホルダー1のネジ穴101に螺入させて圧縮機構部Cをホルダー1に固定することで、エアギャップ不良を修正する。
このように本発明によると、圧縮機構部Cをホルダーを介してアークスポット溶接により、そして固定子6を焼嵌めにより円筒体3に固定した後でも、圧縮機構部Cを半径方向や周方向に移動させることが可能となる。このため、エアギャップ不良が確認されても修正することができることから、従来エアギャップ不良を修正できないために廃棄せざるを得なかった円筒体3や円筒体3に固定された部品の廃棄はなくなり、歩留まりが向上し、部品の廃棄にかかる費用や資源を削減できる。また、従来、円筒体3を切断して取り外せる部品を取り外していた作業をなくすことができ、生産性が向上し、取り外せる部品の回収にかかる費用や資源を削減できる。
エアギャップの検査工程で合格だったもの、またはエアギャップ不良が確認されても、上記したエアギャップ是正作業で修正し合格としたものは、その後に、円筒体3の圧縮機構部C側の開放端に底蓋体5を、円筒体3の電動機M側の開放端に上蓋体4を、それぞれ嵌合して全周溶接して密閉容器Sを形成する。なお、該嵌合の前に、上蓋体4のターミナル15に固定子リード線6aを接続している。
さらに、その後に円筒体3にある吸入接続管18を通して、シリンダ9の吸入口9aに吸入管17を圧入する。
そして、最後にアキュームレータ19を円筒体3に固定し、吸入管17の内径側にアキュームレータ19の吸入配管19aを嵌入させ、吸入配管19aと吸入管17を同時に吸入接続管18にロウ付して組み立てが終了する。なお、吸入口9aへの吸入管17の圧入は、底蓋体5や上蓋体4の取り付け前に実施してもよい。
なお、上記した組立工程の一部を、たとえば、以下の要領にしてもよい。
図10に示すように、圧縮機構部Cとホルダー1をボルト固定した後に、回転子7を主軸2に焼嵌め固定し、その後に円筒体3にホルダー1をアークスポット溶接して固定してもよい。
図11に示すように、圧縮機構部Cとホルダー1をボルト固定する前に、主軸2に回転子7を焼嵌め固定し、その後でホルダー1を圧縮機構部Cとボルト固定して図10の状態として、その後に円筒体3にホルダー1をアークスポット溶接して固定してもよい。
以上のようにして組み立てられたロータリ圧縮機100は、エアギャップ不良がないので、エアギャップ不良による電磁騒音や、エアギャップ不良がある場合に生ずる磁気吸引・反発力によるトルク変動に起因した騒音や振動がない、品質が安定したロータリ圧縮機となる。
特に冷媒にCO2を使用する場合、密閉容器の板厚が厚いため、圧縮機構部の固定のためのアークスポット溶接の電圧、電流および時間の少なくとも1つ以上を大きく設定しており、そのためアークスポット溶接の影響によるエアギャップ不良が生じ易くなる。そのため、エアギャップ不良の修正が可能となる本発明は、冷媒にCO2を使用する場合には特に有効である。
またホルダー1の素材を鋳物とし、ホルダー1に、圧縮機構部Cとホルダー1のボルト固定のためのネジ穴101を設けるために、ホルダー1は少なくともそのネジ穴のネジ径以上の肉厚を有しており、板金製のホルダーよりも剛性が強い。そのためCO2冷媒を使用する場合の板厚の厚い密閉容器への強いアークスポット溶接に対しても、ホルダー1自身が変形してしまうことがない。
[実施の形態3]
(ロータリ圧縮機の製造方法)
図12は本発明の実施の形態3に係るロータリ圧縮機の製造方法を、説明する縦断面図である。なお、実施の形態1、2(図1〜図11)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図12において、実施の形態3は、ホルダー1を単体で先に円筒体3にアークスポット溶接して固定しておくものである点で、圧縮機構部Cとホルダー1をボルト固定した後で、ホルダー1をアークスポット溶接して固定する実施の形態2に係るロータリ圧縮機の製造方法と相違する。すなわち、圧縮機構部Cに回転子7が焼嵌め固定されたもの(図11参照)を、円筒体3のホルダー1側の開放端より回転子7が先に円筒体3に入るように運び、エアギャップを調整しながら下軸受10側からシリンダ9のボルト穴9bにボルト21を挿通し、ホルダー1のネジ穴101に螺入させ、ホルダー1に圧縮機構部Cを固定するものである。
