JP4815720B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクセンサが検出した舵輪に加わる操舵トルクに基づき、操舵補助用モータに流すべきモータ電流指令値を定め、また、車両の高速走行時の操舵を安定させる為に、操舵補助用モータを制動すべき制動電流値を定め、モータ電流指令値及び制動電流値に基づくモータ電流目標値に従って、操舵補助用モータを回転駆動する電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に装備される電動パワーステアリング装置は、車両の操舵力をモータにより補助するものであり、これは、舵輪が操舵軸を介して連結された舵取機構に、舵輪に加えられた操舵トルクを検出するトルクセンサと、舵取機構の動作を補助する操舵補助用モータとを設け、トルクセンサが検出した操舵トルクに応じて操舵補助用モータを駆動させることにより舵輪への操作力を軽減するように構成してある。
【0003】
電動パワーステアリング装置は、また、車両の高速走行時に、舵輪が軽くなり過ぎて操舵が安定せず、車両の走行状態が不安定にならないように、ダンピング制御(ハンドル収斂性補償制御)を行うようになっている。ダンピング制御は、例えば、操舵速度信号等に応じて、操舵補助用モータを制動する為の制動電流値(ダンピング制御量)を定め、定めた制動電流値を、操舵トルクに基づいて定められたモータ電流指令値に加算することにより実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したダンピング制御では、同じダンピング制御量であっても、タイヤの磨耗等により、車両の走行特性が変化した場合、ハンドル(舵輪)の収斂性が悪くなるという問題がある。例えば、図5に示すように、大きくハンドルを切った後の戻りにおいて、通常は、実線で示すように、舵角の中点を越える行き過ぎ量が50%程度宛減少して行くのに対して、破線で示すように、行き過ぎ量の減少率が小さく、収斂に要する時間が増加する。
【0005】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、第1,3,4,5発明では、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、運転者に警告することが出来る電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
第2発明では、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、ハンドルの収斂性を所定の水準に戻すことが可能な電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、トルクセンサが検出した舵輪に加わる操舵トルクに基づき、操舵補助用モータに流すべきモータ電流指令値を定め、また、車両の走行時の前記舵輪の収斂性を低下させない為に、前記操舵補助用モータを制動すべき制動電流値を定め、前記モータ電流指令値及び制動電流値に基づくモータ電流目標値に従って前記操舵補助用モータを回転駆動する電動パワーステアリング装置において、前記舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定する判定手段と、該判定手段が舵輪の収斂性が低下していると判定したときに、前記舵輪の収斂性が低下していることを警告する手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この電動パワーステアリング装置では、トルクセンサが検出した舵輪に加わる操舵トルクに基づき、操舵補助用モータに流すべきモータ電流指令値を定め、また、車両の走行時の舵輪の収斂性を低下させない為に、操舵補助用モータを制動すべき制動電流値を定め、モータ電流指令値及び制動電流値に基づくモータ電流目標値に従って操舵補助用モータを回転駆動する。判定手段が、舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定し、警告する手段は、判定手段が舵輪の収斂性が低下していると判定したときに、舵輪の収斂性が低下していることを警告する。
これにより、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、運転者に警告することが出来る電動パワーステアリング装置を実現することが可能であり、運転者は、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、タイヤを交換する等のハンドルの収斂性を元に戻す為の対策を取ることが出来る。
