JP4815739B2 - チュ−ブ容器用包材およびそれを使用したチュ−ブ容器 - Google Patents
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Description
而して、上記で製造されたチュ−ブ容器は、その筒状胴部の他方の開口部から、例えば、練り歯磨き、マヨネ−ズ、練りワサビ、練りからし、ケチャップ、その他の調味料、あるいは、ホイップクリ−ム、その他等のクリ−ム類等の飲食品、化粧品、医薬品、その他等の内容物を充填し、しかる後、その開口部を密閉シ−ルして底部シ−ル部を形成して、チュ−ブ容器からなる種々の形態の包装製品を製造している。
ところで、上記のようなチューブ容器を製造する積層材においては、チューブ容器内に充填包装した内容物を保護するという観点から、種々のプラスチックフィルム等を積層した種々の層構成からなる積層材が、開発され、提案されているが、それらの中で、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性に優れ、更に、防湿性等に優れているバリア性素材が積層されている積層材が知られている。
而して、上記のバリア性素材としては、通常、アルミニウム箔ないしアルミニウム蒸着フィルム、あるいは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の単層フィルム、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を使用した共押出フィルム、あるいは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物によるコートフィルム等が使用されている。
その他、バリア性素材として、ポリビニルアルコ−ル系樹脂フィルム、エチレンービニルアルコール共重合体フィルム等も使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、上記のように、バリア性素材として、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を使用したチューブ容器においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性において、所期の効果を有するものであるが、チューブ容器を包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、塩素原子を含有していることから、焼却廃棄時に、例えば、ダイオキシン等の有毒ガス等を発生する原因となり、人体等への影響が懸念されるために、廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点がある。
また、上記のように、バリア性素材として、ポリビニルアルコ−ル系樹脂フィルム、あるいは、エチレンービニルアルコール共重合体フィルム等を使用したチューブ容器においては、絶乾状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性については、所期の効果を有するものの、湿潤状態においては、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性が、著しく低下し、もはや、その使用に耐え得ないものであるという問題点がある。
そこで本発明は、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性等に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更にまた、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れているチューブ容器用包材およびそれを使用したチューブ容器を提供することである。
また、本発明にかかるチュ−ブ容器用包材は、更に、上記のバリア性フィルムを中間層として使用し、その一方の面に、表面ポリオレフイン系樹脂層、その他方の面に、裏面ポリオレフイン系樹脂層を順次に積層してチューブ容器用包材を製造していることから、強度等を有し、かつ、耐熱性、防湿性、ヒートシール性、耐ピンホール性、耐突き刺し性、透明性、その他等の種々の特性を有する積層材を製造し得るものである。
更に、本発明にかかるチュ−ブ容器用包材は、例えば、バリア性素材として、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等を使用していないものであるから、使用後にチュ−ブ容器等を焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れているものである。
上記のように種々の優れた利点を有する本発明にかかるチュ−ブ容器用包材は、その内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、極めて良好なチュ−ブ容器を製造し得るものである。
まず、図1は、本発明にかかるチューブ容器を形成するチューブ容器用包材についてその層構成の一例を示す概略的断面図であり、図2および図3は、図1に示すチューブ容器用包材を使用して製造した本発明にかかるチューブ容器の構成を示す概略的斜視図ないし半断面図であり、図4は、図2および図3に示す本発明にかかるチューブ容器内に内容物を充填包装した包装製品についてその一例を示す概略的斜視図である。
而して、上記に例示したチューブ容器用包材は、その一例を例示したものであり、本発明は、上記に例示した構成からなるチューブ容器用包材に限定されるものではなく、種々の形態のチューブ容器用包材を使用することができる。
例えば、図示しないが、各層間には、用途、充填する内容物等によって、更に別の材料からなる層を設けることができ、また、その積層順序としては、任意に積層することができるものである。
また、例えば、図示しないが、バリア性フィルムからなる中間層を構成する無機酸化物の蒸着膜は、内面側、あるいは、外面側等のいずれの方向に向けて対向させて積層しても良いものである。
而して、本発明においては、図4に示すように、上記で製造した本発明にかかるチューブ容器Cにおいては、それを構成する筒状胴部Bの他方の開口部より、例えば、練り歯磨き、その他等の内容物17を適量分だけ充填包装し、しかる後、該開口部を溶着して底シ−ル部18を形成して、内容物17を充填包装した本発明にかかるチューブ容器Cからなる包装製品Dを製造することができる。
例えば、図示しないが、本発明にかかるチューブ容器においては、表面ポリオレフイン系樹脂層の表裏のいずれかの片面及び/又は両面に、所望の印刷模様を設け、次いで、バリア性フィルムからなる中間層と、裏面ポリオレフイン系樹脂層とを積層して、本発明にかかるチューブ容器用包材を製造し、しかる後、これを使用して、以下、上記と同様にして、本発明にかかるチューブ容器、それを使用した包装製品等を製造することもできるものである。
あるいは、本発明にかかるチューブ容器においては、本発明にかかるチューブ容器用包材を構成する表面ポリオレフイン系樹脂層の面に、例えば、フレキソインキ組成物を使用し、フレキソ印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等のフレキソ印刷による印刷絵柄層(図示せず)を形成した後、以下、上記と同様に、該印刷絵柄層を形成した本発明にかかるチューブ容器用包材の両端部を重ね合わせて、その重合部分の表面ポリオレフイン系樹脂層の面と裏面ポリオレフイン系樹脂層の面とをヒ−トシ−ルしてヒ−トシ−ル部を形成して、筒状胴部を製造し、しかる後、これを使用して、本発明にかかるチューブ容器、それを使用した包装製品等を製造することもできるものである。
