JP6213233B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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本発明は、操舵制御装置に関し、特に、ドライバによるステアリングホイールの操舵に応じて転舵輪を転舵させる転舵機構の小型化が図られるようにしたものである。
この種の従来の技術として、ステアリングホイールの操舵角と車速とを検出し、それら操舵角及び車速に基づいて転舵可変装置の目標可変転舵角を演算するものであって、車速の増加に伴って、ステアリングホイールの操舵角に対する転舵輪の転舵角の比であるステアリングギア比を増加させることで、操舵感覚を低速側でクイックとし、高速側でスローにするという発明が知られている(例えば、特許文献1参照)。即ち、この特許文献1に記載された発明では、定速走行時や車両停車時には、ステアリングギア比が小さくなって操舵感覚はクイックとなるため、据え切り時におけるドライバの取り回し負荷の軽減を図ることができる。
特開2008−137612号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、上記のように車両停車時にはステアリングギア比を小さくしてドライバの取り回し負荷軽減を図るという構成であるため、例えば、転舵機構を電動モータで駆動する構成の場合であれば、大きなトルクを発生可能な大型の電動モータが必要になる。
つまり、特許文献1に記載された発明では、搭載する電動モータを選定する場合、据え切り時にフル転舵位置近くまで転舵を行う際に必要なモータトルクを発生できることが前提となるため、選定される電動モータは必然的に大きくなってしまい、これが転舵機構の小型化の妨げになっているという未解決の問題点がある。
本発明は、このような従来技術が有する未解決の問題点に着目してなされたものであって、ドライバによるテアリングホイールの操舵に応じて転舵輪を転舵させる転舵機構の小型化を図ることができる操舵制御装置を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る操舵制御装置の一態様は、ステアリングホイールの操舵角と転舵輪の転舵角との関係を表す舵角比特性として、走行時舵角比特性と停車時舵角比特性との少なくとも2つの特性を設定する。停車時舵角比特性は、前記操舵角が閾値に達するまでは前記走行時舵角比特性と同じ舵角比特性に設定され、操舵角が閾値を超えたときに前記走行時舵角比特性よりも前記舵角比が小さくなる舵角比特性に設定する。
本発明によれば、車両の走行停止時には操舵角が閾値に達するまでは車両の走行時の転舵比特性と同等に転舵制御し、操舵角が閾値を超えると舵角比が小さくなる即ち操舵角に対する転舵角の変化が小さくなるため、車両の走行停止時にドライバがステアリングホイールを大きく操舵しても、転舵機構による転舵は小さくて済むため、転舵機構に必要な最大駆動力は小さくなる。よって、転舵機構の小型化に寄与できる。
本発明に係るステアリング制御装置を適用した自動車の構成を示す概略図である。 本発明に適用し得る操舵反力制御部で実行する操舵反力制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 フル転舵状態を検出するための操舵角及び操舵トルクとの関係を示す特性線図である。 本発明に適用し得る転舵制御部の一例を示すブロック図である。 本発明に適用し得る転舵制御部で実行する舵角比特性選択処理手順の一例を示すフローチャートである。 走行時舵角比特性を示す特性線図である。 停止時舵角比特性を示す特性線図である。 第1実施形態の動作を説明するタイムチャートである。 停止時舵角比特性の他の例を示す特性線図である。
以下、図を参照して本発明を適用した自動車の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明に係る操舵制御装置を適用した自動車1の構成を示す概略図である。
図1において、自動車1は、車体1Aと、ステアリングホイール2と、入力側ステアリング軸3と、操舵角検出部としての操舵角センサ4と、操舵トルクセンサ5と、操舵反力アクチュエータ6と、操舵反力アクチュエータ角度センサ7とを備えている。
また、自動車1は、転舵アクチュエータ8と、転舵アクチュエータ角度センサ9と、出力側ステアリング軸10と、転舵トルクセンサ11と、ピニオンギヤ12、ピニオン角度センサ13、ラック軸14、タイロッド15、およびタイロッド軸力センサ16と、車輪17FR,17FL,17RR,17RLとを備えている。ここで、転舵アクチュエータ8と、駆動力伝達部を構成する出力側ステアリング軸10、ピニオンギヤ12、ピニオン角度センサ13、ラック軸14、およびタイロッド15とで転舵機構が構成されている。
このように、自動車1は、転舵輪17FR及び17FLを転舵する転舵機構とステアリングホイール2とが機械的に切り離されて転舵アクチュエータ8によって転舵輪17FR及び17FLが転舵されるステアバイワイヤシステムSBWとされている。
さらに、自動車1は、例えば前輪17FR及び17FLを回転駆動するドライブシャフト20を備え、このドライブシャフト20が図示しないエンジンや電動モータ等の回転駆動源によって正転又は逆転駆動されることで自動車1が前進又は後退する。この自動車1の駆動形式は、前輪駆動形式の場合に限らず、後輪駆動形式や四輪駆動形式を適用することができる。
