JP4815062B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剤担持体から飛翔させた帯電済みの画像形成剤に孔を通過させ、通過後の画像形成剤を対向電極に向けて飛翔させながら記録部材に付着させることで画像を形成する直接記録方式の画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダイレクトトーニングあるいはトナープロジェクションと呼ばれる直接記録方式を採用した画像形成装置が知られている。この直接記録方式の画像形成装置は、静電潜像をトナー等の画像形成剤によって現像する電子写真方式のものとは異なり、静電潜像を形成することなく画像を記録部材に直接記録するものである。
【0003】
図14は、従来の直接記録方式の画像形成装置における要部構成を示す構成図である。図において、剤担持体としてのトナー担持ローラ1は、その軸線を図中左右方向に延在させるように配設され、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられながら、帯電済みのトナー(T)をその表面に担持する。このトナー担持ローラ1の図中下方には、複数の孔2を形成する孔形成部材としてのフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)3が配設されている。FPC3は、各孔2を囲むようにトナー担持ローラ1との対向面側に形成されたリング状の複数の飛翔電極4を備えている。
【0004】
上記FPC3の図中下方には、これを介してトナー担持ローラ1に対向する対向電極6と、この対向電極6上で図示しない搬送手段によって図中前後方向に搬送される記録紙7とが配設されている。なお、図においては、便宜上、孔2、飛翔電極4をそれぞれ1つずつしか示していないが、実際には、FPC3にこれらの組み合わせが複数形成されている。具体的には、例えば600[dpi]用のFPC3では、これらの組み合わせが4960個形成されている。
【0005】
上記トナー担持ローラ1は、例えば接地された状態で、マイナス極性に帯電したトナー(T)を表面に担持する。上記飛翔電極4にプラス極性の飛翔電圧が印加されると、トナー担持ローラ1上で飛翔電極4と対向する位置にあるトナーや、これの近傍にあるトナーに所定強度の電界が作用する。この電界の作用により、トナーに加わる静電力が、トナーとトナー担持ローラ1との付着力を上回り、トナーの集合体がドット状の形状でトナー担持ローラ1から選択的に飛翔して孔2内に進入する。そして、飛翔電極4と、これよりも高い電位を帯びている上記対向電極6との間に形成される電界に引かれて飛翔を続け、孔2を通過して上記記録紙7の表面に付着する。この付着により、トナーの集合体はドット像となる。
【0006】
各飛翔電極4に対する飛翔電圧のON/OFFについては、それぞれ専用のHVIC(High Voltage IC)によって個別に制御する必要がある。即ち、直接記録方式の画像形成装置においては、高価なHVICが飛翔電極4と同じ数だけ必要になる。例えば600[dpi]用のFPC3を用いる場合には、高価なHVICを4960個設ける必要がある。
【0007】
一般に、HVICは、その耐電圧が高くなるほど高価になる。よって、直接記録方式の画像形成装置では、いかに飛翔電圧を下げるかが、装置の低コスト化を図る上での重要な要素となる。
【0008】
しかしながら、トナーとトナー担持ローラ1とには、ファンデルワールス力や液架橋力などによって互いに引き付け合うような付着力が作用しており、これが飛翔電圧の引き下げの妨げになっていた。図示の装置では少なくとも300[V](プラスあるいはマイナス極性)の飛翔電圧を印加する必要があった。
【0009】
そこで、特開2000−6460号公報において、所定の間隙を介して2枚の孔形成部材を対向配設し、剤担持体から飛翔させたトナー等の画像形成剤を1枚目の孔形成部材における全ての孔に通し、この孔と2枚目の孔形成部材の孔との間に浮遊させておくようにした画像形成装置が提案されている。この画像形成装置によれば、2枚目の孔形成部材の各孔に対する通過や非通過を制御する画像形成剤として、浮遊によって付着力に拘束されないものを用いることができるので、飛翔電圧を大幅に引き下げることができる。
【0010】
ところが、この画像形成装置においては、1枚目の孔形成部材における複数の孔のうち、記録紙等の非画像部に対応する孔を通過したトナーについては、2枚目の孔形成部材の孔を通過させずに孔間に留めておき、後に剤担持体に引き戻す必要がある。それにもかかわらず、1枚目の孔形成部材の孔を通過したトナーが飛翔を続けてそのまま2枚の孔形成部材の孔をも通過してしまい、記録紙等の非画像部に付着していわゆる地汚れを引き起こすおそれがあった。
【0011】
上記特開2000−6460号公報では、かかる地汚れを抑えるべく、図15に示すような改良装置(実施例8の装置)が提案されている。図において、この改良装置は、剤担持体101と、1枚目の孔形成部材102と、2枚目の孔形成部材103と、複数の振動電界形成電極対104とを備えている。
【0012】
1枚目の孔形成部材102は、画像形成剤を担持する剤担持体101と所定の間隙を介して対向するように配設されており、複数の第1孔105と、これらをそれぞれ囲む複数の第1電極106と、これよりも図中上側で孔形成部材102のほぼ全域を覆う第1シールド電極107とを有している。
【0013】
この孔形成部材102の図中上方には、所定の間隙を介して2枚目の孔形成部材108が対向するように配設されている。この孔形成部材108には、複数の第2孔109と、孔形成部材108のほぼ全域を覆う第2シールド電極110と、これよりも図中上側で各第2孔109をそれぞれ囲む複数の第2電極111とが形成されている。
【0014】
図示のように、孔形成部材102と孔形成部材108とは、第1孔105と第2孔109とを同芯上に位置させるのではなく、水平方向にずらすように対向配設されている。
【0015】
上記振動電界形成電極対104のそれぞれの電極は、2つの孔形成部材102、103の間で第1孔105と第2孔109とを挟むように複数配設されている。
【0016】
上記剤担持体101に例えばマイナス帯電性の画像形成剤Tが担持されているとすると、次のようなプロセスで画像が形成される。即ち、まず、第1シールド電極107、第2シールド電極110のそれぞれが接地されるかあるいはマイナスの電圧供給を受けた状態で、全ての第1電極106にプラスの第1ON電圧が印加される。すると、図16に示すように、画像形成剤であるトナーTが剤担持体101から全ての第1孔に向けて飛翔してこれを通過した後、飛翔方向とは逆方向の電界の影響を受けて飛翔を停止させ、孔形成部材102、103間で浮遊する。
【0017】
孔形成部材102、103間にトナーが浮遊すると、振動電界形成電極対104に交流電圧が印加される。すると、図17に示すように、浮遊トナーが振動電界形成電極対104の電極間を往復移動する。このとき、第1シールド電極107、第2シールド電極110は、それぞれ0[V]あるいはトナーTと同極性の電位を帯びているので、トナーTが孔形成部材102、103の表面上に拘束されながら往復移動して激しく摩擦されるといった事態は起こらない。
【0018】
このように浮遊トナーが往復移動しているときに、複数の第2電極111のうち、任意のものに飛翔電圧が印加されると、図18に示すように、浮遊トナーがその第2電極111に囲まれる第2孔109を通過してドット画像を形成する。
【0019】
