JP4818098B2 - ディスク記憶装置及びサーボ書込み方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスク記憶装置に関し、特に、スパイラルサーボパターンを使用するヘッド位置決め制御技術に関する。
一般的に、ハードディスクドライブを代表とするディスク記憶装置(以下、ディスクドライブと表記する場合がある)では、データの記録媒体であるディスク媒体上には、ヘッドの位置決め制御に使用されるサーボパターン(サーボデータ)が記録されている。ディスクドライブは、ヘッドにより読出されたサーボパターンを使用して、ディスク媒体上での目標位置(目標トラック)にヘッドを位置決め制御する。
ディスク媒体上に記録されるサーボパターンは、通常では周方向に一定間隔で配置される複数のサーボセクタを有し、これらのサーボセクタにより同心円状のサーボトラックを構成する放射状サーボパターンである。
この放射状サーボパターン(または同心円状サーボパターン)は、ディスクドライブの製造工程に含まれるサーボ書込み工程により、ディスク媒体上に記録される。サーボ書込み工程において、ディスク媒体上にベースパターン(シードパターン)となる螺旋状のサーボパターン(以下、スパイラルサーボパターンと表記する)の複数本を記録する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
この方法によるサーボ書込み工程では、製品として出荷されるディスクドライブに組み込まれる前のディスク媒体上に、例えば専用のサーボトラックライタ(STW)により、複数本のスパイラルサーボパターン(マルチスパイラルサーボパターン)が記録される。この後に、ディスク媒体がディスクドライブに組み込まれて、このディスクドライブによるセルフサーボ書込み方法により、ディスク媒体上には製品として使用される放射状サーボパターンが書き込まれる。
米国特許公報USP 6,987,636B1
通常のディスクドライブでは、サーボパターンを読出すリードヘッドと、サーボパターンを書き込むライトヘッドとが分離して実装されているヘッドが使用されている。リードヘッドの幅は、ライトヘッドの幅より相対的に狭い。このようなことなどに起因して、リードヘッドにより読出されるスパイラルサーボパターンから再生されるバースト信号波形は、六角形状の信号となる。前述の先行技術文献では、当該バースト信号波形は、菱形状の信号として処理されている。
製品出荷されるディスクドライブでは、前述のように、ディスク媒体上には放射状サーボパターンが書き込まれる。この放射状サーボパターンをライトヘッドにより書き込む場合には、リードヘッドにより読出されるスパイラルサーボパターンに基づいて、ヘッドの位置決め制御が実行される。ディスクドライブでは、放射状サーボパターンから再生されるサーボバースト信号に基づいて、ヘッドの位置誤差演算が実行されることにより、ヘッドの位置決め制御が実行される。
しかしながら、スパイラルサーボパターンから再生されるバースト信号波形は、六角形状の信号であるため、ディスクドライブでのヘッドの位置誤差演算方式(アルゴリズム)をそのまま適用することはできない。前述の先行技術文献の方法では、当該バースト信号波形を菱形状の信号として処理するため、位置誤差演算方式を部分的には適用可能であるが、菱形状の信号として処理すること、位置誤差演算方式を完全に適用できないなど、実用化の面で問題がある。
本発明の目的は、スパイラルサーボパターンから再生されるバースト信号を、放射状サーボパターンに基づいたヘッドの位置誤差演算方式に適用できるディスク記憶装置を提供することにある。
本発明の観点に従ったディスク記憶装置は、スパイラルサーボパターンが記録されているディスク媒体と、前記ディスク媒体に対してデータの読出しを行なうリードヘッド及びデータの書き込みを行なうライトヘッドを含むヘッドと、前記ヘッドを前記ディスク媒体上の半径方向に移動させるヘッド移動機構と、回転している前記ディスク媒体上で同心円状トラックに相当する円周方向の領域を前記ヘッドが走査している状態で、前記リードヘッドにより読出された前記スパイラルサーボパターンから特定形状のバースト信号を再生する手段と、前記同心円状トラックを構成する放射状サーボパターンに含まれるサーボバースト信号と前記特定形状のバースト信号とを対応付けた位置データを生成する生成手段と、前記同心円状トラックに対する前記ヘッドの位置決めに必要な位置誤差演算を、前記位置データを使用して実行する位置誤差演算手段と、前記位置誤差演算手段の演算結果を使用して前記ヘッド移動機構を制御し、前記ヘッドの位置決め制御を実行する制御手段とを具備し、前記生成手段は、前記特定形状のバースト信号を前記円周方向に複数の領域に分割して各領域から得られる振幅値を、前記サーボバースト信号から再生される位置信号であって前記同心円状トラックの中心線に対する位置誤差を算出するための位置信号A,B及び隣接トラック境界に対する位置誤差を算出するための位置信号C,Dに対応付けた位置データを生成するように構成されている
