JP4816967B2 - 内燃機関の排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
こうした排気ガス浄化装置には、エンジンから排気された排気ガスを外部へ排気する排気管部内に、前段触媒と呼ばれる、酸化触媒やNOxトラップ触媒や選択還元型NOx触媒などの触媒を設け、触媒の上流側、例えば酸化触媒の上流に、該触媒の反応に求められる添加剤を噴射する添加剤噴射弁などを設けた構造が採用される。
しかし、最近のようにエンジンの冷態時の浄化効率を高めるため、エンジンの排気側の近くに触媒を配置するようになると、限られたエンジン本体から触媒までの短い区間に添加剤噴射弁を設置することが余儀なくされるために、添加剤の飛翔距離が確保しにくい。
ところで、同構造では、添加剤噴射弁から噴射された添加剤は、排気ガスの流量や流速が低いエンジンの低回転時には、斜め方向から触媒の入口端面の端側に到達し(排気ガスに押される力が弱いため)、排気ガスの流量や流速が高いエンジンの高回転時には、噴射流が排気ガスで押されて大きく偏向する。そこで、近時では、この噴射流の偏向を用いて、エンジンの高回転時には、噴射された添加剤が触媒の入口端面の中心側に到達させるよう添加剤噴射弁の噴射方向を設定して、添加剤の飛翔距離を稼ぐだけでなく、最適な噴射到達位置に添加剤を噴射させて、効率よく触媒が反応させることも行われている。
ところが、斜め方向から添加剤を噴射する排気ガス浄化装置は、確かに添加剤の飛翔距離が確保されたり、エンジンの高回転時において、噴射された添加剤が触媒の入口端面の全体へ均一な分布で流入されたりするが、反面、エンジンの低回転時、噴射された添加剤は、触媒の入口端面の端へ向かうために、限られた端部分だけに添加剤が集中して供給されるという偏った分布が発生しやすい。このため、触媒が十分にその機能を発揮できない問題がある。しかも、添加剤の一部は、触媒を外側から保持する触媒保持マットに付着して吸収されたり、触媒を通過せずに当該マットを通じて触媒の下流側へ流れ出たりするために、排気ガス浄化性能が損なわれたりする難点もある。
請求項2に記載の発明は、エンジンの低回転時において噴射された添加剤がガイド部により拡散又は霧化が促進されるよう、ガイド部は、エンジンの低回転時に触媒の入口端面の端側に噴射される添加剤の噴射流を前記入口端面の中央側の向きに変えるものとした。好ましくは、最適な分布で添加剤が触媒の入口端面へ供給されるよう、ガイド部には、エンジンの高回転時のときの偏向量になるように添加剤の噴射流の向きを変える構造を採用し、添加剤が触媒の最適な噴射到達位置へ噴射されるようにする。
請求項6に記載の発明は、さらに、添加剤が効果的に触媒の入口端面上を拡がるよう、複数段の湾曲面には、触媒の入口端面の端と当該触媒を収めた排気管部分の壁面との間を塞ぐように形成された第1の湾曲面と、第1の湾曲面と並ぶように該第1の湾曲の直上流の地点の排気管部分に形成された第2の湾曲面とを有する構成を採用した。
請求項3、4の発明によれば、排気管部分に凹部を形成したり、湾曲面部を形成したりするという、簡単な構造のガイド部で、添加剤の噴射流を触媒の入口端面の中心側へ向かわせることができる。
請求項6の発明によれば、さらに、効果的に、添加剤を触媒の入口端面上に拡がらせることができるうえ、触媒を外側から保持する保持部材(マット)に添加剤が付着するのを確実に防ぐことができ、添加剤の付着や吸着を要因とした排気ガス浄化性能の損失を防ぐことができるといった効果を奏する。
図1は内燃機関、例えばディーゼルエンジンの排気系を示している。
図1中1は、ディーゼルエンジンのエンジン本体、1aは同エンジン本体1のエキゾーストマニホールド(一部しか図示せず)、2はそのエキゾーストマニホールド1aの出口に接続されたターボチャージャを示す。
例えば、NOx除去系3aには、ターボチャージャ3の排気出口から、下方へ向うように連結された、前段触媒となる酸化触媒5(本願の触媒に相当)が内蔵された触媒コンバータ6と、同触媒コンバータ6の後に横方向に連結された、NOxトラップ触媒8が内蔵された触媒コンバータ9と、後述する酸化触媒5へ触媒反応用の添加剤を供給する添加剤噴射弁23とを組み合わせた構成が用いられている。また捕集系3bには、触媒コンバータ9に、ディーゼルパティキュレートフィルタ11が内蔵された触媒コンバータ12を連結した構成が用いられている。これらの触媒コンバータ6,9,12や同コンバータ間をつなぐ接続部13などから、ディーゼルエンジン(エンジン本体1)から排気された排気ガスを外部へ導く排気管部15を構成している。そして、この排気管部15の内部で形成される通路を排気ガス通路16としている。
同ガイド部25には、例えば図1〜図3に示されるように噴射先に在る壁部分18aの一部を拡張部18の内側へ角形状に凹ませた凹部27が用いられている。そして、凹部27の凹んだ壁部分から、エンジンの低回転時に噴射された添加剤の噴射流αと衝突する衝突面部28を形成している。この衝突面部28の形状や大きさは、衝突する添加剤の噴射流α(エンジンの低回転時)を、酸化触媒5の入口端面5aの中心側へ反射させるのに最適なものとなっている。このガイド部25により、従来であれば入口端面5aの端側へ向かう添加剤の噴射流αを、入口端面5aの中心側へ向かわせるようにしている。
なお、添加剤噴射弁23から噴射される添加剤は、酸化触媒5の反応により還元剤を生成し、この還元剤でNOxトラップ触媒8に吸蔵されたNOxやSOxを還元除去したり、同じく酸化触媒5の反応で得た熱により、ディーゼルパティキュレートフィルタ11で捕集したPMを燃焼除去したりするのに用いるものである。そのため、添加剤噴射弁23は、ディーゼルエンジンを制御する制御部、例えばECU(図示しない)によって、ディーゼルエンジンの運転中、NOxやSOxの還元除去、PMの燃焼除去といった、触媒反応が求められるときに添加剤が噴射されるようにしてある。