第2孔109を通過せずに2つの孔形成部材102、103の間に残ったトナーTは、第1電極106や剤担持体101に適切な電圧が印加されることで、図19に示すように剤担持体101に向けて逆飛翔して回収される。
【0020】
以上の構成の改良装置においては、第1孔105を通過したトナーTがこの電界の影響によって十分に減速することができずに飛翔を続けても、2枚目の孔形成部材103にぶつかるため、第2孔109を通過してしまうようなことが怒らない。よって、トナーTが図示しない記録紙等の非画像部に対応する第2孔109を通過することによる地汚れを回避することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この改良装置においては、図示のように、飛翔電極の役割を担う第2電極111の他に、第1電極106、第1シールド電極107、第2シールド電極110、振動電界形成電極対104などといった電極を配設する必要があり、電極構成を複雑化させてしまう。また、2つの孔形成部材102、103間にトナーTを堆積させて、この間を目詰まりさせてしまうおそれがある。
【0022】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トナー等の画像形成剤を予め浮遊させておくことで飛翔電圧の引き下げを図りながら、浮遊した画像形成剤が記録紙等の非画像部に対応する孔を通過してしまうことによる地汚れを抑えることができ、しかも、上述したような電極構成の複雑化や、画像形成剤による孔形成部材間の目詰まりを回避することができる直接記録方式の画像形成装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、剤担持体からの画像形成剤の飛翔を開始させるためには、画像形成剤に対して少なくとも剤担持体との付着力を上回る静電力を作用させる必要があるものの、一旦飛翔させてしまえば、それよりも弱い静電力で飛翔を継続させ得る点に着目した。
【0024】
そこで、上記目的を達成するために、請求項1の発明は、帯電した画像形成剤を担持する剤担持体と、該剤担持体に対向する複数の孔が形成してある孔形成部材と、該孔形成部材を介して該剤担持体に対向する対向電極とを用い、該剤担持体から飛翔させた画像形成剤に該孔を通過させ、通過後の画像形成剤を該対向電極に向けて飛翔させて記録部材に付着させることで画像を形成する画像形成方法であって、各孔の近傍に配設される第1電極と、該第1電極よりも該対向電極側に位置して複数の孔のそれぞれに個別に対応する複数の第2電極とを用意し、画像形成剤を該対向電極側から該剤担持体側に向けて静電的に移動させる逆方向の電界を孔貫通方向における該第1電極と該第2電極との間に形成しつつ、画像形成剤を該剤担持体側から該対向電極側に向けて静電的に移動させる順方向の電界を該剤担持体と該第1電極との間に形成して、該剤担持体からの画像形成剤の飛翔を開始させる工程と、この工程によって画像形成剤の飛翔を開始させた後、飛翔した画像形成剤を該孔に進入させるのに先立って、該剤担持体と該第1電極との間における該順方向の電界の強度を弱めつつ、該第1電極と該第2電極との間における該逆方向の電界についてはそれまでと同等の強度を維持する工程と、その後、該記録部材の画像部に対応する該孔内には、該第1電極と該第2電極との間において順方向の電界を形成し、且つ、該記録部材の非画像部に対応する該孔内には、該第1電極と該第2電極との間において逆方向の電界を形成する工程とを実施することを特徴とするものである。
【0025】
請求項2の発明は、帯電した画像形成剤を担持する剤担持体と、該剤担持体に対向する複数の孔が形成してある孔形成部材と、該孔形成部材を介して該剤担持体に対向する対向電極とを備え、該剤担持体から飛翔させた画像形成剤に該孔を通過させ、通過後の画像形成剤を該対向電極に向けて飛翔させて記録部材に付着させることで画像を形成する画像形成装置であって、各孔の近傍に配設される第1電極と、該第1電極よりも該対向電極側に位置して複数の孔のそれぞれに個別に対応する複数の第2電極とを備え、画像形成剤を該対向電極側から該剤担持体側に向けて静電的に移動させる逆方向の電界を孔貫通方向における該第1電極と該第2電極との間に形成しつつ、画像形成剤を該剤担持体側から該対向電極側に向けて静電的に移動させる順方向の電界を該剤担持体と該第1電極との間に形成して、該剤担持体からの画像形成剤の飛翔を開始させた後、飛翔した画像形成剤を該孔に進入させるのに先立って、該剤担持体と該第1電極との間における該順方向の電界の強度を弱めつつ、該第1電極と該第2電極との間における該逆方向の電界についてはそれまでと同等の強度を維持し、その後、該記録部材の画像部に対応する該孔内には、第1電極と該第2電極との間において順方向の電界を形成し、且つ、該記録部材の画像部に対応する該孔内には、該第1電極と該第2電極との間において逆方向の電界を形成することを特徴とするものである。
【0026】
これら画像形成方法や画像形成装置においては、剤担持体と第1電極との間に形成した順方向の電界の影響によって画像形成剤を剤担持体から飛翔させた後に、該電界の強度を弱める。このように電界の強度を弱めることで、画像形成剤を過剰に加速させることなく各孔内に進入させることができる。各孔内には、その貫通方向における第1電極から第2電極までの間に電界が形成されるが、それぞれの電界の向きはその孔が記録部材の画像部に対応しているのか、あるいは非画像部に対応しているのかによって異なってくる。具体的には、画像部に対応する孔内においては、その貫通方向における第1電極から第2電極までの間に順方向の電界が形成される。よって、画像部に対応する孔内に進入した画像形成剤は、該孔を通過して記録部材に付着する。一方、非画像部に対応する孔内においては、その貫通方向における第1電極から第2電極までの間に逆方向の電界が形成される。この孔に進入した画像形成剤は、進入に先立って過剰な加速が抑えられているため、進入前に得た慣性の力によって逆方向の電界中を通過してしまうといった事態が抑えられる。以上の構成においては、特開2000−6460号公報の改良装置のように振動電界形成電極対、第1シールド電極、第2シールド電極などを設けたり、2つの開口形成部材の間に画像形成剤を通したりしなくても、画像形成剤の孔通過による地汚れを抑えることができる。よって、かかる地汚れを抑えながら、電極構成の複雑化や、画像形成剤による孔形成部材間の目詰まりを回避することができる。しかも、孔内の貫通方向における第1電極から第2電極までの間に順方向の電界を形成するのか、あるいは逆方向の電界を形成するのかについては、第2電極に飛翔電圧を供給するか否かによって選択することが可能で、この選択に先立って画像形成剤を該剤担持体から浮遊させて孔内に進入させておくことができる。従って、飛翔電圧の引き下げを図ることができる。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置であって、上記記録部材の画像部に対応する上記孔内における上記第1電極と上記第2電極との間に順方向の電界を形成し、且つ、上記記録部材の非画像部に対応する上記構内における上記第1電極と上記第2電極との間に逆方向の電界を形成した後、上記剤担持体と全ての上記第2電極との間に逆方向の電界を形成することを特徴とするものである。
【0028】
この画像形成装置においては、次に説明する理由により、記録部材上におけるドットなどの画素像の乱れを抑えつつ、各孔の画像形成剤による目詰まりを抑えることができる。