本発明によれば、スパイラルサーボパターンから再生されるバースト信号を、放射状サーボパターンに基づいたヘッドの位置誤差演算方式に適用できるディスク記憶装置を提供できる。これにより、特別の機能を用意することなく、スパイラルサーボパターンに基づいたヘッド位置決め制御を確実に実現することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(ディスクドライブの構成)
図1は、本実施形態に関するディスクドライブの要部を示すブロック図である。
ディスクドライブ100は、ディスク媒体1と、スピンドルモータ110と、ヘッド120と、アクチュエータ130と、ヘッドアンプ(ヘッドIC)140と、プリント回路基板(PCB)190とを有する。
ディスク媒体1は、スピンドルモータ110により高速回転される。本実施形態では、ディスク媒体1上には、後述するサーボトラックライタ(STW)により、図3に示すように、ベースパターンとしてスパイラルサーボパターンが記録されている。
ヘッド120は、リードヘッド120Rとライトヘッド120Wとを有し、リードヘッド120Rにより、ディスク媒体1上からスパイラルサーボパターン、放射状サーボパターン、及びユーザデータを読出す。また、ヘッド120は、ライトヘッド120Wにより、ディスク媒体1上のサーボセクタ以外のデータ領域にユーザデータを書き込むと共に、後述するセルフサーボ書込み動作時に放射状サーボパターンを書き込む。
アクチュエータ130は、ボイスコイルモータ(VCM)により駆動し、搭載しているヘッド120をディスク媒体1上の半径方向に移動制御する。ボイスコイルモータは、PCB190上に実装されているモータドライバ180により駆動制御される。ヘッドアンプ140は、リードヘッド120Rにより読出されたリード信号を増幅して、PCB190上に実装されているリード/ライトチャネル(信号処理ユニット)150に出力する。
PCB190には、リード/ライトチャネル150と、マイクロプロセッサ(CPU)170と、モータドライバ180と、ディスクコントローラ(HDC)200とが実装されている。リード/ライトチャネル150は、リード/ライト信号を処理する信号処理ユニットであり、スパイラルサーボパターン及び放射状サーボパターンのサーボ信号の再生処理を行なうサーボ処理部160を含む。
サーボ処理部160は、アドレスコード検出部、サーボバースト信号復調部及びサーボデータ再生部を含む。アドレスコード検出部は、リード信号から放射状サーボパターンに含まれるセクタ及びトラック(シリンダ)のアドレスコードを検出する。サーボバースト信号復調部は、スパイラルサーボパターン及び放射状サーボパターンに含まれるサーボバースト信号を復調する、サーボデータ再生部は、アドレスコード検出部から検出されたアドレスコード、及びサーボバースト信号(A〜D)に基づいた位置誤差データを生成してCPU170に出力する。
モータドライバ180は、CPU170の制御により、アクチュエータ130のボイスコイルモータに駆動電流を供給するVCMドライバ、及びスピンドルモータ110に駆動電流を供給するSPMドライバを含む。
HDC200は、ディスクドライブ100と外部のホストシステムとのデータ転送などを行なうインターフェースであり、CPU170の制御に基づいて、リード/ライトチャネル150から出力されるユーザデータをホストシステムに転送する。また、HDC200は、ホストシステムからのデータを受信し、リード/ライトチャネル150に転送する。ホストシステムからのデータには、セルフサーボ書込み動作により、ディスク媒体1上に書込む放射状サーボパターンのデータも含む。
CPU170は、ディスクドライブ100のメインコントローラであり、本実施形態に関するセルフサーボ書込み動作を実行する機能を有する。また、製品として出荷されるディスクドライブ100では、CPU170は、ディスク媒体1上に書き込まれた放射状サーボパターンに基づいて、ヘッド120の位置決め制御を実行する。
(サーボトラックライタの構成)
