JP4813387B2 - 高粘度流体冷却システム - Google Patents

高粘度流体冷却システム Download PDF

Info

Publication number
JP4813387B2
JP4813387B2 JP2007019589A JP2007019589A JP4813387B2 JP 4813387 B2 JP4813387 B2 JP 4813387B2 JP 2007019589 A JP2007019589 A JP 2007019589A JP 2007019589 A JP2007019589 A JP 2007019589A JP 4813387 B2 JP4813387 B2 JP 4813387B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
viscosity fluid
heat exchanger
refrigerant
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007019589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008184981A (ja
Inventor
健嗣 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanki Engineering Co Ltd
Original Assignee
Sanki Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanki Engineering Co Ltd filed Critical Sanki Engineering Co Ltd
Priority to JP2007019589A priority Critical patent/JP4813387B2/ja
Publication of JP2008184981A publication Critical patent/JP2008184981A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4813387B2 publication Critical patent/JP4813387B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

本発明は、エンジン性能試験等において好適に採用される高粘度流体冷却システムに関するものである
試験室内において低温環境下(例えば−40℃〜−20℃)でのエンジンの性能を試験する場合には、エンジンに供給されるエンジンオイルや冷却水を冷却するために熱交換器が設置される(例えば、特許文献1参照。)。
上記のように熱交換器を用いてエンジンオイルを冷却する場合には、熱交換器内のオイル流路のうち、冷媒との熱交換面(伝熱面)付近のエンジンオイルがまず冷却され、それから、伝熱面付近のエンジンオイルとそれ以外の部位にあるエンジンオイルとの間で伝熱(伝導、対流)が行われ、全体としてエンジンオイルの温度が低下していく。
ところが、エンジンオイルは、冷却されると粘度が高くなる性質を有しており、特に、ある特定温度よりも低温となった場合には、粘度が急激に高くなる。このため、エンジンオイルを特定温度よりも低温にしようとする場合、まず最初に冷媒によって冷却される伝熱面付近のエンジンオイルの粘度が、それ以外の部位(例えばオイル流路中央部)のエンジンオイルの粘度に比べて格段に高くなってしまうといった事態が発生するおそれがある。このように、伝熱面付近のエンジンオイルの粘度が高くなりすぎてしまうと、伝熱性が悪化し(対流がなくなり)、伝熱面付近と当該伝熱面から離れた部位との間でエンジンオイルの温度差が大きくなってしまう。この場合、エンジンオイルの温度コントロールが困難となり、結果として、エンジン性能試験を正確に行えなくなってしまうおそれがある。
これに対し、図4に示すように、熱交換器81において、冷媒が流れる冷媒用流路82の内周側に設けられたオイル用流路83を貫通し、オイル用流路83内において複数の油掻き部84を有する回転軸85と、回転軸85を回転させるモータ86とを備える攪拌機87を設けることが考えられる。このように、攪拌機87付きの熱交換器81を用いることで、オイル用流路83内のエンジンオイルが攪拌され、熱交換器81内部のオイル用流路83のうち伝熱面89付近のエンジンオイルと内周側のエンジンオイルとの間で粘度差及び温度差が大きくなってしまうといった事態を防止することができる。
特公平2−16990号公報
しかしながら、上記のように、熱交換器に対して攪拌機を設けようとすると、熱交換器にかかるコストが増大したり、熱交換器が大型化したりするおそれがある。さらに、モータの回転に起因して熱が発生するため、冷却効率の悪化を招くおそれがある。加えて、攪拌機を回転させるモータの動力が必要であり、エネルギーを消費してしまう。また、オイル層を回転軸が貫通しているため、貫通部位(シール部分)のメンテナンスを頻繁に行う必要が生じてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、熱交換器の複雑化等を防止し余分なエネルギー消費もなくメンテナンスフリーを達成しつつ、エンジン性能試験を正確に行うことのできる高粘度流体冷却システムを提供することを主たる目的の一つとする。また、熱交換器において効率のよい熱交換を行うことのできる高粘度流体冷却システムを提供することも目的とする。
手段1.エンジンに送られる高粘度流体と冷媒との間で熱交換を行う熱交換器と、
エンジンと熱交換器とを結ぶ高粘度流体往き通路、及び当該高粘度流体往き通路の途中から分岐して熱交換器へと戻る高粘度流体還り通路と、
前記熱交換器から送出される高粘度流体の温度を計測する高粘度流体温度計測手段と、
前記熱交換器に供給される冷媒の温度を計測する冷媒温度計測手段と、
前記熱交換器に供給される冷媒の温度を調節可能な温度調節手段と、
前記冷媒温度計測手段によって計測された供給冷媒温度を、前記高粘度流体温度計測手段によって計測された高粘度流体温度に基づいて設定した供給冷媒温度設定値と比較し、前記温度調節手段の出力を調節する制御手段とを備え、
前記供給冷媒温度設定値は、前記高粘度流体温度から所定の値だけ減じた値として逐次演算され決定されることを特徴とする高粘度流体冷却システム。
