JPH04308390A - ロータリコンプレッサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はブレードの往復動を利用
して潤滑油を給油する方式のロータリコンプレッサに関
する。

【０００２】

【従来の技術】冷蔵庫などに組込まれる横形のロータリ
コンプレッサでは、回転軸の軸受要素の摺動部への潤滑
油の給油をローラの偏心回転とともに上下に往復動する
ブレードのポンプ作用によって強制給油する方式が採用
されている。

【０００３】そこで、この種の従来のロータリコンプレ
ッサを図１０に示す。符号１は、ケース本体を示し、コ
ンプレッサのケースは、このケース本体１と、その端部
の蓋状の鏡板部２からなる圧力容器として構成されてい
る。コンプレッサの電動機部は、ケース本体１の内周面
に固定されたステータ３と、このステータ３の内周面と
所定のエアギャップをおいて配置されるロータ４とから
構成されている。符号５はロータ４と一体の回転軸であ
り、圧縮機部はこの回転軸５の端部側に配置されている
。すなわち、回転軸５に偏心したクランク部６が一体に
設けられてこのクランク部６にローラ７が外嵌しており
、このローラ７とシリンダ８の内周面とによって圧縮室
が画成されている。シリンダ８には、また、回転軸５を
回転自在に支承するメインベアリング９とサブベアリン
グ１０とが固定されている。シリンダ８は、電動機部側
から螺入されるボルト１１で取付フレーム１２に対して
固定され、この取付フレーム１２がケース本体１の内周
面に溶接によって固定されることで、コンプレッサの圧
縮機部は全体として一体にモータ部と同軸に取り付けら
れている。なお、ガスの吸気は、吸込み管１３を介して
行われ、圧縮された気体はケース１の内部を通って吐出
管１４から導出される。

【０００４】次に、上記シリンダ８の下側にはブレード
溝が形成されており、このブレード溝にブレード１６が
上下方向に移動自在に収装されるとともに、このブレー
ド室１７が取付フレーム１２、オイルプレート１９によ
って塞がれることで形成されている。上記ブレード１６
はシリンダ８の中心に向かって半径方向内方に圧縮ばね
１８によって付勢され、従ってブレード１６の圧縮室側
の端面はローラ７の外周面に摺接するので、このローラ
７の偏心回転とともにブレード１６が上下に往復動し、
ブレード室１７から排除された油が給油管２０を通路に
サブベアリング１０、メインベアリング９など軸受け要
素の摺動部などの給油が必要な部位に供給されるように
なっている。なお、符号２１は圧縮ばね１８のばね押え
を示している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このようなブレードタ
イプの給油方式を採用したロータリコンプレッサにおい
ては、その給油量はブレード１６の排除容積によって決
まることになる。そして、このブレード１６の排除容積
はブレードのストロークに比例し、このストロークは結
局クランク部６の偏心量に相当する。従って、給油量は
、クランク部６の偏心量が小さい小型のコンプレッサで
は、運転状況によっては給油が不十分になる不都合があ
った。

【０００６】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
問題点を解消し、ブレードの排除油量以上の給油量が供
給されるように給油性能の向上を図ったロータリコンプ
レッサを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ブレード室から摺動部に油を送る通路を
その径よりも小径の狭隘通路部を介してブレード室と連
通させ、この狭隘通路部の出口近傍の位置で通路に油の
吸込み孔を設けたことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】本発明によれば、狭隘通路部では圧力が減少し
、その出口側での圧力は通路の外部に較べて相対的に低
くなるので、生じた負圧によって油が吸込み孔から通路
に流入する。この流入量は、狭隘通路部の径が小さくな
る程増え、その分だけ油の給油量をブレードの排除量で
規制される本来の給油量に較べて増やすことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明によるロータリコンプレッサの
一実施例について添付の図面を参照して説明する。なお
、以下の説明において、図１０のロータリコンプレッサ
と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説
明は省略する。図１は、本実施例の横型ロータリコンプ
レッサの圧縮機部を示した図であり、この圧縮機部は、
取付フレーム１２を介して図示しないケースに固定され
ている。回転軸５と一体のローラ７の回転とともに上下
に往復動するブレード１６によって排除されたブレード
室１７の油は給油管２２を通路として回転軸５の軸端か
ら内側に供給され、回転軸５の図示しない油孔を通して
メインベアリング９、サブベアリング１０などの摺動部
へ給油されるようになっている。

