JP5247357B2 - スパイラル式熱交換器、及び、エンジン性能試験装置 - Google Patents

スパイラル式熱交換器、及び、エンジン性能試験装置 Download PDF

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Description

本発明は、渦巻き状に形成されるとともに、その内部を熱交換媒体が循環する媒体流通部を備え、当該媒体流通部の外部の間隙を流れる高粘度流体と、前記熱交換媒体との間で熱交換を行うスパイラル式熱交換器、及び、当該スパイラル式熱交換器を備えてなるエンジン性能試験装置に関する。
従来、流体同士の間で熱交換を行う熱交換器として、スパイラル式の熱交換器が知られている。また、スパイラル式の熱交換器としては、一方の流体の流れ方向と、他方の流体の流れ方向とが直交する、いわゆるクロスフロー型のものが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。このようなクロスフロー型のスパイラル式熱交換器は、一方の流体の粘性が他方の流体の粘性よりも大きい場合等において好適に用いられるものである。例えば、図5及び図6に示すように、スパイラル式熱交換器90は、外壁91aや内壁91b等が渦巻き状に巻回形成されるとともに、中心部分において前記外壁91a及び内壁91bの端部同士が中心壁91cによって連結されてなる媒体流通部91を備えている。そして、当該媒体流通部91の外壁91aの外周側、及び、内壁91bの内周側に挟まれて形成された渦巻き状の間隙等を一方の流体(例えば、高粘度の流体)が軸線CLに沿ってスパイラル式熱交換器90外に設けられる搬送ポンプ及び循環管路(それぞれ図示せず)により循環する一方で、媒体流通部91の内部空間(図6中の散点模様を付した部位)を他方の流体(例えば、熱交換媒体)が渦巻き状に流れることで、両流体間の熱交換が行われる。
実開平2−85265号公報
ところで、上述のように外壁91a及び内壁91bは中心壁91cによって連結される。そのため、前記外壁91aの外周側、及び、内壁91bの内周側に挟まれて形成される間隙の幅と、内壁91bの内周側、及び、中心壁91cに挟まれて形成される間隙の幅とを等しくすることは極めて困難である。そのため、一般的に媒体流通部91の中央部分(内壁91bと中心壁91cとの間)には、比較的幅の広い間隙(中心間隙)92が形成される。
ここで、一方の流体が高粘度流体である場合、当該高粘度流体は、自身の粘性によって幅の比較的狭い渦巻き状の間隙(渦巻き状間隙)93に対しては流れ込みにくく、比較的幅の広い前記中心間隙92に対して集中して流れ込んでしまう。従って、伝熱面積の減少が生じてしまう。さらに、高粘度流体は、流動性(伝熱性)が低いことから、媒体流通部91の壁面付近に位置する高粘度流体の存在によって、前記中心間隙92の中心部分94に流れ込む高粘度流体と熱交換媒体との間で熱交換を効率よく行うことができないおそれがある。その結果、高粘度流体を所望する温度に調整することが困難なものとなってしまったり、所望する温度への調節に長時間を要してしまったりするおそれがある。
特に、図7に示すように、ある特定の温度よりも低温となったときに粘度が急激に高くなるような流体(例えば、エンジンオイル等;尚、同図においては、2種のエンジンオイルA,Bにおける粘度と温度との関係を示す)については、上記不具合の発生が一層懸念される。すなわち、媒体流通部91の壁面に対して接触・近接状態にあるエンジンオイルは、熱交換媒体により冷却された媒体流通部91の壁面によって冷却されることで、その粘度が急激に増大するため、移動しにくくなり、ひいては媒体流通部91の壁面を覆う低伝熱性の被膜のような働きをすることとなる。一方で、前記媒体流通部91の壁面から比較的離間した位置(例えば、前記中心部分94)を通過するエンジンオイルは前記粘度が急激に増大したオイルの存在によって、十分な冷却がなされないことから、粘度がさほど上昇せず、ひいては前記低伝熱性の被膜のような働きをする前記粘度が急激に増大したオイルとは混じることなく剪断流となってしまう。