また、自動車1は、車両状態パラメータ取得部21と、車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLと、コントロール/駆動回路ユニット26と、メカニカルバックアップ27とを備えている。
ステアリングホイール2は、入力側ステアリング軸3と一体に回転するよう構成され、運転者による操舵入力を入力側ステアリング軸3に伝達する。
入力側ステアリング軸3は、操舵反力アクチュエータ6を備えており、ステアリングホイール2から入力された操舵入力に対し、操舵反力アクチュエータ6による操舵反力を加える。
操舵角センサ4は、入力側ステアリング軸3に備えられ、入力側ステアリング軸3の回転角即ち運転者によるステアリングホイール2の操舵角θsを検出する。そして、操舵角センサ4は、検出した入力側ステアリング軸3の回転角即ち操舵角θsをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
操舵トルクセンサ5は、入力側ステアリング軸3に設置してあり、入力側ステアリング軸3の回転トルク即ちステアリングホイール2への操舵トルクTsを検出する。そして、操舵トルクセンサ5は、検出した操舵トルクTsをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
操舵反力アクチュエータ6は、モータ軸と一体に回転するギヤが入力側ステアリング軸3の一部に形成されたギヤに噛合しており、コントロール/駆動回路ユニット26からの指示に従って、ステアリングホイール2による入力側ステアリング軸3の回転に対して反力を付与する。
操舵反力アクチュエータ角度センサ7は、操舵反力アクチュエータ6の回転角即ち操舵反力アクチュエータ6に伝達した操舵入力による回転角θraを検出し、検出した回転角θraをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
転舵アクチュエータ8は、後述する転舵モータ8aのモータ軸と一体に回転するギヤが出力側ステアリング軸10の一部に形成されたギヤに噛合しており、コントロール/駆動回路ユニット26からの指示に従って、出力側ステアリング軸10を回転させる。ここで、転舵アクチュエータ8の転舵モータ8aで発生する転舵トルクは、自動車1の停車時における転舵時所謂据え切り時におけるフル転舵に必要な転舵トルクよりは小さい転舵トルクに設定されている。このため、転舵アクチュエータ8が据え切り時のフル転舵に必要な転舵トルクを十分に出力する転舵アクチュエータに比較して小形・軽量化されている。
転舵アクチュエータ角度センサ9は、転舵アクチュエータ8の回転角即ち転舵アクチュエータ8が出力した転舵のための回転角δmを検出し、検出した回転角δmをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
出力側ステアリング軸10は、転舵アクチュエータ8を備えており、転舵アクチュエータ8が入力した回転をピニオンギヤ12に伝達する。
転舵トルクセンサ11は、出力側ステアリング軸10に設置してあり、出力側ステアリング軸10の回転トルク即ちラック軸14を介した車輪17FR,17FLの転舵トルクTrを検出する。そして、転舵トルクセンサ11は、検出した出力側ステアリング軸10の回転トルクTrをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
ピニオンギヤ12は、ステアリング部材を構成するラック軸14に形成したラックギヤと噛合しており、出力側ステアリング軸10から入力した回転をラック軸14に伝達する。
ピニオン角度センサ13は、ピニオンギヤ12の回転角即ちラック軸14を介して出力される車輪17FR,17FLの転舵角δrを検出し、検出したピニオンギヤ12の回転角即ち転舵角δrをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
ラック軸14は、ピニオンギヤ12と噛合する平歯を有し、ピニオンギヤ12の回転を車幅方向の直線運動に変換する。
タイロッド15は、ラック軸14の両端部と車輪17FR,17FLのナックルアーム18とを、ボールジョイント19を介してそれぞれ連結している。
タイロッド軸力センサ16は、ラック軸14の両端部に設置されたタイロッド15それぞれに設置してあり、タイロッド15に作用している軸力を検出する。そして、タイロッド軸力センサ16は、検出したタイロッド15の軸力をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
車輪17FR,17FL,17RR,17RLは、タイヤホイールにタイヤを取り付けて構成したものであり、図示しないサスペンション装置を介して車体1Aに支持されている。これらのうち、前輪(転舵輪17FR,17FL)は、タイロッド15によってナックルアーム18が揺動することにより、車体1Aに対する転舵輪17FR,17FLの向きが変化する。
車両状態パラメータ取得部21は、各車輪17FR,17FL,17RR,17RLに設けられた車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLから出力される車輪の回転速度を示すパルス信号を基に車速Vを取得する。また、車両状態パラメータ取得部21は、車速Vと各車輪の回転速度とを基に、各車輪のスリップ率を取得する。そして、車両状態パラメータ取得部21は、取得した各パラメータをコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLは、各車輪の回転速度を示すパルス信号を、車両状態パラメータ取得部21およびコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