したがって、アークスポット溶接終了後に、回転子7の固定された状態の圧縮機構部Cを取り付けるため、アークスポット溶接によるエアギャップ不良が生じることがないという効果がある。実施の形態2に記載したエアギャップ是正作業と同じ状態を、組立工程に直接組み入れたものであり、そのためエアギャップ是正作業をなくすことができるので、生産性がよくなるという効果もある。なお他の組立工程(製造方法)は実施の形態2と同じである。
なお、上記では、図11の状態の圧縮機構部Cに回転子7が焼嵌め固定されたものを、先に円筒体3にアークスポット溶接して固定しておいたホルダー1にボルト固定したが、図5の状態の圧縮機構部Cのみの(主軸2は含む)ものを、図12に示すホルダー1を単体で先に円筒体3にアークスポット溶接して固定しておいたものに、ボルト固定し、その後に回転子7を主軸2に焼嵌め固定してもよい。
[実施の形態4]
(ロータリ圧縮機)
図13は本発明の実施の形態4に係るロータリ圧縮機を説明する縦断面図である。なお、実施の形態1(図1〜図4)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図13において、ロータリ圧縮機200は板金製ホルダー30を有している点で、鋳物を素材としたホルダー1を有する実施の形態1のロータリ圧縮機100と相違している。
すなわち、実施の形態1では、冷媒にCO2を使用する場合のホルダー1と円筒体3のアークスポット溶接が強い時には、ホルダー1の剛性を強して、ホルダー1の変形を防止し、ホルダーの変形によるシリンダ9の内径歪み発生を防ぐ必要性もあり、ホルダー1を、素材を鋳物とし、機械加工を施して製作している。しかし、従来のフロン冷媒であれば、密閉容器の肉厚も、アークスポット溶接の条件も従来から変化させなくてよいので、ホルダー1の剛性を強くする必要もない。そこで本実施の形態4は、板金製ホルダー30を用いる。
板金製ホルダー30は鋼板を材料として、シリンダ9の電動機M側端面9mと接触し、中央部に上軸受8の鍔部8aの外径より大きい内径を有する穴を有し、その穴より外周部位で圧縮機構部Cとボルトで連結固定される部位である円板部301と、円板部301の外周で、円板部301に連続的にかつ円板部301に対してほぼ直角に折り曲げられた円筒部302から成り、プレスや曲げ、ピアス加工などの板金で製作される。
この円筒部302に円筒体3とのアークスポット溶接が行われる。図13では、円筒部302はシリンダ9の外周を囲うように下軸受10側に折り曲げられているが、その逆の上軸受8側に折り曲げられ、アークスポット溶接が、シリンダ9の電動機M側端面9mより電動機M側で行われてもよい。
板金製ホルダー30には、バーリング加工により、電動機M側に起立する突起303が複数形成され、この突起303の内径にネジが切られ、ネジ穴304となる。このネジ穴304は、シリンダ9に形成されたボルト穴9bとすべて対向する。圧縮機構部Cと板金製ホルダー30のボルト締結は、実施の形態1と同じように、下軸受10側からボルト21を、シリンダボルト穴9を通してネジ穴304に螺入させて締結する。
円板部301の外周寄りには、複数の長穴または円形の穴をプレスの打ち抜き加工で形成し、それを油通路穴305とし、密閉容器S内で冷媒と分離された冷凍機油が底蓋体5上の油溜め20に戻るための通路となる。
なお組立工程やエアギャップの是正作業については、実施の形態2や3と同じである。実施の形態4のホルダー30は板金製であるため、製造コストが安価となる効果があり、アークスポット溶接条件が強くない従来のフロン冷媒に有効に適用できる。
板金製ホルダー30は剛性が弱いため、シリンダ9の電動機M側端面9mと接触する円板部301の圧縮機構部C側端面の平面度がよくなくても、シリンダ9がボルト締結によってその平面度に引きずられてシリンダ9の内径が歪むということは起こりにくいが、シリンダ9の剛性との兼ね合いでシリンダ9の内径が平面度に引きずられて歪むことも起こり得る。
そこで、実施の形態4では、円板部301を平坦打ちし、円板部301の平面度を高めている。平坦打ちとは、プレス加工のひとつで円板部301の一方の端面をダイスで抑えて、他方の端面をパンチで加圧することである。実施の形態4では、突起303が起立している電動機M側端面9mにダイスを当て、圧縮機構部側端面をパンチでプレスして、シリンダ9と接触する面の平面度を高めている。これによりシリンダ9の内径が平面度に引きずられて歪むことが起こらない。なおパンチとダイスの関係は逆であってもよい。
