JP4817530B2 - ダブルプライフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良された包装用ダブルプライフィルムに関するものである。より詳細には、塩化ビニリデン系共重合体組成物からなるフィルムにおいて、フィルム表面がポリビニルアルコールでコーティングされた包装用ダブルプライフィルムに関するものであり、主として、ハム、ソーセージ、チーズ、惣菜、等の食品包装材料やその他、工業用途等に利用することができる。
また、本発明は、上記の改良された包装用ダブルプライフィルムの製造方法として、インフレーション製膜方法にも関するものである。詳しくは、該方法において使用されるソック溶液の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加工肉等の食品包装用フィルムは、最終包装の前の加工工程や最終消費段階で、加工肉の周囲から包装フィルムを除去する必要があり、ソーセージ等の食品表面を損傷させずに、また加工工程では高速に剥離できる剥離性が要求されている。米国特許第1393301号では、食品ケーシング表面に、水溶性セルロースエーテル及び動植物油・鉱油・シリコンオイル・水溶性脂肪酸部分エステルのアルキレンオキサイド付化物から選択されたものの少なくとも二つの構成物からなる組成物をコーティングをすることで、剥離性が改良された食品ケーシングが開示されている。
【0003】
また、インフレーション製膜方法においては、ダイから管状に押し出された塩化ビニリデン系共重合体組成物を冷媒中に通して冷却し、次いでインフレーション後バブル内部の空気がローラー間の圧縮によって除去される。樹脂のインフレーション製膜の開口性とフィルム間の膜間強度を改良するために通常、ソック溶液を冷媒として用いる。従来は、ソック溶液としてミネラルオイルやプロピレングリコールが用いられている。また、特開昭55―133927号公報には、ソック溶液としてポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはアルキル脂肪エステル塩を用いることを特徴とするインフレーション製膜法が開示され、フィルムの透明性、高周波シール適性が改良されることが開示されている。また、国際公開WO00―58070号パンフレットには、ソック溶液として水溶性多糖類エーテルを用いることを特徴とするインフレーション製膜プロセスが開示され、フィルムの開口性、膜間強度が改良され、従来のソック溶液より良好とされているが、塩化ビニリデン系共重合体組成物のフィルムの開口性、膜間強度の両者について、いまだ満足できるものではなく、改良の必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、膜間強度が改良された塩化ビニリデン系共重合体組成物からなるダブルプライフィルムを提供すること、及び塩化ビニリデン系共重合体のインフレーション製膜法において、フィルムの開口性、膜間強度の両者を満足する製膜プロセスを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、フィルム表面にポリビニルアルコールをコーティングすることで、膜間強度が改良された塩化ビニリデン系共重合体組成物からなるフィルムを見出し、さらにソック溶液にポリビニルアルコールを用いることで、塩化ビニリデン系共重合体組成物のインフレーション製膜方法においてのフィルムの開口性、膜間強度の両者を満足するプロセスを見出し本発明に至った。
【0006】
すなわち本発明は、 塩化ビニリデン系共重合体組成物からなるフィルムを複数枚積層してなるダブルプライフィルムにおいて、フィルム間にポリビニルアルコールが存在することを特徴とするダブルプライフィルムであり、その際、ポリビニルアルコールがけん化度65〜97モル%であることを特徴とするダブルプライフィルムであり、更に、ポリビニルアルコールがけん化度65〜97モル%、4重量%水溶液の20℃における粘度が1〜80m・Pa・sであることを特徴とするダブルプライフィルムであり、ASTM−D−1876で測定される積層フィルム間の膜間強度が0.6g/cm以上であることを特徴とするダブルプライフィルムである。
【0007】