そのため、前記中心部分94を通過するエンジンオイルは、前記中心部分94を比較的早く通過してしまい、熱交換に際しての伝熱時間が比較的短いものとなってしまう。つまり、エンジンオイルの内部における粘度の差異が増大することに伴って、熱交換の効率が益々悪化してしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、高粘度流体と熱交換媒体との熱交換を効率よく行うことができ、ひいては高粘度流体の温度調整を短時間で、かつ、精度よく行うことができるスパイラル式熱交換器、及び、当該スパイラル式熱交換器を備えてなるエンジン性能試験装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
手段円筒状をなすケーシング内に、内壁及び当該内壁に対して所定間隔を隔てて設けられた外壁が前記ケーシング中央の軸線に対して渦巻き状に巻回形成されてなり、前記内壁及び外壁によって囲まれた渦巻き状の空間の内部を前記軸線とほぼ直交する方向に熱交換媒体が流れる媒体流通部を備えるとともに
少なくとも前記内壁の前記軸線側端部及び前記外壁の軸線側端部の間を連結する中心壁が設けられ、
前記媒体流通部は、さらに、前記外壁と前記中心壁とによって挟まれ、前記渦巻き状の空間に連結される前記軸線近傍の端部領域であって、前記外壁の軸線方向両端部に直交するかたちで両側閉塞されてなる軸線近傍の内部空間と、該軸線近傍の内部空間と前記ケーシング外とを繋ぐ配管とを有し、
前記媒体流通部の前記渦巻き状の空間の外部且つ前記ケーシング内には、
前記内壁の内周側、及び、前記外壁の外周側によって挟まれて形成され、渦巻き状をなす渦巻き状間隙、並びに、
前記中心壁と、前記内壁とによって挟まれ、前記渦巻き状間隙に連結され、前記内部空間に対し前記中心壁で仕切られてなる中心間隙が形成されるとともに、
前記中心間隙の最大幅が、前記渦巻き状間隙の最大幅よりも大きく設定されており、かつ、
前記中心間隙及び前記渦巻き状間隙を前記軸線にほぼ沿った方向に流れる高粘度流体と、前記熱交換媒体との間で熱交換を行うクロスフロー型スパイラル式熱交換器であって、
前記中心間隙への前記高粘度流体の流入を規制するための流入規制手段を設けたことを特徴とするクロスフロー型スパイラル式熱交換器。
尚、「内壁(外壁)の軸線側端部」とあるのは、軸線方向の端部側から見たときにおける、内壁(外壁)によって形成された渦巻きの中心(軸線)側の終端部分を示すものである(以下、同様)。
上記手段によれば、流入規制手段を設けることで、中心間隙への高粘度流体の流入を規制することができる。これにより、中心間隙の中心部分に対して、高粘度流体が集中して流れてしまうといった事態は生じないこととなり、高粘度流体は渦巻き状間隙を通過することとなる。そのため、高粘度流体と熱交換媒体との熱交換を効率よく行うことができ、高粘度流体を所望する温度へと比較的短期間で、かつ、精度よく調整することができる。
手段.前記流入規制手段は、前記中心間隙の軸線方向両端開口部と、前記中心間隙及び前記渦巻き状間隙の境界部分とを閉鎖する閉鎖壁部によって構成されることを特徴とする手段に記載のクロスフロー型スパイラル式熱交換器。
上記手段によれば、基本的には上記手段と同様の作用効果が奏されることとなる。加えて、本手段によれば、流入規制手段を、中心間隙の軸線方向両端開口部と、中心間隙及び渦巻き状間隙の境界部分とを閉鎖壁部によって閉鎖するという、比較的簡易な手法で実現することができる。そのため、流入規制手段の配設に係るコストや、流入規制手段の配設に要する手間の増大等を極力抑制することができる。
手段3.前記流入規制手段は、前記中心間隙を埋める半円柱状の埋設体によって構成されることを特徴とする手段1に記載のクロスフロー型スパイラル式熱交換器。
手段3のように、中心間隙を埋める半円柱状の埋設体を設けることによって、中心間隙に対する高粘度流体の流入を防止することとしてもよい。