【0008】
第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記判定手段が舵輪の収斂性が低下していると判定したときに、前記制動電流値を増加させる手段を更に備え、前記舵輪の収斂性を低下させないようになしてあることを特徴とする。
【0009】
この電動パワーステアリング装置では、判定手段が舵輪の収斂性が低下していると判定したときに、増加させる手段が、制動電流値を増加させ、舵輪の収斂性を低下させない。 これにより、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、ハンドルの収斂性を所定の水準に戻すことが可能な電動パワーステアリング装置を実現することが出来る。
【0010】
第3発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記舵輪の操舵速度を求める手段を更に備え、前記制動電流値は該手段が求めた操舵速度に応じて定めてあることを特徴とする。
【0011】
この電動パワーステアリング装置では、求める手段が、舵輪の操舵速度を求め、制動電流値は、求める手段が求めた操舵速度に応じて定めてある。
これにより、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、運転者に警告することが出来る電動パワーステアリング装置を実現することが可能であり、運転者は、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、タイヤを交換する等のハンドルの収斂性を元に戻す為の対策を取ることが出来る。
【0012】
第4発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵トルクが所定値以上か否かを判定するトルク判定手段と、前記操舵角検出手段が検出した操舵角が所定角度より大きくなった後、前記トルク判定手段が操舵トルクが所定値未満と判定している期間に、前記操舵角検出手段が検出した操舵角が反転したか否かを判定する手段と、該手段が反転したと判定したときの前記操舵角を記憶する記憶手段とを更に備え、前記判定手段は、前記期間に前記記憶手段が順次記憶した2つの操舵角に基づき前記舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定すべくなしてあることを特徴とする。
【0013】
この電動パワーステアリング装置では、操舵角検出手段が、舵輪の操舵角を検出し、トルク判定手段が、操舵トルクが所定値以上か否かを判定する。操舵角検出手段が検出した操舵角が所定角度より大きくなった後、トルク判定手段が操舵トルクが所定値未満と判定している期間に、判定する手段が、操舵角検出手段が検出した操舵角が反転したか否かを判定し、記憶手段が、判定する手段が反転したと判定したときの操舵角を記憶する。判定手段は、前記期間に記憶手段が順次記憶した2つの操舵角に基づき舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定する。
これにより、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、運転者に警告することが出来る電動パワーステアリング装置を実現することが可能であり、運転者は、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、タイヤを交換する等のハンドルの収斂性を元に戻す為の対策を取ることが出来る。
【0014】
第5発明に係る電動パワーステアリング装置は、前記舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵トルクが所定値以上か否かを判定するトルク判定手段と、前記操舵角検出手段が検出した操舵角が所定角度より大きくなった後、前記トルク判定手段が操舵トルクが所定値未満と判定している期間に、前記操舵角検出手段が検出した操舵角が反転したか否かを判定する手段と、該手段が反転したと判定し始めてから、前記期間に前記操舵角が略0に収斂する迄の時間を計時する手段とを更に備え、前記判定手段は、前記計時する手段が計時した時間に基づき前記舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定すべくなしてあることを特徴とする。
【0015】
