JP4817406B2 - プロピレン−ビニルアルコール共重合体及びその製造方法 - Google Patents

プロピレン−ビニルアルコール共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン−ビニルアルコール共重合体、及び1,4−ポリイソプレンを完全にヒドロキシル化してプロピレン−ビニルアルコール共重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品やその他の製品の包装用材料や、接着性材料として従来から疎水性であるα−オレフィン系重合体に親水性であるモノマを併用した重合体が使用されてきた。例えば親水性および生分解性に富むビニルアルコールとエチレンとを共重合させたエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)が知られている。
【0003】
しかし、かかる重合体はα−オレフィンとビニルアルコールとをランダムに重合したものであり、厳密にα−オレフィンとビニルアルコールを1:1の比で交互に共重合させたものはいままで知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プロピレンとビニルアルコールを完全に交互に共重合させた新規な構造を有するプロピレン−ビニルアルコール共重合体とその製造方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、プロピレンとビニルアルコールとも完全な交互共重合体を得るべく鋭意研究した結果、1,4−ポリイソプレンをほぼ完全にヒドロキシル化できる反応条件を見出し、かかる知見により本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明にかかるプロピレン−ビニルアルコール共重合体は、1,4−ポリイソプレンをほぼ完全にヒドロキシル化して得られるものでありその構造は、式(1)で表されることを特徴とするものである。
【化3】
Figure 0004817406
ここで、nは15〜15000を表す。
【0007】
さらに、本発明のプロピレン−ビニルアルコール共重合体には、シス−1,4−ポリイソプレンをほぼ完全にヒドロキシル化して得られるもの、及びトランス−1,4−ポリイソプレンをほぼ完全にヒドロキシル化して得られるものを含む。これらは式(1)で表される同じ構造を有するものであるが、以下説明するようにその化学的性質および物理的性質が相違し、別の重合体である。ここでほぼ完全にとは、以下説明するように99%以上の二重結合がヒドロキシル化されていることを意味する。
【0008】
本発明にかかるプロピレン−ビニルアルコール共重合体を製造する方法であって、原料として1,4−ポリイソプレンを用い、溶媒中でヒドロホウ素化し、さらに酸化してヒドロキシル化する方法において、ヒドロホウ素化反応を反応溶液が非ゲル状態で行うことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。
プロピレン−ビニルアルコール共重合体
本発明にかかるプロピレン−ビニルアルコール共重合体は式(1)で表される新規な構造を有する。
【化4】
Figure 0004817406
ここで、nは15〜15000を表す。
【0010】
また、本発明にかかるプロピレン−ビニルアルコール共重合体は分子内のミクロ立体構造については何ら限定はない。具体的には原料として、シス−1,4−ポリイソプレン(以下、「cisPIP」とする場合がある)を用いた場合に得られるもの(以下、「cisPIP−OH」とする場合がある)が含まれる。かかるプロピレン−ビニルアルコール共重合体は、原料であるシス−1,4−ポリイソプレンにヒドロホウ素化した後に酸化的に処理してヒドロキシル化する反応メカニズムに従い分子内のミクロ立体構造が規定される。また、同様に、トランス−1,4−ポリイソプレン(以下、「transPIP」とする場合がある)を用いた場合に得られるもの(以下、「transPIP−OH」とする場合がある)が含まれる。かかるプロピレン−ビニルアルコール共重合体は、原料であるトランス−1,4−ポリイソプレンにヒドロホウ素化した後に酸化的に処理してヒドロキシル化する反応メカニズムに従い分子内のミクロ立体構造が規定される。
【0011】
(溶解性)
溶解性については以下の表にまとめられるように、原料である1,4−ポリイソプレンがテトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム等の溶媒によく溶解し、メタノールには不溶であるのに対し、得られるプロピレン−ビニルアルコール共重合体は一般的にその逆の溶解性を示す。
【表1】
Figure 0004817406
【0012】
(構造解析)
本発明のプロピレン−ビニルアルコール共重合体の分子構造は、1H、13C核磁気共鳴吸収スペクトル(以下「1H」「13C−NMR」とする)、赤外線吸収スペクトル(以下「IR」とする)等の分光学的測定、及び動的粘弾性(以下「DMA」とする)、示差走査熱量分析(以下「DSC」とする)、熱重量分析(以下「TG」とする)、広角X線回折等の熱分析を用いることにより決定できる。
さらに、分子量分布については、高温ゲル浸透クロマトグラフ(以下「高温GPC」とする)にて測定することができる。
【0013】