手段.手段1乃至のいずれかに記載のスパイラル式熱交換器を備え、
当該スパイラル式熱交換器によって冷却された高粘度流体をエンジンに対して供給するよう構成されてなるエンジン性能試験装置。
上記手段のように、高粘度流体をエンジンに対して供給するエンジン性能試験装置において、上記手段1等のスパイラル式熱交換器により前記高粘度流体の温度調整を行うこととしてもよい。この場合には、基本的に上記手段1等と同様の作用効果が奏されることとなる。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の特徴たるスパイラル式熱交換器7を備えてなるエンジン性能試験装置としての高粘度流体冷却システム1のブロック図である。本実施形態において、高粘度流体冷却システム1は、主として低温環境下でのエンジン性能を試験する際に用いられる。
図1に示すように、高粘度流体冷却システム1は、エンジン2の各摩擦部を潤滑した所定の試験後のエンジンオイルを吸引するバキュームポンプ3と、エンジン2から抜き取られたエンジンオイル及び所定の冷却水の間で熱交換を行う冷却器4と、当該冷却器4により冷却されたエンジンオイルを貯留可能なオイルタンク5と、オイルタンク5やその前後のエンジンオイルの通路に一旦貯留されたエンジンオイル、及び、冷却装置8によって冷却された熱交換媒体としてのブライン(冷却液)との間で熱交換を行うスパイラル式熱交換器7とを備えている。尚、図1では、便宜上、冷却器4に供給される冷却水の循環回路を省略して示している。また、本実施形態における、エンジンオイルが高粘度流体に相当する。
まず、エンジンオイルの循環回路を中心に説明する。エンジンオイルの通路(流路)としては、エンジン2と冷却器4とを連通する第1流路11、冷却器4とオイルタンク5とを連通する第2流路12、オイルタンク5とスパイラル式熱交換器7とを連通する第3流路13、及び、スパイラル式熱交換器7から延出し、途中から、エンジン2に連通する供給枝路14aとオイルタンク5に連通する循環枝路14bとに分岐する第4流路14が存在する。尚、循環枝路14bは直接オイルタンク5に接続されており、第2流路12や第3流路13とは合流していない。
また、エンジンオイルの循環回路には、第1流路11を開閉する第1バルブ21、第2流路12を開閉する第2バルブ22、供給枝路14aを開閉する第3バルブ23、循環枝路14bを開閉する第4バルブ24、及び、冷却器4内と大気など外環境の空間とを通気する通気管を開閉する第5バルブ25が設けられている。そして、例えば、別の条件でエンジンベンチ試験が行われた後に、エンジン内のエンジンオイルを抜き取る際には、第1バルブ21、第2バルブ22、及び、第5バルブ25を閉状態とし、バキュームポンプ3を任意時間運転して第1バルブ21から第2バルブ22までの間を真空状態とする。その後、第1バルブ21を開状態とすることで、エンジン2内の暖かいエンジンオイルが抜き取られ、冷却器4に回収される。冷却器4においてエンジンオイルをある程度冷却した後、第2バルブ22及び第5バルブ25を開状態とすることで、エンジンオイルは重力や、前記第3流路13に設けられたオイルポンプ6の吸引力によって冷却器4からオイルタンク5に移される。
さらに、エンジンオイルをスパイラル式熱交換器7において冷却する際には、第1バルブ21、第2バルブ22、及び、第3バルブ23が閉状態とされ、第4バルブ24が開状態とされる。これにより、エンジンオイルは、第3流路13、第4流路14、及び、循環枝路14bを循環しながら、スパイラル式熱交換器7において冷却されることとなる。尚、本実施形態では、前記オイルポンプ6によって、上記したエンジンオイルの循環搬送が円滑に行われるようになっている。
一方、エンジン2に対してエンジンオイルを供給するにあたっては、第3バルブ23が開状態とされ、第1バルブ21及び第4バルブ24が閉状態とされる。これにより、オイルポンプ6の搬送力により循環し、所定の温度にまで冷却されたエンジンオイルは、供給枝路14aを通じて順次エンジン2のオイルパンへ送り込まれる。尚、エンジン2に供給されるエンジンオイルの量は、供給枝路14aに設けられた流量計9によって計測されており、エンジン2に規定量のエンジンオイルが供給されると、第3バルブ23が閉鎖されるようになっている。