また、本発明は、溶融した塩化ビニリデン共重合体組成物をダイから管状に押し出す際し、その内面にソック溶液に接触させてから冷媒中に通して冷却し、次いでインフレーションすることからなるインフレーション製膜法において、ポリビニルアルコールを含有するソック溶液を用いることを特徴とするダブルプライフィルムの製造方法であり、ソック溶液中のポリビニルアルコールが、けん化度65〜97モル%、4重量%水溶液の20℃における粘度が1〜80m・Pa・sであることを特徴とするのダブルプライフィルムの製造方法である。
【0008】
塩化ビニリデン系共重合体組成物のインフレーション製膜方法においてのフィルムの開口性、膜間強度の改良によって、製膜性が改良される。詳細には、後述の添付図面を参照して説明する。塩化ビニリデン系共重合体組成物からなるフィルムの膜間強度の改良によって、フィルムの製膜性の改良と魚肉充填機等の充填機での充填性が改良される。膜間強度に、ダブルプライフィルム間のずれが起きない程度の強度がある場合は、フィルム間のずれが起きず、充填機での充填性が改良される。膜間強度が十分でない場合は、充填機でダブルプライフィルム間のずれが起き、製品不良となってしまう。
【0009】
本発明でのフィルム表面にコーティング剤、ソック溶液として用いるポリビニルアルコールとは、酢酸ビニルを重合し、該重合体を部分的にけん化して得られる共重合体であり、ビニルアルコールと酢酸ビニルとの共重合体としての化学構造を持つ。ポリビニルアルコールの化学構造式を次式に示す。
【化1】
式中、共重合体中のビニルアルコールユニット及び酢酸ビニルユニットのそれぞれはランダムに共重合していても、ブロックで共重合していてもよい。
【0010】
ポリビニルアルコールのけん化度とは、共重合体中のビニルアルコールユニット、酢酸ビニルユニットのそれぞれのモル比をA、Bとした場合、〔A/(A+B)〕×100のことである。[ポリビニルアルコールのけん化度(モル%)=〔A/(A+B)〕×100]
本発明でのポリビニルアルコールは、けん化度65〜97モル%のものが好ましく、けん化度70〜90モル%の範囲のものがさらに好ましい。また、本発明でのポリビニルアルコールは、4重量%水溶液の20℃における粘度が1〜80m・Pa・sのものが好ましく、4重量%水溶液の20℃における粘度が3〜60m・Pa・sのものがさらに好ましい。
本発明での塩化ビニリデン系共重合体組成物のフィルム表面にポリビニルアルコールをコーティングする方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、インフレーション製膜工程でのソック溶液としてのコーティングやフィルムを製膜完了後でのコーティング等があげられる。
【0011】
本発明のソック溶液は、ポリビニルアルコールの水溶液であることを特徴とする。ポリビニルアルコール水溶液の濃度としては、0.001〜10.0重量%が好ましく、0.01〜1.0重量%がさらに好ましい。ソック溶液として用いるポリビニルアルコール水溶液の適正な濃度は、フィルム表面へのコーティング条件によって選定される。例えば、インフレーション製膜方法においては、押出機ダイからの吐出レート、ソック溶液と管状フィルムとの接触面積及び接触時間、ポリビニルアルコールのけん化度及び水溶液粘度などを考慮して、適正なポリビニルアルコール水溶液の濃度が選定される。
【0012】
本発明においてのフィルムの樹脂は、塩化ビニリデン系共重合体組成物であり、塩化ビニリデン系共重合体としては、塩化ビニリデンと塩化ビニリデンと共重合可能な単量体を用いた共重合体であればよい。単量体としては、塩化ビニリデンと共重合可能な物質であればいかなる単量体でもよく、単量体を一種または二種以上を用いることが出来る。塩化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、例えば、塩化ビニル;メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル;メチルメタアクレリート、ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、ラウリルアクリレート等のメタアクリル酸エステル等の単量体を挙げることが出来る。この中でも、特に、塩化ビニル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