手段1によれば、高粘度流体温度計測手段によって計測された高粘度流体の温度(高粘度流体温度)に基づいて、熱交換器に供給される冷媒の温度の目標値(供給冷媒温度設定値)が逐次設定される。そして、冷媒温度計測手段によって計測された冷媒の温度(供給冷媒温度)と供給冷媒温度設定値とを比較して、熱交換器に供給される冷媒の温度を供給冷媒温度設定値とするべく温度調節手段の出力が調節される。
冷媒温度の調節方法としては、上記のような方法以外にも、例えば、供給冷媒温度設定値を固定値として予め設定しておくとともに、温度調節手段の出力調節を高粘度流体温度と供給冷媒設定温度設定値との比較に基づいて行うような方法が考えられる。ところが、このような構成の場合には、高粘度流体温度と供給冷媒設定温度設定値との差が大きくなると、その差をなくそうとして温度調節手段の出力調節がなされ、熱交換器に対し著しく温度の低い冷媒が供給されることが懸念される。熱交換器に供給される冷媒の温度が熱交換器に供給される高粘度流体の温度に比べてあまりにも低くなってしまうと、冷媒との熱交換面である伝熱面近傍の高粘度流体が高粘度流体自体の伝熱速度よりも早いペースで急激に冷やされてしまうおそれがある。
高粘度流体は温度が低くなると粘度が高くなる性質を有し、さらに、ある「特定温度」よりも低くなると、粘度が温度変化に対して著しく大きく変化するものもある。高粘度流体が特定温度よりも低い温度となるように冷却される場合、上記のように伝熱面近傍の高粘度流体が当該高粘度流体の伝熱速度よりも早いペースで急激に冷やされると、冷却された部位の粘度が局部的に急激に高くなることがある。
これに対し、本手段1によれば、供給冷媒温度設定値を高粘度流体温度に応じて逐次設定し、供給冷媒温度と供給冷媒温度設定値とを比較して(両方の値の差に応じて)温度調節手段の出力調節がなされる。これにより、熱交換器に対し著しく温度の低い冷媒が供給されるといった事態を回避することができ、熱交換器の伝熱面において熱交換される高粘度流体と冷媒との温度差を小さくすることができる。このため、高粘度流体が当該高粘度流体の伝熱速度よりも早いペースで急激に冷やされ、伝熱面付近の高粘度流体の粘度が局部的に高くなってしまうといった事態を防止することができる。これには、エンジンと熱交換器とを結ぶ高粘度流体往き通路の途中から分岐して熱交換器へと戻る高粘度流体還り通路を設け、エンジンを経由させることなく高粘度流体を循環可能とすることにより高粘度流体を徐々に冷却することのできる配管構成(循環させて高粘度流体を何度も熱交換器に流すことで、ある体積の高粘度流体を徐々に冷やしていっても時間をかければ所定の低温にまで冷やすことが可能である。これに対し、一過性の配管系では1回の熱交換器通過時に、高粘度流体を所定の温度まで一気に冷やす必要がある。)であることも寄与している。以上のような構成により、熱交換器において高粘度流体が急激に冷却されて伝熱面近傍の高粘度流体の粘度が格段に高められることに起因して、流路内の伝熱性が悪化してしまうといった事態を防止することができる。従って、流路内における高粘度流体の温度の均一化を図ることができ、これによって、高粘度流体の温度を確実にコントロールできるようになる。結果として、低温環境下におけるエンジン性能試験を正確に行うことができる。
また、高粘度流体の流路のうち伝熱面付近の高粘度流体とそれ以外の部位の高粘度流体との温度の均一化を図るために、熱交換器に対して高粘度流体を攪拌させる攪拌装置等を別途設ける必要がないことから、熱交換器のコストの増大や熱交換器の大型化等を防止することができる。さらに、熱交換器に攪拌装置を設けることに起因して、攪拌装置を駆動させるために余分なエネルギーを消費したり、攪拌に際して熱が発生し冷却損失を招いたり、攪拌装置の回転軸のシール部分に関してメンテナンスが必要になったり、攪拌装置の存在により熱交換器の形状が制約され、伝熱面積を大きく確保することができず冷却効率が悪くなったりする等の不具合を回避することができる。
尚、「前記熱交換器から送出された高粘度流体の温度を計測する温度計測手段」とあるのを「前記熱交換器から送出された直後の(前記熱交換器の送出口付近の)高粘度流体の温度を計測する温度計測手段」としてもよい。
手段2.前記温度調節手段は、
前記熱交換器に供給される冷媒を冷却する冷却手段と、
前記熱交換器において高粘度流体と熱交換された冷媒を前記冷却手段に送る回収路と、
前記冷却手段において冷却された冷媒を前記熱交換器に送る送出路と、
前記回収路と前記送出路とを連通し、前記熱交換器において高粘度流体と熱交換された冷媒を、前記冷却手段を経由させることなく前記送出路に送出可能なバイパス路と、
前記バイパス路における冷媒の流量、及び、前記送出路のうち前記バイパス路との連結部よりも前記冷却装置側における冷媒の流量を調節する流量調節手段とを備えることを特徴とする手段1に記載の高粘度流体冷却システム。
手段2によれば、冷却手段によって冷却されていない冷媒と、冷却手段によって冷却された冷媒との混合比(流量比)を調節することにより、熱交換器に供給される冷媒の温度が調節される。これにより、細かな温度調節を素早く行うことができる。また、流量比は三方弁又は2つの二方弁を用いて調節することができ、この場合、構成の複雑化を防止することができる。さらに、冷却手段が送出する冷媒の温度は一定でもよく、冷却手段において細かな冷媒の温度調節を行うような場合に比べて、冷却手段の構成の複雑化を防止することができる。
手段3.前記温度調節手段は、
前記熱交換器に供給される冷媒を冷却する冷却手段と、
前記熱交換器において高粘度流体と熱交換された冷媒を前記冷却手段に送る回収路と、
前記冷却手段において冷却された冷媒を前記熱交換器に送る送出路とを備え、
前記冷却手段の冷凍出力を調節することで、前記熱交換器に供給される冷媒の温度を調節することを特徴とする手段1に記載の高粘度流体冷却システム。
手段3によれば、冷却手段の冷凍出力を調節することによって、熱交換器に供給される冷媒の温度調節を行っている。このため、上記手段2のように冷媒の流量比を調節するような構成に比べ、熱交換器と冷却手段とを結ぶ配管構成の簡素化を図ることができる。さらに、配管を流れる冷媒流量を調節制御する機構も不要となり、当該機構を設置するためにスペースや費用を要してしまうといった事態を防止することができる。尚、冷却手段の冷凍出力の調節としては、例えば、圧縮機の冷凍サイクルにおける冷媒ガスの圧縮仕事を調節したり、冷媒ガスをバイパスさせたり、吸収式冷凍機の場合、導入するエネルギーを調節して冷媒再生量を調節したりすることが例示される。
