JP4007711B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵系に操舵補助トルクを付加するモータを有する電動パワーステアリング装置と、少なくとも操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいてモータを駆動する制御手段とを備えた車両の操舵制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライバーがステアリングホイールに入力する操舵トルクを操舵輪に伝達して該操舵輪を転舵する操舵系にモータを介在させ、このモータに操舵補助トルクを発生させてドライバーのステアリング操作をアシストする電動パワーステアリング装置は周知である。またドライバーがステアリングホイールを操作する角度(即ち操舵角)に対する操舵輪の転舵角の比である舵角比を変更可能とした可変舵角比操舵装置が、特開平7−257406号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両が高速で旋回する際に操舵角が過大になるとタイヤのグリップ力が限界を越え、スリップが発生して車両挙動が不安定になる可能性がある。タイヤのグリップ力が失われるとドライバーがステアリングホイールから受ける操舵反力が減少するため、その感覚に基づいてドライバーは車両が旋回限界に達したことを認識し、テアリングホイールを戻したり車両を減速したりして車両挙動の安定を確保することができる。
【0004】
しかしながら、タイヤのグリップ力が限界を越えてスリップが発生する前に、車両が旋回限界に接近したことをドライバーが予め認識することができれば、ステアリングホイールの戻し操作や車両の減速操作を一層的確に行って車両挙動の乱れを未然に回避することができる。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両が旋回限界に接近したことをドライバーに確実に報知できるようにして車両挙動の安定を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、操舵系に操舵補助トルクを付加するモータを有する電動パワーステアリング装置と、少なくとも操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいてモータを駆動する制御手段とを備えた車両の操舵制御装置において、車両が旋回限界に接近したことを判定する旋回限界判定手段と、ステ アリングホイールに入力される操舵角の増分に対する操舵輪の転舵角の増分の比を変更可能な舵角比可変機構とを備えてなり、両が旋回限界に接近したときには、前記制御手段が旋回限界判定手段の判定に基づいて、操舵補助トルクが増加するようにモータを駆動すると共に前記比を減少させるように前記舵角比可変機構を作動させることを特徴とする車両の操舵制御装置が提案される。
【0007】
上記構成によれば、車両が旋回限界に接近すると電動パワーステアリング装置が発生する操舵補助トルクが増加するように制御されるため、ドライバーが受ける操舵反力が低下する。その結果、ドライバーは車両が旋回限界に達してタイヤがスリップしたときと同じ感覚を受け、車両が実際に旋回限界に達する前に旋回限界に接近したことを予知することができる。これにより、ドライバーの自発的なステアリング戻し操作や減速操作を促して車両挙動の安定を確保することができる。
【0008】
また特に車両が旋回限界に接近するとステアリングホイールに入力される操舵角に対する操舵輪の転舵角の比が減少するので、前記した操舵反力の減少によりステアリングホイールが操舵角を増加させる方向に操作されても操舵輪の転舵角が急激に増加するのを抑制し、車両が旋回限界に達するのを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図12は本発明の一実施例を示すもので、図1は電動パワーステアリング装置を備えた操舵系の説明図、図2は舵角比可変機構の縦断面図、図3は電動パワーステアリング装置の制御手段の回路構成を示すブロック図、図4は操舵トルクから目標電流を検索するマップを示す図、図5は路面摩擦係数とコーナリングパワーとの関係を示すグラフ、図6は内部モデルの設定に係わるフロー図、図7は操舵角と車両状態量との関係を示すグラフ、図8はΔFrc/ΔFrmから路面摩擦係数を検索するマップを示す図、図9は旋回限界判定手段の回路構成を示すブロック図、図10は路面摩擦係数から限界操舵角を検索するマップを示す図、図11は制御開始前後の補正係数の変化を示すグラフ、図12は制御開始前後の操舵角と転舵角との関係を示すグラフである。