まず、本発明において、本発明にかかるチューブ容器用包材、チューブ容器等を構成す表面ポリオレフィン系樹脂層について説明すると、かかる表面ポリオレフイン系樹脂層を構成する材料としては、前述のように、本発明にかかるチューブ容器用包材の両端部を重ね合わせて、その重合部分の表面ポリオレフィン系樹脂層と裏面ポリオレフィン系樹脂層とをヒ−トシ−ルして筒状胴部を製造することから、加熱により溶融して相互に融着することができ、更に、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、その他等により、印刷模様を形成し得るヒートシール性を有する樹脂を使用することが望ましいものである。
具体的には、上記のヒ−トシール性を有する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンープロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂を不飽和カルボン酸を使用して酸変性した酸変性ポリオレフイン系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレンーα・オレフイン共重合体を使用することができる。
上記のメタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カーネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エポリユー」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフイニティー(AFFINITY)、商品名「エンゲージ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体を使用することができる。
なお、本発明において、表面ポリオレフイン系樹脂層の膜厚としては、25μmないし300μm位、好ましくは、30μmないし200μm位が望ましいものである。
上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレンーα・オレフイン共重合体を使用することができる。
上記のメタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カーネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エポリユー」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフイニティー(AFFINITY)、商品名「エンゲージ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体を使用することができる。
上記において、裏面ポリオレフイン系樹脂層は、内容物に対する低臭性、保香性等に優れ、また、強度等に優れ、腰等の向上を図ることができるものであることが好ましいものである。
なお、本発明において、裏面ポリオレフイン系樹脂層の膜厚としては、25μmないし300μm位、好ましくは、30μmないし200μm位が望ましいものである。
なお、本発明においては、特に、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜100μm位、より好ましくは、9〜50μm位が望ましい。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を任意に使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシ−トと後述する無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
本発明においては、図5に示すように、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フィルム2を繰り出し、更に、該基材フィルム2を、補助ロ−ル24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル29を通して真空チャンバ−22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された基材フィルム2の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバ−22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム2は、補助ロ−ル33を介して巻き取りロ−ル34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。 また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
本発明において、具体的には、金属または金属の酸化物を原料とし、これを加熱して蒸気化し、これを基材フィルムの一方の上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの一方の上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
図6に示すように、巻き取り式真空蒸着装置41の真空チャンバ−42の中で、巻き出しロ−ル43から繰り出す基材フィルム2は、ガイドロ−ル44、45を介して、冷却したコ−ティングドラム46に案内される。
而して、上記の冷却したコ−ティングドラム46上に案内された基材フィルム2の上に、るつぼ47で熱せられた蒸着源48、例えば、金属アルミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素ガス吹出口49より酸素ガス等を噴出し、これを供給しながら、マスク50、50を介して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を成膜化し、次いで、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム2を、ガイドロ−ル51、52を介して送り出し、巻き取りロ−ル53に巻き取ることによって、本発明にかかる物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
なお、本発明においては、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることができる。
而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。
上記において、X=0の場合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用することができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。
本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または、金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用する金属または金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
而して、上記の異種の無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる複合膜としては、まず、基材フィルムの上に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設け、次いで、該無機酸化物の蒸着膜の上に、物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することが望ましいものである。
勿論、本発明においては、上記とは逆くに、基材フィルムの上に、先に、物理気相成長法により、無機酸化物の蒸着膜を設け、次に、化学気相成長法により、緻密で、柔軟性に富み、比較的にクラックの発生を防止し得る無機酸化物の蒸着膜を設けて、2層以上からなる複合膜からなる無機酸化物の蒸着膜を構成することもできるものである。