この電動パワーステアリング装置では、操舵角検出手段が、舵輪の操舵角を検出し、トルク判定手段が、操舵トルクが所定値以上か否かを判定する。操舵角検出手段が検出した操舵角が所定角度より大きくなった後、トルク判定手段が操舵トルクが所定値未満と判定している期間に、判定する手段が、操舵角検出手段が検出した操舵角が反転したか否かを判定し、計時する手段が、判定する手段が反転したと判定し始めてから、トルク判定手段が操舵トルクが所定値未満と判定している期間に、操舵角が略0に収斂する迄の時間を計時する。判定手段は、計時する手段が計時した時間に基づき舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定する。
これにより、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、運転者に警告することが出来る電動パワーステアリング装置を実現することが可能であり、運転者は、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、タイヤを交換する等のハンドルの収斂性を元に戻す為の対策を取ることが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵軸(図示せず)に加えられたトルクを検出するトルクセンサ10が検出し出力したトルク検出信号が、制御部11へ与えられ、操舵軸の操舵角を検出する舵角センサ19が検出し出力した舵角信号が、制御部11へ与えられ、車速を検出する車速センサ20が検出し出力した車速信号が、制御部11へ与えられる。
【0017】
制御部11から出力されるリレー制御信号がリレー駆動回路15へ入力され、リレー駆動回路15はリレー制御信号に従ってフェイルセーフリレー接点15aをオン又はオフさせる。
制御部11は、トルク検出信号、車速信号及び後述するモータ電流信号に基づき、内蔵するアシスト制御部12であるトルク/電流テーブルを参照することにより、モータ電流指令値を作成する。また、車速信号及び舵角信号に基づき、内蔵するダンピング制御部18である舵角速度/制動電流テーブルを参照することにより、ダンピング制御の為の制動電流値を作成する。
【0018】
制御部11は、作成したモータ電流指令値に制動電流値を加算(制動電流値がモータ電流指令値と逆向きのときは減算)してモータ電流目標値(PWM指令値、回転方向指令)を作成し、作成したモータ電流目標値はモータ駆動回路13へ与えられる。モータ駆動回路13は、フェイルセーフリレー接点15aを通じて、車載バッテリーPの電源電圧が印加され、与えられたモータ電流目標値に基づき、操舵補助用モータであるブラシレスモータ24を回転駆動させる。
【0019】
ブラシレスモータ24が回転する際、ロータ位置検出器14がそのロータ位置を検出し、モータ駆動回路13は、この検出したロータ位置信号に基づき、ブラシレスモータ24を回転制御する。
ブラシレスモータ24に流れるモータ電流は、モータ電流検出回路17により検出され、モータ電流信号として制御部11に与えられる。
制御部11は、トルクセンサ10が出力したトルク検出信号、舵角センサ19が出力した舵角信号、車速センサ20が出力した車速信号、及びそれらを使用した演算値が異常であるときは、表示部16に警告信号を出力して、それらの異常を通報する。
【0020】
以下に、このような構成の電動パワーステアリング装置の動作を、それを示す図2,3のフローチャートを参照しながら説明する。
制御部11は、ダンピング制御において、先ず、舵角センサ19が検出した舵角θを読み込み(S2)、車速センサ20が検出した車速を読み込む(S4)。次いで、内蔵する図6に示すような車速/ゲインテーブルから、読み込んだ車速に対応する制動電流のゲインを決定し(S6)、読み込んだ舵角θに基づき、舵角速度θ′を演算する(S8)。
【0021】
次に、制御部11は、ダンピング制御部18の舵角速度/制動電流テーブルから、演算した舵角速度θ′(S8)に対応する制動電流を読み取り、読み取った制動電流に、決定したゲイン(S6)を乗算して、読み込んだ車速(S4)に対応する制動電流(ダンピング制御のモータ電流)を決定する(S10)。
制御部11は、決定した制動電流(S10)を、内蔵するアシスト制御部12で作成したモータ電流指令値に加算(制動電流値がモータ電流指令値と逆向きのときは減算)してモータ電流目標値(PWM指令値)を作成し、作成したモータ電流目標値は、モータ駆動回路13へ与えられる。
次に、制御部11は、ダンピング制御の異常を検出する動作を実行して(S12)リターンする。
【0022】
制御部11は、ダンピング制御の異常を検出する動作(S12)では、先ず、フラグF1=1であるか否かを判定し(図3S20)、フラグF1=1でないとき、舵角θが所定角度以上か否かを判定する(S32)。舵角θが所定角度以上のときは、大きくハンドル(舵輪)が切られたとして、フラグF1=1として(S34)リターンする。舵角θが所定角度未満のときは(S32)そのままリターンする。