手段4.前記高粘度流体還り通路には、循環開閉弁が設けられ、
前記高粘度流体往き通路には、前記高粘度流体還り通路との分岐点よりもエンジン側において供給開閉弁及び流量計測手段が設けられ、
高粘度流体を冷却する際には、前記供給開閉弁を閉止し、かつ、前記循環開閉弁を開放して、高粘度流体を、エンジンを経由させることなく前記熱交換器、前記高粘度流体往き通路、及び前記高粘度流体還り通路で循環させて徐冷し、
高粘度流体をエンジンに供給する際には、前記供給開閉弁を開放し、かつ、前記循環開閉弁を閉止するとともに、前記流量計測手段によりエンジンに導入される高粘度流体の流量を監視して、エンジンに高粘度流体を所定量導入することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の高粘度流体冷却システム。
手段4によれば、高粘度流体往き通路と高粘度流体還り通路とにそれぞれ開閉弁を設けることで、エンジンを経由させることなく高粘度流体を循環させることができる。従って、別の条件で試験が行われた後に新たな条件で試験を行う場合、試験室の温度を下げること等によりエンジン自体の温度が十分に冷却される前に、熱交換器等により所定の(目的の)温度まで冷却された高粘度流体が当該エンジンに導入されることに起因して、徒に高粘度流体の温度が上昇してしまうといった事態を回避することができる。そもそもエンジン各部潤滑用経路に対して高粘度流体を不必要な際に通過させて過大な圧力損失を受けたり、エンジンの筐体の温度により熱を奪われたりするおそれがなく、精密な高粘度流体の温度管理ができる。また、試験導入時には、高粘度流体を高粘度流体還り通路経路で循環させることなく、高粘度流体をエンジンに迅速に供給できる。
手段5.前記制御手段は、高粘度流体温度が、高粘度流体の粘度特性に応じて予め設定される設定温度よりも高い場合には、前記供給冷媒温度設定値を演算するために前記高粘度流体温度から減じる前記所定の値として第1の値を設定し、
前記高粘度流体温度が前記設定温度以下の場合には、前記所定の値として、前記第1の値よりも小さい第2の値を設定することを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の高粘度流体冷却システム。
手段5によれば、高粘度流体の温度が設定温度以下の場合には、高粘度流体の温度が設定温度よりも高い場合よりも、熱交換器において熱交換される冷媒の温度と高粘度流体の温度との温度差が小さくなるように設定される。上記のように、高粘度流体は温度が低くなると粘度が高くなる性質を有し、さらに、ある「特定温度」よりも低くなると、粘度が温度変化に対して著しく大きく変化するものもある。粘度が高くなれば伝熱速度が遅くなり、伝熱速度が遅くなれば温度に偏りが生じやすくなり、温度に偏りが生じれば局所的に粘度が高い部位ができてしまうといった悪循環を招くおそれがある。このため、高粘度流体を同じペースで冷却していくような場合には、高粘度流体の温度が比較的高いうちは何ら支障がなかったとしても、高粘度流体の温度が低くなったとき、特に特定温度よりも低くなったときに、伝熱面付近の高粘度流体の粘度だけが急激に高くなってしまうおそれがある。
そこで、本手段では、高粘度流体が設定温度以下となった場合には、高粘度流体を比較的ゆっくりと冷却している。つまり、高粘度流体が低温になり、粘度が高くなるとその伝熱速度が遅くなるので、伝熱面付近とそれ以外の部位とで高粘度流体の温度に偏りが生じないように冷却スピードを抑制するのである。これにより、上記のような不具合を防止することができる。特に、設定温度を前記特定温度と同じかその付近に設定することで、かかる作用効果がより確実に奏される。
一方、高粘度流体の温度が設定温度よりも高い場合には、高粘度流体は比較的速やかに冷却されることとなる。これにより、高粘度流体が目標温度になるまでの時間を短縮することができ、時間効率の向上を図ることができる。尚、特定温度は高粘度流体の種類毎に異なるため、使用される高粘度流体に応じて設定温度を適宜設定することが望ましい。
手段6.前記熱交換器はスパイラル式熱交換器であることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の高粘度流体冷却システム。
手段6によれば、高粘度流体と冷媒との伝熱面積が比較的大きくなり熱交換を効率的に行うことができるとともに、熱交換器のコンパクト化を図ることができる。
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は試験室において低温環境下でのエンジンの性能を試験する際に使用される高粘度流体冷却システムを示すブロック図である。
図1に示すように、高粘度流体冷却システム1は、エンジン2の各摩擦部を潤滑した所定の試験後のエンジンオイルを吸引するバキュームポンプ3、エンジン2から抜き取られたエンジンオイルと冷却水との間で熱交換を行う冷却器4、冷却器4によって冷却されたエンジンオイルを貯留可能なオイルタンク5、及び、オイルタンク5やその前後のエンジンオイルの通路(高粘度流体往き通路及び高粘度流体還り通路)に一旦貯留されたエンジンオイルと冷凍装置8によって冷却された冷却液との間で熱交換を行うスパイラル式熱交換器7を備えている。尚、図1では、便宜上、冷却器4に供給される冷却水の循環回路の図示を省略している。また、本実施形態では、エンジンオイルが高粘度流体を構成し、スパイラル式熱交換器7が熱交換器を構成し、冷凍装置8が冷却手段を構成する。
まず、エンジンオイルの循環回路を中心に説明する。エンジンオイルの通路(流路)としては、エンジン2と冷却器4とを連通する第1流路11、冷却器4とオイルタンク5とを連通する第2流路12、オイルタンク5とスパイラル式熱交換器7とを連通する第3流路13、及び、スパイラル式熱交換器7から延出し、途中から、エンジン2に連通する供給枝路14aとオイルタンク5に連通する循環枝路14bとに分岐する第4流路14が存在する。尚、循環枝路14bは直接オイルタンク5に接続されており、第2流路12や第3流路13とは合流していない。本実施形態では、第4流路14及び供給枝路14aが高粘度流体往き通路に相当し、循環枝路14b及び第3流路13が高粘度流体還り通路に相当する。