而して、本発明において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素を挙げることができる。
また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドにおいて、R2 で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他等を挙げることができる。
なお、本発明において、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記のアルコキシシランとしては、一般式Si(ORa )4 (ただし、式中、Raは、低級アルキル基を表す。)で表されるものである。
上記において、Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。
上記のアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH3 )4 、テトラエトキシシラン Si(OC2 H5 )4 、テトラプロポキシシラン Si(0C 3H7 )4 、テトラブトキシシラン Si(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のアルキルアルコキシシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン CH3 Si(OCH3 )3 、メチルトリエトキシシラン CH3 Si(OC2 H5 )3 、ジメチルジメトキシシラン (CH3 )2 Si(OCH3 )2 、ジメチルジエトキシシラン (CH3 )2 Si(OC2 H5 )2 、その他等を使用することができる。
上記のアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン等は、単独又は2種以上を混合しても用いることができる。
また、本発明において、上記のアルコキシシランの縮重合物も使用することができ、具体的には、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエメトキシシラン、その他等を使用することができる。
上記のジルコニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシジルコニウム Zr(OCH3 )4 、テトラエトキシジルコニウム Zr(OC2 H5 )4 、テトラiプロポキシジルコニウム Zr(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシジルコニウム Zr(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のチタニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシチタニウム Ti(OCH3 )4 、テトラエトキシチタニウム Ti(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシチタニウム Ti(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシチタニウム Ti(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のアルミニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシアルミニウム Al(OCH3 )4 、テトラエトキシアルミニウム Al(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシアルミニウム Al(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシアルミニウム Al(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
而して、本発明において、特に、アルコキシシランとジルコニウムアルコキシドを混合して用いることによって、得られるガスバリア性積層フィルムの靭性、耐熱性等を向上させることができ、また、延伸時のフィルムの耐レトルト性などの低下が回避されるものである。
上記のジルコニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であり、好ましくは、約5重量部位が好ましいものである。 上記において、10重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜が、ゲル化し易くなり、また、その膜の脆性が大きくなり、基材フィルムを被覆した際にガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
上記において、チタニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、好ましくは、約3重量部位が好ましいものである。
上記において、5重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、基材フィルムを被覆した際に、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
特に、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することにより、上記のガスバリア性、耐水性、および耐候性等の物性に加えて、耐熱水性および熱水処理後のガスバリア性等に著しく優れたガスバリア性塗布膜を形成することができるものである。
上記において、500重量部を越えると、ガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、得られるガスバリア性積層フィルムの耐水性および耐候性等も低下する傾向にあることから好ましくなく、更に、5重量部を下回るとガスバリアー性が低下することから好ましくないものである。
上記のポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂でも、もしくは、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂でもよく、特に限定されるものではない。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等を使用することができる。
具体的には、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが望ましいものである
また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものを使用することが好ましいものである。
上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
而して、上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。
本発明においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、それには、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。
上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。 本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して1〜20重量部位の範囲内で使用することができる。