図2は、本実施形態に関するサーボトラックライタ(STW)の要部を示すブロック図である。サーボトラックライタ(STW)は、クリーンルーム内に設置されており、セルフサーボ書込み工程の前に、ディスク媒体1上に、ベースパターンとして使用するスパイラルサーボパターンを書込むためのサーボ書込み用専用装置である。
サーボトラックライタは、図2に示すように、コントローラ30と、ヘッド駆動機構31と、サーボヘッド32と、書き込み制御回路33と、スピンドルモータ34と、クロックヘッド35と、マスタクロック回路36とを有する。スピンドルモータ34は、データが全く書き込まれていないディスク媒体1を固定して回転させる。サーボヘッド32は、リードヘッドとライトヘッドとに分離されてスライダに実装されており、リードヘッドによりスパイラルパターンを読出し、ライトヘッドによりスパイラルパターンを書き込む。
コントローラ30は、マイクロプロセッサ及びメモリを主要素とし、ヘッド駆動機構31、書き込み制御回路33、スピンドルモータ34及びマスタクロック回路36の動作を制御する。コントローラ30は、ヘッド駆動機構31を制御することで、サーボヘッド32の位置決め制御を実行する。
ヘッド駆動機構31は、サーボヘッド32を搭載してディスク媒体1上の指定位置まで移動させるアクチュエータであり、ボイスコイルモータにより駆動する。書き込み制御回路33は、サーボヘッド32に、スパイラルサーボパターンを書込むためのサーボデータを送出する。サーボヘッド32は、書き込み制御回路33からのサーボデータに基づいて、図3に示すように、ディスク媒体1上にスパイラルサーボパターンを書き込む。
マスタクロック回路36は、コントローラ30の制御に従って、クロック信号をクロックヘッド35に送出する。クロックヘッド35は、ディスク媒体1上の最外周領域にクロック信号を書き込む。コントローラ30は、サーボヘッド32をディスク媒体1上の最内周側から最外周側に移動させながら位置決めするときに、当該クロック信号を基準位置情報信号として参照する。
(マルチスパイラルサーボパターン)
以下、図3、図4及び図6を参照して、本実施形態に関するマルチスパイラルサーボパターン及びバースト信号波形を説明する。
図3は、例えば、図2に示すサーボトラックライタにより、ディスク媒体1上の全面に書き込まれたマルチスパイラルサーボパターンの状態を概念的に示す図である。マルチスパイラルサーボパターンは、n本のスパイラルサーボパターン2-1〜2-nから構成されている。
ディスクドライブ100では、マルチスパイラルサーボパターンが記録されたディスク媒体1が組み込まれた後に、セルフサーボ書込み機能により、ディスク媒体1上に放射状サーボパターン4-1〜4-pが書き込まれる。ディスクドライブ100では、CPU170は、マルチスパイラルサーボパターン2-1〜2-nを使用して、ヘッド120を破線で示す同心円状トラック(の中心線)3-1〜3-mにトラッキングさせながら、放射状サーボパターン4-1〜4-pを書き込む。図3において、矢印は、リードヘッド120Rで同心円状トラック3-3を走査する様子を示している。
図4は、マルチスパイラルサーボパターン2-1〜2-5と、放射状サーボパターン4-1〜4-3の位置関係を示す図である。図4に示すように、放射状サーボパターン4-1〜4-3は、リードヘッド120Rの走査方向(矢印:ディスク媒体1の周方向)に対して垂直である。これに対して、マルチスパイラルサーボパターン2-1〜2-5は、走査方向に対して斜めに配置されている。このため、リードヘッド120Rは、半径方向の位置により、スパイラルサーボパターンを読取るタイミングが変化する。
ディスクドライブ100では、ディスク媒体1上に放射状サーボパターン4-1〜4-3が書き込まれた後、リードヘッド120Rは、放射状サーボパターン4-1〜4-3に基づいて同心円状トラックの中心線3-1〜3-5に位置決めされるように制御される。
図5(A)は、放射状サーボパターン4-1〜4-pに含まれるサーボバースト信号(A〜D)の領域6を示す。図5(B)は、リードヘッド120Rがサーボバースト信号領域6を通過したときに、リードヘッド120Rにより再生されるサーボバースト信号(A〜D)の振幅値7-A〜7-Dを示す。この振幅値7-A〜7-Dは、リード/ライトチャネル150のサーボ処理部160により出力される。
CPU170は、サーボバースト信号(A〜D)の振幅値7-A〜7-Dの変化に基づいて、リードヘッド120Rの半径方向の位置を判定する。即ち、サーボバースト信号(A,B)の振幅値7-A,7-Bが同じになる位置は、同心円状トラックの中心線3-1〜3-m上に、リードヘッド120Rが位置していると判定できる。ここで、この同心円状トラックの中心線からのずれを位置誤差と呼ぶ。