コントロール/駆動回路ユニット26は、車両1全体を制御するものであり、各部に設置したセンサから入力する信号を基に、入力側ステアリング軸3の操舵反力、前輪の転舵角、あるいはメカニカルバックアップ27の連結について、各種制御信号を、操舵反力アクチュエータ6、転舵アクチュエータ8、あるいはメカニカルバックアップ27等に出力する。
また、コントロール/駆動回路ユニット26は、各センサによる検出値を使用目的に応じた値に換算する。例えば、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵反力アクチュエータ角度センサ7によって検出された回転角を操舵反力角に換算したり、転舵アクチュエータ角度センサ9によって検出された回転角を転舵輪17FR,17FLの転舵角δdに換算したり、ピニオン角度センサ13によって検出されたピニオンギヤ12の回転角を転舵輪17FR,17FLの実転舵角δrに換算したりする。
なお、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵角センサ4によって検出された入力側ステアリング軸3の回転角、操舵反力アクチュエータ角度センサ7によって検出された操舵反力アクチュエータ6の回転角、転舵アクチュエータ角度センサ9によって検出された転舵アクチュエータ8の回転角、および、ピニオン角度センサ13によって検出されたピニオンギヤ12の回転角を監視し、これらの関係を基に、操舵系統におけるフェールの発生を検出することができる。そして、操舵系統におけるフェールを検出すると、コントロール/駆動回路ユニット26は、メカニカルバックアップ27に対し、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結させる指示信号を出力する。
メカニカルバックアップ27は、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結し、入力側ステアリング軸3から出力側ステアリング軸10への力の伝達を確保する機構である。ここで、メカニカルバックアップ27に対しては、通常時には、コントロール/駆動回路ユニット26から、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結しない状態を指示している。そして、操舵系統におけるフェールの発生により、操舵角センサ4、操舵トルクセンサ5および転舵アクチュエータ8等を介することなく操舵操作を行う必要が生じた場合に、入力側ステアリング軸3と出力側ステアリング軸10とを連結させる指示が入力する。
なお、メカニカルバックアップ27は、例えばケーブル式ステアリング機構や電磁クラッチ機構等によって構成することができる。
そして、コントロール/駆動回路ユニット26は、図1に示すように、操舵反力アクチュエータ6を制御する操舵反力制御部40と転舵アクチュエータ8を制御する転舵制御部50とを備えている。
操舵反力制御部40には、操舵トルクセンサ5で検出した操舵トルクTs、タイロッド軸力センサ16で検出した路面から前輪17FR,17FLの回転軸方向に作用する横力による転舵反力Frと、転舵アクチュエータ回転角センサ9から転舵アクチュエータ8の回転角δmとが入力される。また、操舵反力制御部40には、操舵角センサ4で検出したステアリングホイール2の操舵角θsが入力される。
そして、操舵反力制御部40は、操舵トルクTs、転舵反力Fr及び転舵アクチュエータ8の回転角δmに基づいて入力側ステアリング軸3に付与する目標操舵反力トルクTRを演算する。さらに、操舵反力制御部40は、演算した目標操舵反力トルクTRに基づいて操舵反力アクチュエータ6のトルク制御を行う。
ここで、操舵反力制御部40では、図2に示す操舵反力制御処理を実行する。この操舵反力制御処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1で、操舵トルクTs、操舵反力Fr、転舵アクチュエータ8の回転角δm、操舵角θsを読込んでからステップS2に移行する。
このステップS2では、操舵トルクTs、操舵反力Ft及び転舵アクチュエータ8の回転角δmに基づいて操舵反力TRを算出してからステップS3に移行する。
このステップS3では、転舵輪がフル転舵状態に達したか否かを判定する。このフル転舵状態に達したか否かの判定は、図3に示すように、操舵角θs及び転舵トルクTrに基づいて操舵角θsが最大操舵角θsmaxに達し、且つ操舵トルクTrがフル転舵操舵力Trmaxに所定値α(例えば+10N)を加えたフル転舵閾値Trthに達したときにフル転舵状態であると判定する。
ステップS3の判定結果がフル転舵状態に達していないときには、ステップS4に移行して、前述したステップS2で算出した算出した操舵反力TRに基づいて操舵反力アクチュエータ6を駆動する操舵反力電流を算出し、算出した操舵反力電流を操舵反力アクチュエータ6に出力してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
一方、ステップS3の判定結果がフル転舵状態に達しているときには、ステップS5に移行して、それ以上のステアリングホイール2の操舵を規制するために、操舵反力アクチュエータ6に対してロック制御信号を出力し、ロック機構を作動させてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