【0013】
塩化ビニリデン系共重合体は、その塩化ビニリデン含有割合が50〜98重量%のものが好ましく、65〜95重量%のものがさらに好ましい。また、塩化ビニリデン系共重合体は、その重量平均分子量が3万〜20万のものが好ましく、7万〜15万のものがさらに好ましい。塩化ビニリデン系共重合体の塩化ビニリデン含有割合、重量平均分子量は、押出加工性、ガスバリヤー性、力学特性等の点から、上記の範囲が適性とされる。
本発明の塩化ビニリデン系共重合体組成物は、公知の懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等が用いられる。なかでも、懸濁重合法が好んで用いられる。
【0014】
本発明の塩化ビニリデン系共重合体組成物を製造するときの重合温度は、20〜100℃、好ましくは30℃〜70℃が適当である。上記重合が終了後、必要に応じて濾過、水洗、乾燥を行うが、乳濁状物では硫酸アルミニウム、塩化カルシウム等で塩析してから通常の後処理を行い、粉末状、粒状の樹脂を得ることが出来る。
本発明の塩化ビニリデン系共重合体組成物を懸濁重合で製造するために使用される油溶性重合開始剤(触媒)としては、有機過酸化物、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート;アゾビス化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等を使用することが出来る。
懸濁剤としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルの部分ケン化物等を使用することが出来る。
【0015】
得られた塩化ビニリデン系共重合体組成物は、そのまま成形加工に付しても良いが、必要に応じ各種添加剤を加えることも可能である。各種添加剤としては、適当な添加量のジブチルセバケート(DBS)、アセチルトリブチルシトレート(ATBC)等の液状の可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ステアリン酸オクチル等のエポキシ化合物;ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、チオジプロピオン酸アルキルエステル等の抗酸化剤;ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(EDTA−2Na)、酸化マグネシウム等の熱安定化助剤;各種光安定剤;各種滑剤;各種着色剤等を挙げることが出来る。これらの添加剤の一部は、塩化ビニリデン共重合体の重合でのモノマーと同時にもしくは重合中に添加してもよい。
【0016】
以下、本発明を添付図面を参照して説明する。第1図は、本発明の製膜プロセスで実施された装置の概略図である。溶融した塩化ビニリデン系共重合体組成物は押出機(1)で押出された後、ダイ(2)から管状(3)に出てくる。管状の塩化ビニリデン系共重合体組成物(3)が、ダイから出てくるとき、その内面はソック溶液(4)で濡らされる。管状のポリマーは、冷却バス(5)内で5℃〜15℃に急激に冷却され、第1ニップロール(7)で挟まれフラットになる。フラットになったフィルムは、それから予備加熱バス(6)で20℃〜50℃に加熱され、バスの外の第2ニップロール(8)を通過する。第2ニップロール(8)と第3ニップロール(9)間で、管状フィルム内(10)にエアが吹き込まれ、横方向に延伸されフィルムの直径は約4倍に膨張しバブル(11)が形成される。同時に第3ニップロール(9)は、第2ニップロール(8)より速く動き、機械(縦)方向にフィルムが約3倍延伸される。バブル(11)は、第3ニップロール(9)を通過し、そこで挟まれフラットなダブルプライフィルム(12)となる。ダブルプライフィルム(12)は、塩化ビニリデン系共重合体組成物のフィルム(14)の重なった側面にポリビニルアルコール(15)がコートされている(第2図)。
【0017】
