JP2007326576A - 車両用可変舵角比操舵装置 - Google Patents

車両用可変舵角比操舵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の取扱い性を一層改善する可変舵角比操舵装置、特に、操舵輪の切り過ぎを抑制したい状況に於いて、車両の制御に要する運転者の負担を軽減し得る車両用可変舵角比操舵装置を提供する。
【解決手段】操舵入力角と操舵出力角との比である舵角比を変更可能な車両用可変舵角比操舵装置を備え、転舵可能輪の横力使用率を検出する横力使用率算出手段46を設け、横力使用率算出手段46によって検出される横力使用率が1に近づいたときに舵角比を増大させ、操舵輪の切り過ぎを抑制する。
【選択図】図15

Description

本発明は、操向車輪の転舵角度に対する操舵輪の操舵角度の割合、すなわち舵角比を変化させることのできる車両用可変舵角比操舵装置に関する。
近時、自動車用操舵装置において、操作性の向上を目的とする手段の一つとして、舵角比を可変にした機構を設けたものがある。そのような舵角比可変機構によれば、低速域又は大舵角域では、操舵に要する力を低減し、高速域又は小舵角域では、走行安定性を高めることができる。
このような舵角比可変機構は、通常、大舵角域では、舵角比を小さく、即ち操舵輪の与えられた回転角に対して、操向車輪の転舵角が比較的大きくなるようにし、小舵角域では、舵角比を大きく、即ち操舵輪の与えられた回転角に対して、操向車輪の転舵角が比較的小さくなるようにしている。
このようにして、通常転舵角が小さい高速域では転舵角を正確に制御し、転舵角が大きくなり得る低速域では迅速な転舵を可能とすることにより、あらゆる車速に於いて車両の取扱い性を改善することができる車両用可変舵角比操舵装置が既に提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平7−257406号公報
本願発明者の知見によれば、上記車両用可変舵角比操舵装置に於いて、更に、特定の条件下で舵角比を変更すると、車両の取扱い性を一層改善することができる。例えば、特に積雪面、凍結路面、ウェット路面等、摩擦係数の小さい路面において、操舵輪の切り過ぎを抑制するために、舵角比を増大させると良い。
このような本願発明者の知見に鑑み、本発明の主な目的は、車両の取扱い性を一層改善する可変舵角比操舵装置、特に、操舵輪の切り過ぎを抑制したい状況に於いて、車両の制御に要する運転者の負担を軽減し得る車両用可変舵角比操舵装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明による車両用可変舵角比操舵装置は、操舵輪への操舵入力角と転舵可能輪に対する操舵出力角との比である舵角比を変更可能な車両用可変舵角比操舵装置であって、操舵入力を入力するためにケーシングに回転可能に支持された入力軸と、操舵出力を転舵可能輪に伝達するために前記ケーシングに回転可能に支持された出力軸と、操舵回転力を前記出力軸に伝達するために前記入力軸と前記出力軸との間に設けられた舵角比変更手段と、前記転舵可能輪の横力使用率を検出する横力使用率検出手段と、前記舵角比変更手段により達成されるべき舵角比を決定するための制御手段とを有し、前記制御手段は、前記横力使用率検出手段によって検出される横力使用率が1に近づいたときに前記舵角比を増大させる。
本発明による車両用可変舵角比操舵装置は、好ましくは、前記横力使用率検出手段は、駆動力と制動力に基づいて算出した転舵可能輪の前後力より最大発生横力と、操舵装置のラック軸力と転舵可能輪の舵角より転舵可能輪横力とを算出し、前記最大発生横力に対する前記転舵可能輪横力の比を横力使用率として算出する。
このように本発明によれば、操向車輪の横力使用率の増大に応じて舵角比を増大させて、切り過ぎを防止し、運転者に対する車両制御上の負担を軽減することができる。
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された自動車用操舵装置に用いられるラック&ピニオン機構の概略を示す図である。図1においては、操舵輪(ステアリングホイール)1に一体結合された操舵軸2に対し、自在継手3を有する連結軸4を介して直結されたピニオン5の回転運動(β)を、ピニオン5に噛合したラック6の直線運動(L)に変換し、ラック6の直線運動を、タイロッド7及びナックルアーム8を介して転舵可能輪である前輪9の転舵運動(θ)に変換するようになっている。
