JP2003217241A - 磁気ディスク、磁気ヘッド位置制御装置、磁気ヘッド位置制御方法、磁気ヘッド位置制御プログラム、その制御プログラムを記録した記録媒体、及び磁気ディスク記録再生装置 - Google Patents

磁気ディスク、磁気ヘッド位置制御装置、磁気ヘッド位置制御方法、磁気ヘッド位置制御プログラム、その制御プログラムを記録した記録媒体、及び磁気ディスク記録再生装置

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JP2003217241A
JP2003217241A JP2002013330A JP2002013330A JP2003217241A JP 2003217241 A JP2003217241 A JP 2003217241A JP 2002013330 A JP2002013330 A JP 2002013330A JP 2002013330 A JP2002013330 A JP 2002013330A JP 2003217241 A JP2003217241 A JP 2003217241A
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servo
servo pattern
head position
magnetic disk
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JP2002013330A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Takaoka
哲朗 高岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッド位置をバースト信号の振幅に依ら
ずに測定するためのサーボパターンを含む磁気ディス
ク、その磁気ディスクを用いて磁気ヘッド位置に対する
高精度のサーボ制御を実現する磁気ヘッド位置制御装
置、及びその制御方法を提供する。 【解決手段】 サーボセクタ1は第一〜第四のサーボパ
ターン21〜24を含む。第一のサーボパターン21の先端部
2a、第二のサーボパターン22の末端部2c、及び第四のサ
ーボパターン24の末端部2eは半径方向に対し平行であ
る。第一と第二とのサーボパターン間の境界2b、及び第
三と第四とのサーボパターン間の境界2dは、半径方向に
対し傾く。第三と第四とのサーボパターン長の差C−Dか
ら、磁気ヘッド位置が奇数トラックTo又は偶数トラック
Teのいずれの上にあるか判断され、第一と第二とのサー
ボパターン長の比A:Bから、磁気ヘッド位置が特定され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク及び
それに対する記録再生装置に関し、特に、磁気ディスク
の半径方向での磁気ヘッドの位置制御に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク記録再生装置、すなわち、
フレキシブルディスクドライブ(FDD)又はハードディ
スクドライブ(HDD)は、主にパーソナルコンピュータ
用の外部記憶装置として用いられる。従って、磁気ディ
スク記録再生装置としては、大きな記憶容量を持ち、か
つ高速にアクセスできるものが望ましい。大容量の獲得
には、例えば磁気ディスク上のトラック幅をできるだけ
狭くし、トラック数を増やさねばならない。一方、高速
アクセスの実現には、例えば磁気ヘッドを目標トラック
上へ正確に移動し、かつ安定に維持しなければならな
い。従って、磁気ディスク記録再生装置では、磁気ディ
スクの半径方向での磁気ヘッドの位置(以下、磁気ヘッ
ド位置という)に対する高精度な制御が求められる。
【0003】磁気ヘッド位置に対する制御として、次の
ようなサーボ制御が従来知られている。従来の磁気ディ
スク上には複数のサーボセクタが、放射状に、かつ磁気
ディスクの周方向で実質上等間隔に書き込まれている。
図16は、サーボセクタ100の近傍を示す拡大模式図であ
る。それぞれのサーボセクタ100は周方向で、第一のサ
ーボパターン101、第二のサーボパターン102、第三のサ
ーボパターン103、及び第四のサーボパターン104を順に
含む。第一のサーボパターン101、第二のサーボパター
ン102、第三のサーボパターン103、及び第四のサーボパ
ターン104はそれぞれ、実質的に同じ矩形状の領域(図16
に示されている縦線部)を周期的に配列したものであ
る。各矩形領域では、半径方向の幅がトラックTの幅と
実質的に等しい。更に、それぞれのサーボパターンで
は、矩形領域の間隔がトラック幅と実質的に等しい。
【0004】第一のサーボパターン101に属する各矩形
領域は、第一のバースト信号を記録する。各矩形領域の
中心は、奇数のトラック番号を持つトラック(奇数トラ
ック)の中心と実質的に同じである。第二のサーボパタ
ーン102に属する各矩形領域は、第二のバースト信号を
記録する。各矩形領域の中心は、偶数のトラック番号を
持つトラック(偶数トラック)の中心と実質的に同じであ
る。第三のサーボパターン103に属する各矩形領域は、
第三のバースト信号を記録し、その中心は奇数トラック
の内側の境界と実質的に同じである。第四のサーボパタ
ーン104に属する各矩形領域は、第四のバースト信号を
記録し、その中心は奇数トラックの外側の境界と実質的
に同じである。
【0005】図17は、磁気ヘッドがサーボセクタ100の
一つを通過する間に再生する信号の概略波形図である。
磁気ヘッド位置が目標トラックから外側にずれたときの
波形図が図17の(a)であり、目標トラックに一致すると
きの波形図が図17の(b)であり、目標トラックから内側
にずれたときの波形図が図17の(c)である。ここで、目
標トラックが奇数トラックである場合を想定している。
更に、磁気ヘッド位置が目標トラックに一致するとは、
磁気ヘッドの中心が目標トラックの中心の真上にあるこ
とを意味する。図17に示されているように、磁気ヘッド
位置が目標トラックから外側又は内側にずれるとき、第
一のバースト信号s1、第二のバースト信号s2、第三のバ
ースト信号s3、及び第四のバースト信号s4のそれぞれの
振幅が変化する。従って、それぞれのバースト信号の振
幅比に基づき、目標トラックに対する磁気ヘッド位置の
ずれが、その方向を含めて決定される。更に、そのずれ
が減少するように、磁気ヘッド位置が補正される。こう
して、従来のサーボ制御では、磁気ヘッド位置が目標ト
ラックに一致するように制御される。
【0006】上記の第一から第四までのサーボパターン
は、磁気ディスクの製造時に、専用のサーボパターン記
録装置により書き込まれる。ここで、サーボパターン記
録装置は、磁気ヘッドを高精度に位置決め可能な磁気記
録装置であり、サーボトラックライタ(STW)ともい
う。サーボパターン記録装置により書き込まれたサーボ
パターンでは、磁化転移領域の周方向の長さがごく小さ
な一定値以下に高精度で維持される。従って、バースト
信号の振幅がサーボセクタの全体で高精度で一定であ
る。その結果、従来のサーボ制御に対する信頼性の向上
では、サーボパターン記録装置によるサーボパターンの
書き込みは有利である。
【0007】しかし、サーボパターン記録装置によるサ
ーボパターンの書き込みは、磁気ヘッドに対する高精度
の位置決めを必要とし、かつ、数分〜数十分程度の長時
間を要する。従って、サーボパターン記録装置自体の製
造、及びサーボパターン記録装置を利用した磁気ディス
クの製造はいずれも容易ではない。それ故、磁気ディス
クについての製造効率の向上では、サーボパターン記録
装置によるサーボパターンの書き込みは比較的不利であ
る。
【0008】磁気ディスクについての製造効率の向上に
ついて不利な点を解消する目的で、上記のサーボパター
ンの書き込みを、磁気転写により実行しても良い。ここ
で、磁気転写は、磁気ディスクに対する次のような磁化
パターンの記録方法である。図18は、長手磁化による磁
気転写についての説明図である。
【0009】(A) マスターディスクの表面に所定の凹
凸パターンを、例えばリソグラフィにより形成する。図
18の(a)は、マスターディスクDmの縦断面について、表
面近傍を拡大した図である。図18の(a)に示されている
ように、少なくとも凸部Pの表面には、強磁性層Lmが形
成される。 (B) 磁気ディスクの記録層に対し、長手磁化では周方
向で、垂直磁化では磁気ディスクの法線方向で、それぞ
れ直流消磁を行う。図18の(b)は、磁気ディスクDsの縦
断面について、表面近傍を拡大した図である。記録層Ls
は周方向の外部直流磁界Hにより、周方向、すなわち図1
8の(b)に示された矢印の向きに、実質上一様に磁化され
る。
【0010】(C) 上記の凹凸を含むマスターディスク
の表面と磁気ディスクの表面とを密着させ、上記の直流
消磁とは逆向きの直流磁界を印加する。それにより、マ
スターディスクの凸部と密着した磁気ディスク表面で
は、磁化反転が生じる。図18の(c)は、マスターディス
クDmと磁気ディスクDsとを密着させた状態での縦断面に
ついて、密着面近傍を拡大した図である。外部からの磁
束Bは、図18の(c)に矢印で示されているように、密着面
近傍では凸部Pの強磁性層Lmを専ら通り、凸部Pに密着し
た記録層Lsの部分LsPをバイパスする。その結果、凹部C
に対向した記録層Lsの部分LsCでのみ、磁化が反転す
る。 (D) こうして、マスターディスクの凹凸パターンに対
応した磁化パターンが磁気ディスク上に書き込まれる。
図18の(d)は、磁気転写後の磁気ディスクDsの縦断面に
ついて、表面近傍を拡大した図である。図18の(d)に矢
印で示されているように、磁気ディスクDsの記録層Lsで
は、マスターディスクDm表面の凹部Cと凸部Pとの境界に
対応する領域に、磁化転移領域LsTが生じる。
【0011】磁化反転はきわめて短時間で完了するの
で、磁気転写によるサーボパターンの書き込みは、磁気
ディスク1枚あたり1秒以下で実行される。その結果、磁
気ディスクについての製造効率の向上では、磁気転写に
よるサーボパターンの書き込みは有利である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】磁気転写により書き込
まれたサーボパターンでは、磁化転移領域の周方向の長
さがばらつきやすい。その原因は、例えば、マスターデ
ィスク表面の凹凸パターンについて、その成形精度がば
らつきやすいことにある。従来のリソグラフィでは、一
回の露光で作成できるパターンの範囲がマスターディス
クの表面に比べ、かなり小さい。従って、マスターディ
スクの表面全体に応答パターンを成形するには、露光を
複数回繰り返さねばならない。その結果、凹凸の高さ及
び境界領域の幅がマスターディスク表面の全体でばらつ
きやすい。そのような凹凸パターンの成形精度のばらつ
きは磁化転移領域の周方向の長さのばらつきに反映さ
れ、更にバースト信号の振幅にばらつきを与える。
【0013】従来のサーボ制御では、バースト信号の振
幅に基づき磁気ヘッド位置が計測される。一方、磁気転
写によるサーボパターンの書き込みでは、バースト信号
の振幅のばらつきが上記の通り、実質上不可避である。
それ故、従来のサーボ制御に対する信頼性の向上では、
磁気転写によるサーボパターンの書き込みは不利であっ
た。その結果、従来の磁気ディスク記録再生装置では、
磁気ディスクについての製造効率の向上とサーボ制御に
対する信頼性の向上との両立が困難であった。
【0014】磁気転写によるサーボパターンの書き込み
は、例えばHDDでは、磁気ディスクのHDDへの組み
込み前に実行される。磁気ディスクの組み込み工程で
は、磁気ディスクの中心がスピンドルモータによる回転
中心から、一般にずれる。従って、そのずれだけ実際の
トラックが、サーボパターンの書き込み時に想定された
トラックからずれる。そのずれの最大値、すなわち偏芯
量は数十トラック程度になり得る。偏芯量が過大なと
き、そのサーボパターンに基づいては正確なサーボ制御
が困難である。それ故、HDDの組み立て後、磁気転写
により書き込まれたサーボパターンに基づき、そのHD
Dの磁気ヘッドで新たなサーボパターンを書き直さねば
ならない。そのサーボパターンの書き直し(以下、セル
フサーボライトという)では、磁気ディスクの偏芯量が
計測され、その計測結果に基づき、元のサーボパターン
から測定された磁気ヘッド位置が補正されなければなら
ない。従来のサーボ制御では、磁気転写により書き込ま
れたサーボパターンに基づく磁気ヘッド位置の高精度な
測定が困難であるので、高精度なセルフサーボライトが
困難であった。その結果、従来のHDDでは、磁気転写
によるサーボパターンの書き込みで製造効率の向上を図
るとき、サーボ制御に対する信頼性の向上が困難であっ
た。
【0015】本発明は、磁気ヘッド位置をバースト信号
の振幅に依らずに測定するためのサーボパターンを含む
磁気ディスク、その磁気ディスクを用いて磁気ヘッド位
置に対する高精度のサーボ制御を実現する磁気ヘッド位
置制御装置、及びその制御方法の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気ディス
クは、(A) 同心円状に複数配置されたトラック;並び
に、(B) 周方向で所定の間隔ごとに複数配置され、か
つ半径方向に広がる領域であり、(a) 周方向での先頭
位置を示す同期信号を記録した同期信号部;(b) 周方
向の長さが半径方向で実質上連続に変化し、かつトラッ
クのそれぞれでは実質上単調に増加し又は減少する第一
のサーボパターン;及び、(c) 周方向の長さが半径方
向で変化し、第一のサーボパターンの周方向の長さとの
和がトラックのそれぞれで実質上一定値に設定された第
二のサーボパターン;を順に含むサーボセクタ;を有す
る。以下、第一及び第二のサーボパターンのそれぞれに
書き込まれた信号を、サーボ信号という。磁気ヘッドは
上記の磁気ディスクから信号を再生するとき、上記の同
期信号の検出により、サーボ信号を識別する。
【0017】第一及び第二のサーボパターンのそれぞれ
の周方向の長さ(以下、第一及び第二のサーボパターン
長という)は上記の通り、トラックのそれぞれの幅方向
で、相補的にかつ単調に増減する。例えば、第一のサー
