JP4820183B2 - 安定化電圧出力回路 - Google Patents

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本発明は、安定化電圧を生成する安定化電圧出力回路に係り、特に、電源電圧の変動に対する出力電圧の変動の抑圧等を図ったものに関する。
従来、この種の回路としては、例えば、図4に示されたような構成を有してなるものが公知・周知となっている(例えば、特許文献1参照)。
以下、同図を参照しつつ、かかる従来回路について概説する。
この従来回路は、CMOS半導体回路等において基準電圧が必要とされる場合、その基準電圧を得るために用いられるCMOS基準電圧回路である。かかる回路は、直列接続されたデプレッションタイプのMOSトランジスタTr6と、エンハンスメントタイプのMOSトランジスタTr7とによって基準電圧が生成され、第1の演算増幅器AMP1を中心に構成された非反転増幅回路によって、基準電圧を所望の大きさの電圧に変えて出力できるよう構成されたものとなっている。
また、基準電圧を発生するためのトランジスタTr6,Tr7に印加される電圧源の電圧変動や、第1の演算増幅器AMP1の電源電圧の変動率を減少させるため、それらに供給するための安定化電圧Vregを生成する回路が第2の演算増幅器AMP2を中心に構成されたものとなっている。
特開昭56−108258号公報(第1−4頁、図1−図13)
しかしながら、上述の従来回路では、電源電圧の変動に対する回路の安定性確保のために安定化電圧Vregを生成する回路に第2の演算増幅器AMP2を要するため、基準電圧回路全体としての回路規模が大きくなり、コスト高となるという問題がある。
特に、低消費電力の回路が要求される場合にあっては、上述の従来回路の場合、第2の演算増幅器AMP2において、Vreg/(R4+R5)の電流が定常的に消費されるため、R4、R5の抵抗値を大きくする必要があるが、これがさらに回路規模の増大を招くこととなってしまう。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、比較的小さな回路規模で、電源電圧変動率の小さな出力電圧を得ることのできる安定化電圧出力回路を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る安定化電圧出力回路は、
ゲートに第1の電圧が印加されるよう第1のMOSトランジスタが設けられ、当該第1のMOSトランジスタのドレインが第2のMOSトランジスタのドレインに接続されると共に第2及び第3のMOSトランジスタのゲートに接続され、
当該第2及び第3のMOSトランジスタのソースがグランドに接続される一方、
前記第3のMOSトランジスタのドレインが、第4のMOSトランジスタのソースに接続されると共に、第4及び第5のMOSトランジスタのゲートに接続され、
前記第4及び第5のMOSトランジスタのドレインには電源電圧が印加され、前記第1のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタの相互の接続点に安定化された電圧出力が得られるよう構成されてなるものである。
かかる構成において、前記第3のMOSトランジスタのドレインが抵抗器を介して前記第4のMOSトランジスタのソースに接続されると共に、前記第3のMOSトランジスタと前記抵抗器の接続点が、前記第4及び第5のMOSトランジスタのゲートに接続されるよう構成しても好適である。
また、前記第4のMOSトランジスタに代えて設けられた抵抗器の一端が前記第3のMOSトランジスタのドレインと接続されると共に、前記第5のMOSトランジスタのゲートに接続される一方、前記抵抗器の他端に前記第5のMOSトランジスタのドレインと共に電源電圧が印加されるよう構成しても好適である。
本発明によれば、従来と異なり、演算増幅器のような回路規模を大きくするような部品を用いることなく、比較的簡易な回路構成で、電源電圧変動率が小さく、しかも、少ない定常消費電流で安定した出力電圧を得ることができる。
また、電源電圧変動率が小さいので、電源電圧の変動に対する安定性が要求される回路などの電源として用いることができ、比較的安価で安定した電源回路を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における安定化電圧出力回路の第1の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
図1には、第1の構成例の安定化電圧出力回路を用いた基準電圧回路の構成例が示されている。
すなわち、基準電圧回路100は、本発明の実施の形態における安定化電圧出力回路101を基準電圧源として内部基準電圧Vrefを生成する第6及び第7のトランジスタ6,7と、内部基準電圧Vrefを所望の大きさの基準電圧として出力するため演算増幅器(図1においては「AMP1」と表記)11を中心に構成された非反転増幅回路102とから構成されたものとなっている。