【００１０】この実施例では、ブレード室１７は、シリ
ンダ８のブレード溝を取付プレート１２、オイルプレー
ト１９、ばね押え２１で閉塞して形成されている。また
、給油管２２はそのブレード室１７側の管端がオイルプ
レート１９に挿入されて固定される。図１および図２に
おいて、給油管２２の通路はブレード室１７とは、この
通路の直径をＤとすると直径Ｄより小径の直径ｄの狭隘
通路部２２ａを介して連通するようになっている。この
実施例では、直径Ｄの通路と、狭隘通路部２２ａとは給
油管２２の内径を異径とすることによって形成されてい
る。また、給油管２２には、狭隘通路部２２ａの出口近
傍の位置でケースの油溜りから油を導入するための吸込
み孔２３が形成されている。

【００１１】次に、図４乃至図７は、通路の変形例を示
したものである。図４に示す変形例は、給油管２２の管
端をホイルプレート１９にかしめによって接続するとと
もに、その内側には給油管２２の通路の直径Ｄ１より小
径の直径ｄ１の狭隘通路部２４ａが形成された絞り部材
２４が嵌め込まれた構成となっている。図５に示す変形
例では、給油管は外管２５と内管２６との二つの管から
なり、回転軸５まで延出する外管２５とオイルプレート
１９にかしめによって固定される内管２６とを接続した
構造となっている。外管２５の通路の直径Ｄ２よりも小
径の直径ｄ２の狭隘通路部２６ａは実質的に内管２６の
内径部として構成されている。図６に示す変形例では、
給油管２７の直径Ｄ３の通路よりも小径の直径ｄ３の狭
隘通路部２７ａは給油管２７の管端を絞るとともにオイ
ルプレート１９にかしめて固定することによって形成さ
れている。図７に示す変形例では、給油管２７の通路は
一様な直径Ｄ４の通路となっており、これより小径の直
径ｄ４の狭隘通路部２８ａはオイルプレート１９に固定
された絞りプレート２８によって形成されている。

【００１２】次に、本実施例の作用について説明する。 回転軸５と一体に回転するクランク部７に摺接するブレ
ード１６は、このクランク部７の偏心回転ともに上下方
向に往復運動して、油を強制給油するポンプとしての作
用を営む。すなわち、ブレード１６が上昇したときにケ
ース底部の油溜りの油は吸込み孔２３を介してブレード
室１７に導入され、このブレード室１７を満たした油は
ブレード１６の下降とともに排除されて給油管２２を通
路に回転軸５の軸端に送られる。油は回転軸５の内部の
油路を通って半径方向に開口する油孔（図示せず）を介
してメインベアリング９、サブベアリング１０などの潤
滑が必要な摺動部へ給油される。給油された後の余剰の
油は、再びケース底部の油溜りで回収される。図３はブ
レード１６が下降しブレード室１７の油が排除されたと
きに、ブレード室１７および油の通路の各地点における
油の圧力の変化のパターンを表した図である。ブレード
室１７の油の圧力が　　ＰＡであるとすると、狭隘通路
部２２ａでは絞られて油の圧力がＰＡからＰＢに低下す
る。その下流では給油管２２の通路を流れる間に油の圧
力はＰＣまで上昇する。そこで、狭隘通路部２２ａの断
面Ｂにおける油の流速をＶＢ、直径Ｄの通路の断面Ｃに
おける油の流速をＶＣ、油の密度をρとしてベルヌーイ
の式を適用すると、