ボパターン長がトラックの外側から内側まで直線的に増
加するとき、その直線的増加とは逆の傾きで、第二のサ
ーボパターン長は直線的に減少する。そのとき、サーボ
パターンの先端又は末端に対応する磁化転移領域は一般
に、半径方向に対して傾いている。一方、磁気ヘッドの
感度は一般に、その中心で最も高い。従って、傾いた磁
気転移領域上を磁気ヘッドが通過する間に再生されるサ
ーボ信号は、磁気ヘッドの中心と傾いた磁気転移領域と
の交差時、ピークに達する。それ故、サーボパターンの
先端及び末端にそれぞれ対応するサーボ信号のピーク位
置を測定すれば、磁気ヘッドの中心の軌跡に沿ったサー
ボパターン長が計測できる。
【0018】サーボ信号のピーク位置の測定を通して、
第一又は第二のサーボパターン長の少なくともいずれか
を計測する。その測定値に基づき、少なくともトラック
のそれぞれで、磁気ヘッドの中心の半径方向での位置
(以下、磁気ヘッド位置という)が実質上一意に特定でき
る。
【0019】特に、第一と第二とのサーボパターン長の
両方を計測し、それらの差又は比に基づき磁気ヘッド位
置を決定するとき、それぞれのサーボパターン長の測定
誤差による磁気ヘッド位置の測定誤差を低減できる。こ
うして、サーボパターン長の計測による磁気ヘッド位置
の測定精度は高いので、上記の磁気ディスクに対して
は、磁気ヘッド位置を高精度で制御できる。
【0020】上記の磁気ディスクでは、サーボセクタが
更に、(A) 周方向の長さが半径方向で実質上連続に変
化し、かつ、少なくともトラックのそれぞれの境界近傍
では実質上単調に増加し又は減少する第三のサーボパタ
ーン;及び、(B) 周方向の長さが半径方向で変化し、
第三のサーボパターンの周方向の長さとの和が、少なく
ともトラックのそれぞれの境界近傍では実質上一定値に
設定された第四のサーボパターン;を順に含んでも良
い。以下、第三及び第四のサーボパターンのそれぞれに
書き込まれた信号を、第一及び第二のサーボパターンと
同様、サーボ信号という。
【0021】第三及び第四のサーボパターンのそれぞれ
の周方向の長さ(以下、第三及び第四のサーボパターン
長という)は上記の通り、トラックのそれぞれの境界近
傍では、相補的にかつ単調に増減する。例えば、第三の
サーボパターン長がトラックの境界の外側から内側まで
直線的に増加するとき、その直線的増加とは逆の傾き
で、第四のサーボパターン長は直線的に減少する。その
とき、サーボパターンの先端又は末端に対応する磁化転
移領域は一般に、半径方向に対して傾いている。従っ
て、傾いた磁気転移領域上を磁気ヘッドが通過する間に
再生されるサーボ信号は、磁気ヘッドの中心と傾いた磁
気転移領域との交差時、ピークに達する。それ故、サー
ボパターンの先端及び末端にそれぞれ対応するサーボ信
号のピーク位置を測定すれば、磁気ヘッドの中心の軌跡
に沿ったサーボパターン長が計測できる。
【0022】サーボパターン長の測定を通して、第三又
は第四のサーボパターン長の少なくともいずれかを計測
する。その測定値に基づき、トラックのそれぞれの境界
近傍で磁気ヘッド位置が実質上一意に特定できる。特
に、磁気ヘッド位置がトラックの境界に対し、外側又は
内側のいずれであるか、が判定できる。それにより、第
一又は第二のサーボパターン長の計測による磁気ヘッド
位置の測定を、少なくともトラックの境界近傍で補完で
きる。更に、第三のサーボパターン長が、トラックのそ
れぞれの中心からその隣のトラックの中心まで実質上単
調に増加し又は減少しても良い。そのとき、上記の補完
がトラック幅の実質上全範囲で実現できる。
【0023】上記の磁気ディスクでは、第一のサーボパ
ターンが、相隣り合うトラックでは周方向の長さの増減
を逆にしても良い。そのとき、サーボセクタの周方向の
長さが十分小さく、かつ、サーボパターン長の変化量が
トラックのそれぞれで十分に大きい。従って、磁気ディ
スクのデータ記憶領域が十分大きく確保され、かつ、サ
ーボパターン長の計測による磁気ヘッド位置の分解能が
十分に高い。それ故、上記の磁気ディスクに対しては高
精度でサーボ制御を実現できる。上記の磁気ディスクが
第三及び第四のサーボパターンを含むときは、第三のサ
ーボパターンが相隣り合うトラックで周方向の長さの増
減を逆にしても良い。そのとき、上記と同様に、サーボ
パターン長の計測による磁気ヘッド位置の分解能が、ト
ラックの境界近傍で更に高い。
【0024】上記の磁気ディスクでは、第一のサーボパ
ターン長が、最外周のトラックから最内周のトラックま
で実質上単調に増加し又は減少しても良い。そのとき、
第一のサーボパターン長の測定値から、磁気ヘッド位置
が磁気ディスク全体に対し、一意に特定され得る。従っ
て、サーボセクタがトラックについての識別情報、例え
ばトラック番号、を含まなくても良いので、磁気ディス
クのデータ記憶領域が十分大きく確保できる。
【0025】上記の磁気ディスクでは、第一のサーボパ
ターン長と第二のサーボパターン長とが、トラックのそ
れぞれの中心で実質的に等しくても良い。磁気ヘッド位
置に対するサーボ制御では、トラックの中心が制御目標
である。従って、その磁気ディスクに対しては、例え
ば、第一と第二とのサーボパターン長の比については1
を、それらの差については0を、それぞれ制御目標値に
設定できる。その結果、サーボ制御を容易にかつ正確に
実行できる。
【0026】上記の磁気ディスクが第三及び第四のサー
ボパターンを含むときは、第三のサーボパターン長と第
四のサーボパターン長とが、トラックのそれぞれの境界
で実質的に等しくても良い。そのとき、磁気ヘッド位置
が境界に対し内側又は外側のいずれであるかが、第三及
び第四のサーボパターン長の差の正負で判断できる。そ
れ故、磁気ヘッド位置を容易に決定できる。
【0027】上記の磁気ディスクでは、第一及び第二の
サーボパターンのそれぞれの周方向での先端及び末端が
それぞれ、同じ向きの磁化転移領域であっても良い。更
に、上記の磁気ディスクが第三及び第四のサーボパター
ンを含むときは、第三及び第四のサーボパターンのそれ
ぞれの周方向での先端及び末端がそれぞれ、同じ向きの
磁化転移領域であっても良い。そのとき、それぞれのサ
ーボパターンの先端及び末端に対応するサーボ信号のピ
ークはいずれも同じ極性を持つので、それらのサーボ信
号を容易にかつ正確に同定できる。
【0028】上記の磁気ディスクでは、第一及び第二の
サーボパターンのそれぞれの周方向での先端及び末端が
それぞれ、相反する向きを持つ二つの磁化転移領域の中
間位置であっても良い。更に、上記の磁気ディスクが第
三及び第四のサーボパターンを含むときは、第三及び第
四のサーボパターンのそれぞれの周方向での先端及び末
端がそれぞれ、相反する向きを持つ二つの磁化転移領域
の中間位置であっても良い。そのとき、サーボパターン
の先端及び末端のそれぞれには、相反する極性の二つの
ピークを持つサーボ信号が対応する。サーボパターンの
先端及び末端のそれぞれは、対応する二つのピーク位置
の中間に位置する。従って、それらのピーク位置の測定
値に対する平均により、サーボパターン長の測定誤差を
低減できる。
【0029】上記の第一から第四までのサーボパターン
は、好ましくは磁気転写により磁気ディスクへ書き込ま
れる。それにより、サーボパターンの書き込みを高速に
実行できるので、磁気ディスクについての製造効率を向
上できる。一方、磁気転写により書き込まれるサーボパ
ターンでは、それぞれの境界に相当する磁化転移領域に
ついて、それぞれの位置のばらつきが周方向の長さのば
らつきに比べ、一般に小さい。すなわち、サーボ信号に
ついて、ピーク位置のばらつきは振幅のばらつきに比
べ、一般に小さい。従って、磁気転写により書き込まれ
たサーボパターンに対し、上記のサーボパターン長の計
測による磁気ヘッド位置の測定は、高精度を維持でき
る。
【0030】上記の磁気ディスクでは、第一と第二との
サーボパターン長の和、又は第三と第四とのサーボパタ
ーン長の和のいずれか、又は両方が、少なくとも内周部
の複数のトラックにわたり、所定の変化を示すように設
定されても良い。例えば、第一と第二とのサーボパター
ン長の和が、少なくとも内周部の複数のトラックにわた
り、共通の円周角を持つ円弧の長さに等しいように設定
されても良い。第三と第四とのサーボパターン長の和に
ついても同様である。そのとき、それらのサーボパター
ン長の和はトラックの半径に比例して変化する。
【0031】磁気転写によりサーボパターンを書き込む
とき、そのサーボパターンに基づき測定された磁気ヘッ
ド位置は、組み込み時の磁気ディスクの偏芯による誤差
を一般に含む。それ故、磁気ヘッド位置に対するサーボ
制御では、磁気ディスクの偏芯量が正確に計測され、そ
の偏芯量に基づき偏芯による誤差が補正されなければな
らない。上記の磁気ディスクに対しては、磁気ディスク
の偏芯量が次のようにサーボパターン長の計測に基づ
き、容易にかつ正確に計測できる:上記の磁気ディスク
を一定の回転数で回転させ、上記の磁気ディスクの内周
部上の一定位置に磁気ヘッドを固定する。その磁気ヘッ
ドで、第一と第二とのサーボパターン長の和、又は第三
と第四とのサーボパターン長の和のいずれか、又は両方
を計測する。そのとき、計測された和は磁気ディスクの
偏芯量に実質的に比例した振幅で、かつ磁気ディスクの
回転と実質的に同周期で変化する。それ故、その周期的
変化の振幅の計測を通し、磁気ディスクの偏芯量を計測
できる。サーボパターン長の計測は容易にかつ高精度で
実行できるので、上記の磁気ディスクに対し、偏芯量が
容易にかつ正確に測定できる。その結果、磁気ディスク
の偏芯による磁気ヘッド位置の誤差が、容易にかつ正確
に補正できる。
【0032】磁気ディスクの偏芯による磁気ヘッド位置
の測定誤差を除去する目的で、次のようなセルフサーボ
ライトが実行されても良い:まず、上記の第一から第四
までのサーボパターンを磁気ディスクへ、磁気転写によ
り一旦書き込む。その磁気ディスクを磁気ディスク記録
再生装置へ組み込む。その後、その磁気ディスク記録再
生装置が、上記の第一から第四までのサーボパターンに
基づき、新たなサーボパターンを上書きする。磁気ディ
スク記録再生装置は、新たなサーボパターンの上書き前
に磁気ディスクの偏芯量を測定し、その測定値に基づき
新たなサーボパターンの書き込み位置を決定する。新た
なサーボパターンは、上記の第一から第四までのサーボ
パターン、又は従来のサーボパターンのいずれであって
も良い。新たなサーボパターンに基づき測定された磁気
ヘッド位置は、磁気ディスクの偏芯による誤差を実質上
含まない。こうして、磁気ヘッド位置に対するサーボ制
御が、磁気ディスクの偏芯によらず、高精度で実行され
得る。
【0033】上記の第一から第四までのサーボパターン
の磁気転写による書き込みとセルフサーボライトとを組
み合わせることにより、磁気ディスクについての製造効
率の向上と磁気ヘッド位置に対するサーボ制御の信頼性
の向上とが確実に両立され得る。上記の第一から第四ま
でのサーボパターンを、磁気転写の他に、従来のサーボ
パターン記録装置で書き込んでも良い。サーボパターン
の書き込みに既存の設備を利用でき、かつ磁気転写より
正確なサーボパターンの書き込みを実現できる。
【0034】本発明による磁気ヘッド位置制御装置は、
上記の磁気ディスクについて、磁気ヘッド位置に対する
サーボ制御を行うための装置であり、(A) 上記の磁気
ディスクから磁気ヘッドにより読み出された再生信号の
中から同期信号を検出するための同期信号検出部;(B)
再生信号の中から第一から第四までのサーボパターン
のそれぞれに対応するサーボ信号を識別し、サーボ信号
の間隔に基づき第一から第四までのサーボパターン長の
それぞれを計測するためのサーボパターン長計測部;
(C) サーボパターン長計測部により計測された第一か
ら第四までのサーボパターン長のそれぞれに基づき、磁
気ヘッド位置を示す情報(以下、磁気ヘッド位置情報と
いう)を計算するための磁気ヘッド位置情報生成部;及
び、(D) 磁気ヘッド位置情報に基づき、磁気ヘッドの
移動用アクチュエータに対する制御量を決定するための
制御量決定部;を有する。ここで、磁気ディスクが第三
及び第四のサーボパターンを含まないときは、サーボパ
ターン長計測部及び磁気ヘッド位置情報生成部は共に、
第一及び第二のサーボパターンのみを対象とすれば良
い。この磁気ヘッド位置制御装置は上記の通り、サーボ
パターン長の計測により磁気ヘッド位置を測定する。そ
れにより、磁気ヘッド位置に対するサーボ制御を高精度
で実行できる。
【0035】上記の磁気ヘッド位置制御装置では、サー
ボパターン長計測部が、サーボ信号の間隔に実質的に比
例した電圧を出力するための積分回路を含んでも良い。
その出力電圧に基づき、サーボ信号の間隔が計算され
る。その他に、基本クロックと、基本クロックの位相を
k/N周期だけずらした第k相クロック(Nは2以上の整数
であり、kは1からN−1までの整数である)と、のN個の
多相クロックを生成し、サーボ信号の一つの検出時から
次の一つの検出時までの間、多相クロックのパルスをそ
れぞれカウントし、それらのカウントの平均値を求める
ためのタイマカウンタ;をサーボパターン長計測部が含
み、その平均値に基づき、サーボ信号の間隔を計算して
も良い。更に、サーボ信号の一つの検出時から次の一つ
の検出時までの間、一つのクロックのパルスをカウント
し、クロックの一周期に満たないサーボ信号の検出とク
ロックパルスとのずれについては、そのずれに比例した
電圧を積分回路に出力させても良い。
【0036】上記の磁気ヘッド位置制御装置では、磁気
ヘッド位置情報生成部が、第一のサーボパターン長と第
二のサーボパターン長との和に対し、第一のサーボパタ
ーン長又は第二のサーボパターン長のいずれかの比を求
め、その比とトラックの中心での比との差に基づき、ト
ラックの中心に対する磁気ヘッド位置を決定しても良
い。更に、上記の磁気ディスクが第三及び第四のサーボ
パターンを含むときは、磁気ヘッド位置情報生成部が、
(A) 第三のサーボパターン長と第四のサーボパターン
長との差を求め、その差とトラックのそれぞれの境界で
の差と比較し、それらの大小から、磁気ヘッド位置が境
界に対して外側又は内側のいずれであるかを判断し;
(B) 第一のサーボパターン長と第二のサーボパターン
長との和に対し、第一のサーボパターン長又は第二のサ