また、転舵制御部50は、図4に示すように、目標転舵角演算部51及びアクチュエータ制御部52を備えている。
目標転舵角演算部51は、操舵角センサ4で検出した操舵角θs及び車両状態パラメータ取得部21で取得した車速Vが入力され、これら操舵角θs及び車速Vに基づいて転舵アクチュエータ8を駆動するための目標転舵角δを算出する。ここで、目標転舵角演算部51は、ステアリングホイール2の操舵角θs及び転舵輪17FR,17FLの転舵角δrの関係を表す舵角比特性を設定した、図6に示す走行時舵角比特性制御マップ及び図7に示す停車時舵角比特性制御マップを記憶しており、車両走行状態を表す車速Vが走行状態を表すか停車状態を表すかに基づいて走行時舵角比特性制御マップ及び停車時舵角比特性制御マップを選択し、操舵角θsをもとに選択した制御マップを参照して目標転舵角δ*を算出する。
走行時舵角比特性制御マップは、図6に示すように、操舵角θsの増加に比例して目標転舵角δ*が増加するように舵角比(=δr/θs)を“1”とした実線図示のフル転舵まで直線的な特性線L1が設定されている。このように、特性線L1を直線的に設定する理由は、自動車1の走行状態では、転舵輪17FR及び17FLに対する路面抵抗が小さくなり、転舵輪17FR及び17FLを転舵するための転舵力が少なくて済み前述したように、転舵トルクが据え切り時のフル転舵に必要な転舵トルクより小さい転舵アクチュエータ8でもフル転舵に達する転舵トルクを発生できるためである。
これに対して、停車時舵角比特性制御マップは、図7に示すように、操舵角θsが中立位置からフル転舵の半分程度に設定された閾値θsthに達するまでは走行時舵角比特性制御マップの一点鎖線図示の特性線L1に沿う舵角比(=δr/θs)が“1”となる直線部L21に設定されている。そして、操舵角θsが閾値θsthを超えると、舵角比(=δr/θs)が例えば“0.3”程度となって、ステアリングホイール2をフル転舵位置まで操舵したときに、転舵アクチュエータ8で発生する最大転舵トルク即ち最大ラック軸力FRmaxで転舵輪17FR及び17FLの転舵角δrがフル転舵角δrmaxより小さいδrmax′となる直線的な特性線L22が設定されている。
この目標転舵角演算部51では、図5に示す舵角比特性制御処理を所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行する。この舵角比特性制御処理は、先ず、ステップS11で、操舵角θs、転舵角δr、車速V、操舵トルクTs及び転舵トルクTrを読込んでからステップS12に移行する。
このステップS12では、車速Vの絶対値が“0”より大きいか否かを判定することにより、自動車1が走行状態であるか停車状態であるかを判定し、|V|>0であるときには自動車1が走行状態であると判断してステップS13に移行し、操舵角θsをもとに、図6に示す走行時舵角比特性制御マップを参照しても目標転舵角δを算出してからステップS14に移行する。
このステップS14では、目標転舵角δから現在の転舵角δrを減算した舵角偏差Δδ(=δ−δr)が予め設定して舵角偏差閾値Δδsを超えているか否かを判定する。ここで、舵角偏差閾値Δδsは、転舵角δrの増加がドライバに感知できない程度の最大値に設定されている。
このステップS14の判定結果が、δ−δr>Δδsであるときには、目標転舵角δの変化が大きくするものと判断してステップS5に移行し、現在の転舵角δrに舵角偏差閾値Δδsを加算した値を目標転舵角δに設定してからステップS16に移行する。
一方、ステップS14の判定結果が、δ−δr≦Δδsであるときには、目標転舵角δの補正が必要ないものと判断して直接ステップS16に移行する。
ステップS16では、算出した目標転舵角δをアクチュエータ制御部52に出力してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
一方、前記ステップS2の判定結果が、|V|≦0であるときには、自動車1が停車状態であるものと判断してステップS17に移行し、転舵角δrが変化しているか否かを判定する。このステップS17の判定結果が、前回読込時の転舵角δr(n-1)と今回読込時の転舵角δr(n)との偏差Δδrが設定値Δδrs以上であって転舵角δrが変化しているものと判断したときにはステップS18に移行して、転舵角δr及び転舵トルクTrに基づいて路面摩擦係数μを算出してからステップS19に移行する。
このステップS19では、路面摩擦係数μが予め設定した低摩擦係数閾値μs(例えばμs=0.7)以下であるか否かを判定し、μ≦μsであるときには路面が凍結路、雪路、降雨路、砂利路等の路面摩擦係数μが小さく、転舵輪17FR及び17FLの転舵力が少なくて済むものと判断して前記ステップS13へ移行する。
一方、ステップS19の判定結果が、μ>μsであるときには、乾燥したコンクリート路、アスファルト路であり、路面摩擦係数μが大きく転舵輪17FR及び17FLの転舵力が大きくなって転舵アクチュエータ8の負荷が大きいものと判断してステップS20に移行する。
また、前記ステップS17の判定結果が、転舵角δrが変化していないときには直接ステップS20に移行する。
ステップS20では、前述した図2の操舵反力制御処理におけるステップS3と同様に、操舵角θs及び操舵トルクTsに基づいてフル転舵状態であるか否かを判定し、フル転舵状態ではないときにはステップS21に移行する。
このステップS21では、操舵角θsをもとに図7の停車時舵角比特性制御マップを参照して目標転舵角δを算出してから前記ステップS16へ移行する。