CPU170は、サーボバースト信号(A〜D)の振幅値7-A〜7-Dを使用して、リードヘッド120Rの位置誤差を算出する位置誤差演算を実行し、この演算結果に基づいてリードヘッド120Rの位置制御(トラッキング)を行なう。
具体的には、CPU170は、下記式(1)〜(3)に示すような位置誤差演算を行なうアルゴリズムを実行する。
pos1=(A−B)/(|A−B|+|C−D|)…(1)
pos2=((A−B)*|A−B|)/(|A−B|^2+|C−D|^2)…(2)
POS=((pos1*k)+((1024−k)*pos2))/1024…(3)
ここで、POSは、式(1),(2)の演算結果に重み付け係数(k:0〜1024)を付加した平均化演算による位置誤差である。A〜Dは、サーボバースト信号A〜Dの振幅値を意味する。|X|はXの絶対値を意味する。また、Y^2は、Yの2乗演算を意味する。*は掛算を意味する。
図6(B)は、リードヘッド120Rにより、図6(A)に示すスパイラルサーボパターン8を読出したときのバースト信号波形9を示す図である。ここで、図6(B)に示す菱形状のバースト信号9は、スパイラルサーボパターン8を書き込んだライトヘッドの幅と、リードヘッド120Rの幅が同一の場合である。
しかしながら、実際には、スパイラルサーボパターン8を書き込んだライトヘッドの幅に対して、リードヘッド120Rの幅は相対的に狭いのが一般的である。このため、リードヘッド120Rにより読出されるバースト信号波形は、図7(B)に示すように、六角形状のバースト信号波形11となる。図7(A)は、リードヘッド120Rにより読出されるスパイラルサーボパターン10を示す図である。
(ヘッド位置決め制御)
以下、図8から図15を参照して、六角形状のバースト信号波形11に基づいて、ヘッド120の位置決め制御を行なう方法を説明する。
ディスクドライブ100では、図8に示すように、六角形状のバースト信号11を再生する場合に、リードヘッド120Rの走査方向に時間分割した領域(フレーム12-1〜12-q)のタイミングで再生する。サーボ処理部160は、図9に示すように、各フレーム12-1〜12-qで、バースト信号11の振幅値13-1〜13-qを生成する。
ここで、図10は、リードヘッド120Rが半径方向に位置を変化した場合に、スパイラルサーボパターン10から再生されるバースト信号の変化を示す図である。即ち、図10(A)に示すリードヘッド120Rが位置120R−1のときには、図10(B)に示すようなバースト信号波形11−1となる。これに対して、リードヘッド120Rが位置120R−2に移動したときには、図10(C)に示すように、同じ六角形状であるが、時間方向にずれたバースト信号波形11−2となる。
図11は、ディスク媒体1の半径方向に対するフレーム毎のバースト信号の振幅値(大きさ)の変化を示す図である。ここで、横軸は、放射状サーボパターンにより構成される同心円状トラックを示す。即ち、図11は、リードヘッド120Rが各同心円状トラックの中心線にトラッキングしながら、スパイラルサーボパターン10を読み取ったときのバースト信号の振幅値の変化を示す。
ここで、トラックN付近の位置で交差するフレームに対応するバースト信号の振幅値13-5及び13-11、トラックN−1/2付近の位置で交差するフレームに対応するバースト信号の振幅値13-7及び13-13に注目する。
図12は、選択した4つのフレームの半径方向に対するバースト信号の振幅値14-A〜14-Dの変化を示す。図13は、放射状サーボパターンのサーボバースト信号A〜Dの半径方向に対する振幅値15-A〜15-Dの変化を示す。図12と図13とを比較すると、トラックN-1/2付近〜トラックN付近にかけて、各バースト信号の交点や増減の特徴が類似している事が確認できる。
図14は、図12に示す選択したフレームに対応するバースト信号の振幅値14-A〜14-Dを使用した位置誤差の算出結果16を示している。図14において、点線17は理想的な線形性を表している。
即ち、CPU170は、マルチスパイラルサーボパターンからフレーム単位で再生したバースト信号の振幅値を使用して、放射状サーボパターンのサーボバースト信号A〜Dによる位置誤差演算を実行し、この演算結果に基づいてリードヘッド120Rの位置制御(トラッキング)を行なう。
具体的には、CPU170は、下記式(4)〜(6)に示すような位置誤差演算を行なうアルゴリズムを実行する。