ーボパターン長のいずれかの比を求め、その比と境界で
の比との差に基づき、境界に対する磁気ヘッド位置を決
定しても良い。サーボパターン長の測定値の比及び差の
利用により、それぞれの測定値の誤差が磁気ヘッド位置
の測定誤差に与える影響を低減できる。
【0037】上記の磁気ディスクで、第一と第二とのサ
ーボパターン長の和又は第一から第四までのサーボパタ
ーン長の和が、少なくとも内周部の複数のトラックにわ
たり所定の変化を示すように設定されたとき、上記の磁
気ヘッド位置制御装置では、磁気ヘッド位置情報生成部
が、第一と第二とのサーボパターン長との和又は第一か
ら第四までのサーボパターン長の和のいずれかについ
て、磁気ディスクの一回転間での実質的な周期的変化を
測定し、周期的変化の振幅に基づき磁気ディスクの偏芯
量を求めても良い。それにより、上記のサーボパターン
長を利用して磁気ディスクの偏芯量を容易にかつ正確に
測定できる。従って、その偏芯量によるサーボ制御の誤
差を十分低減できる。
【0038】上記の偏芯量の測定では、磁気ヘッド位置
情報生成部が更に、(A) 上記の和の周期的変化を磁気
ディスクの複数回転間で測定し;(B) 磁気ディスクの
一回転間での和の実質的な最大値、又は実質的な最小値
の少なくともいずれかのゆらぎを求め;(C) ゆらぎが
許容範囲内であるとき、磁気ヘッドが静止している、と
判断しても良い。磁気ディスクの偏芯量を正確に測定す
るには、磁気ヘッド位置が一定に維持されなければなら
ない。上記の磁気ヘッド位置制御装置は、上記のサーボ
パターン長を利用して磁気ヘッドの静止を容易にかつ正
確に判断できる。従って、偏芯量の測定を迅速に実行で
きる。その結果、アクチュエータは、磁気ヘッドを静止
させるための力を短時間だけ発生させれば良い。それ
故、偏芯量の測定時、アクチュエータ及び磁気ヘッド保
持部の負担を軽減できる。
【0039】本発明による磁気ヘッド位置制御プログラ
ムは、上記の磁気ヘッド位置制御装置で、CPUをサー
ボパターン長計測部、磁気ヘッド位置情報生成部、又は
制御量決定部の少なくとも一つとして機能させる。それ
により、磁気ヘッド位置制御装置の従来の構成で、本発
明による装置と同様な機能を発揮させ得る。特に、上記
の磁気ヘッド位置制御プログラムを記録媒体へ記録する
とき、その記録媒体を従来の磁気ヘッド位置制御装置に
組み込むだけで、その装置が本発明による装置と同様な
機能を容易に発揮できる。
【0040】本発明による磁気ヘッド位置制御方法は、
上記の磁気ディスクについて、磁気ヘッド位置に対する
サーボ制御を行うための方法であり、(A) 上記の磁気
ディスクから磁気ヘッドにより読み出された再生信号の
中から同期信号を検出するステップ;(B) 再生信号の
中から第一から第四までのサーボパターンのそれぞれに
対応するサーボ信号を識別し、サーボ信号の間隔に基づ
き第一から第四までのサーボパターン長を計測するステ
ップ;(C) 計測された第一から第四までのサーボパタ
ーン長に基づき、磁気ヘッド位置情報を計算するステッ
プ;及び、(D) 磁気ヘッド位置情報に基づき、磁気ヘ
ッドの移動用アクチュエータを制御するステップ;を有
する。ここで、磁気ディスクが第三及び第四のサーボパ
ターンを含まないときは、上記の磁気ヘッド位置制御方
法では、第一及び第二のサーボパターンのみが測定対象
とされれば良い。この磁気ヘッド位置制御方法では、サ
ーボパターン長の計測により磁気ヘッド位置が測定され
る。従って、磁気ヘッド位置に対するサーボ制御が高精
度で実行され得る。
【0041】上記の磁気ヘッド位置制御方法では、サー
ボパターン長を計測するステップが、サーボ信号の間隔
に実質的に比例した電圧を出力するサブステップを含ん
でも良い。その出力電圧に基づき、サーボ信号の間隔が
計算される。その他に、サーボパターン長を計測するス
テップが、(A) 基本クロックと、基本クロックの位相
をk/N周期だけずらした第k相クロック(Nは2以上の整
数であり、kは1からN−1までの整数である)と、のN個
の多相クロックを生成するサブステップ;(B) サーボ
信号の一つの検出時から次の一つの検出時までの間、多
相クロックのパルスをそれぞれカウントするサブステッ
プ;(C) パルスのそれぞれのカウントを平均するサブ
ステップ;及び、(D) そのカウントの平均値に基づき
サーボ信号の間隔を計算するサブステップ;を含んでも
良い。
【0042】上記の磁気ヘッド位置制御方法では、磁気
ヘッド位置情報を計算するステップが、(A) 第一のサ
ーボパターン長と第二のサーボパターン長との和に対
し、第一のサーボパターン長又は第二のサーボパターン
長のいずれかの比を求めるサブステップ;及び、(B)
求められた比とトラックの中心での比との差に基づき、
トラックの中心に対する磁気ヘッド位置を決定するサブ
ステップ;を含んでも良い。更に、上記の磁気ディスク
が第三及び第四のサーボパターンを含むときは、磁気ヘ
ッド位置情報を計算するステップが、(A) 第三のサー
ボパターン長と第四のサーボパターン長との差を求める
サブステップ;(B) 求められた差とトラックのそれぞ
れの境界での差と比較し、それらの大小から、磁気ヘッ
ド位置が境界に対して外側又は内側のいずれであるかを
判断するサブステップ;(C) 第一のサーボパターン長
と第二のサーボパターン長との和に対し、第一のサーボ
パターン長又は第二のサーボパターン長のいずれかの比
を求めるサブステップ;及び、(D) 求められた比と境
界での比との差に基づき、境界に対する磁気ヘッド位置
を決定するサブステップ;を含んでも良い。サーボパタ
ーン長の測定値の比及び差の利用により、それぞれの測
定値の誤差が磁気ヘッド位置の測定誤差に与える影響を
低減できる。
【0043】上記の磁気ディスクで、第一と第二とのサ
ーボパターン長の和又は第一から第四までのサーボパタ
ーン長の和が、少なくとも内周部の複数のトラックにわ
たり所定の変化を示すように設定されたとき;上記の磁
気ヘッド位置制御方法では、磁気ヘッド位置情報を計算
するステップが、(A) 第一と第二とのサーボパターン
長との和又は第一から第四までのサーボパターン長の和
のいずれかについて、磁気ディスクの一回転間での実質
的な周期的変化を測定するサブステップ;及び、(B)
周期的変化の振幅に基づき磁気ディスクの偏芯量を求め
るサブステップ;を含んでも良い。こうして、上記の磁
気ヘッド位置制御方法では、上記のサーボパターン長が
利用され、磁気ディスクの偏芯量が容易にかつ正確に測
定され得る。従って、その偏芯量によるサーボ制御の誤
差が十分低減され得る。
【0044】上記のサブステップに加え、磁気ヘッド位
置情報を計算するステップが更に、(A) 上記の和の周
期的変化を磁気ディスクの複数回転間で測定するサブス
テップ;(B) 磁気ディスクの一回転間での和の実質的
な最大値、又は実質的な最小値の少なくともいずれかの
ゆらぎを求めるサブステップ;及び、(C) ゆらぎが許
容範囲内であるとき、磁気ヘッドが静止している、と判
断するサブステップ;を含んでも良い。磁気ディスクの
偏芯量を正確に測定するには、磁気ヘッド位置が一定に
維持されなければならない。上記の磁気ヘッド位置制御
方法では、上記のサーボパターン長が利用され、磁気ヘ
ッドの静止が容易にかつ正確に判断され得る。従って、
偏芯量の測定が迅速に実行され得る。その結果、アクチ
ュエータは、磁気ヘッドを静止させるための力を短時間
だけ発生させれば良い。それ故、偏芯量の測定時で、ア
クチュエータ及び磁気ヘッド保持部の負担を軽減でき
る。
【0045】本発明による磁気ディスク記録再生装置
は、(A) 上記の本発明による磁気ディスク;(B) 磁気
ディスクをその中心周りに回転させるための磁気ディス
ク回転駆動部;(C) 磁気ディスクから再生信号を読み
出し、かつ磁気ディスクへ記録信号を書き込むための磁
気ヘッド;(D) 磁気ヘッドを実質上半径方向に移動さ
せるためのアクチュエータ;(E) 再生信号に対し、ア
ナログ/ディジタル変換を実行するための再生信号変換
部;(F) 再生信号の中から同期信号を検出するための
同期信号検出部;(G) 再生信号の中から第一から第四
までのサーボパターンのそれぞれに対応するサーボ信号
を識別し、サーボ信号の間隔に基づき第一から第四まで
のサーボパターン長を計測するためのサーボパターン長
計測部;(H) サーボパターン長計測部により計測され
た第一から第四までのサーボパターン長に基づき、磁気
ヘッド位置情報を計算するための磁気ヘッド位置情報生
成部;(I) 磁気ヘッド位置情報に基づき、アクチュエ
ータに対する制御量を計算するための制御量決定部;及
び、(J) 制御量に応じて、アクチュエータを駆動させ
るためのドライバ;を有する。ここで、磁気ディスクが
第三及び第四のサーボパターンを含まないときは、サー
ボパターン長計測部及び磁気ヘッド位置情報生成部は共
に、第一及び第二のサーボパターンのみを対象とすれば
良い。この磁気ディスク記録再生装置は、上記の本発明
による磁気ヘッド位置制御装置と同様な構成を含む。そ
れにより、サーボパターン長に基づき、磁気ヘッド位置
に対するサーボ制御を高精度で実行できる。
【0046】上記の磁気ディスクで、サーボセクタ内の
いずれかのサーボパターンが半径方向と平行な一端を持
つとき、上記の磁気ディスク記録再生装置が、(A) 基
本クロックと、基本クロックの位相をk/N周期だけずら
した第k相クロック(Nは2以上の整数であり、kは1からN
−1までの整数である)と、のN個のクロックから成る多
相クロックを生成し;(B) 多相クロックのそれぞれ
と、サーボパターンの半径方向と平行な一端を示すサー
ボ信号と、の間で位相を比較し、多相クロックの中から
サーボ信号の位相に最近の位相を持つクロックを一つ決
定し;(C) 決定されたクロックに同期して、磁気ヘッ
ドにデータの書き込みを実行させる;ための書き込み
部、を更に有しても良い。例えば、第二のサーボパター
ン又は第四のサーボパターンの末端が半径方向と平行で
あるとき、それらと実質上同相なクロックが選択されて
も良い。磁気ヘッドがサーボパターンの半径方向と平行
な一端の上を通過する時、対応するサーボ信号の位相
は、そのトラック上の磁気ヘッド位置に関わらず、実質
上一定である。上記の磁気ディスク記録再生装置は、多
相クロックの中から、上記のサーボ信号と1/N周期以下
の誤差で同相なクロックを選択できる。更に、データの
書き込みをその同相なクロックと同期させ、それによ
り、トラック上のデータの書き込み位置を高精度で制御
できる。
【0047】特に、上記の磁気ディスク記録再生装置
が、上記のサーボパターンに基づきセルフサーボライト
を実行するとき、その実行クロックとして、上記の同相
なクロックを利用しても良い。それにより、磁気ディス
ク記録再生装置がセルフサーボライトを高精度で実行で
きる。その結果、新たなサーボパターンに基づき測定さ
れた磁気ヘッド位置は、例えば組み立て時の磁気ディス
クの偏芯による誤差を実質上含まない。こうして、上記
の磁気ディスク記録再生装置は、例えば磁気転写による
サーボパターンの書き込みとセルフサーボライトとの組
合せにより、サーボパターン記録装置なしで、サーボパ
ターンを高精度で書き込み得る。それ故、上記の磁気デ
ィスク記録再生装置では、磁気ディスクについての製造
効率の向上と磁気ヘッド位置に対するサーボ制御の信頼
性の向上とが両立できる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最適な実施の形態
について、その好ましい実施例を挙げて、図面を参照し
つつ説明する。
【0049】《実施例1》図1は、本発明の実施例1に
よる磁気ディスク10に書き込まれたサーボセクタ1を示
す模式図である。磁気ディスク10は、例えばハードディ
スクドライブ(HDD)で用いられる。磁気ディスク10上
には、複数のトラックTが同心円状に書き込まれる。更
に、複数のサーボセクタ1が、放射状に、かつ磁気ディ
スク10の周方向で実質上等間隔に書き込まれている。H
DDでは、磁気ヘッドがスイングアームの先端に取り付
けられる。それに応じて、サーボセクタ1のそれぞれ
は、スイングアームの先端により描かれる円弧に沿った
形状を持つ。サーボセクタ1の間の各トラック上に、デ
ータが記録される。
【0050】図2は、図1に示されたサーボセクタ1の一
つの近傍を示す拡大模式図である。サーボセクタ1はそ
れぞれ周方向で、同期信号部11、第一のサーボパターン
21、第二のサーボパターン22、第三のサーボパターン2
3、及び第四のサーボパターン24を順に含む。同期信号
部11は、サーボセクタ1の先頭位置を示す同期信号を記
録する。同期信号部11では、同期信号の他に、例えば、
交差するトラックのそれぞれのトラック番号が、それぞ
れのトラックとの交差領域に書き込まれても良い。
【0051】第一のサーボパターン21は、半径方向に対
して平行な先端部2aと傾いた末端部2bとを持つ。先端部
2a及び末端部2bは共に半径方向で連続している。末端部
2bは、奇数のトラック番号を持つトラック(奇数トラッ
ク)To上ではその外側から内側に向けて、先端部2aとの
距離を直線的に狭める。一方、偶数のトラック番号を持
つトラック(偶数トラック)Te上ではその外側から内側に
向けて、先端部2aとの距離を直線的に拡げる。第二のサ
ーボパターン22は、半径方向に対して傾いた先端部2bと
平行な末端部2cとを持つ。ここで、第二のサーボパター
ン22の先端部2bは、第一のサーボパターン21の末端部2b
と共通である。更に、末端部2cは半径方向で連続してい
る。
【0052】第一のサーボパターン21の先端部2aから末
端部2bまでの距離として第一のサーボパターン長Aが、
第二のサーボパターン22の先端部2bから末端部2cまでの
距離として第二のサーボパターン長Bが、それぞれ定義
される。第一のサーボパターン長Aと第二のサーボパタ
ーン長Bとの和A+Bは、各トラックTo及びTe上で一定で
ある。従って、第一のサーボパターン長Aが各トラックT
o及びTe上で半径方向に直線的に変化するとき、その変
化に対し相補的に、第二のサーボパターン長Bは変化す
る。更に、第一のサーボパターン長Aと第二のサーボパ
ターン長Bとは、各トラックの中心ToC及びTeC上で実質
的に等しい。