即ち、一般に、直接記録方式の画像形成装置では、孔を通過した画像形成剤を搬送中(移動中)の記録部材に向けて飛翔させて付着させる。このとき、画像形成剤の先頭部分が記録部材に付着してから、末尾部分が記録部材に付着するまでには、どうしてもタイムラグが生ずる。記録部材はこのタイムラグの間にも移動しているため、タイムラグが大きくなるほど、該記録部材に対する画像形成剤の付着範囲が広まって画像像が乱れてしまうことになる。例えば、画素像としてドットが形成される場合には、タイムラグが大きくなるほど細長く広がった楕円状のドットとなってしまう。一方、画像形成剤には、孔内壁との接触によって飛翔を邪魔される部分が生じたり、該内壁に全く接触しない部分が生じたりする。このため、画像形成剤の一群はまとまった形ではなくストリーム状の形で孔を通過して、上記タイムラグを大きくし易くなる。しかし、本画像形成装置においては、孔内に進入した画像形成剤の一群が、たとえストリーム状の形で孔を通過する傾向にあっても、剤担持体と第2電極との間に逆方向の電界が形成されることで、そのストリーム状の形の後端部分だけは孔を通過しないで剤担持体に逆戻りするようになる。そして、この逆戻りにより、上記タイムラグが低減されて画素像の乱れが抑えられる。
また、記録部材の非画像部に対向する孔では、その内部における逆方向の電界の影響を受けて孔の入り口側から外に逆戻りしようとするが、この入り口側には剤担持体と第1電極との間に順方向の電界が形成されているため、両電界の間に浮遊して留まることになる。このように画像形成剤が留まっている孔内に、新たな画像形成剤が次々に進入してくると、やがて、該孔内が画像形成剤で満杯になって目詰まりしてしまうおそれがある。しかし、本画像形成装置では、剤担持体と第2電極との間に逆方向の電界が形成されることで、それまで孔内に留まっていた画像形成剤が剤担持体まで逆戻りしてクリーニングされる。そして、このクリーニングにより、各孔の画像形成剤による目詰まりが抑えられる。
【0029】
請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置であって、上記剤担持体と全ての上記第2電極との間に逆方向の電界を形成しているときに、これら第2電極と上記対向電極との間に順方向の電界を形成することを特徴とするものである。
【0030】
この画像形成装置においては、各孔内の画像形成剤を剤担持体に向けて逆方向に飛翔させて各孔をクリーニングしながら、孔通過済みの画像形成剤を順方向に飛翔させて記録部材に付着させる。かかる構成では、各孔のクリーニングと、孔通過済みの画像形成剤による画素像の形成とを並行して行うことで、画像形成時間の短縮化を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、直接記録方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図において、本プリンタは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーを用いて画像を形成する画像形成部20Y、20M、20C、20Kや、中間記録装置23、給紙カセット29、レジストローラ対30、定着装置31、ベルトクリーニング装置32などを備えている。
【0032】
上記画像形成部20Y、20M、20C、20Kは、図中横並びに配設され、それぞれケーシング21、これの底部となっているFPC3、トナー担持ローラ1、トナー供給ローラ22、対向基板13などを備えている。ケーシング21の上部は画像形成剤であるトナーを収容するためのトナー収容部21aとなっており、収容されたトナーはトナー供給ローラ22に担持される。そして、トナー供給ローラ22から、これに当接しながら回転するトナー担持ローラ1に供給されてドット形成に寄与する。
【0033】
各画像形成部20Y、20M、20C、20Kの上記対向基板13は、それぞれ後述の中間記録ベルトを介して、それぞれの画像形成部のFPC3に対向するように配設されている。
【0034】
上記中間記録装置23は、これら画像形成部20Y、20M、20C、20Kの下方に配設され、無端状のポリエステル二軸延伸フイルムからなる中間記録ベルト24、駆動ローラ25、従動ローラ26、転写ローラ27、押圧ローラ28などを備えている。中間記録ベルト24は、駆動ローラ25、従動ローラ26によって張架されながら、駆動ローラの図中反時計回りの回転によって矢印方向に無端移動せしめられる。無端移動に伴って画像形成部20Y、20M、20C、20Kの直下を通過する際、その表面にYトナー画像、Mトナー画像、Cトナー画像、Kトナー画像が順次重ね合わせて形成される。この重ね合わせにより、中間記録ベルト24の表面にはフルカラートナー像が形成される。
【0035】
上記転写ニップには、図示しない電源によってプラスの転写バイアスが印加される転写ローラ27と、駆動ローラ25との電位差によって転写電界が形成されている。上記押圧ローラ28は、中間記録ベルト24に接触しながら搬送される記録紙7をこのベルトに向けて押圧する。
【0036】
上記給紙カセット29は、所定のタイミングで給紙ローラ29aを回転させ、内部に収容している記録紙7を搬送路36に向けて送り出す。送り出された記録紙7は、レジストローラ対30のローラ間に挟まれる。
【0037】
上記レジストローラ対30は、ローラ間に挟み込んだ記録部材としての記録紙7を、中間記録ベルト24上の上記フルカラートナー像に重ね合わせ得るタイミングを見計らって上記転写ニップに向けて送り出す。
【0038】
上記転写ニップで記録紙7と重ね合わされた上記フルカラートナー像は、上記転写電界やニップ圧の作用を受けて転写紙7上に転写される。そして、上記押圧ローラ28によって中間転写ベルト24に向けて押圧されながら図中左方向に搬送された後、上記従動ローラ26の直下を通過して中間記録ベルト24から分離する。
【0039】
上記定着装置31は加熱ローラ31a、加圧ローラ31bなどを備えており、分離後の記録紙7を受け入れて両ローラ間に挟み込む。このとき、記録紙7上の上記フルカラートナー像を構成する各トナーは、加熱や加圧などの作用によって記録紙7上に定着せしめられる。この定着によってフルカラー画像が形成された記録紙7は、定着装置31から機外へと排出される。
【0040】
上記ベルトクリーニング装置32は、記録紙7と分離した後の中間記録ベルト24を受け入れるような位置に配設され、ベルト表面を押し下げながら回転するクリーニングローラ33、ベルト押し下げ部分の両脇でベルト裏面の高さを固定する2つの高さ固定ローラ34、35などを備えている。図示しない電源によってプラスのクリーニングバイアスが印加されるクリーニングローラ33と、中間記録ベルト24との間にはクリーニング電界が形成されており、このクリーニング電界の作用によってベルト上の残留トナーが除去される。除去後の残留トナーは、クリーニングローラ33に当接する図示しないクリーニングブレードによって掻き取られて回収される。
【0041】
図2は、上記画像形成部20Yの要部構成を示す断面図である。図において、トナー担持ローラ1との対向位置に配設されたFPC3は、孔2と、これを内包するようにFPC3の上面側に配設されたリング状の第1電極4と、これよりもFPC3の下面側で孔2を内包するリング状の第2電極14とを備えている。
【0042】
上記FPC3の下方には、ドット状の左偏向電極5a、対向電極6、右偏向電極5bからなる対向偏向電極ユニット10を備える対向基板13が、対向電極6をFPC3の孔2に向かい合わせるように配設されている。対向基板13には、この対向偏向電極ユニット10の他、これを図3に示すように囲む周囲電極11が形成されている。なお、図2においては、便宜上、孔2、第1電極4、第2電極14、対向偏向電極ユニット10をそれぞれ1つしか示していないが、実際には、これらは4960個配設されている。