また、第1流路11を開閉する第1バルブ21、第2流路12を開閉する第2バルブ22、供給枝路14aを開閉する供給開閉弁としての第3バルブ23、及び、循環枝路14bを開閉する循環開閉弁としての第4バルブ24が設けられている。そして、別な条件でエンジンベンチ試験されたエンジン内のエンジンオイルを抜き取る際には、第1バルブ21、第2バルブ22及び第5バルブ25を閉状態とし、バキュームポンプ3を任意時間運転して第1バルブ21から第2バルブ22の間を真空状態とする。その後、第1バルブ21を開状態とすることで、エンジン2内の暖かいエンジンオイルが抜き取られ、冷却器4に回収される。冷却器4においてエンジンオイルをある程度冷却した後、第2バルブ22及び第5バルブ25を開状態とすることで、エンジンオイルは重力流下又はオイルポンプ6の吸引力によって冷却器4からオイルタンク5に移しかえられる。
さらに、エンジンオイルをスパイラル式熱交換器7において冷却する際には、第1バルブ21、第2バルブ22、及び第3バルブ23が閉状態とされ、第4バルブ24が開状態とされる。これにより、エンジンオイルは、スパイラル式熱交換器7において冷却されながら、第3流路13、第4流路14、及び循環枝路14bを循環することとなる。本実施形態では、第3流路13の途中にオイルポンプ6が設けられており、上記したエンジンオイルの冷却搬送が円滑に行われるようになっている。
一方、エンジン2にエンジンオイルを供給する状態のときには、第3バルブ23が開状態とされ、第1バルブ21及び第4バルブ24が閉状態とされる。これにより、オイルポンプ6の搬送力により循環し、所定の温度にまで冷却されたエンジンオイルは、供給枝路14aを通じて順次エンジン2のオイルパンへ送り込まれる。尚、エンジン2に供給されるエンジンオイルの量は、供給枝路14aに設けられた流量計測手段としての流量計9によって計測されており、エンジン2に規定量のエンジンオイルが供給されると、第3バルブ23が閉鎖されるようになっている。
次に、スパイラル式熱交換器7に供給されてエンジンオイルとの間で熱交換が行われる冷却液(冷媒)の循環回路を中心に説明する。冷却液の流路としては、スパイラル式熱交換器7から排出された冷却液を冷凍装置8に送るための回収路31、冷凍装置8において冷却された冷却液をスパイラル式熱交換器7に送るための送出路32、回収路31と送出路32とを連通し、回収路31側から送出路32側に冷却液を送出可能な第1バイパス路33、及び、回収路31と送出路32とを連通し、送出路32側から回収路31側に冷却液を送出可能な第2バイパス路34が備えられている。尚、送出路32のうち第1バイパス路33よりも冷凍装置8側で第2バイパス路34よりもスパイラル式熱交換器7側の部位(各バイパス路33,34との連通部間の部位)を調整前送出路32a、第1バイパス路33よりもスパイラル式熱交換器7側の部位を調整後送出路32bと称することとする。
第1バイパス路33と送出路32との連結部には、第1バイパス路33から調整後送出路32bに流入する冷却液の流量、及び、調整前送出路32aから調整後送出路32bに流入する冷却液の流量を調節可能な三方弁41が設けられている。そして、三方弁41が調節されることで、第1バイパス路33及び調整前送出路32aを流れる冷却液の流量が調節されることとなり、これによって、調整後送出路32bを通じてスパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度を調節することができるようになっている。また、第2バイパス路34には、第2バイパス路34を流れる冷却液の流量を調節可能な戻し弁45が設けられている。これら三方弁41及び戻し弁45は、コントローラ51によって制御されるようになっている。
例えば、エンジンオイルの温度を大きく下げたい場合には、コントローラ51は、第1バイパス路33及び第2バイパス路34が不通となり、調整前送出路32aに冷凍装置8を通過した冷却液が全量通るように三方弁41及び戻し弁45を調節する。これにより、冷却液が回収路31及び送出路32を循環するようになり、スパイラル式熱交換器7において熱交換された冷却液は必ず冷凍装置8によって冷却され、冷凍装置8によって冷却された冷却液がそのままスパイラル式熱交換器7に送られる。また、例えば、エンジンオイルの温度を下げたくない場合には、コントローラ51は、調整前送出路32aと調整後送出路32bとの間が不通となり、第1バイパス路33及び第2バイパス路34に冷却液がスパイラル式熱交換器7通過量と同等量通るように三方弁41及び戻し弁45を調節する。これにより、スパイラル式熱交換器7から排出された冷却液は、回収路31、第1バイパス路33、及び調整後送出路32bを介して、冷凍装置8によって冷却されることなくそのままスパイラル式熱交換器7に戻され、冷凍装置8によって冷却された冷却液は、調整前送出路32a、第2バイパス路34、及び回収路31を介して、スパイラル式熱交換器7に供給されることなくそのまま冷凍装置8に戻される。尚、ここで紹介した2つの例示は極端なケースのものであり、通常は、三方弁41において、第1バイパス路33から流入してきた未冷却の冷却液と、調整前送出路32aから流入してきた冷却済みの冷却液とが混合されて温度調節された冷却液がスパイラル式熱交換器7に供給される。尚、本実施形態では、流量調節手段としての三方弁41及び戻し弁45と、冷凍装置8と、回収路31、送出路32、第1バイパス路33、及び第2バイパス路34とにより温度調節手段が構成される。また、コントローラ51が制御手段を構成する。
加えて、調整前送出路32a及び調整後送出路32bの途中には、冷媒ポンプ47、48が設けられており、上記のような冷却液の循環が円滑に行われるようになっている。さらに、調整後送出路32bには冷却液の温度を計測する冷媒温度計測手段としての冷媒温度計測器49が設けられている。これにより、スパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度を把握できるようになっている。
さて、本実施形態では、スパイラル式熱交換器7のエンジンオイルの出口付近において、スパイラル式熱交換器7から送出されたエンジンオイルの温度を計測する高粘度流体温度計測手段としてのオイル温度計測器53が設けられており、当該オイル温度計測器53によって計測されたエンジンオイルの温度に基づいて、スパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度が設定されるようになっている。