pos1=(A−B)/(|A−B|+|C−D|)…(4)
pos2=((A−B)*|A−B|)/(|A−B|^2+|C−D|^2)…(5)
POS=((pos1*k)+((1024−k)*pos2))/1024…(6)
ここで、POSは、式(4),(5)の演算結果に重み付け係数(k:0〜1024)を付加した平均化演算による位置誤差である。A〜Dは、各フレームに対応するサーボバースト信号の振幅値を意味する。|X|はXの絶対値を意味する。また、Y^2は、Yの2乗演算を意味する。*は掛算を意味する。
図14から、トラックN-1/2付近〜トラックN付近にかけて、位置誤差の算出結果16は理想的な線形性17と重なっている。この結果は、この範囲であれば正確な位置誤差の算出が可能であり、フレームとサーボバースト信号の振幅値A〜Dとの関連付けが良好であることを意味している。
図15(B)は、図15(A)に示す六角形状のバースト信号11の選択したフレームに対して、バースト信号11の各振幅値との関連付けを行なう方法を示す図である。
図15から、マルチスパイラルサーボパターンが同じ(幅と傾きが同じ)であれば、トラックが変わった場合でも、サーボバースト信号の振幅値A〜Dに対応付けることができる。フレーム毎のバースト信号11の振幅値13-1〜13-qの最大値(FMAX)をとるフレーム番号を基準として、以下のようにサーボバースト信号の振幅値A〜D(以下、バーストA〜Dと表記する)をフレーム番号に対応付ける。
ここで、トラックN付近において、フレーム毎のバースト信号の大きさが最大値をとるフレーム番号をフレーム8と想定する。これから、バーストAに対応付けるフレーム番号はフレーム11(8+3)、バーストBに対応付けるフレーム番号はフレーム5(8−3)、バーストCに対応付けるフレーム番号はフレーム7(8−1)、バーストDに対応付けるフレーム番号はフレーム13(8+5)となる。従って、以下のような関係を得ることができる。
フレーム毎のバースト信号の振幅値が最大値をとるフレーム番号をFMAXとすると、図15(B)に示すように、バーストAに対応付けるフレーム番号は「F=FMAX+3」となる。バーストBに対応付けるフレーム番号は「F=FMAX−3」となる。バーストCに対応付けるフレーム番号は「F=FMAX−1」となる。バーストDに対応付けるフレーム番号は「F=FMAX+5」となる。
これにより、トラックが変わった場合でも、最大値をとるフレーム番号をFMAXのみを変更することで、容易にサーボバースト信号のバーストA〜Dとフレーム番号を対応付けることができる。
以上のように本実施形態によれば、マルチスパイラルサーボパターンから六角形状のバースト信号を再生して、リードヘッド120Rを同心円状トラックに位置決めする場合に、放射状サーボパターンにおけるサーボバースト信号A〜Dを使用した位置誤差演算を適用することができる。従って、ディスクドライブ100では、特別の機能を用意することなく、マルチスパイラルサーボパターンをベースパターンとするディスク媒体1上に、同心円状トラックを構成できる放射状サーボパターンを書き込むセルフサーボ書込み動作が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に関するディスクドライブの要部を示すブロック図。 本実施形態に関するサーボトラックライタの要部を示すブロック図。 本実施形態に関するマルチスパイラルサーボパターンが記録されたディスク媒体を示す図。 本実施形態に関するマルチスパイラルサーボパターンと放射状サーボパターンの位置関係を示す図。 本実施形態に関する放射状サーボパターンのサーボバースト信号を説明するための図。 本実施形態に関するスパイラルサーボパターンのバースト信号波形を説明するための図。 本実施形態に関するスパイラルサーボパターンのバースト信号波形を説明するための図。 本実施形態に関する六角形状のバースト信号波形を説明するための図。 本実施形態に関する六角形状のバースト信号波形を説明するための図。 本実施形態に関する六角形状のバースト信号波形の変化を示す図。 本実施形態に関するフレーム毎の六角形状のバースト信号の振幅値の変化を示す図。 本実施形態に関する選択したフレームの半径方向のバースト信号の振幅値の変化を示す図。 本実施形態に関するサーボバースト信号に対する六角形状のバースト信号の振幅値の変化を示す図。 本実施形態に関する位置誤差演算の線形性を示す図。 本実施形態に関するバースト信号とフレームとの関連を説明するための図。
符号の説明
