JP4813381B2 - 路面摩擦係数推定装置 - Google Patents

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本発明は、車両の停車時に車輪を転舵させて路面の摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定装置に関する。
自動車等の車両においては、氷雪路や雨天時等の滑りやすい路面での方向安定性の維持、操舵性の確保、制動距離の短縮等、安定した走行状態を確保するためには、路面の摩擦係数を把握することが重要である。このため、従来から、路面の摩擦係数を推定する技術に関する各種提案がなされている。
例えば、特許文献1には、車両を発進させる前に、停止している車輪の向きが変わるまで操舵し、このときに必要とした操舵力から路面の摩擦係数を推定し、推定した摩擦係数に従って、車両が発進するときのエンジン出力を制御する技術が開示されている。
また、特許文献2には、車両の停止を伴う所定の状況下で車輪を転舵し、車輪が転舵される際の負荷に基づいて、路面の摩擦係数を推定する技術が開示されている。
特開平5−280387号公報 特開平10−288559号公報
しかしながら、従来の技術は、路面の摩擦係数を推定するため、車輪を或角度だけ転舵するため、車両挙動が発生してドライバに違和感を与える虞があるばかりでなく、路面摩擦係数推定のための転舵中に車両が発進した場合、ドライバの意図しない車両挙動が発生する可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、路面の摩擦係数を推定する際に、ドライバへの違和感や意図しない車両挙動の発生を確実に防止することのできる路面摩擦係数推定装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の第1の路面摩擦係数推定装置は、車両の停車状態を検出する停車検出手段と、左右の車輪の転舵角或いはトー角を互いに独立して可変可能な機構部を有する操舵手段と、上記車両の停車時に、上記機構部を駆動して左右の車輪の転舵角或いはトー角を互いに逆相で可変し、この逆相での上記機構部の操作パラメータに基づいて、路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段とを備えることを特徴とする。
第2の路面摩擦係数推定装置は、車両の停車状態を検出する停車検出手段と、ステアリング操作に連動する操舵軸両端のタイロッド部に設けられ、アクチュエータによって駆動されるボールネジを介してタイロッド長を伸縮可能な機構部と、上記車両の停車時に、上記アクチュエータを駆動して左右の車輪の転舵角或いはトー角を互いに逆相で可変し、この逆相での上記機構部の操作パラメータに基づいて、路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段とを備えることを特徴とする。
本発明による路面摩擦係数推定装置は、路面の摩擦係数を推定する際に、ドライバへの違和感や意図しない車両挙動の発生を確実に防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図7は本発明の実施の第1形態に係り、図1は左右独立操舵装置の概略構成図、図2はタイロッド周辺の概略拡大図、図3は伸縮機構部の構成を示す説明図、図4は一定角度の逆相転舵を示す説明図、図5は転舵時間と路面摩擦係数との関係を示す説明図、図6は路面摩擦係数推定処理のフローチャート、図7は路面摩擦係数に基づくスロットル開度補正を示す説明図である。
本発明の路面摩擦係数推定装置は、車両に搭載された操舵装置やトー角制御装置を利用し、車車間通信や路車間通信等による外部情報に依存することなく、また路面状態を検知するための光学センサ等の新たなセンサを備えることなく、停車状態で路面の滑りやすさ即ち路面摩擦係数μを推定可能とするものである。本形態においては、図1に示すような左右独立操舵装置10を用いて路面摩擦係数μを推定する例について説明する。
図1に示す左右独立操舵装置10は、左右の前輪11,12に、それぞれ、伸縮機構部25を介して軸方向に伸縮可能なタイロッド13,14が連結され、これらのタイロッド13,14が電動パワーステアリング(EPS)15の両端部に連結される主要構成を有している。EPS15には、ステアリングシャフト16を介してステアリングホイール17が連結され、ステアリング操作に連動する操舵軸を形成している。