図2〜図4は、本発明が適用された自動車用操舵装置の図1におけるVで示される部分のものであり、図2に於いては、図示されていない操舵輪1に連結される入力軸11は、玉軸受12を介して上部ケーシング13aに回動自在に支持された支持部材14の偏心位置に、球軸受15を介して回転自在に支持されている。この入力軸11の下部ケーシング13b内に突入した下端部には、拡開するC字形をなすカプリング部材16が形成されており、その両側部に於いて、1対の傾斜した内側面23が画定されている。
操舵輪1の回転運動を直線運動に変換するべく、ラック6に噛合したピニオン5に一体形成された出力軸17は、一対の玉軸受18a・18bを介して下部ケーシング13bに回動自在に支持されている。出力軸17の上端の中心から偏心した位置に中間軸19が突設され、下部ケーシング13b内に突入した入力軸11のカプリング部材16の内部に受容され、かつ出力軸17に対して平行に延在している。この中間軸19と、上記入力軸11に一体形成されたカプリング部材16との間が、平型ニードル軸受20を介在させたスライダ21と、円錐ころ軸受22とを介して互いに連結されている。スライダ21は、底の開かれた箱状をなし、その側壁が下向きに拡開している。ニードル軸受20は、スライダ21の互いに対向する傾斜側壁の外面上に配置され、これらの側壁は、カプリング部材16の傾斜内側面23と平行をなす。
このようにして、一対の平型ニードル軸受20を備えたカプリング部材16の下面には、下方が拡開した傾斜内側面23により画定された溝内に受容され、入力軸11の軸線に対して直交する方向に自由に摺動し得る。またスライダ21の上壁の中心部には、円錐ころ軸受22を介して相対回動可能なように、中間軸19を受容する開口が設けられている。
入力軸11と上部ケーシング13a間には、可撓性の筒状部を有するシール部材36が設けられており、これによって装置内の気密を保持すると同時に、出力軸17に対して入力軸11が偏心していることによるケーシング13に対する横方向の運動を許容するようになっている。
下部ケーシング13bの底部に設けられた軸線方向ねじ孔にはアジャストねじ24が螺着され、該アジャストねじは、出力軸17の下端を支持する玉軸受18bのアウタレースに当接している。このアジャストねじ24を適宜に締め込むことにより、ピニオン5が軸線方向に押圧され、カプリング部材16を介した入力軸11と出力軸17間に適度なプリロードが与えられる。これによってカプリング部材16、ニードル軸受20及びスライダ21からなるカプリングアセンブリのがたを除去して連結剛性を向上させることができる。
図4に良く示されるように、支持部材14の外周部の一部には、扇形の部分的ウォームホイル25が形成されている。このウォームホイル25には、ウォーム減速機構26を介したモータ27にて駆動されるウォーム28が噛合しており、支持部材14に対して所定の角度範囲に渡る回動運動を与えることができるようになっている。
なお、このウォーム28は、偏心カムを応用したバックラッシュ除去部材29を介して上部ケーシング13aに支持されており、バックラッシュ除去部材29の端部に設けられた六角孔30に六角棒レンチを係合させてこれを上部ケーシング13aに対して回動させることにより、その軸心が移動してウォームホイル25との噛み合い隙間が変化するようになっている。
上部ケーシング13aに設けられた開口に嵌入しているゴム又は樹脂製のキャップを取り外すことにより、バックラッシュ除去部材29を暴露し、六角孔30へのアクセスを可能にすることができる。また、このウォーム28の軸心の移動を許容するために、ウォーム28とウォーム減速機構26との間は、オルダム継手31を介して連結されている。
上部ケーシング13aには、支持部材14の上面に突設されたピン32に係合して支持部材14の回動角度を検出するために、差動トランス等からなる変位センサ33が取り付けられている。また、車両の適所には、車速Vを検出するための車速センサ34が取り付けられている。
本装置は、変位センサ33が発する支持部材14の回動量、即ちこれに支持された入力軸11の出力軸17に対する偏心量信号と、車速センサ34が発する走行速度信号とを制御装置35に入力し、走行速度に対応して設定された目標偏心量と変位センサ33からの実偏心量とを一致させるように、フィードバック制御にてモータ27の制御が行われる。また、制御装置35には、操舵角αを検出する舵角センサ36から出力信号が入力するようになっている。
