JP4812414B2 - 液体塗布具 - Google Patents

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Description

本発明は、筒状をなす本体の先端に塗布体を設け、前記本体内部の収容空間内に収容した塗布液を前記本体に取り付けた液圧加減機構によって加圧することにより塗布液を先端の塗布体へと供給し、一方、減圧することによって塗布液を引き戻すようにした液体塗布具に関するものであり、特に、皮膚や口腔などの軟質な被塗布体へ塗布液を塗布するための液体塗布具に関するものである。
従来、化粧料や薬品液等の塗布液を塗布する液体塗布具には、本体内に塗布液を収容し、先端に設けた塗布体(塗布部)にその塗布液を適時に供給するために、本体内部に設けられた液収容室内の塗布液を加圧するためにピストンおよびその繰り出し機構を有した液圧加圧機構、又は液押圧手段を有したものがある(特許第3081834号公報:特許文献1、実用新案登録第2603088号公報:特許文献2等参照)。
このような液体塗布具においては、塗布部に出た液を容器内に戻すことは、皮膚などに付いた雑菌に液が接して、その液が容器内に戻るため、問題と考えられていた。
しかしながら、昨今では、液の防菌力の向上によって、上記の問題よりも、ピストンで液吐出したときの吐出遅れ、温度変化による液の膨張、または、使用者が押圧操作を必要以上にしたとき等、液を出しすぎた場合の液戻し機能が求められるようになってきた。
また、特許文献1や特許文献2の場合のように、クリック感を伴いながらピストンを押して定量を吐出するものでは、繰り出し機構の操作を吐出方向にするときには問題が生じないが、ピストンを後退させる場合にピストンと軸状部材に必要以上の負荷をかけてしまい、機構に意図しない変形や破損等の不具合を生じさせる虞がある。
図9は、特許文献1に示すような、従来の本体部内(液収容室内)で前後動するピストン体aおよびその軸部a1に係合する軸状部材bの前端部b1を示す。
図9(a)に断面視で示すように、ピストン体aの後部には、後方の開放した空間a2の形成された筒状の軸部a1が延びている。この空間a2に面する軸部a1の内壁には、周方向に取り巻くように環状リブcが中心軸に向けて突出形成される。
また、軸状部材bにおいては、その本体部が外面にねじ溝が形成されたねじ部b2になっており、一方、前端部b1が、ねじ溝の無い概略円柱形状に延設され、その最前端には拡径したフランジ部dが形成されている。
図9(b)に示すように、前記軸部a1の空間a2内に軸状部材bの前端部b1を挿入しさらに圧入することによって、フランジ部dを前記環状リブcに乗り越えさせ、空間a2内に軸状部材bの前端部b1を緊密に嵌め込んでいる。
従来は、ピストン体aを前進させるときは、ピストン体a後部の軸部a1を軸状部材bによって前方に押していくので、軸状部材bの前端部b1がピストン体aの軸部a1から抜けることはない。
一方、ピストン体aを後退させるときは、ピストン体a後部の軸部a1が軸状部材b前端部b1と係合する係合力によって後方に引いていく。この係合力は、軸状部材b前端部b1のフランジ部dが、軸部a1の環状リブcに引っかかることによって生じ、主にその軸部a1の耐変形力に依存している。
塗布液が、粘度の高い液体や、温度等の環境状態によって高粘度に変化している液体であると場合、ピストン体aの引き込みに強い力を要し、前記係合力以上の力を加える場合がある。
その場合、軸部a1が拡大する等変形して、軸部a1の環状リブcが軸状部材bのフランジ部dを乗り越えてしまい、軸状部材bが軸部a1から抜けてピストン体aが動かなくなり、作動不良が生じ、使用できないという不具合が生じる。
これに対して、係合力を上げるために、前記フランジ部の外径や環状リブの内径を大きくして、それら間の段差の高さを高くした場合には、軸状部材を軸部の係合力ばかりでなく、軸部a1の空間a2内に軸状部材bの前端部b1を挿入して圧入するときの圧入力が必然的に高くなるので、製作時に作業負荷になり、製作時間や製作コストがかかる問題が生じる。
また、樹脂成型品のピストン体では、圧入時に軸部やねじ部前端が必要以上に変形して、破損や割れが発生する原因になり、歩留まり悪化を招来する虞がある。
特許第3081834号公報 実用新案登録第2603088号公報
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、本体内部の化粧料等の塗布液をピストンの前進・後退によって加圧・減圧する機構において、操作時に必要以上の負荷が係らないようにして機構に意図しない変形や破損等の不具合が生じることを確実に防止できる液体塗布具を提供することを目的とする。
本発明は、筒状をなす本体の先端に塗布体を設け、前記本体内部の収容空間内に収容した塗布液を前記本体に取り付けた液圧加減機構によって加圧することにより塗布液を先端の塗布体へと供給し、一方、減圧することによって塗布液を引き戻すようにした液体塗布具であって、液圧加減機構は、前記本体内部の収容空間に向けて前進・後退して収容空間内の容積を減少・増大させるピストン体と、該ピストン体の後部に軸状部材の前部を係合して、この軸状部材を使用者の操作力によって前後動させて前記ピストン体を前進・後退動作させる駆動機構とを有し、前記ピストン体の後部には、後端側が開放した内部空間の有る係合部を後方に向けて突出形成し、この突出した係合部の一部側面部にその内部空間を側方に開放する挿通穴を形成し、前記内部空間に面する内壁部の対向面間隔を、後方側よりも前方側が段部を介して拡がるように形成し、前記軸状部材の前端部には、側方に突出する係合用突出部を形成し、前記軸状部材の前端部を、挿通穴を通して内部空間内に位置させ、前記係合用突出部を内壁部の段部に掛け止めすることによって、前記ピストン体後部の係合部に軸状部材の前部を係合させるようにしたことを特徴とする液体塗布具である。