【0053】第三のサーボパターン23は、半径方向に対
して平行な先端部2cと傾いた末端部2dとを持つ。ここ
で、第三のサーボパターン23の先端部2cは、第二のサー
ボパターン22の末端部2cと共通である。第三のサーボパ
ターン23の末端部2dは半径方向で連続し、奇数トラック
Toの中心ToCからその内側の偶数トラックTeの中心TeCに
向けて、先端部2cとの距離を直線的に狭める。一方、偶
数トラックTeの中心TeCからその内側の奇数トラックTo
の中心ToCに向けて、先端部2cとの距離を直線的に拡げ
る。第四のサーボパターン24は、半径方向に対して傾い
た先端部2dと平行な末端部2eとを持つ。ここで、第四の
サーボパターン24の先端部2dは、第三のサーボパターン
23の末端部2dと共通である。更に、末端部2eは半径方向
で連続している。
【0054】第三のサーボパターン23の先端部2cから末
端部2dまでの距離として第三のサーボパターン長Cが、
第四のサーボパターン24の先端部2dから末端部2eまでの
距離として第四のサーボパターン長Dが、それぞれ定義
される。第三のサーボパターン長Cと第四のサーボパタ
ーン長Dとの和C+Dは、各トラックTo及びTe上で一定で
ある。従って、第三のサーボパターン長Cが各トラックT
上で半径方向に直線的に変化するとき、その変化に対し
相補的に、第四のサーボパターン長Dは変化する。更
に、第三のサーボパターン長Cと第四のサーボパターン
長Dとは、各トラックの境界TBo及びTBi上で実質的に等
しい。
【0055】第一から第四までのサーボパターン21〜24
の先端部及び末端部2a〜2eはそれぞれ、二つの磁化転移
領域M-とM+とを周方向の境界として持つ。磁化転移領域
M-及びM+のそれぞれの周方向での前後で、磁化が反転す
る。ここで、磁化転移領域M-及びM+の周方向の長さは他
の領域に比べ、十分に短い。磁化反転の向きは、第一の
磁化転移領域M-と第二の磁化転移領域M+とで逆である。
サーボパターン21〜24の先端部及び末端部2a〜2eはいず
れも、第一の磁化転移領域M-を前端とし、かつ第二の磁
化転移領域M+を後端とする。
【0056】サーボセクタ1は、好ましくは磁気転写に
より、磁気ディスク10へ書き込まれる。その他に、ST
Wのような専用のサーボパターン記録装置で書き込んで
も良い。磁気転写によるサーボパターンの書き込みで
は、例えば上記の磁化転移領域M+又はM-の周方向の長さ
にばらつきが生じやすい。しかし、実施例1による磁気
ディスク10に対しては以下のように、サーボパターン長
に基づき磁気ヘッド位置をサーボ制御できる。従って、
バースト信号の振幅に基づく従来のサーボ制御とは異な
り、サーボ制御の精度が、磁気転写によるサーボパター
ンの書き込み誤差には実質上依存せず、高く維持され
る。それ故、実施例1による磁気ディスク10について
は、磁気ヘッド位置に対するサーボ制御が高精度に維持
され、かつ、サーボパターンの書き込みが迅速に実行さ
れる。
【0057】図3は、磁気ディスク10上での磁気ヘッドH
の中心の軌跡Cと、磁気ヘッドHがその軌跡Cに沿って移
動する間に再生するサーボ信号Sの波形とを示す図であ
る。図3の(a)は、磁気ヘッドHの中心(磁気ヘッド位置)
の軌跡Cとサーボセクタ1との位置関係を示す。図3の(b)
は、その軌跡Cに対応するサーボ信号Sの波形図である。
ここで、磁気ディスク10へデータが長手磁化により記録
されるときを想定している。
【0058】磁気ヘッドHは、サーボパターン21〜24の
それぞれの先端部及び末端部2a〜2eを通過するごとに、
サーボ信号SのパルスSa〜Seを再生する。そのとき、磁
気ヘッドHの感度はその中心で最も高いので、サーボ信
号SのパルスSa〜Seは、磁気ヘッドHの中心と磁化転移領
域M-又はM+との交差時で、ピークに達する。更に、パル
スSa〜Seのピークの極性は、例えば、第一の磁化転移領
域M-では負で、第二の磁化転移領域M+では正である。従
って、同極性のピークの間隔から、対応するサーボパタ
ーン長A〜Dが計測できる。すなわち、パルスの正ピーク
間隔A+、B+、C+、及びD+、負ピーク間隔A-、B-、C-、及
びD-、又はそれらの平均に基づき、第一から第四までの
サーボパターン長A、B、C、及びDがそれぞれ決定され
る。
【0059】第一のサーボパターン長Aと第二のサーボ
パターン長Bとの比A:Bは、各トラックの範囲では、ト
ラック中心TCに対する磁気ヘッド位置Cと実質上一対一
に対応する。従って、例えばサーボパターン長比A:Bの
計測により、磁気ヘッド位置が少なくともトラック中心
TCの近傍では一意に決定できる。
【0060】トラックの境界TBo又はTBi近傍では、隣接
するトラックのそれぞれに、上記のサーボパターン長比
A:Bが同値となる磁気ヘッド位置が存在する。従って、
上記のサーボパターン長比A:Bだけでは、それらを区別
できない。そこで、例えば第三のサーボパターン長Cと
第四のサーボパターン長Dとの差を計測する。その差は
トラック境界TBo及びTBiの内外で符号を反転させるの
で、その差の正負により、隣接するトラックのいずれに
磁気ヘッド位置があるのかを判断できる。
【0061】こうして、実施例1による磁気ディスク10
では、サーボパターン21〜24のそれぞれの周方向の長さ
(サーボパターン長A〜D)をサーボ信号Sのピーク位置か
ら計測し、それらに基づき磁気ヘッド位置を測定でき
る。特に磁気転写によるサーボパターンの書き込みで
は、サーボパターンの成形誤差に起因するサーボ信号S
のピーク位置の誤差が、振幅の誤差に比べ小さい。従っ
て、特に磁気転写により書き込まれたサーボパターン21
〜24については、サーボパターン長A〜Dの計測に基づく
磁気ヘッド位置の測定は、従来のサーボ制御のようなバ
ースト信号の振幅に基づく測定より一般に高精度であ
る。
【0062】《実施例2》図4は、本発明の実施例2に
よる磁気ディスク記録再生装置の磁気ヘッド位置制御に
関するブロック図である。実施例2による磁気ディスク
記録再生装置は、実施例1による磁気ディスク10を含む
HDDである。ここで、磁気ディスク10についての説明
は実施例1のものを援用する。
【0063】スピンドルモータ(SPM)34は磁気ディス
ク10を、その中心の周りに実質的に一定回転数で回転さ
せる。磁気ヘッド31はスイングアーム32の先端に固定さ
れ、回転中の磁気ディスク10の表面からごくわずかに浮
上する。その状態で、磁気ディスク10に対して磁気信号
を書き込み、又は、磁気ディスク10に記録された磁気信
号を読み出す。ボイスコイルモータ(VCM)33はアクチ
ュエータであり、ドライバ6から供給される電力に応じ
たトルクをスイングアーム32へ印加し、スイングアーム
32を回動させる。それにより、磁気ヘッド31を磁気ディ
スク10の所定のトラック上に移動する。
【0064】アナログ/ディジタル(AD)変換部4は、
磁気ヘッド31により磁気ディスク10から読み出された再
生信号を入力する。AD変換部4はヘッドアンプ41、自
動利得調整(AGC)アンプ42、及び二値化回路43を含
む。ヘッドアンプ41は、磁気ヘッド31からの再生信号を
増幅する。AGCアンプ42は、ヘッドアンプ41により増
幅された再生信号の振幅を調整する。二値化回路43は、
AGCアンプ42から入力した再生信号を、ディジタル信
号へ変換する。
【0065】ディジタル化された再生信号は、磁気ヘッ
ド位置制御部5へ入力される。磁気ヘッド位置制御部5
は、同期信号検出部51、サーボパターン長計測部52、磁
気ヘッド位置情報生成部53、及び制御量決定部54を含
む。同期信号検出部51は、再生信号の中から、サーボセ
クタ1の同期信号部11(図1及び図2参照)に書き込まれた
同期信号を検出する。サーボパターン長計測部52は、同
期信号に続く再生信号の中から、サーボセクタ1の第一
から第四までのサーボパターン21〜24(図2参照)に書き
込まれたサーボ信号S(図3参照)を検出する。更に、サー
ボ信号Sの五つのパルスSa〜Seのピーク間隔を計測し、
それらのピーク間隔に基づき、第一から第四までのサー
ボパターン長A〜Dを決定する。磁気ヘッド位置情報生成
部53は、第一から第四までのサーボパターン長A〜Dに基
づき、磁気ディスク10のトラックに対する磁気ヘッド位
置を計算し、その計算結果を磁気ヘッド位置情報として
出力する。制御量決定部54は、磁気ヘッド位置情報に基
づき、磁気ヘッド位置と目標トラックの中心とのずれを
計算し、そのずれに応じて、VCM33に対する制御量を
計算する。
【0066】ドライバ6は、制御量決定部54により決定
された制御量に基づき、VCM33へ供給すべき電力を決
定する。こうして、磁気ヘッド位置が目標トラックの中
心と正確に一致するように制御される。
【0067】(サーボパターン長計測部52の内部構成と
動作)実施例2では、サーボパターン長計測部52が以下
のように、サーボ信号SのパルスSa〜Seから、第一のサ
ーボパターン長A、第一と第二とのサーボパターン長の
和A+B、第三のサーボパターン長C、及び第三と第四と
のサーボパターン長の和C+Dを計測する。図5は実施例
2によるサーボパターン長計測部52のブロック図であ
る。実施例2では、サーボパターン長計測部52が、パル
ス識別部71、積分部72、AD変換器73、及び平均部74を
含む。
【0068】パルス識別部71は、磁気ヘッド31からの再
生信号の内、同期信号に続く部分からサーボ信号Sの各
パルスSa〜Sdを識別する。特に、パルスSa〜Seのそれぞ
れについて、負ピーク及び正ピークの検出と同時に、そ
れぞれのピークに対応する八つの制御信号Pa-、Pa+、Pb
-、Pb+、Pc-、Pc+、Pd-、及びPd+を、後述のようにアサ
ートし、又はネゲートする。ここで、八つの制御信号Pa
-〜Pd+はいずれも二値信号であり、例えばそのハイレベ
ルがアクティブを示す。
【0069】八つの積分部72は、八つの制御信号Pa-〜P
d+のそれぞれに対し一つずつ対応する。磁気ヘッド31が
サーボセクタ1の一つを通過する間、積分部72は対応す
る制御信号を積分する。積分部72は、いずれの制御信号
Pa-〜Pd+に対しても同様な構成を持つ。図5は第一の制
御信号Pa-に対する積分部72についてのみ、内部構成を
示す。第一の制御信号Pa-は積分回路72aへ入力される。
更に、積分回路72aの出力は増幅回路72bへ入力される。
積分回路72a及び増幅回路72bはそれぞれ、例えば図5に
示されているように、オペアンプを用いた通常のもので
も良い。こうして、積分部72の出力電圧Va-、Va+、Vb
-、Vb+、Vc-、Vc+、Vd-、及びVd+は、それぞれ対応する
制御信号Pa-〜Pd+の積分値に比例する。
【0070】八つのAD変換器73は、八つの積分部72の
それぞれに一つずつ対応し、積分部72の出力電圧Va-〜V
d+をディジタル信号へ変換する。それにより、制御信号
Pa-、Pa+、Pb-、Pb+、Pc-、Pc+、Pd-、及びPd+の積分値
が、第一の負ピーク間隔A-、第一の正ピーク間隔A+、第
一の負ピーク間隔A-と第二の負ピーク間隔B-との和(A-)
+(B-)、第一の正ピーク間隔A+と第二の正ピーク間隔B+
との和(A+)+(B+)、第三の負ピーク間隔C-、第三の正ピ
ーク間隔C+、第三の負ピーク間隔C-と第四の負ピーク間
隔D-との和(C-)+(D-)、及び、第三の正ピーク間隔C+と
第四の正ピーク間隔D+との和(C+)+(D+)を示すディジタ
ル信号へ、それぞれ変換される。
【0071】四つの平均部74は、互いに対応する負ピー
ク間隔と正ピーク間隔との平均を計算する。それによ
り、第一の負ピーク間隔A-と第一の正ピーク間隔A+との
平均が第一のサーボパターン長Aとして;第一と第二と
の負ピーク間隔の和(A-)+(B-)及び第一と第二との正ピ
ーク間隔の和(A+)+(B+)の平均が、第一と第二とのサー
ボパターン長の和A+Bとして;第三の負ピーク間隔C-と
第三の正ピーク間隔C+との平均が第三のサーボパターン
長Cとして;第三と第四との負ピーク間隔の和(C-)+(D
-)及び第三と第四との正ピーク間隔の和(C+)+(D+)の平
均が、第三と第四とのサーボパターン長の和C+Dとし
て;それぞれ出力される。
【0072】図6は、サーボ信号Sの五つのパルスSa〜S
e、実施例2によるサーボパターン長計測部52での八つ
の制御信号Pa-〜Pd+、及び制御信号のそれぞれに対応す
る積分部72の出力電圧Va-〜Vd+の波形図である。サーボ
信号Sの第一のパルスSaが入力される時、パルス識別部7
1は、第一のパルスSaの負ピークと同期して第一の制御
信号Pa-と第三の制御信号Pb-とをアサートし、第一のパ
ルスSaの正ピークと同期して第二の制御信号Pa+と第四
の制御信号Pb+とをアサートする。サーボ信号Sの第二の
パルスSbが入力される時、パルス識別部71は、第二のパ
ルスSbの負ピークと同期して第一の制御信号Pa-をネゲ
ートし、第二のパルスSbの正ピークと同期して第二の制
御信号Pa+をネゲートする。
【0073】第一の制御信号Pa-はアクティブの間、ハ
イレベルに維持される。従って、第一の制御信号Pa-の
積分値に対応する第一の出力電圧Va-は、直線的に増大
する。その結果、第二のパルスSbの入力後、第一の出力
電圧Va-は第一の負ピーク間隔A-に比例する。同様に、
第二のパルスSbの入力後、第二の制御信号Pa+の積分値
に対応する第二の出力電圧Va+は、第一の正ピーク間隔A
+に比例する。
【0074】サーボ信号Sの第三のパルスScが入力され
る時、パルス識別部71は、第三のパルスScの負ピークと
同期して第三の制御信号Pb-をネゲートし、第三のパル
スScの正ピークと同期して第四の制御信号Pb+をネゲー
トする。その結果、第三のパルスScの入力後、第三の制
御信号Pb-の積分値に対応する第三の出力電圧Vb-は第一
と第二との負ピーク間隔の和(A-)+(B-)に、第四の制御
信号Pb+の積分値に対応する第四の出力電圧Vb+は第一と
第二との正ピーク間隔の和(A+)+(B+)に、それぞれ比例
する。
【0075】サーボ信号Sの第三のパルスScが入力され
る時、パルス識別部71は更に、第三のパルスScの負ピー
クと同期して第五の制御信号Pc-と第七の制御信号Pd-と
をアサートし、第三のパルスScの正ピークと同期して第