本発明でのソック溶液を用いることによって、インフレーション製膜での開口性、膜間強度が改良される。開口性の改良によって、ダブルプライフィルムが第2ニップロール(8)を通過した後での開口性が充分になり改良される。開口性が不十分であると、ダブルプライフィルムが第2ニップロール(8)を通過後、フィルムのエッジ部やフィルムの全体の開口性が不十分になり、インフレーションバブルの安定性や製膜後のフィルムの膜厚均一性が悪化する。膜間強度の改良によって、インフレーション後に再び2枚重ねに合わされたダブルプライフィルムでのフィルム間のずれが起きない。膜間強度が不十分であるとインフレーション後のダブルプライフィルムにずれが起き、魚肉等の充填が適正に実施できない。インフレーション製膜で上記の開口性、膜間強度の改良効果が得られる膜間強度は、0.6g/cmであり、1.3g/cm以上であるとさらに改良効果が大きい。
【0018】
塩化ビニリデン系共重合体組成物からなるフィルムの膜間強度の改良によって、フィルムの製膜性の改良と魚肉充填機等の加工食品の充填機での充填性が改良される。膜間強度に、ダブルプライフィルム間のずれが起きない程度の強度がある場合は、フィルム間のずれが起きず、充填機での充填性が改良される。膜間強度が十分でない場合は、充填機でダブルプライフィルム間のずれが起き、製品不良となってしまう。充填機で上記の改良効果が得られる膜間強度は、0.6g/cmであり、1.3g/cm以上であるとさらに改良効果が大きい。
【0019】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限しない。
*フィルムの作製
塩化ビニリデン系共重合体を溶融押出機で管状に押出した。この管状体を過冷却した後、インフレーション2軸延伸を行い、得られた管状フィルムをピンチロールで折りたたんで、巾が約1mの平坦長尺状のダブルプライフィルムを作製した。
【0020】
*開口性評価
第2ニップロールを通過した後のインフレーションにおいて、フィルムの開きの程度を評価した。フィルムがよく開口し、インフレーションバブルの動きが安定しているのがよい。
評価基準
フィルム開口性 評価記号
フィルム全域で開口性は安定している: ○
フィルム中央部の開口性はよいが、エッジ部が不安定である: △
フィルムの一部で開口する、もしくはほとんど開口しない: ×
【0021】
*膜間強度
上記[フィルムの作製]で得られたダブルプライフィルムの膜間強度をASTM−D−1876に準拠して測定した。膜間強度は高周波シールの際の製袋ずれを防ぐために、ずれない程度の強度をもつ必要がある。
評価基準
膜間強度(g/cm ) 評価記号
1.3以上 ○
0.6〜1.3 △
0.6未満 ×
【0022】
*総合評価
上記の各項目での評価結果をもとに総合評価を行った。
評価基準
内 容 評価記号
上記項目の評価結果に、×を全く含まないもの ○
上記項目の評価結果に、×を一つでも含むもの ×
【0023】
[実施例で用いられる原材料]
*ポリビニルアルコールA(PVA−A)
日本合成工業株式会社製:ゴーセノールNK−05(商品名)
けん化度:71.0〜75.0モル%、
粘度(4重量%水溶液、20℃):4.5〜5.5m・Pa・s
*ポリビニルアルコールB(PVA−B)
日本合成工業株式会社製:ゴーセノールKH−20(商品名)
けん化度:78.5〜81.5モル%
粘度(4重量%水溶液、20℃):44〜52m・Pa・s
*ポリビニルアルコールC(PVA−C)
日本合成工業株式会社製:ゴーセノールGH−17(商品名)
けん化度:86.5〜89.0モル%
粘度(4重量%水溶液、20℃):27〜33m・Pa・s
【0024】
*ポリビニルアルコールD(PVA−D)
日本合成工業株式会社製:ゴーセノールAH−17(商品名)
けん化度:78.5〜81.5モル%
粘度(4重量%水溶液、20℃):97.0〜98.5m・Pa・s
*ポリビニルアルコールE(PVA−E)
日本合成工業株式会社製:ゴーセノールNH−20(商品名)
けん化度:98.5〜99.4モル%
粘度(4重量%水溶液、20℃):35〜43m・Pa・s
*メトローズA
信越化学工業株式会社製:メトローズ65SH―400(商品名)
メトキシル基置換度:1.8
ヒドロキシプロポキシル基置換モル数:0.15
粘度(2重量%水溶液、20℃):400m・Pa・s
【0025】
*ポリオキシエチレンソルビタンモノステラウレート−A(PESM−A)
花王株式会社製:TW−L120(商品名)
*PVDC−A