このようにして構成された可変ギア比操舵装置の作動原理について以下に説明する。図2から図4に示されるように、支持部材14が入力軸11に対して偏心していることから、支持部材14の回転に伴い、入力軸11の軸心がA0〜A2により示される範囲を移動する。このように、入力軸11と出力軸17との間の偏心量aを適宜変更することにより、以下に説明するように、入力軸11及び出力軸17の回転角の間に或る差を生じさせることができる。
入力軸11の軸心と出力軸17の軸心との間の偏心量aを、a0〜a2(0=a0<a1<a2)により示される範囲に渡って連続的に変化させることにより、出力軸17の回動角(出力角=β)に対する入力軸11の回動角(入力角=α)の比(α/β)、即ち、舵角比を連続的に変化させることができる。
次に、図5を参照して、入力角αと出力角βとの関係を説明する。ここで、入力軸11の回転中心をA、出力軸17の回転中心をB、入力軸11と中間軸19との間の作用点をCとし、BC間寸法をb、入力軸11と出力軸17との間の偏位量(AB間寸法)をa、入力軸11の回転角度(操舵輪操舵角)をα、出力軸17の回転角度(ピニオン回転角)をβとする。入力軸11を角度α回動させたときの入力軸11と出力軸17との間の作用点の位置をPとする。
AP・sinα=b・sinβ
AP・cosα+a=b・cosβ
であるから、
tanα=b・sinβ/(b・cosβ−a)
即ち、
α=tan−1(b・sinβ/b・cosβ−a)
が得られる。
入力軸11を点Aの周りに角度α回転させると、中間軸19は、入力軸11のカプリング部材16のスライダ21とのクランク係合により、出力軸17の軸心、即ち点Bの周りで角度β回転する。図5から明らかなように、入力角αがα1に増大し、出力角βがβ1に増大すると、作用点がQに移動し、以下に詳しく説明するように、与えられた入力角の増分に対する出力角の増分が増大する。ここで、支持部材14を回動させ、出力軸17の軸心が点A0にあり、点A及びBが一致した、即ち入力軸11と出力軸17とが互いに整合した状態にすると、これらは互いに同一の角度、即ち一体的に回動する。この関係が、図6の一点鎖線a0により示されている。
支持部材14を回動させ、入力軸11の軸心が中間位置に達し、点A及びBが、図5に示される一般的な位置にある状態では、出力角βは、入力角αとともに、図6の太い実線a1により示されるように変化する。即ち、与えられた入力角αの増分に対する出力角βの変化は、低速域で小さく、入力角αが増大するにつれて増大する。車速が増大し、支持部材14を更に回動させると、入力軸11と出力軸17との間の偏心量が最大化し(点A及びB間の距離が最大化し)、図6の細い実線a2により示されるように、このような傾向が一層顕著となる。
このようにして、低速域では、操舵輪の操舵角度(入力角)αに対するラックストロークLを在来の操舵装置に比して大きく設定して、より一層敏感(シャープ)な特性を実現でき、高速域では操舵輪の操舵角度αに対するラックストロークLを在来の操舵装置に比して小さくしてより一層鈍感(安定)な特性を実現できる。極端な低速域は別として、与えられた車速に於いて、入力角が小さいときは、入力角の増分に対する出力角の増分が小さく、入力角の増大に伴い、入力角の増分に対する出力角の増分が漸進的に増大する。入力操舵角とラックストロークとの関係は、車速に応じて、図7の太い実線の曲線により示される範囲に渡って変化させることができる。
要するに、本発明によれば、一般的に選択される最大操舵角(実用操舵角)と車速との関係を、図8の太い実線の曲線(y)により示されるように、細い実線の曲線(x)により示される固定舵角比操舵装置に於ける対応する関係に比較して、平坦にすることができる。
本発明の第1の実施例によれば、制御装置35は、路面の摩擦係数μに応答する。このような、制御装置35の追加の作動態様の特徴を、図9について以下に説明する。
制御装置35は、通常、所定のプログラムに従って作動するマイクロプロセッサからなり、路面状態推定手段41、舵角比算出手段42或いは舵角比実行手段43などの機能手段を備えている。路面状態推定手段41は、任意の公知の方法により路面の摩擦係数μを推定し、推定された路面摩擦係数μを舵角比算出手段42に供給し、舵角比算出手段42は、車速センサからの車速Vとステアリング舵角である操舵角αとに基づき基準舵角比指令値K及び、推定された路面摩擦係数μに基づき基準舵角比指令値Kを修正舵角比指令値K*に変更するための修正係数Rを算出する。舵角比実行手段43はモータ27を駆動し、修正舵角比指令値K*を実現する。