上記において、20重量部以上を使用すると、形成されるガスバリア性塗布膜の剛性と脆性とが大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜の絶縁性および加工性が低下する傾向にあることから好ましくないものである。
具体的には、例えば、N、N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、その他等を使用することができる。
本発明においては、特に、N、N−ジメチルべンジルアミンが好適である。
その使用量は、アルコキシド、および、シランカップリング剤の合計量100重量部当り、0.01〜1.0重量部、好ましくは、約0.03重量部位使用することが好ましいものである。
また、上記のガスバリア性組成物において用いられる、酸としては、上記ゾルーゲル法の触媒、主として、アルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
上記の酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他等を使用することができる。
上記の酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対し0.001〜0.05モル位、好ましくは、約0.01モル位を使用することが好ましいものである。
上記の水の量が、2モルを越えると、上記のアルコキシシランと金属アルコキシドとから得られるポリマーが球状粒子となり、更に、この球状粒子同士が3次元的に架橋し、密度の低い、多孔性のポリマーとなり、而して、そのような多孔性のポリマーは、ガスバリア性積層フィルムのガスバリア性を改善することができなくなることから好ましくないものである。
また、上記の水の量が0.8モルを下回ると、加水分解反応が進行しにくくなる傾向にあることから好ましくないものである。
更に、上記のガスバリア性組成物において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシドやシランカップリング剤などを含む塗工液中で溶解した状態であることが好ましく、そのため上記の有機溶媒の種類が適宜選択されるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合には、n−ブタノールを使用することが好ましい。
本発明において、溶媒中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(商品名)として市販されているものを使用することができる。
上記の有機溶媒の使用量は、通常、上記のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/ 又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、酸およびゾルーゲル法触媒の合計量100重量部当り30〜500重量部位である。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルーゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合してガスバリア性組成物(塗工液)を調製する。
次に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材フィルムの一方の面に形成した無機酸化物の蒸着膜の上に、常法により、上記のガスバリア性組成物(塗工液)を通常の方法で塗布し、乾燥する。
而して、上記の乾燥により、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、金属アルコキシド、シランカップリング剤およびポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の重縮合が進行し、塗工膜が形成される。
更に、好ましくは、上記の塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗工膜を積層する。
最後に、上記の塗工液を塗布した基材フィルムを20℃〜150℃位で、かつ、基材フィルムの融点以下の温度、好ましくは、約50℃〜120℃位の範囲の温度で、30秒〜10分間加熱処理して、基材フィルムの一方の面に形成した無機酸化物の蒸着膜の上に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)によるガスバリア性塗布膜を1層ないし2層以上形成して、本発明にかかるガスバリア性フィルムを製造することができる。
このようにして得られた本発明にかかるガスバリア性フィルムは、ガスバリア性に優れているものである。
その際、酸が加水分解の触媒となる。
次いで、ゾルーゲル法触媒の働きによって、生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。
このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
また、塩基触媒の働きにより、エポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる。
加水分解されたシランカップリング剤と加水分解されたアルコキシドとの重縮合反応も進行する。
さらに、反応系にはポリビニルアルコール系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコール共重合体、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とが存在するため、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体が有する水酸基との反応も生じる。
生成する重縮合物は、例えば、Si−O−Si、Si−O−Zr、Si−O−Ti、その他等の結合からなる無機質部分と、シランカップリング剤に起因する有機部分とを含有する複合ポリマーを構成する
上記の反応においては、例えば、下記の式(III)に示される部分構造式を有し、更に、シランカップリング剤に起因する部分を有する直鎖状のポリマーがまず生成する。
このポリマーは、OR基(エトキシ基などのアルコキシ基)が、直鎖状のポリマーから分岐した形で有する。
このOR基は、存在する酸が触媒となって加水分解されてOH基となり、ゾルーゲル法触媒(塩基触媒)の働きにより、まず、OH基が、脱プロトン化し、次いで、重縮合が進行する。
すなわち、このOH基が、下記の式(I)に示されるポリビニルアルコール系樹脂、または、下記の式(II)に示されるエチレン・ビニルアルコール共重合体と重縮合反応し、Si−O−Si結合を有する、例えば、下記の式(IV)に示される複合ポリマー、あるいは、下記の式(V)及び(VI)に示される共重合した複合ポリマーが生じると考えられるものである。
このガスバリア性組成物(塗工液)を、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に塗布し、加熱して溶媒および重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に透明な塗工層が形成される。
上記の塗工層を複数層積層する場合には、層間の塗工層中の複合ポリマー同士も縮合し、層と層との間が強固に結合する。
更に、シランカップリング剤の有機反応性基や、加水分解によって生じた水酸基が基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の表面の水酸基等と結合するため、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜表面と、塗工層との接着性も良好なものとなるものである。
このような直鎖状ポリマーは、結晶性を有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造をとる。
このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高く分子鎖剛性も高いため良好なガスバリアー性を示す。
特に、N2 あるいは、CO2 ガス等を充填した、いわゆる、ガス充填包装に用いた場合には、その優れたガスバリア性が、充填ガスの保持に極めて有効となる。
更に、本発明にかかるガスバリア性積層フィルムは、熱水処理、特に、高圧熱水処理(レトルト処理)に優れ、極めて優れたガスバリア性特性を示すものである。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロ−ルコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコ−ト、デイツピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗布手段により、1回あるいは複数回の塗布で、乾燥膜厚が、0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μm位の塗工膜を形成することができ、更に、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができる。
また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プライマー剤等を塗布することもできるものであり、また、コロナ放電処理あるいはプラズマ処理、その他等の前処理を任意に施すことができるものである。
なお、本発明においては、その使用目的、使用形態、用途、その他等によって、上記の表面ポリオレフィン系樹脂層と、中間層と、裏面ポリオレフィン系樹脂層との層間に、更に、他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる本発明にかかるチュ−ブ容器用包材を設計して製造することができるものである。
また、本発明において、上記のような積層を行う際に、表面ポリオレフィン系樹脂層、中間層、裏面ポリオレフィン系樹脂層、他の基材等の積層面には、必要ならば、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、その他等の前処理を任意に行うことができるものである。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、本発明においては、積層する両者の一方の面に、上記のラミネート用接着剤を、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、その他等のコート法、あるいは、印刷法等によって施し、次いで、溶剤等を乾燥させてラミネート用接着剤層を形成すことができ、そのコーティングないし印刷量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
また、本発明においては、溶融押出ラミネートする場合、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、その他等のアンカーコート剤等を任意に使用することができる。
更に、本発明において、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、積層する基材等の表面に、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の前処理を任意に施すことができる。
その他、例えば、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシートは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシートとしては、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフイン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靭な樹脂のフィルムないしシート、その他等を使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシートとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
具体的には、例えば、水蒸気、水等のバリアー性を有する耐水性素材としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシート等を使用することができ、また、遮光性素材としては、例えば、樹脂に顔料等の着色剤、更に、その他等の所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシート等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシートの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
而して、本発明においては、上記のラミネートを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができ、また、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいは、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のラミネート用接着剤等の既知のアンカーコート剤、ラミネート用接着剤等を任意に使用することができる。
また、本発明においては、本発明にかかるチューブ容器用包材を構成するいずれかの基材に、そのラミネート前等において、例えば、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式等を使用して所望の印刷模様を形成することができるものである。
具体的には、本発明においては、表面ポリオレフイン系樹脂層を構成する基材、あるいは、無機酸化物の蒸着膜を有する基材フィルム等に所望の印刷模様等を形成することができるものである。
而して、本発明においては、上記で製造したチューブ容器の下端部の開口部から充填包装する内容物を充填し、次いでその開口部をヒ−トシールして底溶着部を形成して、本発明にかかるチューブ容器からなる包装製品を製造することができる。
上記において、充填包装する内容物としては、例えば、練り歯磨き、化粧品、糊、練りがらし、練りわさび、クリーム類、絵の具、軟膏、医薬品、その他等を挙げることができる。
上記において、本発明にかかるチューブ容器の肩部、口部等からなる頭部を構成する材料として、上記のような高密度ポリエチレンの他に、更に、前述のメタロセン触媒を使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体等を使用することもできる。
また、上記のフレキソインキとしては、ゴム凸版等を比較的侵さない、アルコール系または水性のビヒクルを主体とした蒸発乾燥型インキ、あるいは、紫外線硬化型インキ等を使用することができるものである。
而して、本発明においては、フレキソ印刷方式等を用いることにより、無地の状態でチューブ容器用包材を製造し、その無地のチューブ容器用包材あるいは無地の筒状同部の表面に直接印刷して、所望の印刷絵柄層を形成することができるので、原反のまとめ生産が可能となり、その生産効率を高め、製造ロスの削減等を行うことができ、また、受注に応じて、必要数量だけ印刷するために、製造ロスを削減し、短納期化が可能となるものである。
すなわち、通常、プラスチックフィルム等の原反フィルムに印刷して所望の印刷絵柄層を形成し、しかる後、これに他のプラスチックフィルム等を積層して、印刷絵柄付きの積層材を製造しているため、受注からのリードタイムが長くなり、各絵柄ごとに原反ロットがわかれるなど、製造プロセス、製造コスト等を著しく不利にするものであるが、本発明は、そのような問題点を解消し得るという利点を有するものである。