タイロッド13,14の伸縮機構部25は、本形態においては、電動モータで駆動されるボールネジ式のリニアアクチュエータであり、同様の構成で左右対称に配置されている。一方のタイロッド13側で代表して説明すると、図2に示すように、フロントストラット20を受けるフロントハウジング21に、フロントホイール22を装着するフロントハブ23が懸架され、このフロントハブ23に、ナックル24を介してタイロッド13の一端となるタイロッドエンド13aが連結されている。タイロッド13の他端は、EPS15のステアリングロッド15aに連結され、伸縮機構部25を介して軸方向に進退動するピストンロッド13bとして形成されている。
図3に示すように、伸縮機構部25は、タイロッドエンド13aが固設される本体部26と、この本体部26に取り付けられたアクチュエータとしての電動モータ27とを主として構成されている。本体部26内には、電動モータ27の回転軸27aに連結されて回転するギヤと該ギヤに噛合するギヤ群を内蔵したギヤボックス28が配設されている。尚、電動モータ27に代えて、油圧で回転する油圧モータでも良い。
ギヤボックス28からは、ボールネジのネジ軸29が電動モータ27の回転軸27aと直交する方向に延出されており、ボールネジのネジ軸29にピストンロッド13bの一端に形成されたボールネジのナット30が螺合されている。これにより、電動モータ27の回転によってネジ軸29が回転すると、ナット30を介してピストンロッド13bが進退動作してタイロッド13のタイロッド長が伸縮し、左右独立の操舵が可能となる。
タイロッド13,14の各伸縮機構部25、EPS15は、電子制御装置(ECU)50に接続されている。ECU50は、マイクロコンピュータ及び周辺回路を備えて構成され、車両に備えられた各種のセンサ群51が接続されている。このセンサ群51は、例えば、車速を検出する車速センサ、車輪速度を検出する車輪速センサ、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ、横加速度を検出するGセンサ、ブレーキ操作を検出するブレーキスイッチ、変速機のパーキング位置を検出するパーキングスイッチ等の車両状態を検出するセンサや、各伸縮機構部25やEPS15の駆動量や駆動状態を検出するセンサ、タイロッド13,14の伸縮量や伸縮速度を検出するセンサ、車輪の転舵角を検出するセンサ、ドライバの操舵によるステアリング角を検出するセンサ等である。
また、ECU50は、図示しないネットワーク等を介して車載の他の電子制御装置と双方向通信可能に接続されており、センサ群51からの情報や、他の制御装置から送信された制御情報に基づいて、左右輪11,12に最適な操舵角が付与されるよう、各伸縮機構部25やEPS15を制御し、左右独立の操舵制御を実行する。更に、ECU50は、車両の走行停止状態を検知したとき、左右独立操舵装置10を制御して路面摩擦係数μを推定し、他の電子制御装置に対する制御情報として送信する。
この左右独立操舵装置10による路面摩擦係数μの推定は、人間が路面の滑りやすさを調べる場合の仕草を例に取って説明することができる。すなわち、人間が路面の滑りやすさを調べる場合には、足を地面に着けたまま少し動かすことで、路面の滑りやすさを確認するが、左右独立操舵装置10における路面摩擦係数μの推定も、類似した動作で路面の滑りやすさを把握することができる。
具体的には、左右輪を互いに逆相で転舵させた後、元の操舵角に戻し、そのときの転舵に要する操作量や操作時間等の情報から路面の滑りやすさ(路面摩擦係数μ)を推定する。左右輪の逆相転舵は、左右のタイロッド13,14が互いに反対方向に伸縮するように各伸縮機構部25を制御し、図4に示すように、左輪と右輪とを互いに逆の方向に一定角度だけ転舵し、その後、元に戻す。
この場合、左右の転舵角の大きさが異なったり、同相転舵したりすると、車両挙動が発生してドライバに違和感を与える虞があり、また、路面摩擦係数推定のための転舵中に車両が発進した場合、ドライバが意図しない車両挙動が発生する可能性がある。従って、路面摩擦係数を推定するための車輪転舵を、ステアリングホイールの回転を伴わずに停車中に行い、図4に示すように、左右輪で同じ角度の逆相転舵とすることにより、制御介入によるドライバの違和感発生を防止すると共に、意図しない車両挙動の発生を確実に防止することができる。
尚、左右輪のタイロッド長を一定量だけ同時に伸縮することで路面摩擦係数μを推定するようにしても良い。
本形態においては、左右輪を或る一定角度だけ逆相転舵するに要する時間(転舵時間)に基づいて路面摩擦係数μを推定する。すなわち、路面が滑りにくい状態では、車輪を転舵する場合に、接地面の抵抗が大きく、一定角度転舵するに要する転舵時間が長くなる。通常の条件下では、路面の状態が局部的に大きく変化することはないため、転舵時間と路面摩擦係数μとは一定の関係にあると考えられる。