本発明において、前記ピストン体後部の係合部は、側方視して挿通穴から内部空間に亘って略T字形状を呈するように内壁部および段部を形成し、軸状部材の前端部の係合用突出部は、上記内部空間寸法に対応した幅寸法のフランジ状に形成したものであることが好適である。
本発明において、前記収容空間およびピストン体側に向く前端部に、軸状部材を通して出没させる孔を形成した固定筒状体を本体に固定して設けており、前記固定筒状体の前端部には、前記孔の周囲に前方に突出した環状突出部が形成され、この環状突出部の少なくとも前端の内径は、前記ピストン体の係合部の後端部外径よりも大径に形成されていることが好適である。
本発明において、前記固定筒状体の前端部の環状突出部の内周面と前記ピストン体の係合部の後端部外周面は、後方向きに細径になるテーパ状に形成されていることが好適である。
本発明において、前記収容空間およびピストン体側に向く前端部に、軸状部材を通して出没させる孔を形成した固定筒状体を本体に固定して設けており、前記軸状部材には、ピストン体後部の係合部に係合する係合突出部の後方に、側方に拡径する拡径部を形成し、前記ピストン体が後退したときに、この拡径部を前記固定筒状体の孔周囲の前端面に当接させることによって前記軸状部材のそれ以上の後方移動を規制するようにしたことが好適である。
本発明において、前記軸状部材は、その外周面に軸方向に沿って凹溝および雄ねじが形成された軸状部材であり、前記駆動機構は、この軸状部材と、前記本体の後端開口部より挿入されて本体内部に固定され、前端部に前記軸状部材の外周面の雄ねじに螺合する雌ねじ孔を有する固定筒状体と、前記軸状部材の凹溝に係合する凸部の有る異形の係合孔に軸状部材を挿通させ、軸状部材に対して前後動自在に回り止めされ、かつ、本体外部から回転操作可能に本体に装着された繰り出し体とを備えて、繰り出し体を回転させることによって軸状部材を介してピストン体を前進・後退移動させて前記収容空間内の塗布液の圧力を増減するようにしたことが好適である。
本発明において、前記繰り出し体の後部には、使用者が回転操作するための筒状操作部が抜け止め状態で外装され、この筒状操作部内周部および繰り出し体の後部外周とには一方に溝が他方にこの溝に弾性的に係合する凸部が形成されており、この溝および凸部間の係合力は、軸状部材の移動に要する筒状操作部の回転操作力が一定以上になったならば係合が外れるように設定されていることが好適である。
なお、本発明において、固定筒状体の内周に凹凸を周方向に配列したカム部を形成し、このカム部に弾性的に当接する突起部を繰り出し体外周に形成し、このカム部の凹凸は、軸状部材を前進させるときに要する筒状操作部の回転操作力よりも後退させるときに要する該回転操作力が強くなるように形成したものであることが好適である。
また、本発明において、塗布体に使用する弾性体の材質が、ゴムエラストマー、または復元性を有する独立気泡体であることが好適である。
以上のような本発明の構成或いは手段によれば、ピストン体の後部に、後端側が開放した内部空間の有る係合部を後方に向けて突出形成し、この突出した係合部の一部側面部にその内部空間を側方に開放する挿通穴を形成し、前記内部空間に面する内壁部の対向面間隔を、後方側よりも前方側が段部を介して拡がるように形成し、前記軸状部材の前端部には、側方に突出する係合用突出部を形成し、前記軸状部材の前端部を、挿通穴を通して内部空間内に位置させ、前記係合用突出部を内壁部の段部に掛け止めすることによって、前記ピストン体の後部に軸状部材の前部を係合させるようにしたので、前記軸状部材の前端部を挿通穴を通して内部空間内に位置させることができる。したがって、軸状部材前端部の係合用突出部を内部空間に位置させる際に、抵抗無く挿通穴を通すことができ、従来のように係合用突出部を圧入によって嵌入させる必要がないので、係合用突出部および段部の高さを必要とする係合力に応じて自由に設定できる。
そして、前記係合用突出部を内壁部の段部に掛け止めする際に、前記ピストン体の後部に軸状部材の前部を自由に設定できる係合力によって係合させることができるので、軸状部材を後退させるときに係合用突出部が内壁部の段部に掛け止めして強固に係合することができる。
上記の場合に、前記ピストン体の後部の係合部を、側方視して挿通穴から内部空間に亘って略T字形状を呈するように内壁部および段部を形成し、軸状部材の前端部の係合用突出部を、上記内部空間寸法に対応した幅寸法のフランジ状に形成したものにすれば、一層強固かつ確実に軸状部材前端部を係合部に係合することができる。
本発明において、前記収容空間およびピストン体側に向く前端部に、軸状部材を通して出没させる孔を形成した固定筒状体を本体に固定して設けて、前記固定筒状体の前端部に、前記孔の周囲に前方に突出した環状突出部を形成し、この環状突出部の少なくとも前端の内径は、前記ピストン体の係合部の後端部外径よりも大径(好ましくは、係合部が嵌り込む程度にやや大径)に形成することによって、ピストン体の後退限時に環状突出部の内側にピストン体の係合部後端部が嵌り込む。それ以上に、駆動機構によって軸状部材を後退させた場合に、軸状部材前端部の係合用突出部が、挿通穴に連通する内部空間を押し開くようにピストン体の係合部を変形させようとする力を作用させるが、この係合部後端部が前記環状突出部の内側に嵌り込んで、環状突出部によって外側から変形を防止する力が作用するので、変形の防止が確実にできる。
したがって、係合部が拡大する等変形して、軸状部材の係合用突出部がピストン体の係合部から抜ける等の不具合を無くすことができる。
よって、軸状部材が係合部から抜けてピストン体が動かなくなる作動不良が生じることを確実に防止して、使用できないという不具合を未然に防ぐことができる。
なお、環状突出部の少なくとも前端の内径を、前記ピストン体の係合部の後端部外径よりも0.1〜2mm大径(好ましくは、係合部がやや緊密に嵌り込む程度にやや大径)に形成することができる。これによって、係合部が変形してすぐに環状突出部の内周が係合部に当たって変形防止の効果を迅速に発揮可能になる。