六の制御信号Pc+と第八の制御信号Pd+とをアサートす
る。サーボ信号Sの第四のパルスSdが入力される時、パ
ルス識別部71は、第四のパルスSdの負ピークと同期して
第五の制御信号Pc-をネゲートし、第四のパルスSdの正
ピークと同期して第六の制御信号Pc+をネゲートする。
その結果、第四のパルスSdの入力後、第五の制御信号Pc
-の積分値に対応する第五の出力電圧Vc-は第三の負ピー
ク間隔C-に、第六の制御信号Pc+の積分値に対応する第
六の出力電圧Vc+は第三の正ピーク間隔C+に、それぞれ
比例する。
【0076】サーボ信号Sの第五のパルスSeが入力され
る時、パルス識別部71は、第五のパルスSeの負ピークと
同期して第七の制御信号Pd-をネゲートし、第五のパル
スSeの正ピークと同期して第八の制御信号Pd+をネゲー
トする。その結果、第五のパルスSeの入力後、第七の制
御信号Pd-の積分値に対応する第七の出力電圧Vd-は第三
と第四との負ピーク間隔の和(C-)+(D-)に、第八の制御
信号Pd+の積分値に対応する第八の出力電圧Vd+は第三と
第四との正ピーク間隔の和(C+)+(D+)に、それぞれ比例
する。
【0077】こうして、実施例2によるサーボパターン
長計測部52では、積分部72により、サーボ信号Sのパル
スSa〜Seの負ピーク間隔及び正ピーク間隔が計測され
る。更に、それらの平均により、第一のサーボパターン
長A、第一と第二とのサーボパターン長の和A+B、第三
のサーボパターン長C、及び、第三と第四とのサーボパ
ターン長の和C+Dが決定される。但し、サーボパターン
長計測部52が、サーボパターン長の和A+B又はC+Dに代
えて、第二のサーボパターン長B又は第四のサーボパタ
ーン長Dを計測しても良い。
【0078】(磁気ヘッド位置情報生成部53の動作)磁気
ヘッド位置情報生成部53は以下のように、磁気ヘッド位
置Mを計算し、磁気ヘッド位置情報を出力する。ここ
で、磁気ヘッド位置情報生成部53により決定される磁気
ヘッド位置Mは、隣接する二つのトラックごとに磁気ヘ
ッド位置を一意に特定できる。磁気ヘッド位置が目標ト
ラックから2トラック以上外れることは稀であるので、
磁気ヘッド位置Mに基づいたサーボ制御は十分高精度で
ある。図7は、磁気ヘッド位置情報生成部53による磁気
ヘッド位置情報の生成方法を示すフローチャートであ
る。
【0079】ステップS1:サーボパターン長計測部52か
ら、第一のサーボパターン長A、第一と第二とのサーボ
パターン長の和A+B、第三のサーボパターン長C、及び
第三と第四とのサーボパターン長の和C+Dを入力する。 ステップS2:第三のサーボパターン長C、及び、第三と
第四とのサーボパターン長の和C+Dの差から、第四のサ
ーボパターン長Dを計算する:D=(C+D)−C。 ステップS3:第三のサーボパターン長Cと第四のサーボ
パターン長Dとの大小を比較する。第三のサーボパター
ン長Cが第四のサーボパターン長Dより大きい(C>D)とき
ステップS4aへ、それ以外(C≦D)のときステップS4bへ、
処理が分岐する。第三のサーボパターン長Cと第四のサ
ーボパターン長Dとはトラックの境界で実質的に等し
く、隣接するトラックでは互いに大小が逆である。例え
ば図2では、奇数トラックToではC>Dであり、偶数トラ
ックTeではC<Dである。従って、ステップS3では、磁気
ヘッド位置が奇数トラック又は偶数トラックのいずれに
あるかに応じ、処理が分岐する。
【0080】ステップS4a:C>Dのとき、図2では磁気ヘ
ッド位置が奇数トラックToにある。そのとき、磁気ヘッ
ド位置Mが次式(1)で決定される:
【0081】 M=Kp(B/(A+B)−Rp) (1)
【0082】ここで、基準値Rpは、奇数トラックToの外
側境界TBoでの、第一と第二とのサーボパターン長の和
(A+B)0に対する第二のサーボパターン長B0の比であ
る:Rp=B0/(A+B)0。ゲインKpはトラック幅Tを用い
て、次式で表される:Kp=T/(1−2Rp)。図2では、奇数
トラックToの外側境界TBoで、第二のサーボパターン長B
0が極小である。従って、磁気ヘッド位置Mは奇数トラッ
クToでは正である。
【0083】ステップS4b:C≦Dのとき、図2では磁気ヘ
ッド位置が、境界TBo、TBi、又は偶数トラックTeにあ
る。そのとき、磁気ヘッド位置Mが次式(2)で決定され
る:
【0084】 M=Km(A/(A+B)−Rm) (2)
【0085】ここで、基準値Rmは、奇数トラックToの外
側境界TBoでの、第一と第二とのサーボパターン長の和
(A+B)0に対する第一のサーボパターン長A0の比であ
る:Rm=A0/(A+B)0。ゲインKmはトラック幅Tを用い
て、次式で表される:Km=T/(1−2Rm)。図2では、奇数
トラックToの外側境界TBoで、第一のサーボパターン長A
0が極大である。従って、磁気ヘッド位置Mは偶数トラッ
クTeでは負である。
【0086】ステップS5:磁気ヘッド位置Mを含む磁気
ヘッド位置情報が生成され、制御量決定部54へ出力され
る。磁気ヘッド位置情報生成部53により決定される磁気
ヘッド位置Mはその極性により、磁気ヘッド位置が奇数
トラックTo又は偶数トラックTeのいずれにあるかを表
す。その結果、実施例2では磁気ヘッド位置が、奇数ト
ラックToの外側境界TBoの内、最近のものに対する相対
位置Mで特定される。こうして、隣接する二つのトラッ
クごとに、磁気ヘッド位置が一意に特定される。上記の
例では、基準値Rp及びRmが奇数トラックToの外側境界TB
oでの値で定義される。その他に、奇数トラックToの内
側境界TBiでの値で定義されても良い。そのとき、磁気
ヘッド位置Mの極性が上記の例とは逆である。
【0087】《実施例3》実施例3による磁気ディスク
記録再生装置では、サーボパターン長計測部52が実施例
2によるもの(図5参照)とは異なり、積分部72に代えて
タイマカウンタを含む。その他の構成及び動作について
は実施例2によるものと同様である。従って、それらの
同様な構成に対しては実施例2と同じ符号を付し、それ
らの同様な構成及び動作についての説明は実施例2のも
のを援用する。
【0088】実施例3では、サーボパターン長計測部52
が以下のように、サーボ信号SのパルスSa〜Seから、第
一のサーボパターン長A、第一と第二とのサーボパター
ン長の和A+B、第三のサーボパターン長C、及び第三と
第四とのサーボパターン長の和C+Dを計測する。図8
は、実施例3によるサーボパターン長計測部52を示すブ
ロック図である。実施例3では、サーボパターン長計測
部52が、実施例2と同様なパルス識別部71と平均部74と
の他に、タイマカウンタ72Aを含む。
【0089】タイマカウンタ72Aは、多相クロック発生
部72c、マルチカウンタ72d、及びカウント平均部72eを
含む。多相クロック発生部72cは、磁気ヘッド31からの
同期信号に基づき、その同期信号と実質的に同期した基
本クロックCL0を発生する。更に、基本クロックCL0の位
相をk/N周期だけずらした第k相クロックCLkを生成す
る。ここで、Nは2以上の整数であり、kは1からN−1まで
の整数である。従って、多相クロック発生部72cは基本
クロックCL0と、第1相クロックCL1から第(N−1)相クロ
ックCL(N−1)までの計N個のクロックを発生し、パラレ
ルに出力する。
【0090】八つのマルチカウンタ72dは、八つの制御
信号Pa-〜Pd+のそれぞれに対し一つずつ対応する。マル
チカウンタ72dは、対応する制御信号をトリガとし、そ
の制御信号のアクティブ期間で、多相クロックCL0〜CL
(N−1)のそれぞれのパルスをカウントする。そのカウン
トは、例えばクロックパルスの立ち上がりごとに実行さ
れる。
【0091】八つのカウント平均部72eは、八つのマル
チカウンタ72dのそれぞれに一つずつ対応し、マルチカ
ウンタ72dのN個のカウント値を平均する。それらの平均
値により、基本クロックCL0の周期を単位として、制御
信号Pa-、Pa+、Pb-、Pb+、Pc-、Pc+、Pd-、及びPd+のア
クティブ期間、すなわち、第一の負ピーク間隔A-、第一
の正ピーク間隔A+、第一と第二との負ピーク間隔の和(A
-)+(B-)、第一と第二との正ピーク間隔の和(A+)+(B
+)、第三の負ピーク間隔C-、第三の正ピーク間隔C+、第
三と第四との負ピーク間隔の和(C-)+(D-)、及び、第三
と第四との正ピーク間隔の和(C+)+(D+)が表される。
【0092】四つの平均部74は実施例2と同様に、互い
に対応する負ピーク間隔と正ピーク間隔との平均を計算
する。その結果、第一のサーボパターン長A、第一と第
二とのサーボパターン長の和A+B、第三のサーボパター
ン長C、及び、第三と第四とのサーボパターン長の和C+
Dが、それぞれ出力される。
【0093】マルチカウンタ72dによるカウントは、い
ずれの制御信号Pa-〜Pd+に対しても同様である。図9
は、制御信号P、及び多相クロックCL0〜CL(N−1)の波形
図である。ここで、制御信号Pは上記の制御信号Pa-〜Pd
+のいずれかである。制御信号Pが、基本クロックCL0の
ある周期(以下、第1周期とする)内でアサートされ、第1
周期から数えてn番目の周期(以下、第n周期とする)内で
ネゲートされるときを想定する。ここで、基本クロック
CL0の周期は、パルスの立ち上がりの間で定義される。
【0094】基本クロックCL0の一周期の長さをtで表
す。制御信号Pのアサート時刻PAが、基本クロックCL0の
第1周期内のパルスc1の立ち上がりから時間mt/N後、時
間(m+1)t/N以前であるとする: mt/N<PA≦(m+1)t
/N。ここで、mは0〜N−1のいずれかの整数である。一
方、制御信号Pのネゲート時刻PNが、基本クロックCL0の
第n周期内のパルスcnの立ち上がりから時間pt/N以後、
時間(p+1)t/N前であるとする: pt/N≦P N<(p+1)t
/N。ここで、pは0〜N−1のいずれかの整数である。
【0095】上記の場合、基本クロックCL0について
は、第1周期内のパルスc1から数えて2〜n番目のパルスc
2〜cnがカウントされる。ここで、図9では、カウントさ
れるパルスの立ち上がりが上向きの矢印で示されてい
る。それらのパルスの内、2〜(n−1)番目のパルスc2〜c
(n−1)に対応する(n−2)個のパルスは、第1相クロックC
L1〜第(N−1)相クロックCL(N−1)のそれぞれで共通にカ
ウントされる。従って、それらのカウントの平均値はn
−2である。
【0096】基本クロックCL0の第1周期内のパルスc1に
対応するパルスについては、第1相クロックCL1〜第m相
クロックCLmではカウントされず、第(m+1)相クロックC
L(m+1)〜第(N−1)相クロックCL(N−1)ではカウントさ
れる。従って、それらのカウントの平均値は(N−m)/N
である。
【0097】基本クロックCL0の第n周期内のパルスcnに
対応するパルスについては、第1相クロックCL1〜第p相
クロックCLpではカウントされ、第(p+1)相クロックCL
(p+1)〜第(N−1)相クロックCL(N−1)ではカウントされ
ない。従って、それらのカウントの平均値はp/Nであ
る。
【0098】以上の結果、制御信号Pのアクティブ期間
でカウントされたマルチカウンタ72dのカウントの平均
値は、(n−2)+(N−m)/N+p/Nである。こうして、タ
イマカウンタ72Aは、基本クロックCL0の一周期長tを単
位として、制御信号のアクティブ期間を計測する。その
とき、計測の分解能は基本クロックCL0の1/N周期t/N
に等しい。従って、基本クロックCL0の一周期長tが十分
に短く、又は多相クロックの数Nが十分に大きいとき、
実施例3によるサーボパターン長計測部52は高精度でサ
ーボパターン長を計測できる。
【0099】実施例3についても実施例2と同様に、サ
ーボパターン長計測部52が、サーボパターン長の和A+B
又はC+Dに代えて、第二のサーボパターン長B又は第四
のサーボパターン長Dを計測しても良い。
【0100】《実施例4》実施例1による磁気ディスク
では、サーボセクタが好ましくは磁気転写により書き込
まれる。磁気転写によるサーボパターンの書き込みは、
磁気ディスクをHDDへ組み込む前に実行される。しか
し、磁気ディスクの組み込み工程では、磁気ディスクの
中心が外部からの衝撃又は振動、及び各部材の寸法誤差
等で、SPMによる回転中心からずれやすい。従って、
サーボパターンの書き込みに磁気転写を用いたとき、サ
ーボパターンに基づき測定された磁気ヘッド位置が磁気
ディスクの偏芯による誤差を一般に含む。
【0101】図10は、実施例1による磁気ディスク10に
ついて、その偏芯を示す図である。SPMによる回転中
心Cδが磁気ディスク10の中心Cから偏芯量δだけずれた
とき、磁気ヘッドにより実際にデータが書き込まれるト
ラックTδは、サーボセクタ1の書き込みで想定されたト
ラックTから図10の通りずれる。すなわち、実際のトラ
ックTδは想定上のトラックTに対し、偏芯方向では磁気
ディスク10の外側へ、その逆方向では内側へ、それぞれ
ずれる。実際のトラックTδと想定上のトラックTとのず
れは、偏芯量δで決まる。従って、磁気ヘッド位置のサ
ーボ制御では、サーボセクタ1のサーボパターンに基づ
き測定された磁気ヘッド位置が、磁気ディスク10の偏芯
量δに基づき補正されなければならない。
【0102】本発明の実施例4によるHDDでは、磁気
ディスク10が実施例1と同様なサーボセクタ1を含む。
更に、第一から第四までのサーボパターン長の和(以
下、サーボパターン全長という)A+B+C+D(図2参照)
が、少なくとも内周部の複数のトラックにわたり、共通
の円周角を持つ円弧の長さに等しいように設定される。
その結果、サーボパターン全長A+B+C+Dが、想定上の
トラックTの半径に比例して変化する。従って、磁気デ
ィスク10が図10のように偏芯したとき、実際のトラック
Tδとサーボセクタ1との交差部から計測されるサーボパ
ターン全長A+B+C+Dが、磁気ディスク10の偏芯量δに
比例した振幅で、かつ磁気ディスク10の回転と同じ周期
で、正弦波的に変化する。
【0103】実施例4によるHDDは以下の構成によ
り、磁気ヘッド31を磁気ディスク10の内周部上の一定位