(1).まず、基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ポリエステルフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;へキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:Slm)
到達圧力;5.0×10-5mbar
製膜圧力;7.0×10-2mbar
ライン速度;300m/min
パワー;35kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜の面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kw、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧 6.0×10-2mbar、処理速度 420m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表1に示す組成に従って、組成a.エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH、エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に、予め調製した組成c.のポリビニルアルコール系樹脂水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040) 、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア性組成物を得た。
(表1)
組成a:EVOH(エチレン共重合率29%) 0.610(wt%)
イソプロピルアルコール 3.294
H2 O 2.196
組成b:エチルシリケート40 11.460
イソプロピルアルコール 17.662
アルミニウムアセチルアセトン 0.020
H2 O 13.752
組成c:ポリビニルアルコール系樹脂 1.520
シランカップリング剤 0.050
イソプロピルアルコール 13.844
H2 O 35.462
酢酸 0.130
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面の上に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明にかかるガスバリア性フィルムを製造した。
(3).次いで、上記で製造したガスバリア性フィルムを構成するガスバリア性塗布膜の上に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷模様層を形成した。
次に、上記で形成した印刷模様層を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これを、グラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾焼状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層面に、厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層した。
他方、厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムの全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これを、グラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2(乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、上記で厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムを積層したバリア性フィルムを、その二軸延伸ナイロン6フィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネートして、本発明にかかるチューブ容器用包材を製造した。
(4).次に、上記で製造したチューブ容器用包材を使用し、まず、該チューブ容器用包材を打ち抜き加工してブランク板を製造し、次いで、該ブランク板を丸めて、その重合端部の背貼り部を、215℃、3秒間、3Kg/cm2 の熱溶着条件でヒ−トシールして、直径35mm、高さ160mmのチューブ容器の胴部となる円筒体を製造した。
次いで、上記で製造した円筒体をチューブ容器成形用のマンドレルに装着し、次に、該円筒体の一方の端部に、常法により円錐台形状の肩部とそれに連続する細首の口頸部からなる頭部を、高密度ポリエチレン98.0重量部に、乳白顔料を2.0重量部添加した高密度ポリエチレン組成物を使用し、樹脂温度245℃で圧縮成形法で成形して、本発明にかかるチューブ容器を製造した。
次に、上記の頭部を有する円筒体の口頸部に、ポリプロピレン樹脂製のキャップを螺旋し、次いで、円筒体の他方の開口部から、練りわさび150gを充填し、次いで、該円筒体の開口部をヒートシールして、チューブ容器からなる包装製品を製造した。
上記で製造したチューブ容器からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。。
また、使用後のチューブ容器等を焼却廃棄処理しても特に支障はなかった。
(蒸着条件)
反応ガス混合比;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:Slm)
真空チヤンバー内の真空度;5.2×10-6mbar
蒸着チヤンバー内の真空度;5.1×10-2mbar
冷却・電極ドラム供給電力;30kw
フィルムの搬送速度;100m/min
蒸着面;コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表2に示す組成に従って、組成a.エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH、エチレン共重合比率29%)、イソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に、予め調製した組成c.のポリビニルアルコール系樹脂水溶液、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア性組成物を得た。
(表2)
組成a:EVOH(エチレン共重合率29%) 0.122 (wt%)
イソプロピルアルコール 0.659
H2 O 0.439
組成b:エチルシリケート40 9.146
イソプロピルアルコール 8.780
アルミニウムアセチルアセトン 0.018
H2 O 16.291
組成c:ポリビニルアルコール系樹脂 1.220
イソプロピルアルコール 19.893
H2 O 43.329
酢酸 0.103
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面の上に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明にかかるガスバリア性フィルムを製造した。
(3).他方、厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムの一方の全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これを、グラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、上記の(1)で製造したバリア性フィルムを、その二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネートした。