また、上記の場合に前記固定筒状体の前端部の環状突出部の内周面と前記ピストン体の係合部の後端部外周面は、後方向きに細径になるテーパ状に形成されていれば、ピストン体の後退限時に環状突出部の内側にピストン体の係合部後端部が嵌り込み、それ以上に、駆動機構によって軸状部材を後退させた場合に、軸状部材前端部の係合用突出部が上記の環状突出部のテーパ状の内周面によって徐徐に小径に絞られるので、内部空間を押し開くようにピストン体の係合部を変形させようとする力に対して、環状突出部によって外側から変形を防止する力が一層強く作用するので、変形の防止がさらに確実にできる。
また、前記軸状部材には、ピストン体後部の係合部に係合する係合突出部の後方に、側方に拡径する拡径部を形成し、前記ピストン体が後退したときに、この拡径部を前記固定筒状体の孔周囲の前端面に当接させることによって前記軸状部材のそれ以上の後方移動を規制すれば、軸状部材の後方へ移動させようとする力によってピストン体に作用しないので、より一層、係合部の変形を防止できる。
以下、本発明を液体塗布具の最良の形態に基づいて、添付図面を参照しながら詳述する。尚、本発明の液体塗布具は、以下の実施形態に限るものではない。
図1は、実施形態に係る液体塗布具の側断面図である。
図2(a)、および(b)は図1の液体塗布具の先軸部分の構造の斜視図、縦断面図である。
図3(a)、(b)および(c)は図1の液体塗布具の回転操作部材の内筒材の縦断面図、斜視図および図1のC−C線に沿う横断面視図である。
図4(a)、(b)および(c)は、図1の液体塗布具のピストン体と軸状部材との対応説明図、詳細斜視図、および組み立て状態説明図である。
図5〜図8は、本発明の液体塗布具に用いるピストン体、固定筒状体、および軸状部材の第1実施例〜第4実施例の縦断面視した各説明図である。
〔液体塗布具1〕
図1および図2に示すように、実施形態に係る液体塗布具1は、筒状をなす本体2の先端に塗布体10を設け、前記本体2内部の収容空間(貯留タンク)2b内に収容した塗布液4を前記本体に取り付けた液圧加減機構6によって加圧することにより塗布液4を先端の塗布体10へと供給し、一方、減圧することによって塗布液4を引き戻すようにした液体塗布具1である。
そして、この液体塗布具1において、液圧加減機構6は、前記本体2内部の収容空間2bに向けて前進・後退して収容空間内の容積を減少・増大させるピストン体35と、該ピストン体35の後部に軸状部材(「ねじ棒」とも称する)32の前部を係合して、この軸状部材32を使用者の操作力によって前後動させて前記ピストン体35を前進・後退動作させる駆動機構(回転操作部材31、軸状部材32,固定筒状体34,内筒材57等からなる)とを有している。
詳細には、図1に示すように、液体塗布具1は主要部材として外筒である本体2、先軸3、塗布液4、液圧加減機構6、キャップ7、および弁機構8を有してなる。各部は、塗布体10は必要な塗布性能が得られるようにゴムなどの弾性樹脂で成形され、その塗布体10以外の部材は必要な気密性能や支持性能が得られる密度および剛性に樹脂成形されている。
〔本体2〕
本体2は、概略中空筒状を呈し、その先端部に先細の小径部2aが形成され、その小径部2aの外径寸法がキャップ7の内径寸法とほぼ同一に形成されている。その小径部2aに着脱可能にキャップ7が着脱自在に嵌合される。装着時に想定した小径部2aおよびキャップ7の互いの対向部分には、リブ状の凹凸部が形成され、それら同士によって凹凸嵌合するようにして、小径部2aに対してキャップ7が不意の力で外れないようになっている。
本体2の小径部2aの開口から内部には、先軸3の基端が液密に嵌着される。また、本体2の後端には液圧加減機構6が配されている。
そして、この液圧加減機構6のピストン体(ガスケット)35は、本体2の後端開口から挿入して、本体中央部の内壁に密着して摺動可能に設けられている。
したがって、本体2内と、先軸3の後端部と、ピストン体35とに囲まれる空間部分は、塗布液4の塗布液収容空間2bとして形成されている。
〔液圧加減機構6〕
図1に示すように、実施形態に係る液体塗布具1においては、本体2の後端には一体になった液圧加減機構6が配されており、液圧加減機構6は、使用者の操作入力によってその構成要素のピストン体35を本体2中央部の内壁に密着して液密に摺動し、これによって、前記塗布液収容空間2bの容積を現象・増大して塗布液4を加圧・減圧する。
液圧加減機構6は、主要部材として回転操作部材31、軸状部材32、軸状部材32を出没させる固定筒状体34(これらは駆動機構に相当する)、および上述のピストン体35を有してなる。
そして、回転操作部材31は互いに回転不能に接合させた外筒キャップ56と内筒材57とからなり、回転操作部材31全体は本体2に回転可能に設けられる。
〔固定筒状体34〕
固定筒状体34は環状部材からなり、本体2に回転不能に取り付けられている。固定筒状体34および回転操作部材31(内筒材57先方外周面)同士の噛合わせ部61はラチェットが形成されている(図6参照)。回転操作部材31は、固定筒状体34(それの固定された本体2)に対して両方向に回転可能になっており、塗布液を吐出する一方向へ回転させたときには、ラチェットによる手指にクリック感を生じさせつつ吐出させ、他方向へ回転させたときには、設定された回転力以上の入力をしたときに回転するように回転規制されている。つまり、その他方向に一定以上の回転力が加わった時に、その規制を解除して回転可能にするトルクリミッタ機能を付与している。
〔塗布体10〕
液体塗布具1の塗布体10は弾性材からなり、図1〜図2に示すように、塗布体10は、本体2内と外部に通じる連通路24が形成されて常態(塗布液を加圧していない状態)において連通路24は閉止し、且つ塗布液4が液圧加減機構6によって加圧された際に、連通路24が弾性変形して開放しうる弁機構8を有し、塗布体10の塗布部分10aは弁機構8の連通路24の吐出口24aから更に先端へ突出して設けられる。