置に固定し、磁気ディスク10の回転に伴うサーボパター
ン全長A+B+C+Dの周期的変化を測定する。それによ
り、その周期的変化の振幅を求め、その振幅に基づき磁
気ディスク10の偏芯量δを決定する。図11は、実施例4
によるHDDの平面図である。図11では、HDD内部を
示すために、筐体91の上面及びVCM33の上側ヨークが
除去されている。
【0104】スイングアーム32の先端部は磁気ヘッド31
を保持し、末端部はVCM33を構成する。スイングアー
ム32は末端部のVCM33の作用により、回転軸95を中心
にして回動する。それにより、磁気ヘッド31が磁気ディ
スク10の表面上を半径方向に移動する。スイングアーム
32の回動範囲は、スイングアーム32と内周側クラッシュ
ストップ92又は外周側クラッシュストップ94との接触に
より制限される。ここで、クラッシュストップ92及び94
はいずれも円柱形状の突起である。特に、内周側クラッ
シュストップ92は、スイングアーム32との接触面近傍に
スイッチ93を持つ。スイッチ93は内周側クラッシュスト
ップ92とスイングアーム32との接触時にオンする。それ
により、所定の電気信号が出力される。その電気信号の
検出時、VCM33からスイングアーム32へ印加されるト
ルクが弱められる。それにより、内周側クラッシュスト
ップ92との接触時、スイングアーム32への過大なトルク
の印加が回避される。
【0105】実施例4によるHDDは、磁気ディスク10
の偏芯量δの測定時、スイングアーム32を回動させ、内
周側クラッシュストップ92と接触させる。更に、スイッ
チ93のターンオン後、VCM33からスイングアーム32へ
のトルクを弱め、スイッチ9のオン状態を維持する範囲
内でトルクを調整する。それにより、スイングアーム32
へ過大なトルクを与えることなく、磁気ヘッド31が磁気
ディスク10の内周部上の一定位置に維持される。
【0106】図12は、実施例4によるHDDでの磁気デ
ィスク10に対する偏芯量δの測定方法を示すフローチャ
ートである。 ステップS10:ドライバ6(図4参照)によりスイングアー
ム32を回動させ、磁気ヘッド31を最内周トラック上へ移
動する。ここで、最内周トラックは、スイングアーム32
と内周側クラッシュストップ92との接触時での磁気ヘッ
ド位置に相当するトラックである。但し、サーボセクタ
1は、最内周トラックよりも更に内周部まで書き込まれ
ている。 ステップS11:内周側クラッシュストップ92のスイッチ9
3がオンであることを確認する。その確認は、例えば磁
気ヘッド位置情報生成部53により実行される。
【0107】ステップS12:サーボパターン長計測部52
が最内周トラックと交差する全てのサーボセクタ1につ
いて、第一と第二とのサーボパターン長の和A+B、及び
第三と第四とのサーボパターン長の和C+Dを計測する。
更に、それらの和A+B+C+Dを計算する。図13は、磁気
ディスク10の一回転の間にステップS12で計測されたサ
ーボパターン全長A+B+C+Dの変化を示すグラフであ
る。図13では、横軸が磁気ディスク10の一回転間の時間
を、縦軸がサーボパターン全長A+B+C+Dの実質的な平
均値からの相対的変化量を、それぞれ示す。ここで、サ
ーボパターン全長A+B+C+Dの実質的な平均値が0で示
されている。サーボパターン全長A+B+C+Dの計測値は
図13に示されている通り、磁気ディスク10の回転周波数
程度で正弦波状に大きく変化する。 ステップS13:サーボパターン長計測部52はサーボパタ
ーン全長A+B+C+Dの計測値の変化から磁気ディスク10
の一回転間での最大値Ma及び最小値Miを求め、保持す
る。
【0108】ステップS14:計測開始以後の磁気ディス
ク10の回転回数を、所定数(例えば、正整数L)と比較す
る。両方が等しいときはステップS15へ処理を分岐す
る。それ以外ではステップS12へ処理を戻す。こうし
て、磁気ディスク10が所定数Lだけ回転する間、サーボ
パターン全長A+B+C+Dの計測が繰り返され、各回転ご
との最大値Ma及び最小値Miが保持される。その結果、最
大値Ma及び最小値MiがそれぞれL個ずつ求められる。
【0109】ステップS15:サーボパターン長計測部52
は、保持しているL個の最大値Maからそのばらつきを求
める。同様に、L個の最小値Miからそのばらつきを求め
る。 ステップS16:磁気ディスク10の一回転間でのサーボパ
ターン全長A+B+C+Dの最大値Ma及び最小値Miのそれぞ
れのばらつきが許容範囲内であるか否かを、サーボパタ
ーン長計測部52が判断する。ここで、許容範囲は、例え
ばサーボパターン長の計測誤差程度に設定される。最大
値Ma及び最小値Miのそれぞれのばらつきがいずれも許容
範囲内であるときはステップS17へ処理が分岐する。そ
れ以外のときは、計測開始以後の磁気ディスク10の回転
回数が0に初期化された上で、ステップS12からサーボパ
ターン全長A+B+C+Dの計測が繰り返される。こうし
て、サーボパターン全長A+B+C+Dの最大値Ma及び最小
値Miのばらつきのいずれかが上記の許容範囲内ではない
とき、スイングアーム32が静止していなかったとみなさ
れ、サーボパターン全長A+B+C+Dの計測がやり直され
る。
【0110】ステップS17:L個の最大値Ma及び最小値Mi
から、サーボパターン全長A+B+C+Dの周期的変化の振
幅について、L回転間での平均値が算出される。更に、
その平均値に基づいて、磁気ディスク10の偏芯量δが決
定される。こうして、サーボパターン全長A+B+C+Dの
計測から偏芯量δが容易に決定される。それにより、サ
ーボセクタ1がトラック番号等のトラック識別情報を含
まなくても良い。従って、磁気ディスク10ではサーボセ
クタ1の周方向の長さが短いので、データ記録領域が広
い。
【0111】《実施例5》図14は、本発明の実施例5に
よる磁気ディスク記録再生装置の磁気ヘッド位置制御に
関するブロック図である。実施例5による磁気ディスク
記録再生装置は、実施例2によるHDDと同様な構成
に、書き込み部8を付加した構成を含む。実施例2によ
るHDDと同様な構成について、図14では図4と同じ符
号を付し、それらの説明は実施例2のものを援用する。
【0112】書き込み部8は、多相クロック発生部81、
位相比較部82、及び書き込み制御部83を含む。多相クロ
ック発生部81は、磁気ヘッド31により再生された信号の
中から同期信号検出部51により検出された同期信号に基
づき、その同期信号と実質的に同期した基本クロックCL
0を発生する。更に、基本クロックCL0の位相をk/N周期
だけずらした第k相クロックCLkを生成する。ここで、N
は2以上の整数であり、kは1からN−1までの整数であ
る。従って、多相クロック発生部81は基本クロックCL0
と、第1相クロックCL1から第(N−1)相クロックCL(N−1)
までの計N個のクロックを発生する。N個のクロック(多
相クロック)は、位相比較部82へパラレルに出力され
る。
【0113】位相比較部82は、サーボパターン長計測部
52内のパルス識別部71(図5参照)から、例えば第八の制
御信号Pd+を入力し、多相クロックCL0〜CL(N−1)のそれ
ぞれと位相を比較する。それにより、最近の位相を持つ
クロックが一つ選択され、書き込み制御部83に対し、そ
の制御クロックとして出力される。
【0114】図15は、サーボ信号Sの第五のパルスSe、
第八の制御信号Pd+、及び多相クロックCL0〜CL(N−1)の
波形図である。サーボ信号Sの第五のパルスSeは図3に示
されている通り、第四のサーボパターン24の末端部2eに
対応する。第四のサーボパターン24の末端部2eは磁気デ
ィスク10の半径方向に対し、実質的に平行である。従っ
て、サーボ信号Sの第五のパルスSeの位相は、磁気ヘッ
ド位置に実質上依存することなく一定である。第八の制
御信号Pd+は、サーボ信号Sの第五のパルスSeの正ピーク
に同期してネゲートされる。図15の例では、多相クロッ
クCL0〜CL(N−1)の内、第2相クロックCL2が、第八の制
御信号Pd+のネゲートに最近の立ち上がりを持つ。その
ように、パルスの立ち上がりが第八の制御信号Pd+のネ
ゲートに最近であるクロックを、位相比較部82は制御ク
ロックとして選択する。それにより、制御クロックが1
/N周期以下の精度で、サーボ信号Sの第五のパルスSeの
正ピークと同期する。
【0115】書き込み制御部83は、磁気ディスク10へ書
き込むべきデータを外部から入力する。更に、位相比較
部82により選択された制御クロックに同期し、データを
ヘッドアンプ41へ出力する。それにより、磁気ヘッド31
は制御クロックに同期して、データを磁気ディスク10へ
書き込む。その結果、磁気ヘッド31によるデータの書き
込み位置が、第四のサーボパターン24の末端部2eに基づ
き、高精度で制御される。
【0116】実施例5によるHDDは特に、磁気ディス
ク10の第一から第四までのサーボパターンに基づくセル
フサーボライトを、上記の制御クロックに同期して実行
しても良い。それにより、セルフサーボライトを高精度
で実行できる。その結果、新たなサーボパターンに基づ
き測定された磁気ヘッド位置は、例えば組み立て時の磁
気ディスク10の偏芯による誤差を実質上含まない。こう
して、実施例5によるHDDは磁気ヘッド位置に対する
サーボ制御を高精度で実現できる。更に、磁気転写によ
るサーボパターンの書き込みとセルフサーボライトとの
組合せにより、サーボパターン記録装置なしで、サーボ
パターンを高精度で書き込み得る。それ故、実施例5に
よるHDDでは、磁気ディスクについての製造効率の向
上と磁気ヘッド位置に対するサーボ制御の信頼性の向上
とが両立できる。
【0117】実施例5では、第四のサーボパターン24の
末端部2eに基づき制御クロックを選択した。その他に、
第一のサーボパターン21の先端部2a又は第三のサーボパ
ターン23の先端部2cに基づいても良い。
【0118】
【発明の効果】本発明による磁気ディスクでは、サーボ
セクタが第一及び第二のサーボパターンを含む。第一及
び第二のサーボパターンのいずれかの境界に対応する磁
化転移領域は半径方向に対して傾き、それぞれのサーボ
パターン長が、両方の和を一定に保ちつつ、トラックの
それぞれの幅方向で相補的にかつ単調に増減する。それ
故、第一又は第二のサーボパターン長の少なくともいず
れかの計測値に基づき、少なくともトラックのそれぞれ
で、磁気ヘッド位置が実質上一意に特定できる。特に、
第一と第二とのサーボパターン長の両方を計測し、それ
らの差又は比に基づき磁気ヘッド位置を決定するとき、
それぞれのサーボパターン長の測定誤差による磁気ヘッ
ド位置の測定誤差を低減できる。こうして、サーボパタ
ーン長の計測による磁気ヘッド位置の測定精度は高いの
で、上記の磁気ディスクに対しては、磁気ヘッド位置を
高精度で制御できる。
【0119】上記のサーボセクタが更に第三及び第四の
サーボパターンを含んでも良い。第三及び第四のサーボ
パターンのいずれかの境界に対応する磁化転移領域は半
径方向に対して傾き、それぞれのサーボパターン長が、
両方の和を一定に保ちつつ、トラックのそれぞれの境界
近傍で相補的にかつ単調に増減する。それ故、第三又は
第四のサーボパターン長の少なくともいずれかの計測値
に基づき、トラックのそれぞれの境界近傍で磁気ヘッド
位置が実質上一意に特定できる。特に、磁気ヘッド位置
がトラックの境界に対し、外側又は内側のいずれである
か、が判定できる。それにより、第一又は第二のサーボ
パターン長の計測による磁気ヘッド位置の測定を、少な
くともトラックの境界近傍で補完できる。
【0120】上記の第一から第四までのサーボパターン
は、好ましくは磁気転写により磁気ディスクへ書き込ま
れる。それにより、サーボパターンの書き込みを高速に
実行できるので、磁気ディスクについての製造効率を向
上できる。一方、磁気転写により書き込まれるサーボパ
ターンでは、それぞれの境界に相当する磁化転移領域に
ついて、それぞれの位置のばらつきが周方向の長さのば
らつきに比べ、一般に小さい。すなわち、サーボ信号に
ついて、ピーク位置のばらつきは振幅のばらつきに比
べ、一般に小さい。従って、磁気転写により書き込まれ
たサーボパターンに対し、上記のサーボパターン長の計
測による磁気ヘッド位置の測定は、高精度を維持でき
る。
【0121】上記の磁気ディスクでは、第一と第二との
サーボパターン長の和、又は第三と第四とのサーボパタ
ーン長の和のいずれか、又は両方が、少なくとも内周部
の複数のトラックにわたり、所定の変化を示すように設
定されても良い。例えば、第一と第二とのサーボパター
ン長の和が、少なくとも内周部の複数のトラックにわた
り、共通の円周角を持つ円弧の長さに等しいように設定
されても良い。第三と第四とのサーボパターン長の和に
ついても同様である。そのとき、それらのサーボパター
ン長の和はトラックの半径に比例して変化する。
【0122】磁気転写によりサーボパターンを書き込む
とき、そのサーボパターンに基づき測定された磁気ヘッ
ド位置は、組み込み時の磁気ディスクの偏芯による誤差
を一般に含む。それ故、磁気ヘッド位置に対するサーボ
制御では、磁気ディスクの偏芯量が正確に計測され、そ
の偏芯量に基づき偏芯による誤差が補正されなければな
らない。上記の磁気ディスクに対しては、磁気ディスク
の偏芯量が、第一と第二とのサーボパターン長の和、又
は第三と第四とのサーボパターン長の和のいずれか、又
は両方の周期的変化の振幅に基づき、容易にかつ正確に
計測できる。その結果、磁気ディスクの偏芯による磁気
ヘッド位置の誤差が、容易にかつ正確に補正できる。
【0123】更に、上記の第一から第四までのサーボパ
ターンの磁気転写による書き込みとセルフサーボライト
とを組み合わせることにより、磁気ディスクについての
製造効率の向上と磁気ヘッド位置に対するサーボ制御の
信頼性の向上とが確実に両立され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による磁気ディスク10に書き
込まれたサーボセクタ1を示す模式図である。
【図2】図1に示されたサーボセクタ1の一つの近傍を示
す拡大模式図である。
【図3】本発明の実施例1による磁気ディスク10上での
磁気ヘッドHの中心の軌跡Cと、磁気ヘッドHがその軌跡C