平坦打ちは円板部301の広い範囲で行われることが望ましいが、ネジ穴304が内径に形成される突起303の周辺のみであっても、圧縮機構部Cとのボルト締結により、円板部301の圧縮機構部側端面の平面度に引きずられてシリンダ9の内径が歪むことは防止できる。
なお、実施の形態1のロータリ圧縮機100を従来のフロン冷媒に使用しても同様な効果を奏するし、実施の形態4の板金製ホルダーをCO2冷媒に適用してもよい。
本発明の最大の特徴は、ホルダー1や板金製ホルダー30を密閉容器Sにアークスポット溶接した後でも、圧縮機構部Cをホルダー1や板金製ホルダー30にボルト締結するボルト21を簡単に取り外せ、圧縮機構部Cを移動させることができるので、エアギャップ不良を修正することができることにある。したがって、ホルダー1や板金製ホルダー30にネジ穴を形成し、ボルト21を下軸受10側から通して圧縮機構部Cをホルダー1や板金製ホルダー30にボルト締結する構造であれば、ホルダー1や板金製ホルダー30の材料は、鋳物や鋼板に限定するものではない。
以上より、本発明のロータリ圧縮機およびロータリ圧縮機の製造方法は、エアギャップ不良を修正することができるから、各種冷媒循環システムに設置されるロータリ圧縮機およびロータリ圧縮機の製造方法として広く利用することができる。
本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機を示す縦断面図 図1に示すロータリ圧縮機のシリンダの内部を示す横断面図。 図1に示すロータリ圧縮機のホルダーの縦断面図。 図1に示すロータリ圧縮機のホルダーの圧縮機構部側からみた平面図。 本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機の組立工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機の組立工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機の組立工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機の組立工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機の組立工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機の組立工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機の組立工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態3に係るロータリ圧縮機の組立工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態4に係るロータリ圧縮機を示す縦断面図。
符号の説明
1:ホルダー、2:主軸、6:固定子、7:回転子、8:上軸受、9:シリンダ、9b:ボルト穴、10:下軸受、21:ボルト、30:板金製ホルダー、101:ネジ穴、104:接触面、303:突起、304:ネジ穴、C:圧縮機構部、M:電動機部、S:密閉容器、100:ロータリ圧縮機、200:ロータリ圧縮機。

Claims (11)

  1. 密閉容器内に電動機および圧縮機構部が配置されているロータリ圧縮機であって、
    前記電動機が、前記密閉容器に固定された固定子と、前記圧縮機構部の主軸に固定された回転子とを具備し、
    前記圧縮機構部が、前記主軸に偏心して設置されたローラと、該ローラを収納するシリンダと、前記主軸が貫通し、前記シリンダを挾持して前記シリンダと共に冷媒ガスを圧縮する圧縮室を形成する上軸受および下軸受と、前記ローラに進退自在に当接して前記圧縮室を仕切るブレードとを具備し、
    前記密閉容器内で前記電動機と前記圧縮機構部との間にホルダーが固定され、該ホルダーの前記電動機とは反対の面に前記シリンダが当接され、前記シリンダに形成されたボルト穴を貫通して前記ホルダーに形成されたネジ穴に螺入するボルトによって、前記圧縮機構部が前記ホルダーに着脱自在に設置されてなることを特徴とするロータリ圧縮機。