塗布体10は、図1および図2に示すように、先軸3先方から突出して露出する先端部が、両面テーパ部21、22で、偏平な先細り形状となっている。上面のテーパ部21に段差が形成され、その肩部23には孔部10b先端に繋がるスリット状連通路24の弁機構8が設けられており、塗布体10の塗布部分10aは弁機構8から更に先方に向けて形成されている。
また、液圧加減機構6の有する本体2内部の塗布液4を減圧する機能によって、弁機構8は、液圧加減機構6が塗布液4に対する加圧を停止した以後に、塗布液4を前記液圧加減機構6が減圧することによって、連通路24の弾性変形を常態に強制的に復帰させて当該連通路24を閉止できる構成になっている。
〔回転操作部材31、内筒材57〕
回転操作部材31は、互いに通常は相対回転不能で一定以上の回転力によって相対回転するように接合させた外筒キャップ56と内筒材(「繰り出し体」とも称する)57とからなり、回転操作部材31全体は本体2に回転可能に設けられる。
詳しくは、図3に示すように、内筒材57が、各所に切り欠きを設けた、前部(57f)、中央部(57c)から後部(57r)に行くにかけて段階的に拡径した概略筒体状のものである。
内筒材57には、その後部(57r)の側面部にU字形状の切り欠きによって少なくとも径方向外側に弾性を付与した片持ち梁状の弾性構造58が,また、前部(57f)の側面部にU字形状の切り欠きによって少なくとも径方向外側に弾性を付与した片持ち梁状の弾性構造59がそれぞれ形成されている。
各片持ち梁状の弾性構造58および59のそれぞれの表面部には、軸方向視の断面が三角屋根状の突起58aおよび59aが径方向外側に向けて突出して設けられている。
内筒材57の後部(57c)の中央部寄り側の外周部には、その中央部よりも段状に拡径した複数の環状凸部が外方に突出するフランジ部60が形成される。内筒材57前部を本体2内に装着した際に、このフランジ部60前端面が本体2の後端面に当接して、内筒材57がそれ以上本体2内に潜り込まない構成にしている。そして、外筒キャップ56を内筒材57後部に外着したときに外筒キャップ56の内周の段部が上記のフランジ部60の外周に回動可能に嵌り込み抜け止めしている。
また、外筒キャップ56の内周面の後部には、軸方向に沿う溝が形成されていて、その溝に上記片持ち梁状の弾性構造58表面の突起58aが噛み合って、内筒材57と外筒キャップ56とが操作時に一体に回るようにしており、一定以上の回転力が付与されたならば弾性構造58の突起58aが外筒キャップ56の溝からはずれて相対回転するクラッチ構造をなしている。
内筒材57前部に設けられた内カム部39は、その前部中心孔内が軸状部材32外周形状に対応した異形のカム形状を呈した孔である。上記の軸状部材32が内カム部39のカム孔(中心孔)に挿通していることによって、軸状部材32が回転操作部材31(内カム部39を介して)に軸方向に摺動可能にかつ相対回転不能に係合している。
また、この内カム部39に挿通・係合する軸状部材32の切り欠き部分以外の外周面には、雄ねじが形成され、その雄ねじは固定筒状体34の中心部孔内に形成された雌ねじに螺合される。
実施形態では雄ねじおよび雌ねじは右ねじであり、回転操作部材31の外筒キャップ56を本体2に対して右回転させると、内カム部39を介して軸状部材32が右回転し、これによって、軸状部材32の雄ねじが固定筒状体34の雌ねじによって前進し、ピストン体35を押して、塗布液収容空間(貯留タンク)2b内の塗布液を加圧する(液押圧機能)。
逆に、前記外筒キャップ56を本体2に対して左回転させると、内カム部39を介して軸状部材32が左右回転し、これによって、軸状部材32の雄ねじが固定筒状体34の雌ねじによって後退し、ピストン体35を引いて、塗布液収容空間2b内の塗布液を減圧する(液減圧機能)。
このようにして、液圧加減機構6が塗布液4に対する液圧加減機能を達成する。
なお、必要に応じて、軸状部材32と固定筒状体34の各螺合箇所を左ねじとすることができる。その場合には、上記と逆に左回転で塗布液4を加圧し、一方、右回転で塗布液4を減圧する。
上記の固定筒状体34は、太径部34aの内側の先方に細径部34bを一体成形した(固定してもよい)概略二重筒状を呈した環状部材であり、太径部34a外周面が本体2内に嵌められて回転不能に取り付けられている(図1参照)。そして、固定筒状体34の細径部34b内周面には、右ねじの雌ねじが形成され、太径部34aの内周面には、前記弾性構造58の突起58aが嵌り込む歯状のラチェット溝からなる、噛合わせ部61が内面全周に形成されている。
噛合わせ部61の歯は、図3(c)に示すように、内周側角部が一方側がなだらかで他方側が切り立っている。前記内筒材57を固定筒状体34後方からはめ込んだ状態で、噛合わせ部61に前記弾性構造59の突起59aが嵌り込む。
回転操作部材31を本体2に対して右回り(図3中、矢印R方向)に回転(一方側回転)させると外筒キャップ56を介して内筒材57が右回りに回転し、内カム部39を介して軸状部材32が右回転し固定筒状体34の雌ねじとの螺合によって軸状部材32が前進しピストン体35を繰り出して本体内の塗布液を加圧状態にする。
回転操作部材31、軸状部材32および固定筒状体34に亘っては、回転操作部材31の内筒材57を一方側回転させる際に(R方向回転)、突起59aは歯同士の間の溝に嵌り込んだ状態から上記のなだらかな角部に当たりその角部を乗り越えて次の溝に嵌り込むので、クリック感を感じさせつつ軽く回る加圧構造を構成する。一方、同様の回転操作部材31、軸状部材32および固定筒状体34に亘っては、この内筒材57を他方側回転させる際に(反R方向回転)、突起59aは歯同士の間の溝に嵌り込んだ状態から上記の切り立った角部に当たりその角部を乗り越えて次の溝に嵌り込むので、回転させるには一方方向よりも強い力(トルク)を加えなければ回転しないので、規制感を感じさせつつ重く回る減圧構造を構成する。