図1には、シス−1,4−ポリイソプレン(cisPIP)、及びそれからボラン−THF錯体/THF溶液(以下、「BTC」という場合がある)試薬を用いて得たプロピレン−ビニルアルコール共重合体(cisPIP−OH)の1H−NMRを示す。ここで、a〜iまでの水素の帰属から、オレフィン水素であるcが完全に消失し、新たにgとh水素が現れていること、さらにメチル基が高磁場へシフトしていることから二重結合が完全にヒドロキシル化されていることがわかる。図示したcisPIP−OHの分子構造は後述する13C−NMRで決定した逆マルコニコフ付加とマルコニコフ付加により生成するモノマーユニット組成を表している。
【0014】
図2には、トランス−1,4−ポリイソプレン(transPIP)、及びそれからBTCを用いて得たプロピレン−ビニルアルコール共重合体(transPIP−OH)の1H−NMRを示す。シス−1,4−ポリイソプレンの場合と同様の変化が見られるが、明らかに、cisPIP−OHとtransPIP−OHとが異なったミクロ構造を有していることが明らかであり、原料であるシス又はトランス−1,4−ポリイソプレンにヒドロホウ素化した後に酸化的に処理してヒドロキシル化する反応メカニズムに従い分子内のミクロ立体構造が規定されることが分かる。また逆マルコニコフ付加とマルコニコフ付加により生成するモノマーユニット組成はcisPIP−OHと異なる。
【0015】
図3及び図4には、それぞれ、cisPIP及びcisPIP−OHのIR、及びtransPIP及びtransPIP−OHのIRを示す。これらの結果明らかに、二重結合性の=C−H、C=Cが消失し、代わりにOH基によりピークの性の炭素−炭素シス−1,4−ポリイソプレンの場合と同様の変化が見られる。
【0016】
図5および図6には、9−ボラビシクロ−3,3,1−ノナン(シクロヘキサン中)(以下「9BBN」という場合がある)ホウ素化試薬を用いて得たcisPIP−OHおよびtransPIP−OHの1H−NMRを示す。図1および図2のBTCを用いて得られるcisPIP−OHおよびtransPIP−OHの場合と同様の変化が見られるが、明らかに、異なったミクロ構造を有していることが明らかである。図に示されるように、どちらの場合もBTCより逆マルコニコフ付加の選択性が高くなることがわかる。
【0017】
図7および図8には、BTCと9BBNで得たcisPIP−OH及びtransPIP−OHの13C−NMRを示す。ここで、cisPIP及びtransPIPのモノマーユニットの各炭素、とくにオレフィン炭素が完全に消失し、新たOHとメチル基と結合したメチン炭素が現れていること、メチル基炭素が高磁場へシフトしていること、さらに各炭素のシグナルがミクロ立体構造により分裂していることから、二重結合が完全にヒドロキシル化されていることがわかる。シグナル1〜3および4〜6は図示した分子構造に帰属され、これらの強度比から逆マルコニコフ付加とマルコニコフ付加によるモノマーユニット組成が算出される。明らかに、cisPIP−OHとtransPIP−OHのピークが相違しこれはこれらが異なったミクロ構造を有していることが明らかであり、原料であるシス又はトランス−1,4−ポリイソプレンにヒドロホウ素化した後に酸化的に処理してヒドロキシル化する反応メカニズムに従い分子内のミクロ立体構造が規定されることが分かる。
【0018】
図9には、cisPIP、cisPIP−OH、およびtransPIPのDMA曲線が示されている。ここでtransPIP−OHのDMA曲線が示されていないのは、試料が測定時に破壊されるためである。cisPIP−OHはcisPIPの−60℃付近の弾性率E'の低下が消失し、40℃付近に現れる。ヒドロキシル化により粘弾性が大きく変化することが示される。
【0019】
さらに図10には図9と同じ条件で測定したtanδが示されている。cisPIPのヒドロキシル化によりガラス転移温度Tgが55℃近辺に現れ、顕著な変化が見られる。cisPIP−OH(BTC)とcisPIP−OH(9BBN)から逆マルコニコフ付加とマルコニコフ付加によるモノマーユニット組成によってTgが幾分異なる。
【0020】
図11には、cisPIP、cisPIP−OH、transPIP、transPIP−OHのDSC曲線が示されている。cisPIP−OHはDMAと同様にcisPIPのTgが高温度側にシフトしていること、また、transPIP−OHはtransPIPの結晶融解吸熱ピーク(55℃付近)が消失し、30℃付近にTgが現れた。さらに、cisPIP−OHとtransPIP−OHは明らかに相違する挙動を示し、ミクロ構造がそれぞれ異なることを示す。
【0021】
図12および13には、cisPIPとcisPIP−OHおよびtransPIPとtransPIP−OHのTG曲線が示されている。原料であるcisPIPとtransPIPのTG曲線に比較して、cisPIP−OH、transPIP−OHは200℃近傍に達するまでに約5%程度の減量が見られることが特徴であり、ヒドロキシル基の強い極性分子吸着能を示す。しかし、cisPIP−OHとtransPIP−OHとのTG曲線は有意に相違し、ミクロ構造の相違が原因と考えられる。
【0022】
図14および15には、cisPIPとcisPIP−OHおよびtransPIPとtransPIP−OHの広角X線回折ピークが示されている。cisPIPとcisPIP−OHはともに非晶性を示している。一方transPIPに見られる結晶性ピークはtransPIP−OHで完全に消失した。これらの結果はDMA(図9および10)およびDSC(図11)測定結果と一致する。