ここで、エンジンオイルを例えば目標温度たる「−30℃」に冷却する際に、コントローラ51が行う冷却液温度設定処理について図2を参照しつつ説明する。
図2はコントローラの行う温度調節処理のフローチャートである。同図に示すように、ステップS101において目標とするエンジンオイルの温度(目標温度TT:本例では「−30℃」)がコントローラ51の入力部に入力された場合には、ステップS102に進み、オイル温度計測器53によって計測されたエンジンオイルの温度(計測温度TR)が、エンジンオイルの粘度特性に応じて予めコントローラ51に設定される設定温度(本例では「−20℃」)よりも低いか否かを判定する。尚、「設定温度」の詳細については後述する。
ステップS102において否定判定された場合には、ステップS103において、スパイラル式熱交換器7に送られる冷却液の温度の目標値(供給冷媒温度設定値TC)を計測温度TRよりも5℃低くなるように設定する。その後、ステップS105に処理を移行する。
一方、ステップS102において肯定判定された場合には、ステップS104において、供給冷媒温度設定値TCを計測温度TRよりも2℃低くなるように設定する。その後、ステップS105に処理を移行する。
ステップS103又はステップS104から移行して、ステップS105では、計測温度TRが、目標温度TTの±2℃の範囲内であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合(計測温度TRが−32℃以上かつ−28℃以下ではなかった場合)には、ステップS102に戻る。一方、ステップS105で肯定判定された場合には、計測温度TRが目標温度TTにほぼ到達したものとして、ステップS106において供給冷媒温度設定値TCを目標温度TTよりも2℃低い温度(本例では「−32℃」)に設定し、冷却液温度設定処理を終了する。
また、コントローラ51は、ステップS103、ステップS104、又はステップS106において供給冷媒温度設定値TCが設定されると、当該供給冷媒温度設定値TCと、冷媒温度計測器49によって計測された冷却液の温度とを比較し、冷媒温度計測器49によって計測される冷却液の温度が供給冷媒温度設定値TCとなるように、三方弁41及び戻し弁45を制御することとなる。
ここで上記「設定温度」の概念について説明する。図3は、市販されている2つのエンジンオイル(エンジンオイルA及びエンジンオイルB)の温度に対する粘度の関係を示すグラフである。同図に示すように、エンジンオイルA,Bともに冷却されることで徐々に粘度が上昇しはじめ、−20℃を境に粘度が急激に上昇する。つまり、エンジンオイルA,Bは、−20℃よりも低温になると、温度変化に対して粘度が大きく変化する状態となり、−20℃よりも高温になると、温度変化してもそれ程粘度変化しない状態となるといった粘度特性を有している。このようなグラフ上の変化点に対応する温度を本明細書では「特定温度」と称している。
さて、上記のとおり、本実施形態では、スパイラル式熱交換器7から送出されたエンジンオイルの計測温度TRが−20℃以下であるか否かの判定を行い(図3:ステップS102)、計測温度TRが−20℃よりも低い場合には供給冷媒温度設定値TCを計測温度TRよりも2℃低い温度に設定し(ステップS103)、計測温度TRが−20℃以上である場合には供給冷媒温度設定値TCを計測温度TRよりも5℃低い温度に設定することとしている(ステップS104)。つまり、本実施形態では、ステップS102の判定(温度判定処理)に際して参照され、冷却液の温度の下げ幅、すなわちエンジンオイルの冷却スピードを変更する切替えポイントとしての「設定温度」を、粘度変化が著しく大きくなる「特定温度」と同じ温度(−20℃)に設定しているのである。
尚、図3に示したエンジンオイルA、Bの「特定温度」はたまたま「−20℃」と互いに等しい値となっているが、基本的に、「特定温度」はエンジンオイルの種類によって相違し得るものであるため、予め設定される「設定温度」としては、使用されるエンジンオイルの種類に応じて適宜設定されることとするのが望ましい。
以上詳述したように、本実施形態では、スパイラル式熱交換器7から送出された直後のエンジンオイルの温度をオイル温度計測器53によって計測し、計測された計測温度TR(高粘度流体温度)に基づいて、スパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度の目標値である供給冷媒温度設定値TCを逐次設定している。そして、冷媒温度計測器49によって計測された冷却液の温度(供給冷媒温度)と供給冷媒温度設定値TCとを比較して、スパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度を供給冷媒温度設定値TCとするべく、三方弁41及び戻し弁45を調節している。
冷却液の温度の調節方法としては、上記のような方法以外にも、例えば、供給冷媒温度設定値TCを固定値として予め設定しておくとともに、三方弁41及び戻し弁45の調節を、計測温度TRと供給冷媒設定温度設定値TCとの比較に基づいて行うような方法が考えられる。ところが、このような構成の場合には、計測温度TRと供給冷媒設定温度設定値TCとの差が大きくなると、その差をなくそうとして三方弁41及び戻し弁45の調節がなされ、スパイラル式熱交換器7に対し著しく温度の低い冷却液(例えば−32℃の冷却液)が供給されてしまうことが懸念される。このように、スパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度がスパイラル式熱交換器7に供給されるエンジンオイルの温度に比べてあまりにも低くなってしまうと、冷却液との熱交換面である伝熱面近傍のエンジンオイルがエンジンオイル自体の伝熱速度よりも早いペースで急激に冷やされてしまうおそれがある。特に、スパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度が特定温度以下の場合には、伝熱面付近のエンジンオイルの粘度がそれ以外の部位のエンジンオイルの粘度に比べて著しく高くなってしまうおそれがある。