また、ステップS20の判定結果が、フル転舵状態であるときにはステップS21に移行し、操舵角θsをもとに前述したステップS13と同様に走行時舵角比特性制御マップを参照して目標転舵角δが算出してから直接前記ステップS16に移行する。
また、アクチュエータ制御部52は、転舵角偏差Δδを算出する転舵角偏差演算部61と、転舵モータ制御部62と、電流偏差演算部63とモータ電流制御部65とを備えている。
転舵角偏差演算部61は、目標転舵角演算部51から出力される目標転舵角δからピニオン角度センサ13で検出したピニオン回転角に基づいて算出される転舵角δrを減算して舵角偏差Δδを算出し、算出した舵角偏差Δδを転舵モータ制御部62に出力する。
転舵モータ制御部62は、入力される転舵角偏差Δδが零となるようにアクチュエータ8を構成する転舵モータ8aの駆動指令電流imを算出し、算出した駆動指令電流imを電流偏差演算部63に出力する。
電流偏差演算部63は、入力される駆動指令電流imから転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aに供給するモータ電流を検出するモータ電流検出部64から出力されるモータ電流imrを減算して電流偏差Δiを算出し、算出した電流偏差Δiをモータ電流制御部65に出力する。
モータ電流制御部65は、入力される電流偏差Δiが零となるように、すなわち、実際のモータ電流imrが駆動指令電流imに追従するようにフィードバック制御し、転舵モータ駆動電流imrを転舵モータ8aに出力する。
(動作)
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、自動車1が、図8(b)に示すように、時点t1で車速Vが零で乾燥したコンクリート路のように路面摩擦係数μが設定値μsより大きな高摩擦係数路で停車しているとともに、ステアリングホイール2を操舵しておらず、このステアリングホイール2が中立位置にあり、転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aが転舵輪17FR及び17FLを直進走行状態となる転舵角δrが“0”となる回転角δmで停止しているものとする。
この自動車1の停車状態では、転舵制御部50における目標転舵角演算部51で、図5の舵角比特性制御処理を実行する。この舵角比特性制御処理では、先ず、操舵角θs、転舵角δr、車速V、操舵トルクTs、転舵トルクTrを読込む(ステップS11)。次いで、車速Vが零であるので、ステップS12からステップS17に移行し、ステアリングホイール2が中立位置にあって転舵角δrが変化していないので、ステップS20に移行する。
このとき、操舵角θsが零であることからステップS20からステップS21に移行し、図7に示す停車時舵角比特性制御マップを選択し、操舵角θsをもとに停車時舵角特性制御マップを参照して目標転舵角δ*を算出する。このとき、停車時舵角比特性制御マップは、図7に示すように、操舵角θsが零から閾値θsthに達するまでの間は図6に示す走行時舵角比特性制御マップの特性線L1と同様の舵角比(=δr/θs)が“1”となる特性線L21が設定されている。
このため、目標転舵角δが操舵角θsに一致することになり、δ=0となる。この目標転舵角δがアクチュエータ制御部52に出力される。このアクチュエータ制御部52では、転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aが回転角δmが“0”で停止しているので、転舵角偏差演算部61から出力される転舵角偏差Δδも“0”となり、転舵モータ制御部62から出力されるモータ電流指令値imも“0”となる。このとき、転舵モータ8aが停止しており、モータ電流検出値imrも“0”であることから電流偏差演算部63から出力される電流偏差Δiも“0”となる。このため、モータ電流制御部65から出力されるモータ電流imも“0”に制御され、転舵モータ8aは停止状態を継続する。
この自動車1の停車状態における非操舵状態では、操舵反力制御部40で実行される図2の操舵反力制御処理では、操舵トルクTs、転舵反力Fr及び転舵モータ8aの回転角δmがそれぞれ零となる。このため、ステップS2で算出される操舵反力トルクTRも零となり、操舵角θsが零であってフル転舵状態ではないので、ステップS3からステップS4に移行して操舵反力トルクTRに基づく“0”の操舵反力電流Irが算出される。この操舵反力電流Irが操舵反力アクチュエータ6に供給されるので、操舵反力アクチュエータ6も停止状態を維持し、ステアリングホイール2に負荷される操舵反力も“0”となる。
この状態から、時点t2で、ステアリングホイール2を例えば右切りする据え切りを行うと、図8(a)に示すように、操舵角θsが中立位置の“0”から正方向に増加する。
このとき、これに伴って図7の停車時舵角比特性制御マップを参照して算出される目標転舵角δ*も走行時舵角比特性制御マップの特性線L1と同様に舵角比(=δr/θs)を“1”に維持して増加する。このため、ステアリングホイール2の操舵角θsと転舵輪17FR及び17FLの転舵角δrとが一致した状態で転舵輪17FR及び17FLが転舵されて据え切りが行われる。
これと同時、操舵反力制御部40で操舵トルクTs、転舵反力Fr及び転舵アクチュエータ8の回転角δmに基づいて据え切り時に必要な操舵反力トルクTRを算出し、算出した操舵反力トルクTRに応じた操舵反力アクチュエータ電流irを算出する。この操舵反力アクチュエータ電流irが操舵反力アクチュエータ6に供給されて、この操舵反力アクチュエータ6でステアリングホイール2に対する操舵反力トルクが発生される。