【００１３】

【数１】 ここに、ｈは損失であり、この損失ｈは、

【００１４】

【数２】 と近似することができる。従って、（１）、（２）式よ
り

【００１５】

【数３】 が導かれる。

【００１６】しかして、狭隘通路部２２ａでは、その直
径ｄが直径Ｄに較べて小さいほど、そこでの流速ＶＢは
大きくなる。（３）式より、右辺が大きくなるので、流
速ＶＢの増大に反して狭隘通路部２２ａでの油の圧力Ｐ
Ｂは低下することになる。従って、狭隘通路部　　２２
ａの出口側での圧力は給油管２２の管外の油溜りの圧力
に較べて相対的に低くなるので、負圧の効果により管外
の油が吸込み孔２３から流入する。この流入量は、狭隘
通路部２２ａの直径ｄが通路の直径Ｄより小さくなる程
増え、その分だけ油の給油量をブレード１６の排除量で
規制される本来の給油量に較べて増やすことができる。 また、狭隘通路部２２ａの流速ＶＢが増大するにともな
って揚程（ＰＢ／ρｇ＋ＶＢ２／２ｇ）が大きくなるの
で、十分な量の油を給油管２２を通して給油することが
できる。

【００１７】次に、本発明の第２の実施例について、上
記第１実施例と同一の構成要素には同一の符号を付して
説明する。

【００１８】図８において、この第２実施例の横型ロー
タリコンプレッサでは、そのケースは円筒状のケース胴
体部１と、その両端に気密に嵌着する蓋状の鏡体部２ａ
、２ｂとから構成されている。そして、圧縮機部を取付
フレーム３０を介してケース胴体部１に取り付けるにあ
たっては、電動機部とは反対側から取付フレーム３０に
ボルト１１を螺入してシリンダ８を固定することにより
、回転軸５、シリンダ８、メインベアリング９、サブベ
アリング１０が一体の圧縮機部が組込まれるようになっ
ている。なお、ケース胴体部１は、ケース鏡体部２ａ、
２ｂの肉厚よりも若干厚い肉厚になっており、ケースの
剛性が強化されている。

【００１９】図９は、上記圧縮機部において、ブレード
１６およびブレード室１７の構成を示したもので、ブレ
ード室１７は、シリンダ８のブレード溝を取付プレート
３０、ブレード室カバー３１、ばね押え２１で閉塞して
形成されている。この実施例では、ブレード１６が下降
してブレード室１７から排除された油をメインベアリン
グ９、サブベアリングなどの摺動部へ送る通路である給
油管２２のブレード室側の管端が取付フレーム３０に一
体的に取付固定され、他端は回転軸５の軸端に接続され
ている。この場合、給油管２２の通路は、この給油管２
２の管端の取付部と同心的に取付プレート３０に形成さ
れた狭隘通路部としての開孔部３２を介してブレード室
１７と連通し、ブレード１６に排除された油は狭隘な通
路である開孔部３２を通って給油管２２に流れるように
なっている。この開孔部３２の直径ｄは給油管２２の通
路の直径Ｄに較べて十分小さい寸法に設定されている。 なお、給油管２２には、取付フレーム３０への取り付け
部近くに油の吸込み孔２３が形成されていることは、第
１実施例と同様である。