次に、スパイラル式熱交換器7に対して供給され、エンジンオイルとの間で熱交換が行われるブラインの循環回路を説明する。ブラインの流路としては、スパイラル式熱交換器7から排出されたブラインを冷却装置8に送るための回収路31、冷却装置8において冷却されたブラインをスパイラル式熱交換器7に送るための送出路32、回収路31と送出路32とを連通し、回路路31側から送出路32側にブラインを送出可能な第1バイパス路33、及び、回収路31と送出路32とを連通し、送出路32側から回収路31側にブラインを送出可能な第2バイパス路34が備えられている。尚、送出路32のうち第1バイパス路33よりも冷却装置8側で、かつ、第2バイパス路34よりもスパイラル式熱交換器7側の部位(バイパス路33,34との両接続部の間の流路)を調整前送出路32a、第1バイパス路33よりもスパイラル式熱交換器7側の部位を調整後送出路32bと称することとする。
第1バイパス路33と送出路32との連結部には、第1バイパス路33から調整後送出路32bに流入するブラインの流量、及び、調整前送出路32aから調整後送出路32bに流入するブラインの流量を調節可能な三方弁41が設けられている。そして、三方弁41が調節されることで、第1バイパス路33及び調整前送出路32aを流れるブラインの流量が調節されることとなり、これにより、調整後送出路32bを通じてスパイラル式熱交換器7に供給されるブラインの温度、すなわち、スパイラル式熱交換器7の冷却能力を調節することができるようになっている。まだ、第2バイパス路34には、第2バイパス路34を流れるブラインの流量を調節可能な戻し弁42が設けられている。
加えて、送出路32の途中には、冷媒ポンプ47,48が設けられており、上述したブラインの循環が円滑に行われるようになっている。さらに、調整後送出路32bにはブラインの温度を計測する冷媒温度計測器49が設けられている。これにより、スパイラル式熱交換器7に供給されるブラインの温度を把握できるようになっている。
さらに、第4流路14のうち、スパイラル式熱交換器7のエンジンオイルの出口付近には、スパイラル式熱交換器7から送出されたエンジンオイルの温度を計測するためのオイル温度計測器43が設けられている。また、前記冷媒温度計測器49から出力されるスパイラル式熱交換器7へと供給されるブラインの温度、及び、オイル温度計測器43から出力されるエンジンオイルの温度に基づいて、三方弁41及び戻し弁42を制御するコントローラ45が設けられている。当該コントローラ45によって、エンジン2へと供給するエンジンオイルが所望する温度へと調節されることとなる。
ここで、エンジンオイルの温度調節方法について詳述すると、例えば、エンジンオイルの温度を大きく下げたい場合には、コントローラ45は、第1バイパス路33及び第2バイパス路34を不通とし、調整前送出路32aに冷却装置8を通過したブラインが全量通るように三方弁41及び戻し弁42を調節する。これにより、ブラインが回収路31及び送出路32を循環するようになり、スパイラル式熱交換器7において熱交換されたブラインは必ず冷却装置8によって冷却され、冷却装置8によって冷却されたブラインがそのままスパイラル式熱交換器7に送られる。
一方で、例えば、エンジンオイルの温度を下げたくない場合には、コントローラ45は、調整前送出路32aと調整後送出路32bとの間を不通とし、ブラインが第1バイパス路33に対してスパイラル式熱交換器7を通過する量と同量だけ通るように三方弁41及び戻し弁42を調節する。これにより、スパイラル式熱交換器7から排出されたブラインは、回収路31、第1バイパス路33、及び調整後送出路32bを介して、冷却装置8によって冷却されることなくそのままスパイラル式熱交換器7に戻され、冷却装置8から供給されたブラインは、送出路32、第2バイパス路34、及び、回収路31を介して、スパイラル式熱交換器7に供給されることなくそのまま冷却装置8に戻される。