【0023】
制御部11は、フラグF1=1であるとき(S20)、操舵トルクが所定値以上か否かを判定し(S22)、操舵トルクが所定値以上でないとき、ハンドル操作が行われず、自由にハンドルが舵角中点へ収斂しつつあるとして、舵角θが反転したか否かを判定する(S24)。
制御部11は、舵角θが反転していないときは(S24)リターンし、舵角θが反転したときは、フラグF2=1であるか否かを判定する(S26)。フラグF2=1でないときは、そのときの舵角θ1 を記憶した(S28)後、フラグF2=1として(S30)リターンする。
【0024】
制御部11は、フラグF2=1であるとき(S26)、その舵角θの反転(S24)の前回に反転したときの舵角θ1 は、既に記憶してあるとして、今回の反転時(S24)の舵角θ2 を記憶する(S36)。
制御部11は、次に、記憶してある舵角θ1 ,θ2 により、θ2 /θ1 を演算し(S38)、その絶対値が所定値(例えば0.6)以上か否かを判定する(S40)。これにより、制御部11は、例えば、図5に示すように、大きくハンドルを切った後の戻りにおいて、実線で示すように、中点を越える行き過ぎ量が50%程度まで減少している(このとき、|θ2 /θ1 |≒0.5)か否かを判定することが出来る。
【0025】
制御部11は、θ2 /θ1 の絶対値が所定値(例えば0.6)以上でないとき(S40)、ダンピング制御は正常に行われているとして、フラグF1,F2をリセットして(S46)リターンする。
制御部11は、θ2 /θ1 の絶対値が所定値以上のとき(S40)、例えば、図5に示すように、大きくハンドルを切った後の戻りにおいて、破線で示すように、中点を越える行き過ぎ量の減少率が小さく、収斂に要する時間が増加して、ダンピング制御は正常に行われていないとして、ダンピング制御異常を表示部16に表示して警告する(S42)。
【0026】
制御部11は、ダンピング制御異常を表示部16に表示した(S42)後、内蔵する図6に示すような車速/ゲインテーブルのゲインを、それぞれ所定値分加算して(S44)、ハンドルの収斂性を所定の水準に戻し、フラグF1,F2をリセットして(S46)リターンする。
以上は、舵角の行き過ぎ量に基づき、ダンピング制御の異常を検出しているが、ハンドル(舵角)の収斂に要する時間に基づいても、ダンピング制御の異常を検出することが可能である。
【0027】
図4は、ハンドル(舵角)の収斂に要する時間に基づいて、ダンピング制御の異常を検出する動作を示すフローチャートである。
制御部11は、先ず、フラグF1=1であるか否かを判定し(S50)、フラグF1=1でないとき、舵角θが所定角度以上か否かを判定する(S62)。舵角θが所定角度以上のときは、大きくハンドル(舵輪)が切られたとして、フラグF1=1として(S64)リターンする。舵角θが所定角度未満のときは(S62)そのままリターンする。
【0028】
制御部11は、フラグF1=1であるとき(S50)、操舵トルクが所定値以上か否かを判定し(S52)、操舵トルクが所定値以上でないとき、ハンドル操作が行われず、自由にハンドルが舵角中点へ収斂しつつあるとして、舵角θが反転したか否かを判定する(S54)。
制御部11は、舵角θが反転していないときは(S54)リターンし、舵角θが反転したときは、そのときの舵角θを記憶した(S55)後、フラグF2=1であるか否かを判定する(S56)。フラグF2=1でないときは、タイマ(計時する手段、図示せず)により計時を開始した(S58)後、フラグF2=1として(S60)リターンする。
【0029】
制御部11は、フラグF2=1であるとき(S56)、その舵角θの反転(S54)の以前に反転したときに、既に計時を開始した(S58)として、舵角θが収斂したか否かを判定する(S66)。
制御部11は、舵角θが収斂したときは(S66)、計時を終了し(S68)、予め内蔵してある(収斂に要する時間+余裕時間)/(反転し始めたときの舵角)テーブルから、記憶した舵角θ(S55)に対応する時間(所定時間)を求め、計時時間(S68)がその求めた時間(所定時間)以上か否かを判定する(S70)。これにより、制御部11は、例えば、図5に示すように、大きくハンドルを切った後の戻りにおいて、実線で示すように、通常の収斂に要する時間程度で、ハンドル(舵角θ)が収斂したか否かを判定することが出来る。
【0030】
制御部11は、計時時間(S68)が、記憶した舵角θ(S55)に対応する時間(所定時間)以上でないとき(S70)、ダンピング制御は正常に行われているとして、フラグF1,F2及びタイマをリセットして(S76)リターンする。