に沿って移動する間に再生するサーボ信号Sの波形とを
示す図である。(a)は、磁気ヘッドHの中心の軌跡Cとサ
ーボセクタ1との位置関係を示す。(b)は、その軌跡Cに
対応するサーボ信号Sの波形図である。
【図4】本発明の実施例2による磁気ディスク記録再生
装置の磁気ヘッド位置制御に関するブロック図である。
【図5】本発明の実施例2によるサーボパターン長計測
部52のブロック図である。
【図6】サーボ信号Sの五つのパルスSa〜Se、本発明の実
施例2によるサーボパターン長計測部52での八つの制御
信号Pa-〜Pd+、及び制御信号のそれぞれに対応する積分
部72の出力電圧Va-〜Vd+の波形図である。
【図7】本発明の実施例2で、磁気ヘッド位置情報生成
部53による磁気ヘッド位置情報の生成方法を示すフロー
チャートである。
【図8】本発明の実施例3によるサーボパターン長計測
部52を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例3での制御信号P及び多相クロッ
クCL0〜CL(N−1)の波形図である。
【図10】本発明の実施例1による磁気ディスク10につい
て、その偏芯を示す図である。
【図11】本発明の実施例4によるHDDの平面図であ
る。
【図12】本発明の実施例4によるHDDでの磁気ディス
ク10に対する偏芯量δの測定方法を示すフローチャート
である。
【図13】本発明の実施例4で、磁気ディスク10の一回転
の間にステップS12で計測されたサーボパターン全長A+
B+C+Dの変化を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例5による磁気ディスク記録再生
装置の磁気ヘッド位置制御に関するブロック図である。
【図15】本発明の実施例5で、サーボ信号Sの第五のパ
ルスSe、第八の制御信号Pd+、及び多相クロックCL0〜CL
(N−1)の波形図である。
【図16】従来の磁気ディスクで、サーボセクタ100の近
傍を示す拡大模式図である。
【図17】磁気ヘッド位置に対する従来のサーボ制御で、
磁気ヘッドがサーボセクタ100の一つを通過する間に再
生する信号の概略波形図である。磁気ヘッド位置が目標
トラックから外側にずれたときの波形図が(a)であり、
目標トラックに一致するときの波形図が(b)であり、目
標トラックから内側にずれたときの波形図が(c)であ
る。
【図18】磁気ディスクDsに対する長手磁化による磁気転
写についての説明図である。
【符号の説明】
1 サーボセクタ 11 同期信号部 21 第一のサーボパターン 2a 第一のサーボパターンの先端部 22 第二のサーボパターン 2b 第一のサーボパターンの末端部/第二のサーボパ
ターンの先端部 23 第三のサーボパターン 2c 第二のサーボパターンの末端部/第三のサーボパ
ターンの先端部 24 第四のサーボパターン 2d 第三のサーボパターンの末端部/第四のサーボパ
ターンの先端部 2e 第四のサーボパターンの末端部 M- 第一の磁化転移領域 M+ 第二の磁化転移領域 To 奇数トラック ToC 奇数トラックの中心 TBo 奇数トラックの外側境界 TBi 奇数トラックの内側境界 Te 偶数トラック TeC 偶数トラックの中心

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 同心円状に複数配置されたトラッ
    ク;並びに、(B) 周方向で所定の間隔ごとに複数配置
    され、かつ半径方向に広がる領域であり、 (a) 周方向での先頭位置を示す同期信号を記録した同
    期信号部; (b) 周方向の長さが半径方向で実質上連続に変化し、
    かつ前記トラックのそれぞれでは実質上単調に増加し又
    は減少する第一のサーボパターン;及び、 (c) 周方向の長さが半径方向で変化し、前記第一のサ
    ーボパターンの周方向の長さとの和が前記トラックのそ
    れぞれで実質上一定値に設定された第二のサーボパター
    ン;を順に含むサーボセクタ;を有する磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 前記第一のサーボパターンが、相隣り合
    う前記トラックでは周方向の長さの増減を逆にする、請
    求項1記載の磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 前記第一のサーボパターンの周方向の長
    さが、最外周の前記トラックから最内周の前記トラック
    まで実質上単調に増加し又は減少する、請求項1記載の
    磁気ディスク。
  4. 【請求項4】 前記第一のサーボパターンと前記第二の
    サーボパターンとの周方向の長さが、前記トラックのそ
    れぞれの中心で実質的に等しい、請求項1記載の磁気デ
    ィスク。
  5. 【請求項5】 前記第一のサーボパターンと前記第二の
    サーボパターンとのそれぞれの周方向での先端及び末端
    がそれぞれ、同じ向きの磁化転移領域である、請求項1
    記載の磁気ディスク。
  6. 【請求項6】 前記第一のサーボパターンと前記第二の
    サーボパターンとのそれぞれの周方向での先端及び末端
    がそれぞれ、相反する向きを持つ二つの磁化転移領域の
    中間位置である、請求項1記載の磁気ディスク。
  7. 【請求項7】 前記第一のサーボパターンと前記第二の
    サーボパターンとの周方向の長さの和が、少なくとも内
    周部の複数の前記トラックにわたり所定の変化を示すよ
    うに設定された、請求項1記載の磁気ディスク。
  8. 【請求項8】 前記サーボセクタが更に、(A) 周方向
    の長さが半径方向で実質上連続に変化し、かつ、少なく
    とも前記トラックのそれぞれの境界近傍では実質上単調
    に増加し又は減少する第三のサーボパターン;及び、
    (B) 周方向の長さが半径方向で変化し、前記第三のサ
    ーボパターンの周方向の長さとの和が、少なくとも前記
    トラックのそれぞれの境界近傍では実質上一定値に設定
    された第四のサーボパターン;を順に含む、請求項1記
    載の磁気ディスク。
  9. 【請求項9】 前記第三のサーボパターンの周方向の長
    さが、前記トラックのそれぞれの中心からその隣の前記
    トラックの中心まで実質上単調に増加し又は減少する、
    請求項8記載の磁気ディスク。
  10. 【請求項10】 前記第三のサーボパターンが、相隣り
    合う前記トラックでは周方向の長さの増減を逆にする、
    請求項8記載の磁気ディスク。
  11. 【請求項11】 前記第三のサーボパターンと前記第四
    のサーボパターンとの周方向の長さが、前記トラックの
    それぞれの境界で実質的に等しい、請求項8記載の磁気
    ディスク。
  12. 【請求項12】 前記第三のサーボパターンと前記第四
    のサーボパターンとのそれぞれの周方向での先端及び末
    端がそれぞれ、同じ向きの磁化転移領域である、請求項
    8記載の磁気ディスク。
  13. 【請求項13】 前記第三のサーボパターンと前記第四
    のサーボパターンとのそれぞれの周方向での先端及び末
    端がそれぞれ、相反する向きを持つ二つの磁化転移領域
    の中間位置である、請求項8記載の磁気ディスク。
  14. 【請求項14】 前記第一から第四までのサーボパター
    ンの周方向の長さの和が、少なくとも内周部の複数の前
    記トラックにわたり所定の変化を示すように設定され
    た、請求項8記載の磁気ディスク。
  15. 【請求項15】 (A) 請求項1記載の磁気ディスクか
    ら磁気ヘッドにより読み出された再生信号の中から前記
    同期信号を検出するための同期信号検出部; (B) 前記再生信号の中から前記第一のサーボパターン
    と前記第二のサーボパターンとのそれぞれに対応するサ
    ーボ信号を識別し、前記サーボ信号の間隔に基づき前記
    第一のサーボパターンと前記第二のサーボパターンとの
    それぞれの周方向の長さを計測するためのサーボパター
    ン長計測部; (C) 前記サーボパターン長計測部により計測された前
    記第一のサーボパターンと前記第二のサーボパターンと
    のそれぞれの周方向の長さに基づき、半径方向での前記
    磁気ヘッドの位置(以下、磁気ヘッド位置という)を示
    す情報(以下、磁気ヘッド位置情報という)を計算する
    ための磁気ヘッド位置情報生成部;及び、 (D) 前記磁気ヘッド位置情報に基づき、前記磁気ヘッ
    ドの移動用アクチュエータに対する制御量を決定するた
    めの制御量決定部;を有する磁気ヘッド位置制御装置。
  16. 【請求項16】 前記サーボパターン長計測部が、前記
    サーボ信号の間隔に実質的に比例した電圧を出力するた
    めの積分回路を含む、請求項15記載の磁気ヘッド位置
    制御装置。
  17. 【請求項17】 基本クロックと、前記基本クロックの
    位相をk/N周期だけずらした第k相クロック(Nは2以上
    の整数であり、kは1からN−1までの整数である)と、の
    N個の多相クロックを生成し、前記サーボ信号の一つの
    検出時から次の一つの検出時までの間、前記多相クロッ
    クのパルスをそれぞれカウントし、それらのカウントの
    平均値を求めるためのタイマカウンタ;を前記サーボパ
    ターン長計測部が含み、前記平均値に基づき前記サーボ
    信号の間隔を計算する、 請求項15記載の磁気ヘッド位置制御装置。
  18. 【請求項18】 前記磁気ヘッド位置情報生成部が、前
    記第一のサーボパターンと前記第二のサーボパターンと
    の周方向の長さの和に対し、前記第一のサーボパターン
    又は前記第二のサーボパターンのいずれかの周方向の長
    さの比を求め、その比と前記トラックの中心での前記比
    との差に基づき、前記トラックの中心に対する前記磁気
    ヘッド位置を決定する、 請求項15記載の磁気ヘッド位置制御装置。
  19. 【請求項19】 前記磁気ディスクで、前記第一のサー
    ボパターンと前記第二のサーボパターンとの周方向の長
    さの和が、少なくとも内周部の複数の前記トラックにわ
    たり所定の変化を示すように設定されたとき;前記磁気
    ヘッド位置情報生成部が前記和について、前記磁気ディ
    スクの一回転間での実質的な周期的変化を測定し、前記
    周期的変化の振幅に基づき前記磁気ディスクの偏芯量を
    求める;請求項15記載の磁気ヘッド位置制御装置。
  20. 【請求項20】 前記磁気ヘッド位置情報生成部が、
    (A) 前記和の前記周期的変化を前記磁気ディスクの複
    数回転間で測定し;(B) 前記磁気ディスクの一回転間
    での前記和の実質的な最大値、又は実質的な最小値の少
    なくともいずれかのゆらぎを求め;(C) 前記ゆらぎが
    許容範囲内であるとき、前記磁気ヘッドが静止してい
    る、と判断する;請求項19記載の磁気ヘッド位置制御
    装置。
  21. 【請求項21】 (A) 請求項8記載の磁気ディスクか
    ら磁気ヘッドにより読み出された再生信号の中から前記
    同期信号を検出するための同期信号検出部;(B) 前記
    再生信号の中から前記第一から第四までのサーボパター
    ンのそれぞれに対応するサーボ信号を識別し、前記サー
    ボ信号の間隔に基づき前記第一から第四までのサーボパ
    ターンのそれぞれの周方向の長さを計測するためのサー
    ボパターン長計測部;(C) 前記サーボパターン長計測
    部により計測された前記第一から第四までのサーボパタ
    ーンのそれぞれの周方向の長さに基づき、磁気ヘッド位
    置情報を計算するための磁気ヘッド位置情報生成部;及
    び、(D) 前記磁気ヘッド位置情報に基づき、前記磁気
    ヘッドの移動用アクチュエータに対する制御量を決定す
    るための制御量決定部;を有する磁気ヘッド位置制御装
    置。
  22. 【請求項22】 前記サーボパターン長計測部が、前記
    サーボ信号の間隔に実質的に比例した電圧値を出力する
    ための積分回路を含む、請求項21記載の磁気ヘッド位
    置制御装置。
  23. 【請求項23】 基本クロックと、前記基本クロックの
    位相をk/N周期だけずらした第k相クロック(Nは2以上
    の整数であり、kは1からN−1までの整数である)と、の
    N個のクロックから成る多相クロックを生成し、前記サ
    ーボ信号の一つの検出時から次の一つの検出時までの
    間、前記多相クロックのパルスをそれぞれカウントして
    それらの平均値を求めるためのタイマカウンタ;を前記
    サーボパターン長計測部が含み、前記平均値に基づき前
    記サーボ信号の間隔を計算する、請求項21記載の磁気
    ヘッド位置制御装置。
  24. 【請求項24】 前記磁気ヘッド位置情報生成部が、
    (A) 前記第三のサーボパターンと前記第四のサーボパ
    ターンとの間で周方向の長さの差を求め、その差と前記
    トラックのそれぞれの境界での前記差と比較し、それら
    の大小から、前記磁気ヘッド位置が前記境界に対して外
    側又は内側のいずれであるかを判断し;(B) 前記第一
    のサーボパターンと前記第二のサーボパターンとの周方
    向の長さの和に対し、前記第一のサーボパターン又は前
    記第二のサーボパターンのいずれかの周方向の長さの比
    を求め、その比と前記境界での前記比との差に基づき、
    前記境界に対する前記磁気ヘッド位置を決定する;請求
    項21記載の磁気ヘッド位置制御装置。
  25. 【請求項25】 前記磁気ディスクで、前記第一から第
    四までのサーボパターンの周方向の長さの和が、少なく
    とも内周部の複数の前記トラックにわたり所定の変化を
    示すように設定されたとき;前記磁気ヘッド位置情報生
    成部が前記和について、前記磁気ディスクの一回転間で
    の実質的な周期的変化を測定し、前記周期的変化の振幅