1…ディスク媒体、30…コントローラ、31…ヘッド駆動機構、32…サーボヘッド、
33…書き込み回路、34…スピンドルモータ、100…ディスクドライブ、
110…スピンドルモータ(SPM)、120…ヘッド、120R…リードヘッド
120W…ライトヘッド、130…アクチュエータ、
150…リード/ライトチャネル、160…サーボ処理部、
170…マイクロプロセッサ(CPU)、180…モータドライバ、
190…プリント回路基板(PCB)。

Claims (6)

  1. スパイラルサーボパターンが記録されているディスク媒体と、
    前記ディスク媒体に対してデータの読出しを行なうリードヘッド及びデータの書き込みを行なうライトヘッドを含むヘッドと、
    前記ヘッドを前記ディスク媒体上の半径方向に移動させるヘッド移動機構と、
    回転している前記ディスク媒体上で同心円状トラックに相当する円周方向の領域を前記ヘッドが走査している状態で、前記リードヘッドにより読出された前記スパイラルサーボパターンから特定形状のバースト信号を再生する手段と、
    前記同心円状トラックを構成する放射状サーボパターンに含まれるサーボバースト信号と前記特定形状のバースト信号とを対応付けた位置データを生成する生成手段と、
    前記同心円状トラックに対する前記ヘッドの位置決めに必要な位置誤差演算を、前記位置データを使用して実行する位置誤差演算手段と、
    前記位置誤差演算手段の演算結果を使用して前記ヘッド移動機構を制御し、前記ヘッドの位置決め制御を実行する制御手段とを具備し、
    前記生成手段は、
    前記特定形状のバースト信号を前記円周方向に複数の領域に分割して各領域から得られる振幅値を、前記サーボバースト信号から再生される位置信号であって前記同心円状トラックの中心線に対する位置誤差を算出するための位置信号A,B及び隣接トラック境界に対する位置誤差を算出するための位置信号C,Dに対応付けた位置データを生成するように構成されているディスク記憶装置。
  2. 前記制御手段により位置決め制御される前記ヘッドに含まれる前記ライトヘッドを使用して、前記ディスク媒体上に前記放射状サーボパターンを書き込むサーボ書込み手段を有する請求項1に記載のディスク記憶装置。
  3. 前記生成手段は、
    前記特定形状のバースト信号を各フレーム単位の振幅値に変換し、当該各振幅値の最大値に基づいて前記サーボバースト信号から再生される位置信号に対応付けた位置データを生成するように構成されている請求項1に記載のディスク記憶装置。
  4. スパイラルサーボパターンが記録されているディスク媒体及び前記ディスク媒体に対してデータの読出しを行なうリードヘッド及びデータの書き込みを行なうライトヘッドを含むヘッドを有するディスク記憶装置により、前記ディスク媒体上に放射状サーボパターンを書き込むサーボ書込み方法において、
    回転している前記ディスク媒体上で同心円状トラックに相当する円周方向の領域を前記ヘッドが走査している状態で、前記リードヘッドにより読出された前記スパイラルサーボパターンから特定形状のバースト信号を再生する処理と、
    前記放射状サーボパターンに含まれるサーボバースト信号と前記特定形状のバースト信号とを対応付けた位置データを生成する処理と、
    前記同心円状トラックに対する前記ヘッドの位置決めに必要な位置誤差演算を、前記位置データを使用して実行する処理と、
    前記位置誤差演算の演算結果を使用して、前記ヘッドの位置決め制御を実行する処理とを有する手順を実行し、
    前記位置データを生成する処理は、
    前記特定形状のバースト信号を前記円周方向に複数の領域に分割して各領域から得られる振幅値を、前記サーボバースト信号から再生される位置信号であって前記同心円状トラックの中心線に対する位置誤差を算出するための位置信号A,B及び隣接トラック境界に対する位置誤差を算出するための位置信号C,Dに対応付けた位置データを生成するサーボ書込み方法
  5. 前記位置決め制御される前記ヘッドに含まれる前記ライトヘッドを使用して、前記ディスク媒体上に前記放射状サーボパターンを書き込む処理を有する請求項4に記載のサーボ書込み方法
  6. 前記位置データを生成する処理は、
    前記特定形状のバースト信号を各フレーム単位の振幅値に変換し、当該各振幅値の最大値に基づいて前記サーボバースト信号から再生される位置信号に対応付けた位置データを生成する請求項4に記載のサーボ書込み方法
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