このように、噛合わせ部61では、固定筒状体34と回転操作部材31(内筒材57先方外周面)同士は塗布液4の吐出を望むときには、一方側にラチェットして容易に回転し吐出しやすくする。一方、使用後に塗布液4を引っ込めるときには強制的にスリットの弁機構8を閉じるように他方側に回転可能にするが、その回転がしにくいように規制して塗布液4の減圧が緩やかになるようにしている。これによって、吐出口の弁機構8が必要以上に急激に閉まったり、塗布液4が急激に本体2内に引き込まれるのにつられて空気が引き込まれることを確実に防止できる。
もちろん、減圧時に、回転操作部材31に一定以上の回転力が加わった時に、塗布液4の急激な引き込みをしないように、上記の外筒キャップ56の内周面と内筒材57と弾性構造58突起58aとの係合を外して、トルク伝達を解除して空回転可能にするトルクリミッタ機能を付与する。
〔軸状部材32〕
軸状部材32の外周面部は、その軸方向に沿って凹溝及び雄ねじが形成され、横断面視して異形のカム形状を呈する(例えば、横断面視で径方向端部に切り欠きが形成されて概略小判型形状を呈する)。その雄ねじは固定筒状体34の中心部孔内に形成された雌ねじに螺合される。
また、回転操作部材31の内筒材57(噛合わせ部61のさらに先方部)の内カム部39はそのカム孔(中心孔)内形状が軸状部材32外周形状の凹溝に対応した凸部を有する異形のカム形状を呈している。
上記の軸状部材32が内カム部39のカム孔(中心孔)に挿通していることによって、軸状部材32が回転操作部材31(内カム部39を介して)に軸方向に摺動可能にかつ相対回転不能に係合している。
軸状部材32の先端部はピストン体35に連結され、回転操作部材31が所定方向に回転すると、軸状部材32は固定筒状体34を介して本体2の先端方向に向けて前進し、これによって、ピストン体35を先端方向へと移動させ、塗布液4を押圧する。
〔ピストン体35〕
図4によって、具体的なピストン体35および軸状部材32の構造および係合状態を説明する。
図4(a)〜(b)に示すように、ピストン体35は、軸方向中央外面がやや凹み、前記本体2の塗布液収容室(塗布液収容空間2b)内周面に摺設する概略筒状のガスケット体35aと、ガスケット体35aの軸方向中央部内側に厚膜状に形成された基部35bと、この基部35bから後方に概略柱状に延びる係合部42とが射出成形などによって一体に樹脂形成されている。
前記ピストン体35の後部には、後端側が開放した内部の広い内部空間41の有る係合部42を後方に向けて概略円柱状に突出形成する。
この突出した係合部42の一部側面部にその内部空間41を側方に開放する挿通穴43を形成し、前記内部空間41に面する内壁部44の対向面間隔を、後方側の対向間隔D1よりも前方側の対向間隔D2が段部45を介して拡がるように形成している。
また、前記軸状部材32の前端部には、凹溝および雄ねじが形成されていない円柱状部分32aを介してフランジ状等の軸側方に突出する係合用突出部46を一体形成している。
図4(c)に示すように、前記軸状部材32の前端部を、挿通穴43を通して内部空間41内に位置させ、前記係合用突出部46を内壁部44の段部45の前側に掛け止めすることによって、前記ピストン体35後部の係合部42に軸状部材32の前部を係合させるようにしたものである。内部空間41の内径は、係合用突出部46の外径と同じかやや大きく形成されている。
このようにして、前記軸状部材32の前端部を、挿通穴43を通して内部空間41内に位置させることができる。したがって、軸状部材32前端部の係合用突出部46を内部空間41に位置させる際に、抵抗無く挿通穴43を通すことができ、従来のように係合用突出部を圧入によって嵌入させる必要がないので、係合用突出部46および段部45の高さを必要とする係合力に応じて自由に設定できる。
そして、前記係合用突出部46を内壁部44の段部45に掛け止めする際に、前記ピストン体35の後部に軸状部材32の前部を自由に設定できる係合力によって係合させることができるので、軸状部材32を後退させるときに係合用突出部46が内壁部44の段部45に掛け止めして強固に係合することができる。
なお、図4(a)に示すように、係合部42には、前記軸状部材32の円柱状部分32aを挿入する通し穴47も形成されている。横断面視で、この通し穴47の底部は断面が一部切り欠いた円形を呈しており、その切り欠いた箇所の幅Bが入り口幅Cよりも小さくなっている(B<C)。
また、通し穴47の底部の径は前記軸状部材32の円柱状部分32aの外径Aと同じかやや小さくすることが、ガタ無く装着できることから好ましい。
また、前記切り欠いた箇所の幅Bは、前記外径Aよりも同じか小さくすることが円柱状部分32aひいては軸状部材32の抜け止めになり好ましい。樹脂成形品であれば、押し込むことによって通し穴47が拡大するように変形して装着することができる。
更に入り口幅Cは前記箇所の幅Bよりも広くして、円柱状部分32aを誘導しやすくすることが、作業性の観点から好ましい。
前記ピストン体35後部の係合部42は、側方視して挿通穴43から内部空間41に亘って略T字形状を呈するように内壁部44および段部45を形成している。そして、軸状部材32の前端部の係合用突出部46は、上記内部空間41寸法に対応した幅寸法のフランジ状に形成したものであるので、フランジ状に形成しない場合に比較して、フランジのほぼ全周で段部45に引っかけることができるため、左右でバランスよく係合できるので係合力が強く、フランジの片側で係合するとき比較して、一層強固かつ確実に軸状部材32前端部を係合部42に係合することができる。