通常、路面摩擦係数μが比較的小さい場合には、過度な転舵を回避するために、舵角比を大きくするのが望ましい。舵角比算出手段42には、図10に示されるように、修正舵角比指令値K*を得るために基準舵角比指令値Kに乗じられるべき修正係数Rを、路面摩擦係数μの関数として与える修正係数マップM1が組み込まれている。図10に示されるように、修正係数Rは、最小値1を有し、路面摩擦係数μの減少とともに増大する。
路面摩擦係数μの推定方法については、同一出願人の特開平9−058514号公報、同9−281030号公報等を参照されたい。ここで、上記路面状態推定値μの求め方の一例を以下に示す。
路面状態推定値μは、タイヤのコーナリングパワーCpとの間に、FIALAの式(第2項まで)から、以下のように表される関係がある。
Cp=Sc(1−0.0166Sc/μW)
但し、Sc:コーナリングスティフネス
μ:路面状態推定値
W:接地荷重
したがって、タイヤのコーナリングパワーCpは、図11に示すように、路面状態推定値μが低いほど減少するので、ラック/ピニオン式操舵装置の場合、同一舵角でのラック軸力Frは、路面状態推定値μの低下に応じて小さくなる。従って路面状態推定値μは、前輪舵角δに対する実ラック軸反力Frcと、車両の設計値や実験による計測値の同定結果に基づいて内部モデルとして予め設定された基準ラック軸反力Frmとを比較すれば推定できる。
即ち、路面状態推定値μが低いほどタイヤのコーナリングパワーCpが減少する(図11参照)ので、ラック/ピニオン式の操舵装置の場合、同一舵角での路面から受けるラック軸反力は、路面状態推定値μの低下に応じて小さくなる。従って、前輪舵角並びにラック軸反力を実測し、前輪舵角に対する実ラック軸反力と、予め内部モデルとして設定された基準ラック軸反力とを比較すれば、路面状態推定値μを推定することができる。
なお、電動操舵力補助装置を用いた場合には、路面とタイヤ間の摩擦係数を、例えば装置に組み込まれた軸線方向力センサの出力信号を基に推定することができる。
次に、実ラック軸反力Frcの比較基準となる内部モデルは、以下のようにして設定する。図12に示すように、操舵輪から入力された舵角αは、ピニオンとの伝達比Npを介してラック軸のストローク量に変換される。このラック軸のストローク量に応じて前輪横すべり角γが生ずる。ここでラック軸のストローク量に対する前輪横すべり角γの伝達関数Gβ (s)は、路面状態推定値μの変化に伴うスタビリティファクタの変化によって変化する。
前輪横すべり角γにコーナリングパワーCpとトレールζ(キャスタトレール+ニューマチックトレール)とをかけることにより、キングピン回りのモーメントが得られる。ここでコーナリングパワーCp及びニューマチックトレールは、路面状態推定値μおよび接地荷重Wによって変化する。キングピン回りのモーメントを、タイヤ回転中心とラック軸中心間距離、即ちナックルアーム長rkで割ることで、モデルラック軸反力Frmが得られる。
以上から、操舵輪舵角αに対するモデルラック軸反力Frmの応答は、各諸元に基づく計算結果、或いは実車計測値からの同定結果から導き出した1つの伝達関数Gf (s)をもって記述可能であることが分かる。
上記のようにして求めた実ラック軸反力値Frcおよびモデルラック軸反力値Frmから、操舵輪舵角αの増加Δαに対する実並びにモデルラック軸反力の増加量を求め(図13参照)、車両の応答が線形に近似した舵角範囲内に於いて、実ラック軸反力増加率ΔFrc/Δαと、モデルラック軸反力増加率ΔFrm/Δαとの比ΔFrc/ΔFrmから、予め設定された路面状態推定値判定マップ(図14)を参照して路面状態推定値μを推定することができる。
そして、舵角比算出手段42では、車速V及び操舵角αに基づいて安定したコーナリングを行い得る基準舵角比指令値Kを算出すると共に、路面状態推定値μに基づいて舵角比マップM1から路面状態に応じた基準舵角比の補正値としての修正係数Rを求め、両者を掛け合わせて修正舵角比指令値K*を算出する。したがって、路面μを考慮した舵角比(ギア比)でもって操舵でき、雪上走行などの低い路面μの状態において操舵を切り過ぎてしまうことを抑制し得る。