安定化電圧出力回路101は、第1乃至第5のトランジスタ(図1においては、それぞれ「Tr1」、「Tr2」、「Tr3」、「Tr4」、「Tr5」と表記)1〜5を用いて構成されたものとなっている。ここで、本発明の実施の形態において、第1のトランジスタ1には、エンハンスメント型pチャンネルMOSトランジスタが、第2及び第3のトランジスタ2,3には、エンハンスメント型nチャンネルMOSトランジスタが、第4及び第5のトランジスタ4,5には、デプレッション型nチャンネルMOSトランジスタが、それぞれ用いられている。
以下、具体的に説明すれば、まず、第1のトランジスタ1は、そのドレインが第2のトランジスタ2のドレインと共に、第2及び第3のトランジスタ2,3のゲートに接続されている。
また、第2及び第3のトランジスタ2,3のソースは、共にグランドに接続される一方、第3のトランジスタ3のドレインは、第4のトランジスタ4のソースと共に、第4及び第5のトランジスタ4,5のゲートに接続されている。ここで、第2及び第3のトランジスタ2,3は、上述のような接続によりカレントミラーを構成するものとなっている。
一方、第1のトランジスタ1のソースは、第5のトランジスタのソースに接続されており、第5のトランジスタ5のドレインは、第4のトランジスタ4のドレインと共に電源電圧VDDが印加されるようになっている。
そして、第5のトランジスタ5のソースと第1のトランジスタ1のソースの接続点からは、安定化電圧Vregが出力されるようになっており、次述するように、内部基準電圧Vrefを発生する第6及び第7のトランジスタ6,7の基準電圧源として供給されると共に、演算増幅器11の電源として供給されるようになっている。
すなわち、第6のトランジスタ6のドレインは、第1及び第5のトランジスタ1,5の相互の接続点に接続され、ソース及びゲートは、共に第7のトランジスタ7のドレイン及びゲートに接続されると共に、第1のトランジスタ1のゲート及び演算増幅器11の非反転入力端子に接続されている。そして、第7のトランジスタ7のソースは、グランドに接続されている。なお、本発明の実施の形態においては、第6のトランジスタ6として、ディプレッション型nチャンネルMOSトランジスタが、第7のトランジスタ7として、エンハンスメント型nチャンネルMOSトランジスタが、それぞれ用いられている。
かかる第6及び第7のトランジスタ6,7の接続により、相互の接続点には、内部基準電圧Vrefが得られるものとなっている。そして、この電圧は、第1のトランジスタ1のゲートに、第1の電圧として印加されるものとなっている。
また、演算増幅器11の図示されない電源端子には、第1及び第5のトランジスタ1,5の相互の接続点が接続されている。
そして、演算増幅器11の反転入力端子とグランドとの間には、第2の抵抗器(図1においては「R2」と表記)22が接続される一方、反転入力端子と出力端子との間には、第3の抵抗器(図1においては「R3」と表記)23が接続されて、演算増幅器11を中心として非反転増幅回路102が構成されたものとなっている。
次に、上記構成における動作について説明する。
まず、上述のように第6及び第7のトランジスタ6,7が直列接続されることにより、既に知られているように温度に対して安定した内部基準電圧Vrefが発生されるようになっている。
ここで、第6のトランジスタ6の閾値電圧をVt6、第7のトランジスタ7の閾値電圧をVt7とすると、内部基準電圧Vrefは、Vref=Vt7−Vt6となる。
このように内部基準電圧Vrefは、トランジスタの閾値電圧によって定まるので、任意の基準電圧Voutを得るため、演算増幅器11を中心に構成された非反転増幅回路102が用いられている。ここで、基準電圧Voutは、Vout=Vref×(R2+R3)/R2となる。
ところで、Vref及びVoutは、電源電圧VDDの変動に影響されないことが望ましい。このため、この第1の構成例においては、第6のトランジスタ6のドレイン及び演算増幅器11に、それぞれ電源電圧VDDに代えて、ソースフォロワである第5のトランジスタ5のソース電位Vregが印加されるようになっている。このように、ソースフォロワによって、安定化電圧Vregが第6及び第7のトランジスタ6,7の基準電圧源及び演算増幅器11の電源電圧として供給されるため、電源電圧VDDの変動を受け難いものとなっている。
ここで、安定化電圧Vregは、第1のトランジスタ1のゲート・ソース間電圧VgsをVgs1とすると、Vreg=Vref+Vgs1と表される。
また、Vgs1を求めるには、第1のトランジスタ1のドレイン電流Id1を知る必要があるが、ドレイン電流Id1は、Id1=Id2=Id3=Id4であることから、第4のトランジスタ4のドレイン電流Id4を求めると、次述するようになる。
まず、第4のトランジスタ4のゲート・ソース間電圧Vgs4は、ゲートとドレインとが相互に接続されているため、Vgs4=0である。
そして、(K4×Id4)1/2+Vt4=0が成立することから、Id4は、下記するように求められる。
Id4 =(1/K4)×(0−Vt4)
ここで、k4は、係数であり、Vt4は、第4のトランジスタ4の閾値電圧である。