制御部11は、計時時間(S68)が、記憶した舵角θ(S55)に対応する時間(所定時間)以上のとき(S70)、例えば、図5に示すように、大きくハンドルを切った後の戻りにおいて、破線で示すように、ハンドル(舵角θ)の収斂に要する時間が通常より長く、ダンピング制御は正常に行われていないとして、ダンピング制御異常を表示部16に表示して警告する(S72)。
【0031】
制御部11は、ダンピング制御異常を表示部16に表示した(S72)後、内蔵する図6に示すような車速/ゲインテーブルのゲインを、それぞれ所定値分加算して(S74)、ハンドルの収斂性を所定の水準に戻し、フラグF1,F2及びタイマをリセットして(S76)リターンする。
尚、上述した舵角の行き過ぎ量及びハンドル(舵角)の収斂に要する時間の他、舵角速度、舵角加速度、又は加速度センサから得られる横加速度等の変化の度合い(振幅、及び単位時間当たりの変化量等)の増加からも、ダンピング制御の異常を検出することが可能である。
【0032】
図7は、今回開示する電動パワーステアリング装置の要部構成例を示すブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵軸(図示せず)に加えられたトルクを検出するトルクセンサ10が検出し出力したトルク検出信号が、制御部11aへ与えられ、操舵軸の操舵角を検出する舵角センサ19が検出し出力した舵角信号が、制御部11aへ与えられ、車速を検出する車速センサ20が検出し出力した車速信号が、制御部11aへ与えられる。
【0033】
制御部11aから出力されるリレー制御信号がリレー駆動回路15へ入力され、リレー駆動回路15はリレー制御信号に従ってフェイルセーフリレー接点15aをオン又はオフさせる。
制御部11aは、トルク検出信号、車速信号及び後述するモータ電流信号に基づき、内蔵するアシスト制御部12aであるトルク/電流テーブルを参照することにより、モータ電流指令値を作成する。
【0034】
制御部11は、作成したモータ電流指令値をPWM指令値及び回転方向指令に変換し、変換したPWM指令値は、モータ駆動回路13へ与えられる。モータ駆動回路13は、フェイルセーフリレー接点15aを通じて、車載バッテリーPの電源電圧が印加され、与えられたモータ電流目標値に基づき、操舵補助用のモータであるブラシレスモータ24aを回転駆動させる。
【0035】
ブラシレスモータ24aが回転する際、ロータ位置検出器14がそのロータ位置を検出し、モータ駆動回路13は、この検出したロータ位置信号に基づき、ブラシレスモータ24aを回転制御する。
ブラシレスモータ24aに流れるモータ電流は、モータ電流検出回路17により検出され、モータ電流信号として制御部11aに与えられる。
【0036】
このような構成の電動パワーステアリング装置では、据え切り操舵時(車両が停止しているときの操舵)は、タイヤの摩擦等の影響により、車両が走行しているときよりも大きな操舵力を必要とし、その為に、操舵補助用のモータに流すべきアシスト電流も、操舵トルク/アシスト電流の関係を示す図8のアシストマップに示すように、車速=0km/hの据え切り操舵時(1)が最も大きい。
【0037】
通常、少しでもタイヤが回転する車速になっていれば、必要な操舵力は、据え切り操舵時に比べて小さく、操舵補助用のモータに流すべきアシスト電流も、図8に示すように、据え切り操舵時(1)よりも、車速が高速になる程(2)→(4)、小さくなる。
しかし、据え切り操舵時でも軽い操舵感を実現する為、結果的に走行中に必要とされるよりも、余分のアシスト力を出力する操舵補助用のモータ及びその為の駆動回路を備えており、部品コストが上昇し、重量及び体積が大きくなるという問題がある。
【0038】
そこで、今回開示する電動パワーステアリング装置では、車速0km/h付近の極低速領域においては、軽い操舵感を実現するような十分なアシスト力は発生させないようなアシストマップを採用しており、従来に比べて、大きなアシスト力を出力する必要がない為、従来よりも小さな操舵補助用のモータ24aを使用することが出来る。
【0039】
具体的には、図9に示す車速/アシスト電流の特性図おいて、所定の低速度以下のときは、従来の車速0km/hのときの最大アシスト電流I0 より小さいアシスト電流I1 とし、操舵トルク/アシスト電流の関係を示す図8のアシストマップでは、車速0km/h付近の極低速領域でも、例えば車速の低速領域(2)と同様のアシスト電流値とする。
これにより、操舵補助用のモータの出力を低く抑えることが出来るので、部品コストを削減出来、操舵補助用のモータの重量及び体積が小さくなり、車両への搭載が容易になり、また、燃費が向上する。