従って、摩擦係数μが既値の路面上で一定角度だけ左右輪を逆相転舵するに要する転舵時間を、車両重量やタイヤサイズを考慮して予めシミュレーション或いは実際の計測によって求めておき、図5に示すような転舵時間と路面摩擦係数μとの関係をマップ(路面μ−転舵時間マップ)として作成しておく。この路面μ−転舵時間マップは、ECU50に固定データとして記憶され、路面摩擦係数推定時に、左右輪を一定角度だけ逆相転舵するに要する転舵時間を計測して路面μ−転舵時間マップを参照することにより、路面摩擦係数μを求めることができる。
ECU50における路面摩擦係数推定処理は、具体的には、図6のフローチャートに示すプログラム処理の手順に従って実行される。次に、この路面摩擦係数推定処理について説明する。
この路面摩擦係数推定処理は、先ず、ステップS1において、センサ群51からの信号に基づく自車両の運転状態を読み込み、ステップS2で走行停止状態か否かを判定する。例えば、車速が0でパーキングスイッチがONされていることを検知したとき、停止状態(停車状態)であると判定する。
そして、ステップS2において、停止状態でないと判定した場合には、路面摩擦推定のための実質的な処理を実施することなく、ステップS2から処理を抜け、停止状態と判定したとき、ステップS2からステップS3へ進む。ステップS3では、左右独立操舵装置10の左右の伸縮機構部25を介して左右輪を一定角度だけ逆相転舵させ、ステップS4で、転舵時間Tを計測する。この転舵時間Tは、左右輪が一定角度に達するまでの時間でも良く、また、一定角度転舵して元の操舵角に戻すまでの時間でも良い。
そして、ステップS4で転舵時間Tを計測した後、ステップS5へ進み、転舵時間Tをパラメータとして路面μ−転舵時間マップ(図5参照)を補間計算付きで参照して路面摩擦係数μ(路面μ)を推定し、本処理を終了する。
以上の処理によって車両停止時に求められた路面摩擦係数μは、走行制御における制御情報の一つとして用いられる他、路面状態の情報としてドライバに提供される。例えば、路面摩擦係数μが低く、滑りやすい路面状態である場合には、駆動系のセンターディファレンシャル装置の締結力を予め上げておいたり、図7に示すようなアクセルペダル操作量と電子制御スロットルのスロットル開度との関係を示すマップに路面摩擦係数μを適用して、ドライバのアクセルペダル操作量に対して予めスロットル開度を小さくしておくことにより、滑りやすい路面においても円滑な発進を可能とし、ホイルスピンの防止を図ることができる。また、ドライバにこれらの制御情報や路面情報を予め与えておくことで、制御介入による違和感を低減したり、注意を喚起することができる。
次に、本発明の実施の第2形態について説明する。図8及び図9は本発明の実施の第2形態に係り、図8は転舵速度と路面摩擦係数との関係を示す説明図、図9は路面摩擦係数推定処理のフローチャートである。
第2形態は、左右輪を逆相転舵して路面摩擦係数μを推定する際に、転舵速度に係る操作量との関係に基づいて路面摩擦係数μを推定するものである。
すなわち、路面摩擦係数μが高い程、タイヤ接地面の摩擦抵抗が大きくなって転舵速度が遅くなるため、この転舵速度と路面摩擦係数μとの関係を予めマップ化しておき、このマップを用いて路面摩擦係数μを推定する。
転舵速度に係る操作量としては、例えば、タイロッド13,14の伸縮速度、タイロッドエンド回転角速度、伸縮機構部25の電動モータ27のモータ回転角速度等を採用することができ、この操作量と路面摩擦係数μとの関係を、車両重量やタイヤサイズ等を考慮して予めシミュレーション或いは実験等により計測しておき、図8に示すような路面μ−転舵速度マップとして作成する。
第2形態では、第1形態のECU50に記憶するマップを変更すると共に、路面摩擦係数推定処理を図9に示すプログラム処理に変更する。
図9に示す路面摩擦係数推定処理は、最初のステップS11,S12,S13で、それぞれ、第1形態の路面摩擦係数推定処理(図6参照)のステップS1,S2,S3と同様の処理を行う。すなわち、センサ群51で検出した自車状態が停止状態か否かを判定し、停止状態と判定したとき、左右独立操舵装置10の左右の伸縮機構部25を介して左右輪を一定角度だけ逆相転舵させる。
ステップS13で左右輪を逆相転舵させると、ステップS14へ進み、転舵速度を計測する。転舵速度は、前述したように、タイロッド伸縮速度、タイロッドエンド回転角速度、モータ回転角速度等で代表することができる。そして、ステップS14からステップS15へ進み、転舵速度をパラメータとして路面μ−転舵速度マップ(図8参照)を補間計算付きで参照し、路面摩擦係数μを推定する。