尚、ここで紹介した2つの例示は極端なケースのものであり、通常は、三方弁41において、第1バイパス路33から流入してきた未冷却のブラインと、調整前送出路32aから流入してきた冷却済みのブラインとが混合されて温度調整されたブラインがスパイラル式熱交換器7に供給される。
次いで、本発明の特徴であるスパイラル式熱交換器7の構成について詳述する。本実施形態において、スパイラル式熱交換器7は、図2、及び、図3に示すように、円筒状をなすケーシング71と、当該ケーシング71内に配設された媒体流通部72とを備えて構成されている。
前記ケーシング71は、比較的肉厚の金属材料に形成されており、十分な機械的強度を有しているとともに、軸線CL方向に沿って延びる内部空間71aを備えている。また、ケーシング71の外周壁部のうち軸線CL方向ほぼ中央部分には、前記送出路32に対して連通される孔部71bが形成されている。さらに、前記ケーシング71の軸線CL方向両端部には、当該ケーシング71の両端開口を塞ぐようにして蓋部73及び底部74が設けられている。前記蓋部73は、軸線CLに沿って延び、エンジンオイルをケーシング71の内部に導入するためのオイル流入口73aを備えており、当該オイル流入口73aは、前記オイルポンプ6から延びる第3流路13に対して連通されている。一方で、前記底部74は、軸線CLに沿って延びる第1オイル送出口74aと、前記軸線CLと直交する方向に延びる第2オイル送出口74bとを備えている。そして、各オイル流出口74a,74bは、前記第4流路14に対して連通されており、エンジンオイルは、各オイル流出口74a,74bを介して、第4流路14側へと流出するようになっている。
前記媒体流通部72は、中空状をなす部材が渦巻き状に巻回されてなり、その内部を冷却装置8側から供給されたブラインが循環するものである。すなわち、媒体流通部72は、側面の大部分において所定間隔を隔てて相対向する外壁72a及び内壁72bと、当該外壁72aの軸線CL側(一端側)端部、及び、前記内壁72bの軸線CL側(一端側)端部を連結する中心壁72eとを備えている。また、媒体流通部72は、外壁72aの軸線CL方向両端縁部と、当該外壁72bの内側に隣接する内壁72bや中心壁72eの軸線CL方向両端縁部との間に形成された両端開口部、並びに、外壁72aのうち外周側がケーシング71の内周面と対向する部位の軸線CL方向両端縁とケーシング71の内周面と間に形成された両端開口部を閉鎖し、平面視で渦巻き状をなす上壁部72c及び下壁部72dとを備えている。
加えて、前記内壁72bの外周側(他端側)の端部は、前記ケーシング71の内周面から突設され、軸線CL方向に延びる棒状の第1連結壁75に対して接合されている。一方で、前記外壁72aの外周側(他端側)の端部は、前記軸線CLを挟んで前記第1連結壁75と相対向する位置に、前記ケーシング71の内周面から突設して形成された棒状の第2連結壁76に対して接合されている。これにより、前記孔部71bを介して前記送出路32と前記媒体流通部72の内部空間とが連通されるとともに、ケーシング71内の内部空間71aと、前記媒体流通部72の内部空間とが分断された状態、すなわち、エンジンオイルとブラインとが混合しない状態とされている。また、前記媒体流通部72の中心部分(軸線CL側)には、自身の一端部が前記ケーシング71の外部へと延設され、前記回収路31に対して連通される一方で、自身の他端部が媒体流通部72の軸線CL付近の内部空間に連通されてなる筒状の排出筒72fが設けられている。このように構成された結果、媒体流通部72の内部には、孔部71bから排出筒72fへと、軸線CLとほぼ直交する方向に渦巻き状で流れるブラインの流路(図3中、散点模様を付した部位)が形成されるようになっている。