この点、本実施形態によれば、供給冷媒温度設定値TCを計測温度TRに応じて逐次設定し、冷媒温度計測器49により計測された冷却液の温度と供給冷媒温度設定値TCとの差に応じて三方弁41及び戻し弁45の調節がなされている。これにより、スパイラル式熱交換器7に対し著しく温度の低い冷却液が供給されるといった事態を回避することができ、スパイラル式熱交換器7の伝熱面において熱交換されるエンジンオイルと冷却液との温度差を小さくすることができる。このため、エンジンオイルが当該エンジンオイルの伝熱速度よりも早いペースで急激に冷やされ、伝熱面付近のエンジンオイルの粘度が局部的に急激に高くなってしまうといった事態を防止することができる。
また、本実施形態では、冷却液の温度の下げ幅を「−5℃」から「−2℃」に変更する切替えポイントとなる「設定温度」を、本実施形態において使用されるエンジンオイルの「特定温度」(−20℃)と同じ温度に設定している。これにより、計測温度TRが設定温度よりも低い場合には、低くない場合よりも、スパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度と計測温度TRとの温度差が小さくなるように設定される。つまり、計測温度TRが設定温度よりも低く、エンジンオイルの粘度が温度変化に対して大きく変化する状態にある場合には、エンジンオイルが比較的ゆっくりと冷却されることとなる。このため、スパイラル式熱交換器7において冷却されるエンジンオイルの冷却スピードがあまりにも早すぎることに起因して、伝熱面付近のエンジンオイルの粘度が急激に高められてしまうといった事態をより確実に防止することができる。
以上のような構成により、スパイラル式熱交換器7においてエンジンオイルが急激に冷却されて伝熱面近傍のエンジンオイルの粘度が格段に高められることに起因して、流路内の伝熱性が悪化してしまうといった事態を防止することができる。従って、流路内におけるエンジンオイルの温度の均一化を図ることができ、これによって、エンジンオイルの温度を確実にコントロールできるようになる。結果として、低温環境下におけるエンジン性能試験を正確に行うことができる。
一方、計測温度TRが設定温度よりも高く、エンジンオイルの粘度が温度変化に対してさほど変化しない状態にある場合には、エンジンオイルが比較的速やかに冷却されることとなる。これにより、エンジンオイルが目標温度TT(−30℃)になるまでの時間を短縮することができ、時間効率の向上が図られる。
また、上記のように、本実施形態では、スパイラル式熱交換器7内のエンジンオイルの流路のうち伝熱面付近のエンジンオイルの粘度がそれ以外の部位(例えば流路中央部)のエンジンオイルの粘度よりも格段に高くなってしまうといった事態が抑止され、エンジンオイルの温度の均一化が図られていることから、例えば、熱交換器内のエンジンオイルを攪拌させる攪拌装置等を別途設ける必要がない。このため、熱交換器のコストの増大や、熱交換器の大型化等を防止することができる。さらに、熱交換器に攪拌装置を設けることに起因して、攪拌装置を駆動させるために余分なエネルギーを消費したり、モータの回転に起因して熱が発生して冷却効率の悪化を招いたり、回転軸が貫通している部位のメンテナンスを頻繁に行う必要が生じたり、攪拌装置の存在により熱交換器の形状が制約され、伝熱面積を大きく確保することができず冷却効率が悪くなったりする等の不具合を回避することができる。
加えて、冷却液の温度調節は、コントローラ51によって三方弁41及び戻し弁45を調節し、冷凍装置8によって冷却されていない冷却液と、冷凍装置8によって冷却された冷却液との混合比(流量比)を調節することによって行われる。これにより、細かな温度調節を素早く行うことができる。また、三方弁41及び戻し弁45によって流量比の調節を行うことで、構成の簡素化が図られている。さらに、冷凍装置8が送出する冷却液の温度は一定でもよく、冷凍装置8において細かな冷却液の温度調節を行うような場合に比べて、冷凍装置8の構成の複雑化を防止することができる。
また、供給枝路14a及び循環枝路14bに対してそれぞれ開閉弁としての第3バルブ23及び第4バルブ24を設けることで、エンジン2を経由させることなくエンジンオイルを循環させることができる。従って、別の条件で試験が行われた後に新たな条件で試験を行う場合、試験室の温度を下げること等によりエンジン2自体の温度が十分に冷却される前に、スパイラル式熱交換器7等により目標温度TTにまで冷却されたエンジンオイルが当該エンジン2に導入されることに起因して、徒にエンジンオイルの温度が上昇してしまうといった事態を回避することができる。そもそもエンジン2各部潤滑用経路にエンジンオイルを不必要な際に通過させて過大な圧力損失を受けたり、エンジン2の筐体の温度により熱を奪われたりするおそれがなく、精密なエンジンオイルの温度管理ができる。また、試験導入時には、エンジンオイルを循環枝路14b及び第3流路13経由で循環させることなく、エンジンオイルをエンジン2に迅速に供給することができる。
また、エンジンオイルを冷却する熱交換器としてスパイラル式熱交換器を採用することで、エンジンオイルと冷却液との熱交換を効率的に行うことができるとともに、熱交換器のコンパクト化を図ることもできる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態において、エンジンオイル又は冷却液を温めるヒータ等を設けてもよい。
(b)上記実施形態において、「設定温度」を「特定温度」と違う温度に設定することは可能であるが、エンジンオイルの急激な粘度上昇を抑制するといった観点からすれば、設定温度を特定温度又はその付近(若干高めの温度)に設定することが望ましい。
また、上記実施形態では、エンジンオイルの冷却スピードの切替えは、エンジンオイルの温度が−20℃よりも低いときと−20℃以上のときとで2段階であるが、3段階以上にしてもよい。例えば、計測温度TRが20℃よりも高いか否かの判定、及び、計測温度TRが−20℃よりも低いか否かの判定を行い、計測温度TRが20℃よりも高いときと、計測温度TRが20℃以下かつ−20℃以上のときと、計測温度TRが−20℃よりも低いときとで、エンジンオイルの冷却スピードが3段階に切替えられるよう設定してもよい。