このように、転舵輪17FR及び17FRが転舵されることにより、転舵角δrが変化し、舵角比特性制御処理でステップS17からステップS18に移行して、転舵角δrと転舵トルクTrに基づいて路面摩擦係数μが算出される。ここでは、高摩擦係数路に停車しているので、転舵トルクTrが大きな値となることから路面摩擦係数μが設定値μsより大きな値となり、ステップS19からステップS20に移行し、前述した停車時舵角比特性制御マップによる目標転舵角δの算出が継続され、据え切りが継続される。
その後、時点t3で操舵角θsが閾値θsthを越えると、停車時舵角比特性制御マップで特性線L21から特性線L22に切り換わることにより、舵角比(=δr/θs)が“0.3”程度に抑制される。このため、転舵角δrの増加量が操舵角θsの増加量に比べて小さくなり、転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aで発生する転舵トルクが抑制された状態で据え切りが継続される。
その後、ステアリングホイール2の操舵を操舵角θsがフル転舵状態に達する前に停止させると、これに応じて転舵輪17FR及び17FLの転舵角δrの増加も停止する。その後、時点t5で図8(b)に示すように自動車1を前進又は後退させると、これに応じて車速Vの絶対値|V|が“0”から増加する。
このため、転舵制御部50で実行する図5の舵角比特性制御処理で、ステップS12からステップS13に移行して、図6に示す走行時舵角比特性制御マップを参照して目標転舵角δ*(n)を算出する。このため、目標転舵角δ*(n)が前回の停車時舵角比特性制御マップで算出される目標転舵角δ*(n-1))に対して舵角比(=δr/θs)が大きくなることにより急増する。
しかしながら、算出された目標転舵角δ(n)に対して実際の転舵角δrが小さい値となっているので、ステップS14でδ−δr>Δδsと判断されることにより、目標転舵角δが現在の転舵角δrに設定値Δδsを加えた値に抑制され、この目標転舵角δがアクチュエータ制御部52の転舵角偏差演算部61に出力される。
このため、転舵角δrが図8(a)で一点鎖線図示のように、車両の発進に伴って徐々に増加し、転舵角δrが走行時舵角比特性制御マップで算出される目標転舵角δに近づいてδ−δr≦Δδsとなると、ステップS14から直接ステップS16に移行することから、走行時舵角比特性制御マップで算出される目標転舵角δがそのままアクチュエータ制御部52の転舵角偏差演算部61に供給される。
したがって、以後、転舵輪17FR及び17FLの転舵角δrが走行時舵角比特性制御マップで算出される目標転舵角δにしたがって制御される。この自動車1の走行状態では、路面反力が据え切り時に比較して十分に小さくなるので、転舵トルクを抑制した転舵モータ8aでフル転舵状態に達する転舵トルクを発生することができる。
このように、停車時舵角比特性制御マップを参照して算出される目標転舵角δが操舵角θsに対して舵角比が抑制される操舵状態で、自動車1の前進又は後退の走行が開始されると、短時間で走行時舵角比特性マップで算出される目標転舵角δに切換えられるので、旋回半径が制限されていることをドライバが感知することなくスムーズに通常の旋回半径に移行することができる。このため、据え切り状態から走行を開始する車庫入れ時、縦列駐車時、発進時に走行方向に障害物を避ける操舵が必要な発進時にドライバに違和感を与えることなく転舵制御を行うことができる。
また、据え切り時のステアリングホイール2の操舵角θsが閾値θsth以下である状態では、図7に示す停車時舵角比特性制御マップの特性線L21が図6に示す走行時舵角比特性制御マップの特性線L1と等しく設定されているので、自動車1が前進又は後退する走行を開始したときに、停車時舵角比特性制御マップで算出される目標転舵角δと走行時舵角比特性制御マップで算出される目標転舵角δとが等しくなる。このため、据え切り状態のまま走行を開始しても算出される目標転舵角δ急変することなく転舵制御を継続することができる。
据え切り時に、ステアリングホイール2の操舵角θsがフル転舵時の最大操舵角θsmaxに達し、且つ操舵トルクTsがフル転舵時の最大発生トルクTsmaxに所定値α(例えば+10N)を越える値に達すると、図5の舵角比特性制御処理で、ステップS20からステップS22に移行して、走行時舵角比特性制御マップを参照して目標転舵角δがフル転舵時の最大転舵角δrmaxに対応する値に設定される。
しかしながら、転舵アクチュエータ8を構成する転舵モータ8aではフル転舵に必要とする最大転舵トルクを発生できないので、転舵輪17FR及び17FLの転舵角δrは最大転舵角δrmaxを下回ったままとなる。
このとき、操舵反力制御部40では、図2の操舵反力制御処理を実行して、ステップS3からステップS5に移行することにより、ステアリングホイール2の操舵を規制するために、操舵反力アクチュエータ6に対してロック制御信号を出力し、ロック機構を作動させる。このため、ステアリングホイール2の最大操舵角θsmax以上の回転が停止される。
この状態で、自動車1を前進又は後退させることにより、走行による路面反力の低下にしたがって、転舵輪17FR及び17FLが最大転舵角δrmaxまで短時間に転舵される。このため、自動車1の旋回半径が直ちにドライバの意図するフル転舵の旋回半径に移行することになり、ドライバに違和感を与えることがない。
さらに、自動車1が凍結路、雪路、降雨路、砂利路等の低摩擦計数路面に停車している場合には、ステアリングホイール2を操舵していない状態では、前述した図5の舵角比特性制御処理でステップS12からステップS17を経て直接ステップS20に移行する。