なお、この実施形態に係る軸状部材32の係合用突出部46および円柱状部分32aは、液体塗布具1の使用時に、前記内部空間41と通し穴47内で回転しながらピストン体35を押し力・引き力を伝達するので、断面円形の回転体構造を呈している。しかしながら、本発明はこの構成に限定されず、軸状部材の前後に駆動させるのに前記内筒材における内カム部のカム孔に換えてネジ孔にし、固定筒状体の中心部孔を雌ねじに換えてカム孔にする構成を採用することによって、軸状部材を回転させずにピストン体に押し力・引き力を伝達することができる。このように非回転の軸状部材構造とすることによって、軸状部材の先端部には、回転体構造の採用が必要でなくなり、ピストン体との係合力を向上させる種々の非対称形状を採用することができ、液体塗布具の設計の自由度が向上できる。
ここで、図5は、第1実施例に係る液体塗布具の固定筒状体34を示す。
図5に示すように、この第1実施例では、塗布液収容空間2bおよびピストン体35側に向く前端部に、軸状部材32を通して出没させる孔(中心部孔)を前部の細径部32bに形成した固定筒状体34を本体に固定して設けている。なお、その他の構成は、上記図1〜図4に示す実施形態の液体塗布具と同様構成、同様機能であるので、同様の部分に同一の符号を付する。
前記固定筒状体34の前端部には、前記孔の周囲に前方に筒状に突出した環状突出部48が形成され、この環状突出部48は、ピストン体35の係合部42の後端面が突き当たる大きさに形成されている。
このように突き当たった後に、前記の回転操作部材31に回転力を加えると、軸状部材32がさらに引っ込もうとする。この場合、環状突出部48に係合部42が当たって係合用突出部46が段部45を引いて内部空間41を押し広げる方向に変形する場合があるが、係合用突出部46と段部45とが平坦面に形成して、押し広げる力が作用しにくくできる。
なお、この固定筒状体34のその他の実施例構成は後述する。
〔先軸3〕
図1に示すように、先軸3は先端に向かうにしたがって縮径する先細り形状の筒体構造を呈して形成され、その前後に解放した内部空間に塗布体10をその先端部を突出させた状態で収容し、かつ、収容状態で本体2に固定する。塗布体10は後述するように、先方になるほど平たく細くなる形状を呈している。
先軸3の後方部外周には環状の嵌合凹部3aが形成されている。嵌合凹部3aは本体2における小径部2aの内面に形成された環状の嵌合凸部(図示せず)に圧入嵌合し、先軸3が本体2から抜脱することを防止している。
また、先軸3の外周部には鍔部3bが形成され、鍔部3bが小径部2aの前端面に当接している。この先軸3の内面には、軸方向に延出するリブ3cが内周面の等間隔に複数本形成され、このリブ3cの後端面とパイプ継手12の前端面とによって塗布体10後端部の拡径したフランジ状部分を挟み付けて、塗布体10を先軸3内で挟持・固定するようになっている。
塗布体10は弾性体からなり、パイプ継手12および塗布液供給パイプ13に支持される。塗布液供給パイプ13はパイプ継手12の中央の貫通孔12aに嵌挿固定されると共に、塗布体10に設けた孔部10bの後端部から孔部の大径である中間部(先軸3の先端部)まで挿入され、液漏れ抑制機構を兼ねる。
塗布体10は両面がテーパ部21、22で、偏平な先細り形状となっている。上面のテーパ部21に段差が形成され、その肩部23には弁機構8が設けられる。塗布体10の塗布部分10aは弁機構8から更に先端に向けて形成されている。
弁機構8は、肩部23にスリット状に形成された連通路24と、塗布部分10aの弾性変形とを利用した簡単な機構となっている。連通路24は塗布体10の孔部10bと連通され、常態においては塗布液4が外部に流れないようにその弾性力で閉止される一方、液圧加減機構6によって塗布液4が加圧された際に、弾性変形により開放される。
本発明では、塗布体10は全体が弾性体であっても良く、また、塗布部分10aのみが弾性体から構成されていても良い。塗布部分10aの材質としては弾性材からなり、ゴム、エラストマー等の弾性材を上げることができる。また塗布部分10aの材質は液密性のある限り、例えば、連続起泡を有しない弾性体であれば何ら問題なく使用することができる。
例えば、
(1)ゴムとしては、NBR、シリコンゴム、EPDM、フロロシリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、クロロブレンゴム、ブタジエンゴム、プチルゴム等がある。
(2)エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー等がある。
(3)独立気泡体としては、ポリエチレンフォーム、塩ビフォーム、ポリスチレンフォーム等ある。
図2に示すように、塗布部分10aは段差形成された肩部23から更に延在する部分であり、平面部25として形成され、平面部25には粗面部26が形成される。連通路24の吐出口24aから吐出した塗布液4は、一旦、平面部25の粗面部26に一時保持される。かかる部分での塗布液の保持量は、その使用する化粧品の種類によるものである。
このように構成された液体塗布具1にあっては、その常態において、塗布液4は、本体2内、先軸3のパイプ継手12内、塗布液供給パイプ13内、および塗布体10の孔部10bに充填されている。充填塗布液4は、連通路24が閉止状態にあるため外気に触れることがない。また、使用時にあっては、液圧加減機構6の回転操作部材31が回転させられる。回転操作部材31の回転により、軸状部材32は内カム部39の駆動伝達により先端に向けて前進する。これにより、ピストン体35が先端に前進し、塗布液4を加圧する。塗布液4の加圧によって弁機構8の連通路24が弾性力に抗して開放される。これにより、塗布液4は所定量吐出され、塗布液4がほぼ大気圧に戻ることにより連通路24が閉止する。
また、液圧加減機構6はラチェットを利用しているため、回転操作部材31の一回の操作で、回転操作部材31は決められた量だけ回動し、ピストン体35を操作毎に所定量だけ押し出す機構を有する。