【0043】
なお、各電極の寸法や各部材間の距離は、図4に示す通りで、トナー担持ローラ1から中間記録ベルト24までのトナーの飛翔距離は510[μm]程度となる。
【0044】
先に示した図3において、矢印Wは図示しない上記中間記録ベルト((24)の搬送方向を示し、直線L1はこの搬送方向と直交する方向である主走査方向を示す線である。また、斜線L2は左偏向電極5aの中心と右偏向電極5bの中心とを結ぶ線であり、トナーの飛翔経路の偏向方向を示している。図示のように、ドット状の対向電極6の両脇に配設される左偏向電極5a、右偏向電極5bは、主走査方向ではなくこれから角度θだけ傾くように並べられている。対向基板13上には、かかる構成の対向偏向電極ユニット10が上記FPC3の孔2と同じ数だけ設けられている。
【0045】
図5はFPC3の一部を対向基板13側から見た平面図である。図において、矢印Wは、図示しない上記中間記録ベルト(24)の搬送方向を示している。各第2電極14は、0.1[mm]の孔2を内包し得るような外径φで構成され、W方向と直交する方向(主走査方向)における設置ピッチPhが、形成画像の解像度に応じて設定されている。本実施形態では、解像度600[dpi]の画像を形成し得るように、この設置ピッチPhが設定されている。
【0046】
孔2と第2電極14との組み合わせは、上記中間記録ベルト24に抜けのない線画像を主走査方向(図中左右方向)に形成し得るように、W方向の約2[mm]の領域において8列(C1〜C8)形成されている。各第2電極14には、これに飛翔電圧を導くための電気的に独立したリード14aが連結し、これらリード14aにはそれぞれ図示しないHVICが接続されている。
【0047】
上記第1電極4も第2電極14とほぼ同様の構成になっているが、各第1電極4のリードはそれぞれ電気的に接続され、1つのHVICに接続される。よって、各第1電極4に対する電圧のON/OFFは、1つのHIVCによって同時に行われる。これに対し、各第2電極14に対する電圧のON/OFFは、それぞれ独立して行われる。
【0048】
本実施形態のプリンタでは、次に説明するようなドットデフレクションコントロール(以下、DDCという)と呼ばれる制御を実施して、1つの孔2、第1電極4、第2電極14、対向偏向電極ユニット10の組み合わせによって3つのドットを形成する。即ち、先に示した図2において、まず、孔2を通過したトナーの一群を、対向電極6に向けて真っ直ぐに飛翔させるのではなく、左偏向電極5aに向けて偏向させながら飛翔させ、左偏向電極5a上の中間記録ベルト24部分に付着させて1ドット目を形成する。そして、トナー担持ローラ1から次に飛翔させたトナーの一群を、孔2通過後に対向電極6に向けて真っ直ぐに飛翔させ、対向電極6上の中間記録ベルト24部分に付着させて2ドット目を形成する。更に、この次にトナー担持ローラ1から飛翔させたトナーの一群については、孔2通過後に右偏向電極5bに向けて偏向させながら飛翔させ、右偏向電極5b上の中間記録ベルト24部分に付着させて3ドット目を形成する。
【0049】
このようにして3ドットを形成している間に、中間記録ベルト24は図中前方向あるいは後方向に搬送されるため、左偏向電極5a、対向電極6、右偏向電極5bがそれぞれ主走査方向(図中左右方向)に一直線に並んでいると、各ドットの中間記録ベルト24上における付着位置は図中前後方向にずれてしまう。そこで、図3に示したように、左偏向電極5a、右偏向電極5bを、主走査方向ではなくこれから角度θだけ傾くように並べている。このような並びにより、図中前方向あるいは後方向に移動している中間記録ベルト24に対して、3ドットを主走査方向に並べて形成することができる。
【0050】
以上のように、1つの孔2とこれに対応する第2電極14などの組み合わせによって3ドットを形成することで、各第2電極14への電圧のON/OFFをそれぞれ個別に制御するためのHVICの数を1/3に減らして、装置のコストを大幅に低減することができる。
【0051】
なお、左偏向電極5a、対向電極6、右偏向電極5bも、第2電極14と同様にそれぞれ孔2と同じ数だけ設けることになるが、これらに対する電圧のON/OFF用には、基本的には3つのHVICで制御することができる。図示の装置では、左偏向電極5aのグループ、対向電極6のグループ、右偏向電極5bのグループの3つで、電圧のON/OFFをそれぞれ独立制御すればよいからである。
【0052】
また、後に詳述する第1電極4も第2電極14と同様に孔2と同じ数だけ必要になるが、これらに対する電圧のON/OFF制御も基本的には一律して行うことになる。
【0053】
また、DDCを実施しない場合には、対向基板上に左偏向電極5a、対向電極6、右偏向電極5bからなる複数の対向偏向電極ユニット10や、これらを囲む周囲電極11を設けるのではなく、1つの大きな平面上の対向電極を設ければよい。
【0054】
また、4つの画像形成部20Y、20M、20C、20Kのうち、20Yの要部構成についてだけ説明したが、他の画像形成部の要部構成についてもほぼ同様の構成であるので、説明を省略する。
【0055】
次に、本プリンタの特徴的な構成について、本発明者の行ったトナー飛翔のシミュレーションを示しながら説明する。
[シミュレーション1]
本発明者は、トナー飛翔シミュレーションシステムを用いて、図4に示した寸法条件を想定して以下に説明するような電位条件でトナー飛翔をシミュレーションした。なお、このシミュレーションシステムにおいて観察されるトナーの飛翔状態は、実際の直接記録方式の画像形成装置におけるものに酷似していることが既に実証されている。
【0056】
図6(a)から(o)までは、このシミュレーションで観察されたトナーの飛翔状態を30[μsec]経過毎に示す模式図である。これらのうち、図6(a)では、次に列記するような電位制御が行われた瞬間を示している(以下、この瞬間を初期状態という)。
・トナー担持ローラ1:接地
・第1電極4:+300[V]
・第2電極14:接地
・対向電極6:+600[V]の対向電圧を印加
・左偏向電極5a:+1000[V]の非偏向用電圧
・右偏向電極5b:+600[V]の非偏向用電圧
・周囲電極11:+200[V]の周囲電圧
【0057】
かかる電位制御では、+300[V]の電圧が印加された第1電極4と、接地された第2電極14との間に300[V]の電位差が生じ、マイナス帯電性のトナーに対して対向基板13側からトナー担持ローラ1側に向かう静電力を付与する逆方向の電界が形成される(以下、このような逆方向の電界を逆電界という)。
【0058】
一方、トナー担持ローラ1と第1電極4との間には、マイナス帯電性のトナーに対して、トナー担持ローラ1側から対向基板13側に向かう静電力を付与する順方向の電界が形成される(以下、このような順方向の電界を順電界という)。但し、かかる順電界が形成されても、その強度がトナーとトナー担持ローラ1との付着力(概ね3.0e−9[N])よりも十分に大きくないと、トナーはトナー担持ローラ1から飛翔を開始しない。本発明者の実験によれば、第1電極4に+100[V]を印加しただけではトナー担持ローラ1からトナーを全く飛翔させることができず、+100[V]以上、+300[V]未満を印加しても、飛翔させることができないトナーが出現してしまう。そこで、本シミュレーションでは、第1電極4に+300[V]を印加してトナーを確実にトナー担持ローラ1から飛翔させるようにした。