さらに、媒体流通部72の外壁72aの外周側と内壁72bの内周側の間と、前記内壁72bと前記中心壁72eとの間には、前記オイル流入口73aから流入したエンジンオイルが通過可能な間隙が形成されている。詳述すると、当該間隙は、前記外壁72aの外周側、及び、前記内壁72bの内周側によって挟まれることで形成され、前記軸線CLの端部側から見て渦巻き状をなす渦巻き状間隙78と、前記中心壁72e、及び、前記内壁72bの内周側によって挟まれることで形成され、前記渦巻き状間隙78に対して空間的に連結された中心間隙77とを備えている。ここで、本実施形態においては、前記中心間隙77の最大幅が、渦巻き状間隙78の最大幅よりも大きくされている。すなわち、前記中心間隙77は、軸線CLと直交する断面におけるその断面積は比較的大きなものとされており、エンジンオイルが渦巻き状間隙78と比較して中心間隙77へと集中して流れやすい、換言すれば、エンジンオイルの偏流が発生しやすい構成とされている。
そこで、本実施形態においては、中心間隙77へのエンジンオイルの流入を規制すべく、流入規制手段としての閉鎖壁部81,82,83が設けられている。詳述すると、前記閉鎖壁部81,82は半円形状をなす金属板によって構成されており、前記中心間隙77の軸線Cl方向両端開口を閉鎖するように両端開口部に対して接合されている。また、閉鎖壁部83は、前記媒体流通部72の軸線CLに沿った長さとほぼ同一の長さを有する平板状の金属板からなり、中心間隙77及び渦巻き状間隙78の境界部分を塞ぐようにして、当該境界部分に位置する外壁72aや内壁72b等に対して接合されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、流入規制手段としての閉鎖壁部81〜83を設けることで、中心間隙77へのエンジンオイルの流入を規制することができる。これにより、中心間隙77の中心部分に対して、エンジンオイルが集中して流れてしまう(偏流が生じてしまう)といった事態は生じないこととなり、エンジンオイルは主として渦巻き状間隙78を通過することとなる。そのため、エンジンオイルとブラインとの熱交換を効率よく行うことができ、エンジンオイルを所望する温度へと比較的短期間で、かつ、精度よく調整することができる。
また、流入規制手段は、中心間隙77の軸線CL方向両端開口部と、中心間隙77及び渦巻き状間隙78の境界部分とを閉鎖壁部81〜83によって閉鎖することで、すなわち、比較的簡易な手法によって実現されている。そのため、流入規制手段の配設に係るコストや、流入規制手段の配設に要する手間の増大等を極力抑制することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、閉鎖壁部81〜83を設けることによって、中心間隙77に対するエンジンオイルの流入が防止されているが、図4に示すように、中心間隙77を埋める半円柱状の埋設体85を設けることによって、中心間隙77に対するエンジンオイルの流入を防止することとしてもよい。この場合には、上記実施形態と同様の作用効果が奏されることとなる。
(b)上記実施形態では、閉鎖壁部81〜83を設け、中心間隙77に対するエンジンオイルの流入を防止することで、エンジンオイルの偏流を防止し、ひいてはエンジンオイルとブラインとの間の熱交換を効率よく行うように構成されている。これに対して、中心間隙77へのエンジンオイルの流入を許容した上で、高粘度時のエンジンオイル(例えば、−20℃〜0℃のエンジンオイル)が中心間隙77を通過する際の圧力損失と、エンジンオイルが渦巻き状間隙78を通過する際の圧力損失とをほぼ等しくするための流体移動抑制手段を設けることで、エンジンオイルの中心間隙77への偏流を防止し、エンジンオイルとブラインとの間における熱交換効率の向上を図ることとしてもよい。尚、流体移動規制手段としては、例えば、エンジンオイルの流れ抵抗を増大させるべく、中心間隙77を形成する媒体流通部72の内壁72bや中心壁72eに設けられ、半径方向又は軸線CL方向に間隙を持ちながらエンジンオイルの流れに対して抵抗を与えるラビリンスシール状の凹凸体や、中心間隙77を形成する媒体流通部72の内壁72bや中心壁72eに渡して設けられる複数の網状部材からなる流路抵抗体等を挙げることができる。