次に、本発明の第2の実施例として、前輪横力使用率(余裕)に応じて舵角比を変化させる制御について、図15のブロック図を参照して以下に示す。なお、図15において前記図示例と同様の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
本制御にあっては、前記と同様の路面状態推定手段41からの路面状態推定値μが等価摩擦円設定手段45に入力し、その等価摩擦円設定手段45からの等価摩擦円データを横力使用率算出手段46に入力する。等価摩擦円の設定については、路面状態推定値μに基づき等価摩擦円を設定するが、等価摩擦円(楕円)の形状は、予め記憶された複数の等価摩擦円のデータから選択される。
横力使用率算出手段46には、例えば車速と吸気管負圧との関係から求めた駆動力、並びにブレーキ液圧から求めた制動力に基づいて算出した前輪の前後力Fxと、図示されないラック軸力検出手段によるラック軸力および前輪舵角に基づいて算出された前輪横力(コーナリングフォース)Fyとが入力している。
横力使用率検出手段である横力使用率算出手段46では、上記各入力データに基づいて前輪横力使用率ξを算出して舵角比算出手段47に出力している。この前輪横力使用率ξの算出については次のようにして求め得る。すなわち、設定された等価摩擦円によってタイヤが発生する最大摩擦力を算出でき、前後力による摩擦力使用分を差し引くことによって、最大発生横力を求めることができる。この最大発生横力に対する横力の比を横力使用率として設定する。
前記と同様に、舵角比算出手段47には車速Vと操舵角αとが入力しており、車速V及び操舵角αに基づき舵角比指令値Kを算出し、前輪横力使用率ξに基づき、基準舵角比指令値Kを修正舵角比指令値K*に変換する修正係数Rを算出し、得られた修正舵角比指令値K*を舵角比実行手段43に出力し、車速に基づき、かつ前輪横力使用率ξを考慮して前輪9を転舵する。舵角比算出手段47には、図16に示されるように、前輪横力使用率ξが1に近付くに連れて、即ち前輪横力の余裕が小さくなるのに従って、修正係数Rが大きく増大するように設定された舵角比マップM2が組み込まれている。このように、前輪横力使用率ξが1に近付くに連れて、即ち前輪横力の余裕が小さくなるのに従って、舵角比を増大させることにより、前輪横力使用率ξが1を超えるのを回避することができる。前輪横力使用率ξの代わりに、横Gセンサを設けて検出した横Gに基づいて算出した横G使用率を用いても同様に制御可能である。
本発明の第3の実施例によれば、制御装置は、走行レーンに対する車両の位置に応答する。本制御を行うために、車両の運転席の上部のルームミラー近傍にCCDカメラを取り付けておき、車両前方の道路を単眼視し、その画像を処理することによって本制御における道路形状の対象となる走行車線を抽出し、その画像データから車線内に於ける自車の位置並びに方向を判別する。本制御要領について、図17の車両走行説明図及び図18のブロック図を参照して以下に示す。
まず、道路形状検出手段51で、前記したCCDカメラにより撮影した車両進行方向の道路形状を通常の画像処理を行って、本制御における道路形状の検出対象としての車線RLを抽出する。その道路形状(車線RL)の情報は、最大横移動量算出手段52に入力される。CCDカメラに代えて、地図情報を備えたGPSその他のナビゲーションシステムを用いることもできる。
最大横移動量算出手段52では、車両Wが左右の両車線RL内に留まるために可能な横移動範囲を求める。なお、横移動範囲については車両Wの左右両側が対象となるが、図17における右側について示し、左側については同様であることから省略する。この最大横移動量算出手段52では、上記道路形状の検出値から、車両Wの右端とその右側の車線RLとの間の距離を算出し、それを最大横移動量Smaxとして、舵角比算出手段53に出力する。
また、横移動量予測値算出手段54にて、t秒後の車両W(図17の想像線)の横移動量予測値Sexpを求め、舵角比算出手段53に出力する。この横移動量予測値Sexpの算出は、車速V及び転舵角θの検出値から可能である。なお、時間tは、車速及び車両特性に応じて設定するが、例えば1秒前後に設定すると良い。
舵角比算出手段53では、車速V及び転舵角θに基づき基準舵角比指令値Kを算出し、それに修正係数Rを乗じる。修正係数Rを選択するためのパラメータは、上記最大横移動量Smaxと横移動量予測値Sexpとの比に基づく。この場合、図19に示されるように、そのためのマップM3は、この比が1に近づくにつれて、修正係数Rを漸進的に増大させるように設定される。