【0059】
しかし、トナーを一旦飛翔させてトナー担持ローラ1から離間させてしまえば、それまでよりも弱い強度の電界で飛翔を継続させることができる。本シミュレーションでは、第1電極4に+300[V]の電圧を印加してから20[μsec]後には、孔2との対向位置にあるトナーを全てトナー担持ローラ1から離間させ、且つ、まだ孔2に進入させない状態となる。そこで、20[μsec]後には、第1電極4に印加する電圧を+300[V]から+150[V]に引き下げて、トナー担持ローラ1〜第1電極4間の電界強度を弱めた。このように電界強度を弱めることで、飛翔したトナーを過剰に加速させることなく孔2内に進入させることが可能になる。
【0060】
第1電極4に印加する電圧の引き下げと同時に、第2電極14には−150[V]を印加した。この印加により、孔2内における第1電極4と第2電極14との間には300[V]の電位差による逆電界が引き続き形成される。よって、トナー担持ローラ1と第1電極4との間における順電界の強度を弱めても、第1電極4と第2電極14との間における逆電界の強度をそのまま維持することができる。
【0061】
初期状態から30[μsec]後には(図6(b))、飛翔トナーの一群の先頭部分が孔2の入り口に到達し、60[μsec]後には(図6(c))、孔2との対向位置にあったトナーの殆どが孔2内に進入する。このとき、孔2内には逆電界が形成されている一方で、トナー担持ローラ1と第1電極4との間には順方向の電界が形成されているので、進入したトナーは基本的には第1電極4のあたりで浮遊するようになる。ところが、孔2内に進入するトナーは、進入前の飛翔速度が速すぎると、逆電界中で停止しきれずに孔2を通過してしまう。この孔2が中間記録ベルト24の非画像部に対応するものであると、地汚れを生ずることになる。
【0062】
しかしながら、本シミュレーションでは、トナーを孔2内に進入させるのに先立ち、トナー担持ローラ1と第1電極4との間に形成される順電界の強度を弱めて、トナーの過剰な加速を弱めている。このため、トナーは孔2内に形成された逆電界中で十分に減速している(図6(c)から(d)を参照:先頭のトナーの位置が殆ど変わっていないのがわかる)。
【0063】
このように減速したトナーは、図6(c)に示すように第1電極4の付近で浮遊し、トナー担持ローラ1等との付着力に何ら拘束されない状態になっている。よって、仮に孔2内で停止したとしても、トナー担持ローラ1に付着していたときよりは遙かに弱い強度の順電界で飛翔を再開することができるはずである。
【0064】
そこで、本シミュレーション1では、1つ目のドットを形成すべく、初期状態から75[μsec]後において(図6(c)と(d)との間)、第1電極4に印加する電圧を+150[V]から−150[V]に引き下げた。また、同時に、第2電極14に印加する電圧を−150[V]から−100[V]に上げた。すると、第1電極4と第2電極14との間には、40[V]という小さな電位差によって強度の比較的弱い順電界を形成することになる。
【0065】
このような低強度の順電界でも、図6(e)に示すように、それまで第1電極4の付近に浮遊させていたトナーを、孔2の出口側に向かって加速させ得ることがわかる(図6(e))。そして、初期状態から150[μsec]後には(図6(f))、トナーの一群の先頭部分に孔2を通過させ、210[μsec]後には(図6(h))、1ドットを形成するのに十分な量のトナーを通過させる。
【0066】
これ以上の量のトナーを通過させると、トナーの一群の先頭部分を中間記録ベルト24に付着させてから、末尾部分を付着させるまでのタイムラグを大きくし過ぎて、移動中の中間記録ベルト24上におけるドット像を細長い楕円形にして乱してしまう。
【0067】
そこで、初期状態から210[μsec]後において、第1電極4に印加する電圧を−150[V]から−300[V]に引き下げると同時に、第2電極14に印加する電圧を−110[V]から−600[V]とそれ以上に引き下げた。
すると、第2電極14から第1電極4を経由してトナー担持ローラ1に至る区間に、強い逆電界を形成することになる。この逆電界の影響により、孔2内に残留させたトナーを全てトナー担持ローラ1に向けて逆飛翔させて、孔2内をクリーニングすることができた(図6(h)から(j))。
【0068】
一方、このような逆方向の電界を形成しても、孔2よりも対向基板13側では、−600[V]の電圧が印加される第2電極14と、プラスの電位を帯びる対向基板13との間に順電界を形成しているため、孔2を通過させた後のトナーについては、対向基板13に向けての飛翔を継続させる。よって、クリーニングとドット形成のためのトナー飛翔とを並行して実施することができる。
【0069】
対向基板13上では、全ての電極にプラスの電圧を印加しているが、なかでも、左偏向電極5aに印加する電圧の値を最も高くしている(+1000V)。このため、孔2を通過したトナーは、対向電極6に向けて真っ直ぐに飛翔しないで、図中左方向に経路を偏向させながら飛翔して、左偏向電極5aの真上に位置する中間記録ベルト24部分に付着する。これにより、1つ目のドット像が中間記録ベルト24上に形成される。
【0070】
次に、初期状態から280[μsec]後には(図6(j)と図6(k)との間)、2つ目のドット像を形成すべく、各電極の電位状態を再び初期状態に戻した(以下、280μsec後を2回目の初期状態という)。但し、2つ目のドット像形成時には、トナーの飛翔経路を偏向させないので、対向電極6に+1000[V]を印加するとともに、左偏向電極5a、右偏向電極5bには+600[V]を印加した。また、2つ目のドット像形成時には、図示の孔2が中間記録ベルト24の非画像部に対応するものとする(図示の部分にはドット像を形成させない)。
【0071】
2回目の初期状態(280μsec)から20[μsec]後(図6(k))には、1回目と同様に飛翔トナーの過剰な加速を抑えながら孔2内における逆方向の電界の強度をそのまま維持すべく、第1電極4への電圧を+150[V]に引き下げると同時に第2電極14に−150[V]を印加した。
【0072】
この印加から40[μsec]後、即ち、1回目の初期状態から330[μsec]後(図6(l))には、1回目と同様にトナー担持ローラ1から飛翔させたトナーの一群の殆どを孔2内に進入させる。このように新たなトナーの一群の飛翔を開始させて孔2内に進入させている間にも、先に孔2を通過させた1回目のトナーの一群については、第2電極14と対向基板13との間の順電界によって飛翔を継続させる(図6(k)〜(m))。よって、1つ目のドット像を形成しながら、2つ目のドット像の形成を開始することができる。
【0073】
上述のように、図示の孔2は2回目のドット像形成時には非画像部に対応するので、トナーをそのまま孔2内に留めておく必要がある。このため、第1電極4と第2電極14との間には逆電界を形成する必要があるが、形成用に第2電極14に印加する電圧については、通過させない場合の値(−110V)に極力近づけることが望ましい。近づけることで、第2電極14への電圧を制御するHVICとして、より低い耐電圧のものを使用することができるからである。
【0074】
さて、孔2内に進入するトナーは、進入に先立って過剰な加速が抑えられているため、図6(c)や図6(d)で示したように、第1電極4と第2電極14との300[V]の電位差によって形成される逆方向の電界によって十分に孔2内で減速する。このように十分に減速すれば、逆電界の強度がより弱くなっても、孔2内で停止することができるはずである。