懸濁重合によって作製した塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体(塩化ビニリデン/塩化ビニル;質量比=90/10の100質量部に対し、ジブチルセバケート、クエン酸トリブチル、エポキシ化アマニ油を合計量で6質量部添加されている。)の100質量部に対して、添加剤として、抗酸化剤、滑剤、赤色顔料を合計で1質量部添加し、混合し塩化ビニリデン共重合体組成物A(PVDC−A)を得た。
【0026】
*PVDC−B
懸濁重合によって作製した塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体(塩化ビニリデン/メチルアクリレート;質量比=90/10の100質量部に対しクエン酸トリブチル、エポキシ化アマニ油を合計量で1質量部添加されている。)の100質量部に対して、添加剤として、ジブチルセバケート、抗酸化剤、滑剤を合計で1質量部添加し、混合し塩化ビニリデン系共重合体組成物B(PVDC−B)を得た。
【0027】
【実施例1】
管状の溶融した塩化ビニリデン系共重合体組成物Aは、ダイから押し出された後、その内面はポリビニルアルコールAの0.1%水溶液のソック溶液に濡らされた。ソック溶液は、ダイから第1ニップロール間の管状フィルム内に10リットル投入された。管状のポリマーは、冷却バス内で9℃に急激に冷却され、第1ニップロールで挟まれフラットにされた。ダイ先端の管状に押し出されたフィルムの直径は、170mmであり、さらに第1ニップロールでフラットにされたフィルムは線状で290mmの横幅の長さであった。フラットになったフィルムは、第1ニップロールを7m/分の速さで移動した。フラットになったフィルムは、それから予備加熱バスで25℃に加熱され、バスの外の第2ニップロールを通過した。第2ニップロールと第3ニップロール間で、管状フィルム内にエアが吹き込まれ、横方向と機械(縦)方向にフィルムが延伸された。その後、インフレーションバブルは第3ニップロールで挟まれフラットになり、ダブルプライフルムを得た。得られたダブルプライフィルムの巾は1150mmであり、厚みは40μmであった。フィルムの開口性、膜間強度は良好であり満足できるものであった。ダブルプライフィルムは、それぞれ厚みが20μmのシングルプライフィルムが2枚重なった構造であり、シングルプライフィルム間にポリビニルア1コールがコーティングされていた。評価結果を表1に示す。
【0028】
【実施例2〜9】
表1に示した条件を選定し、その他の条件は実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
【比較例1〜5】
表1に示した条件を選定し、その他の条件は実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
フィルム表面にポリビニルアルコールをコーティングすることで、膜間強度が改良された塩化ビニリデン系共重合体組成物からなるダブルプライフィルム及びソック溶液にポリビニルアルコールを用いることで、塩化ビニリデン系共重合体組成物のインフレーション製膜方法においてのフィルムの開口性、膜間強度の両者を満足するプロセスに関する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製膜プロセスで実施された装置の概略図である。
【図2】本発明のダブルプライフィルムの概略断面図である。
【符号の説明】
1 押出機
2 ダイ
3 管状の塩化ビニリデン系共重合体組成物
4 ソック溶液
5 冷却バス
6 予熱加熱バス
7 第1ニップロール
8 第2ニップロール
9 第3ニップロール
10 管状フィルム
11 バブル
12 ダブルプライフィルム
13 巻き取りロール
14 フィルム
15 ポリビニルアルコール
Claims (2)
- 溶融した塩化ビニリデン共重合体組成物をダイから管状に押し出す際に、その内面にソック溶液に接触させて冷却し、次いでインフレーションすることからなるインフレーション製膜方法において、ソック溶液がポリビニルアルコールを含有することを特徴とするダブルプライフィルムの製造方法。
- ソック溶液中のポリビニルアルコールが、けん化度65〜97モル%、4重量%水溶液の20℃における粘度が1〜80m・Pa・sであることを特徴とする請求項1記載のダブルプライフィルムの製造方法。
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