先に述べたようにId4=Id1であるので、Vgs1は、Vgs1=(K1×Id1)1/2+Vt1と求めることができる。ここで、K1は、係数であり、Vt1は、第1のトランジスタ1の閾値電圧である。
また、安定化電圧出力回路101で消費される電流は、2×Id4のみとなるため、低消費で済むこととなる。
次に、第2の構成例について、図2を参照しつつ説明する。なお、図1に示された構成例と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
この第2の構成例における安定化電圧出力回路101Aは、第4のトランジスタ4のドレインとゲートの間に、第1の抵抗器(図2においては、「R1」と表記)21が接続された構成となっている。
すなわち、第4のトランジスタ4のドレインには、第1の抵抗器21の一端が接続され、この第1の抵抗器21の他端は、第4及び第5のトランジスタ4,5のゲートと第3のトランジスタ3のドレインに接続されたものとなっている。
かかる構成において、第4のトランジスタ4のドレイン電流Id4は、下記する2つの式を満たす値に決定されるものとなる。
Vgs4+Id4×R1=0
また、(K4×Id4)1/2+Vt4+Id4×R1=0である。
ここで、R1は、第1の抵抗器21の抵抗値とする。
したがって、消費電流を第4のトランジスタ4のW/L比と第1の抵抗器21の抵抗値R1によって設定可能なものとなっている。ここで、Wはチャンネル幅、Lはチャンネル長である。
なお、他の基本的な動作については、図1に示された構成例と同一であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
次に、第3の構成例について、図3を参照しつつ説明する。なお、図1に示された構成例と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
この第3の構成例における安定化電圧出力回路101Bは、図1に示された構成例における第4のトランジスタ4に代えて、第1の抵抗器21を設けた構成となっている。
すなわち、第1の抵抗器21の一端は、第5のトランジスタ5のドレインと共に電源電圧VDDが印加されるようになっている一方、第1の抵抗器21の他端は、第5のトランジスタ5のゲートと共に、第3のトランジスタ3のドレインに接続されたものとなっている。
かかる構成においては、第1のトランジスタ1のドレイン電流Id1は、Id1={VDD−(Vreg+Vgs5)}/R1と求められる。ここで、Vgs5は、第5のトランジスタ5のゲート・ソース間電圧である。
なお、他の基本的な動作については、図1に示された構成例と同一であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
本発明の実施の形態における安定化電圧出力回路を用いた基準電圧回路の第1の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における安定化電圧出力回路を用いた基準電圧回路の第2の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における安定化電圧出力回路を用いた基準電圧回路の第3の構成例を示す構成図である。 従来回路の一回路例を示す回路図である。
符号の説明
1〜7…第1乃至第7のMOSトランジスタ
11…演算増幅器
100…基準電圧回路
101…安定化電圧出力回路
102…非反転増幅回路

Claims (3)

  1. ゲートに第1の電圧が印加されるよう第1のMOSトランジスタが設けられ、当該第1のMOSトランジスタのドレインが第2のMOSトランジスタのドレインに接続されると共に第2及び第3のMOSトランジスタのゲートに接続され、
    当該第2及び第3のMOSトランジスタのソースがグランドに接続される一方、
    前記第3のMOSトランジスタのドレインが、第4のMOSトランジスタのソースに接続されると共に、第4及び第5のMOSトランジスタのゲートに接続され、
    前記第4及び第5のMOSトランジスタのドレインには電源電圧が印加され、前記第1のMOSトランジスタと第5のMOSトランジスタの相互の接続点に安定化された電圧出力が得られるよう構成されてなることを特徴とする安定化電圧出力回路。
  2. 前記第3のMOSトランジスタのドレインが抵抗器を介して前記第4のMOSトランジスタのソースに接続されると共に、前記第3のMOSトランジスタと前記抵抗器の接続点が、前記第4及び第5のMOSトランジスタのゲートに接続されてなることを特徴とする請求項1記載の安定化電圧出力回路。
  3. 前記第4のMOSトランジスタに代えて設けられた抵抗器の一端が前記第3のMOSトランジスタのドレインと接続されると共に、前記第5のMOSトランジスタのゲートに接続される一方、前記抵抗器の他端に前記第5のMOSトランジスタのドレインと共に電源電圧が印加されるよう構成されてなることを特徴とする請求項1記載の安定化電圧出力回路。
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