【0023】
製造方法
本発明にかかるプロピレン−ビニルアルコール共重合体を製造する方法は、1,4−ポリイソプレンを原料とする。1,4−ポリイソプレンは合成物であっても天然物由来であってもよい。分子量には特に制限はないく、15〜15000の範囲であればよい。
【0024】
かかる1,4−ポリイソプレンを通常公知のヒドロホウ素化試薬を用いてヒドロホウ素化し、さらに酸化することによりヒドロキシル化する方法である。最終的に得られるプロピレン−ビニルアルコール共重合体は水中に投入して析出させ、それを十分洗浄した後、濾過して回収することは容易である。
【0025】
特に本発明にかかる方法においては、原料の1,4−ポリイソプレンをヒドロホウ素化するに際に、反応溶液がゲル状態(非ゲル状態)でないような条件を選択することが特徴である。ここでゲル状態とは、反応溶液中でヒドロホウ素化試薬を添加して1,4−ポリイソプレンの一部の二重結合がヒドロホウ素化されると同時に架橋反応により溶液がゲル状態となり、もはやヒドロホウ素化試薬が十分に1,4−ポリイソプレンの二重結合部位に到達されにくい状態を意味する。従って、このような場合にはヒドロホウ素化反応が実質的に停止され、不完全なヒドロホウ素化に終わる。
【0026】
本発明においては、かかるヒドロホウ素化試薬と1,4−ポリイソプレンの二重結合部位との反応による溶液のゲル化を防止する目的で、(i)原料1,4−ポリイソプレンの濃度を特定の溶媒中で一定の濃度より低くして反応させ、かつ(ii)反応温度を制御して反応中ゲル化が起こらないようにすることが好ましい。
原料1,4−ポリイソプレンの濃度は溶媒がテトラヒドロフラン(THF)の場合1w/v%(溶媒の体積に対しての1,4−ポリイソプレンの重量%、以下同じ)以下が好ましく、より好ましくは0.7%、さらには0.3%以下であることが特に好ましい。
【0027】
ヒドロホウ素化試薬としてはボラン錯体、モノアルキルボラン、ジアルキルボランが一般的であるが、好ましくはBH3のTHF錯体である。また反応温度は55℃以上、好ましくは60℃以上、特に好ましくは70℃以上である。ゲル化は反応温度を極端に下げ、反応速度を低下させて防ぐ方法も有効である。30℃以下、好ましくは0℃付近である。溶媒がTHFの場合、沸点付近で還流させることが好ましい。反応時間は1時間以上、好ましくは5時間程度である。
【0028】
本発明においてはまた、架橋が起こらない構造を有するヒドロホウ素化試薬を使用することも可能である。かかる非架橋性のヒドロホウ素化試薬としては従来公知の単官能性(分子中に1個のBH基のみ有するもの)のものが選択できるが例えば、9BBNが挙げられる。この場合には、反応溶液がゲル状態になりにくくより高い濃度で反応させることが可能となる。具体的には溶媒をTHFとした場合、原料1,4−ポリイソプレンを3%程度にすることが可能である。
【0029】
本発明において、使用するヒドロホウ素化試薬の量は、1,4−ポリイソプレンの反応させる二重結合1個に対して1つBH基が反応する場合に1当量とすると、1〜1.5当量の使用が好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例で物理的性質の測定には以下の装置及び条件を用いた。
1H−NMR:日本電子(株)製、AL400MHz−NMRスペクトロメータ(共鳴周波数、399.65MHz)。cisPIP、transPIPは重ベンゼン中、測定温度24℃で測定。cisPIP−OH、transPIP−OHは重メタノール中、測定温度60℃で測定。
13C−NMR:日本電子(株)製、ECP500MHz−NMRスペクトロメータ(共鳴周波数、500.16MHz)。cisPIP−OH、transPIP−OHは重メタノール中、測定温度60℃で測定。
IR:Perkin−Elmer製1600−FT−IR赤外分光計。transPIPはフィルム法、cisPIP、cisPIP−OH、transPIP−OHはKBr法により測定。
DMA:アイテイ製作制御(株)製のDVA220動的粘段性測定装置。30mm×5mmサンプルサンプル、つかみ幅20mm、昇温速度5℃/min、周波数10Hz、引張りモードで測定。
DSC:セイコー電子工業(株)製のDSC6100示差走査熱量分析計。窒素気流中(100ml/min)で、昇温速度10℃/minで測定。
TG:セイコー電子工業(株)製のTG/DTG6200熱量分析計。窒素気流中(100ml/min)で、昇温速度10℃/minで測定。
広角X線回折:理学電機社製の回転対陰極型Rint−2500V。室温(19℃)で測定。
高温GPC:東ソー製HLC−8121GPC/HT高温ゲル浸透クロマトグラフ。試料濃度0.1w/v%、溶媒o−ジクロロベンゼン、測定温度145℃、流量1000μl/minで測定。
また、cisPIPおよびtransPIPは市販品をそのまま用いた。高温GPCよりそれぞれ重量平均分子量(Mw)は8.0×105および4.0×105であった。1H‐NMRにより構造は97%および98%1,4‐付加したものであることを確認した。
【0031】
(実験1)