【0011】
図1は車両の操舵系を示すもので、ドライバーによってステアリングホイール21に入力された操舵トルクは、ステアリングシャフト22、連結軸23、舵角比可変機構32およびピニオン24を介してラック軸25に伝達され、更にラック軸25の往復動は左右のタイロッド26,26を介して操舵輪である左右の前輪WFL,WFRに伝達されて該前輪WFL,WFRを転舵する。操舵系に設けられた電動パワーステアリング装置Sは、モータ27の出力軸に設けた駆動ギヤ28と、この駆動ギヤ28に噛み合う従動ギヤ29と、この従動ギヤ29と一体のスクリューシャフト30と、このスクリューシャフト30に噛み合うとともに前記ラック軸25に連結されたナット31とを備える。
【0012】
舵角比可変機構32は、ステアリングホイール21に入力される操舵角θS の増分ΔθS に対する前輪WFL,WFRの転舵角δの増分Δδの比Δδ/ΔθS を変更するためのもので、既に公知の任意の構造のものを適用することが可能であるが、その一例を図2に基づいて説明する。
【0013】
ステアリングホイール21に接続されて該ステアリングホイール21と同速度で回転する入力軸41が、支持部材42にボールベアリング43を介して回転自在に支持される。ボールベアリング43を支持する支持部材44から延びる一対の支持ピン45,46が支持部材42に摺動自在に支持されており、一方の支持ピン45が図示せぬモータにラック・ピニオン機構47を介して接続される。従って、入力軸41、支持部材42およびボールベアリング43は支持ピン45,46の軸方向に一体で移動可能である。
【0014】
入力軸41の下端に一体に形成されたカップリング48の内部に支持されたスライダ49は、カップリング48に対して支持ピン45,46の長手方向(図中左右方向)にスライド自在である。ラック軸25に噛み合うピニオン24は2個のボールベアリング50,51を介して支持部材42に支持されており、ピニオン24の上面に突出する偏心ピン52がスライダ49に形成したピン穴491 に嵌合する。
【0015】
従って、入力軸41が図中左右方向に移動すると、スライダ49がカップリング48に対して左右にスライドし、入力軸41の軸線L1 およびピニオン24の軸線L2 の偏心量dが変化する。その結果、入力軸41の回転角に対するピニオン24の回転角の比が変化するため、ステアリングホイール21の回転角の増分(つまり操舵角θS の増分ΔθS )に対する前輪WFL,WFRの転舵角δの増分Δδの比Δδ/ΔθS が変化する。
【0016】
図1に戻り、本発明の制御手段を構成する電子制御ユニットUは、操舵トルク検出手段S1 で検出した操舵トルクTS と、操舵角検出手段S2 で検出した操舵角θS と、電流検出手段S3 で検出したモータ27の電流IM と、電圧検出手段S4 で検出したモータ27の電圧VM と、車速検出手段S5 で検出した車速Vとに基づいて電動パワーステアリング装置Sのモータ27の作動を制御する。
【0017】
図3に示すように、電動パワーステアリング装置Sの電子制御ユニットUは、目標電流設定手段M1と、モータ制御手段M2と、路面状態検出手段M3と、旋回限界判定手段M4とを備える。
【0018】
目標電流設定手段M1は、操舵トルク検出手段S1 で検出した操舵トルクTS および車速検出手段S5 で検出した車速Vに基づいてモータ27を駆動する目標電流IMSを、図4に示すマップから検索する。すなわち、目標電流設定手段M1でマップ検索される目標電流IMSは、操舵トルクTS の増加に応じて所定の上限値まで増加した後に前記上限値に保持されるもので、その増加の程度は車速Vが小さいときほど大きくなる。従って、ドライバーがステアリングホイール21に加える操舵トルクTS が大きいほど、またステアリング操作が重くなる低車速時ほど、電動パワーステアリング装置Sに大きい操舵補助トルクを発生させてドライバーのステアリング操作をアシストすることができる。
【0019】