【0040】
【発明の効果】
第1,3,4,5発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、運転者に警告することが出来る電動パワーステアリング装置を実現することが可能であり、運転者は、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、タイヤを交換する等のハンドルの収斂性を元に戻す為の対策を取ることが出来る。
【0041】
第2発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、ハンドルの収斂性が悪くなった場合に、ハンドルの収斂性を所定の水準に戻すことが可能な電動パワーステアリング装置を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態のダンピング制御における動作を示す説明図である。
【図6】電動パワーステアリング装置のダンピング制御における制動電流の車速/ゲインテーブルを示す説明図である。
【図7】開示する電動パワーステアリング装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図8】操舵トルク/アシスト電流の関係を示すアシストマップの説明図である。
【図9】車速/アシスト電流の特性図である。
【符号の説明】
10 トルクセンサ
11 制御部(判定手段)
12 アシスト制御部
13 モータ駆動回路
16 表示部(警告する手段)
18 ダンピング制御部
19 舵角センサ
20 車速センサ
24 ブラシレスモータ(操舵補助用モータ)

Claims (5)

  1. トルクセンサが検出した舵輪に加わる操舵トルクに基づき、操舵補助用モータに流すべきモータ電流指令値を定め、また、車両の走行時の前記舵輪の収斂性を低下させない為に、前記操舵補助用モータを制動すべき制動電流値を定め、前記モータ電流指令値及び制動電流値に基づくモータ電流目標値に従って前記操舵補助用モータを回転駆動する電動パワーステアリング装置において、
    前記舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定する判定手段と、該判定手段が舵輪の収斂性が低下していると判定したときに、前記舵輪の収斂性が低下していることを警告する手段とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記判定手段が舵輪の収斂性が低下していると判定したときに、前記制動電流値を増加させる手段を更に備え、前記舵輪の収斂性を低下させないようになしてある請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記舵輪の操舵速度を求める手段を更に備え、前記制動電流値は該手段が求めた操舵速度に応じて定めてある請求項1又は2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵トルクが所定値以上か否かを判定するトルク判定手段と、前記操舵角検出手段が検出した操舵角が所定角度より大きくなった後、前記トルク判定手段が操舵トルクが所定値未満と判定している期間に、前記操舵角検出手段が検出した操舵角が反転したか否かを判定する手段と、該手段が反転したと判定したときの前記操舵角を記憶する記憶手段とを更に備え、前記判定手段は、前記期間に前記記憶手段が順次記憶した2つの操舵角に基づき前記舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定すべくなしてある請求項1〜3の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記舵輪の操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵トルクが所定値以上か否かを判定するトルク判定手段と、前記操舵角検出手段が検出した操舵角が所定角度より大きくなった後、前記トルク判定手段が操舵トルクが所定値未満と判定している期間に、前記操舵角検出手段が検出した操舵角が反転したか否かを判定する手段と、該手段が反転したと判定し始めてから、前記期間に前記操舵角が略0に収斂する迄の時間を計時する手段とを更に備え、前記判定手段は、前記計時する手段が計時した時間に基づき前記舵輪の収斂性が低下していないか否かを判定すべくなしてある請求項1〜3の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
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