【００２０】本発明の第２実施例は以上のように構成さ
れるものであり、次にその作用並びに効果について説明
する。この実施例でも、開孔部３２が狭隘な通路になっ
ているので、この開孔部３２で油の流れが絞られて、上
述したようにベルヌーイの式から導かれた（３）式より
開孔部３２部を流れる油の流速が大きくなる。一方、こ
の出口近傍の油の圧力が管外の油溜りの油の圧力よりも
低くなるので、生じた負圧によって管外の油溜りから油
が吸込み孔２３を通って流入するため、油の流量が増え
ることになる。従って、ブレード１６の排除量に流入し
た油の流入量を加えた油量が給油管２２を通して回転軸
５、メインベアリング９、サブベアリング１０の摺動部
へ給油され、油の供給量を在来のブレードポンプ方式に
較べ増大させることができる。また、この第２実施例に
よれば、取付プレート３０に圧縮機部を固定するにあた
って、電動機部とは反対側からボルト１１を取付プレー
ト３０に螺入してシリンダ８を取り付けるようにし、し
かもケースをケース胴体部１とこの両端の鏡板部２ａ、
２ｂとから構成している。このような構成とすることに
より、圧縮機部を取付プレート３０に固定した後に、モ
ータ部のステータ３とロータ４との間のエアギャップを
次のようにして調整することができる。すなわち、図８
において、ステータ３の内周面とロータ４の外周面との
間のエアギャップｇは、ステータ３の内径をＳ、ロータ
４の外径をＲとしたときに、任意の直径上で均一で２ｇ
＝Ｓ−Ｒでなければならない。しかし、取付プレート３
０をケース胴体部１に溶接により固定するときの熱歪み
や取付誤差によってエアギャップが不均一になり、同図
に示すエアギャップｇ１、ｇ２が等しくならないことが
ある。このような場合には、鏡板部２ａをケース胴体部
１に溶接で固定する前に、ボルト１１を緩めてステータ
３とロータ４とを同心に調整してエアギャップの誤差を
補正することができる。これによって、エアギャップの
不均一に起因する運転時の電磁騒音が大きくならないよ
うに予め不具合を除去することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ブレード室から摺動部に油を送る通路をその
径よりも小径の狭隘通路部を介してブレード室と連通さ
せ、この狭隘通路部の出口近傍の位置で通路に油の吸込
み孔を設けているので、狭隘通路部の出口側では吸込み
孔の付近が通路の外部よりも圧力が低下しその負圧で油
が吸込み孔から吸込まれ、その分増えた油量で十分な潤
滑を施すことができる。従って、ロータの偏心量、ブレ
ードの排除量からの制限にかかわらず給油量を増やすこ
とができるので、コンプレッサの給油性能が改善される
。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例によるロータリコンプレッ
サの圧縮機部を示す断面図。

【図２】ブレード室からの油の通路になる給油管を表し
た一部断面側面図。

【図３】油の通路の各位置での圧力の変化を示した本発
明の作用を説明する図。

【図４】狭隘通路部の第１の変形例を表した断面図。

【図５】狭隘通路部の第２の変形例を表した断面図。

【図６】狭隘通路部の第３の変形例を表した断面図。

【図７】狭隘通路部の第４の変形例を表した断面図。

【図８】本発明の第２実施例によるロータリコンプレッ
サの全体構成を表わした縦断面図。

【図９】第２実施例によるロータリコンプレッサの圧縮
機部を表した縦断面図である。

【図１０】従来技術によるブレード給油方式のロータリ
コンプレッサの縦断面図。

【符号の説明】

５　　回転軸 ６　　クランク部 ７　　ローラ ８　　シリンダ ９　　メインベアリング １０　　サブベアリング １６　　ブレード １７　　ブレード室 ２２　　油の通路である給油管 ２２ａ　　狭隘通路部 ２３　　吸込み管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ローラの偏心回転とともに往復動するブレ
   ードでブレード室の油を排除して摺動部に強制給油する
   ようにしたロータリコンプレッサにおいて、ブレード室
   から摺動部に油を送る通路をその径よりも小径の狭隘通
   路部を介してブレード室と連通させ、この狭隘通路部の
   出口近傍の位置で通路に油の吸込み孔を設けたことを特
   徴とするロータリコンプレッサ。
2. 【請求項２】圧縮機部が固定される取付フレームをブレ
   ード室を画成する部材とし、この取付フレームに狭隘通
   路部を設けたことを特徴とする請求項１記載のロータリ
   コンプレッサ。