(c)上記実施形態では、第1バイパス路33から調整後送出路32bに流入する冷却液の流量、及び、調整前送出路32aから調整後送出路32bに流入する冷却液の流量を三方弁41等により調節することで冷却液の温度調節を行っているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、冷却手段(冷凍装置8)として冷凍出力を調節可能な冷凍機を採用し、冷凍機の冷凍出力を調節することで、スパイラル式熱交換器7に供給される冷却液の温度を調節してもよい。この場合、上記実施形態のように冷却液の流量比を調節するような構成に比べ、スパイラル式熱交換器7と冷却手段とを結ぶ配管構成の簡素化(第1バイパス路33及び第2バイパス路34が不要)を図ることができる。さらに、配管を流れる冷却液の流量を調節制御する機構(三方弁41及び戻し弁45)も不要となり、当該機構を設置するためにスペースや費用を要してしまうといった事態を防止することができる。
また、上記実施形態における三方弁41に代えて、第1バイパス路33及び調整前送出路32aにおいてそれぞれ二方弁を設けてもよい。
高粘度流体冷却システムの概略構成を示す説明図である。 コントローラの冷却液温度設定処理を示すフローチャートである。 所定のエンジンオイルの温度に対する粘度特性を示すグラフである。 従来の熱交換器を示す断面図である。
符号の説明
1…高粘度流体冷却システム、2…エンジン、7…熱交換器としてのスパイラル式熱交換器、8…冷却手段としての冷凍装置、31…回収路、32…送出路、33…第1バイパス路(バイパス路)、41…温度調節手段を構成する三方弁、49…冷媒温度計測手段としての冷媒温度計測器、51…制御手段としてのコントローラ、53…高粘度流体温度計測手段としてのオイル温度計測器。

Claims (6)

  1. エンジンに送られる高粘度流体と冷媒との間で熱交換を行う熱交換器と、
    エンジンと熱交換器とを結ぶ高粘度流体往き通路、及び当該高粘度流体往き通路の途中から分岐して熱交換器へと戻る高粘度流体還り通路と、
    前記熱交換器から送出される高粘度流体の温度を計測する高粘度流体温度計測手段と、
    前記熱交換器に供給される冷媒の温度を計測する冷媒温度計測手段と、
    前記熱交換器に供給される冷媒の温度を調節可能な温度調節手段と、
    前記冷媒温度計測手段によって計測された供給冷媒温度を、前記高粘度流体温度計測手段によって計測された高粘度流体温度に基づいて設定した供給冷媒温度設定値と比較し、前記温度調節手段の出力を調節する制御手段とを備え、
    前記供給冷媒温度設定値は、前記高粘度流体温度から所定の値だけ減じた値として逐次演算され決定されることを特徴とする高粘度流体冷却システム。
  2. 前記温度調節手段は、
    前記熱交換器に供給される冷媒を冷却する冷却手段と、
    前記熱交換器において高粘度流体と熱交換された冷媒を前記冷却手段に送る回収路と、
    前記冷却手段において冷却された冷媒を前記熱交換器に送る送出路と、
    前記回収路と前記送出路とを連通し、前記熱交換器において高粘度流体と熱交換された冷媒を、前記冷却手段を経由させることなく前記送出路に送出可能なバイパス路と、
    前記バイパス路における冷媒の流量、及び、前記送出路のうち前記バイパス路との連結部よりも前記冷却装置側における冷媒の流量を調節する流量調節手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の高粘度流体冷却システム。
  3. 前記温度調節手段は、
    前記熱交換器に供給される冷媒を冷却する冷却手段と、
    前記熱交換器において高粘度流体と熱交換された冷媒を前記冷却手段に送る回収路と、
    前記冷却手段において冷却された冷媒を前記熱交換器に送る送出路とを備え、
    前記冷却手段の冷凍出力を調節することで、前記熱交換器に供給される冷媒の温度を調節することを特徴とする請求項1に記載の高粘度流体冷却システム。
  4. 前記高粘度流体還り通路には、循環開閉弁が設けられ、
    前記高粘度流体往き通路には、前記高粘度流体還り通路との分岐点よりもエンジン側において供給開閉弁及び流量計測手段が設けられ、
    高粘度流体を冷却する際には、前記供給開閉弁を閉止し、かつ、前記循環開閉弁を開放して、高粘度流体を、エンジンを経由させることなく前記熱交換器、前記高粘度流体往き通路、及び前記高粘度流体還り通路で循環させて徐冷し、
    高粘度流体をエンジンに供給する際には、前記供給開閉弁を開放し、かつ、前記循環開閉弁を閉止するとともに、前記流量計測手段によりエンジンに導入される高粘度流体の流量を監視して、エンジンに高粘度流体を所定量導入することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高粘度流体冷却システム。
  5. 前記制御手段は、
    前記高粘度流体温度が、高粘度流体の粘度特性に応じて予め設定される設定温度よりも高い場合には、前記供給冷媒温度設定値を演算するために前記高粘度流体温度から減じる前記所定の値として第1の値を設定し、
    前記高粘度流体温度が前記設定温度以下の場合には、前記所定の値として、前記第1の値よりも小さい第2の値を設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高粘度流体冷却システム。
  6. 前記熱交換器はスパイラル式熱交換器であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の高粘度流体冷却システム。
JP2007019589A 2007-01-30 2007-01-30 高粘度流体冷却システム Active JP4813387B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007019589A JP4813387B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 高粘度流体冷却システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007019589A JP4813387B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 高粘度流体冷却システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008184981A JP2008184981A (ja) 2008-08-14