脱気してN2置換した四つ口フラスコに、cisPIP0.7gを蒸留精製THF100.0mlに溶解させ、得られた溶液およびボラン−THF錯体/THF溶液(以下「BTC」という)3.2ml(1.08mol/l)を添加して55℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH5.5ml、メタノール 1.4mlおよびH223.7mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら順に酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0032】
(実験2)
脱気してN2置換した四つ口フラスコにcisPIP0.7gを蒸留THF100.0mlに溶解させ、得られた溶液およびBTC3.2ml(1.08mol/l)を添加して55℃で24時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH5.5ml、メタノール1.4mlおよびH223.7mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0033】
(実験3)
脱気してN2置換した四つ口フラスコにcisPIP3.0gを蒸留THF100.0mlに溶解させ、得られた溶液 および BTC13.6ml(1.08mol/l)を添加して55℃で1時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH 23.5ml、メタノール6.0mlおよびH2215.9mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0034】
(実験4)
脱気してN2置換した四つ口フラスコにcisPIP3.0gを蒸留THF100.0mlに溶解させ、得られた溶液 および BTC13.6ml(1.08mol/l)を55℃で添加して3時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH23.5ml、メタノール6.0mlおよびH2215.9mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0035】
(実験5)
脱気してN2置換した四つ口フラスコにcisPIP0.7gを蒸留THF100.0mlに溶解させ、得られた溶液 および BTC3.2ml(1.08mol/l)を添加し70℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH5.5ml、メタノール1.4mlおよびH223.7mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0036】
(実験6)
脱気してN2置換した四つ口フラスコにcisPIP1.0gを蒸留THF100.0mlに溶解させ、得られた溶液 および BTC4.5ml(1.08mol/l)を添加し70℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH7.8ml、メタノール2.0mlおよびH225.3mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0037】
(実験7)
脱気してN2置換した四つ口フラスコにcisPIP3.0gを蒸留THF100.0mlに溶解させ、得られた溶液およびBTC13.6ml(1.08mol/l)を添加し70℃で3時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH23.5ml、メタノール6.0mlおよびH2215.9mlを添加して40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0038】
(実験8)
脱気してN2置換した四つ口フラスコにcisPIP0.7gを蒸留THF100.0mlに溶解させ、得られた溶液およびBTC9.5ml(1.08mol/l)を添加し70℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH16.4ml、メタノール4.2mlおよびH2211.4mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0039】
(実験9)
四つ口フラスコにtransPIP0.7gをいれ、窒素置換後THF100.0mlおよびBTC9.5ml(1.08mol/l)を加え70℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH16.4ml、メタノール4.2mlおよびH2211.4mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0040】
(実験10)
脱気N2置換した四つ口フラスコにcisPIP0.3gを蒸留THF10.0mlに溶解させ、得られた溶液および9−ボラビシクロ−3,3,1−ノナン(シクロヘキサン中)(以下「9BBN」という)26.4ml(0.5mol/l)を添加し55℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH7.0ml、メタノール1.8mlおよびH224.8mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
【0041】
(実験11)