しかしながら、ステアリングホイール2を操舵することにより、転舵輪17FR及び17FLの転舵角δrが増加したときに、ステップS17からステップS18に移行して、転舵角δr及び転舵トルクTrに基づいて路面摩擦係数μが算出される。このとき算出される路面摩擦係数μが設定値μs以下となることにより、ステップS19からステップS13へ移行し、図6に示す走行時舵角比特性制御マップを参照して目標転舵角δが算出される。
この低摩擦係数路面では、路面反力が小さいことにより、転舵トルクが抑制された転舵モータ8aでも十分にフル転舵となる最大転舵角δrmaxまで転舵することができる。
そして、低摩擦係数路面での停車状態から自動車1を前進又は後退させて車速VがV>0となると、同じ走行時舵角比特性制御マップを参照して目標転舵角δを算出し、転舵角δrと目標転舵角δとの差が設定値Δδsより小さくなるので、目標転舵角δがそのままアクチュエータ制御部52の転舵角偏差演算部61に出力されて転舵輪17FR及び17FLが転舵制御される。
このため、転舵輪17FR及び17FLの転舵角δrがフル転舵状態でも大きく変化することなくドライバの意図する転舵角で発進することができる。
ここで、本実施形態では、操舵角センサ4が操舵状態検出部に対応し、車輪速センサ7FL〜7RR及び車両状態パラメータ取得部21が走行状態検出部に対応し、図5のステップS18の処理が路面摩擦係数検出部に対応している。
(第1実施形態の効果)
(1)自動車1が停車時であるか走行時であるかの走行状態に応じて、転舵制御部によってステアリングホイールの操舵角と転舵輪の転舵角との関係を表す舵角比特性である少なくとも停止時舵角比特性及び走行時舵角比特性の一方を選択して転舵輪を転舵する転舵機構を制御し、停止時舵角比特性は、前記操舵角が閾値に達するまでは前記走行時舵角比特性と同じ舵角比特性に設定され、操舵角が閾値を超えたときに前記走行時舵角比特性よりも前記舵角比が小さくなる舵角比特性に設定されている。
このため、据え切り時であっても過大な操舵トルクを発生させる必要が無く、従って、転舵モータ8aに必要な最大トルクは小さめで済む。したがって、転舵モータ8a自体の小型・軽量化にとって有利である。しかも、停止時舵角比特性がステアリングホイールの操舵角が閾値に達するまでの間は走行時舵角比特性に沿う舵角比特性に設定されているので、操舵角が閾値に達するまでの間の操舵状態で自動車を発進させたときに、舵角比特性に変化を生じることがなく、停車時舵角比特性から走行時舵角比特性への切り換えを円滑に行うことができる。
(2)前記転舵輪の最大転舵状態を検出する最大転舵状態検出部を備え、前記舵角比特性制御部は、前記停車時舵角比特性を選択している場合に、前記最大転舵状態検出部で最大転舵状態を検出したときに、前記走行時舵角比特性を選択する。
この構成によれば、ドライバが最大転舵状態を意図している場合に、停車時に転舵モータの転舵トルクが不足するときに、走行開始時の路面抵抗の低下とともに転舵輪の転舵角をステアリングホイールの操舵角に追従させることができ、ドライバに取り回しの違和感を与えることなく最大転舵角に移行させることができる。したがって、ドライバに過度の操舵負担を強いることを防止することができる。
(3)路面摩擦状態を検出する路面摩擦検出部を備え、舵角比特性制御部は、前記路面摩擦検出部によって前記転舵機構で必要とする操舵トルクが通常時の操舵トルクより小さくなる低摩擦係数路面を検出したときに、前記停車時舵角比特性の選択を中止する。
この構成によれば、転舵モータの転舵トルクか小さい場合でも、低摩擦係数路での停車時に、据え切り操舵を行った場合に、転舵角を最大転舵角まで切り増すことができる。
(4)前記走行時舵角比特性及び前記停車時舵角比特性のそれぞれは、前記操舵角及び前記転舵角の関係を表す制御マップとして設定され、前記舵角比特性制御部は、前記操舵角をもとに前記制御マップを参照して目標転舵角を算出する。
この構成によれば、走行状態に応じて走行時舵角比特性制御マップ及び走行時舵角比特性制御マップの何れかを選択することにより、操舵角に応じた目標転舵角を容易且つ迅速に算出することができる。
(5)前記転舵機構は、前記ステアリングホイールと前記転舵輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構である。
この構成によれば、舵角比特性の調整を容易に行うことができる。
(6)前記転舵機構は、前記転舵輪を転舵させるための駆動力を発生する電動モータと、該電動モータで発生する駆動力を前記転舵輪に伝達する駆動力伝達部とを備えている。
この構成によれば、電動モータを転舵制御部で制御することにより、舵角比の調整を容易に行うことができる。
(変形例)
第1実施形態では、ステアバイワイヤ式の転舵機構12を備えた自動車1に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ステアリングホイール2と前輪17FR、17FLとが機械的に連結され、前輪17FR、17FLに対して、ステアリングホイール2を操舵することにより発生する操舵トルクと、操舵補助モータによって発生する操舵補助トルクとが加わるようになっている電動パワーステアリング装置を備えた自動車であっても、本発明は適用可能である。即ち、舵角比を複数のギヤを利用して可変する舵角比可変機構を設けて、この舵角比可変機構を上記第1実施形態と同様に転舵制御部で制御することで、据え切り時に発生させる操舵トルクが小さくて済むようになり、操舵補助モータの小型化に寄与できる。