(c)上記実施形態における高粘度流体冷却システムは、エンジン2に対して供給されるエンジンオイルの冷却を主たる目的としているが、エンジンオイルやブライン等を温めるためのヒータ等を設けることで、エンジンオイルの温度調整をより広範囲で行えるように構成することとしてもよい。尚、上記実施形態においては、エンジン2における発熱を利用することで、エンジンオイルをある程度加熱することが可能である。
高粘度流体冷却システムの構成を示すブロック図である。 スパイラル式熱交換器の構成を示す一部破断斜視図である。 スパイラル式熱交換器の構成を示す断面模式図である。 別の実施形態におけるスパイラル式熱交換器の構成を示す一部破断斜視図である。 従来技術におけるスパイラル式熱交換器の構成を示す一部破断斜視図である。 従来技術におけるスパイラル式熱交換器の構成を示す断面模式図である。 2種のエンジンオイルにおける、粘度と温度との関係を示すグラフである。
1…エンジン性能試験装置としての高粘度流体冷却システム、2…エンジン、7…スパイラル式熱交換器、72…媒体流通部、72a…外壁、72b…内壁、72e…中心壁、77…中心間隙、78…渦巻き状間隙、81,82,83…流入規制手段としての閉鎖壁部、85…流入規制手段としての埋設体、CL…軸線。

Claims (4)

  1. 円筒状をなすケーシング内に、内壁及び当該内壁に対して所定間隔を隔てて設けられた外壁が前記ケーシング中央の軸線に対して渦巻き状に巻回形成されてなり、前記内壁及び外壁によって囲まれた渦巻き状の空間の内部を前記軸線とほぼ直交する方向に熱交換媒体が流れる媒体流通部を備えるとともに
    少なくとも前記内壁の前記軸線側端部及び前記外壁の軸線側端部の間を連結する中心壁が設けられ、
    前記媒体流通部は、さらに、前記外壁と前記中心壁とによって挟まれ、前記渦巻き状の空間に連結される前記軸線近傍の端部領域であって、前記外壁の軸線方向両端部に直交するかたちで両側閉塞されてなる軸線近傍の内部空間と、該軸線近傍の内部空間と前記ケーシング外とを繋ぐ配管とを有し、
    前記媒体流通部の前記渦巻き状の空間の外部且つ前記ケーシング内には、
    前記内壁の内周側、及び、前記外壁の外周側によって挟まれて形成され、渦巻き状をなす渦巻き状間隙、並びに、
    前記中心壁と、前記内壁とによって挟まれ、前記渦巻き状間隙に連結され、前記内部空間に対し前記中心壁で仕切られてなる中心間隙が形成されるとともに、
    前記中心間隙の最大幅が、前記渦巻き状間隙の最大幅よりも大きく設定されており、かつ、
    前記中心間隙及び前記渦巻き状間隙を前記軸線にほぼ沿った方向に流れる高粘度流体と、前記熱交換媒体との間で熱交換を行うクロスフロー型スパイラル式熱交換器であって、
    前記中心間隙への前記高粘度流体の流入を規制するための流入規制手段を設けたことを特徴とするクロスフロー型スパイラル式熱交換器。
  2. 前記流入規制手段は、前記中心間隙の軸線方向両端開口部と、前記中心間隙及び前記渦巻き状間隙の境界部分とを閉鎖する閉鎖壁部によって構成されることを特徴とする請求項に記載のクロスフロー型スパイラル式熱交換器。
  3. 前記流入規制手段は、前記中心間隙を埋める半円柱状の埋設体によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のクロスフロー型スパイラル式熱交換器。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のクロスフロー型スパイラル式熱交換器を備え、
    当該クロスフロー型スパイラル式熱交換器によって冷却された高粘度流体をエンジンに対して供給するよう構成されてなるエンジン性能試験装置。
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