第2形態においても、第1形態と同様、制御介入によるドライバの違和感発生を防止すると共に、意図しない車両挙動の発生を確実に防止することができる。
尚、第2形態では、転舵速度に係る操作量との関係から路面摩擦係数μを推定していることから、左右輪を一定角度逆相転舵する代わりに、一定時間逆相転舵させるようにしても良い。
次に、本発明の実施の第3形態について説明する。図10及び図11は本発明の実施の第3形態に係り、図10は転舵角と路面摩擦係数との関係を示す説明図、図11は路面摩擦係数推定処理のフローチャートである。
第3形態は、前述の第1,第2形態に対して、左右輪を逆相転舵して路面摩擦係数μを求める場合に、路面摩擦係数μが高くなる程、タイヤ接地面の摩擦抵抗が大きくなり、一定時間内に転舵される角度が小さくなることに着目したものであり、転舵角に係る操作量との関係に基づいて路面摩擦係数μを推定する。
転舵角は、各輪に転舵角を検出するセンサを備える場合には、センサによって検出した値を用いることができるが、転舵角を検出するセンサを備えない場合には、タイロッド13,14の伸縮量、タイロッドエンド回転角、電動モータ27のモータ回転角等から推定することができる。例えば、タイロッド伸縮量とステアリング角との関係を表すマップを予め備えておき、このマップに、センサで検出したタイロッド伸縮量、或いはモータ回転角とギヤボックス28のギヤ比とボールネジピッチとから計算したタイロッド伸縮量を適用することで、左右輪の転舵角を推定することができる。
従って、転舵角に係る操作量として、タイロッド13,14の伸縮量、タイロッドエンド回転角、電動モータ27のモータ回転角等を採用し、これらを転舵角量として路面摩擦係数μとの関係を、車両重量やタイヤサイズを考慮して予めシミュレーション或いは実験等により計測し、図10に示すような路面μ−転舵角量マップとして作成しておき、この路面μ−転舵角量マップを用いて路面摩擦係数μを求める。
第3形態の路面摩擦係数推定処理は、図11に示される。この処理においては、最初のステップS21,S22は、第1形態の路面摩擦係数推定処理(図6参照)のステップS1,S2と同様であり、センサ群51で検出した自車状態が停止状態か否かを判定する。
その結果、停止状態でないときには、路面摩擦推定のための実質的な処理を実施することなく、ステップS22から処理を抜け、停止状態と判定したとき、ステップS22からステップS23へ進んで左右輪を一定時間だけ逆相転舵させる。そして、ステップS24で、この一定時間における転舵角量を計測する。
転舵角量は、前述したように、タイロッド伸縮量、タイロッドエンド回転角、モータ回転角等から推定することができる。また、一定時間だけ左右輪を逆相転舵した後は、元の操舵角に戻す。その後、ステップS24からステップS25へ進み、転舵角量をパラメータとして路面μ−転舵角量マップ(図10参照)を補間計算付きで参照し、路面摩擦係数μを推定する。
第3形態においても、前述の第1,第2形態と同様、制御介入によるドライバの違和感発生を防止すると共に、意図しない車両挙動の発生を確実に防止することができる。
次に、本発明の実施の第4形態について説明する。図12及び図13は本発明の実施の第4形態に係り、図12はモータ電流値と路面摩擦係数との関係を示す説明図、図13は路面摩擦係数推定処理のフローチャートである。
第4形態は、前述の各形態に対して、左右輪を逆相転舵して路面摩擦係数μを求める場合に、路面摩擦係数μが高くなる程、タイヤ接地面の摩擦抵抗が大きくなり、タイロッド13,14を伸縮させるに要する操作力が増大することに着目したものである。
タイロッド13,14を伸縮させる操作力は、電動モータ27のモータトルクで代表することができ、一定時間或いは一定角度の逆相転舵におけるモータトルクと路面摩擦係数との関係を予めマップ化しておき、このマップを用いて路面摩擦係数μを算出する。モータトルクは、トルクを検出するセンサが備えられている場合には、センサによって検出したモータトルクを用い、また、トルクを検出するセンサが備えられていない場合には、モータ電流値でモータトルクを代表する。
このモータ電流値を用いる場合には、モータ電流値と路面摩擦係数μとの関係を、車両重量やタイヤサイズを考慮して予めシミュレーション或いは実験等により計測し、図12に示すような路面μ−モータ電流値マップとして作成しておき、この路面μ−モータ電流値マップを用いて路面摩擦係数μを求める。
尚、タイロッド13,14を伸縮するアクチュエータが電動モータではなく油圧によって駆動される油圧モータ等のアクチュエータである場合には、モータトルクに代えてアクチュエータの作動油圧値を用いれば良い。