  2. 前記ホルダーが、前記シリンダの電動機側端面より電動機側において、前記密閉容器に、スポット溶接によって固定されることを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記ホルダーは、圧縮機構部側端面のうち前記シリンダと接触する範囲を突出させて研摩加工により平面度を高めたことを特徴とする請求項1または2記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記ホルダーは、素材を鋳物とすることを特徴とした請求項1乃至3の何れかに記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記ホルダーは、素材を板金とし、該板金をバーリング加工により形成した突起部の内径にネジ穴が形成されることを特徴とした請求項1または2記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記ホルダーは、圧縮機構部側端面のうち前記シリンダと接触する範囲を平坦打ちプレス加工によって平面度が高められることを特徴とした請求項5記載のロータリ圧縮機。
  7. 前記ホルダーは、圧縮機構部側端面のうち前記ネジ穴の周辺に限り平坦打ちプレス加工によって平面度が高められることを特徴とした請求項5記載のロータリ圧縮機。
  8. 密閉容器内に電動機と圧縮機構部とが配置されているロータリ圧縮機の製造方法であって、
    主軸に偏心して設置されたローラと該ローラに向かって進退自在に当接するブレードとを収納するシリンダを、前記主軸が貫通する上軸受および下軸受によって挟持して固定することにより、冷媒ガスを圧縮する圧縮室を形成する工程と、
    前記シリンダの前記上軸受側の端面をホルダーに当接する工程と、
    前記下軸受側から、前記シリンダに形成されたボルト穴を貫通して前記ホルダーに形成されたネジ穴にボルトを螺入させて、前記圧縮機構部と前記ホルダーとを一体的に固定する工程と、
    前記ホルダーを前記密閉容器を形成する円筒体内に配置し、前記ホルダーを前記円筒体にスポット溶接によって固定する工程と、
    前記ホルダーに対して前記圧縮機構部とは反対側において前記円筒体に前記電動機の固定子を焼嵌め固定する工程と、
    前記主軸に前記電動機の回転子を焼嵌め固定する工程と、
    前記電動機の固定子と回転子とのエアギャップを全周に渡って検査する工程と、
    該検査する工程において、エアギャップ不良が確認された場合には、前記ボルトを緩めて、全周に渡ってエアギャップが規定値になるような位置に前記圧縮機構部を移動し、再び前記ボルトを螺入して前記圧縮機構部と前記ホルダーとを一体的に固定する工程と、
    前記密閉容器に蓋体を溶接固定する工程と、
    を有することを特徴としたロータリ圧縮機の製造方法。
  9. 密閉容器内に電動機と圧縮機構部とが配置されているロータリ圧縮機の製造方法であって、
    ホルダーを前記密閉容器を形成する円筒体内に配置し、該ホルダーを前記円筒体にスポット溶接によって固定する工程と、
    前記ホルダーに対して前記圧縮機構部とは反対側において前記円筒体に前記電動機の固定子を焼嵌め固定する工程と、
    主軸に偏心して設置されたローラと該ローラに向かって進退自在に当接するブレードとを収納するシリンダを、前記主軸が貫通する上軸受および下軸受によって挟持して固定することにより、冷媒ガスを圧縮する圧縮室を形成する工程と、
    前記シリンダの前記上軸受側の端面を前記円筒体に固定されたホルダーに当接する工程と、
    前記電動機の固定子と回転子とのエアギャップが全周に渡って規格値になるような位置に、前記圧縮機構部の位置を調整して、前記下軸受側から前記シリンダに形成されたボルト穴を貫通して前記ホルダーに形成されたネジ穴にボルトを螺入させて、前記圧縮機構部と前記ホルダーとを一体的に固定する工程と、
    前記主軸に前記電動機の回転子を焼嵌め固定する工程と、
    前記密閉容器に蓋体を溶接固定する工程と、
    を有することを特徴とするロータリ圧縮機の製造方法。
  10. 前記圧縮機構部と前記ホルダーとを一体的に固定する工程に先行して、前記主軸に前記電動機の回転子を焼嵌め固定する工程を有することを特徴とする請求項8または9記載のロータリ圧縮機の製造方法。
  11. 前記ホルダーを前記円筒体にスポット溶接によって固定する工程に先行して、前記円筒体に前記電動機の固定子を焼嵌め固定する工程を有することを特徴とする請求項8または9記載のロータリ圧縮機の製造方法。
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