目標電流設定手段M1が出力する目標電流IMSは、乗算手段33において後述する補正係数K1 を乗算された後に減算手段34に入力され、そこで電流検出手段S3 で検出したモータ27の電流IM を減算した偏差K1 ×IMS−IM が算出され、その偏差K1 ×IMS−IM がモータ制御手段M2に入力される。モータ制御手段M2は、前記偏差K1 ×IMS−IM を0に収束させるべく、電動パワーステアリング装置Sのモータをフィードバック制御する。
【0020】
路面状態検出手段M3は、操舵トルク検出手段S1 で検出した操舵トルクTS と、電流検出手段S3 で検出したモータ電流IM と、電圧検出手段S4 で検出したモータ電圧VM とに基づいて路面摩擦係数μを推定する。旋回限界判定手段M4は、路面状態検出手段M3で推定した路面摩擦係数μと、操舵角検出手段S2 で検出した操舵角θS とに基づいて車両が旋回限界(タイヤのグリップ力が失われる限界)に接近したか否かを判定し、旋回限界に接近したと判定されると前記補正係数K1 の値を1.0から1.5に変更する。その結果、目標電流設定手段M1で算出した目標電流IMSが補正係数K1 によって増加方向に補正されるため、電動パワーステアリング装置Sが発生する操舵補助トルクが増加し、ドライバーがステアリングホイール21から受ける操舵反力が減少する。この操舵反力の減少については、後から詳述する。
【0021】
次に、路面状態検出手段M3による路面摩擦係数μの推定の具体的手法について説明する。
【0022】
先ず、タイヤのコーナリングパワーCpは、FIALAの式(第2項まで)から、以下のように表される。
【0023】
Cp=Kc(1−0.0166Kc/μL)
但し、Kc;コーナリングスティフネス
μ;路面摩擦係数
L;接地荷重
【0024】
即ち、路面摩擦係数μが低いほどタイヤのコーナリングパワーCpが減少する(図5参照)ので、ラック・ピンオン式の操舵装置の場合、同一操舵角での路面から受けるラック軸反力は、路面摩擦係数μの低下に応じて小さくなる。従って、操舵角およびラック軸反力を実測し、操舵角に対する実ラック軸反力と、予め内部モデルとして設定された基準ラック軸反力とを比較すれば、路面摩擦係数μを推定することができる。
【0025】
実ラック軸反力Frc、即ち路面反力は、操舵トルクTS 、電動パワーステアリング装置Sのモータ電圧VM およびモータ電流IM から、以下のようにして推定することができる。
【0026】
先ず、電動パワーステアリング装置Sにおけるモータ27の出力軸トルクTM は次式で与えられる。
【0027】
M =Kt・IM −JM ・θM ”−CM ・θM ’±Tf
但し、Kt;モータトルク定数
M ;モータ電流
M ;モータの回転部分の慣性モーメント
θM ’;モータ角速度
θM ”;モータ角加速度
M ;モータ粘性係数
Tf;フリクショントルク
【0028】
ステアリングシャフト回りの粘性項、慣性項、フリクション項およびモータ回りのフリクション項は微小なので省略すると、ラック軸上の力の釣り合いは、近似的に次式で表わされる。
【0029】
R =FS +FM
=TS /rp+N(Kt・IM −JM ・θM ”−CM ・θM ’)
但し、FR ;路面からのラック軸反力
S ;ピンオンからのラック軸力
M ;モータからのラック軸力
S ;操舵トルク
rp;ピニオン半径
N;モータ出力ギヤ比
【0030】
尚、モータ角速度θM ’は、操舵角検出手段S2 で検出した操舵角θS を微分することにより求められ、モータ角加速度θM ”は、モータ角速度θM ’を微分することにより得られる。
【0031】
次に、実ラック軸反力Frcの比較基準となる内部モデルは、以下のようにして設定する。
【0032】
図6に示すように、ステアリングホイール21から入力された操舵角θS は、ピニオン24との伝達比Nを介してラック軸25のストローク量に変換される。このラック軸25のストローク量に応じて前輪横滑り角φS が生ずる。ここでラック軸25のストローク量に対する前輪横滑り角φS の伝達関数Gβ(s)は、路面摩擦係数μの変化に伴うスタビリティファクタの変化によって変化する。
【0033】
前輪横滑り角φS にコーナリングパワーCpとトレールξ(キャスタトレール+ニューマチックトレール)とを乗算することにより、キングピン回りのモーメントが得られる。ここでコーナリングパワーCpおよびニューマチックトレールは、路面摩擦係数μおよび接地荷重Lによって変化する。
【0034】
キングピン回りのモーメントを、タイヤ回転中心とラック軸中心間距離、即ちナックルアーム長rkで割ることで、モデルラック軸反力Frmが得られる。