    に基づき前記磁気ディスクの偏芯量を求める;請求項2
    1記載の磁気ヘッド位置制御装置。
  26. 【請求項26】 前記磁気ヘッド位置情報生成部が、
    (A) 前記和の前記周期的変化を前記磁気ディスクの複
    数回転間で測定し;(B) 前記磁気ディスクの一回転間
    での前記和の実質的な最大値、又は実質的な最小値の少
    なくともいずれかのゆらぎを求め;(C) 前記ゆらぎが
    許容範囲内であるとき、前記磁気ヘッドが静止してい
    る、と判断する;請求項25記載の磁気ヘッド位置制御
    装置。
  27. 【請求項27】 請求項15又は請求項21に記載の磁
    気ヘッド位置制御装置で、CPUを前記サーボパターン
    長計測部、前記磁気ヘッド位置情報生成部、又は前記制
    御量決定部の少なくともいずれか一つとして機能させる
    ための磁気ヘッド位置制御プログラム。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の磁気ヘッド位置制御
    プログラムを記録した記録媒体。
  29. 【請求項29】 (A) 請求項1記載の磁気ディスクか
    ら磁気ヘッドにより読み出された再生信号の中から前記
    同期信号を検出するステップ;(B) 前記再生信号の中
    から前記第一のサーボパターンと前記第二のサーボパタ
    ーンとのそれぞれに対応するサーボ信号を識別し、前記
    サーボ信号の間隔に基づき前記第一のサーボパターンと
    前記第二のサーボパターンとのそれぞれの周方向の長さ
    を計測するステップ;(C) 計測された前記第一のサー
    ボパターンと前記第二のサーボパターンとのそれぞれの
    周方向の長さに基づき、磁気ヘッド位置情報を計算する
    ステップ;及び、(D) 前記磁気ヘッド位置情報に基づ
    き、前記磁気ヘッドの移動用アクチュエータを制御する
    ステップ;を有する磁気ヘッド位置制御方法。
  30. 【請求項30】 前記周方向の長さを計測するステップ
    が、前記サーボ信号の間隔に実質的に比例した電圧を出
    力するサブステップを含む、請求項29記載の磁気ヘッ
    ド位置制御方法。
  31. 【請求項31】 前記周方向の長さを計測するステップ
    が、(A) 基本クロックと、前記基本クロックの位相をk
    /N周期だけずらした第k相クロック(Nは2以上の整数で
    あり、kは1からN−1までの整数である)と、のN個の多
    相クロックを生成するサブステップ;(B) 前記サーボ
    信号の一つの検出時から次の一つの検出時までの間、前
    記多相クロックのパルスをそれぞれカウントするサブス
    テップ;(C) 前記パルスのそれぞれのカウントを平均
    するサブステップ;及び、(D) 前記カウントの平均値
    に基づき前記サーボ信号の間隔を計算するサブステッ
    プ;を含む、請求項29記載の磁気ヘッド位置制御方
    法。
  32. 【請求項32】 前記磁気ヘッド位置情報を計算するス
    テップが、(A) 前記第一のサーボパターンと前記第二
    のサーボパターンとの周方向の長さの和に対し、前記第
    一のサーボパターン又は前記第二のサーボパターンのい
    ずれかの周方向の長さの比を求めるサブステップ;及
    び、(B) 求められた前記比と前記トラックの中心での
    前記比との差に基づき、前記トラックの中心に対する前
    記磁気ヘッド位置を決定するサブステップ;を含む、請
    求項29記載の磁気ヘッド位置制御方法。
  33. 【請求項33】 前記磁気ディスクで、前記第一のサー
    ボパターンと前記第二のサーボパターンとの周方向の長
    さの和が、少なくとも内周部の複数の前記トラックにわ
    たり所定の変化を示すように設定されたとき;前記磁気
    ヘッド位置情報を計算するステップが、(A) 前記和に
    ついて、前記磁気ディスクの一回転間での実質的な周期
    的変化を測定するサブステップ;及び、(B) 前記周期
    的変化の振幅に基づき前記磁気ディスクの偏芯量を求め
    るサブステップ;を含む、請求項29記載の磁気ヘッド
    位置制御方法。
  34. 【請求項34】 前記磁気ヘッド位置情報を計算するス
    テップが、(A) 前記和の前記周期的変化を前記磁気デ
    ィスクの複数回転間で測定するサブステップ;(B) 前
    記磁気ディスクの一回転間での前記和の実質的な最大
    値、又は実質的な最小値の少なくともいずれかのゆらぎ
    を求めるサブステップ;及び、(C) 前記ゆらぎが許容
    範囲内であるとき、前記磁気ヘッドが静止している、と
    判断するサブステップ;を更に含む、請求項33記載の
    磁気ヘッド位置制御方法。
  35. 【請求項35】 (A) 請求項8記載の磁気ディスクか
    ら磁気ヘッドにより読み出された再生信号の中から前記
    同期信号を検出するステップ;(B) 前記再生信号の中
    から前記第一から第四までのサーボパターンのそれぞれ
    に対応するサーボ信号を識別し、前記サーボ信号の間隔
    に基づき前記第一から第四までのサーボパターンのそれ
    ぞれの周方向の長さを計測するステップ;(C) 計測さ
    れた前記第一から第四までのサーボパターンのそれぞれ
    の周方向の長さに基づき、磁気ヘッド位置情報を計算す
    るステップ;及び、(D) 前記磁気ヘッド位置情報に基
    づき、前記磁気ヘッドの移動用アクチュエータを制御す
    るステップ;を有する磁気ヘッド位置制御方法。
  36. 【請求項36】 前記周方向の長さを計測するステップ
    が、前記サーボ信号の間隔に実質的に比例した電圧を出
    力するサブステップを含む、請求項35記載の磁気ヘッ
    ド位置制御装置。
  37. 【請求項37】 前記周方向の長さを計測するステップ
    が、(A) 基本クロックと、前記基本クロックの位相をk
    /N周期だけずらした第k相クロック(Nは2以上の整数で
    あり、kは1からN−1までの整数である)と、のN個の多
    相クロックを生成するサブステップ;(B) 前記サーボ
    信号の一つの検出時から次の一つの検出時までの間、前
    記多相クロックのパルスをそれぞれカウントするサブス
    テップ;(C) 前記パルスのそれぞれのカウントを平均
    するサブステップ;及び、(D) 前記カウントの平均値
    に基づき前記サーボ信号の間隔を計算するサブステッ
    プ;を含む、請求項35記載の磁気ヘッド位置制御方
    法。
  38. 【請求項38】 前記磁気ヘッド位置情報を計算するス
    テップが、(A) 前記第三のサーボパターンと前記第四
    のサーボパターンとの間で周方向の長さの差を求めるサ
    ブステップ;(B) 求められた前記差と前記トラックの
    それぞれの境界での前記差と比較し、それらの大小か
    ら、前記磁気ヘッド位置が前記境界に対して外側又は内
    側のいずれであるかを判断するサブステップ;(C) 前
    記第一のサーボパターンと前記第二のサーボパターンと
    の周方向の長さの和に対し、前記第一のサーボパターン
    又は前記第二のサーボパターンのいずれかの周方向の長
    さの比を求めるサブステップ;及び、(D) 求められた
    前記比と前記境界での前記比との差に基づき、前記境界
    に対する前記磁気ヘッド位置を決定するサブステップ;
    を含む、請求項35記載の磁気ヘッド位置制御方法。
  39. 【請求項39】 前記磁気ディスクで、前記第一から第
    四までのサーボパターンの周方向の長さの和が、少なく
    とも内周部の複数の前記トラックにわたり所定の変化を
    示すように設定されたとき;前記磁気ヘッド位置情報を
    計算するステップが、(A) 前記和について、前記磁気
    ディスクの一回転間での実質的な周期的変化を測定する
    サブステップ;及び、(B) 前記周期的変化の振幅に基
    づき前記磁気ディスクの偏芯量を求めるサブステップ;
    を含む、請求項35記載の磁気ヘッド位置制御方法。
  40. 【請求項40】 前記磁気ヘッド位置情報を計算するス
    テップが、(A) 前記和の前記周期的変化を前記磁気デ
    ィスクの複数回転間で測定するサブステップ;(B) 前
    記磁気ディスクの一回転間での前記和の実質的な最大
    値、又は実質的な最小値の少なくともいずれかのゆらぎ
    を求めるサブステップ;及び、(C) 前記ゆらぎが許容
    範囲内であるとき、前記磁気ヘッドが静止している、と
    判断するサブステップ;を更に含む、請求項39記載の
    磁気ヘッド位置制御方法。
  41. 【請求項41】 (A) 請求項1記載の磁気ディスク;
    (B) 前記磁気ディスクをその中心周りに回転させるた
    めの磁気ディスク回転駆動部;(C) 前記磁気ディスク
    から再生信号を読み出し、かつ前記磁気ディスクへ記録
    信号を書き込むための磁気ヘッド;(D) 前記磁気ヘッ
    ドを実質上半径方向に移動させるためのアクチュエー
    タ;(E) 前記再生信号に対し、アナログ/ディジタル
    変換を実行するための再生信号変換部;(F) 前記再生
    信号の中から前記同期信号を検出するための同期信号検
    出部;(G) 前記再生信号の中から前記第一のサーボパ
    ターンと前記第二のサーボパターンとのそれぞれに対応
    するサーボ信号を識別し、前記サーボ信号の間隔に基づ
    き前記第一のサーボパターンと前記第二のサーボパター
    ンとのそれぞれの周方向の長さを計測するためのサーボ
    パターン長計測部;(H) 前記サーボパターン長計測部
    により計測された前記第一のサーボパターンと前記第二
    のサーボパターンとのそれぞれの周方向の長さに基づ
    き、磁気ヘッド位置情報を計算するための磁気ヘッド位
    置情報生成部;(I) 前記磁気ヘッド位置情報に基づ
    き、前記アクチュエータに対する制御量を計算するため
    の制御量決定部;及び、(J) 前記制御量に応じて、前
    記アクチュエータを駆動させるためのドライバ;を有す
    る磁気ディスク記録再生装置。
  42. 【請求項42】 (A) 請求項8記載の磁気ディスク;
    (B) 前記磁気ディスクをその中心周りに回転させるた
    めの磁気ディスク回転駆動部;(C) 前記磁気ディスク
    から再生信号を読み出し、かつ前記磁気ディスクへ記録
    信号を書き込むための磁気ヘッド;(D) 前記磁気ヘッ
    ドを実質上半径方向に移動させるためのアクチュエー
    タ;(E) 前記再生信号に対し、アナログ/ディジタル
    変換を実行するための再生信号変換部;(F) 前記再生
    信号の中から前記同期信号を検出するための同期信号検
    出部;(G) 前記再生信号の中から前記第一から第四ま
    でのサーボパターンのそれぞれに対応するサーボ信号を
    識別し、前記サーボ信号の間隔に基づき前記第一から第
    四までのサーボパターンのそれぞれの周方向の長さを計
    測するためのサーボパターン長計測部;(H) 前記サー
    ボパターン長計測部により計測された前記第一から第四
    までのサーボパターンのそれぞれの周方向の長さに基づ
    き、磁気ヘッド位置情報を計算するための磁気ヘッド位
    置情報生成部;(I) 前記磁気ヘッド位置情報に基づ
    き、前記アクチュエータに対する制御量を計算するため
    の制御量決定部;及び、(J) 前記制御量に応じて、前
    記アクチュエータを駆動させるためのドライバ;を有す
    る磁気ディスク記録再生装置。
  43. 【請求項43】 前記磁気ディスクで、前記サーボセク
    タ内のいずれかのサーボパターンが半径方向と平行な一
    端を持つとき、前記磁気ディスク記録再生装置が、(A)
    基本クロックと、前記基本クロックの位相をk/N周期
    だけずらした第k相クロック(Nは2以上の整数であり、k
    は1からN−1までの整数である)と、のN個のクロックか
    ら成る多相クロックを生成し;(B) 前記多相クロック
    のそれぞれと、前記サーボパターンの半径方向と平行な
    一端を示すサーボ信号と、の間で位相を比較し、前記多
    相クロックの中から前記サーボ信号の位相に最近の位相
    を持つ前記クロックを一つ決定し;(C) 決定された前
    記クロックに同期して、前記磁気ヘッドに磁気信号の書
    き込みを実行させる;ための書き込み部、を更に有す
    る、請求項41又は請求項42に記載の磁気ディスク記
    録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7639445B2 (en) 2007-12-26 2009-12-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Disk drive device and head positioning control method
US7804659B2 (en) 2006-12-26 2010-09-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Method and apparatus for positioning head using spiral servo pattern in a disk drive
US7855850B2 (en) 2007-06-29 2010-12-21 Kabushiki Kaisha Toshiba Method and apparatus for head positioning using spiral servo patterns in a disk drive

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