今、ディーゼルエンジンが運転中であるとする。このとき、ディーゼルエンジンから排出された排気ガスは、エキゾーストマニホールド1a、ターボチャージャ2、屈曲部15a、酸化触媒5、NOxトラップ触媒8およびディーゼルパティキュレートフィルタ11を通じて、外気へ排出される。
ここで、吸蔵されたNOxやSOxまたは捕集されたPMを除去する時期となり、添加剤噴射弁23が作動したとする。
これにより、NOx、SOxやPMの除去に必要な添加剤(例えば軽油)が、添加剤噴射弁23から酸化触媒5の入口端面5aの端側へ向かって噴射される。添加剤の噴射は、飛翔距離を稼ぐため(排気ガスとの混合の機会を促進するため)、斜め方向から行われる。
この挙動により、添加剤は、偏向しながら、酸化触媒5の入口端面5aの最適な到達位置、すなわち中央へ向かって噴射される。これにより、添加剤は、中央から半径方向へ拡がるという最適な分布で、入口端面5aから酸化触媒5へ流入される。
したがって、斜め方向から噴射された添加剤は、ガイド部28の採用により、向かう先が変わる、排気ガスの押す力が弱いエンジンの低回転時でも、排気ガスの押す力の強いエンジンの高回転時でも、酸化触媒5の入口端面5aの中央側に向かわせることができる。つまり、添加剤を、エンジンの運転状態に関わらず、最適な分布で酸化触媒5へ噴射させることができる。これにより、添加剤は、酸化触媒5の入口端面5aの広範囲の領域から流入させることができる。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例で、凹部でなく、排気管部分に、内側が凹の湾曲面部30を形成して、添加剤の噴射流αの方向を入口端面5の中心側へ変えようとしたものである。
これには、図4および図5に示されるようにハウジング17として、例えば酸化触媒5を収めた主ハウジング部17xと、該主ハウジング部17x端内へ差し込む構造で主ハウジング部17xと接続される入口ハウジング部17y(拡張部18を含む)とを組み合わせた構造を用い、このうち添加剤の噴射先に在る、入口ハウジング部17yの差込側の周壁部19に、湾曲面部30を形成した構造が用いられている。具体的には湾曲面部30は、例えば周壁部に環状の曲成部を成形して、内面に、内側が凹の環状の湾曲面31を形成し、湾曲面31の円弧面がもたらす案内により、添加剤の噴射流αの噴射方向を、酸化触媒5の入口端面5aの中心側へ向かせるといった、簡単な構造が用いられている。図4はエンジンの低回転時の添加剤の噴射状態を示し、図5はエンジンの高回転時の添加剤の噴射状態を示している。
但し、図4および図5において第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
3 排気ガス浄化装置
5 酸化触媒(触媒)
15 排気管部
23 添加剤噴射弁
25 ガイド部
27 凹部
30 湾曲面部
31,31,31b 湾曲面
Claims (6)
- エンジンから排気された排気ガスを外部へ導く排気管部と、
前記排気管内に収められた触媒と、
前記触媒の上流の排気管部分に、エンジンの低回転時において、斜め方向から、当該排気管部分内を通じて、前記触媒の入口端面の端側へ、添加剤を噴射するように設けられ、エンジンの高回転時、添加剤の噴射流が、排気ガスによる偏向により、前記入口端面の中心側へ向かうようにした添加剤噴射弁と、
前記触媒の直上流の排気管部分に設けられ、前記触媒の入口端面の端側へ向かう添加剤の噴射流を当該入口端面の中心側へ向かわせるガイド部と
を具備したことを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化装置。 - 前記ガイド部は、エンジンの低回転時に前記触媒の入口端面の端側に噴射される添加剤の噴射流を前記入口端面の中央側の向きに変えるものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
- 前記ガイド部は、前記触媒の直上流の排気管部分を形成する壁部のうち、前記添加剤の噴射先にある在る壁部分に、当該排気管部分の内側へ凹ませた凹部を形成してなり、噴射された添加剤を当該凹部の凹んだ壁部分との衝突で反射させて、当該添加剤の噴射流が前記触媒の入口端面の中心側へ向くようにしてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
- 前記ガイド部は、前記触媒の直上流の排気管部分を形成する壁部のうち、前記添加剤の噴射先にある在る壁部分に、排気管部分の内側が凹の湾曲面部を形成してなり、噴射された添加剤を当該湾曲部面部により方向変換させて、当該添加剤の噴射流が前記触媒の入口端面の中心側へ向くようにしてあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
- 前記湾曲面部は、前記添加剤の噴射方向に沿って並ぶ複数段の湾曲面で形成されることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
- 前記複数段の湾曲面は、
前記触媒の入口端面の端と当該触媒を収めた排気管部分の壁面との間を塞ぐように形成された第1の湾曲面と、
前記第1の湾曲面と並ぶように該第1の湾曲面の直上流の地点の排気管部分に形成された第2の湾曲面とを有してなる
ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排気ガス浄化装置。
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