また、上記第1実施形態では、車輪速センサ24FL〜24RRから供給される車輪速検出信号に基づいて車速Vを求めるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、自動車1に発生する前後方向加速度を検出し、その前後方向加速度を積分して車速Vを算出することも可能である。また、その前後方向加速度に基づいて自動車1の停車状態及び走行状態を判断するようにしてもよい。
さらに、上記第1の実施形態では、転舵反力をタイロッド軸力センサ16で検出したタイロッド軸力を操舵反力として検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、前輪17FR及び17FLにハブ横力センサを内蔵させて前輪17FR,17FLの回転軸方向に作用する横力による転舵反力Frを検出するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、停車時舵角比特性が図7に示すように直線状の特性線L22を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図9(a)に示すように、時間の経過とともに舵角比の変化率(dθs/dδr)を図9(b)に示すように小さくして時間の経過とともに増加する二次曲線L23とするようにしてもよい。
(効果)
このように特性線L23を二次曲線とすることにより、特性線L21と二次曲線L23との切換点での舵角比変化を滑らかにすることができ、ドライバに舵角比変化を感知しにくくすることができる。
1…車両、1A…車体、2…ステアリングホイール、3…入力側ステアリング軸、4…操舵角センサ、5…操舵トルクセンサ、6…操舵反力アクチュエータ、7…操舵反力アクチュエータ角度センサ、8…転舵アクチュエータ、8a…転舵モータ、9…転舵アクチュエータ角度センサ、10…出力側ステアリング軸、11…転舵トルクセンサ、12…ピニオンギヤ、13…ピニオン角度センサ、14…ラック軸、15…タイロッド、16…タイロッド軸力センサ、17FR,17FL,17RR,17RL…車輪、18…ナックルアーム、19…ボールジョイント、20…ドライブシャフト、21…車両状態パラメータ取得部、24FR,24FL,24RR,24RL…車輪速センサ、26…駆動回路ユニット、27…メカニカルバックアップ、40…操舵反力制御部、50…転舵制御部、51…目標転舵角演算部、52…アクチュエータ制御部、61…転舵角偏差演算部、62…転舵モータ制御部、63…電流偏差演算部、64…電流センサ、65…モータ電流制御部

Claims (7)

  1. ステアリングホイールの操舵状態を検出する操舵状態検出部と、
    車両の走行状態を検出する走行状態検出部と、
    転舵輪を転舵する転舵機構と、
    前記ステアリングホイールの操舵角及び前記転舵輪の転舵角の関係を表す舵角比特性を、少なくとも車両走行時の走行時舵角比特性と車両停車時の停車時舵角比特性とに分けて設定し、前記走行状態検出手段が検出した前記走行状態に基づいて、前記走行時舵角比特性及び前記停車時舵角比特性の何れかを選択して前記転舵機構を制御する転舵制御部とを備え、
    前記停車時舵角比特性は、前記操舵角が閾値に達するまでは前記走行時舵角比特性と同じ舵角比特性に設定され、操舵角が閾値を超えたときに前記走行時舵角比特性よりも舵角比が小さくなる舵角比特性に設定されている
    ことを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記転舵輪の最大転舵状態を検出する最大転舵状態検出部を備え、前記舵角比特性制御部は、前記停車時舵角比特性を選択している場合に、前記最大転舵状態検出部で最大転舵状態を検出したときに、前記走行時舵角比特性を選択することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 路面摩擦状態を検出する路面摩擦検出部を備え、前記舵角比特性制御部は、前記路面摩擦検出部によって前記転舵機構で必要とする操舵トルクが通常時の操舵トルクより小さくなる低摩擦係数路面を検出したときに、前記停車時舵角比特性の選択を中止することを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵制御装置。
  4. 前記停車時舵角比特性は、前記操舵角が前記閾値を超えたときに、操舵角に対する転舵角の変化率を徐々に増加させる二次曲線に設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の操舵制御装置。
  5. 前記走行時舵角比特性及び前記停車時舵角比特性のそれぞれは、前記操舵角及び前記転舵角の関係を表す制御マップとして設定され、前記舵角比特性制御部は、前記操舵角をもとに前記制御マップを参照して目標転舵角を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の操舵制御装置。
  6. 前記転舵機構は、前記ステアリングホイールと前記転舵輪との間が機械的に分離されたステアバイワイヤ式の転舵機構である請求項1から5のいずれか1項に記載の操舵制御装置。
  7. 前記転舵機構は、前記転舵輪を転舵させるための駆動力を発生する電動モータと、該電動モータで発生する駆動力を前記転舵輪に伝達する駆動力伝達部とを備えている請求項6に記載の操舵制御装置。
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