次に、上記で形成したガスバリア性塗布膜を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これを、上記と同様に、グラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層面に、厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層した。
更に、上記の表面ポリオレフイン系樹脂層としての厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムの面に、コロナ放電処理後、そのコロナ処理面に、紫外線硬化型フレキソインキ組成物を使用し、フレキソ印刷法により、所望の印刷絵柄層を形成して、本発明にかかるチューブ容器用包材を製造した。
(4).次に、上記で製造したチューブ容器用包材を使用し、上記の実施例1と同様にして、まず、チューブ容器の胴部となる円筒体を製造し、更に、その円筒体の一方の端部に、円錐台形状の肩部とそれに連続する細首の口頸部からなる頭部を圧縮成形法で成形して、本発明にかかるチューブ容器を製造した。
次に、上記の頭部を有する円筒体の口頸部に、ポリプロピレン樹脂製のキャップを螺旋し、次いで、円筒体の他方の開口部から、チョコホイップクリーム150gを充填し、次いで、該円筒体の開口部をと−トシールして、チューブ容器からなる包装製品を製造した。
上記で製造したチューブ容器からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。。
また、使用後のチューブ容器等を焼却廃棄処理しても特に支障はなかった。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;240m/min
蒸着面;コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表3に示す組成に従って、調製した組成a.のポリビニルアルコール系樹脂水溶液、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコー、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア性組成物を得た。
(表3)
組成a:ポリビニルアルコール系樹脂 1.235(wt%)
イソプロピルアルコール 20.139
H2 O 43.866
酢酸 0.104
組成b:エチルシリケート40 9.259
イソプロピルアルコール 8.888
アルミニウムアセチルアセトン 0.018
H 2 O 16.493
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面の上に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明にかかるガスバリア性フィルムを製造した。
(3).他方、厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムを使用し、その片面に、上記の実施例1と同様にして、印刷模様層を形成し、次に、上記の厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムの他方の全面に、ラミネート用接着剤層を形成し、更に、ラミネート用接着剤層の面に、上記の(1)で製造したバリア性フィルムを、その二軸延伸ナイロン6フィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネートした。
次に、上記でドライラミネートしたバリア性フィルムの酸化アルミニウムの蒸着膜面上のガスバリア性塗布面を含む全面に、ラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層面に、厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層して、本発明にかかるチューブ容器用包材を製造した。
(4).次に、上記で製造したチューブ容器用包材を使用し、上記の実施例1と同様にして、まず、チューブ容器の胴部となる円筒体を製造し、更に、その円筒体の一方の端部に、円錐台形状の肩部とそれに連続する細首の口頸部からなる頭部を圧縮成形法で成形して、本発明にかかるチューブ容器を製造した。
次に、上記の頭部を有する円筒体の口頸部に、ポリプロピレン樹脂製のキャップを螺旋し、次いで、円筒体の他方の開口部から、練りわさび150gを充填し、次いで、該円筒体の開口部をヒートシールして、チューブ容器からなる包装製品を製造した。
上記で製造したチューブ容器からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯戯保存等に優れているものであった。。
また、使用後のチューブ容器等を焼却廃棄処理しても特に支障はなかった。
(蒸着条件)
蒸着チヤンバー内の真空度;2×10-4mbar
巻き取りチヤンバー内の真空度;2×10-2mbar
電子ビーム電力;25kw
フィルムの搬送速度;240m/min
蒸着面;コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表4に示す組成に従って、調製した組成b.のポリビニルアルコール系樹脂、N、 N−ジメチルベンジルアミン32重量%エタノ−ルル溶液及びイオン交換水からなる混合液に、予め調製した組成a.のエチルシリケート(テトラエトキシシラン)、エタノ−ル、2N塩酸、イオン交換水及びシランカップリング剤(エポキシシリカSH6040) からなる加水分解液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア性組成物を得た。
(表4)
組成a:エチルシリケート 34.074(wt%)
エタノ−ル 34.074
2N 塩酸 2.535
H2 O 2.058
シランカップリング剤 3.407
組成b:ポリビニルアルコール系樹脂 2.372
H2 O 21.344
N、 N−ジメチルベンジルアミンエタノ−ル溶液 0.136
(32wt%)
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面の上に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明にかかるガスバリア性フィルムを製造した。
(3).他方、厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムの一方の全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これを、グラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層の面に、上記の(1)で製造したバリア性フィルムを、その二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネートした。
次に、先に形成したガスバリア性塗布膜を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤を使用し、これを、上記と同様に、グラビアロールコート法により、膜厚4.0g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてラミネート用接着剤層を形成した。
次いで、上記で形成したラミネート用接着剤層面に、厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネート積層した。
更に、上記の表面ポリオレフイン系樹脂層としての厚さ170μmの低密度ポリエチレンフィルムの面に、コロナ放電処理後、そのコロナ処理面に、紫外線硬化型フレキソインキ組成物を使用し、フレキソ印刷法により、所望の印刷絵柄層を形成して、本発明にかかるチューブ容器用包材を製造した。
