JP4813554B2 - インデクサブルインサート - Google Patents

Description

本発明は、それぞれ多角形底面を有する互いに連続した、ただし互いに相対変位した２つの部分を備えるインデクサブルインサートに関する。

この種のインデクサブルインサートは、特許文献１から既知である。例えば、底面がそれぞれ正方形をなすインデクサブルインサートは、８箇所の切り刃を形成する可能性がある。双方のセミボディが互いに相対変位して配置されていることにより、切れ刃は所望のジオメトリで設定されることができる。
独国公開特許第１２３２４３６号明細書

本発明の目的は、上記既知のインデクサブルインサートを改善し、新たな使用可能性が得られるようにすることである。

上記課題を解決するため、本発明によれば、一方のセミボディに複数の荒削りバイトが、他方のセミボディに複数の仕上げバイトがそれぞれ設けられて、一方のセミボディの荒削りバイトと他方のセミボディの仕上げバイトとが同時に工作物に作用し得るように配置されている。本発明は、１つの同一のインデクサブルインサートに異なったバイトを設けて、１つの工程で同時に荒削り加工と仕上げ加工とが行われるようにすることができるとの知見を基礎としている。このインデクサブルインサートは荒削りバイトと仕上げバイトとがそれぞれ加工に適したすくい角で形成されていることから、特に交換される必要はない。このことは、それぞれ同時に使用される荒削りバイトと仕上げバイトとが異なったインデクサブルインサート・セミボディに設けられ、このようにして互いに独立に遂行可能であることから、問題なく実現することができる。

いずれのセミボディも基本的に任意のｎ角形であってよい。この場合、ｎは任意の自然数である。

本発明の有利な実施態様は従属請求項から判明する通りである。

以下、添付図面によって示した実施形態に基づいて本発明を説明する。

図中には、２つのセミボディ１２、１４から成るインデクサブルインサート１０が示されている。各々のセミボディ１２、１４は正方形の底面１６と共に、一般に角錐台の形を有する。双方のセミボディ１２、１４は角錐台の上面、すなわち底面１６とは反対側のより小さな面で互いに接している。

いずれのセミボディ１２、１４も、それぞれの底面１６から出発して他方のセミボディに向かって延びる４つの側面１８、２０、２２、２４を有する。いずれの側面もまた、複数のより小さな部分面から構成されている。

ここで、用語「角錐台」は数学的な意味で理解さるべきではなく、単にそれぞれのセミボディの側面１８、２０、２２、２４が対応する底面１６から出発して互いにわずかに傾斜して寄っていることを示唆しているにすぎないことを指摘する。言い換えれば、このインデクサブルインサートは双方の底面１６の間の中間でややくびれているということである。また、双方のセミボディ１２、１４は所定のエッジによって互いに連続する必要はなく、双方のセミボディの間に例えば窪み溝の類の移行部が設けられていてもよい。

インデクサブルインサートの中心を貫いて穴２６が延び、穴の中心軸はインデクサブルインサートの底面１６に対して垂直である。穴２６を通して固定手段が差し込まれ、このようにしてインデクサブルインサートはホルダ例えばフライス２８（図２参照）に固定される。

本インデクサブルインサートの重要な特徴は、双方のセミボディ１２、１４が互いに相対変位していること、および底面１６に対して垂直であり、底面の中心を貫いて延びる軸周りに変位させられていることである。実施形態において、この軸は穴２６の中心軸と一致している。実施形態において、セミボディ１２はセミボディ１４に対して時計回り方向に相対変位させられていることから、図１に関しては、セミボディ１２の「前方下側」コーナはセミボディ１４の「前方下側」コーナよりも低い位置にある。

セミボディの一方、ここではセミボディ１４には４つの荒削りバイト３０が形成され、他方のセミボディ、ここではセミボディ１２には４つの仕上げバイト３２が形成されている。

それぞれの荒削りバイト３０は、セミボディ１４の底面１６と１つの側面１８、２０、２２、２４との間のエッジによって形成されている。図３および図５から分かるように、２つの側面の間の接触エッジは、対応する荒削りバイト３０の続きとして機能するように形成されていてよい。この荒削りバイト３０の続きは、コーナ丸み部もしくは単一または二重コーナ面取り部３１またはそれらの組み合わせとして形成されていてよい。