JP4813387B2 true JP4813387B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=39728197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007019589A Active JP4813387B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 高粘度流体冷却システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4813387B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010022235A (ja) 2008-07-16 2010-02-04 Starting Ind Co Ltd 刈払機
JP2010100701A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Toray Ind Inc 樹脂スラリーの処理方法
JP5247357B2 (ja) * 2008-10-30 2013-07-24 三機工業株式会社 スパイラル式熱交換器、及び、エンジン性能試験装置
DE102009028326A1 (de) 2009-08-07 2011-02-10 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Erwärmen von Motor- und Getriebeöl eines Hybridfahrzeuges
DE102010031486A1 (de) * 2010-07-16 2012-01-19 Robert Bosch Gmbh Prüfstand für Fluidpumpen und Fluidinjektoren
KR101374262B1 (ko) * 2011-02-23 2014-03-25 (주)청수메이드 열교환기의 스케일 생성방지 기능을 갖는 오일 온도조절 시스템
JP5951440B2 (ja) * 2012-10-16 2016-07-13 三機工業株式会社 水冷式変速機オイル熱交換器試験システム
KR102496809B1 (ko) * 2018-08-22 2023-02-06 현대자동차 주식회사 냉각 시스템의 제어방법
CN109855882A (zh) * 2018-12-30 2019-06-07 苏州英特模汽车科技有限公司 汽车动力总成试验用冷却介质温度控制方法及装置
CN110044630B (zh) * 2019-04-27 2021-01-26 武汉东测科技有限责任公司 一种rde标准模拟检测台架系统及其试验方法
US11774326B2 (en) * 2019-04-29 2023-10-03 Horiba Instruments Incorporated Heavy duty engine regulatory testing for identifying torque or energy loss based on heat transfer

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5584560A (en) * 1979-12-10 1980-06-25 Otsuka Tekkosho:Kk Magnet roller conveyor
JP3015829B2 (ja) * 1992-10-02 2000-03-06 株式会社小野測器 エンジン潤滑油温度制御装置
JPH06280563A (ja) * 1993-03-30 1994-10-04 Yamaha Motor Co Ltd エンジンの冷却水温度制御方法及び装置
JPH09257653A (ja) * 1996-03-19 1997-10-03 Toyo Eng Works Ltd 原動機の低温試験用冷却装置
JP4111332B2 (ja) * 2003-11-07 2008-07-02 三機工業株式会社 試験用エンジン冷却水循環システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008184981A (ja) 2008-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4813387B2 (ja) 高粘度流体冷却システム
CN100504246C (zh) 冷却加热装置
CN104676796B (zh) 空调系统及其控制方法
JP5121747B2 (ja) 地中熱ヒートポンプ装置
JP5082536B2 (ja) ヒートポンプ給湯装置
US10451305B2 (en) Air-conditioning apparatus
JP2006071174A (ja) 冷凍装置
JP2011226467A (ja) 圧縮熱回収システム
KR101510978B1 (ko) 이원 냉동 사이클 장치
JP5157580B2 (ja) 冷凍装置
JP4407689B2 (ja) ヒートポンプ給湯機
JP6563374B2 (ja) 水素ガス冷却装置
WO2020148887A1 (ja) チリングユニットおよび冷温水システム
CN107120305A (zh) 空调设备、冷油系统及其控制方法
JP2008164204A (ja) ヒートポンプシステム
JP2013139890A (ja) 冷凍装置
JP2006266652A (ja) 冷凍装置
JP2006017440A (ja) ヒートポンプ空調機
KR20110069394A (ko) 이방변밸브가 구비된 부하열 제어용 온도조절장치
JP5485022B2 (ja) 低温蓄熱冷却装置
JP2009014305A (ja) チラー装置
WO2019163042A1 (ja) 空気調和装置およびエアハンドリングユニット
KR20150069351A (ko) 온도조절이 가능한 오일냉각시스템
JP2005188771A (ja) 冷凍装置及び冷凍装置の制御方法
JP2019045100A (ja) 雪氷利用空調システム、その雪氷冷房機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110823

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4813387

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250