【0035】
以上から、操舵角θS に対するモデルラック軸反力Frmの応答は、各諸元に基づく計算結果、或いは実車計測値からの同定結果から導き出した1つの伝達関数Gf(s)をもって置換可能であることが分かる。
【0036】
上記のようにして求めた実ラック軸反力値Frcおよびモデルラック軸反力値Frmから、操舵角θS の増加に対する実およびモデルラック軸反力の増加率を求め(図7参照)、車両の応答が線形に近似した舵角範囲内に於いて、実ラック軸反力増加率ΔFrc/ΔθS と、モデルラック軸反力増加率ΔFrm/ΔθS との比ΔFrc/ΔFrmから、予め設定された路面摩擦係数判定マップを参照して路面摩擦係数μを推定することができる(図8参照)。
【0037】
図9に示すように、路面状態検出手段M3で推定した路面摩擦係数μと、操舵角検出手段S2 で検出した操舵角θS とが入力される旋回限界判定手段M4は、限界操舵角算出手段M5と、除算手段M6と、微分手段M7と、補正係数出力手段M8とを備える。
【0038】
限界操舵角算出手段M5は、路面摩擦係数μを図10に示すマップに適用して限界操舵角θMAX を算出する。限界操舵角θMAX は、操舵角θS をそれ以上増加させるとタイヤがスリップする限界を与えるもので、その値は路面摩擦係数μの増加に応じて増加する。除算手段M6は、操舵角検出手段S2 で検出した操舵角θS を前記限界操舵角θMAX で除算し、その商であるθS /θMAX を補正係数出力手段M8に出力する。前記θS /θMAX に加えて、操舵角検出手段S2 で検出した操舵角θS を微分手段M7で微分して得た操舵角速度θS ′が入力される補正係数出力手段M8は、判定値|θS /θMAX +KθS ′|を算出する(Kは正の定数)。そして判定値|θS /θMAX +KθS ′|が予め設定した操舵補助トルク増加制御を開始する閾値である0.9未満のときは、車両がまだ旋回限界に接近していないと判定して補正係数K1 =1.0を出力し、判定値|θS /θMAX +KθS ′|が0.9以上のときは、車両が旋回限界に接近したと判定して補正係数K1 =1.5を出力する(図11参照)。
【0039】
尚、判定値|θS /θMAX +KθS ′|の第2項のKθS ′の機能は以下のとおりである。即ち、操舵角速度θS ′が大きい急激なステアリング操作が行われた場合には、操舵系の慣性による操舵エネルギーが大きくなって操舵角θS が過大になる可能性がある。そこでθS /θMAX にKθS ′を加算して操舵角速度θS ′が大きいときほどθS /θMAX を増加方向に補正することにより、判定値|θS /θMAX +KθS ′|が早めに0.9以上になるようにし、車両が旋回限界に接近したとの判定に遅れが生じるのを防止することができる。
【0040】
而して、判定値|θS /θMAX +KθS ′|が0.9以上になると、図11に示すように、補正係数K1 が1.0から1.5にステップ状に増加するため、目標電流設定手段M1で算出した目標電流IMSに補正係数K1 =1.5を乗算した補正後の目標電流IMSは50%増加することになる。その結果、電動パワーステアリング装置Sが発生する操舵補助トルクが50%増加し、ドライバーがステアリングホイール21から受ける操舵反力が急激に減少する。そのためにドライバーはタイヤがスリップしたときと同じ感覚を受け、車両が実際に旋回限界に達してタイヤがスリップする前に旋回限界に接近したことを予知することが可能となり、ドライバーは車両を減速したりステアリングホイール21を戻すことにより車両挙動の安定を確保することができる。
【0041】
このようにドライバーがステアリングホイール21から受ける操舵反力が急激に減少すると、ステアリングホイール21が慣性で瞬間的に操舵方向に回転してしまい、操舵角θS が更に増加して旋回限界に接近する可能性がある。しかしながら、操舵補助トルク増加制御が開始されて操舵反力が減少すると同時に、電子制御ユニットUからの指令で舵角比可変機構32が作動し、図12に示すように、ステアリングホイール21に入力される操舵角θS の増分ΔθS に対する前輪WFL,WFRの転舵角δの増分Δδの比Δδ/ΔθS が減少方向に変化するため、ステアリングホイール21が瞬間的に操舵方向に回転しても前輪WFL,WFRの転舵角δは大きく増加することがない。その結果、操舵補助トルク増加制御を開始するための閾値が実際の旋回限界の90%に抑えられていることと相俟って、車両が実際に旋回限界に達してタイヤがスリップするのを確実に防止することができる。