【0075】
そこで、2回目の初期状態から75[μsec]後(一回目の初期状態から355μsec後)には、第1電極4に印加する電圧を−150[V]に引き下げると同時に、第2電極14に印加する電圧を−190[V]にして、両電極間に40[V]の電位差による低強度の逆電界を形成した(以下、この−190Vの電圧を画像OFF電圧という)。トナー担持ローラ1については接地したままであるので、第2電極14からトナー担持ローラ1に向けて逆電界を形成することになる。図6(m)〜図6(o)に示すように、逆電界の強度を弱めても、トナーを通過させることなくトナー担持ローラ1に向けて逆飛翔させて回収していることがわかる。
【0076】
以上のシミュレーションにおいては、図6(d)と図6(m)との比較からわかるように、トナーに孔2を通過させるか、あるいは通過させないかを制御するための画像ON電圧(−100V)と画像OFF電圧(−190V)との電位差を僅か80[V]にとどめている。トナーの通過/通過阻止を制御するときに、全ての第2電極14に共通して−100[V]を印加し、通過を阻止したい孔2に対応する第2電極14にだけ−80[V]を上乗せして印加するようにすれば、個別電圧制御用のHVICとして、80[V]の耐電圧のものを用いることができる。よって、本シミュレーションでは、−80[V]が従来の飛翔電圧に相当しており、図14に示した従来装置と比較すると、HVICの耐電圧を300[V]から80[V]に下げて低コスト化を図ることができる。しかも、特開2000−6460号公報の改良装置のように、振動電界形成電極対やシールド電極などを配設して電極構成の複雑にすることがなく、且つ、孔形成部材間にトナーを目詰まりさせることもない。
【0077】
ところで、実機においては、個々のトナーの粒径や帯電量(Q/M)にバラツキが生ずる。トナーの粒径や帯電量が異なれば、当然ながらその飛翔状態も異なってくる。そこで、本シミュレーション1では、実機に近い状態で、個々のトナーの粒径や帯電量にバラツキを生じさせている。
【0078】
図7はトナーの飛翔速度と1回目の初期状態からの経過時間との関係を、トナーの帯電量別に示すグラフである。図中×印で座標をプロットしたグラフは、本シミュレーション1で中間記録ベルト(24)に最初に付着した先頭トナーにおける上記関係を示している。また、△印で座標をプロットしたグラフは、本シミュレーション1で中間記録ベルト(24)に最後に付着した末尾トナーにおける上記関係を示している。なお、飛翔速度については、順方向の速度を+で、逆方向の速度を−でそれぞれ示している。
【0079】
上記先頭トナーは、その帯電量が−22.5[μC/g]で、その粒径(r×2)が7.88[μm]であった。また、上記末尾トナーは、その帯電量が−15.0[μC/g]で、その粒径(r×2)が7.10[μm]であった。両トナーともに、1回目の初期状態においてトナー担持ローラ(1)と第1電極(4)との間に形成される強い順電界の影響を受けて一気に加速して+1[m/sec]程度の速度となる。そして、初期状態から20[μsec]後に、順電界の強度が半減すると加速度を急激に小さくするものの、少しずつ加速して孔(2)内に進入する。進入後は、第1電極(4)と第2電極(14)との間に形成された強い逆電界の影響を受けて急激に減速していき、上記画像ON電圧又は画像OFF電圧が印加される75[μsec]後には弱い逆電界でも十分に孔内で停止しきれる+1[m/sec]以下の速度になる。
【0080】
但し、1回目には75[μsec]後に画像ON電圧が印加されて孔(2)内に弱い順電界が形成されるので、それから再び順方向に加速し始める。そして、両トナーのうち、先頭トナーは150[μsec]後に孔(2)を通過してから、280[μsec]後に中間記録ベルト(24)に到達して3回程度バウンドしてからその表面に付着する。一方、末尾トナーは孔(2)内で少しずつ速度を上げていき、クリーニングが施される210[μsec]後にかろうじて孔(2)を通過した後、その後は一気に加速して400[μsec]後に中間記録ベルト(24)に到達する。そして、1回バウンドしてからその表面に付着する。
【0081】
よって、帯電量が−15.0〜−22.5[μC/g]の範囲でばらつき、且つ、粒径が7.10〜7.88[μm]の範囲でばらついているトナーを用いても、各孔(2)毎にトナーの通過と非通過とを完全に制御することができる。
【0082】
[シミュレーション2]
全てのトナーについて、その帯電量を−42.5[μC/g]までマイナス側に高くし、且つその粒径を5.15[μm]まで小さくした以外は、上記シミュレーション1と同様の条件にして本シミュレーション2を実施した。
【0083】
先に示した図7において、*印で座標をプロットしたグラフは、本シミュレーション2におけるトナーの飛翔速度と経過時間との関係を示している。本シミュレーション2におけるトナーは、上述のように、帯電量が−42.5[μC/g]と非常に高いにもかかわらず、粒径が5.15[μm]と非常に小さい。このため、グラフに示すように、初期状態で非常に急激に加速し、20[μsec]後に順電界の強度が弱められる前に孔内に進入する。このときの速度は+3[m/sec]と非常に速いため、慣性の力によって孔(2)内の逆電界中を通過してしまうおそれがある。
【0084】
ところが、帯電量が高いということは、それだけ逆電界による静電力も強く作用するため、孔(2)内で急激に減速する。そして、60[μsec]後に孔(2)内で停止した後、今度は孔(2)内を逆飛翔し始める。
【0085】
初期状態から75[μsec]後には孔(2)内の電界が逆電界から低強度の順電界に切り替わるが、ちょっと減速するだけで孔(2)の入り口から出てしまう。このとき、トナー担持ローラ(1)と第1電極(4)との間には逆電界が形成されているため、孔(2)の入り口から出ることができたのである。そして、この逆電界の影響によって逆飛翔を続け、145[μsec]後にトナー担持ローラ(1)に逆戻りする。
【0086】
よって、帯電量(Q/m)が高すぎ且つ粒径の比較的小さいトナーは、ドット像の形成に寄与することなく、トナー担持ローラ(1)に回収される。従来の直接記録方式の画像形成装置では、かかるトナーが他のトナーよりも中間記録ベルト等に速く到達して地汚れ原因となっていたが、本件ではかかる地汚れも抑えられるわけである。
【0087】
[シミュレーション3]
全てのトナーについて、その帯電量を−6.7[μC/g]まで低くし、且つその粒径を7.24[μm]にした以外は、上記シミュレーション1と同様の条件にして本シミュレーション3を実施した。
【0088】
先に示した図7において、○印で座標をプロットしたグラフは、本シミュレーション3におけるトナーの飛翔速度と経過時間との関係を示している。グラフに示すように、トナーは初期状態であまり加速せず、順電界の強度が弱められると更に加速度が小さくなるため、上記画像ON電圧や画像OFF電圧が印加される75[μsec]後でもまだ孔内に進入することができない。画像ON電圧や画像OFF電圧が印加されるときには、第1電極(4)に−150[V]が印加されてトナー担持ローラ(1)と第1電極(4)との間に逆電界が形成される。このため、孔(2)に進入することができなかったトナーは、120[μsec]後に停止した後、逆飛翔を開始して220[μsec]後にトナー担持ローラ(1)に逆戻りする。
【0089】