脱気N2置換した四つ口フラスコにtransPIP0.3gを蒸留THF10.0mlに溶解させ、得られた溶液および9BBN26.4ml(0.5mol/l)を添加し55℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH7.0ml、メタノール1.8mlおよびH224.8mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
【0042】
(実験12)
脱気N2置換した四つ口フラスコにtransPIP0.7gを蒸留THF10.0mlに溶解させ、得られた溶液およびBTC9.5ml(1.08mol/l)を添加し0℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH16.4ml、メタノール4.2mlおよびH2211.1mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
反応後、混合物に撹拌しながらTHFの4倍量の水を加え、生じた白色沈殿物をろ過により回収し、水洗した。
【0043】
(実験13)
脱気N2置換した四つ口フラスコにcisPIP0.3gを蒸留THF10.0mlに溶解させ、得られた溶液および9BBN26.4ml(0.5mol/l)を添加し0℃で5時間撹拌しながらヒドロホウ素化反応を行なった。
続けて、反応混合物を0℃に冷却し、5N−NaOH7.0ml、メタノール1.8mlおよびH224.8mlを添加し40℃で15時間撹拌しながら酸化反応を行なった。
【0044】
以上実験1〜13の反応条件、OH基導入率、収率をまとめて表に示した。
【0045】
【表2】
Figure 0004817406
【0046】
【発明の効果】
本発明にかかる方法により、1,4−ポリイソプレンをほぼ完全にヒドロキシル化することが可能であり、従って、新規な構造を有する、プロピレン−ビニルアルコール交互共重合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験8のcisPIPとcisPIP−OHの1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図2】実験9のtransPIPとtransPIP−OHの1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図3】実験8のcisPIPとcisPIP−OHのIRスペクトルを示す図である。
【図4】実験9のtransPIPとtransPIP−OHのIRスクトルを示す図である。
【図5】実験10のcisPIP−OHの1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図6】実験11のtransPIP−OHの1H−NMRスペクトルを示す図である。
【図7】実験8と実験10のcisPIP−OHの13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図8】実験9と実験11のcisPIP−OHの13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図9】実験8と実験10のcisPIPとcisPIP−OH、および実験9と実験12のtransPIPとtransPIP−OHのDMAの結果を示す図である。
【図10】実験8と実験10のcisPIPとcisPIP−OH、および実験9と実験12のtransPIPとtransPIP−OHのDMA(tanδ)の結果を示す図である。
【図11】実験8と実験10のcisPIPとcisPIP−OH、および実験9と実験11のtransPIPとtransPIP−OHのDSCの結果を示す図である。
【図12】実験8と実験10のcisPIPとcisPIP−OHのTGの結果を示す図である。
【図13】実験9と実験11のtransPIPとtransPIP−OHのTGの結果を示す図である。
【図14】実験8と実験10のcisPIPとcisPIP−OHの広角X線回折の結果を示す図である。
【図15】実験9と実験11のtransPIPとtransPIP−OHの広角X線回折の結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 式(1)
    Figure 0004817406
    (ここで、nは15〜15000を表す)で表される、プロピレン−ビニルアルコール共重合体。
  2. シス−1,4−ポリイソプレンをヒドロキシル化して得られる請求項1に記載のプロピレン−ビニルアルコール共重合体。
  3. トランス−1,4−ポリイソプレンをヒドロキシル化して得られる請求項1に記載のプロピレン−ビニルアルコール共重合体。
  4. 1,4−ポリイソプレンを反応溶液中において非ゲル状態でヒドロホウ素化し、さらに酸化してヒドロキシル化し、式(1)
    Figure 0004817406
    (ここでnは15〜15000の整数を表す)で表されるプロピレン−ビニルアルコール共重合体を製造する方法。
  5. 1w/v%以下の濃度の1,4−ポリイソプレンをテトラヒドロフラン溶液中で55℃以上の反応温度でヒドロホウ素化を行う請求項4に記載の製造方法。
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