【0042】
車両が旋回限界に接近したことを予知したドライバーがステアリングホイール21を戻した結果、判定値|θS /θMAX +KθS ′|が0.9未満になると、補正係数出力手段M8が出力する補正係数K1 が1.5から1.0に復帰して操舵補助トルク増加制御が終了するが、その復帰は瞬間的にではなく緩やかに行われる。これにより、ドライバーがステアリングホイール21から受ける操舵反力が急激に変化するのを防止してドライバーの違和感を軽減することができる。
【0043】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0044】
例えば、実施例では操舵補助トルク増加制御を開始する閾値を0.9に設定しているが、その値は適宜変更可能である。また実施例では操舵補助トルク増加制御を開始した後の補正係数K1 を1.5に設定しているが、その値は適宜変更可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、車両が旋回限界に接近すると電動パワーステアリング装置が発生する操舵補助トルクが増加するように制御されるため、ドライバーが受ける操舵反力が低下する。その結果、ドライバーは車両が旋回限界に達してタイヤがスリップしたときと同じ感覚を受け、車両が実際に旋回限界に達する前に旋回限界に接近したことを予知することができる。これにより、ドライバーの自発的なステアリング戻し操作や減速操作を促して車両挙動の安定を確保することができる。
【0046】
また特に車両が旋回限界に接近するとステアリングホイールに入力される操舵角に対する操舵輪の転舵角の比が減少するので、前記した操舵反力の減少によりステアリングホイールが操舵角を増加させる方向に操作されても操舵輪の転舵角が急激に増加するのを抑制し、車両が旋回限界に達するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電動パワーステアリング装置を備えた操舵系の説明図
【図2】 舵角比可変機構の縦断面図
【図3】 電動パワーステアリング装置の制御手段の回路構成を示すブロック図
【図4】 操舵トルクから目標電流を検索するマップを示す図
【図5】 路面摩擦係数とコーナリングパワーとの関係を示すグラフ
【図6】 内部モデルの設定に係わるフロー図
【図7】 操舵角と車両状態量との関係を示すグラフ
【図8】 ΔFrc/ΔFrmから路面摩擦係数を検索するマップを示す図
【図9】 旋回限界判定手段の回路構成を示すブロック図
【図10】 路面摩擦係数から限界操舵角を検索するマップを示す図
【図11】 制御開始前後の補正係数の変化を示すグラフ
【図12】 制御開始前後の操舵角と転舵角との関係を示すグラフ
【符号の説明】
M4 旋回限界判定手段
S 電動パワーステアリング装置
1 操舵トルク検出手段
U 電子制御ユニット(制御手段)
FL 左前輪(操舵輪)
FR 右前輪(操舵輪)
Δδ 転舵角の増分
θS 操舵角
ΔθS 操舵角の増分
Δδ/ΔθS 操舵角の増分に対する転舵角の増分の比
21 ステアリングホイール
27 モータ
32 舵角比可変機構

Claims (1)

  1. 操舵系に操舵補助トルクを付加するモータ(27)を有する電動パワーステアリング装置(S)と、
    少なくとも操舵トルク検出手段(S1 )で検出した操舵トルクに基づいてモータ(27)を駆動する制御手段(U)とを備えた車両の操舵制御装置において、
    車両が旋回限界に接近したことを判定する旋回限界判定手段(M4)と、
    ステアリングホイール(21)に入力される操舵角(θ S )の増分(Δθ S )に対する操舵輪(W FL ,W FR )の転舵角の増分(Δδ)の比(Δδ/Δθ S )を変更可能な舵角比可変機構(32)とを備えてなり、
    両が旋回限界に接近したときには、前記制御手段(U)が旋回限界判定手段(M4)の判定に基づいて、操舵補助トルクが増加するようにモータ(27)を駆動すると共に前記比(Δδ/Δθ S )を減少させるように前記舵角比可変機構(32)を作動させることを特徴とする、車両の操舵制御装置
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