それぞれの仕上げバイト３２は、セミボディ１２の側面１８、２０、２２、２４の２つの面の交差部に形成されている。したがって、仕上げバイトは荒削りバイトに対してほぼ垂直である。

重要な特徴は、双方のセミボディ１２、１４が互いに相対変位していることにより、インデクサブルインサートが所定の方向を向いている際に作用する双方のバイト、すなわち荒削りバイト３０、３１と仕上げバイト３２のうち、１つのバイトが工作物に向かって他方のバイトよりも突き出ていることである。特に図１および図５から分かるように、仕上げバイト３２は工作物に向かって荒削りバイト３０、３１よりも突き出ている。この差ｘは、好ましくは０．０１〜０．１ｍｍ、より好ましくは０．０２〜０．０４ｍｍのレベルである。このようにして、荒削りバイト３０、３１が材料切削の大半を引き受け、他方、わずかな材料切削を行うだけでよい仕上げバイト３２によって精密加工が行われることが保証される。

工作物に作用するインデクサブルインサートの斜視図である。 図１に示した工作物に作用する複数のインデクサブルインサートを備えたフライスの側面図である。 図１に示したインデクサブルインサートの正面図である。 図３に示したインデクサブルインサートの側面図である。 図３のディテールＶの拡大図である。

Claims (11)

1. それぞれ多角形底面を有する互いに連続した、ただし互いに相対変位した２つのセミボディ（１２、１４）を備えるインデクサブルインサート（１０）であって、
   一方の前記セミボディ（１４）に複数の荒削りバイト（３０、３１）が、他方の前記セミボディ（１２）に複数の仕上げバイト（３２）がそれぞれ設けられて、一方の前記セミボディ（１４）の前記荒削りバイト（３０、３１）と他方の前記セミボディ（１２）の前記仕上げバイト（３２）とは、同時に工作物に作用し得るように配置され、
   前記複数の荒削りバイト（３０、３１）は、セミボディの底面とセミボディの側面（１８、２０）との間のエッジによって形成され、
   前記複数の仕上げバイト（３２）は、セミボディの側面（１８、２０、２２、２４）の２つの面の交差部に形成されている
   ことを特徴とする、インデクサブルインサート（１０）。
2. 底面（１６）は、ｎ角形であることを特徴とする、請求項１に記載のインデクサブルインサート。
3. 前記底面（１６）は、正方形であることを特徴とする、請求項２に記載のインデクサブルインサート。
4. それぞれの前記セミボディ（１２、１４）は一般に角錐台の形状を有し、双方の角錐台は前記角錐台の上面で互いに連続していることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載のインデクサブルインサート。
5. 前記荒削りバイト（３０、３１）は、一方の前記セミボディ（１２、１４）の前記底面（１６）と側面（１８、２０、２２、２４）との交線によって形成されていることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか一項に記載のインデクサブルインサート。
6. 前記荒削りバイトは、互いに隣接した２つの前記側面（１８、２０、２２、２４）間の交線（３１）によって延長されていることを特徴とする、請求項５に記載のインデクサブルインサート。
7. 前記荒削りバイトとして作用する互いに隣接した２つの側面の前記交線（３１）は、コーナ丸み部（３１）、単一コーナ面取り部（３１）または二重コーナ面取り部として形成されていることを特徴とする、請求項６に記載のインデクサブルインサート。
8. 前記荒削りバイトとして作用する互いに隣接した２つの側面の前記交線（３１）は、前記コーナ丸み部（３１）、前記単一コーナ面取り部（３１）および／または前記二重コーナ面取り部の組み合わせとして形成されていることを特徴とする、請求項７に記載のインデクサブルインサート。
9. 前記仕上げバイト（３２）は、屈曲して延びていることを特徴とする、請求項１〜８のいずれか一項に記載のインデクサブルインサート。
10. 前記仕上げバイト（３２）は、真っ直ぐに延びていることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか一項に記載のインデクサブルインサート。
11. 前記仕上げバイト（３２）は、前記インデクサブルインサート（１０）の作動ポジションにおいて、前記荒削りバイト（３０、３１）よりも０．０１〜０．１ｍｍ外側へ突き出ていることを特徴とする、請求項１〜１０のいずれか一項に記載のインデクサブルインサート。

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