このように、レーン区画線と車両と間の間隔に対する、予想される車両の横方向の変位の比が増大するにつれて舵角比を増大させることにより、車両が走行レーンから逸脱するのが防止される。これは、車両に走行レーン内に留まろうとする傾向を与えるもので、運転者は、従来の車両に比較して、少ない労力で走行レーンを維持できることを意味する。
図20及び21に示された第4の実施例によって、同様の目的を、やや異なる構成により達成することができる。先ず、CCDカメラ等により車両の前方を監視し、t秒後の車両の目標横位置Ptar(車線RLに対する横方向の距離であって良い)をもとめ。これを、車速V及び転舵角θの検出値から算出されるt秒後の車両の横方向位置予測値Pexpと比較する。舵角比算出手段53は、車速V及び転舵角θに基づき基準舵角比指令値Kを算出し、それに修正係数Rを乗じる。修正係数Rを選択するためのパラメータは、上記目標横位置Ptarと横方向位置予測値Pexpとの間の偏差に基づく。この場合、図22に示されるように、マップは、この偏差が小さくなるにつれて、修正係数Rを漸進的に増大させるように設定される。この場合も、車両が走行レーンから逸脱することが予想される場合に舵角比を増大させることにより、車両が走行レーンから逸脱するのが防止される。これは、車両に走行レーン内に留まろうとする傾向を与えるもので、運転者は、従来の車両に比較して、少ない労力で走行レーンを維持できることを意味する。
本発明が適用された車両操舵装置の概略構成図。 本発明が適用された可変ギア比操舵装置の構成を示す断面図。 軸部の分解斜視図。 図2のIV−IV線に沿う断面図。 本可変ギア比操舵装置の作動原理を説明するための説明図。 本可変ギア比操舵装置の舵角比特性線図。 舵角比特性線図。 走行速度とハンドル回転角の関係を示すグラフ。 本発明の第1実施例に於ける路面μの状態に応じた制御のブロック図。 舵角比算出手段42での制御要領を示す図。 コーナリングパワーと路面摩擦係数との関係線図。 内部モデルの設定に関わるフロー図。 舵角量に対する車両状態量の増加線図。 路面摩擦係数の判定マップ。 本発明の第2実施例に於ける前輪横力使用率に応じて舵角比を変化させる制御のブロック図。 舵角比算出手段47での制御要領を示す図。 本発明の第3実施例に於ける車両走行説明図。 車線逸脱抑制制御を行うためのブロック図。 舵角比算出手段53での制御要領を示す図。 本発明の第4実施例に於ける車両走行説明図。 車線逸脱抑制制御を行うためのブロック図。 舵角比算出手段53での制御要領を示す図。
符号の説明
1 操舵輪
11 入力軸
13a 上部ケーシング
13b 下部ケーシング
14 支持部材
16 カプリング部材
17 出力軸
19 中間軸
35 制御装置
41 路面状態推定手段
42 舵角比算出手段
43 舵角比実行手段
44 車両
45 等価摩擦円設定手段
46 横力使用率算出手段
47 舵角比算出手段
51 道路形状検出手段
52 最大横移動量算出手段
53 舵角比算出手段
54 横移動量予測値算出手段

Claims (2)

  1. 操舵輪への操舵入力角と転舵可能輪に対する操舵出力角との比である舵角比を変更可能な車両用可変舵角比操舵装置であって、
    操舵入力を入力するためにケーシングに回転可能に支持された入力軸と、
    操舵出力を転舵可能輪に伝達するために前記ケーシングに回転可能に支持された出力軸と、
    操舵回転力を前記出力軸に伝達するために前記入力軸と前記出力軸との間に設けられた舵角比変更手段と、
    前記転舵可能輪の横力使用率を検出する横力使用率検出手段と、
    前記舵角比変更手段により達成されるべき舵角比を決定するための制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記横力使用率検出手段によって検出される横力使用率が1に近づいたときに前記舵角比を増大させることを特徴とする操舵装置。
  2. 前記横力使用率検出手段は、駆動力と制動力に基づいて算出した転舵可能輪の前後力より最大発生横力と、操舵装置のラック軸力と転舵可能輪の舵角より転舵可能輪横力とを算出し、前記最大発生横力に対する前記転舵可能輪横力の比を横力使用率として算出することを特徴とする請求項1に記載の操舵装置。
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