(4).次に、上記で製造したチューブ容器用包材を使用し、上記の実施例1と同様にして、まず、チューブ容器の胴部となる円筒体を製造し、更に、その円筒体の一方の端部に、円錐台形状の肩部とそれに連続する細首の口頸部からなる頭部を圧縮成形法で成形して、本発明にかかるチューブ容器を製造した。
次に、上記の頭部を有する円筒体の口頸部に、ポリプロピレン樹胎製のキャップを螺旋し、次いで、円筒体の他方の開口部から、チョコホイップクリーム150gを充填し、次いで、該円筒体の開口部をと−トシールして、チューブ容器からなる包装製品を製造した。
上記で製造したチューブ容器からなる包装製品は、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、また、ラミネート強度等に優れ、市場における流通に耐え、かつ、貯蔵保存等に優れているものであった。。
また、使用後のチューブ容器等を焼却廃棄処理しても特に支障はなかった。
上記の実施例1〜4で製造したチューブ容器用包材について、酸素透過度、水蒸気透過度、および、シ−ル強度を測定した。
(1).酸素透過度の測定
これは、上記の実施例1〜4で製造したチューブ容器用包材について、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OX−TRAN2/20)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、上記の実施例1〜4で製造したチューブ容器用包材について、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN3/31)〕にて測定した。
(3).シール強度の測定
これは、上記の実施例1〜4で製造したチューブ容器の胴部、底部シ−ル部、および、肩部シ−ル部について、引っ張り強度試験機を使用し、そのシール強度を測定した。
上記の測定結果について、下記の表5に示す。
┌────┬────────────┬──────────────────┐ │ │ チュ−ブ容器用包材 │ チュ−ブ容器 │ │ ├─────┬──────┼────┬──────┬──────┤ │ │酸素透過度│水蒸気透過度│ 胴部 │底部シ−ル部│肩部シ−ル部│ ├────┼─────┼──────┼────┼──────┼──────┤ │実施例1│ 0.5 │ 0.5 │11.5│ 12.1 │ 12.8 │ ├────┼─────┼──────┼────┼──────┼──────┤ │実施例2│ 0.4 │ 0.3 │10.9│ 11.9 │ 12.9 │ ├────┼─────┼──────┼────┼──────┼──────┤ │実施例3│ 0.3 │ 0.5 │11.5│ 13.0 │ 14.6 │ ├────┼─────┼──────┼────┼──────┼──────┤ │実施例4│ 0.3 │ 0.3 │12.0│ 11.5 │ 12.1 │ └────┴─────┴──────┴────┴──────┴──────┘ 上記の表5において、酸素透過度の単位は、[cc/m2 /day・23℃・90%RH]であり、水蒸気透過度の単位は、[g/m2 /day・40℃・90%RH]であり、シ−ル強度の単位は、[kg/15mm巾]である。
2 基材フィルム
3 無機酸化物の蒸着膜
4 ガスバリア性塗布膜
5 バリア性フィルム
6 中間層
7 裏面ポリオレフィン系樹脂層
11、11’ 端部
12 ヒ−トシ−ル部
13 肩部
14 口部
15 頭部
16 キャップ
17 内容物
18 底シ−ル部
A チュ−ブ容器用包材
B 筒状胴部
C チュ−ブ容器
D 包装製品
Claims (16)
- 表面ポリオレフィン系樹脂層と、
基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の面上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、珪素原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂およびエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、かつ、重量比で、上記のポリビニルアルコ−ル系樹脂:エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体=10:0.05〜10:6の配合割合で使用し、更に、ゾルーゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたバリア性フィルムからなる中間層と、
裏面ポリオレフィン系樹脂層とを順次に積層したこと
を特徴とするチュ−ブ容器用包材。 - 表面ポリオレフィン系樹脂層が、その片面に印刷模様を有することを特徴とする上記の請求項1に記載するチュ−ブ容器用包材。
- 中間層が、それを構成するガスバリア性塗布膜の面に印刷模様を有することを特徴とする上記の請求項1に記載するチュ−ブ容器用包材。
- 基材フィルムが、2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルム、または、2軸延伸ポリオレフイン系樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法または物理気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- アルコキシドが、アルコキシシランからなることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- アルコキシドが、アルコキシドの加水分解物、または、アルコキシドの加水分解縮合物からなることを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載のチュ−ブ容器用包材。
- ガスバリア性組成物が、シランカップリング剤を含むことを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- ガスバリア性塗布膜が、1層ないし2層以上重層した複合ポリマ−層からなることを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- ガスバリア性塗布膜が、ガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設けた基材フィルムを、20℃〜150℃で、かつ、上記の基材フィルムの融点以下の温度で30秒〜10分間加熱処理した硬化膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜11のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- ゾルゲル法触媒が、水に実質的に不溶であり、かつ、有機溶媒に可溶な第3アミンからなることを特徴とする上記の請求項1〜12のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- 第3アミンが、N,N−ジメチルベンジルアミンからなることを特徴とする上記の請求項13に記載するチュ−ブ容器用包材。
- 水が、アルコキシド1モルに対して0.1〜100モルの割合で用いられることを特徴とする上記の請求項1〜14のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
- 表面ポリオレフィン系樹脂層と、中間層と、裏面ポリオレフィン系樹脂層とが、ラミネ−ト用接着剤層を介して、ドライラミネ−トされることを特徴とする上記の請求項1〜15のいずれか1項に記載するチュ−ブ容器用包材。
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