よって、帯電量(Q/m)が低すぎるトナーは、ドット像の形成に寄与することなく、トナー担持ローラ(1)に回収される。従来の直接記録方式の画像形成装置では、かかるトナーが他のトナーよりもかなり遅れて中間記録ベルト等に到達して地汚れ原因となっていたが、本件ではかかる地汚れも抑えられるわけである。
【0090】
シミュレーション2及び3の結果より、本件では帯電量が高すぎるトナーや、低すぎるトナーを画像形成に寄与させることなくトナー担持ローラ1に回収することができる。従って、本件では、孔2を通過させるべきでないトナーを通過させることによる地汚れだけではなく、トナーを通過させてよいものの、他のトナーよりも中間記録ベルト等にかなり速く到達させたり、かなり遅れて到達させたりすることによる地汚れをも抑えることができる。
【0091】
[シミュレーション4]
各トナーの帯電量をそれぞれ微妙に異ならせ、全トナーの帯電量平均値を−5、−10、−15、−20、−25、−30、−35、−40[μC/g]にした以外は、上記シミュレーション1と同様の条件にして、8回のシミュレーションを行った。
【0092】
図8は、トナー最大帯電量やトナー最小帯電量と、各帯電量平均値との関係を示すグラフである。図示のように、帯電量平均値を大きくするほど、トナー最大帯電量とトナー最小帯電量との差を大きくして各シミュレーションを実施した。
【0093】
図9は第2電極(14)への上記画像ON電圧の印加によって孔(2)を通過したトナーの個数と、全トナーの帯電量平均値との関係を示すグラフである。なお、各シミュレーションでは、8±1個の通過トナーが得られたときに目標のドット濃度が得られる。
【0094】
図9に示すように、全トナーの帯電量平均値が−10から−30[μC/g]までの範囲内にあるときに、目標のドット濃度が得られている。このことにより、帯電量が−10弱〜−30強[μC/g]のトナーであれば、画像形成に寄与させ得ることがわかる。先に示した図8を見ると、帯電量平均値が−15〜−25[μC/g]である場合には殆ど全てのトナーを画像形成に寄与させることになる。また、帯電量平均値が−10や−40[μC/g]であっても、7割以上のトナーを画像形成に寄与させ得ることがわかる。
【0095】
ここで、実際のトナーにおいては、質の良いものでは帯電量のバラツキがせいぜい20[μC/g]くらいなので、本件ではトナーを有効に画像形成に寄与させて安定した画像濃度を得ることができる。よって、フルカラー画像における色調を良好に再現することが可能になる。
【0096】
なお、第2電極(14)に画像OFF電圧を印加した際に、孔(2)を通過させて地汚れとしてしまったトナーについては、帯電量平均値−40[μC/g]のトナーを用いたときに僅かに1個出現させただけであった。
【0097】
[シミュレーション5]
各トナーの半径平均値を2.0μm、2.5μm、3.0μm、3.5μm、4.0μm(粒径はそれぞれ2倍となる)にした以外は、上記シミュレーション1と同様の条件にして、5回のシミュレーションを行った。
【0098】
図10は、トナー最大半径やトナー最小半径と、各半径平均値との関係を示すグラフである。図示のように、半径平均値を大きくするほど、トナー最大半径とトナー最小半径との差を大きくして各シミュレーションを実施した。
【0099】
図11は第2電極(14)への上記画像ON電圧の印加によって孔(2)を通過したトナーの個数と、全トナーの半径平均値との関係を示すグラフである。グラフに示すように、2.5〜3.5[μm]の半径平均値(粒径平均値はそれぞれ2倍で5.0〜7.0μmとなる)のトナーを用いれば、ほぼ目標濃度のドット像を得ることができる。よって、トナー収容部(21a)内に収容されるトナーが、大きなものから優先的に使用されたり、小さなものから優先的に使用されたりしてトナーの粒径平均値が変動しても、安定した濃度の画像を形成することができる。
【0100】
なお、第2電極(14)に画像OFF電圧を印加した際に、孔(2)を通過させて地汚れとしてしまったトナーについては、半径平均値4.0[μm]のトナーを用いたときに僅かに1個出現させただけであった。
【0101】
[シミュレーション6]
先に示した図4において、トナー担持ローラ1とFPC3の上面との距離(以下、距離Lkという)を30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μmにした以外は、上記シミュレーション1と同様の条件にして、6回のシミュレーションを行った。
【0102】
図12は第2電極(14)への上記画像ON電圧の印加によって孔(2)を通過したトナーの個数と、距離Lkとの関係を示すグラフである。グラフに示すように、距離Lk=50±10[μm]の範囲で安定した濃度のドット像が得られている。回転するトナー担持ローラ(1)の表面上のトナーと、平面状のFPC(3)との距離は、トナー担持ローラ(1)の回転角度によって異なってくる。従来の直接記録方式の画像形成装置では、孔(2)の位置によっては、この距離が異なってしまう画像濃度ムラを生ずることがあったが、本件では、距離の異なりが±10[μm]の範囲内であればかかる画像濃度ムラを解消することができる。
【0103】
[シミュレーション7]
先に示した図4において、FPC3の下面と中間記録ベルト24表面との距離(以下、この距離をLlという)を300μm、500μmにした以外は、上記シミュレーション1と同様の条件にして、2回のシミュレーションを行った。
【0104】
図13は第2電極(14)への上記画像ON電圧の印加によって孔(2)を通過したトナーの個数と、距離Llとの関係を示すグラフである。グラフに示すように、距離Ll=400±100[μm]の範囲で安定した濃度のドット像が得られている。よって、対向電極(13)の組み付け誤差や、中間記録ベルト(24)の微妙な上下振動などによって距離Llを±100[μm]の範囲で変動させても、安定した濃度の画像を形成することができる。
【0105】
以上のシミュレーションに鑑み、図4に示した要部構成の画像形成部部20Y、20M、20C、20Kを本プリンタに設け、各第2電極14に対する個別電圧制御用に耐電圧80[V]のHVICを用いて、上記シミュレーション1と同様の電圧条件で実際にフルカラー画像を形成してみた。すると、地汚れが全くなく、しかも色調再現性の極めて良好なフルカラー画像を形成することができた。
【0106】
[比較例1]
初期状態から20[μsec]後に、トナー担持ローラ(1)と第1電極(4)との間における順電界の強度を弱めないで、75[μsec]後まで初期状態のままを維持したところ、地汚れのあるフルカラー画像が形成された。トナーが孔(2)に進入する前に過剰に加速し、上記画像OFF電圧の印加による孔(2)内の逆電界中で停止しきれずに孔2を通過してしまったためと考えられる。
【0107】
[比較例2]
2回目の初期状態から210[μsec]後に、孔(2)内に強い逆電界を形成しないで、上記画像OFF電圧による弱い逆電界を形成したままの状態を維持し、280[μsec]に3つ目のドット像を形成すべく、3回目の初期状態にした。すると、フルカラー画像に激しい地汚れが認められた。強い逆電界が形成されないと、孔2内に留まったトナーが十分にトナー担持ローラ(1)に戻りきれないままに次の初期状態化におかれ、第1電極(4)の近くで順電界の影響を強く受けて高速で孔(2)内に進入したためと考えられる。
【0108】
以上、画素像として、円状のドット像を形成するプリンタについて説明したが、楕円状や多角形状など他の形状の画素像形成する直接記録方式の画像形成装置についても本発明の適用が可能であることは言うまでもない。また、フルカラー画像を形成するプリンタについて説明したが、単色あるいは多色画像を形成する直接記録方式の画像形成装置についても本発明の適用が可能である。