第4形態の路面摩擦係数推定処理は、図13に示される。図13の処理における最初のステップS31,S32,S33は、第3形態の路面摩擦係数推定処理(図11参照)のステップS21,S22,S23と同様であり、センサ群51で検出した自車状態が停止状態か否かを判定し、停止状態のとき、左右輪を一定時間だけ逆相転舵させる。尚、ステップS23における左右輪の逆相転舵は、第1,第2形態と同等、一定角度の逆相転舵としても良い。
次に、ステップS33からステップS34へ進んで逆相転舵時の電動モータ27のモータ電流値を計測し、ステップS35でモータ電流値をパラメータとして路面μ−モータ電流値マップ(図12参照)を補間計算付きで参照し、路面摩擦係数μを推定する。
第4形態においても、前述の各形態と同様、制御介入によるドライバの違和感発生を防止すると共に、意図しない車両挙動の発生を確実に防止することができる。
本発明の実施の第1形態に係り、左右独立操舵装置の概略構成図 同上、タイロッド周辺の概略拡大図 同上、伸縮機構部の構成を示す説明図 同上、一定角度の逆相転舵を示す説明図 同上、転舵時間と路面摩擦係数との関係を示す説明図 同上、路面摩擦係数推定処理のフローチャート、 同上、路面摩擦係数に基づくスロットル開度補正を示す説明図 本発明の実施の第2形態に係り、転舵速度と路面摩擦係数との関係を示す説明図 同上、路面摩擦係数推定処理のフローチャート 本発明の実施の第3形態に係り、転舵角と路面摩擦係数との関係を示す説明図 同上、路面摩擦係数推定処理のフローチャート 本発明の実施の第4形態に係り、モータ電流値と路面摩擦係数との関係を示す説明図 同上、路面摩擦係数推定処理のフローチャート
符号の説明
10 左右独立操舵装置
13,14 タイロッド
25 伸縮機構部
27 電動モータ
29 ボールネジのネジ軸
30 ボールネジのナット
50 電子制御装置
μ 路面摩擦係数

Claims (12)

  1. 車両の停車状態を検出する停車検出手段と、
    左右の車輪の転舵角或いはトー角を互いに独立して可変可能な機構部を有する操舵手段と、
    上記車両の停車時に、上記機構部を駆動して左右の車輪の転舵角或いはトー角を互いに逆相で可変し、この逆相での上記機構部の操作パラメータに基づいて、路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と
    を備えることを特徴とする路面摩擦係数推定装置。
  2. 車両の停車状態を検出する停車検出手段と、
    ステアリング操作に連動する操舵軸両端のタイロッド部に設けられ、アクチュエータによって駆動されるボールネジを介してタイロッド長を伸縮可能な機構部と、
    上記車両の停車時に、上記アクチュエータを駆動して左右の車輪の転舵角或いはトー角を互いに逆相で可変し、この逆相での上記機構部の操作パラメータに基づいて、路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段と
    を備えることを特徴とする路面摩擦係数推定装置。
  3. 上記左右の車輪の転舵角或いはトー角を互いに逆相で可変した後、元の状態に戻すことを特徴とする請求項1又は2記載の路面摩擦係数推定装置。
  4. 上記操作パラメータを、一定角度に可変するに要する時間とすることを特徴とする請求項1,2,3の何れか一に記載の路面摩擦係数推定装置。
  5. 上記操作パラメータを、上記タイロッド長を一定量伸縮するに要する時間とすることを特徴とする請求項2又は3記載の路面摩擦係数推定装置。
  6. 上記操作パラメータを、上記左右の車輪の転舵速度とすることを特徴とする請求項1,2,3の何れか一に記載の路面摩擦係数推定装置。
  7. 上記操作パラメータを、上記タイロッド長の伸縮速度とすることを特徴とする請求項2又は3記載の路面摩擦係数推定装置。
  8. 上記操作パラメータを、一定時間の転舵角度とすることを特徴とする請求項1,2,3の何れか一に記載の路面摩擦係数推定装置。
  9. 上記操作パラメータを、上記タイロッド長の一定時間の伸縮量とすることを特徴とする請求項2又は3記載の路面摩擦係数推定装置。
  10. 上記操作パラメータを、上記アクチュエータの駆動トルクとすることを特徴とする請求項2又は3記載の路面摩擦係数推定装置。
  11. 上記操作パラメータを、上記アクチュエータの駆動電流値とすることを特徴とする請求項2又は3記載の路面摩擦係数推定装置。
  12. 上記操作パラメータを、上記アクチュエータの駆動油圧値とすることを特徴とする請求項2又は3記載の路面摩擦係数推定装置。
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