また、連通路24の吐出口24aに、吐出した塗布液4を一時保持する平面部(液保持部)25を塗布部分10aに設けることによって、吐出塗布液4の急激な飛び出し等に対してボタ落ちを防止することができる。
以上のことから、使用後に外気に触れる塗布液4は吐出口24aからの塗布部分10aに限られ、これらは容易に除去できることから、高粘度の塗布液4であっても、簡便に塗布し得るだけでなく、外気や外部からの微生物汚染等から内蔵する塗布液4を十分に保護することができる。
なお、本発明は、上記実施形態の液体塗布具の構造に限定されないことはもちろんであり、発明の範囲内で種々に変形実施できる。
例えば、前記実施形態の液体塗布具では、図4に示すピストン体35を用い、図5に示す実施例1に係る固定筒状体34を用いて、ピストン体35と軸状部材の係合を確実にし、係合用突出部46と段部45とを平坦にして内部空間41の押し広がる係合部42の変形を防止していたが、この係合部42の変形をさらに効果的に防止するためには、固定筒状体34の構造に次の第2実施例〜第4実施例が採用することがより一層好ましい。
図6は、第2実施例に係る液体塗布具の固定筒状体34を示す。
図6に示すように、この第2実施例に係る液体塗布具では、固定筒状体34前端部の環状突出部48は、段状に拡径して中空筒状に突出しており、その突出し拡径した前端部49の内径は、前記ピストン体35の係合部42の後端部外径よりもやや大径に形成されている。なお、その他の構成は、上記図1〜図4に示す実施形態の液体塗布具と同様であるので、同様の部分に同一の符号を付する。
ピストン体35の後退限時には、環状突出部48の内側にピストン体35の係合部42後端部が嵌り込む。それ以上に、駆動機構によって軸状部材32を後退させた場合に、軸状部材32前端部の係合用突出部46が、挿通穴43に連通する内部空間41を押し開くようにピストン体35の係合部42を変形させようとする力を作用させるが、この係合部42後端部が前記環状突出部48の内側に嵌り込んで、環状突出部48によって外側から変形を防止する力が作用するので、変形の防止が確実にできる。
したがって、軸状部材32の係合用突出部46がピストン体35の係合部42から抜ける等の不具合が無くなる。
なお、環状突出部48の少なくとも前端の内径を、前記ピストン体35の係合部42の後端部外径よりも0.1〜2mm大径(好ましくは、係合部がやや緊密に嵌り込む程度にやや大径)に形成することによって、係合部42の環状突出部48への嵌入をスムーズに行うことができ、かつ、係合部42が変形したときにすぐに環状突出部48の内周が係合部42に当たって変形防止の効果を迅速に発揮可能になる。
図7は、第3実施例に係る液体塗布具の固定筒状体34を示す。
図7に示すように、この第3実施例に係る液体塗布具では、前記固定筒状体34の前端部の環状突出部48の内周面と前記ピストン体35の係合部42の後端部外周面は、後方向きに細径になるテーパ状に形成されている。なお、その他の構成は、上記図1〜図4に示す実施形態の液体塗布具と同様であるので、同様の部分に同一の符号を付する。
詳しくは、固定筒状体34前端部の環状突出部48は、テーパ状に前方開きに拡径して突出し、その突出してテーパ状に拡径した前端部50の前端内径は、前記ピストン体35のテーパ状に後方すぼまりになった係合部42の後端外径よりも大径に形成されている。なお、その他の構成は、上記図1〜図4に示す実施形態の液体塗布具と同様であるので、同様の部分に同一の符号を付してその説明を略する。
この第3実施例によれば、ピストン体35の後退限時に環状突出部48の内側にピストン体35の係合部42後端部が嵌り込み。この場合に、テーパ状に後方すぼまりの係合部42後端がテーパ状の環状突出部48前端に位置決めしながら入り込むので、少々互いの中心軸線がずれても環状突出部48の入り側入り始めれば、軸合わせを自動的にしながら係合部42が入り込んでいく。そして、係合部42が環状突出部48内に嵌り込んだ状態で、それ以上に、駆動機構によって軸状部材32を後退させた場合に、軸状部材32前端部の係合用突出部46が上記の環状突出部48のテーパ状の内周面によって徐徐に小径に絞られる力が働くので、軸状部材32が引っ張れて内部空間41を押し開くようにピストン体35の係合部42を変形させようとする力に対して、環状突出部48によって外側から変形を防止する力が一層強く作用するので、変形の防止がさらに確実にできる。
図8は、第4実施例に係る液体塗布具の軸状部材32および固定筒状体34を示す。
図8に示すように、第4実施例の液体塗布具では、前記収容空間2bおよびピストン体35側に向く前端部に、軸状部材32を通して出没させる孔(中心部孔)を形成した固定筒状体34を本体2に固定して設けている。なお、その他の構成は、上記図1〜図4に示す実施形態の液体塗布具と同様であるので、同様の部分に同一の符号を付する。
前記軸状部材32には、ピストン体35後部の係合部42に係合する係合用突出部46の後方に、側方に拡径するフランジ状の拡径部51を形成し、前記ピストン体35が後退したときに、この拡径部51を前記固定筒状体34の孔周囲の環状突出部48の前端面に当接させることによって前記軸状部材32のそれ以上の後方移動を規制するようにしたものである。
この第4実施例によれば、軸状部材の後方へ移動させようとする力によってピストン体35に作用しないので、より一層、係合部42の変形を防止できる。