【0109】
【発明の効果】
請求項1、2、3又は4の発明によれば、画像形成剤を予め浮遊させておくことで飛翔電圧の引き下げを図りながら、浮遊した画像形成剤が記録紙等の非画像部に対応する孔を通過してしまうことによる地汚れを抑えることができ、しかも、特開2000−6460号公報の改良装置にて生ずる電極構成の複雑化や、画像形成剤による孔形成部材間の目詰まりを回避することができるという優れた効果がある。
【0110】
特に、請求項3又は4の発明によれば、記録部材上におけるドットなどの画素像の乱れを抑えつつ、各孔の画像形成剤による目詰まりを抑えることができるという優れた効果がある。
【0111】
また特に、請求項4の発明によれば、各孔のクリーニングと、孔通過済みの画像形成剤による画素像の形成とを並行して行うことで、画像形成時間の短縮化を図ることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタの画像形成部の要部構成を示す断面図。
【図3】同プリンタの対向基板の一部を示す平面図。
【図4】同要部構成における各電極の寸法や各部材間の距離を示す構成図。
【図5】同プリンタのFPCの一部を対向基板側から見た平面図。
【図6】(a)から(o)までは、それぞれ本発明者の実施したシミュレーション1で観察されたトナーの飛翔状態を30[μsec]経過毎に示す模式図。
【図7】本発明者の実施したシミュレーション1、2及び3におけるトナーの飛翔速度と1回目の初期状態からの経過時間との関係を、トナーの帯電量別に示すグラフ。
【図8】本発明者の実施したシミュレーション4におけるトナー最大帯電量やトナー最小帯電量と、各帯電量平均値との関係を示すグラフ。
【図9】同シミュレーション4において、第2電極への画像ON電圧の印加によって孔を通過したトナーの個数と、全トナーの帯電量平均値との関係を示すグラフ。
【図10】本発明者の実施したシミュレーション5におけるトナー最大半径やトナー最小半径と、各半径平均値との関係を示すグラフ。
【図11】同シミュレーション5において、第2電極への画像ON電圧の印加によって孔を通過したトナーの個数と、全トナーの半径平均値との関係を示すグラフ。
【図12】本発明者の実施したシミュレーション6において、第2電極への画像ON電圧の印加によって孔を通過したトナーの個数と、距離Lkとの関係を示すグラフ。
【図13】本発明者の実施したシミュレーション7において、第2電極への画像ON電圧の印加によって孔を通過したトナーの個数と、距離Llとの関係を示すグラフ。
【図14】従来の直接記録方式の画像形成装置における要部構成を示す構成図。
【図15】特開2000−6460号公報の改良装置における要部構成を示す構成図。
【図16】同改良装置内でトナーが第1孔を通過した状態を示す構成図。
【図17】同改良装置内でトナーが振動電界形成電極対の間を往復移動する状態を示す構成図。
【図18】同改良装置内でトナーが第2孔を通過した状態を示す構成図。
【図19】同改良装置内でトナーが回収される状態を示す構成図。
【符号の説明】
1 トナー担持ローラ(剤担持体)
2 孔
3 FPC(開口形成部材)
4 第1電極
5 偏向電極
5a 左偏向電極
5b 右偏向電極
6 対向電極
7 記録紙
10 対向偏向電極ユニット
13 対向基板
14 第2電極
20 画像形成部
21 ケーシング
22 トナー供給ローラ
23 中間記録装置
24 中間記録ベルト(記録部材)
25 駆動ローラ
26 従動ローラ
27 転写ローラ
28 押圧ローラ
29 給紙カセット
30 レジストローラ対
31 定着装置
32 ベルトクリーニング装置
36 搬送路

Claims (4)

  1. 帯電した画像形成剤を担持する剤担持体と、該剤担持体に対向する複数の孔が形成してある孔形成部材と、該孔形成部材を介して該剤担持体に対向する対向電極とを用い、該剤担持体から飛翔させた画像形成剤に該孔を通過させ、通過後の画像形成剤を該対向電極に向けて飛翔させて記録部材に付着させることで画像を形成する画像形成方法であって、
    各孔の近傍に配設される第1電極と、該第1電極よりも該対向電極側に位置して複数の孔のそれぞれに個別に対応する複数の第2電極とを用意し、
    画像形成剤を該対向電極側から該剤担持体側に向けて静電的に移動させる逆方向の電界を孔貫通方向における該第1電極と該第2電極との間に形成しつつ、画像形成剤を該剤担持体側から該対向電極側に向けて静電的に移動させる順方向の電界を該剤担持体と該第1電極との間に形成して、該剤担持体からの画像形成剤の飛翔を開始させる工程と、この工程によって画像形成剤の飛翔を開始させた後、飛翔した画像形成剤を該孔に進入させるのに先立って、該剤担持体と該第1電極との間における該順方向の電界の強度を弱めつつ、該第1電極と該第2電極との間における該逆方向の電界についてはそれまでと同等の強度を維持する工程と、
    その後、該記録部材の画像部に対応する該孔内には、該第1電極と該第2電極との間において順方向の電界を形成し、且つ、該記録部材の非画像部に対応する該孔内には、該第1電極と該第2電極との間において逆方向の電界を形成する工程とを実施することを特徴とする画像形成方法。
  2. 帯電した画像形成剤を担持する剤担持体と、該剤担持体に対向する複数の孔が形成してある孔形成部材と、該孔形成部材を介して該剤担持体に対向する対向電極とを備え、該剤担持体から飛翔させた画像形成剤に該孔を通過させ、通過後の画像形成剤を該対向電極に向けて飛翔させて記録部材に付着させることで画像を形成する画像形成装置であって、
    各孔の近傍に配設される第1電極と、該第1電極よりも該対向電極側に位置して複数の孔のそれぞれに個別に対応する複数の第2電極とを備え、
    画像形成剤を該対向電極側から該剤担持体側に向けて静電的に移動させる逆方向の電界を孔貫通方向における該第1電極と該第2電極との間に形成しつつ、画像形成剤を該剤担持体側から該対向電極側に向けて静電的に移動させる順方向の電界を該剤担持体と該第1電極との間に形成して、該剤担持体からの画像形成剤の飛翔を開始させた後、飛翔した画像形成剤を該孔に進入させるのに先立って、該剤担持体と該第1電極との間における該順方向の電界の強度を弱めつつ、該第1電極と該第2電極との間における該逆方向の電界についてはそれまでと同等の強度を維持し、その後、該記録部材の画像部に対応する該孔内には、第1電極と該第2電極との間において順方向の電界を形成し、且つ、該記録部材の画像部に対応する該孔内には、該第1電極と該第2電極との間において逆方向の電界を形成することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置であって、
    上記記録部材の画像部に対応する上記孔内における上記第1電極と上記第2電極との間に順方向の電界を形成し、且つ、上記記録部材の非画像部に対応する上記構内における上記第1電極と上記第2電極との間に逆方向の電界を形成した後、上記剤担持体と全ての上記第2電極との間に逆方向の電界を形成することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置であって、
    上記剤担持体と全ての上記第2電極との間に逆方向の電界を形成しているときに、これら第2電極と上記対向電極との間に順方向の電界を形成することを特徴とする画像形成装置。
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