実施形態に係る液体塗布具の側断面図である。 (a)、および(b)は図1の液体塗布具の先軸部分の構造の斜視図、縦断面図である。 (a)、(b)および(c)は図1の液体塗布具の回転操作部材の内筒材の縦断面図、斜視図および図1のC−C線に沿う横断面視図である。 (a)、(b)および(c)は、図1の液体塗布具のピストン体と軸状部材との対応説明図、詳細斜視図、および組み立て状態説明図である。 本発明の液体塗布具に用いるピストン体、固定筒状体、および軸状部材の第1実施例の縦断面視した説明図である。 本発明の液体塗布具に用いるピストン体、固定筒状体、および軸状部材の第2実施例の縦断面視した説明図である。 本発明の液体塗布具に用いるピストン体、固定筒状体、および軸状部材の第3実施例の縦断面視した説明図である。 本発明の液体塗布具に用いるピストン体、固定筒状体、および軸状部材の第4実施例の縦断面視した説明図である。 (a)および(b)は従来の本体部内(液収容室内)で前後動するピストン体およびその軸部に係合する軸状部材の前端部を示す。
符号の説明
1 液体塗布具
2 本体
2a 小径部
2b収容空間
3 先軸
4 塗布液
6 液圧加減機構
7 キャップ
10 塗布体
10a 塗布部分
10b 孔部
13 塗布液供給パイプ
24 連通路
31 回転操作部材
32 軸状部材
32a 円柱状部分
34 固定筒状体
34a 太径部
34b 細径部
35 ピストン体
35a ガスケット体
35b 基部
39 内カム部
41 内部空間
42 係合部
43 挿通穴
44 内壁部
45 段部
46 係合用突出部
47 通し穴
48環状突出部
49 前端部
50前端部
51拡径部
56 外筒キャップ
57内筒材
58 弾性構造
58a 突起
59 弾性構造
59a 突起
60 フランジ部
61噛み合わせ部
A 軸状部材の円柱状部分の外径
B通し穴の切り欠き幅
C 通し穴の入り口幅
D1後方側の対向間隔
D2 前方側の対向間隔
R 右回転方向(加圧方向)

Claims (7)

  1. 筒状をなす本体の先端に塗布体を設け、前記本体内部の収容空間内に収容した塗布液を前記本体に取り付けた液圧加減機構によって加圧することにより塗布液を先端の塗布体へと供給し、一方、減圧することによって塗布液を引き戻すようにした液体塗布具であって、
    液圧加減機構は、前記本体内部の収容空間に向けて前進・後退して収容空間内の容積を減少・増大させるピストン体と、
    該ピストン体の後部に軸状部材の前部を係合して、この軸状部材を使用者の操作力によって前後動させて前記ピストン体を前進・後退動作させる駆動機構とを有し、
    前記ピストン体の後部には、後端側が開放した内部空間の有る係合部を後方に向けて突出形成し、この突出した係合部の一部側面部にその内部空間を側方に開放する挿通穴を形成し、前記内部空間に面する内壁部の対向面間隔を、後方側よりも前方側が段部を介して拡がるように形成し、
    前記軸状部材の前端部には、側方に突出する係合用突出部を形成し、
    前記軸状部材の前端部を、挿通穴を通して内部空間内に位置させ、前記係合用突出部を内壁部の段部に掛け止めすることによって、前記ピストン体後部の係合部に軸状部材の前部を係合させるようにしたことを特徴とする液体塗布具。
  2. 前記ピストン体後部の係合部は、側方視して挿通穴から内部空間に亘って略T字形状を呈するように内壁部および段部を形成し、
    軸状部材の前端部の係合用突出部は、上記内部空間寸法に対応した幅寸法のフランジ状に形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の液体塗布具。
  3. 前記収容空間およびピストン体側に向く前端部に、軸状部材を通して出没させる孔を形成した固定筒状体を本体に固定して設けており、
    前記固定筒状体の前端部には、前記孔の周囲に前方に突出した環状突出部が形成され、この環状突出部の少なくとも前端の内径は、前記ピストン体の係合部の後端部外径よりも大径に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体塗布具。
  4. 前記固定筒状体の前端部の環状突出部の内周面と前記ピストン体の係合部の後端部外周面は、後方向きに細径になるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体塗布具。
  5. 前記収容空間およびピストン体側に向く前端部に、軸状部材を通して出没させる孔を形成した固定筒状体を本体に固定して設けており、
    前記軸状部材には、ピストン体後部の係合部に係合する係合突出部の後方に、側方に拡径する拡径部を形成し、
    前記ピストン体が後退したときに、この拡径部を前記固定筒状体の孔周囲の前端面に当接させることによって前記軸状部材のそれ以上の後方移動を規制するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の液体塗布具。
  6. 前記軸状部材は、その外周面に軸方向に沿って凹溝および雄ねじが形成されており、
    前記駆動機構は、この軸状部材と、前記本体の後端開口部より挿入されて本体内部に固定され、前端部に前記軸状部材の外周面の雄ねじに螺合する雌ねじ孔を有する固定筒状体と、前記軸状部材の凹溝に係合する凸部の有る異形の係合孔に軸状部材を挿通させ、軸状部材に対して前後動自在に回り止めされ、かつ、本体外部から回転操作可能に本体に装着された繰り出し体とを備えて、
    繰り出し体を回転させることによって軸状部材を介してピストン体を前進・後退移動させて前記収容空間内の塗布液の圧力を増減するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の液体塗布具。
  7. 前記繰り出し体の後部には、使用者が回転操作するための筒状操作部が抜け止め状態で外装され、この筒状操作部内周部および繰り出し体の後部外周とには一方に溝が他方にこの溝に弾性的に係合する凸部が形成されており、
    この溝および凸部間の係合力は、軸状部材の移動に要する筒状操作部の回転操作力が一定以上になったならば係合が外れるように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の液体塗布具。
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